特許第6559843号(P6559843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559843ベルト用付属品、及びベルト用付属品を備えたベルト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6559843
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】ベルト用付属品、及びベルト用付属品を備えたベルト
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/42 20060101AFI20190805BHJP
   B65G 15/30 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   B65G15/42 Z
   B65G15/30 A
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-110226(P2018-110226)
(22)【出願日】2018年6月8日
【審査請求日】2018年12月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000111085
【氏名又は名称】ニッタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】特許業務法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 晴彦
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−101455(JP,A)
【文献】 実開昭63−096019(JP,U)
【文献】 特開平11−319725(JP,A)
【文献】 特開2010−222126(JP,A)
【文献】 特開2002−338025(JP,A)
【文献】 米国特許第06321904(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/30−15/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト本体の一側表面に突出した輪郭を付加する輪郭付加体と、
前記ベルト本体の他側表面に配置され、前記輪郭付加体を前記ベルト本体に着脱自在に固定する固定体と
を備え、
前記輪郭付加体及び前記固定体の一方は、前記ベルト本体の厚さ方向に貫通した貫通穴に通される係合雄部を有し、他方は前記係合雄部に係合する係合雌部を有し、
前記係合雌部は、前記ベルト本体の長さ方向に交差する表面に前記係合雄部を受け入れる開口を有するベルト用付属品。
【請求項2】
前記係合雌部は、前記係合雄部の挿入側の表面に接触する規制面を有する請求項1に記載のベルト用付属品。
【請求項3】
前記係合雄部は、
前記開口に挿入される頭部と、
前記貫通穴の周縁の前記ベルト本体の表面に接するベルト接触面と、
前記頭部と前記ベルト接触面を繋ぐ軸部と
を有する請求項1又は2に記載のベルト用付属品。
【請求項4】
前記係合雄部は、前記ベルト接触面上に、前記貫通穴に嵌る凸部を有する請求項3に記載のベルト用付属品。
【請求項5】
前記係合雄部及び前記係合雌部が、前記ベルト本体の幅方向に二組以上設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のベルト用付属品。
【請求項6】
前記輪郭付加体は、前記ベルト本体の搬送面に設けられるプロファイルである請求項1〜5のいずれか1項に記載のベルト用付属品。
【請求項7】
前記プロファイルは、前記ベルト本体の幅方向の両側部に係合する係合突起を有する請求項6に記載のベルト用付属品。
【請求項8】
前記輪郭付加体は、前記ベルト本体のプーリと接触するプーリ接触面に設けられるガイドである請求項1〜5のいずれか1項に記載のベルト用付属品。
【請求項9】
前記固定体は、前記ベルト本体のプーリと接触するプーリ接触面に設けられるガイドである請求項6又は7に記載のベルト用付属品。
【請求項10】
