特許第6559778号(P6559778)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559778
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】充電回路及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190805BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20190805BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   H02J7/00 S
   H02H7/18
   H02J1/00 309H
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-516508(P2017-516508)
(86)(22)【出願日】2015年6月1日
(65)【公表番号】特表2017-529055(P2017-529055A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】CN2015080478
(87)【国際公開番号】WO2016192005
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2017年3月23日
【審判番号】不服2018-4467(P2018-4467/J1)
【審判請求日】2018年4月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】グァンドン オッポ モバイル テレコミュニケーションズ コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 加亮
【合議体】
【審判長】 國分 直樹
【審判官】 宮本 秀一
【審判官】 井上 信一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5892351(US,A)
【文献】 特開昭50−002119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42-10/48
H02J1/00-1/16
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02M3/00-3/44
H02H7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電回路であって、
携帯端末の充電インタフェースとバッテリーとの間に位置し、
前記充電インタフェースに接続され、前記充電インタフェースを介して充電のための直流電力を受けるとともに、前記充電インタフェースから供給される直流電力を交流電力に変換する第1回路と、
前記バッテリーに接続され、前記第1回路から出力される交流電力を受けるとともに、前記第1回路から出力される交流電力を直流電力に変換して前記バッテリーを充電する第2回路と、
前記第1回路と前記第2回路との間に位置し、前記第1回路と前記第2回路との間の直流路を遮断する容量結合素子と、を含み、
前記第1回路は、前記容量結合素子の一端及びアースにそれぞれ接続され、前記第1回路の内部のスイッチを制御することで、前記容量結合素子におけるコンデンサを充電させたり、前記容量結合素子におけるコンデンサから前記第1回路に接続されるアースに放電させたりして、前記充電インタフェースから供給される直流電力を交流電力に変換し、
前記容量結合素子は、前記第1回路が正常に動作する場合に前記第1回路から出力される交流電力を前記第2回路に伝達し、前記第1回路が故障で交流電力を生成していない場合に前記第1回路から出力される直流電力を遮断することを特徴とする充電回路。
【請求項2】
前記第1回路は、アーム回路と、前記アーム回路を制御するための制御回路とを含み、
前記制御回路は、前記アーム回路を制御することで前記コンデンサを交互に充放電させることを特徴とする請求項に記載の充電回路。
【請求項3】
前記容量結合素子におけるコンデンサは、プリント回路基板PCBからなるコンデンサまたはフレキシブルプリント回路基板FPCからなるコンデンサの何れかであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の充電回路。
【請求項4】
前記容量結合素子におけるコンデンサのサイズや形状、厚さは、前記充電回路の構造に応じて設計されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の充電回路。
【請求項5】
前記第1回路は、アーム回路を含み、
前記アーム回路は、複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタMOSFETを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の充電回路。
【請求項6】
前記第2回路は、整流回路及びフィルタ回路を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の充電回路。
