(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0004】
検出されたデータを使用した臨床的に意味のある事象の検出は、医療費を低減し、かつ、適切な治療レジメンの修正が適時に行われる場合、患者の健康を向上させることができる。患者の状態と事象の発生とを明らかに連動させることは、患者と健康管理システムの双方にとって有用であってもよい。
【0005】
例えば、CHF患者を頻繁に監視し、心不全(HF:Heart Failure)の悪化を示す事象を適時に検出することは、CHF患者におけるHFの代償不全事象を予防するのに役立ち、HF入院に関連する費用を低減することができる。さらに、今後のHF事象を発現するリスクの高まっている患者を識別することは、適時治療を確実に行う助けとなり、それにより、予後および患者の転帰を向上させることができる。例えば、今後HF事象を発現するリスクの高まっている患者を識別し、安全に管理することにより、必要のない医学的介入を回避し、かつ、医療費を低減することができる。
【0006】
歩行型医療装置を使用して、HF患者を監視し、治療せずに放置された場合には代償不全事象に繋がり得るHFの悪化を検出することができる。このような歩行型医療装置の例としては、埋込型医療装置(IMD:Implantable Medical Device)、皮下医療装置、着用型医療装置および他の外部医療装置を挙げることができる。歩行型もしくは埋込型医療装置は、電気活性、心臓の機械的機能、またはHF悪化の徴候ならびに症状に関連する身体的もしくは生理学的変数を検出するように構成可能な生理学的センサを含む。HF患者を監視するのに使用される歩行型医療装置も任意に、例えば心臓機能または神経機能を回復または向上させることができる目標エリアへ電気刺激パルスなどの治療を加えることができる。また、これら装置の中には、例えば経胸腔インピーダンスまたは他のセンサ信号を用いることができる診断機構を含むものもある。例えば、肺における流体貯留は、肺の空気よりも流体の抵抗率の方が低いことに起因して、経胸腔インピーダンスを低下させる。また、肺における流体貯留は、肺系統を刺激することができ、一回呼吸量を低下させ、呼吸速度を上昇させる。肺における流体貯留は、経胸腔インピーダンスを測定することによって検出可能である。
【0007】
心不全患者の状態を監視して治療レジメンを管理する例示的な方法は、心不全に関連する少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを収集するステップと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の患者動向を判定するステップと、発症閾値レベルが有効であることを表示するステップと、前記第1の患者動向を前記発症閾値レベルと比較するステップとを含む。前記第1の患者動向が前記発症閾値レベルを超える場合、本方法は、前記第1の動向が前記発症閾値レベルを超えた後もサンプルを収集し続け、前記第1の動向が前記発症閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の患者動向を判定する。いくつかの例において、本方法は、前記発症閾値レベルとは異なるリセット閾値レベルが有効であることを表示することを含んでいてもよい。第2の患者動向をリセット閾値と比較される。前記第2の患者動向がリセット閾値を下回る場合、前記リセット閾値は無効にされる。前記リセット閾値を無効にする場合、任意に発症閾値を再度有効に可能である。いくつかの例では、異なる閾値を有効にする。一例において、前記第2の患者動向が前記リセット閾値を下回る場合に表示などの出力を修正して、前記リセット閾値レベルがもはや有効ではないことを使用者に示すことができる。一例において、本方法は、前記第1の患者動向、前記第2の患者動向、前記発症閾値レベル、および前記リセット閾値レベルの視覚的画面を表示することを含む。前記発症閾値レベルと前記リセット閾値レベルとの差は、視覚的に認識可能な変化(段差など)を形成することができ、これにより、前記第1の患者動向が前記発症閾値レベルを超える際に発生する患者警報を表示することができる。いくつかの例において、本方法は、患者の治療レジメンを調整すべきである旨の警報を送り、この警報に応答して患者の治療レジメンを調整することを含む。
【0008】
追加的に、または代替的に、例示的な方法は、心不全に関連する少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを受信することによって患者の状態を監視するステップと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の動向を判定するステップと、前記第1の動向を第1の閾値と比較するステップとを含む。本方法はさらに、前記第1の動向が前記第1の閾値を超える場合に患者警報期間の開始を報知するステップと、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後もサンプルを受信し続けるステップと、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の動向を判定するステップと、前記第2の動向を前記第1の閾値よりも低い第2の閾値と比較するステップとを含む。前記第2の動向が前記第2の閾値を下回る場合に前記患者警報期間の終了を報知することが可能である。
【0009】
いくつかの例において、前記患者警報期間の開始および終了などの特定情報は、装置に保存することができ、プログラマなどの外部装置による参照用に利用可能である。例えば、前記患者警報期間の開始および終了を、埋込型診断装置または治療装置に保存し、後に当該装置で作動するように設計されているコミュニケータまたはプログラマに出力可能である。
【0010】
いくつかの例では、1つ以上の生理学的パラメータが複合指標(composite index)に変化を与える度合いを、ディスプレイに表示するか、別の方法で使用者に通信可能である。
【0011】
例示的な患者監視システムは、埋込型装置または着用型装置を含んでいてもよく、当該装置は、少なくとも2つのサンプルを受信するように構成された感知回路と、これら少なくとも2つのサンプルを保存するように構成されたメモリと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の動向を判定し、前記第1の動向を第1の閾値と比較するように構成された生理学的データ分析器回路とを含む。埋込型装置または着用型装置は、前記第1の動向が第1の閾値を超える場合に、患者警報期間の開始を報知可能である。当該装置は、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後も、前記感知回路を通じてサンプルを受信し続けることができる。一例において、生理学的データ分析器回路は、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の動向を判定し、前記第2の動向を前記第1の閾値よりも低い第2の閾値と比較し、前記第2の動向が前記第2の閾値を下回る場合に前記患者警報期間の終了を報知するように構成可能である。いくつかの例では、当該システムは、時間または検出された生理学的パラメータに基づいて変動する動的閾値を判定するように構成可能である。いくつかの例では、前記患者警報期間の開始および終了は、当該装置に保存することができ、プログラマなどの外部装置による参照用に利用可能である。
【0012】
以下は、非限定の例の列挙である。
例1は、心不全患者の状態を監視する方法を含みまたは使用し得る態様(例えば、プロセス、装置、製造物品、システムなど)を含みまたは使用していてもよい。本方法は、心不全に関連する少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを収集するステップと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の患者動向を判定するステップと、発症閾値レベルが有効であることを表示するステップとを含む。前記例1はさらに、前記第1の患者動向を発症閾値レベルと比較するステップと、前記第1の患者動向が前記発症閾値レベルを超える場合に、前記第1の動向が前記発症閾値レベルを超えた後もサンプルを収集し続けるステップと、前記第1の動向が発症閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の患者動向を判定するステップと、前記発症閾値レベルとは異なるリセット閾値レベルが有効であることを表示するステップとを含む。例1はさらに、前記第2の患者動向をリセット閾値と比較するステップと、前記第2の患者動向が前記リセット閾値を下回る場合に前記リセット閾値レベルがもはや有効ではないことを表示するステップとを含む。
【0013】