前記ベルト本体と、請求項1〜9のいずれか1項に記載のベルト用付属品と、を備えたベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト用付属品、及びベルト用付属品を備えたベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、紙葉類(例えば印刷用の紙)等を搬送する搬送装置に使用される搬送用ベルトは、搬送面が平面である平ベルトが使用される。平ベルトは、搬送物との接触が面接触であるので、搬送物を安定して搬送することができるが、走行中に蛇行してプーリから外れるという問題がある。そこで、ベルトのプーリに接する側の面(プーリ接触面)に蛇行防止のためのガイドを設けたガイド付搬送用ベルトが知られている(例えば特許文献1)。また、搬送面に桟などのプロファイルが設けられたプロファイル付搬送用ベルトが知られている(例えば特許文献2)。プロファイルは、例えば、搬送物を高所へ搬送する際に、搬送物が搬送用ベルトから落下することを防止する。プーリ接触面に取り付けているガイドや、搬送面に取り付けているプロファイルは、一般的に接着や融着などによってベルトに接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−12133号公報
【特許文献2】特開2009−40526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接着や融着などによってガイドやプロファイルをベルトに接合した場合、接合箇所は、他の場所に比べ硬くなり、特にプーリに巻き付けた場合に屈曲疲労を受けやすく、ベルトに割れなどが生じる起点になる。そのため、ガイドやプロファイルは、融着や接着加工が容易な材質が選ばれ、走行による剥がれや割れが発生しないように、ベルトと同じ材質や、ベルトと相性のよい、比較的硬度の低い(柔らかい)材質を選ぶ必要がある。したがってガイドやプロファイルの材質は、限られた材質の中から選択していた。またプロファイルやガイドの取り外しができないことから、外観を観察するだけでは接合箇所の状態を確認できず、寿命を判断しにくいことが多い。
【0005】
ガイドやプロファイルを接着や融着などによってベルトに固定するには、専用の融着機や熱プレス及び接着剤を使用し、必要に応じて専用の金型を用いる場合があるので、ガイドやプロファイルの取り付けが困難であるという問題があった。ガイドやプロファイルをベルトに容易に着脱することができれば、ガイドやプロファイルの一部が破損した場合、容易に補修をすることができる。
【0006】
本発明は、接着や融着などによらずにベルト本体に容易に着脱することができるベルト用付属品、及びベルト用付属品を備えたベルトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るベルト用付属品は、ベルト本体の一側表面に突出した輪郭を付加する輪郭付加体と、前記ベルト本体の他側表面に配置され、前記輪郭付加体を前記ベルト本体に着脱自在に固定する固定体とを備え、前記輪郭付加体及び前記固定体の一方は、前記ベルト本体の厚さ方向に貫通した貫通穴に通される係合雄部を有し、他方は前記係合雄部に係合する係合雌部を有し、前記係合雌部は、前記ベルト本体の長さ方向側の表面に前記係合雄部を受け入れる開口を有する。
【0008】
本発明に係るベルトは、ベルト本体と、上記ベルト用付属品と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、輪郭付加体をベルト本体の長さ方向にスライドさせて、開口に係合雄部を挿入し、係合雌部に係合雄部を係合することによって、ベルト本体に取り付けることができる。したがってベルト用付属品は、従来のように接着や融着などによらずに、ベルト本体に容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るベルト用付属品を備えたベルトを示す斜視図である。
図2】プロファイルの正面図である。
図3図2におけるA−A断面図である。
図4】ガイドの斜視図である。
図5】ガイドの正面図である。
図6】ベルト用付属品の取り付け方法の説明に供する斜視図(1)である。
図7】ベルト用付属品の取り付け方法の説明に供する斜視図(2)である。
図8】ベルト用付属品の取り付け方法の説明に供する斜視図(3)である。
図9】ベルト用付属品の取り付け方法の説明に供する部分断面図である。
図10】ベルト用付属品の使用状態の説明に供する模式図である。
図11】変形例(1)に係るベルト用付属品を備えたベルトを示す模式図である。
図12】変形例(2)に係るベルト用付属品を備えたベルトを示す模式図である。
図13】変形例(3)に係るベルト用付属品を備えたベルトを示す模式図である。
図14】第2実施形態に係るベルト用付属品を備えたベルトを示す斜視図である。
図15】第2実施形態のガイドの斜視図である。
図16】第2実施形態のベルト用付属品の取り付け方法の説明に供する斜視図(1)である。
図17】第2実施形態のベルト用付属品の取り付け方法の説明に供する斜視図(2)である。
