特許第6559768号(P6559768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559768小型スプリットリップせん断ワッシャノズル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559768
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】小型スプリットリップせん断ワッシャノズル
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/10 20060101AFI20190805BHJP
   B60S 1/60 20060101ALI20190805BHJP
   B60S 1/52 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   B05B1/10
   B60S1/60 Z
   B60S1/52
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-504008(P2017-504008)
(86)(22)【出願日】2015年8月15日
(65)【公表番号】特表2017-532184(P2017-532184A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】US2015045429
(87)【国際公開番号】WO2016025930
(87)【国際公開日】20160218
【審査請求日】2017年5月18日
(31)【優先権主張番号】62/155,693
(32)【優先日】2015年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/037,942
(32)【優先日】2014年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/040,516
(32)【優先日】2014年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516300944
【氏名又は名称】ディエルエイチ・ボウルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】dlhBOWLES Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】シュリダール・ゴパラン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・チュンリン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・キャメロン
【審査官】 高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−089025(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0236449(US,A1)
【文献】 特表2008−517747(JP,A)
【文献】 特表昭55−500853(JP,A)
【文献】 米国特許第07478764(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0188991(US,A1)
【文献】 特表昭56−500081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00−3/18;7/00−9/08
B60S1/00−1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ワッシャノズルアセンブリで使用される小型スプレーヘッドであって、前記ノズルアセンブリは、内側内腔断面積が漸減する先細遷移領域を有する内側内腔と流体連通する開放近位端を有する成型小型せん断スプレーノズル部材を備え、
前記内腔が遠位側で、第2の孔縁と対向する第1の孔縁を有する細長噴霧孔を備えた遠位せん断噴霧生成チャンバを終端とし、
前記遠位せん断噴霧生成チャンバが、第1の流体衝突角を画定する第1の凹壁部も有し、前記第1の凹壁部が前記第1の孔縁を終端とし、
前記遠位せん断噴霧生成チャンバが、第2の流体衝突角を画定する第2の凹壁部も有し、前記第2の凹壁部が前記第2の孔縁を終端とし、前記成型小型せん断スプレーノズル部材が遠位略半球状外面を終端とし、前記噴霧孔が外方に放射する流体噴霧扇を生成するように構成される、小型スプレーヘッド。
【請求項2】
前記噴霧孔は、均一な噴霧分布で30度〜120度の範囲から選択される角度の第1および第2の略同一平面扇状噴霧を生成するように構成される第1および第2の並んだ噴霧孔を画定するスプリッタの周囲に画定される、請求項1に記載の小型スプレーヘッド。
【請求項3】
前記遠位略半球状外面の外径が5mmである、請求項1に記載の小型スプレーヘッド。
【請求項4】
前記遠位せん断噴霧生成チャンバおよび前記噴霧孔が、選択された噴霧照準角、ヨー角、ロール角で噴霧を生成するように構成される、請求項1に記載の小型スプレーヘッド。
【請求項5】
前記遠位略半球状外面が、外側切欠き壁部と、前記第1および第2の並んだ噴霧孔を画定する前記スプリッタとを備えて構成される、請求項2に記載の小型スプレーヘッド。
【請求項6】
前記第1および第2の略同一平面扇状噴霧が形成され、前記スプリッタによって分割されて前記噴霧孔を画定する楕円状孔の高さおよび幅によって噴霧扇角が画定される、請求項2に記載の小型スプレーヘッド。
【請求項7】
前記噴霧のヨー角は非対称であり、第一の横方向に間隔をおいて配置される噴霧孔が第二の横方向に間隔をおいて配置される噴霧孔よりも大きい開口部を有することによって、2つの扇が交わる場所で、比較的広い噴霧角の均一な発泡しない噴霧を生成できる、請求項4に記載の小型スプレーヘッド。
【請求項8】
小型せん断スプレーノズルアセンブリであって、
近位端を備えた流体流路を有する成型小型せん断スプレーインサート部材を備え、前記流体流路が、内側流体流路断面積が漸減する先細遷移領域をさらに備え、
