特許第6559810号(P6559810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559810
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20190805BHJP
   G06K 19/073 20060101ALI20190805BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   G06K19/077 244
   G06K19/073 009
   G06K19/07 090
【請求項の数】18
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-1427(P2018-1427)
(22)【出願日】2018年1月9日
(62)【分割の表示】特願2017-86464(P2017-86464)の分割
【原出願日】2014年9月12日
(65)【公開番号】特開2018-67355(P2018-67355A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2018年1月9日
(31)【優先権主張番号】61/927,195
(32)【優先日】2014年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/477,200
(32)【優先日】2014年9月4日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】東芝メモリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176599
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100205095
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 啓一
(74)【代理人】
【識別番号】100208775
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 雅章
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭介
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−131215(JP,A)
【文献】 特開2001−167239(JP,A)
【文献】 特開2010−117894(JP,A)
【文献】 特開2010−067060(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0169548(US,A1)
【文献】 特開2004−206542(JP,A)
【文献】 特開2009−089126(JP,A)
【文献】 特開2011−222034(JP,A)
【文献】 特開2006−338466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置と接続可能な接続部と、
前記ホスト装置から前記接続部経由で供給される電力に基づいて動作する不揮発性半導
体メモリと、
前記ホスト装置から前記接続部経由で供給される電力に基づいて動作し、前記不揮発性
半導体メモリを制御するように構成された第1のコントローラと、
無線通信ホスト装置からの電波に基づいて電力を発生させる無線アンテナと、
前記無線アンテナに発生する電力に基づいて動作可能な記憶部と、
前記無線アンテナに発生する電力に基づいて動作可能な第2のコントローラと、を具備
し、
前記第1のコントローラは、
前記接続部経由で受信した書き込み指示に対して前記書き込み指示で指定された第1の
データを前記不揮発性半導体メモリへ書き込み、
前記第1のデータに対応する第2のデータを記憶部へ書き込み、
前記第2のコントローラは、
前記無線アンテナ経由で第2の書き込み指示を受信可能であり、
受信した前記第2の書き込み指示に基づいて、第3のデータを前記記憶部へ書き込み、
前記第3のデータの書き込みが完了したことに基づいて、前記第2の書き込み指示の送
信元へ第4のデータを送信し、
前記ホスト装置と接続されていない場合に、前記無線通信ホスト装置から前記無線アン
テナ経由で前記第2のデータに対する読み出し指示を受信した場合、前記記憶部から前記
第2のデータを読み出し、前記無線アンテナを用いて前記読み出した第2のデータを前記
無線通信ホスト装置へ送信し、
前記無線アンテナを用いて指示データ及び前記指示データに対する書き込み指示を受け
た場合に、前記指示データを前記記憶部に書き込み、
前記第1のコントローラは、
前記記憶部へ書き込まれた前記第3のデータに基づいて、セキュリティが解除されてい
るか否かを判断し、
前記ホスト装置と接続されている場合に、前記ホスト装置から前記接続部経由で受信し
前記第1のデータの読み出し指示に対して、セキュリティが解除されている場合前記第1
のデータを読み出し、前記読み出した第1のデータを前記接続部経由で前記ホスト装置へ
送信し、前記セキュリティが解除されていない場合セキュリティがロックされていること
を示す応答を前記接続部経由で前記ホスト装置へ送信
前記ホスト装置から前記接続部経由で受けた前記第1のデータの中から、前記指示デー
タで指示された前記第2のデータを選択し、前記選択した第2のデータを前記記憶部へ書
き込む、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第3のデータは、セキュリティフラグであり、
前記第1のコントローラは、受信した前記第1のデータの読み出し指示に対して、前記
記憶部に保存されている前記第3のデータを読み出すことにより前記セキュリティが解除
されているか判断する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記ホスト装置と接続されている場合に、前記第2のコントローラは、前記無線通信ホ
スト装置から前記無線アンテナ経由で前記不揮発性半導体メモリに書き込まれている第5
のデータに対する読み出し指示に対して、前記無線アンテナを用いて前記第5のデータを
前記無線通信ホスト装置へ送信する
請求項1又は請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2のコントローラは、前記無線通信ホスト装置と近距離無線通信規格にそった通
信を行う、
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第2のコントローラは、前記無線アンテナに電気的に接続されている電圧検波器を
具備し、前記電圧検波器の検出結果に基づいて、前記無線アンテナを用いて前記読み出し
た第2のデータを送信する、
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記電圧検波器は、前記無線アンテナと電気的に接続されており、前記無線アンテナか
ら前記第2のコントローラに供給される電圧を監視する、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第2のデータは、前記不揮発性半導体メモリに書き込まれている前記第1のデータ
のうちの一部、前記第1のデータの管理情報、前記不揮発性半導体メモリのメモリ容量、
前記不揮発性半導体メモリの残り容量、前記第1のデータのファイル名、前記第1のデー
タの生成時間データ、前記第1のデータに関するメモデータ、のうちの少なくとも1つを
含む、
請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1のデータは、画像データであり、
前記第2のデータは、前記画像データのサムネイルデータ、撮影場所、撮影時間、ファ
イル名のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1のデータは、画像データであり、
前記第2のデータは、前記画像データに対応する時間データを含み、
前記第2のコントローラは、前記無線通信ホスト装置から受信した要求に対して前記時
間データを送信し、
前記無線通信ホスト装置は、時間と前記時間に対応する位置データを保存し、前記時間
のうち前記送信された時間データの示す時間に最も近い時間に対応する位置データを表示
する
請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記ホスト装置と接続されている場合に、前記第1のコントローラは、前記ホスト装置
から前記接続部経由で受信した前記第1のデータが指定された前記書き込み指示に対して
、前記記憶部のデータがプロテクトされていないと判断した場合に前記第2のデータを前
記記憶部へ書き込み、前記記憶部のデータがプロテクトされていると判断した場合に前記
第2のデータを前記記憶部へ書き込まない、
請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1のコントローラは、前記記憶部のデータをプロテクトする旨の指示データが前
記記憶部に書き込まれている場合に、前記記憶部のデータがプロテクトされていると判断