【請求項7】
充電インタフェース及びバッテリーを含む携帯端末であって、
前記充電インタフェースと前記バッテリーとの間には、請求項1乃至のいずれか一項に記載の充電回路が設置されることを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
前記充電インタフェースは、ユニバーサルシリアルバスUSBのインタフェースであることを特徴とする請求項に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記携帯端末は、通常充電モード及び急速充電モードを備え、
前記急速充電モードは、前記通常充電モードよりも充電電流が大きいことを特徴とする請求項またはに記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末領域に関し、特に、充電回路及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の普及が進んでいるため、携帯端末の充電問題は携帯端末のプロバイダーにとって重要な点である。
【0003】
図1は、従来の携帯端末に用いられる充電回路の回路図である。この回路はBUCK回路と称され、主に、MOSトランジスタ、制御回路、ダイオード、インダクタ及びバッテリーを含む。充電時に、制御回路は、MOSトランジスタのオンオフを制御し、可変の方形波電流を生成する。この方形波電流は、MOSトランジスタからインダクタへ流れ、インダクタによって安定化された後にバッテリーに流れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、MOSトランジスタがブレークダウンされる可能性があり、MOSトランジスタのブレークダウンによって電流がインダクタ、電流電圧検査回路及びバッテリーをそのまま通るようになり、バッテリー電圧が最大制限値を超えてしまい、破壊的災難に至る虞がある。
【0005】
MOSトランジスタに破損が起きる原因としては、1)MOSトランジスタを誤って導通させ、MOSトランジスタの両端に印加する電圧がMOSトランジスタの最大耐圧、静電破壊またはサージ電圧を超えること、2)MOSトランジスタの品質が不良であったり、製造工程に問題があったりすること、及び3)他の欠陥などがある。
【0006】
このように、MOSトランジスタにおける問題が多い。従来技術では、上記問題を解決し、MOSトランジスタの信頼性を向上させるために、MOSトランジスタのオン抵抗(RDSON)の値を大きくして、MOSトランジスタの耐圧性を向上させる。しかしながら、オン抵抗の値が大きくなると、充電回路が発熱しやすくなり、エネルギーの伝達効率が低いという問題などが生じる。
【0007】
本発明は、信頼性を向上可能な充電回路及び携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る充電回路は、携帯端末の充電インタフェースとバッテリーとの間に位置し、第1回路と、第2回路と、容量結合素子とを含む。前記第1回路は、前記充電インタフェースに接続され、前記充電インタフェースを介して充電のための直流電力を受けるとともに、前記充電インタフェースから供給される直流電力を交流電力に変換する。前記第2回路は、前記バッテリーに接続され、前記第1回路から出力される交流電力を受けるとともに、前記第1回路から出力される交流電力を直流電力に変換して前記バッテリーを充電する。前記容量結合素子は、前記第1回路と前記第2回路との間に位置し、前記第1回路と前記第2回路との間の直流路を遮断する。前記容量結合素子は、前記第1回路が正常に動作する場合に前記第1回路から出力される交流電力を前記第2回路に結合させ、前記第1回路が故障で交流電力を生成していない場合に前記第1回路から出力される直流電力を遮断する。
【0009】
一実施形態では、前記第1回路は、前記第1回路の内部のスイッチを制御することで、前記容量結合素子におけるコンデンサを充放電させ、前記充電インタフェースから供給される直流電力を交流電力に変換する。
【0010】
一実施形態では、前記第1回路は、アーム回路と、前記アーム回路を制御するための制御回路とを含む。前記制御回路は、前記アーム回路を制御することで前記コンデンサを交互に充放電させる。
【0011】
一実施形態では、前記容量結合素子におけるコンデンサは、プリント回路基板PCBからなるコンデンサまたはフレキシブルプリント回路基板FPCからなるコンデンサの何れかである。
【0012】
一実施形態では、前記容量結合素子におけるコンデンサのサイズや形状、厚さは、前記充電回路の構造に応じて設計される。
【0013】
一実施形態では、前記第1回路は、アーム回路を含む。前記アーム回路は、複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタMOSFETを含む。
【0014】
一実施形態では、前記第2回路は、整流回路及びフィルタ回路を含む。
【0015】
本発明の他の実施形態に係る携帯端末は、前記充電インタフェースと前記バッテリーとの間には、上述した充電回路が設置される。
【0016】
他の実施形態では、前記充電インタフェースは、ユニバーサルシリアルバスUSBのインタフェースである。
【0017】