図18】第2実施形態のベルト用付属品の取り付け方法の説明に供する斜視図(3)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ベルト用付属品は、ベルト本体の一側表面に突出した輪郭を付加する輪郭付加体と、前記ベルト本体の他側表面に配置され、前記輪郭付加体を前記ベルト本体に着脱自在に固定する固定体とを備え、前記輪郭付加体及び前記固定体の一方は、前記ベルト本体の厚さ方向に貫通した貫通穴に通される係合雄部を有し、他方は前記係合雄部に係合する係合雌部を有し、前記係合雌部は、前記ベルト本体の長さ方向側の表面に前記係合雄部を受け入れる開口を有する。
【0012】
ベルト本体は、搬送用ベルトに限らず、駆動用ベルトに適用することもできる。例えば、搬送用ベルトの搬送物を載せる側の面を搬送面、プーリと接する側の面をプーリ接触面とすると、ベルト本体の一側表面が搬送面の場合、ベルト本体の他側表面はプーリ接触面である。ベルト本体の一側表面がプーリ接触面の場合、ベルト本体の他側表面は搬送面である。
【0013】
輪郭付加体は、前記搬送面に設けられるプロファイル、又は前記プーリ接触面に設けられるガイドである場合を含む。固定体は、前記プーリ接触面に設けられる場合と、前記搬送面に設けられる場合とを含む。すなわち輪郭付加体がプロファイルである場合、固定体は、前記プーリ接触面に設けられる。輪郭付加体がガイドである場合、固定体は、前記搬送面に設けられる。輪郭付加体がプロファイルである場合、固定体は、ガイドである場合を含む。
【0014】
(全体構成)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1に示すベルト1Aは、ベルト本体2と、ベルト用付属品10Aとを備える。本図においてベルト本体2は、説明の便宜上、想像線で示している。ベルト本体2は、樹脂やゴムで形成された、無端状の平ベルトや歯付ベルトなどを用いることができる。ベルト用付属品10Aは、本図では省略しているが、ベルト本体2の長さ方向に所定のピッチで複数設けられている。ベルト本体2において、x方向を長さ方向(搬送方向ともいう)、y方向を幅方向、z方向を厚さ方向とする。
【0015】
ベルト用付属品10Aは、輪郭付加体としてのプロファイル12Aと、固定体としてのガイド14Aとを備える。ベルト用付属品10Aは、ベルト本体2と同じ材質でもよいし、異なる材質で形成してもよい。例えば、ベルト用付属品10Aは、ポリアセタール、ナイロンやポリプロピレンなどの合成樹脂や、黄銅、鉄、ステンレスやアルミニウムなどの金属から形成される。プロファイル12Aとガイド14Aは、同じ材質であっても、異なる材質であってもよい。プロファイル12Aは、板状のプロファイル本体20を有し、当該プロファイル本体20に係合雌部16が形成されている。ガイド14Aは、係合雄部18を有する。ガイド14Aは、係合雌部16と係合雄部18が係合することによって、プロファイル12Aと一体化されている。また、係合雌部16は、プロファイル本体20を折り曲げや削り込みなどを行うことにより形成されてもよい。
【0016】
図2に示すように、プロファイル本体20は、ベルト本体2の幅方向に長い長方形状であり、本図における下端にベルト本体2の搬送面に接触するベルト接触面22を有する。ベルト接触面22側に係合雌部16が形成されている。係合雌部16は、ベルト接触面22の幅方向中央に配置されており、プロファイル本体20の正面に形成された開口24を有する。プロファイル本体20の正面は、ベルト1Aに設置された場合、ベルト1Aの長さ方向側に配置される。開口24は、プロファイル本体20の厚さ方向に貫通している。開口24の両側には、規制面26が形成されている。開口24の下端には、開口24の側面から中央に向かって突出した一対の顎部27が設けられている。顎部27の先端に、案内面28が設けられている。
【0017】
本図の場合、係合雌部16は、プロファイル本体20に一体に形成された雌本体21に設けられている。雌本体21は、板状のプロファイル本体20の厚さを部分的に厚くした形状を有する。プロファイル12Aは、雌本体21を除くプロファイル本体20の厚さを薄くすることによって、材料の減量化を図っている。プロファイル12Aは、ベルト本体2の側面に係合する係合突起29を有していてもよい。係合突起29は、プロファイル本体20の両側部に設けられ、ベルト接触面22から突出している。
【0018】
図3に示すように、規制面26は、開口24の側面であって、プロファイル本体20の正面から背面に向かって側面間の距離が漸減する方向に傾斜している。案内面28は、プロファイル本体20の正面から背面に向かって、顎部27の先端間の距離が一定で、互いに平行である。