例2は、経時的に前記第1の患者動向および前記第2の患者動向の視覚的画面を表示するステップを含み、前記発症閾値レベルが有効であることを表示するステップが前記第1の患者動向と時間を沿わせて視覚的画面に表示するステップを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1の態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0014】
例3は、視覚的画面に前記リセット閾値レベルを表示し、前記リセット閾値レベルを時間軸上で前記第2の患者動向に倣わせることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例2のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0015】
例4は、前記リセット閾値レベルが有効であることを表示するステップが、第2の動向とリセット閾値との間のエリア、発症閾値と第1の動向との間のエリア、または前記リセット閾値よりも上であって前記発症閾値よりも上のエリアに、網掛けもしくは強調表示を付けることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例3のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0016】
例5は、前記第1の患者動向、前記第2の患者動向、前記発症閾値レベル、および前記リセット閾値レベルの視覚的画面を表示するステップであって、前記発症閾値レベルと前記リセット閾値レベルとの差が、前記第1の患者動向が前記発症閾値レベルを超える場合に始まり、前記第2の患者動向が前記リセット閾値レベルを下回る場合に終了する患者警報期間を示す視覚的に識別可能な変化を形成することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例4のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0017】
例6は、患者の治療レジメンを調整すべきである旨の警報を報知することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例5のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0018】
例7は、前記発症閾値レベルを調整するために発症入力を受信するステップと、前記リセット閾値レベルを調整するためにリセット入力を受信するステップとをさらに備え、患者の監視は、前記発症入力および前記リセット入力を使用して調整可能に構成できることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例6のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0019】
例8は、前記発症閾値レベルと前記リセット閾値レベルとを同時に調整するために閾値入力を受信するステップと、発症閾値レベルとリセット閾値レベルとの間の乖離を調整するために乖離入力を受信するステップとをさらに備え、患者の監視は、前記閾値入力および前記乖離入力を使用して調整可能に構成できることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例7のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0020】
例9は、前記第1の患者動向が前記発症閾値レベルを超える場合に患者警報期間の開始を報知するとともに、前記第2の患者動向が前記リセット閾値を下回る場合に前記患者警報期間の終了を報知するステップを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例8のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0021】
例10は、前記リセット閾値が、生理学的パラメータが複合指標の変化を支配する関数として変動することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例9のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0022】
例11は、1つ以上の生理学的パラメータが複合指標に変化を与える度合いを表示することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例10のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0023】
例12は、前記リセット閾値が時間の関数として変動することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例11のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0024】
例13は、少なくとも2つのサンプルを受信するように構成された感知回路と、これら少なくとも2つのサンプルを保存するように構成されたメモリと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の動向を判定し、前記第1の動向を第1の閾値と比較するように構成された生理学的データ分析器回路とを含むことができる患者監視システムを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例12のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。前記生理学的データ分析器回路は、前記第1の動向が前記第1の閾値を超える場合に患者警報期間の開始を報知し、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後も前記感知回路を通じてサンプルを受信し続けるように構成可能である。前記生理学的データ分析器回路はさらに、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の動向を判定し、前記第2の動向を前記第1の閾値よりも低い第2の閾値と比較し、前記第2の動向が前記第2の閾値を下回る場合に前記患者警報期間の終了を報知するように構成可能である。
【0025】
例14は、生理学的データ分析器回路を含む埋込型装置または着用型装置を含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例13のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。患者警報期間の開始および終了を、前記埋込型または前記着用型装置に保存することができ、プログラマなどの外部装置を用いた参照用に利用可能である。前記埋込型または前記着用型装置は、例えば、ペースメーカ、除細動器、心臓再同期(CRT)装置または診断装置であってもよい。
【0026】
例15は、前記生理学的データ分析器回路がさらに、時間または検出された生理学的パラメータに基づいて変動する動的閾値を判定するように構成されることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例14のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0027】
例16は、心不全患者の状態を監視して治療レジメンを管理する方法を含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例15のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。本方法は、心不全に関連する少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを収集するステップと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の患者動向を判定するステップと、発症閾値レベルが有効であることを表示するステップと、第1の患者動向を発症閾値レベルと比較するステップと、前記第1の患者動向が前記発症閾値レベルを超える場合に前記第1の動向が前記発症閾値レベルを超えた後もサンプルを収集し続け、前記第1の動向が前記発症閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の患者動向を判定し、発症閾値レベルとは異なるリセット閾値レベルが有効であることを表示するステップと、第2の患者動向をリセット閾値と比較するステップと、前記第2の患者動向が前記リセット閾値を下回る場合に前記リセット閾値レベルがもはや有効ではないことを表示するステップとを含む。
【0028】