他の実施形態では、前記携帯端末は、通常充電モード及び急速充電モードを備える。前記急速充電モードは、前記通常充電モードよりも充電電流が大きい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、容量結合素子により充電線の直流路が遮断され、すなわち、充電回路には直流路が存在しないことになる。こうすることで、第1回路が動作していない場合には、充電インタフェースから出力される直流電力を第2回路及びバッテリーにそのまま出力することなく、充電回路の信頼性を向上させることできる。
【0019】
本発明の実施形態における技術内容をより明確に説明するために、以下に実施形態の説明に必要な添付図面を簡潔に説明する。以下の説明における添付図面は、本発明の実施形態のいくつかを示しているにすぎず、当業者はこれらの添付図面から創造的な努力なしに別の図面を導き出し得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術の充電回路の回路図である。
図2】本発明の一実施形態に係る充電回路を示す概略ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る充電回路の例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る充電回路の例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る携帯端末を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態による添付図面を参照して本発明の実施形態による技術的解決策を明確かつ完全に説明する。説明されている実施形態は、本発明のすべての実施形態ではなく一部にすぎないことは明らかである。当業者が創造的な努力なしに本発明の実施形態に基づいて得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲の中にある。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る充電回路を示す概略ブロック図である。図2に示すように、充電回路30は、携帯端末の充電インタフェース10とバッテリー20との間に設置され、第1回路31、第2回路32及び容量結合素子33を含む。第1回路31は、充電インタフェース10に接続され、充電インタフェース10を介して充電のための直流電力を受けて交流電力に変換する。第2回路32は、バッテリー20に接続され、第1回路31から出力される交流電力を受けて直流電力に変換し、バッテリー20を充電する。容量結合素子33は、第1回路31と第2回路32との間に位置し、第1回路31と第2回路32との間の直流路を遮断する。なお、容量結合素子33は、第1回路が正常に動作する場合に第1回路31から出力される交流電力を第2回路に結合させて伝達し、第1回路が故障で交流電力を生成していない場合に第1回路から出力される直流電力を遮断する。
【0023】
本実施形態では、容量結合素子により充電線の直流路が遮断される。すなわち、充電回路には直流路が存在しないことになる。こうすることで、第1回路が動作していない場合には、充電インタフェースから出力される直流電力を第2回路及びバッテリーにそのまま出力することなく、充電回路の信頼性を向上させることできる。
【0024】
充電インタフェース10は、ユニバーサルシリアルバス(UniversalSerial Bus,USB)のインタフェースであってもよい。このUSBインタフェースは、通常のUSBインタフェースであってもよいし、micro USBインタフェースであってもよい。また、バッテリー20は、リチウム電池であってもよい。
【0025】
第2回路32は、第1回路31から出力される電流をバッテリー20の充電に適切な充電電流に調整するように機能している。第2回路32は、整流回路、フィルタ回路または定電圧回路などを含んでもよい。整流回路は、ダイオード整流回路またはトランジスタ整流回路であってもよい。整流回路の整流方式の詳細については、従来技術の整流方式を参照するため、その説明を省略する。
【0026】
第2回路32は、容量結合素子33により第1回路31から第2回路32に結合される交流電力を、バッテリー20の充電に適切な直流電力に調整する。
【0027】
なお、第1回路31が充電インタフェース10から供給される直流電力を交流電力に変換することは、第1回路31が容量結合素子33におけるコンデンサを充放電させることで実現される。すなわち、第1回路31は、一定の制御ロジックにより容量結合素子33におけるコンデンサを充放電させる。制御ロジックの制御周波数が一定の程度に達した場合、コンデンサの観点からすると、第1回路31から出力するのが交流電力である。また、コンデンサが交流電力を導通して直流電力を遮断する機能を有するため、交流電力は、コンデンサを介して第2回路32に伝達されるようになる。
【0028】
一実施形態において、第1回路31は、その内部のスイッチを制御することで、容量結合素子33におけるコンデンサを充放電させ、充電インタフェース10から供給される直流電力を交流電力に変換してもよい。
【0029】