前記流体流路が遠位側で、第2の孔縁と対向する第1の孔縁を有する細長噴霧孔を備えた遠位せん断噴霧生成チャンバを終端とし、
前記遠位せん断噴霧生成チャンバが、第1の流体衝突角を画定する第1の凹壁部も有し、前記第1の凹壁部が前記第1の孔縁を終端とし、
前記遠位せん断噴霧生成チャンバが、第2の流体衝突角を画定する第2の凹壁部も有し、前記第2の凹壁部が前記第2の孔縁を終端とし、
前記成型小型せん断スプレーインサート部材が遠位外面を終端とし、前記噴霧孔が、外方に放射する流体噴霧扇を生成するように構成される小型せん断スプレーノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記噴霧孔は、均一な噴霧分布で30度〜120度の範囲から選択される角度の、第1および第2の略同一平面扇状噴霧を生成するように構成された第1および第2の並んだ噴霧孔を画定するように配置された内方突出スプリッタの周囲に画定される、請求項8に記載の小型せん断スプレーノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記成型小型せん断スプレーインサート部材の終端の遠位外面が外径5mmの略半球状である、請求項8に記載の小型せん断スプレーノズルアセンブリ。
【請求項11】
前記遠位せん断噴霧生成チャンバと前記噴霧孔が、様々な噴霧照準角、ヨー角、ロール角で噴霧を生成するように構成される、請求項8に記載の小型せん断スプレーノズルアセンブリ。
【請求項12】
噴霧のヨー角は非対称であり、第一の横方向に間隔をおいて配置される噴霧孔が第二の横方向に間隔をおいて配置される噴霧孔よりも大きい開口部を有することによって、2つの扇が交わる場所で、比較的広い噴霧角の均一な発泡しない噴霧を生成できる、請求項11に記載の小型せん断スプレーノズルアセンブリ。
【請求項13】
前記せん断チャンバおよび前記噴霧孔が、均一な噴霧分布で、30度〜120度の範囲から選択される角度の、第1、第2、第3の略同一平面扇状噴霧を生成するように構成される第1、第2、第3の並んだ噴霧孔を画定するように配置された前記インサート部材の外周面に画定される、請求項8に記載の小型せん断スプレーノズルアセンブリ。
【請求項14】
前記インサート部材の外面は、前記インサート部材を包囲する流体不浸透性キャップ部材によって画定される、請求項13に記載の小型せん断スプレーノズルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、以下の同時係属共同所有米国特許出願に優先権を主張し、その全開示を引用により本願に援用する。(a)2014年8月15日に提出された米国特許出願第62037942号の「傾斜せん断ワッシャノズル」、(b)2014年8月22日に提出された米国特許出願第62040516号の「傾斜せん断ワッシャノズル」、(c)2015年5月1日に提出された米国特許出願第62155693号の「スプリットリップせん断形状ワッシャノズル」。
【技術分野】
【0002】
本発明は、外部カメラレンズ面などの比較的小さな外面を清掃し、機械的ワイパーなどにとっての必要条件なしで非常に良好に清掃を行う自動車ワッシャノズルに関する。
【背景技術】
【0003】
流体型ワッシャノズルは、高効率(大有効範囲、高速、低流量)噴霧性能のためによく知られている。しかしながら、流体ノズルは、ノズルアセンブリのパッケージ寸法が十分に大きくなければならないという大きな制限を有する(たとえば、流体入口または供給源から噴霧孔までの直線距離、あるいは前後厚は、流体回路の大部分で6mm以上でなければならない)。
【0004】
用途によっては、パッケージ寸法は、利用可能な空間が非常に限定されるため大きな問題である。このような限定された空間への適用では、ジェットスプレーノズルが一般的に使用されてきた。極狭噴霧パターンのせいで、通常、ジェットスプレーノズルは清掃流体を超高速で供給しなければならない、あるいは、長時間噴霧させて,ガラスまたは外部レンズ面を有効に清掃しなければならない。ジェットスプレーノズルは流体ノズルよりもパッケージ寸法が小さいが、機械型ワイパーなどを必要とせずに、面を十分に清浄化しなければならないカメラレンズの清掃などの多くの自動車清掃用途にとって有効な噴霧パターンを備えていない。
【0005】
一部のせん断ノズルは、洗浄に有効な噴霧を生成するように作製することができ、ノズルハウジングのソケット内で移動するように構成される球状インサートで調節可能に製造することができるが、寸法の限定はいまだに課題である。自動車の設計者は、自動車ワッシャノズル用の超小型ノズルアセンブリを求めると同時に、均一な噴霧分布も求める。また、自動車OEMは、非常に経済的で多機能のノズルを求める。たとえば、外装アセンブリは、米国DOT規制が要求するセンター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)アセンブリなどの多くの機能と組み合わされることが多い。センター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)アセンブリは、外部カメラなどの他の特徴を含むことができるが、自動車デザイナーの外装設計を保持すべき場合、カメラ上のレンズの清掃が問題となる。
【0006】
稚拙にスプレーノズルを組み込んだ自動車外装アセンブリの多くの例では、自動車外装の美的外観を保持することができるが、ウィンドウや他の面を十分に清掃する噴霧を生成しない。その1例が米国特許第6,074,078号明細書で提供されており、車両14は、センター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)外装アセンブリ10を含む外側パネルまたは面12を有し、該アセンブリは、下側ノズルフード44から孔77を通じて洗浄流体を噴射するように構成されるスプレー先端70を備えるレンズ24を有する(従来技術の図1A〜1Dで再現される)。このノズル構造は、通常は車両のリアウィンドウまたはバックライトガラス上へ洗浄流体を下方向に確実に噴射することができるが、噴霧が特定の面を清掃するには不十分と言える。図1A〜1Dに示すようなノズル構造は、ワイパーブレードも併用する場合は、リアウィンドウを清掃するのに十分に機能するが、このノズルからの噴霧だけではウィンドウをほとんど清掃できない。
