特許第6559883号(P6559883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559883
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】シールリング
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3268 20160101AFI20190805BHJP
【FI】
   F16J15/3268
【請求項の数】15
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-507776(P2018-507776)
(86)(22)【出願日】2016年4月29日
(65)【公表番号】特表2018-514730(P2018-514730A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】EP2016059634
(87)【国際公開番号】WO2016177642
(87)【国際公開日】20161110
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】62/155,715
(32)【優先日】2015年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/199,788
(32)【優先日】2015年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517381566
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティクス エルプラスエス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】デュアン・シュティルネマン
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ・グロニツキー
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−163431(JP,A)
【文献】 特開2014−196796(JP,A)
【文献】 実開昭61−017486(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/16−15/32
F16J 15/324−15/3296
F16J 15/46−15/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールリングであって、
内表面、外部表面および第1の側面を有する本体と、
前記本体から広がり、タブを受けているコンポーネントに対して前記シールリングの回転を防止するように適用されている前記タブであって、前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がる、前記タブと、を含み、前記シールリングは、前記シールリングの前記第1の側面が前記隣接するシールリングの第2の側面に直接接触するように、隣接するシールリングのタブを収容するよう適用されている逃し部分を含む、
シールリング。
【請求項2】
第1のコンポーネントと、
第2のコンポーネントと、
前記第1のコンポーネントと前記第2のコンポーネントの間に配置されるシールリングと
を含み、
前記シールリングは、内表面、外部表面および第1の側面を有する本体を含み、前記シールリングは、前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がるタブを含み、そして、前記第1のコンポーネントは、前記タブを受けて、このことにより前記第1のコンポーネントに対する回転運動から前記シールリングをロックするように適用されている切欠きを含み、前記シールリングは、前記シールリングの前記第1の側面が前記隣接するシールリングの第2の側面に直接接触するように、隣接するシールリングのタブを収容するよう適用されている逃し部分を含む、
アセンブリ。
【請求項3】
複数の積み重ねられたシールリングであって、前記複数の積み重ねられたシールリングの少なくとも2つの隣接するシールリングは、それぞれ、
内表面、外部表面、第1の側面および前記第1の側面にほぼ対向する第2の側面を有する本体と、
前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がるタブと、
シールリングの前記第1の側面が前記隣接するシールリングの前記第2の側面に直接接触するように隣接するシールリングのタブを収容するよう適用されている逃し部分と
を含む、前記複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項4】
シールリングまたはアセンブリであって、前記タブは、前記本体の第1の円周位置に配置され、前記逃し部分は前記本体上の第2の円周位置に配置され、そして、前記第1および第2の円周位置は互いに軸方向に隣接する、
請求項1および2のいずれか1項に記載の前記シールリングまたはアセンブリ。
【請求項5】
前記タブは、前記逃し部分と軸方向に一直線に整列される、請求項3および4のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項6】
前記逃し部分は、前記本体の凹部を画定し、前記凹部は、前記タブの形状とほぼ同様の形状を有する、請求項3に記載の複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項7】
前記逃し部分は、前記本体の円周全体の周りに一様に広がる、請求項3および6のいずれか1項に記載の複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項8】
前記タブは、少なくとも部分的に前記第1の側面から、少なくとも部分的に前記内表面から、少なくとも部分的に前記外部表面から、または、表面の組合せから広がる、請求項1、2、3および6のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項9】
前記タブは、前記第1の側面を越えて距離DTAだけ軸方向に広がり、そして、前記内表面を越えて距離DTRだけ半径方向に広がり、前記DTAは、前記DTRとは異なる、請求項8に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項10】
前記タブは、前記本体と一体型である、請求項1、2および3のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項11】
前記タブは幅Wを有し、前記シールリングは円周Cを有し、そしてC/Wは0.5以下である、請求項1、2および3のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項12】
前記本体は、前記第1の側面にほぼ対向する第2の側面を更に含み、そして、前記タブは、前記第2の側面を越えて軸方向に広がらない、請求項1および2のいずれか1項に記載のシールリングまたはアセンブリ。
【請求項13】
前記タブは、前記シールリングの中心軸に対して傾けられる、請求項1、2および3のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項14】
前記シールリングは、
前記タブから間隔を置かれる第2のタブ