する、
請求項10の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第2のコントローラは、前記無線通信ホスト装置から前記無線アンテナ経由で前記
記憶部のデータをプロテクトする旨の指示を受信した場合、前記記憶部のデータをプロテ
クトする旨の指示データを前記記憶部に書き込む、
請求項11の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記ホスト装置と接続されている場合に、前記第1のコントローラは、前記ホスト装置
から前記接続部経由で前記第1のデータの読み出し指示を受信した場合に、前記第1のデ
ータを読み出し、前記読み出した第1のデータを前記接続部経由で前記ホスト装置へ送信
し、前記ホスト装置から前記接続部経由で前記送信した第1のデータに対応するアクセス
先データを受信した場合に前記第1のコントローラは前記記憶部へ前記受信したアクセス
先データを記憶し、
前記第2のコントローラは、前記無線通信ホスト装置から前記アクセス先データの読み
出し指示を受信した場合、前記記憶部から前記アクセス先データを読み出し、前記無線ア
ンテナを用いて前記読み出したアクセス先データを前記無線通信ホスト装置へ送信する、
請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記記憶部は、設定データを記憶し、
前記第2のコントローラは、前記無線アンテナ経由で前記無線通信ホスト装置から受信
した前記設定データの読み出し指示に対して、前記無線アンテナ経由で前記設定データを
前記無線通信ホスト装置へ送信し、
前記無線通信ホスト装置は、前記送信された設定データに基づいて無線LAN(Local
Area Network)通信を行う、
請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第2のコントローラは、前記無線通信ホスト装置から前記無線アンテナ経由でセキ
ュリティ解除指示を受信した場合に前記セキュリティを解除する
請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第2のコントローラは、前記セキュリティを解除する場合に前記セキュリティが解
除されたことを示す応答を前記無線通信ホスト装置へ返送する
請求項15に記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記第2のコントローラは、前記セキュリティを解除する場合に前記記憶部に保存され
ているセキュリティフラグを変更する
請求項15または請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記第1のコントローラと前記第2のコントローラは、1つのコントローラで実現され

請求項1乃至請求項17の何れか1項に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶装置の一例として、例えばSDメモリカードのようなメモリカードがある。
【0003】
一般的に、メモリカードは、例えばデジタルスティールカメラ(DSC:Digital Sti
ll Camera)などのようなホスト装置から電力の供給を受ける。このホスト装置から供給
された電力により、メモリカードは、ホスト機器に対するデータの送受信が可能であり、
不揮発性半導体メモリに対するデータの書き込み及び読み出しを行う。
【0004】
ユーザがメモリカードに書き込まれたデータを確認するためには、メモリカードをホス
ト装置に装着する必要がある。
【0005】
近年、撮影された画像データをPCなどのバックアップ先に保存することなく、メモリ
カードを多数購入し、メモリカードでデータを保存するユーザが増加している。このよう
に、利用されるメモリカードの数が多くなると、ユーザがどのメモリカードの中にどのよ
うなデータを書き込んだか把握することが困難になる。ユーザは、多数のメモリカードを
順にホスト装置に装着し、メモリカードからデータを読み出すことで、それぞれのメモリ
カードに書き込まれたデータを確認する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7921183号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本実施形態は、利便性の高い無線アンテナを備える半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、実施形態の半導体記憶装置は、ホスト装置と接続可能な接
続部と、前記ホスト装置から前記接続部経由で供給される電力に基づいて動作する不揮発
性半導体メモリと、前記ホスト装置から前記接続部経由で供給される電力に基づいて動作
し、前記不揮発性半導体メモリを制御するように構成された第1のコントローラと、無線
通信ホスト装置からの電波に基づいて電力を発生させる無線アンテナと、前記無線アンテ
ナに発生する電力に基づいて動作可能な記憶部と、前記無線アンテナに発生する電力に基
づいて動作可能な第2のコントローラと、を備える。前記第1のコントローラは、前記接
続部経由で受信した書き込み指示に対して前記書き込み指示で指定された第1のデータを
前記不揮発性半導体メモリへ書き込み、前記第1のデータに対応する第2のデータを記憶
部へ書き込む。前記ホスト装置と接続されていない場合に、前記第2のコントローラは、
前記無線通信ホスト装置から前記無線アンテナ経由で前記第2のデータに対する読み出し
指示を受信した場合、前記記憶部から前記第2のデータを読み出し、前記無線アンテナを
用いて前記読み出した第2のデータを前記無線通信ホスト装置へ送信する。前記ホスト装
置と接続されている場合に、前記第1のコントローラは、前記ホスト装置から前記接続部
経由で受信した前記第1のデータの読み出し指示に対して、セキュリティが解除されてい
る場合前記第1のデータを読み出し、前記読み出した第1のデータを前記接続部経由で前
記ホスト装置へ送信し、前記セキュリティが解除されていない場合セキュリティがロック
されていることを示す応答を前記接続部経由で前記ホスト装置へ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る記憶装置の構成を例示するブロック図。
図2】データがメモリコントローラによって自動的に記憶部に書き込まれる動作を例示するブロック図。
図3】データがメモリコントローラによって自動的に記憶部に書き込まれる動作を例示するフローチャート。
図4】データがNFCコントローラによって自動的に記憶部に書き込まれる動作を例示するブロック図。
図5】データがNFCコントローラによって自動的に記憶部に書き込まれる動作を例示するフローチャート。
図6】記憶装置の不揮発性半導体メモリからデータを読み出す動作を例示するブロック図。
図7】記憶装置の不揮発性半導体メモリからデータを読み出す動作を例示するフローチャート。
図8】無線通信ホスト装置が記憶部からデータを読み出す動作を例示するブロック図。
図9】無線通信ホスト装置が記憶部からデータを読み出す動作を例示するフローチャート。
図10】記憶装置が無線通信ホスト装置からのデータを記憶部に書き込む動作を例示するブロック図。
図11】記憶装置が無線通信ホスト装置からのデータを記憶部に書き込む動作を例示するフローチャート。
図12】NFCコントローラが記憶部に書き込まれているデータをプロテクトするか否か判断する動作を例示するブロック図。
図13】NFCコントローラが記憶部に書き込まれているデータをプロテクトするか否か判断する動作を例示するフローチャート。
図14】第2の実施形態に係るメモリカードの概略構成を例示するブロック図。
図15】第2の実施形態に係るメモリカードの第1の適用例を示す図。
図16】第2の実施形態に係るメモリカードの第2の適用例を示す図。
図17】第2の実施形態に係るメモリカードの第3の適用例を示すフローチャート。
図18】第2の実施形態に係るメモリカードの第3の適用例を示すブロック図。
図19】第2の実施形態に係るメモリカードの第4の適用例を示すフローチャート。
図20】第2の実施形態に係るメモリカードの第5の適用例を示すフローチャート。
図21】第2の実施形態に係るメモリカードの第5の適用例を示すブロック図。
図22】第2の実施形態に係るメモリカードの第6の適用例を示す図。
図23】第2の実施形態に係るメモリカードの第7の適用例を示すフローチャート。
図24】第2の実施形態に係るメモリカードの第7の適用例を示すブロック図。
図25】第2の実施形態に係るメモリカードの第8の適用例を示すフローチャート。
図26】第2の実施形態に係るメモリカードの第8の適用例を示すブロック図。
図27】第2の実施形態に係るメモリカードの第9の適用例を示すフローチャート。
図28】第2の実施形態に係るメモリカードの第9の適用例を示すブロック図。
図29】第2の実施形態に係るメモリカードの第10の適用例を示すフローチャート。
図30】第2の実施形態に係るメモリカードの第10の適用例を示すブロック図。
図31】第2の実施形態に係るメモリカードの第11の適用例を示すフローチャート。