【0007】
車両の外部ビューカメラレンズ面のように小型で特殊な物を清掃するのは、技術的な観点からより一層困難であるが(国際公開第2012/138455号パンフレットを含む出願人の共同所有特許出願公開に記載される)、自動車OEM設計者は、外部レンズ清掃噴霧に対して、さらに小型で視覚的に目立たない解決策を探している。こうした噴霧を生成するノズルは、センター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)、1以上の外部ビューカメラ、カメラの外面(または隣接ウィンドウ)を清掃するのに必要な1以上のノズルアセンブリなどの複数の異なる部品を含む見た目に美しく容易に搭載可能な外装アセンブリに組み込むように構成されることが最も望ましいであろう。
【0008】
したがって、必要とされるのは、実際的かつ経済的で、超小型だが有効な自動車ワッシャノズル構造と、センター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)、1以上の外部ビューカメラ、カメラの外面または隣接ウィンドウの清掃に必要なノズルアセンブリなどの複数の各種部品を含む、見た目に美しく容易に搭載可能な外装アセンブリに組み込むためのより小型で目立たないパッケージにおいて実行することのできる清掃方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,074,078号明細書
【特許文献2】国際公開第2012/138455号パンフレット
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、超小型(たとえば、直径5mm)スプレーヘッドから1以上の開放孔に照準を合わせることによって、噴霧照準および配向特徴で所望の噴霧を確実に生成することができるノズルアセンブリを統合する新規な方法を提供して、上記の課題を克服することである。
【0011】
本発明によると、噴霧配向を選択できる、新規な超小型(たとえば、直径5mm)せん断スプレーノズル部材は、単体または一体型成形部として非常に経済的に構成される。この小型ノズル部材またはスプレーヘッドは好ましくは、選択された扇角度を有する噴霧を生成するように配向され照準を合わせられた第1および第2のせん断ノズル孔を備えて構成される。噴霧扇角度は、30度〜120度の範囲内で選択することができる。噴霧配向角度(照準角、ロール角、ヨー角)は、0度〜45度の角度内で選択することができる。本発明のノズルアセンブリは、噴霧有効範囲を犠牲にせずに、パッケージの寸法およびコストを大幅に低減した構造を可能にする。
【0012】
本発明のスプリットリップせん断ノズルの実施形態は、自動車ワッシャノズル用の超小型スプレーヘッド設計を含む。噴霧扇は、二重のせん断形状であり、30度〜120度の間で選択可能な均一分布を生成する。視覚的に目立たないスプリットリップせん断スプレーヘッドは、遠位方向に突出する直径5mmほどの小型の半球状凸部であるが、利用可能な範囲の噴霧の照準角、ヨー角、ロール角を提供する。スプリットリップせん断ノズルの実施形態は好ましくは、スプリッタによって分離され、横方向に間隔をおいて配置された噴霧孔を有する一体型プラスチック成型部品であり、スプレーヘッドは、成形性と多様性を向上させるように構成される。
【0013】
後部センター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)搭載ノズルアセンブリ用に構成される別の実施形態では、製造上の利点が提供され、従来技術の後部せん断ノズルに存在する製造(工程)不良モードが排除される。本発明のCHMSLノズルアセンブリ設計は、成型上の問題のため、通常は従来技術のノズルの放出口を複雑にする「遮断」故障モードを排除する。本発明のCHMSLスプリットリップせん断ノズルアセンブリは、噴霧を大幅に劣化または停止させるフラッシュ問題(成形部へのフラッシュが噴霧を部分的または完全に遮断する故障モードを招く)を抱える小さな放出口を有する。1実施形態では、ノズルアセンブリは「インサート」と共に使用されるように構成され、様々なノズル形状を「インサート」内の流体流路で画定することができる。
【0014】
本発明の上記およびその他の目的、特徴、利点は、特に添付図面と併せて、特定の実施形態の以下の詳細な説明を考慮すれば自明になるであろう。各種図面中の類似の参照符号は類似の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A図1Aは、従来技術に係る、自動車のリアウィンドウまたはバックライトに清掃流体を噴射するように構成されるノズルを含む従来のセンター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)外装アセンブリを備えた車両を示す。
図1B図1Bは、従来技術に係る、自動車のリアウィンドウまたはバックライトに清掃流体を噴射するように構成されるノズルを含む従来のセンター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)外装アセンブリを備えた車両を示す。
図1C図1Cは、従来技術に係る、自動車のリアウィンドウまたはバックライトに清掃流体を噴射するように構成されるノズルを含む従来のセンター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)外装アセンブリを備えた車両を示す。
図1D図1Dは、従来技術に係る、自動車のリアウィンドウまたはバックライトに清掃流体を噴射するように構成されるノズルを含む従来のセンター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)外装アセンブリを備えた車両を示す。
【0016】
図2図2は、本発明による一体型プラスチック成型小型スプリットリップせん断ノズル部材の透視立面図であり、このノズル部材は、スプリッタによって分離され横方向に間隔をおいて配置されて、平面扇状噴霧を清掃面に方向付ける噴霧孔を備え、噴霧は選択された扇幅、選択されたヨー角、選択されたロール角を有する。