本実施形態では、第1回路の内部には、スイッチ(例えば、MOSトランジスタ)が設置される。スイッチがブレークダウンしやすいことから、スイッチがブレークダウンした場合、第1回路は、スイッチにより直流を交流に変換することができない。その結果、充電インタフェースから入力される直流電力を、充電回路の後端の素子またはバッテリーにそのまま印加することになる。しかしながら、本実施形態では、第1回路と第2回路との間に、充電回路の直流路を遮断し、交流電力を導通し直流電力を遮断する容量結合素子が設置される。すなわち、第1回路におけるスイッチがブレークダウンしたり動作しなかったりしても、充電インタフェースから入力される直流電力は第2回路またはバッテリーに流れることができなくて、携帯端末の充電回路の安全性を向上させることができる。
【0030】
また、容量結合素子が優れたアイソレーション特性を有するため、第1回路におけるスイッチのオン抵抗を小さくすることができる(従来のように、MOSトランジスタの耐圧性を向上させて回路の信頼性を向上させるためにオン抵抗を大きくする必要がない)。こうすることで、発熱や損失を抑制して、充電回路全体のエネルギー伝達効率を向上させることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、第1回路31の具体的な形態、容量結合素子33におけるコンデンサの数、及び第1回路31と容量結合素子33におけるコンデンサとの接続形態を例示したが、これらに限定されない。例えば、第1回路31は、ハーフブリッジ回路であってもよいし、フルブリッジ回路であってもよい。また、容量結合素子33は、1つのコンデンサを含んでもよいし、2つのコンデンサを含んでもよい。実際に、容量結合素子により第1回路31から第2回路32へのエネルギーの伝達を実現可能な上記回路及び素子の具体的な形態や接続関係であればよい。以下、本発明に係る充電回路について、具体的な実施例を挙げて説明する。
【0032】
一実施形態において、第1回路31は、アーム回路と、このアーム回路を制御するための制御回路とを含んでもよい。なお、制御回路は、アーム回路の動作を制御することで、コンデンサを充放電させる。例えば、第1回路31がハーフブリッジ回路を含み、容量結合素子33が1つのコンデンサを含み、第1回路31及び第2回路32が共にアースに接続され、第1回路31がコンデンサの一端及びアースにそれぞれ接続され、コンデンサの他端が第2回路及びバッテリーを介してアースに接続されるようにしてもよい。第1回路31は、ハーフブリッジ回路を制御することで、コンデンサを充電させたりコンデンサをアースに放電させたりすることができる。または、第1回路31がフルブリッジ回路を含み、容量結合素子33が2つのコンデンサを含んでもよい。この場合、フルブリッジ回路は、2つのコンデンサにそれぞれ接続される。第1回路31は、フルブリッジ回路を制御することで、2つのコンデンサの電圧の方向を交互に変える。
【0033】
なお、制御回路の給電形態としては、例えば、充電電流による給電や、携帯端末の内部の電源からの給電などがある。
【0034】
一実施形態において、容量結合素子におけるコンデンサは、プリント回路基板(Printed Circuit Board,PCB)からなるコンデンサまたはフレキシブルプリント回路基板からなるコンデンサの何れかであってもよい。また、一実施形態においては、携帯端末の構造に合わせて、容量結合素子におけるコンデンサのサイズや形状、厚さを設計してもよい。
【0035】
詳細には、PCBからなるコンデンサは、PCB及びその上面の銅箔からなるコンデンサであってもよい。また、FPCからなるコンデンサは、FPCを用いて設計されたコンデンサであってもよい。なお、PCBからなるコンデンサ及びFPCからなるコンデンサの利点としては、任意の形状や任意のサイズ、任意の厚さに設計されてもよいし、携帯等の端末の構造や形状に合わせて任意に設計できることである。
【0036】
一実施形態において、第1回路31は、アーム回路を含んでもよい。また、アーム回路は、複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含んでもよい。
【0037】
また、一実施形態において、第2回路は、整流回路及びフィルタ回路を含んでもよい。
【0038】
以下、本実施形態について、具体的な例を挙げて説明する。図3及び図4は、当業者にとって本発明を明確にするための実施形態を示すが、本発明の実施形態を例示した数値や形態に限定するものではない。当業者であれば、図3及び図4に示す実施形態に基づいて各種の変動や潤色を行うことができるが、このような変動や潤色は本発明の保護を求める範囲内に属するものである。
【0039】
例えば、図3に示すように、第1回路31は、制御回路311及びハーフブリッジ回路312を含んでもよい。なお、ハーフブリッジ回路312は、スイッチT1及びスイッチT2を含んでもよい。容量結合素子33は、コンデンサC1を含んでもよい。充電中において、制御回路311は、スイッチT1の動作とスイッチT2の動作とを交互に制御することで、コンデンサを充放電させる。その結果、直流電力を交流電力に変換し、コンデンサC1を介して第2回路32及びバッテリー20に流れる。
【0040】