図32】第2の実施形態に係るメモリカードの第12の適用例を示すフローチャート。
図33】第2の実施形態に係るメモリカードの第13の適用例を示すフローチャート。
図34】第2の実施形態に係るメモリカードの第14の適用例を示すフローチャート。
図35】第2の実施形態に係るメモリカードの第15の適用例を示す図。
図36】第2の実施形態に係るメモリカードの第16の適用例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。以下の説明において、略同一の機能
及び構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0011】
[第1の実施形態]
本実施形態においては、無線アンテナを備える記憶装置について説明する。記憶装置と
しては、例えば、メモリカード(SDメモリカード又はマルチメディアカードなど)、U
SBメモリなど、様々な形態を適用可能である。なお、本実施形態に係る記憶装置と同様
の構成は、例えば携帯電話などのような無線通信装置に適用されてもよい。例えば、本実
施形態に係る記憶装置と同様の構成は、情報処理装置のメモリシステムに適用されてもよ
い。メモリシステムは、少なくとも、記憶装置とこの記憶装置を制御するためのコントロ
ーラとを含む。
【0012】
図1は、本実施形態に係る記憶装置の構成を例示するブロック図である。
【0013】
記憶装置1は、電気的に接続されたホスト装置2から供給される電力により、ホスト装
置2からのデータDA1を書き込み及び読み出す機能と、無線通信ホスト装置3と電気的
に接続されていなくても無線アンテナ4の電磁誘導によって発生(誘起)する電力により
データDA2を通信する機能とを備える。すなわち、記憶装置1は、例えば、13.56
MHZなどの周波数で近距離無線通信規格(NFC:Near Field Communication)にそ
った通信を行い、無線通信ホスト装置3に対してデータDA2を送信又は受信する。記憶
装置1は、ホスト装置2から電力の供給を受けなくても動作可能である。
【0014】
記憶装置1は、例えばSDインタフェースにしたがってホスト装置2とデータDA1を
送受信するが、他のインタフェースを用いてもよい。また、記憶装置1は、例えばNFC
インタフェースにそって無線通信ホスト装置3とデータDA2を送受信するが、他の無線
通信インタフェースを用いてもよい。
【0015】
本実施形態において、ホスト装置2と無線通信ホスト装置3とは、別構成としているが
、同一構成でもよい。
【0016】
記憶装置1は、無線アンテナ4と、不揮発性半導体メモリ5と、NFCコントローラ6
と、メモリコントローラ7と、接続部13とを備える。NFCコントローラ6は、記憶部
8と電圧検波器9とを備える。なお、NFCコントローラ6と記憶部8とは分離した構成
としてもよい。NFCコントローラ6とメモリコントローラ7とは、1つのコントローラ
で実現されてもよい。
【0017】
不揮発性半導体メモリ5は、例えばNAND型フラッシュメモリとするが、NOR型フ
ラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory:磁気抵抗メモ
リ)、PRAM(Phasechange Random Access Memory:相変化メモリ)、ReRAM
(Resistive Random Access Memory:抵抗変化型メモリ)、FeRAM(Ferroelectr
ic Random Access Memory)など他の不揮発性半導体メモリでもよい。例えば、不揮発
性半導体メモリ5は、他の不揮発性メモリ、揮発性メモリ、磁気メモリなどに変更されて
もよい。
【0018】
メモリコントローラ7は、不揮発性半導体メモリ5を制御する。例えば、メモリコントロ
ーラ7は、ホスト装置2から書き込み指示とデータDA1とを受けた場合に、データDA
1を不揮発性半導体メモリ5に書き込む。メモリコントローラ7は、読み出し指示を受け
た場合に、不揮発性半導体メモリからデータDA1を読み出す。メモリコントローラ5は
、ホスト装置2から電力の供給を受け、かつ、無線アンテナ4及びNFCコントローラ6
経由で書き込み指示及びデータDA1を受けた場合に、データDA1を不揮発性半導体メ
モリ5に書き込むとしてもよい。
【0019】
メモリコントローラ7は、書き込み指示を受けた場合に、記憶部8にデータDA2を書
き込んでもよく、読み出し指示を受けた場合に、記憶部8からデータDA2を読み出して
もよい。
【0020】
メモリコントローラ7は、読み出し指示を受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5から
データDA1を読み出し、NFCコントローラ6及び無線アンテナ4経由でデータDA1
を出力してもよい。
【0021】
不揮発性半導体メモリ5及びメモリコントローラ7は、ホスト装置2から供給された電
力により動作する。
【0022】
無線アンテナ4は、NFCに対応する所定の周波数又は周波数帯で設定されている。
【0023】
また、無線アンテナ4は、無線通信ホスト装置3からの電波に基づいて電磁誘導によっ
て電力を発生させる。無線アンテナ4は、発生された電力をNFCコントローラ6に供給
する。また、無線アンテナ4は、無線通信ホスト装置3からのデータを受信し、NFCコ
ントローラ6に出力する。さらに、無線アンテナ4は、NFCコントローラ6からのデー
タDA2を、無線通信ホスト装置3に出力する。無線アンテナ4は、例えば、PCBパタ
ーンアンテナである。
【0024】
NFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3からの電波に基づいて電磁誘導によっ
て無線アンテナ4に発生した電力により動作する。NFCコントローラ6は、動作時に、
又は、無線通信ホスト装置3から無線アンテナ4経由で読み出し指示を受けた場合に、記
憶部8からデータDA2を読み出し、無線アンテナ4を用いてデータDA2を無線通信ホ
スト装置3に出力する。同様に、NFCコントローラ6は、動作時に、又は、無線アンテ
ナ4を使用して書き込み指示及びデータDA2を受けた場合に、記憶部8にデータDA2
を書き込むとしてもよい。NFCコントローラ6は、無線アンテナ4を用いる無線通信ホ
スト装置3に対するデータの送信及び受信を制御する。具体的には、NFCコントローラ
6は、無線アンテナ4経由でNFCに対応する所定の周波数の信号を受信すると、NFC
による通信可能となる。
【0025】
さらに、NFCコントローラ6は、不揮発性半導体メモリ5に対する書き込み時に、ホ
スト装置2から接続部13経由で受けた書き込み指示及びデータDA1を、メモリコント
ローラ7へ出力する。NFCコントローラ6は、ホスト装置2から接続部13経由で書き
込み指示及びデータDA1を受けた場合に、書き込み指示及びデータDA1をメモリコン
トローラ7に出力し、記憶部8にデータDA2を書き込んでもよい。
【0026】
また、NFCコントローラ6は、不揮発性半導体メモリ5に対する読み出し時に、メモ
リコントローラ7から受けたデータDA1を、接続部13経由でホスト装置2へ出力する
【0027】
NFCコントローラ6の電圧検波器9は、無線アンテナ4と電気的に接続されており、
無線アンテナ4からNFCコントローラ6に供給される電圧を監視し、NFCに相当する
所定の電圧になるまでNFCによる通信のリセット信号を出し続ける。これにより、NF
Cによる通信の異常起動・動作を防止することができる。
【0028】
NFCコントローラ6は、ホスト装置2から電力供給を受け、かつ、ホスト装置2から
書き込み指示及びデータDA1を受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5に対して、ホス
ト装置2から受けたデータDA1を書き込むとしてもよい。NFCコントローラ6は、ホ
スト装置2から電力の供給を受け、かつ、無線アンテナ4及びNFCコントローラ6経由
でNFCにより書き込み指示及びデータを受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5にデー
タを書き込むとしてもよい。
【0029】
NFCコントローラ6は、ホスト装置2から電力の供給を受け、かつ、ホスト装置2か
らデータDA2の生成指示を受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれている
データDA1を読み出して、データDA2を生成し、データDA2を記憶部8に書き込ん
でもよい。
【0030】
NFCコントローラ6は、ホスト装置2から電力の供給を受け、かつ、無線出力指示を
受けた場合に、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1の一部又は全部
を読み出し、読み出されたデータを無線アンテナ4経由で無線通信ホスト装置3に出力し
てもよい。
【0031】
NFCコントローラ6は、無線アンテナ4を用いて指示データ及び書き込み指示を受け
た場合に、指示データを記憶部8に書き込み、実行指示を受けた場合に記憶部8に書き込
まれている指示データによって指示されている処理を実行してもよい。