【0017】
図3図3は、本発明に係る、図2の小型スプリットリップせん断ノズル部材の外面と内腔面とを示す部分左側断立面面図である。
【0018】
図4図4は、本発明に係る、図2および3の小型スプリットリップせん断ノズル部材の、スプリッタによって分割されて横方向に間隔をおいて配置される噴霧孔を囲む外面と、内側内腔面とを示す部分遠位端立面断面図であり、二重せん断状の噴霧扇を示す。
【0019】
図5A図5Aは、本発明に係る、図2〜4の小型スプリットリップせん断ノズル部材の外面および内側内腔面を示す部分右側立面断面図である。
【0020】
図5B図5Bは、本発明に係る、噴霧孔画定壁構造、スプリッタの配置および構造、図2〜4の小型スプリットリップせん断ノズル部材の遠位端で流体衝突面を画定する内側内腔面を示す詳細右側断面図である。
【0021】
図5C図5Cは、本発明に係る、一体型プラスチック成型小型スプリットリップせん断ノズル部材の別の実施形態を示す遠位端面立面図であり、スプリッタによって分割されて横方向に間隔をおいて配置される噴霧孔を備えたノズル部材は、別の平面扇状噴霧を被清掃面へと方向付け、噴霧は非対称な選択されたヨー角を有する。
【0022】
図5D図5Dは、本発明に係る、図2〜4の小型スプリットリップせん断ノズル部材を示す部分右側断面立面図であり、噴霧が選択された照準角で方向付けられる。
【0023】
図6A図6Aは、本発明の構造および方法の別の実施形態に係る、流体流路画定面、流体せん断生成形状、第1の小型CHMSLノズル部材インサートまたはチップ用のスプリットリップ孔を示す透視立面図である。
【0024】
図6B図6Bは、本発明に係る、小型CHMSLノズル部材インサートまたはチップの第2の実施形態を示し、流体流路画定面、流体せん断生成形状、スプリットリップ孔を示す透視立面図である。
【0025】
図7図7は、図6Aのノズルアセンブリハウジングおよびインサートまたはチップの断面立面図であり、本発明の小型CHMSLノズルアセンブリ用の流体流路の協働画定面、流体せん断生成形状、スプリットリップ孔を示す。
【0026】
図8図8は、本発明の方法による、小型CHMSLノズルアセンブリハウジングと、外装部材に組み込むあるいは装着するように構成される図6Aおよび7のインサートまたはチップとを示す透視立面図である。
【0027】
図9A図9Aは、本発明に係る、自動車外装搭載スプレーノズルアセンブリと小型せん断スプレーノズル部材の流体流路画定面の別の実施形態を示す透視立面図である。
【0028】
図9B図9Bは、本発明に係る、小型せん断スプレーノズル部材の流体流路画定面を示す図9Aの自動車外装搭載スプレーノズルアセンブリの平面図である。
【0029】
図10図10は、本発明の方法による、外装部材に組み込むあるいは装着するように構成されるキャップ部材を備えた、図9Aおよび9Bの自動車外装搭載スプレーノズルアセンブリを示す透視立面図である。
【0030】
図11図11は、本発明の方法に係る、キャップ部材を備えた図9A、9B、10の自動車外装搭載スプレーノズルアセンブリの内部構造を示す部分断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の自動車外装搭載スプレーノズルアセンブリと小型せん断スプレーノズル部材を詳細に説明すると、図2〜11は、せん断スプレーノズル構造と、ノズルを選択し照準を合わせて所望の噴霧を提供する方法とに関する特定の例示的実施形態を示す。例示の実施形態はすべて、噴霧扇またはパターンを確実に生成する超小型スプレーヘッド設計を提供し、該扇またはパターンは、選択された角度範囲(たとえば、30度〜120度)の総噴霧扇角度全体にわたって清掃流体(たとえば、水)を均一に分布させる2または3のせん断状平面噴霧から成る。本発明の自動車外装搭載スプレーノズルアセンブリおよび小型せん断スプレーノズル部材はすべて(たとえば、100、200、300)、図1Aに示すように、車両14で使用されるセンター・ハイマウント・ストップライト(「CHMSL」)アセンブリ10などの自動車外装に組み込むのに極めて適する。また、後述のノズルアセンブリおよびノズル部材(たとえば、100、200、300)は、外部ビューカメラ(図示せず)と共に車両外側パネル12または外部部品(たとえば、サイドミラーアセンブリ)に目立たないように容易に組み込んで、超小型カメラワッシャノズルを提供することができる。
【0032】
まず、図2〜5Dに示すスプレーヘッド実施形態から始めると、小型せん断スプレーノズル部材またはスプレーヘッド100は、直径5mm(120、図3に示すようにD−D)と小型化することができ、スプレーヘッド100の設計は様々な噴霧の照準角、ヨー角、ロール角を提供するように設計することができる(図5Cおよび5Dを参照)。スプレーヘッド100の例示の実施形態は、適切なプラスチック材料から容易に成型され、成型性および多機能性を向上するように構成される。
【0033】
スプレーヘッド100は好ましくは、流体不浸透性の耐久性のあるプラスチック材から、略円筒状中空部材の一体型単体構造として成型され、該部材は、遠位方向に突出する略円筒状(わずかに先細の円錐状)側壁106内に、該側壁の中心軸と共軸に配置される略円形開放内腔104を画定する略開放近位端102を有する。スプレーヘッド100の中心流軸110は遠位方向に延在し、スプレーヘッド100の径120(たとえば、5mm)は、図3に最も良く示されるように、中心スプレー軸110に沿って一方の側から他方の側まで測定される。
【0034】
スプレーヘッド内腔104は、内腔104を遠位方向に流れる流体を加速させるように構成され、第1の近位円筒状部104Aを有し、部分104Aは遠位側で、近位先細側壁部104Bで終端を成し、部分104Bは、中心円筒状部104Cの小径に至るまで遠位方向に先細となる。図3、5A、5Bに示すように、中央円筒状部104Cは、遠位側で遠位先細側壁部104Bを終端となし、部分104Bは、遠位側で幾分ドーム状の流体衝突せん断生成チャンバ114SCで終端を成す。ドーム状せん断生成チャンバ14SCの内面構造を図5Bの断面図に示し、内腔または流路104の遠位端は凹状流体衝突面を提供する。容器から流れる加圧流体は、内腔104へ圧送され、せん断生成チャンバ114SCに向かって遠位方向に流れながら加速され、チャンバ114SCにおいて、高速噴霧は、横方向に間隔をおいて配置された第1の噴霧孔117および第2の噴霧孔118によって強制的に選択噴霧パターンを形成する。これらの孔は、略平面状壁部またはスプリッタ116により部分的に画定される。