を更に含む、請求項1、2および3のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【請求項15】
前記シールリングは、前記本体の前記内表面に沿って環状部材と連結するように適用されており、そして、前記環状部材は、半径方向に外向きの方向に前記シールリングをバイアスするように適用されている、請求項1、2および3のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シールに関し、そして、特に装置を連結するためのタブを有するシールリングに関する。
【背景技術】
【0002】
シールリングは通常、2つのコンポーネントの間に形成される環状部の中で漏れが発生するのを防止するために用いる。例えば、シールリングは、軸と孔部の間に置かれて、異なる流体圧力を維持するか、またはシールの対向する側の異なる流体コンポーネントを切り離すことができる。シールリングは通常、互いに積み重ねられるかまたは並べられた複数の個別のシールを含む一括扱いで、出荷されて、格納され、保管されそして取り扱われる。出荷、保存および取り扱いの間、シールは取降ろしや移動がされる可能性があり、それらを管理することを困難にしている。産業界では、より簡単な取り扱いおよび使用を手助けする改良シールの需要が続いている。
【発明の概要】
【0003】
実施形態は、例証として示すものであり、付随する図で限定されることを意図してはいない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、一実施形態による、第1のコンポーネント、第2のコンポーネントおよびその間に配置したシールリングを含むアセンブリの、一部切り取り斜視図である。
図2図2は、一実施形態による、シールリングを含まない図1のアセンブリの横断面図である。
図3図3は、一実施形態による、シールリングを有する図1のアセンブリの横断面図である。
図4図4は、一実施形態による、シールリングを有する図1のアセンブリの、別の実施形態の横断面図である。
図5図5は、ラインA−Aに沿って見られる図4のアセンブリの断面軸方向図である。
図6図6Aは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Bは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Cは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Dは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Eは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Fは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Gは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Hは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Iは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Jは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Kは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。図6Lは、一実施形態による、タブ輪郭の断面側面図である。
図7図7は、一実施形態による、複数の積み重ねられたシールリングの横断立面図である。
図8図8は、一実施形態による、アセンブリの横断立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
当業者は、図の要素が単純で明快であるように図示されており、必ずしも一定の比率で描かれているわけではないことを認識する。例えば、図の要素のいくつかの寸法は他の要素と比べて誇張されて、本発明の実施形態の理解を向上させるのを助けることができる。
【0006】
図と組み合わせた以下の記述は、本願明細書において開示される教示を理解する際に助けとなるように提供される。以下の説明は、教示の特定の実装および実施形態に焦点を当てている。この焦点は、教示を記載する際に助けとなるように提供されており、教示の範囲または適用可能性上の制限と解釈されてはならない。しかしながら、他の実施形態は、本出願にて開示したような教示に基づいて使用することができる。
【0007】
用語「comprises(含む)」、「comprising(含んで)」、「includes(備える)」、「including(備えて)」、「has(有する)」、「having(有して)」あるいはそれらの他のいかなる変化形も、特徴の非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品または装置は、それらの特徴だけに必ずしも限られているというわけではなく、明白に列挙されないか、またはこのような方法、物品または装置に固有でない他の特徴を含むことができる。更に、明白に逆に述べられない限り、「or(または)」は、包含的な「または」を指すものであり、排他的な「または」を指すものではない。例えば、条件AまたはB、は以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真であり(または存在する)かつBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在しない)かつBは真である(または存在する)、そして、AおよびBは両方とも真である(または存在する)。
【0008】
また、「a(1つの)」または「an(1つの)」は、本願明細書において記載されている要素およびコンポーネントを記載するために使用される。これは、単に便宜のため、そして、本発明の範囲の一般的な意味を与えることだけのために行うものである。この記述は、それが別の意味であるということが明白でない限り、1つ、少なくとも1つ、または単数形を含み、また、複数形も含み、その逆もあるとして、読まれなければならない。例えば、単一項目が本願明細書において記載されるときに、2つ以上の項目を単一項目の代わりに用いることができる。同様に、2つ以上の項目が本願明細書において記載されている所で、単一項目はその2つ以上の項目と置換することができる。
【0009】
他に定めない限り、本願明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が帰属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法および実施例は、例証を示すに過ぎず、制限的であることを意図してはいない。本願明細書において記載されていない範囲については、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は従来通りであり、シーリング技術の範囲内の教科書および他のソースで見つけることができる。
【0010】
本願明細書において記載されている1つ以上の実施形態によるシールリングは、通常、内表面、外部表面および第1の側面を有する本体を含むことができる。タブは、本体の内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、本体の第1の側面を越えて軸方向に、本体から広がることができる。特定の実施形態では、シールリングの本体は、逃し部分を更に含むことができる。組立て済み状態において、第1のシールリングの逃し部分は、第1のシールリングに隣接して同軸で配置される第2のシールリングのタブを収容することができる。このように、複数の積み重ねられたシールリングは、各シールが本体の第1の側面を越えて軸方向に広がるタブを含む所で、組み立てることができる。