例17は、経時的に前記第1の患者動向および前記第2の患者動向の視覚的画面を表示することを含み、前記発症閾値レベルが有効であることを表示するステップが前記第1の患者動向と時間を沿わせて前記発症レベルを視覚的画面に表示することを備えることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例16のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0029】
例18は、前記発症閾値レベルが有効であることを表示するステップは、色、線の太さ、線の種類のうち1つ以上を使用して患者動向または発症閾値レベルを表すか、または前記発症レベルが有効である場合には当該第1の患者動向を表示しないことを備えることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例17のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0030】
例19は、視覚的画面に前記リセット閾値レベルを表示するステップと、前記リセット閾値レベルを時間軸上で前記第2の患者動向に倣わせるステップとを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例18のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0031】
例20は、前記リセット閾値レベルが有効であることを表示することが、前記第2の動向とリセット閾値との間のエリア、発症閾値と前記第1の動向との間のエリア、または前記リセット閾値よりも上であって前記発症閾値よりも上のエリアに、網掛けもしくは強調表示を付けることを備えることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例19のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0032】
例21は、前記第1の患者動向、前記第2の患者動向、前記発症閾値レベル、および前記リセット閾値レベルの視覚的画面を表示するステップであって、前記発症閾値レベルと前記リセット閾値レベルとの差が、前記第1の患者動向が前記発症閾値レベルを超える場合に始まり、前記第2の患者動向が前記リセット閾値レベルを下回る場合に終了する患者警報期間を示す視覚的に識別可能な変化を形成するステップを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例20のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0033】
例22は、患者の治療レジメンを調整すべきである旨の警報を報知するステップと、この警報に応答して、患者の治療レジメンを調整するステップとを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例21のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0034】
例23は、前記発症閾値レベルを調整するために発症入力を受信するステップと、前記リセット閾値レベルを調整するためにリセット入力を受信するステップであって、患者の監視が前記発症入力および前記リセット入力を使用して調整可能に構成できることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例22のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0035】
例24は、前記発症閾値レベルと前記リセット閾値レベルとを同時に調整するために閾値入力を受信するステップと、発症閾値レベルとリセット閾値レベルとの間の乖離を調整するために乖離入力を受信するステップとであって、患者の監視が前記閾値入力および前記乖離入力を使用して調整可能に構成できることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例23のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0036】
例25は、患者の状態を監視する方法を含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例24のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。本方法は、心不全に関連する少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを受信するステップと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の患者動向を判定するステップと、前記第1の患者動向を第1の閾値レベルと比較するステップと、前記第1の患者動向が前記第1の閾値を超える場合に患者警報期間の開始を報知するステップとを含む。本方法はさらに、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後もサンプルを受信し続けるステップと、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の動向を判定するステップと、前記第2の動向を前記第1の閾値よりも低い第2の閾値と比較するステップと、前記第2の動向が前記第2の閾値を下回る場合に前記患者警報期間の終了を報知するステップとを含む。
【0037】
例26は、少なくとも2つのサンプルを受信することが、2つ以上の生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを検出することを含み、前記第1の動向を判定するステップは、これら2つ以上の生理学的パラメータの複合指標の動向を判定することを含むことを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例25のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0038】
例27は、前記第2の閾値が、前記生理学的パラメータが複合指標の変化を支配する関数として変動することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例26のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0039】
例28は、1つ以上の生理学的パラメータが複合指標に変化を与える度合いを表示することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例27のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0040】
例29は、前記第2の閾値が時間の関数として変動することを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例28のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0041】
例30は、少なくとも2つのサンプルを受信するように構成された感知回路と、これら少なくとも2つのサンプルを保存するように構成されたメモリと、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の動向を判定し、前記第1の動向を第1の閾値と比較するように構成された生理学的データ分析器回路とを含む患者監視システムを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例29のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。前記生理学的データ分析器回路は、第1の動向が前記第1の閾値を超える場合に患者警報期間の開始を報知し、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後も前記感知回路を通じてサンプルを受信し続けるように構成可能である。前記生理学的データ分析器回路はさらに、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の動向を判定し、前記第2の動向を前記第1の閾値よりも低い第2の閾値と比較し、前記第2の動向が前記第2の閾値を下回る場合に前記患者警報期間の終了を報知するように構成可能である。
【0042】
例31は、前記生理学的データ分析器回路を含む埋込型装置または着用型装置を含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例30のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0043】