【0035】
流体はノズル入口102から内腔104へと流れ、そこで、内腔104によって画定される先細の流体流路に沿って強制的に遠位方向に送られ、分断された第1および第2の噴霧孔117、118から流体滴の噴霧として放出される。流体は、流体供給源または容器から流体を受け取り、流体供給源または容器と流体連通する流路入口102から流体流路に沿って流れるにつれ、流体流路104の断面積を低減させる先細遷移領域104B、104Dで加速される。せん断噴霧生成チャンバ114SCは、内腔または流体流路104と流体連通し、そこから流体を受け取る。流体は流体不浸透性の略平面状壁部またはスプリッタ116と、対向する流路側壁との周囲を流れて、第1のせん断噴霧孔117から第1の略平面状噴霧157Sを形成し、第2の噴霧孔118から第2の略同一平面噴霧158Sを形成する。噴霧孔117および118から放出される結合噴霧は少なくとも小さな重複部分を有し(図4を参照)、30度〜120度の選択された扇角度で比較的均一に分布される噴霧を共に生成する。同一平面噴霧157Sおよび158Sは、図5Dに最も良く示されるように、照準角度で傾斜した扇状に遠位方向に噴射され、噴霧形状および照準角度は、図2、3、5B、5Dに最も良く示されるように、切欠き壁部160、161、162を画定するノズル噴霧孔の構造によって一部決定される。切欠き壁部160は略平面であり、中心軸110に直角にまたは中心軸110に合わせて配置され(図3に最も良く示される)、近位側で噴霧孔117および118の外縁を画定する傾斜切欠き壁部161で終端となる。また、下側切欠き壁部162は、図2に最も良く示されるように、近位側で傾斜切欠き壁部161で終端を成す。
【0036】
図5Bに示す実施形態では、噴霧孔117および118の中心噴霧軸は、切欠き壁160および162の面間の中心であり、図5Bおよび5Dに示す噴霧の照準「AIM」角に対応する「出口角」を画定する。図5Bに示す実施形態では、出口角EAは、中心軸110に平行な直角面110Pから31.5度であるが、より大きくする(より水平に近いAIM角)あるいは小さくする(AIM角度は面110Pに平行に近くなる)こともできる。せん断チャンバ114SC内で、遠位端壁または上壁114TWは、垂線に対して90度の上部接近「TA」角を画定し、チャンバの側壁114SWは垂線に対して33.1度の下部接近「BA」角を画定し、つまり、これらのせん断チャンバ壁部間の角度は約123度であり、この角度が噴霧スロートまたは出口孔117、118に隣接する衝突角(「IA」)を画定する。図2〜5Dに示す実施形態では、スロート出口開口範囲は、切欠き壁162の縁から直角切欠き壁160の縁まで0.5mm〜1mm(好ましくは0.7135mm)であり、各出口側(スプリッタ116に対応する切欠き壁161の縁)からのスロート出口範囲は0.25mm〜0.75mm(好ましくは0.5mm)である。(切欠き壁161およびスロート出口117、118の縁によって画定される)後部平坦面からのスロート出口オフセット「TO」は好ましくは0.15mm〜0.35mm(好ましくは0.2558mm)であり、スロート出口角「TEA」(スロート出口縁に隣接するチャンバ114SC内の傾斜壁部)は、両側から0度〜35度(好ましくは20度)(切欠き壁160で垂線に対して70度、切欠き壁162で垂線に対して13.1度)である。
【0037】
当業者によって認識されるように、成型小型せん断スプレーノズル部材100は、内側内腔104と流体連通する開放近位端102を有する成型小型一体型スプレーヘッドを設け、該スプレーヘッドは、内腔断面積が漸減する先細遷移領域を有して、第1の孔縁を切欠き壁160に、対向する第2の孔縁を切欠き壁162に有する細長噴霧孔を備えたせん断噴霧生成チャンバ114SCに向けて洗浄流体を加速させる。遠位せん断噴霧生成チャンバ114SCは、第1の流体衝突角を画定する第1の(遠位端)凹壁部も有し、第1の凹壁部は切欠き壁160で第1の噴霧孔縁を終端とする。遠位せん断噴霧生成チャンバ114SCは第2の流体衝突角(図3に示す)を画定する第2の凹壁部も有し、第2の凹壁部は切欠き壁162で第2の噴霧孔縁を終端とする。小型せん断スプレーノズル部材110の外側は遠位略半球状または隆起外面(おそらく平坦端壁を含む)を終端とし、噴霧孔は、分割されて噴霧孔117および118を画定する孔から、外方に放射する扇状の流体噴霧を生成する。
【0038】
カメラレンズや自動車ガラス面などの生成に使用される際、供給領域はキャップまたはドーム状チャンバの遠位端のまさに中心に位置しないため、洗浄流体は、上流のせん断チャンバ114SCを介してまたは円錐領域の前に供給領域全体に供給および分布される。スロート形状は、スロート出口角が変動するという点で、多リップせん断ノズルの後に設定される。噴霧中心が重なるのを避けるため、図3および4に示すように、ノズルはスロートの分岐中心部を利用する。これにより、中心からある等しい角度で、より均一な2つの小さな噴霧扇157S、158Sが有効に生成される。これらの扇の角度は、スプリッタ116および側壁で形成される角度によって決定される。個々の扇角は、衝突角とスロートからのオフセット距離とによって制御することができる。
【0039】
図5Cに示す別の実施形態の小型せん断スプレーノズル部材100Bに示すように、噴霧のヨー角は、他方の側よりも一方の側(たとえば、118B)を大きく開放させることによって非対称となるように選択することができる。噴霧158SBの比較的広い噴霧角度は、この設計で発泡しない均一な噴霧を生成することができ、わずかに重なる範囲で2つの扇157S、158SBが交わる。
【0040】