【0019】
図4に示すように、ガイド14Aは、ガイド本体31を有し、当該ガイド本体31に係合雄部18が一体に形成されている。ガイド本体31は、縦断面形状が、台形、矩形、半円形、V形、U形などで形成される。本図の場合、ガイド本体31の縦断面形状は、台形である。
【0020】
係合雄部18は、頭部30と、ベルト接触面32と、軸部34と、凸部36とを有する。頭部30は、平面視において台形であり、長辺である基端から、短辺である先端に向かって、両側部の間の距離が漸減する傾斜した挿入面38を有する。頭部30は、軸部34を介してベルト接触面32に接続されている。ベルト接触面32は、ガイド本体31の上面であり、ベルト本体2のプーリ接触面に接する。
【0021】
軸部34は、図5に示すように、頭部30の基端から頭部30の先端に向かって側部間の距離が一定である平行な側面を有する。ベルト接触面32に、凸部36が設けられている。凸部36は、平面視において真円以外の形状、本図の場合、頭部30の平面視と同じ台形であって、頭部30と同軸上に配置されており、高さはベルト本体2の厚さより低い。
【0022】
(取り付け方法)
次に、ベルト用付属品10Aをベルト本体2に取り付ける方法について説明する。図6に示すように、まず厚さ方向に頭部30の平面形状と同じ台形の貫通穴42が形成されたベルト本体2を用意する。貫通穴42は、短辺と長辺がベルトの幅方向に平行となるように形成されている。本図では省略されているが、貫通穴42は、ベルト本体2の長さ方向に所定のピッチで複数形成される。本図の場合、貫通穴42は、ベルト本体2の幅方向に1個である。
【0023】
次いで、図7に示すように、ベルト本体2のプーリ接触面側にガイド14Aを配置し、貫通穴42に頭部30を通し、貫通穴42に凸部36を嵌め込む。続いて図8に示すように、正面を頭部30に向けてプロファイル12Aを搬送面に配置する。開口24は、ベルト本体2の長さ方向に配置されている。プロファイル12Aをベルト本体2の長さ方向にスライドさせることによって、軸部34が案内面28に接触しながら、頭部30が開口24に挿入される(図9)。開口24に挿入された頭部30の挿入面38が規制面26に接触することによって、係合雄部18と係合雌部16が係合し、プロファイル12Aとガイド14Aが一体化される(図10)。このとき、顎部27が頭部30の下面に接触している。プロファイル12Aのベルト接触面22は搬送面に、ガイド14Aのベルト接触面32は貫通穴42周縁のプーリ接触面に、それぞれ接触し、プロファイル12Aとガイド14Aでベルト本体2を厚さ方向に挟むことによって、ベルト用付属品10Aがベルト本体2に取り付けられる。上記の様にして得られたベルト1Aは、ガイド溝46を備えたプーリ44に巻き付けられる。
【0024】
顎部27は、頭部30の下面に接していることによって、プロファイル12Aをベルト本体2表面に対し垂直方向に持ち上げただけでは、プロファイル12Aがガイド14Aから外れない。さらに上記した手順と反対の手順でベルト用付属品10Aをベルト本体2から取り外すことができる。
【0025】
(作用及び効果)
本実施形態に係るベルト用付属品10Aは、プロファイル12Aをベルト本体2の長さ方向にスライドさせて係合雌部16に係合雄部18を係合することによって、ベルト本体2に取り付けることができる。したがってベルト用付属品10Aは、従来のように接着や融着などによらずに、ベルト本体2に容易に着脱することができる。ベルト用付属品10Aをベルト本体2に取り付ける際、熱プレスや超音波融着機などの特殊な工具を必要としないため、ベルト用付属品10Aは、その分、容易にベルト本体2に取り付けることができる。
【0026】
複数のベルト用付属品10Aを備えたベルト1Aは、容易にベルト用付属品10Aを着脱することができるので、一部のベルト用付属品10Aが破損した場合、破損した部分を交換することによって、容易に補修をすることができる。ベルト用付属品10Aを容易に取り外すことができるので、ベルト1Aは、ベルト用付属品10Aを取り外した状態でベルト本体2を洗浄することができる。
【0027】
ベルト用付属品10Aを適宜取り外して観察することにより、プロファイル12Aの寿命などの判断をすることができる。ベルト用付属品10Aは、接着や融着などによらずにベルト本体2に取り付けることができるので、ベルト本体2、プロファイル12A、ガイド14Aの材質を自由に選択することができる。したがってベルト本体2として例えば樹脂やゴムで形成された標準品を用いることができると共に、プロファイル12Aを搬送物と接触するのに適した材質とし、ガイド14Aをガイド溝46に接するのに適した材質とすることができる。