例32は、前記患者警報期間の開始および終了を、前記埋込型または前記着用型装置に保存することができ、プログラマなどの外部装置を用いた参照用に利用可能なことを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例31のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。前記埋込型または前記着用型装置は、例えば、ペースメーカ、除細動器、心臓再同期(CRT)装置または診断装置であってもよい。
【0044】
例33は、前記生理学的データ分析器回路がさらに、時間または検出された生理学的パラメータに基づいて変動する動的閾値を判定するように構成されることを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例32のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0045】
例34は、埋込型装置または着用型装置に通信可能に接続された外部装置であって、前記埋込型装置または着用型装置が、警報期間の開始および終了を外部装置へ通信するように構成される、前記外部装置を含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例33のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0046】
例35は、当該外部装置が、第1の閾値および第1の閾値を超える期間を示すように構成された画像ディスプレイを含むことを含み、もしくは使用し得るものであり、または例1から例34のいずれか1つまたはそれらの組み合わせの態様と組み合わせて含み、もしくは使用し得るものである。
【0047】
本章は、本出願の一部の開示の概説であり、本発明の態様の排他的または網羅的な取り扱いであることを意図するものではない。本発明の態様に関するさらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に見出される。本開示の他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部を形成する図面を見れば当業者には明らかであろう。詳細な説明および図面は各々、限定的な意味で捉えられるべきではない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって定められる。
【0048】
様々な実施形態を添付図面の各図に例示的に示している。このような実施形態は例証的なものであり、本発明の態様の排他的または網羅的な実施形態であることを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、患者の生理学的状態における意味のある変化、例えば、患者がHFの悪化に直面していること、またはその可能性があることのような変化に関して、健康管理の専門家に通知するためのシステム、装置、および方法である。このような事象を早期に検出して通知することにより、治療レジメンを修正してHF代償不全などの後続する事象を回避可能である。患者警報期間の開始と、後に続く患者事象期間の終了との契機となる可変閾値の使用は、心不全の悪化のような生理学的事象が起こりつつある患者の事象期間をより有益に定義することを容易にできる。いくつかの例において、可変閾値の使用は、患者警報期間の開始または終了を視覚的に表示することを可能にする。例えば、可変閾値の下降は、時間に対する指標のプロット上で裸眼にて識別可能である。また、可変閾値の使用は、生理学的値または指標値が発症閾値に近いままの状態である場合、警報期間の状態の有効化・無効化が繰り返される閾値の交差が連続する結果となる一連の短い警報期間を回避可能である。
【0051】
図1は、心臓律動管理(CRM)システム100およびCRMシステム100が動作可能な環境の一部の例を示す。CRMシステム100は、例えば1つ以上のリード108A〜Cを介して心臓105と電気的に接続される埋込型医療装置(IMD)などの歩行型医療装置と、例えば通信リンク103を介してIMD110と通信し得る外部システム120とを含む。IMD110は、ペースメーカ、埋込型心臓除細動器(ICD:Implantable Cardioverter−Defibrillator)または心臓再同期療法除細動器(CRT−D:Cardiac Resynchronization Therapy Defibrillator)などの埋込型心臓デバイスを含む。IMD110は、代替的には、皮下埋込型装置、着用型外部装置、神経刺激器、薬物送給装置、生物学的治療装置、診断装置または1つ以上の他の歩行型医療装置などのうち1つ以上の監視または治療装置であってもよく、またはそれらを含んでもよい。いくつかの例において、IMD110の全部または一部を、着用型、ベッドサイドまたは他の外部モニタなどの監視医療装置に接続してもよく、または代替してもよい。
【0052】
図1に示すように、IMD110は、心臓105における生理学的信号を検出して、例えば1つ以上のリード108A−Cを介するなどして心臓内などの目標領域に1つ以上の治療電気パルスを送出する電子回路を収容可能な密閉ハウジング112を含む。CRMシステム100は、108Bなどの単一のリードのみを含んでいてもよく、あるいは108Aおよび108Bなどの2つ以上のリードを含んでいてもよい。
【0053】
リード108Aは、IMD110に接続されるように構成される近位端と、心臓105の右心房(RA:Right Atrium)131内などの目標位置に配置されるように構成される遠位端とを含む。リード108Aは、その遠位端にまたはその近くに配置される第1ペーシング検出電極141と、電極141にまたはその近くに配置される第2ペーシング検出電極142とを有している。電極141および142は、リード108Aにおける別個の導体などを介してIMD110に対して電気的に接続されることにより、例えば、右心房活性の検出を可能にし、任意的には、心房ペーシングパルスの送出をも可能にする。リード108Bは、IMD110に接続される近位端と、心臓105の右心室(RV:Right Ventricle)132内などの目標位置に配置されるように構成される遠位端とを含む。リード108Bは、その遠位端に配置される第1ペーシング検出電極152と、電極152の近くに配置される第2ペーシング検出電極153と、電極153の近くに配置される第1除細動コイル電極154と、遠位端から離間して例えば上大静脈(SVC:Superior Vena Cava)に配置される第2除細動コイル電極155とを有している。電極152〜155は、リード108Bにおける別個の導体などを介してIMD110に対して電気的に接続される。電極152および153は、心室の電気信号(ventricular electrogram)の検出を可能にし、任意的には、1つ以上の心室ペーシングパルスの送出を可能にし得る。電極154および155は、1つ以上の心室電気除細動/除細動パルスの送出を可能にし得る。一例において、リード108Bは、3つの電極152、154および155のみを含んでいてもよい。電極152および154は、1つ以上の心室ペーシングパルスの検出または送出のために使用され、電極154および155は、1つ以上の心室電気除細動または除細動パルスの送出のために使用されてもよい。リード108Cは、IMD110に接続される近位端と、心臓105の左心室(LV:Left Ventricle)134内などの目標位置に配置されるように構成される遠位端とを含む。リード108Cは、左心室へ1つ以上のペーシングパルスを送出させるために、冠状静脈洞133を通って埋め込まれても、左心室全体の冠状静脈内に配置されてもよい。リード108Cは、リード108Cの遠位端に配置される電極161と、電極161の近くに配置される別の電極162とを含む。電極161および162は、リード108Cにおける別個の導体などを介してIMD110に対して電気的に接続されることにより、左心室のエレクトログラムの検出を可能にし、任意的には、左心室からの1つ以上の再同期ペーシングパルスの送出を可能にする。
【0054】