本発明によると、噴霧配向が可変である直径5mmのせん断スプレーノズル100を一体型成型部として作製する新規な方法が提供される。噴霧扇角度は30度〜120度の範囲で変動させることができ、生成される噴霧は均一な無発泡扇を形成する。ノズルは、噴霧配向角度(照準角、ロール角、ヨー角)を0度〜45度の範囲で変動させることができるように構成される。したがって、パッケージの寸法とコストが、噴霧有効範囲を犠牲にせずに大幅に低減される。さらに、このノズルの設計により、中心軸110を中心にキャップを時計回りに回転させることができ、本発明のノズル構造を他の自動車レンズまたはウィンドウ面の洗浄用途に合わせて適合させることができる。
【0041】
図2〜5Dに示すように、流体が、スプリッタ壁部116の後ろに画定される略細長孔に供給され、その孔はスプリッタ116によって少なくとも部分的に封鎖される。せん断チャンバは、遠位流体流を誘導し分布させる略半球状面を画定し、流体流は、スプリッタ壁部116によって分割されて噴霧孔117、118を画定する細長または楕円孔で拡張され、その拡張流は分割されたシート状噴霧扇を形成して、スプリッタの配置が2つの噴霧孔を画定する。噴霧配向(照準、ロール角、ヨー角)は、流入流体の衝突角に略直角直である(図3に示す)噴霧出口ガイド面によって決定される。第1および第2の噴霧扇状は図4および5Aに示すように形成される)。噴霧扇角度は、スプリッタ壁部116によって分割されて噴霧孔117、118を画定する楕円状孔の高さと幅を調節することによって決定および制御される。噴霧分布は均一化し、弱くすることができる。
【0042】
上述したように、図2〜5Dに示す小型せん断スプレーノズル部材100は、CHMSL外装アセンブリ(たとえば、10)の面に組み込み、そこから照準を合わせて、外側レンズ面を清掃するための、目立たないが有効な方法を提供することができる。
【0043】
次に図6A〜8を参照すると、ノズルアセンブリ200は、後部センター・ハイマウント・ストップライト(CHMSL)搭載ベゼル(たとえば、10だが、任意の車体外装アセンブリベゼルまたは車体パネル12に組み込むことのできる構造を示す)用に構成される。小型せん断スプレーベゼル搭載可能なノズルアセンブリ200は製造上の利点を提供し、従来技術の後部せん断ノズルに存在する製造(工程)不良モードを排除する。図6A〜8に示す設計は、よく観察される「閉止」として知られる不都合な噴霧特徴を排除し、閉止では、成型ステップ後に残る押し金や鋳くずなどが、従来技術のノズルの噴霧孔で流れを乱す。この小さな口は、噴霧を部分的または完全に遮断することがある鋳くずの問題の影響を受けて、噴霧を大幅に劣化または停止させる。小型せん断スプレーCHMSLベゼル搭載可能なノズルアセンブリ200は、いくつかの可能なノズルインサートから選択される「インサート」210と共に使用されるように構成される。例示的インサート210は、選択されたファン幅、ヨー角、ロール角を有する噴霧を生成する。別のインサートをノズルアセンブリ200で使用して、異なる噴霧を確実に生成することができる。後述するように、別のインサート1210を図6Bに示す。
【0044】
特に図6Aおよび7を参照すると、新規のノズルアセンブリの実施形態200は、新規な二重孔せん断出口インサート210と共に使用されるように構成される。流体噴霧照準せん断出口インサート210は、流体を受け取る流路、口、またはスロット230を画定し、せん断出口インサート210に画定される流体路の境界を提供するノズルアセンブリハウジング220(たとえば、図7および8に示す)において使用されるように構成される。ノズルアセンブリ200は、内腔224および1以上の口またはスロット230を有する略中空流体不浸透性構造を画定するハウジング220を備えて構成され、各口またはスロットは、円滑なスロット壁内面232を有する略矩形の通路または孔を画定する。内側側壁面232は好ましくは、成型方法を用いる費用効率の高い製造に適した寸法を備え、対合せん断出口インサート(図示せず)の隆起部またはタブとの「スナップ嵌め」を形成するように配置され寸法を設定された側壁溝を随意で含む。ノズルアセンブリ200は、ハウジング220に画定されるスロット230にぴったりと収容および保持されるような寸法の1以上のせん断出口インサーまたはチップを含むように構成することができる。せん断出口インサート210が口またはスロット230内にぴったりと嵌合すると、ノズルアセンブリはハウジングの内側内腔224とハウジングの外側間を流体連通する流路を提供するため、ハウジングの内側内腔に進入する流体を使用して、平坦扇状噴霧を生成し、この噴霧は、せん断出口インサート210を支持し方向付けるあるいは照準を合わせるハウジング220の配向および構造によって遠位方向に方向付けられ照準を合わせられる。
【0045】
ノズルアセンブリハウジング220は、自動車外装ベゼルまたはその他の車体搭載物に組み込むことができる構造で示され、遠位方向に突出する噴霧照準端242を有し、この端部は、インサート収容スロット230の周囲に画定される目立たない半球状隆起部として構成される。ハウジングの遠位方向に突出する端部は、スロット230およびインサート210の配向を規定することによって噴霧の照準を合わせ、インサートは選択された扇角度で平坦噴霧を生成するように構成され、平坦噴霧の配向はスロット230の配向を調節することによって調節される。
好ましくは、ハウジング220は、プラスチックなどの好適な耐久性のある材料で成型され、ハウジング220を自動車外装品または車体パネル(たとえば、図1A〜1Dに示すようなベゼル10)に組み込むことのできる1以上の位置合わせ機能260またはスナップ嵌め保持タブ262を、選択された外面に含む。ハウジングの流体入口内腔224は好ましくは、管保持とげ状金具264を有するように構成される。
【0046】