詳細には、充電中において、まず、制御回路311は、スイッチT1を導通させてスイッチT2を遮断させる。この場合、充電インタフェース10から入力される直流電力は、スイッチT1を通ってコンデンサC1を充電するようになる。次に、制御回路311は、スイッチT1を遮断させてスイッチT2を導通させ、第1回路31及び第2回路32が共にアースに接続されるため、コンデンサC1がアースに放電する。制御回路311は、上記方式でハーフブリッジ回路を繰り返して制御すると、コンデンサC1を通ることが可能な交流電力が形成される。
【0041】
ハーフブリッジ回路312におけるスイッチがブレークダウンされると、コンデンサC1は、充電インタフェース10から出力される直流電力が第2回路32及びバッテリーにそのまま流れるのを阻止する。その結果、充電回路の信頼性を向上させることができる。
【0042】
図4に示すように、他の実施形態において、第1回路31は、制御回路313及びフルブリッジ回路314を含んでもよい。なお、フルブリッジ回路314は、スイッチT1、スイッチT2、スイッチT3及びスイッチT4を含んでもよい。容量結合素子33は、コンデンサC1及びコンデンサC2を含む。充電中において、制御回路313は、スイッチT1及びスイッチT4の動作を制御してから、スイッチT2及びスイッチT4の動作を制御し、コンデンサC1及びコンデンサC2の電圧の方向を交互に変える。その結果、直流電力を交流電力に変換し、コンデンサC1及びコンデンサC2を介して第2回路32及びバッテリー20に流れる。
【0043】
詳細には、充電中において、まず、制御回路311は、スイッチT1及びスイッチT4を導通させてスイッチT2及びスイッチT3を遮断する。この場合、充電インタフェース10から入力される直流電力は、スイッチT1、コンデンサC2、コンデンサC1及びスイッチT4を通ってアースに流れることで回路を形成する。次に、制御回路311は、スイッチT1及びスイッチT4を遮断させてスイッチT2及びスイッチT3を導通させる。この場合、充電インタフェース10から入力される直流電力は、スイッチT3、コンデンサC1、コンデンサC2及びスイッチT2を通ってアースに流れることで回路を形成する。制御回路311は、上記方式でフルブリッジ回路の動作を繰り返して制御すると、コンデンサC1及びコンデンサC2を通ることが可能な交流電力が形成される。
【0044】
フルブリッジ回路314におけるスイッチがブレークダウンされると、コンデンサC1及びコンデンサC2は、充電インタフェース10から出力される直流電力が第2回路32及びバッテリーにそのまま流れるのを阻止する。その結果、充電回路の信頼性を向上させることができる。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態に係る携帯端末を示す概略ブロック図である。図5に示すように、携帯端末50は、充電インタフェース51、バッテリー52及び充電回路53を含む。なお、充電回路53は、上記充電回路30のいずれかであってもよい。
【0046】
本実施形態では、容量結合素子によって充電線の直流路が遮断され、すなわち、充電回路には直流路が存在しないようにする。こうすることで、第1回路が動作していない場合には、充電インタフェースから出力される直流電力を第2回路及びバッテリーにそのまま出力することがなく、充電回路の信頼性を向上させることができる。
【0047】
一実施形態において、充電インタフェース51は、USBのインタフェースであってもよい。
【0048】
一実施形態において、携帯端末50は、通常充電モード及び急速充電モードを備えてもよい。なお、急速充電モードは、通常充電モードよりも充電電流が大きい。
【0049】
なお、急速充電モードに対応する携帯端末に対して、MOSトランジスタがブレークダウンされたことが重大な問題になる。このため、本実施形態に係る携帯端末によれば、急速充電時にMOSトランジスタのブレークダウンによる線路の信頼性の低下を抑えることができる。
【0050】
本実施形態に係る充電回路は、直流電力を受けてバッテリーを充電し、第1回路、第2回路及び容量結合素子を含む。第1回路は、直流電力の入力端に接続され、充電インタフェースから供給される直流電力を交流電力に変換する。第2回路は、バッテリーに接続され、第1回路から出力される交流電力を受けて直流電力に変換し、バッテリーを充電する。容量結合素子は、第1回路と第2回路との間に位置し、第1回路と第2回路との間の直流路を遮断する。また、容量結合素子は、第1回路が正常に動作する場合に第1回路から出力される交流電力を第2回路に結合させ、第1回路が故障で交流電力を生成していない場合に第1回路から出力される直流電力を遮断する。
【0051】
本実施形態では、容量結合素子によって充電線の直流路が遮断され、すなわち、充電回路には直流路が存在しないようにする。こうすることで、第1回路が動作していない場合には、充電インタフェースから出力される直流電力が容量結合素子によって遮断され、バッテリーを劣化させることがない。
【0052】
一実施形態において、第1回路は、その内部のスイッチを制御することで、容量結合素子におけるコンデンサを充放電させ、充電インタフェースから供給される直流電力を交流電力に変換してもよい。
【0053】
一実施形態において、第1回路は、アーム回路と、このアーム回路を制御するための制御回路とを含んでもよい。なお、制御回路は、アーム回路を制御することでコンデンサを交互に充放電させる。