IMD110は、生理学的信号を検出し得る電子回路を含む。生理学的信号は、心臓105の機械的機能を表す信号すなわちエレクトログラムを含む。密閉ハウジング112は、例えば検出またはパルス送出用の電極として機能してもよい。例えば、リード108A−Cの1つ以上からの電極をハウジング112と併用して、エレクトログラムの単極検出または1つ以上のペーシングパルスの送出などを行ってもよい。リード108Bからの除細動電極をハウジング112と併用して、1つ以上の電気除細動/除細動パルスの送出などを行ってもよい。一例において、IMD110は、例えばリード108A−Cの1つ以上の上に配置された電極とハウジング112との間のインピーダンスを検出可能である。IMD110は、一対の電極間に電流を注入し、その結果として同一のまたは異なる電極対の間に生じた電圧を検出し、オームの法則を使用してインピーダンスを判定するように構成可能である。インピーダンスは、同じ電極対を使用して電流を注入し、電圧を検出する双極構成、電流注入に使用する電極対と電圧検出に使用する電極対とが共通の電極を共有する三極構成、または、電流注入に使用する電極が電圧検出に使用する電極とは別個のものである四極構成で検出可能である。一例において、IMD110は、RVリード108B上の電極と缶ハウジング112との間に電流を注入し、その結果として同一電極間またはRVリード108B上の異なる電極と缶ハウジング112との間に生じた電圧を検出するように構成可能である。生理学的信号は、IMD110内で統合され得る1つ以上の生理学的センサから検出可能である。IMD110はまた、IMD110に結合され得る1つ以上の外部電極または1つ以上の外部生理学的センサからの生理学的信号を検出するように構成可能である。生理学的信号の例としては、表面または皮下心電図、心臓内エレクトログラム、ECG、心臓収縮性、不整脈情報、ペーシング普及率、心拍数、心拍数変動性、胸郭内インピーダンス、心臓内インピーダンス、局所的インピーダンス、呼吸情報(例えば、呼吸速度信号、一回呼吸量信号、分時換気量信号または浅速換気指標(RR/TV)信号などの1つ以上の呼吸信号)、無呼吸−低呼吸指標、動脈圧、肺動脈圧、左心房圧、LV圧、RV圧、LV冠状動脈圧、冠状血液温度、血液酸素飽和度、1つ以上の心音、身体的活動または運動量、活動に対する生理学的応答、患者の姿勢、患者の姿勢に対する生理学的応答、患者の体重、または体温のうち1つ以上を挙げることができる。
【0055】
これらリードおよび電極の構成や機能については、先に例示的かつ非限定的に説明している。患者の必要性や埋込型装置の能力に応じて、これらリードおよび電極の他の構成や使用も可能である。
【0056】
図示のように、CRMシステム100は、事象検出回路113を含む。一例において、事象検出回路113は、1つ以上の患者情報源、例えば、1つ以上の生理学的信号などを受信し、その情報を処理することにより、心不全の悪化などの事象が生じたことがあるか、または生じているかを見極めることができる。一例において、事象検出回路113は、患者の体外または患者の体内に配置されてIMD110と通信される1つ以上の歩行型生理学的センサ(リード108A−Cの1つ以上の上にある電極およびハウジング112など)または患者の体外または患者の体内に配置されてIMD110と通信される歩行型生理学的センサと接続可能である。
【0057】
一例において、事象検出回路113は、2つ以上の患者情報源(例えば、経胸腔インピーダンス、呼吸、活動、心音または本明細書で同定される他の生理学的パラメータのいずれか)を組み合わせて複合指標とし、複合指標値を閾値と比較可能である。様々な例において、事象検出は、経胸腔インピーダンス指標、流体指標および無呼吸−低呼吸指標または代償不全指標のうち1つ以上を計算しまたは受信し、この指標を閾値と比較する。
【0058】
閾値を超える場合に、事象検出回路は、警報を発生し、あるいは別の方法で閾値を超えたことを示す。いくつかの例において、事象検出回路113は、単一の患者情報源(例えば、経胸腔インピーダンス、呼吸、動作または心音)を閾値と比較するか、または単一の情報源から指標を発生して、この指標を閾値と比較する。閾値を超えたら、事象検出回路113は、それまで使用した閾値とは異なる新たな閾値を有効(activate)にする。一例において、新たな閾値は、それまでの閾値よりも低い。様々な例において、監視された値−例えば、患者情報、指標または複合指標−が新たな閾値を下回る場合に前記患者警報期間を終了し、警報を取り消し、以前の閾値を超えたことを示す表示を終了するか、または監視された値が新たな閾値を下回ったことを示す表示を送出する。
【0059】
この二閾値システムは、検出値が閾値の間を上下に変化すると生じ得る短い警報期間の繰り返しの発生を減少させるのに役立ち得るため、健康管理提供者にとって有用である。また、患者の状態が、短時間改善するものの、以前の正常なまたはベースラインの状態まで完全には回復しない場合、警報が時期尚早に終了してしまうのを防ぐのに役立ち得る。
【0060】
一例において、システム100は、外部システム120を含む。外部システム120は、例えば、IMD110のプログラミングを可能にし、かつ、IMD110が取得した1つ以上の信号についての情報を受信することができ、例えば通信リンク103を介して受信することができる。外部システム120は、例えば、ローカル外部IMDプログラマを含む。いくつかの例において、外部システム120は、患者の状態を監視するまたは1つ以上の治療を遠隔地などから調整可能な遠隔患者管理システムを含む。
【0061】
通信リンク103は、誘導性遠隔測定リンク、高周波遠隔測定リンク、またはインターネット接続などの遠隔通信リンクのうち1つ以上を含む。通信リンク103は、IMD110と外部システム120とのデータ送信を提供可能である。送信されたデータとしては、例えば、IMD110によって取得されたリアルタイム生理学的データ、IMD110によって取得され、IMD110に保存された生理学的データ、IMD110に保存された治療履歴データもしくはIMDの動作状態を示すデータ、または、例えば、プログラム可能に特定できる検出電極および構成を使用するなどして生理学的データを取得したり、装置の自己診断テストをしたり、もしくは1つ以上の治療を加えたりすることを含む1つ以上の動作を実行するように、IMD110を構成するためのIMD110への1つ以上のプログラミング指示などを挙げることができる。
【0062】
一例では、事象検出回路113を、外部システム120に具体化または複製することができ、外部システム120は、IMD110から抽出されたデータまたは外部システム120内のメモリに保存されたデータを使用するなどして事象検出の一部または全部を行うように構成される。
【0063】
いくつかの例において、事象検出回路113は、検出、治療の判定または情報処理などの機能を遂行する多重サブ回路を含む。いくつかの例において、事象検出回路113の一部は、IMD110と外部システム120との間に分配されてもよい。いくつかの例において、事象検出回路113は、純粋なハードウェア回路ではない。一例において、事象検出回路113は、マイクロプロセッサと、事象検出を行うためにマイクロプロセッサにより実行されるべき指示を保存するメモリを含む。
【0064】
IMD110または外部システム120の一部は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとのいずれかの組み合わせを使用して具体化可能である。IMD110または外部システム120の一部を、1つ以上の特定機能を遂行するように構築または構成される特定用途回路を使用して具体化しても、または1つ以上の特定機能を遂行するようにプログラムされ得るか、別の方法で構成される汎用回路を使用して具体化してもよい。このような汎用回路は、マイクロプロセッサもしくはその一部、マイクロコントローラもしくはその一部、またはプログラム可能な論理回路もしくはその一部を含む。例えば、「コンパレータ」は、特に、2つの信号を比較する特定機能を遂行するように構築され得る電子回路コンパレータを含んでいてもよい。または、コンパレータは、2つの信号を比較するための汎用回路の一部に指示するコードによって駆動され得る汎用回路の一部として具体化可能である。IMD110に関して記載したが、CRMシステム100は、皮下医療装置(例えば、皮下ICD、皮下診断装置)、着用型医療装置(例えば、パッチベース感知装置、時計や衣類などのバンド型装置)または人に遠隔装着可能な他の外部医療装置を含む。
【0065】
図2は、埋込型ループレコーダ、ペースメーカまたは除細動器、神経刺激器、時計、下着、パッチベース感知装置、または身体に固着もしくは接続されその他の装置といった、患者からの生理学的情報を受信するように構成された埋込型装置または着用型装置200の例を示す。一例において、埋込型装置または着用型装置200は、先に記載され、
図1に示されたIMD110である。
【0066】
図2を再び参照して、例示的な埋込型装置または着用型装置200は、感知回路205、メモリ210、生理学的データ分析器回路215、制御回路217、通信回路220、および治療回路240のうち1つ以上を含む。埋込型装置または着用型装置200はまた、触覚フィードバック要素225、スピーカ230、またはディスプレイ235を含む。
【0067】
感知回路205は、患者の少なくとも1つの生理学的パラメータについての情報を受信する。生理学的情報は、メモリ210に保存される。一例において、メモリは、生理学的情報または当該生理学的情報から得られる1つ以上の指標を保存し、後に、生理学的データ分析器回路215に対する要求に応答して、保存された情報を提供する。一例において、制御回路217は、様々な回路および構成要素の動作ならびに回路および構成要素間のデータフローおよび指示を制御可能である。一例において、感知回路205、メモリ210および生理学的データ分析器回路215は、上述の事象検出回路113を形成する。
【0068】