図6A〜8に示すような本発明のせん断出口インサート210は、流体流路側212と反対側の平面に流体流路214を有する細長固体部材である。インサート210は、遠位側で遠位端215Dを終端とし、円筒状部を横方向に突出するインサート壁部215Tまで下方に湾曲する弓状端壁215EWを有し、噴霧生成217、218は弓状端壁215EWの任意の部分に画定することができる。インサート210は、ハウジングスロット230の開放遠位端に完全に挿入される近位端215Pを有するため、インサートの遠位端215Dはハウジングの遠位端と同一平面となるが露出し、横方向に突出するインサート壁部215Tは、ハウジング220に画定される協働横断フランジ壁部230FWと接する(図8を参照)。加圧清掃流体がノズルアセンブリ入口内腔224に圧送されると、せん断出口インサート210は流体せん断機構で動作し、遠位方向に発射する滴(図示せず)の噴霧を生成する。本発明のせん断噴霧回路またはインサートの現プロトタイプは、第1および第2の横方向に間隔をおいて配置され、照準を合わせられた噴霧扇を噴霧孔217および218から生成することによって、30度〜120度の扇角度で略平面状噴霧を生成する。
【0047】
図6A〜8に示すせん断出口インサート210の例示的実施形態は、相互に協働する複数部分を有し、該複数部分を流れる流体に作用して所望の噴霧を生成する流体はノズルアセンブリ入口224から間隙230に流れ込み、インサート面212に画定される流体流路214に沿って後述の部分を通って流され、分割されたまたは第1の噴霧孔217および第2の噴霧孔218から流体滴の噴霧として放出される。流体は、流体を受け入れる流路の入口2141から流体流路214に沿って遠位方向または下流に流れ、ハウジング入口および内腔224と流体連通するとき、流体流路214の断面積を低減させる先細遷移領域214Tで加速される。せん断チャンバ214SCは、先細遷移領域214Tと流体連通し、そこから流体を受け取り、流体は流体不浸透性の内方に突出するアイランド突起216と略凹状対向流路側壁との周囲を流れて、第1のせん断噴霧孔217から第1の略平面状噴霧を、第2の噴霧孔218から第2の略同一平面状噴霧を生成する。噴霧孔217および218から出る結合噴霧は少なくとも小さな重複部分を有し、30度〜120度の選択された扇角度で比較的均一に分布された噴霧を共に生成する。
【0048】
図6Bに示すせん断出口インサート1210の別の実施形態も、相互に協働する複数部分を有し、ノズルアセンブリハウジング220に挿入されるとき、該複数部分を流れる流体に作用して所望の噴霧を生成する。流体はノズルアセンブリ入口224から間隙230に流れ込み、インサート面1212に画定される流体流路1214に沿って後述の部分を通って流され、分割されたまたは第1の噴霧孔1217および第2の噴霧孔1218から流体滴の噴霧として放出される。流体は、流体を受け入れる流路の入口12141から流体流路1214に沿って遠位方向または下流に流れ、ハウジング入口および内腔224と流体連通するとき、流体流路1214の断面積を低減させる先細遷移領域1214Tで加速さする。せん断チャンバ1214SCは、先細遷移領域1214Tと流体連通し、そこから流体を受け取り、流体は流体不浸透性の内方に突出するアイランド突起1216と略凹状対向流路側壁1214TW、1214SWとの周囲を流れて、第1のせん断出口1217から第1の略平面状噴霧を、第2の噴霧孔1218から第2の略同一平面状噴霧を生成する。噴霧孔1217および1218から出る結合噴霧は少なくとも小さな重複部分を有し、30度〜120度の選択された扇角度で比較的均一に分布された噴霧を共に生成する。
【0049】
上述の実施形態と同様、インサート1210は、遠位側で遠位端1215Dを終端とし、円筒状部内を横方向に突出するインサート壁部分1215Tまで下方に湾曲する弓状端壁1215EWを有し、噴霧生成1217、1218は弓状端壁1215EWの任意の部分に画定することができる。インサート1210は、ハウジングスロット230の開放遠位端に完全に挿入される傾斜近位端1215Pを有するため、インサートの遠位端1215Dはハウジングの遠位端と同一平面となるが露出し、横方向に突出するインサート壁部1215Tは、ハウジング220に画定される協働横断フランジ壁部230FWと接する。
【0050】
当業者によって認識されるように、成型小型せん断スプレーノズル部材(たとえば、210、1210)は、小型せん断スプレーノズルアセンブリ200において使用されるとき、流体流路または内腔214と流体連通する開放近位端を有する小型の一体型成型スプレーヘッドを設け、該スプレーヘッドは、内腔断面積が漸減する先細遷移領域を有して、第1の孔縁を壁部215Dに、対向する第2の孔縁を壁部215EWに有する細長噴霧孔を備えたせん断噴霧生成チャンバ214SCに向けて洗浄流体を加速させる。遠位せん断噴霧生成チャンバ214SCは、第1の流体衝突角を画定する第1の(遠位端)凹壁部214TWも有し、第1の凹壁部214TWは第1の噴霧孔縁を終端とする。遠位せん断噴霧生成チャンバ214SCは、第2の流体衝突角を画定する第2の凹壁部214SWも有し、第2の凹壁部214SWは第2の噴霧孔縁を終端とする。小型せん断スプレーノズル部材210の外部は遠位外面215Dを終端とし、噴霧孔は、分割されて噴霧孔217および218を画定する孔から、外方に発射する扇状の流体噴霧を生成する。
【0051】
次に図9A〜11を参照すると、別のノズルアセンブリ300は、後部センター・ハイマウント・ストップライト(CHMSL)搭載ベゼル(任意の車体外装品または車体パネルに組み込むことのできる構造を示す)用に構成される。小型せん断スプレーベゼル搭載可能ノズルアセンブリ300はまた、製造上の利点を提供し、上述の製造(工程)不良モードを排除する。小型せん断スプレーベゼル搭載可能ノズルアセンブリ300は、いくつかの可能なノズルインサートから選択される、遠位方向突出部材または「インサート」310と共に使用されるように構成される。例示的インサート310は、選択されたファン幅、ヨー角、ロール角で噴霧を生成する。別のインサートをノズルアセンブリ300で使用して、異なるスプレーを確実に生成することができる。
【0052】