【0032】
記憶部8は、例えば、不揮発性メモリである。記憶部8は、NFCコントローラ6又は
メモリコントローラ7による制御にしたがってデータDA2を書き込む。なお、記憶部8
におけるデータDA2の保存は、一時的でもよい。記憶部8としては、例えば、EEPR
OM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)が用いられるが、
上記不揮発性半導体メモリ5と同様に各種のメモリを用いることができる。
【0033】
データDA2は、例えば、NFCインタフェースにしたがって無線通信ホスト装置3と
記憶装置1との間で送信及び受信されるデータでもよく、不揮発性半導体メモリ5に書き
込まれるデータDA1の特徴データでもよく、無線通信ホスト装置3から無線アンテナ4
経由でNFCコントローラ6に受信された特徴データでもよく、不揮発性半導体メモリ5
に関する特徴データでもよく、記憶装置1に関する特徴データでもよい。より具体的に説
明すると、特徴データDA2は、例えば、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれる画像デ
ータのうちの一部のデータ(例えば、画像データのうちの最初または最後の部分、又は、
画像データのサムネイルデータ)、サムネイルデータ、不揮発性半導体メモリ5に書き込
まれるデータDA1の管理情報、不揮発性半導体メモリ5のメモリ容量、不揮発性半導体
メモリ5の残り容量、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれたファイルの名称、データD
A1の生成時間、データDA1が画像データの場合は撮影時間データ、不揮発性半導体メ
モリ5に書き込まれているファイル数などとしてもよい。
【0034】
NFCコントローラ6及び記憶部8は、無線通信ホスト装置3によって無線アンテナ4
に誘起される電力により動作する。ゆえに、NFCコントローラ6及び記憶部8は、メモ
リコントローラ7及び不揮発性半導体メモリ5よりも低電力で駆動可能であることが望ま
しい。しかしながら、NFCコントローラ6及び記憶部8は、記憶装置1がホスト装置2
から電力を供給されている場合に、ホスト装置2から供給された電力により動作してもよ
い。
【0035】
本実施形態においては、ホスト装置2からの書き込み指示及びデータが、まず、NFC
コントローラ6に受けられ、その後、メモリコントローラ7に受けられる。これは、まず
、NFCコントローラ6が、書き込み指示及びデータをホスト装置2から受けたか、又は
、無線通信ホスト装置3から受けたかを判断し、この判断結果に応じて動作を切り替える
ためである。
【0036】
接続部13は、例えば規格化された接続端子であり、ホスト装置2と接続可能である。
【0037】
以下に、本実施形態に係る記憶装置1の各種の動作を図2図13を用いて説明する。
【0038】
第1の動作として、図2のブロック図及び図3のフローチャートを用いて、データDA
2がメモリコントローラ7によって自動的に記憶部8に書き込まれる動作例を説明する。
図2及び図3は、記憶装置1がホスト装置2からデータDA1を受信した場合の動作例を
示す。
【0039】
ステップA1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から書き込み指示とデ
ータDA1とを受信する。
【0040】
ステップA2において、NFCコントローラ6は、書き込み指示とデータDA1とをパ
ススルーし、メモリコントローラ7が、書き込み指示とデータDA1とを受ける。
【0041】
ステップA3において、メモリコントローラ7は、不揮発性半導体メモリ5へデータD
A1を書き込む。
【0042】
ステップA4において、メモリコントローラ7は、記憶部8へデータDA2を書き込む
【0043】
第2の動作として、図4のブロック図及び図5のフローチャートを用いて、データDA
2がNFCコントローラ6によって自動的に記憶部8に書き込まれる動作例を説明する。
この図4及び図5は、NFCコントローラ6が記憶部8にデータDA2を書き込む点で、
メモリコントローラ7が記憶部8にデータDA2を書き込む図2及び図3と相違する。
【0044】
ステップB1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から書き込み指示とデ
ータDA1とを受信する。
【0045】
ステップB2において、NFCコントローラ6は、書き込み指示とデータDA1とをメ
モリコントローラ7へパススルーするとともに、記憶部8へデータDA2を書き込む。
【0046】
ステップB3において、メモリコントローラ7は、不揮発性半導体メモリ5へデータD
A1を書き込む。
【0047】
第3の動作として、図6のブロック図及び図7のフローチャートを用いて、記憶装置1
の不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出す動作例を説明する。
【0048】
ステップC1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から読み出し指示とア
ドレスとを受信する。なお、NFCコントローラ6は、次のステップで、ホスト装置2か
らの読み出し指示とアドレスとに基づいて、記憶部8のデータを読み出すことも可能であ
る。
【0049】
ステップC2において、NFCコントローラ6は、読み出し指示とアドレスとをパスス
ルーし、メモリコントローラ7が、読み出し指示とアドレスとを受ける。
【0050】
ステップC3において、メモリコントローラ7は、読み出し指示とアドレスとに基づい
て、不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出す。
【0051】
ステップC4において、メモリコントローラ7は、NFCコントローラ6経由で、デー
タDA1を、ホスト装置2へ送信する。
【0052】
第4の動作として、図8のブロック図及び図9のフローチャートを用いて、無線通信ホ
スト装置3が記憶部8からデータDA2を読み出す動作例を説明する。
【0053】
ステップD1において、NFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3からの読み出
し指示を無線アンテナ4経由で受信する。
【0054】
ステップD2において、NFCコントローラ6は、読み出し指示に基づいて、記憶部8
からデータDA2を読み出す。
【0055】
ステップD3において、NFCコントローラ6は、データDA2を無線アンテナ4経由
で無線通信ホスト装置3に送信する。
【0056】
この図8及び図9に示す無線通信ホスト装置3がデータDA2を読み出す動作において
は、ホスト装置2から記憶装置1へ電力が供給されなくてもよい。例えば、データDA2
は、デジタルスティールカメラで撮影され最後に記憶装置1に書き込まれた画像データと
する。無線通信ホスト装置3は、記憶装置1をホスト装置2と接続しなくても、記憶部8
に書き込まれている画像データを記憶装置1から受信することができる。一般的なメモリ
カードにおいては、内部のデータを読み出すために電力を供給する必要があるが、本実施
形態に係る記憶装置1においては、無線通信ホスト装置3に記憶装置1をかざす(近づけ
る)だけで、内部のデータを読み出すことができる。
【0057】
第5の動作として、図10のブロック図及び図11のフローチャートを用いて、記憶装
置1が無線通信ホスト装置3からのデータを記憶部8に書き込む動作例を説明する。
【0058】
なお、この図10及び図11の説明では、記憶部8にどのようなデータDA2を書き込
むかを指示する指示データDA3が、無線通信ホスト装置3から記憶装置1へ送信され、
記憶部8に書き込まれる場合を例として説明する。しかしながら、無線通信ホスト装置3
から記憶装置1へ送信されるデータは、例えば、記憶部8に書き込みたいデータDA2、
セキュリティ関係データなど、他のデータでもよい。この図10及び図11の動作は、ホ
スト装置2から電力を供給されなくても実行可能である。
【0059】
ステップE1において、NFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、書き込
み指示と指示データDA3とを無線アンテナ4経由で受信する。
【0060】
ステップE2において、NFCコントローラ6は、指示データDA3を記憶部8に書き
込む。
【0061】
その後、NFCコントローラ6又はメモリコントローラ7は、記憶部8を参照し、指示
データDA3で指示されたデータDA2を、不揮発性半導体メモリ5から読み出し、記憶
部8に書き込む。または、NFCコントローラ6又はメモリコントローラ7は、ホスト装
置2から受信したデータDA1の中から、指示データDA3で指示されたデータDA2を
選択し、記憶部8に書き込む。
【0062】
これにより、ユーザは、明示的に、記憶部8に書き込まれるデータDA2を指示するこ
とができる。
【0063】
例えば、指示データDA3は、記憶部8に書き込まれたデータDA2をプロテクトする
か否かを示すデータを含むとしてもよく、記憶部8に書き込みたいデータDA2のデータ