感知回路205は、患者から得られた1つ以上の生理学的信号を感知する。生理学的信号は、1つ以上の歩行型生理学的センサを使用して、または患者情報受信器回路205に通信可能に接続された1つ以上の外部センサまたは試験装置を使用して検出可能である。このような生理学的信号の例としては、表面または皮下心電図(ECG:Electrocardiograph)、例えばリード108A−Cの1つ以上からの電極またはハウジング112を使用して検出されたエレクトログラム、ECG、心臓収縮性、ペーシング普及率、心拍数、心拍数変動性、不整脈情報、胸郭内インピーダンス、心臓内インピーダンス、無呼吸−低呼吸指標、動脈圧、肺動脈圧、左心房圧、LV圧、RV圧、LV冠状動脈圧、冠状血液温度、身体中央部温度、血液酸素飽和度、1つ以上の心音、収縮時間間隔、心音をベースとする心臓時間間隔、インピーダンスをベースとする心臓時間間隔、活動に対する生理学的応答、身体的活動または運動量、夜間の情動不安、患者の姿勢、患者の姿勢に対する生理学的応答、患者の体重、呼吸速度信号、一回呼吸量信号、分時換気量信号または浅速換気指標(RR/TV)信号などの1つ以上の呼吸信号のうち1つ以上を挙げることができる。生理学的信号はまた、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP:Brain Natriuretic Peptide)、血液パネル、ナトリウムおよびカリウム濃度、血糖値ならびに他のバイオマーカーおよび生化学マーカーのうち1つ以上を含む。また、生理学的信号は、歩行型医療装置を装着した患者における二心室または左心室のみのペーシング百分率などの装置治療の統計データ(statistics)を含む。
【0069】
一例において、生理学的データ分析器回路215は、感知回路で得られ、メモリ210に保存された生理学的情報を閾値と比較する。一例において、生理学的データ分析器回路215は、生理学的情報を使用して指標を計算し、この指標を閾値と比較する。一例において、生理学的データ分析器回路215は、複数種類の生理学的情報(例えば、経胸腔インピーダンス、呼吸、活動、心音、および姿勢、または本明細書で同定されるその他の生理学的情報の2つ以上)を組み合わせて複合指標とし、この複合指標値を閾値と比較する。指標などの生理学的情報の動向が閾値を超える場合に、生理学的データ分析器回路215は、警報期間の開始を報知する。次いで、生理学的データ分析器回路215は、動向情報を別の異なる閾値−例えば、より高いまたは低い閾値−と比較し続け、この動向が当該閾値を下回る場合に警報期間の終了を報知する。生理学的データ分析器回路215はまた、時間、生理学的情報または他の情報のうち1つ以上をベースとする動的な動向を判定するように構成されていてもよい。
【0070】
一例において、閾値を超える場合に、埋込型装置または着用型装置200は、健康管理の専門家がディスプレイ、ダッシュボード、電子メール、テキスト、ファックスまたは他の技術通信様式を介して警報を受信することができるような態様で、通信回路220を通じて、閾値を超えたことを外部システムに通信する。閾値を超えたことまたは警報期間が報知されたことを示す例示的な画面を、
図3Aから
図3Dに示す。一例において、埋込型または着用型医療装置200それ自体は、触覚フィードバック要素225、スピーカ230またはディスプレイ235を介して、閾値を超えたことを通信する。一例において、制御回路217は、音、言葉によるメッセージまたは振動などによって閾値を超えたことを知らせるための命令を、スピーカまたは触覚フィードバック装置に対して発する。時計、電話またはパッチなどの着用型装置上で表示が利用可能な例において、制御回路217は、警報表示など、閾値を超えたことを示すための命令を、ディスプレイ235に対して発する。
【0071】
いくつかの例において、着用型または埋込型医療装置200はまた、当該装置によって、または1つ以上の更なる歩行型装置によって集められ、通信回路220を通じて当該装置に通信されたこれまでに収集済みの診断情報を保存および使用可能である。いくつかの例において、装置200は、通信回路220を通じて1つ以上の他の装置によって収集された情報または計算された指標を受信することができる。様々な例において、当該装置は、生理学的データ、または流体指標もしくは無呼吸−低呼吸指標などの計算された指標を受信する。
【0072】
生理学的データ分析器回路215は、信号の増幅、デジタル化またはフィルタリングを含めた信号調整または前処理を1つ以上の生理学的信号に施すことができる1つ以上のサブ回路を含む。生理学的データ分析器回路215は、1つ以上の前処理された生理学的信号の各々から患者の身体的または生理学的状態を示すそれぞれの生理学的特性を検出するように構成された生理学的特性生成器回路を含む。生理学的特性の例としては、平均値、中央値、もしくは他の中心的な傾向尺度(central tendency measure)、信号強度のヒストグラム、複数の経時的な信号の動向、1つ以上の信号形態記述子、1つ以上の信号変化もしくは変化率特性、1つ以上の信号変化もしくは変化率特性、または特定の周波数帯域での信号パワースペクトル密度が挙げられる。生理学的特性は、生理学的活性に相当する構成要素を含む。例えば、心電図またはエレクトログラム特性は、P波、R波、T波、QRS複合波、または脱分極、過分極もしくは再分極を表す他の構成要素、または心筋の他の電気生理学的特性を含む。心音特性は、(例えば、R波の)相対的なタイミング、振幅、またはSI、S2、S3もしくはS4心音のうち1つ以上の形態学的特性を含む。インピーダンス特性は、最大値、最小値、平均値、分散、変化率、または他の統計学的または形態学的特性を含む。呼吸信号特性は、呼吸速度、呼吸深さ、一回呼吸量、分時換気量、浅速換気指標(RR/TV)、または他の記述子を含む。
【0073】
いくつかの例において、埋込型装置または着用型装置200は、例えば患者情報受信器回路205によって検出された胸郭インピーダンス信号を使用して計算された複数の胸郭インピーダンス値の測定値を受信することができる。胸郭インピーダンスの周期的な変動は、患者の呼吸を示していてもよい。患者の呼吸強度、呼吸速度または呼吸パターンの統計学的尺度を得るために、複数のインピーダンス測定値の中心的な傾向尺度などの統計学的メトリック(statistical metric)が計算される。いくつかの例において、装置200は、例えば患者情報受信器回路205で検出された心音信号を使用して判定されるS3心音強度の複数の測定値を受信する。ベースライン値からのS3心音強度の変化などの形態学的メトリックが計算される。このようなS3強度メトリックは、HF悪化を予測する心臓拡張機能の変化を示し得る。様々な例において、信号メトリック値が持続して高い値であること、または信号メトリックが変動することも、HF悪化を予測し得る。
【0074】
いくつかの例および方法は、参照値からの胸郭内合計インピーダンス値(ITTI)の変化(ΔITTI=ITTI−ITTI
Ref)、参照呼吸速度からの呼吸速度(RR)の変化(ΔRR=RR−RR
Ref)、RR変化率(ΔRR/Δt)および参照レベルからのS3心音強度のような心音(HS)成分の変化(Δ||S3||=||S3||−||S3||
Ref)を含む信号メトリックを利用する。ITTIは、例えばリード108A−Cの1つ以上からの2つ以上の電極またはハウジング112を使用して測定された広帯域胸郭内インピーダンス信号の直流(DC)成分を含む。一例において、電極153とハウジング112との間の電圧は、電極154とハウジング112の間に注入された電流に応答して測定可能であり、ITTIはオームの法則を使って計算可能である。ITTI
Ref、RR
Refおよび||S3||
Refを含む参照レベルは、患者が候補となる体調ではないとみなされる場合、ベースライン中にそれぞれのセンサ信号の測定値を使用して判定可能である。あるいは、参照レベルは、移動時間窓全体にわたるそれぞれの信号メトリックの移動平均として動的に判定可能である。
【0075】
複合指標を作出する様々な例において、この指標はモデルを使用して形成される。このモデルは、ITTIが少なくとも閾値分だけ概ね参照レベルから低下する(これは、流体が胸郭内に概ね貯留されていることを示す)場合、(2)RRが少なくとも閾値分だけ概ねRR
Refから増加し、かつ、呼吸速度の上昇が徐々に始まったことを示すΔRR/Δtが閾値範囲内にある場合、並びに(3)||S3||が少なくとも閾値分だけ概ね参照レベルから増加する場合には、より高い診断スコアを「HF悪化」の候補となる体調に割り当てるというルールを備える。当該モデルは、(1)RRが少なくとも閾値分だけ概ねRR
Refから増加し、かつ、呼吸速度の上昇の発作を示すΔRR/Δtが閾値範囲を超える場合、または(2)||S3||が||S3||
Ref近傍の閾値範囲内にある場合、より高い診断スコアを「肺疾患」の候補となる体調に割り当てるというルールを備える。例として、ΔRRの閾値は、おおよそ1分当たり2呼吸から4呼吸の増加であってもよく、ΔITTIの閾値はおおよそ参照レベルから8%から10%の低下であってもよく、Δ||S3||の閾値はおおよそ0.3ミリグラムから0.5ミリグラムの増加であってもよい。