特に図9Aおよび9Bを参照すると、自動車外装搭載スプレーノズルアセンブリ300は、新規な三重孔せん断出口インサートまたは小型せん断スプレーノズル部材310を備えて構成される。流体噴霧照準せん断出口インサート310は、流体を受け取る流路330を画定し、せん断出口インサート310に画定される流体路の境界を受け取り提供するノズルアセンブリハウジング320(たとえば、図9A〜11に示す)において使用されるように構成される。ノズルアセンブリ300は、1以上の口またはスロット330と流体連通する内腔324を有する略中空流体不浸透性構造を画定するハウジング320を備えて構成され、各口またはスロットは、円滑なスロット壁内面を有する略矩形の通路または孔を画定する。ハウジング220のスロット230と同様に、内側側壁面は好ましくは、成型方法を用いる費用効率の高い製造に適した寸法を備え、対合せん断出口インサート(図示せず)の隆起部またはタブとの「スナップ嵌め」を形成するように配置され寸法を設定された側壁溝を随意で含む。ノズルアセンブリ300は、ハウジング320に画定されるスロット330にぴったりと収容および保持されるような寸法の1以上のせん断出口インサーまたはチップを含むように構成することができる。せん断出口インサート310が口またはスロット330内にぴったりと嵌合すると、ノズルアセンブリはハウジングの内側内腔324とハウジングの外側間を流体連通する流路を提供するため、ハウジングの内側内腔に進入する流体を使用して、平坦扇状噴霧を生成し、この噴霧は、せん断出口インサート310を支持し照準を合わせるハウジング320の配向および構造によって遠位方向に方向付けられ照準を合わせられる。
【0053】
再度図9Aおよび9Bを参照すると、インサート310は、遠位側で遠位端315Dを終端とし、壁部を画定する傾斜壁噴霧孔に接する端壁を有し、壁部には、(a)(内腔324の中心軸に沿った)軸方向に揃った遠位噴霧と、(b)(内腔324の中心軸を横切る線に沿った)略横断噴霧との間の任意の角度で照準を合わせるように構成することができる噴霧孔317、318、319が画定される。
【0054】
ノズルアセンブリハウジング320は、自動車外装ベゼルまたはその他の車体搭載物に組み込むことができる構造で示され、遠位方向に突出する端部キャップ342を有し、このキャップは、インサート収容スロット330を被覆および包囲するように画定される目立たない半球状隆起部として構成される。ハウジングの遠位に突出する端部キャップ342は、ハウジング320とインサート310の配向を画定することによって照準を合わせられるあるいは方向付けられるせん断噴霧を通過させる孔を備え、インサートは、選択された扇角度で平坦噴霧を生成するように構成され、平坦噴霧の配向はハウジング320の配向を調節することによって調節される。好ましくは、ハウジング320は、プラスチックなどの好適な耐久性のある材料で成型され、ハウジング320を自動車外装品または車体パネル(たとえば、ベゼル10)に組み込むことのできる1以上の位置合わせ機能360またはスナップ嵌め保持タブ362を、選択された外面に含む。ハウジングの流体入口内腔324は好ましくは、管保持とげ状金具364を有するように構成される。
【0055】
図9Aおよび9Bに示す本発明のせん断出口インサートまたは小型せん断スプレーノズル部材310は、流体流路側312と反対側の平面に流体流路314を有する細長固体部材である。インサート310は、インサートの遠位端315Dが露出するように、ハウジングスロット330に挿入される近位端(図示せず)を有する。加圧清掃流体がノズルアセンブリ入口内腔324に圧送されると、せん断出口インサート310は流体せん断機構上で動作して、遠位方向放射滴(図示せず)の噴霧を生成する。本発明のせん断噴霧回路またはインサート310の現プロトタイプは、第1、第2、第3の横方向に間隔をおいて配置され、照準を合わせられた噴霧扇を噴霧孔317、318、319から生成することによって、30度〜120度の扇角度で略平面状噴霧を生成する。
【0056】
図9A〜11に示すせん断出口インサート310の例示的実施形態は、相互に協働する複数部分を有し、該複数部分を流れる流体に作用して所望の噴霧を生成する。流体はノズルアセンブリ入口324から間隙330に流れ込み、インサート面312に画定される流体流路314に沿って後述の部分を通って流され、分割されたまたは第1、第2,第3の噴霧孔317、318、319から流体滴の噴霧として放出される。流体は、流体を受け入れる流路の入口から流体流路314に沿って流れ、ハウジング入口および内腔324と流体連通するとき、流体流路314の断面積を低減させる先細遷移領域314Tで加速される。せん断チャンバ314SCは、先細遷移領域314Tと流体連通し、そこから流体を受け取り、流体は第1の流体不浸透性の内方に突出するアイランド突起316Bと対向流路側壁との周囲を流れて、噴霧孔から第1、第2、第3の略同一平面噴霧を生成する。噴霧孔317、318、319から出て結合された噴霧は、比較的小さな重複部分を有し、30度〜120度の範囲の選択された扇角度で比較的均一に分布された噴霧を共に生成する。
【0057】
当業者によって認識されるように、成型小型せん断スプレーノズル部材310は、小型せん断スプレーノズルアセンブリ300で使用されるとき、流体流路または内腔324と流体連通する開放近位端を有する成型小型スプレーヘッドを設け、該スプレーヘッドは、内腔断面積が漸減する先細遷移領域を有して、第1の(上側)孔縁(壁部315D近傍の噴霧孔317の上部)と、対向する第2の孔縁(噴霧孔319の下部)とを有する細長噴霧孔を備えたせん断噴霧生成チャンバ314SCに向けて洗浄流体を加速させる。遠位せん断噴霧生成チャンバ314SCは、第1の流体衝突角を画定する第1の(遠位端)凹壁部314TWも有し、第1の凹壁部は遠位端に画定され、第1の(上端または遠位端)噴霧孔縁を終端とする。遠位せん断噴霧生成チャンバ314SCは、第2の流体衝突角を画定する第2の凸状壁部314SWも有し、第2の凸状壁部は第2の噴霧孔縁を終端とする。小型せん断スプレーノズル部材310の外側は遠位外面515Dで終端となり、キャップ342が装着されると、噴霧孔は、アイランド316Aおよび316Bで分割されて3つの並んだ噴霧孔317、318、319を画定する孔から、外方に突出する流体噴霧扇を生成する。
【0058】
新規な高度ノズル部品構造の好適な実施形態を説明したが、本明細書に記載する教示に鑑み、当業者にその他の変更形態や変形形態が示唆されると考えられる。したがって、上記の変形形態および変更形態はすべて本発明の範囲に属すると考えられると理解すべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11