番号を含むとしてもよい。
【0064】
第6の動作として、図12のブロック図及び図13のフローチャートを用いて、NFC
コントローラ6が記憶部8に書き込まれているデータDA2をプロテクトするか否か判断
する動作例を説明する。
【0065】
ステップF1において、NFCコントローラ6は、ホスト装置2から書き込み指示とデ
ータDA1とを受信する。
【0066】
ステップF2において、NFCコントローラ6は、記憶部8のデータDA2をプロテク
トする旨の指示データDA3が記憶部8に書き込まれているか否か判断する。
【0067】
プロテクトする旨の指示データDA3が記憶部8に書き込まれている場合には、処理は
ステップF4に移動する。
【0068】
プロテクトする旨の指示データDA3が記憶部8に書き込まれていない場合には、ステ
ップF3において、NFCコントローラ6は、記憶部8のデータDA2を更新する。
【0069】
ステップF4において、NFCコントローラ6は、書き込み指示とデータDA1とをメ
モリコントローラ7へパススルーする。
【0070】
ステップF5において、NFCコントローラ6は、不揮発性半導体メモリ5へデータD
A1を書き込む。
【0071】
この図12及び図13の動作を応用することで、例えば、ユーザは、記憶装置1の記憶
部8に、NFC経由でユーザのお気に入りの画像データを書き込むとともにプロテクト指
示し、記憶装置1を友人の無線通信ホスト装置3にかざしてこのお気に入りの画像データ
を友人と共有することができる。
【0072】
以上説明した本実施形態に係る記憶装置1は、メモリカードなどのようなデータ書き込
み及び読み出しの機能を備え、かつ、NFC機能を備える。したがって、記憶装置1は、
ホスト装置2から電力が供給されていない状態であっても、無線通信ホスト装置3からデ
ータを受信し、又は、無線通信ホスト装置3へデータを送信することができる。これによ
り、記憶装置1を使用するユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
本実施形態においては、無線アンテナ4の電磁誘導によって発生する電力により、記憶
部8に記憶されているデータDA2をNFCコントローラ6が送信し、無線通信ホスト装
置3が受信する。これにより、ユーザは、記憶装置1をホスト装置2にセットすることな
く、記憶装置1を無線通信ホスト装置3に近づけるのみで、記憶装置1に関する各種の情
報をチェックすることができる。本実施形態に係る記憶装置1を用いることで、ユーザは
、例えばパーソナルコンピュータなどのようなホスト装置2がない旅先又は出張先のよう
な環境であっても、他人の無線通信ホスト装置3へ好みのデータを渡すことができる。
【0074】
本実施形態においては、指示データDA3により、記憶装置1に対して、ユーザが記憶
部8に書き込みたいデータDA2を明示的に指示することができ、この指示データDA3
によって指示されたデータDA2を記憶装置1から無線通信ホスト装置3へ送信すること
ができる。
【0075】
ここで、本実施形態に係る記憶装置1の適用例を簡単に説明する。この適用例の詳細は
、第2の実施形態で説明する。
【0076】
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、
不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1を読み出し禁止又は書き込み禁
止にする旨のデータDA2を受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。また、NFCコ
ントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、読み出し禁止又は書き込み禁止を解除する
旨のデータDA2を受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。これにより、記憶装置1
を無線通信ホスト装置3にかざすだけで、不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデ
ータDA1の読み出し禁止及び許可、書き込み禁止及び許可を容易に切り替えることがで
きる。
【0077】
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、
情報通信端末の無線通信サービス、無線LAN(Local Area Network)を設定するため
のデータDA2を受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。これにより、複雑な設定を
記憶装置1に簡単に書き込むことができ、記憶装置1を情報通信端末にかざすだけで、デ
ータDA2を記憶装置1から情報通信端末へ送信し、データDA2に基づいて情報通信端
末を設定することができる。
【0078】
本実施形態に係る記憶装置1は、ホスト装置2から電力を供給されている場合に、NF
Cコントローラ6が不揮発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出し、このデータD
A1を無線アンテナ4経由で無線通信ホスト装置3へ送信してもよい。これにより、ホス
ト装置2に記憶装置1を装着させた状態のままで、無線通信ホスト装置3は記憶装置1の
データをNFC経由で読み出すことができる。
【0079】
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、
圧縮プログラム、各種のファームウェアを受信し、記憶部8に書き込み、実行することが
できる。
【0080】
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、
不揮発性半導体メモリ5に書き込まれているデータDA1をアップロードしたいクラウド
サービスのURL(Uniform Resource Locator)を受信し、このURLを記憶部8に書
き込むとしてもよい。これにより、無線通信ホスト装置3の一例である携帯電話に記憶装
置1をかざしてURLを携帯電話に与え、さらに、携帯電話に記憶装置1を装着して不揮
発性半導体メモリ5からデータDA1を読み出し、URLの示すサイトへデータDA1を
アップロードすることができる。
【0081】
本実施形態に係る記憶装置1のNFCコントローラ6は、無線通信ホスト装置3から、
ユーザID及びパスワードを受信し、記憶部8に書き込むとしてもよい。これにより、例
えば携帯電話に記憶装置1をかざしてユーザID及びパスワードを携帯電話に与え、ユー
ザID及びパスワードに基づいて携帯電話を使用可能とすることができる。
【0082】
[第2の実施形態]
本実施形態においては、上記第1の実施形態に係る記憶装置1の変形例とその適用例に
ついて説明する。なお、本実施形態においては、記憶装置1がメモリカードの場合を例と
して説明するが、上述したように、記憶装置1は、USBメモリなど他の形態の半導体記
憶装置又は半導体記憶媒体、又は、メモリシステムでもよい。
【0083】
図14は、本実施形態に係るメモリカードの概略構成を例示するブロック図である。
【0084】
メモリカード10は、不揮発性半導体メモリ5、無線アンテナ4、コントローラ11、
接続部13を備える。コントローラ11は、SD処理部12、NFCコントローラ6、メ
モリコントローラ7を含む。
【0085】
SD処理部12は、SD規格にしたがってホスト装置2に対してデータを送信又は受信
する。
【0086】
図15は、メモリカード10の第1の適用例を示す図である。
【0087】
携帯電話、特にスマートフォンである無線通信ホスト装置3に、メモリカード10をか
ざすと、メモリカード10の記憶部8に記憶されているサムネイルデータ、ファイル数、
撮影場所・撮影時間、メモリ残量、ファイル名リストが無線通信ホスト装置3に送信され
る。無線通信ホスト装置3は、サムネイルデータ、ファイル数、撮影場所・撮影時間、メ
モリ残量、ファイル名リストを表示する。ファイル名リストは、画像ファイルのリストで
もよく、文書ファイルのリストでもよい。メモリカード10は、不揮発性半導体メモリ5
に書き込まれた画像データのうち、最後の数枚(例えば8〜10枚)のサムネイルデータ
を無線通信ホスト装置3に送信する。また、無線通信ホスト装置3はユーザに生成された
メモデータをメモリカード10に送信し、メモリカード10は記憶部8にメモデータを書
き込むこともできる。
【0088】
図16は、メモリカード10の第2の適用例を示す図である。
【0089】
メモリカード10を例えば携帯電話などの無線通信ホスト装置3にかざすと、メモリカ
ード10は、記憶部8に書き込まれている画像データを無線通信ホスト装置3へ送信する
。この第2の適用例において、メモリカード10は、他の装置から電力供給を受ける必要
はない。画像データは、約30キロバイト程度の所定のサイズに圧縮されていてもよい。
無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からNFCによって受信した画像データを、
すばやくメールすることができ、簡単にSNS(social network service)にアップす