【0076】
一例において、装置200は、閾値を越えたという判定に応答して治療レジメンを調整可能である。治療レジメンの調整としては、例えば、心臓刺激パラメータの調整、神経刺激パラメータの調整および薬理学的治療レジメンの調整のうち1つ以上を挙げることができる。一例において、治療レジメンの調整は、心臓再同期(CRT)療法を自動的に再構成することを含む。いくつかの例において、治療レジメンの調整は、CRT療法による加療の開始を含む。
【0077】
ここで
図3Aを参照して、例示的な装置は、ある時点で有効な閾値305の視覚的画面300を提供する。
図3Aは、数か月(3月〜8月)にわたる患者の生理学的指標の例示的な動向310の例を示す。4月中旬の時点Xで、動向310は閾値305を超えて上昇しており、これは生理学的問題が患者に生じたことを示唆している。いくつかの例において、この時点で警報が発せられ、この時点が警報期間の開始と認定される。より低い新たな閾値315が時点Xで実施される。閾値305、315を繋ぐ線313は、視覚的な明確性のために設けられており、任意に表示または省略してもよい。時点Yで、当該動向は閾値315よりも下降する。一例において、警報はこの時点で取り消され、この時点Yが警報期間X−Yの終了として認定される。時点Yで、当該閾値は、(図示のように)以前のレベルにリセットされ、新たなレベルに設定される。時点Zで、動向310は、再び閾値305を超えて上昇し、他の警報または警報期間の契機となる。一例において、機械仕掛けの警報期間を使用することにより、健康管理システム(例えば、医師、看護師、EMRシステム、または他の装置)における他のノードに警報期間を通信することができ、それにより、患者の技術的または人的評価は、警報期間中の患者の状態を考慮に入れることができる。
【0078】
一例において、閾値レベルは、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)コントロールを使用して調整可能である。一例において、スライダ要素320は発症閾値305を制御し、スライダ要素325はリセット閾値315を制御する。いくつかの例において、要素320は両方の閾値レベルを一緒に制御し、要素325はレベル間の乖離330を制御する。一例において、要素320および325は、スライダの代わりに「回動式」GUIノブである。タッチスクリーンディスプレイ上で視覚的画面を表示するいくつかの例において、閾値自体は選択可能かつ変移可能である。
【0079】
図3Bを参照して、一例において、発症閾値306およびリセット閾値316の視覚的画面301には、動向311Aによって画定される曲線とリセット閾値316とのエリアの網掛け309Aが含まれていてもよい。いくつかの例において、発症閾値306およびリセット閾値316の視覚的画面301は、代替的にまたは追加的に、第2の動向311Bによって画定される曲線とリセット閾値316とのエリアの網掛け309Bを含んでいてもよい。いくつかの例において、2つ以上の動向、例えば、複数のセンサの動向が視覚的画面301上に表示され、発症閾値およびリセット閾値は各々の動向に対して示される。
【0080】
図3Cは、動向312が発症閾値307を超え、かつリセット閾値317を下回らないときにのみ動向312が見える例を示す。
図3Dは、動向313の一部が発症閾値308を超え、かつリセット閾値318をまだ下回っていない例(すなわち、警報期間は、線の種類(例えば、点線またはダッシュ線)でマークされる)を示す。他の例において、警報期間は、線の太さまたは色でマークされる。
【0081】
図3Eは、発症閾値342およびリセット閾値344よりも上のエリア340を強調表示した、または網掛けした例示的な表示を示す。表示上の更なるエリアの網掛けもしくは強調表示は、リセット閾値がある時間346で有効になり、発症閾値が再び有効になる点である時間348まで有効であることを閲覧者に示すことができる。いくつかの例において、リセット閾値の有効化は、警報期間350が報知されたことを示すことができる。例示的な方法は、警報期間が報知されると、例えば心不全が悪化している患者を治療するために、治療の調整を推奨することを含む。いくつかの例示的な方法は、警報期間が報知されると、治療を調整すること、例えば、心不全の代償不全事象を回避するために心不全患者に対する医学的介入を実施することを含む。いくつかの例としては、装置における動作パラメータの調整、例えば、監視パラメータの調整、検出機構の作動、特異性または感受性パラメータの増加、または埋込型装置または着用型装置における治療パラメータの調整を挙げることができる。
【0082】
図4は、心不全患者の状態を監視して治療レジメンを管理する例示的な方法400を示す。方法400は、ステップ405において、心不全に関連する少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを収集することを含む。サンプルの収集は、埋込型装置または着用型装置を使用してパラメータを検出すること、例えば、生理学的パラメータを示す信号を検出すること、または以前にもしくは現在集められたサンプルを受信することを含む。生理学的パラメータの例としては、表面または皮下心電図、心臓内エレクトログラム、不整脈情報、心拍数、心拍数変動性、局所的インピーダンス、胸郭内インピーダンス、心臓内インピーダンス、呼吸情報(呼吸速度信号、一回呼吸量信号、分時換気量信号または浅速換気指標(RR/TV)信号など)、動脈圧、肺動脈圧、左心房圧、RV圧、LV冠状動脈圧、冠状血液温度、血液酸素飽和度、1つ以上の心音、身体的活動または運動量、活動に対する生理学的応答、患者の姿勢、患者の体重、または体温などを挙げることができる。
【0083】
本方法400は、ステップ410において、少なくとも2つのサンプルを使用して第1の患者動向を判定することを含む。一例において、患者動向は、
図3A、
図3B、
図3Cまたは
図3Dに示されるように表示可能である。一例において、第1の患者動向の判定は、周期的間隔(例えば、1秒に1回、1分に1回、1時間に1回、1日に1回、1週間に1回、または1か月に1回)で値を判定し、線や曲線などの動向を作出するために、2つ以上の値を組み合わせることを含む。
【0084】
本方法400は、ステップ415において、発症閾値レベルが有効であることを表示することを含む。一例において、発症レベルはグラフ上に表示される。
本方法400は、ステップ420において、第1の患者動向を発症閾値レベルと比較することを含む。第1の患者動向が発症閾値レベルを超えていない場合、本方法は、405のサンプル収集に戻る。第1の患者動向が発症閾値レベルを超える場合に、本方法は、ステップ425において、第1の動向が発症閾値レベルを超えた後もサンプルを収集し続け、ステップ430において、前記第1の動向が前記発症閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の患者動向を判定することを含む。本方法は、ステップ435において、リセット閾値レベルが有効であることを表示する。リセット閾値レベルは、発症閾値レベルとは異なる。一例において、リセット閾値レベルは、発症閾値レベルよりも低く、当該閾値が発症閾値レベル近傍をさまよっている際、すなわち動向レベルに影響を及ぼし得るが完全な回復を表さない補償機構に起因して上下動している際に、短期間の警報が繰り返されることを防ぐことができるものである。例えば、代償不全などの心不全症状の間、生理学的補償機構は、短期間の改善を一時的にもたらすことができるが、より長い時間においては、患者の病状は悪化し続ける。より低いリセット閾値を使用する場合、患者が実際に回復したことを確実に保証でき、しかも、補償機構の作用によって病状が一時的に改善したにすぎないことに着目することができる。
【0085】
本方法は、ステップ440において、警報を報知することを任意に含む。一例において、警報は、患者、健康管理専門家、またはその両方に通信される。ステップ445において、本方法は、動向が閾値を超えたことに応答して治療レジメンを調整することを含む。バリエーションを含むこともできる。例えば、警報を報知しないで(つまり、ステップ440は省略してもよい)治療レジメンを改訂可能である。治療レジメンの調整としては、例えば、心臓刺激パラメータの調整、神経刺激パラメータの調整および薬理学的治療レジメンの調整のうち1つ以上を挙げることができる。
【0086】
本方法は、ステップ450において、第2の患者動向をリセット閾値と比較することを含む。第2の患者動向が依然としてリセット閾値を上回っている場合、本方法はステップ425のサンプル収集に戻る。第2の患者動向がリセット閾値を下回る場合に本方法は、ステップ455において、リセット閾値レベルがもはや有効ではないことを表示することを含む。例えば、有効な閾値は、ディスプレイに表示され、例えば、発症閾値は、リセット閾値の無効化と発症閾値の有効化と時間的に相関して表示される。いくつかの例において、パラメータまたは指標などの生理学的情報の動向は、当該動向が発症閾値を上回るときにはプロットされるが、当該動向が発症閾値を下回る場合にきには示されない。