【0028】
頭部30の短辺をベルト本体2の搬送方向の下流側に配置し、開口24が搬送方向の上流側となるように配置して、係合雄部18を係合雌部16に係合する。係合雄部18と係合雌部16は、搬送物を押し出す力によって、より強固に係合する。さらにプロファイル12Aとガイド14Aでベルト本体2を厚さ方向に挟むことによって、ベルト用付属品10Aがベルト本体2に取り付けられるので、ベルト用付属品10Aがベルト本体2から外れにくい。
【0029】
ベルト用付属品10Aは、ベルト接触面22,32でベルト本体2を挟んで固定しているため、従来の接着や融着などに比べてベルト本体2と固定されている面積が小さい。したがってベルト1Aは、巻き付けられるプーリ径の影響を受けにくく、従来のベルト用付属品がベルト本体に固着されたベルトに比べて、比較的小径のプーリにも適用することができる。
【0030】
ベルト1Aは、プロファイル12Aを備えることによって、搬送物を搬送方向により確実に送り出すことができる。ベルト1Aは、ガイド14Aがガイド溝46に入り込むことによって、ベルト本体2が走行中に蛇行してプーリ44から外れることが防止される。したがってベルト1Aは、高い走行安定性および搬送能力を得ることができる。
【0031】
頭部30が台形であって、規制面26と接触することによって、係合雄部18と係合雌部16が一体化されているので、ガイド14Aに対しプロファイル12Aが回転するのを防ぐことができる。搬送物からプロファイル12Aに力が加わった場合でも、凸部36が台形であってベルト本体2の貫通穴42に嵌りこんでいるから、ベルト本体2に対しガイド14Aが回転するのを防ぐことができる。したがってベルト1Aは、ベルト本体2に対するプロファイル12Aの回転を防ぎ、ベルト本体2に対しプロファイル12Aを所定の姿勢で保持することができる。
【0032】
ベルト1Aは、係合突起29がベルト本体2の側面に係合することによって、ベルト本体2に対するプロファイル12Aの回転をより確実に防ぐことができる。
【0033】
ベルト用付属品10Aは、ベルト本体2の厚さ方向に貫通した貫通穴42に係合雄部18が通されて取り付けられているので、ベルト本体2の長さ方向にずれが生じるのを防ぐことができる。
【0034】
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
【0035】
上記実施形態の場合、ベルト用付属品10Aは、プロファイル12A及びガイド14Aを備える場合について説明したが、本発明はこれに限らない。以下、変形例について、上記第1実施形態と同様の構成について同様の符号を付した図面を参照して説明する。
【0036】
例えば、図11に示すベルト用付属品10Bは、搬送面に設けられた輪郭付加体としてのプロファイル12Aと、プーリ接触面に設けられ、プロファイル12Aをベルト本体2に固定する固定体50とを備える。固定体50は、上記第1実施形態におけるガイド本体31に替えて、係止本体52を有する。係止本体52は、プーリとの干渉を避けるため、厚さの薄い板状の部材である。本変形例のベルト1Bは、ベルト用付属品10Bを備えるので、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0037】
図12に示すベルト用付属品10Cは、プーリ接触面に設けられた輪郭付加体としてのガイド14Aと、搬送面に設けられ、ガイド14Aをベルト本体2に固定する固定体54とを備える。固定体54は、上記第1実施形態におけるプロファイル本体20を有さず、雌本体21を有する。本変形例のベルト1Cは、ベルト用付属品10Cを備えるので、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0038】
上記実施形態の場合、ベルト用付属品10Aは、プロファイル12Aが係合雌部16を有し、ガイド14Aが係合雄部18を有する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、図13に示すベルト用付属品10Dは、プロファイル12Bが係合雄部56を有し、ガイド14Bが係合雌部58を有する。本変形例のベルト1Dは、ベルト用付属品10Dを備えるので、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0039】
プロファイルは、板状である場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、側面視において台形、山形、半円形などでもよい。