ることができる。
【0090】
図17及び図18は、メモリカード10の第3の適用例を示すフローチャート及びブロ
ック図である。
【0091】
ステップG1において、メモリカード10は、カメラであるホスト装置2によって撮影
された画像データをSD処理部12、メモリコントローラ7経由で、不揮発性半導体メモ
リ5に書き込む。さらに、メモリカード10のNFCコントローラ6は、不揮発性半導体
メモリ5に書き込まれた画像データの一部、不揮発性半導体メモリ5のメモリ情報を、メ
モリコントローラ7経由で取得し、記憶部8に書き込む。
【0092】
例えば携帯電話などのような無線通信ホスト装置3は、ステップG2において、アプリ
ケーションを起動し、ステップG3において、読み出し指示をメモリカード10に送信す
る。
【0093】
ステップG4において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8から、デー
タを読み出し、無線通信ホスト装置3へ送信する。
【0094】
ステップG5において、無線通信ホスト装置3は、データを受信し、読み出しを完了し
、読み出したデータを表示する。
【0095】
これにより、ユーザは、メモリカード10にどのようなデータが書き込まれているかを
整理、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすだけで容易に確認することがで
きる。
【0096】
図19は、メモリカード10の第4の適用例を示すフローチャートである。
【0097】
メモリカード10のコントローラ11は、特定のアプリケーションの識別データと起動
指示を、予め記憶部8に書き込む。
【0098】
ステップH1において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示をメモリカード10に
送信する。
【0099】
ステップH2において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8から、アプ
リケーションの識別データ及び起動指示を読み出し、識別データ及び起動指示を無線通信
ホスト装置3に送信する。
【0100】
ステップH3において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションの識別データと起
動指示とを認識し、アプリケーションを起動する。なお、アプリケーションの起動指示は
、手動で行ってもよい。
【0101】
これにより、ユーザは、携帯電話などのような無線通信ホスト装置3に、メモリカード
10をかざすだけで、無線通信ホスト装置3のアプリケーションを起動することができる
【0102】
図20及び図21は、メモリカード10の第5の適用例を示すフローチャート及びブロ
ック図である。
【0103】
無線通信ホスト装置3にメモリカード10をかざすだけで、メモリカード10のコント
ローラ11は、無線通信ホスト装置3からメモデータを受信し、記憶部8に書き込むこと
ができる。メモデータは、例えば、ユーザによって任意に指定されるタイトル、メモなど
を含む。
【0104】
ステップI1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
【0105】
ステップI2において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションより、メモデータ
及び書き込み指示をメモリカード10に送信する。
【0106】
ステップI3において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に、メモデ
ータを書き込む。
【0107】
ステップI4において、メモリカード10は、メモデータの書き込みが完了したことを
示すデータ完了ステータスを、無線通信ホスト装置3に送信する。
【0108】
ステップI5において、無線通信ホスト装置3は、データ完了ステータスを受信し、メ
モデータの書き込みを完了する。
【0109】
これにより、ユーザは、メモリカード10の記憶部8にどのようなデータが書き込まれ
ているかを示すメモデータを、NFCを使用して容易にメモリカード10に持たせること
ができる。
【0110】
図22は、メモリカード10の第6の適用例を示す図である。
【0111】
メモリカード10は、例えばカメラなどのようなホスト装置2に装着されており、ホス
ト装置2から電力供給を受けている。この場合、メモリカード10のコントローラ11は
、不揮発性半導体メモリ5からデータを読み出し、このデータを例えば携帯電話又はプリ
ンタなどのような無線通信ホスト装置3へNFCにより送信する。これにより、メモリカ
ード10から無線通信ホスト装置3へ大容量のデータをNFCにより送信することができ
る。
【0112】
図23及び図24は、メモリカード10の第7の適用例を示すフローチャート及びブロ
ック図である。
【0113】
メモリカード10は、例えばカメラなどのようなホスト装置2に装着されており、ホス
ト装置2から電力供給を受けている。
【0114】
ステップJ1において、例えばプリンタなどのような無線通信ホスト装置3は、アプリ
ケーションを起動する。
【0115】
ステップJ2において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示を、メモリカード10
へ送信する。
【0116】
ステップJ3において、メモリカード10のコントローラ11は、不揮発性半導体メモ
リ5からデータを読み出し、読み出されたデータを無線通信ホスト装置3にNFCにより
送信する。
【0117】
ステップJ4において、無線通信ホスト装置3は、データを受信し、読み出しを完了す
る。
【0118】
この第7の適用例においては、メモリカード10と無線通信ホスト装置3との間で大容
量のデータをNFCで送受信することができる。
【0119】
図25及び図26は、メモリカード10の第8の適用例を示すフローチャート及びブロ
ック図である。
【0120】
メモリカード10と無線通信ホスト装置3とは連携動作し、画像データを撮影した場所
のマップレビュー表示を実現する。
【0121】
メモリカード10のコントローラ11は、記憶部8に、アプリケーションの起動指示、
GPSをオンする指示、位置データのロギング指示を書き込んでいる。
【0122】
ステップK1において、無線通信ホスト装置3は、撮影開始をメモリカード10にNF
Cにより送信する。
【0123】
ステップK2において、メモリカード10は、撮影開始を受信すると、記憶部8に書き
込まれているデータを読み出し、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
【0124】
ステップK3において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10から受信されたデ
ータに基づいて、アプリケーションを起動し、GPSをオンし、位置データのロギングを
開始し、GPSの位置データと時間とを関連付けて記憶する。
【0125】
なお、アプリケーションの起動、GPSのオン、位置データのロギング開始は、手動で
指示されてもよい。
【0126】
ステップK4において、メモリカード10は、画像撮影が行われると、この画像データ
を不揮発性半導体メモリ5に書き込み、撮影時間データをコントローラ6の記憶部8に書
き込む。
【0127】
ステップK5において、無線通信ホスト装置3は、マップビュー表示開始の指示を、メ
モリカード10にNFCにより送信する。
【0128】
ステップK6において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8から撮影時
間データを読み出し、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
【0129】
ステップK7において、メモリカード10は、無線通信ホスト装置3から撮影時間デー
タを受信し、撮影時間データの示す時間に最も近い時間に対応する位置データを地図上に
表示する。これにより、地図上に撮影時間データと位置データとを紐付けた結果を表示す
ることができる。
【0130】
ステップK8において、無線通信ホスト装置3は、処理を終了するか否か判断し、処理
を終了しない場合には、ステップK4に移動する。
【0131】
処理を終了する場合には、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを終了し、GP
Sをオフし、位置データのロギングを停止する。なお、無線通信ホスト装置3は、処理終
了をNFCによりメモリカード10に送信してもよい。
【0132】
これにより、例えばカメラなどであり、GPS(Global Positioning System)機能
を備えないホスト装置2に、メモリカード10が装着されて使用された場合であっても、
ユーザは、無線通信ホスト装置3で撮影場所のマップレビュー表示を見ることができる。
【0133】
図27及び図28は、メモリカード10の第9の適用例を示すフローチャート及びブロ
ック図である。
【0134】