【0054】
一実施形態において、容量結合素子におけるコンデンサは、プリント回路基板(PCB)からなるコンデンサまたはフレキシブルプリント回路基板(FPC)からなるコンデンサの何れかであってもよい。
【0055】
一実施形態において、第1回路は、アーム回路を含んでもよい。また、アーム回路は、複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含んでもよい。
【0056】
一実施形態において、第2回路は、整流回路及びフィルタ回路を含んでもよい。
【0057】
一実施形態において、充電回路は、携帯端末に用いられてもよい。また、容量結合素子におけるコンデンサのサイズや形状、厚さは、携帯端末の構造に合わせて設計されてもよい。
【0058】
当業者であれば、本明細書で開示した実施形態の組み合わせにおいて説明したユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたは両者の組み合わせによって実現することができることがわかるであろう。機能がハードウェアまたはソフトウェアのいずれによって実行されるかは、特殊用途及び技術的解決策の設計制約条件によって決められる。当業者であれば、各特定のアプリケーションに対して説明された機能を実現するために異なる方法を使用してもよい。しかしながら、この実現は、本発明の実施形態の範囲を超えていると考えるべきではない。
【0059】
説明上の便宜と簡潔のため、上記システム、装置及びユニットの動作プロセスの詳細については、上記方法の実施形態における対応するプロセスを参照できることは当業者が明らかに理解することであり、その詳細を省略する。
【0060】
本明細書のいくつかの実施形態において、開示されているシステム、装置及び方法は、他の形態で実施されてもよいことは理解されるべきである。例えば、上記装置の実施形態は例にすぎない。例えば、ユニットの分割は論理的な機能分割にすぎず、実施時に他の分割形態であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを別のシステムに結合もしくは統合してもよいし、幾つかの機能を無視したり実施しなかったりしてもよい。さらに、表示または説明した相互接続または直接接続、通信接続を幾つかのインタフェースを介して実施してもよい。装置またはユニットの間の間接的な接続または通信接続を、電気的形態、機械的形態または他の形態で実施してもよい。
【0061】
分離した部分として説明したユニットは、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよい。ユニットとして示された部分は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットでなくてもよく、一カ所に配置されてもよいし、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。当該ユニットの一部または全部は、実施形態の解決手段の目的を達成するための実際の必要に応じて選択されてもよい。
【0062】
また、本発明の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに組み込まれてもよいし、物理的に単独で存在してもよい。また、2つ以上のユニットは1つのユニットに組み込まれてもよい。
【0063】
上記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形態で実施され独立の製品として販売または使用されるときに、1つのコンピュータ読取可能記憶媒体に格納されてもよい。このような理解をもとに、原則として本発明の技術内容、または、先行技術に貢献する部分、または、当該技術内容の一部を、ソフトウェア製品の形で実施してもよい。コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に格納され、1つのコンピュータ装置(パーソナル・コンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置であってもよい)に指示する幾つかのコマンドを含む。当該コマンドは、本発明の諸実施形態で説明した方法のステップの全部または一部を実施するためのものである。上記記憶媒体は、USBフラッシュディスク、モバイルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read−Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスクのような、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含む。
【0064】
以上より、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲を含む各種の変動や潤色は、本発明の保護を求める範囲内に属するものであることを理解されたい。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従う。
図1
図2
図3
図4
図5