【0087】
一例において、本方法は、前記第1の患者動向および前記第2の患者動向の視覚的画面を経時的に示すことを含み、発症レベルは、第1の患者動向と時間に沿わせて視覚的画面に示される。一例において、リセット閾値レベルも視覚的画面に示される。
【0088】
一例において、発症閾値レベルは、色、線の太さ、線の種類のうち1つ以上を使用して患者動向または発症閾値レベルを表すことによって、または前記発症レベルが有効である場合には当該第1の患者動向を表示しないことによって、有効であることが示される。一例において、リセット閾値レベルは、第2の動向とリセット閾値との間のエリアを強調表示することによって、有効であることが示される。
【0089】
一例において、発症閾値レベルとリセット閾値レベルの差は、視覚的に識別可能な変化(段差など)を形成し、第1の患者動向が発症閾値レベルを超える際に発生する患者警報を示し得る。
【0090】
一例において、本方法は、発症閾値レベルを調整するために発症入力を受信し、リセット閾値レベルを調整するためにリセット入力を受信することを含み、患者の監視が、発症入力およびリセット入力を使用して調整可能である。ある例において、本方法は、発症閾値レベルとリセット閾値とを同時に調整するために、閾値入力を受信するステップと、発症閾値レベルとリセット閾値レベルとの間の乖離を調整するために、乖離入力を受信するステップとを含み、患者の監視が、閾値入力および乖離入力を使用して調整可能である。
【0091】
ここで
図5を参照して、例示的な方法500は、ステップ505において、心不全に関連する少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを受信することを含む。一例において、少なくとも2つのサンプルを受信することは、2つ以上の生理学的パラメータの少なくとも2つのサンプルを検出することを含む。本方法はまた、ステップ510において、これら少なくとも2つのサンプルを使用して第1の動向を判定し、ステップ515において、第1の動向を1閾値と比較することを含む。一例において、第1の動向を判定することは、これら2つ以上の生理学的パラメータの複合指標の動向を判定することを含む。
【0092】
ステップ515において、前記動向は閾値と比較される。動向が閾値よりも大きくない場合、本方法は、ステップ505のサンプル受信に戻る。第1の動向が第1の閾値を超える場合に、本方法は、ステップ520において患者警報期間の開始を報知し、ステップ525において第1の動向が第1の閾値を超えた後もサンプルを受信し続け、ステップ530において、前記第1の動向が前記第1の閾値を超えた後に検出されたサンプルを使用して第2の動向を判定することを含む。
【0093】
本方法は、ステップ530において、第2の動向を第1の閾値よりも低い第2の閾値と比較することを含む。一例において、本方法は、前記生理学的パラメータが複合指標の変化を支配する関数として変動する第2の閾値を判定することを含む。一例において、本方法は、時間の関数として変動する第2の閾値を判定することを含む。一例において、第2の閾値は、患者からの生理学的パラメータの新たなベースライン値の例えば確立に相当し得る時間の関数として増加してもよい。
【0094】
第2の動向が依然として第2の閾値を上回っている場合、本方法は、ステップ525のサンプル受信に戻る。第2の動向が第2の閾値を下回る場合に本方法は、ステップ540において、患者警報期間の終了を報知することを含む。一例において、本方法はまた、動向または閾値情報をディスプレイに表示することを含む。一例において、動向または閾値情報は、時間と相関して、例えば、日、週または月の経過にわたって示される。一例において、本方法は、1つ以上の生理学的パラメータが複合指標に変化を与える度合いをディスプレイに表示することを含む。
【0095】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面への言及を含む。図面は、例示として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示している。これらの実施形態はまた本願では「実施例」とも称される。そのような実施例は、開示・記載されているものに付加された要素を含んでいてもよい。しかしながら、本発明者らはまた、開示・記載されているそれらの要素のみが備えられた実施例も想定している。さらに、本発明者らはまた、本願に開示・記載されている特定の実施例(またはその1つ以上の態様)、または他の実施例(またはそのうち1つ以上の態様)のいずれかに関して、開示・記載されているそれらの要素(またはそのうち1つ以上の態様)の任意の組み合わせまたは順列(permutation)を用いた例も想定している。
【0096】
本明細書と、参照によりそのように援用されたいずれかの明細書との間で用法が一致しない場合には、本明細書の用法が優先する。
本明細書において、用語「a」または「an」は、特許文献において共通であるように、「少なくとも1つ(at least one)」または「1(つ)以上(one or more)」の任意の他の例または用法とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように用いられる。この文書において、用語「または」は非排他的論理和を示し、そのため、別段の指示がない限り、「AまたはB」は、「AだがBではない」、「BだがAではない」、および「AおよびB」を含む。本明細書において、用語「含む(including)」および「前記〜において(in which)」は、「備える(comprising)」および「前記〜において(wherein)」という各用語の平易な英語の同意義として用いられる。また、以下の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「備える(comprising)」は非制限的であり、すなわち、請求項においてそのような用語の後に列記されたものの他にも要素を含むシステム、装置、物品、組成物、配合物、またはプロセスは、依然としてその請求項の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、用語「第1」、「第2」、および「第3」などは、単に標識として用いられており、それらの対象に対して数的な要件を課するようには意図されない。
【0097】
本開示の方法の例は、少なくとも部分的に機械またはコンピュータで実施されてもよい。いくつかの例は、上述の例で記載した方法を実施するために電子装置を構成するよう動作可能な命令で符号化されたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含んでいてもよい。このような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、上位レベル言語コード等のコードを含んでいてもよい。このようなコードは、様々な方法を実施するコンピュータ可読命令を含んでいてもよい。コードは、コンピュータプログラム製品のある部分を形成してもよい。さらに、一例では、コードは、一つ以上の揮発性且つ非一過性の、または、不揮発性の実体のあるコンピュータ可読媒体に実行中または他の時に有形に保存されていてもよい。これら実体のあるコンピュータ可読媒体の例として、ハードディスク、取り外し可能な磁気ディスク、取り外し可能な光ディスク(例えば、CDおよびDVD)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0098】
上述の説明は、制限的でなく例示的であることが意図される。例えば、上述の例(またはその一つ以上の態様)は、互いと組み合わせて使用されてもよい。上述の説明を検討する上で、他の実施形態が当業者によって用いられてもよい。要約書は、米国特許施行規則§1.72(b)に従って技術的開示の本質を迅速に確認するものであり、請求項の範囲または意義を解釈または制限するために使用されるものではないといった理解の下で提供される。さらに、上述の「発明を実施するための形態」では、様々な特徴を一緒にグループ化して本開示を簡素化してもよい。これは、未請求の開示する特徴がどの請求項にも必須であることを意図していると解釈されてはならない。むしろ、発明の態様は、特定の開示する実施形態の全ての特徴に満たなくてもよい。そのため、添付の特許請求の範囲は、ここでは例または実施形態として「発明を実施するための形態」に組み込まれる。各請求項はそれ自体で別個の実施形態となり、また、これらの実施形態は様々な組み合わせまたは順列(permutation)で互いと組み合わされ得ることが考えられる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、請求項の権利が与えられる均等物の完全な範囲と共に、決定されるべきである。