メモリカード10と例えば携帯電話などの無線通信ホスト装置3とは連携動作し、無線
通信ホスト装置3は、カレンダーに撮影イベントを追加して表示する。
【0135】
ステップL1において、メモリカード10は、画像データを不揮発性半導体メモリ5に
書き込み、撮影時間データとサムネイルデータとを含むデータを記憶部8に書き込む。サ
ムネイルデータは、全画像、一日当たりで1枚又は複数枚、最後の1枚又は最後の複数枚
に対応する画像データとしてもよい。サムネイルデータは、撮影されるたびに、記憶部8
に書き込まれるとしてもよい。
【0136】
ステップL2において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。なお
、アプリケーションは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすことで起動さ
れてもよい。
【0137】
ステップL3において、無線通信ホスト装置3は、読み出し済みのサムネイルデータを
カレンダーに表示する。
【0138】
ステップL4において、無線通信ホスト装置3は、新規のデータ読み出し指示をメモリ
カード10へ送信する。
【0139】
ステップL5において、メモリカード10は、記憶部8に書き込まれているデータを読
み出し、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
【0140】
ステップL6において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からのデータに基
づいて、最新の撮影時間データの示すカレンダーの日時に、最新のサムネイルデータを表
示する。
【0141】
これにより、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすのみで、無線通信ホス
ト装置3は、撮影日に対応するカレンダーの位置に、メモリカード10に書き込まれてい
る画像データを張り付けることができる。
【0142】
図29及び図30は、メモリカード10の第10の適用例を示すフローチャート及びブ
ロック図である。
【0143】
この第10の適用例においては、メモリカード10が、無線通信ホスト装置3へ無線L
ANの設定データをNFCにより送信し、無線通信ホスト装置3は、この設定データに基
づいて無線LANを設定する。
【0144】
メモリカード10の記憶部8には、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity)などのよ
うな無線LAN設定データ、アクセスポイント(SSID)、パスワードを含む設定データが
書き込まれている。
【0145】
ステップM1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
【0146】
ステップM2において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示をメモリカード10へ
NFCにより送信する。
【0147】
ステップM3において、メモリカード10は、読み出し指示に応じて、記憶部8に書き
込まれている設定データを読み出す。
【0148】
ステップM4において、メモリカード10は、設定データを無線通信ホスト装置3にN
FCにより送信する。
【0149】
ステップM5において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10から設定データを
受信して読み出しを完了し、設定データに基づいて無線LANの設定を行う。
【0150】
これにより、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10をかざすのみで、無線LAN
の設定をすることができ、特定のアクセスポイントへ接続可能となる。
【0151】
図31は、メモリカード10の第11の適用例を示すフローチャートである。この第1
1の適用例では、例えばパーソナルコンピュータなどのようなホスト装置2がクラウドサ
ービスを提供するサーバにデータをアップロードし、例えば携帯電話などのような無線通
信ホスト装置3がサーバのデータをアクセスする。
【0152】
ステップN1において、ホスト装置2は、読み出し指示をメモリカード10に送信する
【0153】
ステップN2において、メモリカード10は、読み出し指示に応じて、不揮発性半導体
メモリ5からデータを読み出し、読み出されたデータをホスト装置2に送信する。
【0154】
ステップN3において、ホスト装置2は、データを受信し、クラウドサービスを提供す
るサーバにアップロードする。
【0155】
ステップN4において、ホスト装置2は、書き込み指示と、URL、アクセスポイント
、パスワードなどを含むアクセス先データとを、メモリカード10に送信する。
【0156】
ステップN5において、メモリカード10は、記憶部8に、アクセス先データを書き込
み、書き込み完了をホスト装置2に送信する。
【0157】
ステップN6において、メモリカード10は、書き込み完了をホスト装置2から受信し
、処理を終了する。
【0158】
ステップN7において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
【0159】
ステップN8において、無線通信ホスト装置3は、アクセス先データの読み出し指示を
メモリカード10にNFCにより送信する。
【0160】
ステップN9において、メモリカード10は、記憶部8から、アクセス先データを読み
出し、無線通信ホスト装置3へNFCにより送信する。
【0161】
ステップN10において、無線通信ホスト装置3は、アクセス先データに基づいて、サ
ーバによって提供されるクラウドサービスをアクセスする。
【0162】
これにより、ユーザは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすことにより
、無線通信ホスト装置3でクラウドサービスを容易に利用し、アップロードしたデータを
閲覧することができる。
【0163】
図32は、メモリカード10の第12の適用例を示すフローチャートである。この図3
2は、メモリカード10のセキュリティを解除する。
【0164】
ステップO1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
【0165】
ステップO2において、無線通信ホスト装置3は、セキュリティ解除指示をメモリカー
ド10へNFCにより送信する。
【0166】
ステップO3において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8のセキュリ
ティフラグをオフにする。
【0167】
ステップO4において、メモリカード10は、セキュリティフラグのオフが完了したこ
とを示すデータ完了ステータスを、無線通信ホスト装置3に送信する。
【0168】
ステップO5において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からデータ完了ス
テータスを受信し、セキュリティ解除を完了する。
【0169】
ステップO6において、ホスト装置2は、読み出し指示をメモリカード10に送信する
【0170】
ステップO7において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に書き込ま
れているセキュリティフラグがオフか否か判断する。
【0171】
セキュリティフラグがオフの場合、ステップO8において、メモリカード10は、不揮
発性半導体メモリ5からデータを読み出し、データをホスト装置2に送信する。
【0172】
セキュリティフラグがオフでない場合、ステップO9において、メモリカード10は、
セキュリティがロックされていることを示すセキュリティロック中ステータスを、ホスト
装置2に送信する。
【0173】
ステップO10において、ホスト装置2は、データ又はセキュリティロック中ステータ
スを受信し、読み出しを完了する。
【0174】
これにより、ユーザは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすのみで、メ
モリカード10のセキュリティを容易に解除することができる。
【0175】
図33は、メモリカード10の第13の適用例を示すフローチャートである。この図3
3では、メモリカード10のセキュリティをオンする。
【0176】
ステップP1において、無線通信ホスト装置3は、アプリケーションを起動する。
【0177】
ステップP2において、無線通信ホスト装置3は、セキュリティオン指示をメモリカー
ド10へNFCにより送信する。
【0178】
ステップP3において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8のセキュリ
ティフラグをオンにする。
【0179】
ステップP4において、メモリカード10は、セキュリティフラグのオンが完了したこ
とを示すデータ完了ステータスを、無線通信ホスト装置3にNFCにより送信する。
【0180】
ステップP5において、無線通信ホスト装置3は、メモリカード10からデータ完了ス