【0040】
開口は、正面から背面に向かって厚さ方向に貫通している場合について説明したが、背面側が閉塞していてもよい。背面側が閉塞していることによって、異物の混入を防ぐことができる。
【0041】
規制面は、頭部の側面に接する場合について説明したが、頭部の側面、頭部の天面、頭部の先端面の少なくとも一つに接する場合を含む。
【0042】
頭部は、平面視において台形である場合について説明したが、平面視において、三角形、五角形などの多角形でもよい。
【0043】
ベルト用付属品は、係合雄部と係合雌部の組み合わせを一組とし、ベルト本体の幅方向に一組設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ベルト本体の幅方向に二組以上設けてもよい。なお、係合雄部と係合雌部をベルト本体の幅方向に二組設ける場合、凸部を省略してもよいし、頭部、貫通穴、凸部の平面視における形状を真円形状としてもよい。図を参照して詳細に説明する。なお上記実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、説明を省略する。
【0044】
図14に示すベルト用付属品10Eは、ベルト本体2の幅方向に、係合雌部60と係合雄部62を二組備える。本図に示すベルト本体2は、上記実施形態に比べ幅長さが長い。ベルト本体2の幅長さは、プロファイル12Cより長い。プロファイル12Cは、2個の係合雌部60を有する点、及び、係合突起を有しない点が、上記実施形態と異なる。係合雌部60の開口63(図18)は、図示しないが、背面側が閉塞している。
【0045】
図15に示すように、ガイド14Cは、ガイド本体31と係合雄部62とを有する。係合雄部62の頭部64は、平面視において円形であり、円柱状の部材である。頭部64は、軸部34を介してベルト接触面32に接続されている。
【0046】
次に、ベルト用付属品10Eをベルト本体2に取り付ける方法について説明する。図16に示すように、まず厚さ方向に頭部64の平面形状と同じ円形の貫通穴66が形成されたベルト本体2を用意する。貫通穴66は、ベルト本体2の幅方向に2個、長さ方向に所定のピッチで複数形成される。
【0047】
次いで図17に示すように、ベルト本体2のプーリ接触面側にガイド14Cを配置し、貫通穴66に頭部64を通す。続いて、図18に示すように、正面を頭部64に向けてプロファイル12Cを搬送面に配置する。プロファイル12Cをベルト本体2の長さ方向にスライドさせることによって、係合雌部60と係合雄部62が係合し、プロファイル12Cとガイド14Cが一体化される。
【0048】
ベルト用付属品10Eは、ベルト本体2の幅方向に係合雌部60と係合雄部62を二組備えることによって、ベルト本体2に対するプロファイル12Cの回転を防ぎ、ベルト本体2に対しプロファイル12Cを所定の姿勢で保持することができる。したがって、ガイド14Cは、ベルト本体2の貫通穴66と嵌合する必要がないため、凸部を省略できる分、上記実施形態に比べ、形状を簡略化することができる。
【0049】
係合雄部62の頭部64が平面視において円形であることによって、ベルト本体2に形成する貫通穴66を円形とすることができる。すなわち貫通穴66の形状が単純な分、上記実施形態に比べ、より簡単に貫通穴66を形成することができる。
【符号の説明】
【0050】
1A〜1E ベルト
2 ベルト本体
10A〜10E ベルト用付属品
12A〜12C プロファイル(輪郭付加体)
14A〜14C ガイド(固定体、輪郭付加体)
16、58 係合雌部
18、56 係合雄部
22、32 ベルト接触面
24 開口
26 規制面
29 係合突起
30 頭部
34 軸部
38 挿入面
50、54 固定体
【要約】
【課題】接着や融着などによらずにベルト本体に容易に着脱することができるベルト用付属品、及びベルト用付属品を備えたベルトを提供する。
【解決手段】ベルト本体2の一側表面に突出した輪郭を付加する輪郭付加体12Aと、前記ベルト本体2の他側表面に配置され、前記輪郭付加体12Aを前記ベルト本体2に着脱自在に固定する固定体14Aとを備え、前記輪郭付加体12A及び前記固定体14Aの一方は、前記ベルト本体2の厚さ方向に貫通した貫通穴に通される係合雄部18を有し、他方は前記係合雄部18に係合する係合雌部16を有し、前記係合雌部16は、前記ベルト本体2の長さ方向側の表面に前記係合雄部18を受け入れる開口を有する。
【選択図】図1
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