テータスを受信し、セキュリティオンを完了する。
【0181】
ステップP6からP10は、上記図32のステップO6からO10と同じである。
【0182】
これにより、ユーザは、メモリカード10を無線通信ホスト装置3にかざすのみで、メ
モリカード10のセキュリティを容易にオンすることができる。
【0183】
なお、上記の図32及び図33では、ホスト装置2からのメモリカード10への読み出
しについて説明しているが、無線通信ホスト装置3からのメモリカード10への読み出し
についても同様に制限及び解除することができる。
【0184】
さらに、メモリカード10に対する読み出しのみではなく、メモリカード10に対する
書き込みについても、同様に、制限及び解除してもよい。
【0185】
図34は、メモリカード10の第14の適用例を示すフローチャートである。
【0186】
この第14の適用例では、ホスト装置2が電気メータであるとする。
【0187】
ステップQ1において、ホスト装置2は、電気メータの観測データと書き込み指示とを
、メモリカード10に送信する。
【0188】
ステップQ2において、メモリカード10は、全ての観測データを不揮発性半導体メモ
リ5に書き込む。
【0189】
ステップQ3において、メモリカード10は、全観測データのうち必要なデータを判断
する。必要なデータとは、例えば、所定期間内のデータ、当月のデータ、1日当たりの電
力使用量などとしてもよい。必要なデータは、上述された指示データによって指示されて
もよい。
【0190】
ステップQ4において、メモリカード10は、必要なデータを記憶部8に書き込む。
【0191】
ステップQ5において、例えば携帯電話などのような無線通信ホスト装置3は、必要な
データの読み出し指示を、メモリカード10にNFCにより送信する。
【0192】
ステップQ6において、メモリカード10は、読み出し指示に基づいて、記憶部8から
必要なデータを読み出し、無線通信ホスト装置3へNFCにより送信する。
【0193】
ステップQ7において、無線通信ホスト装置3は、必要なデータを受信し、処理を完了
する。
【0194】
この第14の適用例において、ホスト装置2は、自動的にメモリカード10に観測デー
タを書き込む。この第14の適用例においては、ネットワーク環境を設けることなく、ユ
ーザがエネルギー使用量などの観測データを確認することができる。この第14の適用例
においては、例えば携帯電話などのような無線通信ホスト装置3を、ホスト装置2に装着
されているメモリカード10にかざすのみで、無線通信ホスト装置3で簡単に必要なデー
タを収集することができる。このメモリカード10をホスト装置2に装着し、無線通信ホ
スト装置3で必要なデータを収集及び確認することにより、省電力化を実現することがで
きる。
【0195】
図35は、メモリカード10の第15の適用例を示す図である。
【0196】
教育機関は、メモリカード10に教材データを書き込み、配布することができる。さら
に、メモリカード10の記憶部8に生徒IDを書き込み、出欠確認のためのリーダである
無線通信ホスト装置3にメモリカード10をかざすことで、出欠記録を実現することがで
きる。メモリカード10の記憶部8には、模範解答データなどが書き込まれてもよい。メ
モリカード10の記憶部8には、テスト結果データが書き込まれてもよい。生徒は、無線
通信ホスト装置3として自分の携帯電話をメモリカード10にかざすことで、テスト結果
を確認することができ、携帯電話のアプリケーションを使って弱点分析、傾向分析を行う
ことができる。これにより、教育機関においてメモリカード10の利便性を向上させるこ
とができる。
【0197】
図36は、メモリカード10の第16の適用例を示すフローチャートである。
【0198】
この第16の適用例では、ホスト装置2がゲーム機であり、無線通信ホスト装置3がゲ
ーム機であり、メモリカード10を経由して、2つのゲーム機の間でデータを送受信する
。ゲーム機の間で送受信されるデータとしては、例えばキャラクターID、ゲームセーブ
データなどがある。
【0199】
ステップR1において、無線通信ホスト装置3は、データと書き込み指示をメモリカー
ド10にNFCにより送信する。
【0200】
ステップR2において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に、データ
を書き込み、書き込み完了を無線通信ホスト装置3に送信する。
【0201】
ステップR3において、無線通信ホスト装置3は、書き込み完了を受信する。
【0202】
ステップR4において、ホスト装置2は、読み出し指示をメモリカード10に送信する
【0203】
ステップR5において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8からデータ
を読み出し、データをホスト装置2に送信する。
【0204】
ステップR6において、ホスト装置2は、データを受信し、読み出しを完了する。
【0205】
ステップR7において、ホスト装置2は、データと書き込み指示をメモリカード10に
送信する。
【0206】
ステップR8において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8に、データ
を書き込み、書き込み完了をホスト装置2に送信する。
【0207】
ステップR9において、ホスト装置2は、書き込み完了を受信する。
【0208】
ステップR10において、無線通信ホスト装置3は、読み出し指示をメモリカード10
に送信する。
【0209】
ステップR11において、メモリカード10は、コントローラ11の記憶部8からデー
タを読み出し、データを無線通信ホスト装置3に送信する。
【0210】
ステップR12において、無線通信ホスト装置3は、データを受信し、読み出しを完了
する。
【0211】
この第16の適用例により、メモリカード10を用いることで、ゲーム機の間で容易に
データを送受信することができる。
【0212】
以上説明したように、本実施形態に係るメモリカード10は、様々な利用形態で用いる
ことができ、無線通信ホスト装置3からNFCによりデータを読み出し可能とすることで
、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0213】
例えば、通常のメモリカードに保存された撮影データをホスト装置(例えばパーソナル
コンピュータ)を用いて管理するために、ユーザは、メモリカードの撮影データをホスト
装置の記憶装置(例えばハードディスク)にコピーする場合がある。この場合、ホスト装
置の記憶装置における容量不足を解消するために、ユーザはホスト装置の記憶装置から撮
影データを消去する作業を行う必要がある。また、ユーザは、ホスト装置の交換時に、デ
ータを移動する必要があり、労力がかかる。撮影データの画素数が増加するほど、撮影デ
ータの記憶容量も増加する。ホスト装置がタブレット型コンピュータの場合には、撮影デ
ータの保存場所の確保が困難な場合もある。
【0214】
これに対して、本実施形態に係るメモリカード10を用いた場合には、無線通信ホスト
装置3にメモリカード10を接近させることで、ユーザは、メモリカード10の記憶内容
を無線通信ホスト装置3を用いて容易に確認することができ、撮影データをメモリカード
10に記憶したままで容易に管理することができる。これにより、ユーザの管理労力を軽
減することができる。例えば、ユーザは、撮影データを無線通信ホスト装置3から消去す
る作業労力を軽減することができ、無線通信ホスト装置3に備えられている記憶装置にお
ける記憶容量の増加を防止することができる。また、本実施形態では、無線通信ホスト装
置3がタブレット型コンピュータの場合に、撮影データの保存のために大きな記憶領域が
必要となることを防止することができる。
【0215】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したも
のであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その
他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の
省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や
要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる
【符号の説明】
【0216】
1…半導体記憶装置、2…ホスト装置、3…無線通信ホスト装置、4…無線アンテナ、
5…不揮発性半導体メモリ、6…NFCコントローラ、7…メモリコントローラ、8…記
憶部、9…電圧検波器、10…メモリカード、11…コントローラ、12…SD処理部、
13…接続部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図24
図25
図26
図27
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図30
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図32
図33
図34
図35
図36