【0011】
初めに図1を参照して、アセンブリ100は、通常、第2のコンポーネント106の孔部104内に少なくとも部分的に配置された第1のコンポーネント102を含むことができる。第1および第2のコンポーネント102および106は、互いに対して、回転して、または、相互に平行移動可能であり得る。
【0012】
特定の実施形態において、第1および第2のコンポーネント102および106は、それぞれ、軸およびハウジングであることができる。それに制限されることを意図しない一方、アセンブリ100の1つの考察された使い道は、車両の変速機のためであり、そして、より具体的には、ストップスタート使用可能車両に組み込まれる自動変速機に対するものであり、それによって車両が停止中にエンジンが一時的に分離される。軸は、変速機アセンブリのハウジングまたは本体に挿入可能な駆動軸でもよい。
【0013】
環状部は軸とハウジングの間に形成することができ、油などの1つ以上の潤滑性がある流体を与えることができて、軸とハウジングの間の相対的運動を容易にする。特定の例において、潤滑性がある流体は、ハウジングの開口を通じて環状部にもたらすことができて、環状部を循環し、軸の開口を通じて、または、ハウジングの第2の開口を通じて出て行く。
【0014】
特定の実施形態では、第1および第2のコンポーネント102および106は、互いに、異なる材料を含むことができるか、または基本的に異なる材料から構成することができる。例えば、第1のコンポーネント102は第1の材料を含むことができ、そして、第2のコンポーネント106は第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。一実施形態において、第1の材料は、第2の材料より耐磨耗性が小さいものとすることができる。別の実施形態では、第2の材料は、第1の材料より耐磨耗性が小さいものとすることができる。特定の実施形態では、第1の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの比較的柔らかい金属とすることができ、そして、第2の材料は鋼または鋼鉄合金などの比較的硬い金属とすることができる。特定の実施形態では、シールリングはより柔らかい金属に締め付けて、それとの相対的運動を防止することができる。シールリングとより硬い金属間のその後の運動は、耐摩耗性をより大きくし、そしてアセンブリ動作寿命をより長くする結果になると考えられる。
【0015】
図2は、第1のコンポーネント102の軸103と直角をなすように見える、アセンブリ100の断面を図示する。第1のコンポーネント102は、第1のコンポーネント102の外部表面110から測定される距離だけ第1のコンポーネント102に広がる溝108を含むことができる。一実施形態において、溝108は、第1のコンポーネント102に少なくとも1mm、例えば少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mmまたは更に少なくとも10mm、広がることができる。溝108は、第1のコンポーネント102の表面110から、第1のコンポーネント102の半径の75%以下まで広がることができる。
【0016】
一実施形態において、溝108は、第1のコンポーネント102全体の周りを囲むことができる。すなわち、溝108は、第1のコンポーネント102の円周全体の周りに広がることができる。別の実施形態では、溝108は、第1のコンポーネント102の円周の一部だけに広がることができる。
【0017】
一実施形態において、溝108は、ほぼ多角形の断面を有することができる。例えば、溝108は、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、あるいは更に八角形であり得る。特定の実施形態では、溝108は、四辺形である。更に特定の実施形態においては、溝108は長方形であり得て、2つの対向する側面112および114、ならびにその2つの対向する側面112および114を一緒に接続するベース表面116を含む。
【0018】
一実施形態において、第1のコンポーネント102は、軸方向に互いに間隔を置かれる複数の溝108を含むことができる。例えば、第1のコンポーネント102は、少なくとも2本の溝、または少なくとも3本の溝、または少なくとも4本の溝、または少なくとも5本の溝、または少なくとも6本の溝、または更に少なくとも7本の溝を含むことができる。特定の実施形態では、第1のコンポーネント102は、100本未満の溝、例えば10本未満の溝だけを含むことができる。
【0019】
切欠き118は、第1のコンポーネント102に溝108から広がることができる。一実施形態において、切欠き118は、溝108と開放連通とすることができる。切欠き118は、溝108の側面112および114のうちの1つから間隔をおいて概して軸の方向に広がることができる。図示していない実施形態において、切欠き118は、ベース表面116から間隔をおいて概して半径方向に広がることもできる。特定の例において、切欠き118は、第1のコンポーネント102の表面110から測定される、溝108と同じ深さを有することができる。以下により詳細に説明するように、切欠き118は、シールリング126から広がるタブ138を受けるように適応することができる。切欠き118は、タブ138を受けて、シールリング126が第1のコンポーネント102に対して回転することを防止する。より具体的には、切欠き118は、切欠き118のタブ128を固定して、第1のコンポーネント102に関してシールリング126の回転を防止するように適用されている対向する周側壁156(1つの側壁だけは図2に図示される)を含むことができる。
【0020】
一実施形態において、切欠き218は、第1のコンポーネント102の第2の溝208から広がってそれと開放連通することができる。第2の溝208は、溝208のベース表面216から間隔をおいてほぼ放射方向に広がることができる。切欠き218は、溝208の側面212または214のうちの1つから間隔をおいて概して軸の方向に広がることもできる。図示するように、切欠き218は、第1のコンポーネント102の表面110から測定される、溝208と比較して異なる深さを有することができる。特定の実施形態では、切欠き218は、第1のコンポーネント102の表面110から測定される、溝の深さ208より大きい深さを有することができる。切欠き218は、シールリングのタブを受けることができて、シールリングが第1のコンポーネントに対して回転するのを防止することができる。より具体的には、切欠き218は、切欠き218のタブ128を固定して、第1のコンポーネント102に関してシールリング126の回転を防止するように適用されている対向する周側壁256(1つの側壁だけが図2に図示される)を含むことができる。
【0021】
一実施形態において、システム100は複数の溝108を含むことができ、各溝108は1つ以上の切欠き118(図3)を有する。別の実施形態では、システム100は複数の溝208を含むことができ、各溝208は1つ以上の切欠き218(図4)を有する。また更なる実施形態においては、システム100は、それぞれ、木立ち108および208から広がる複数の溝108および208および複数の切欠き118および218を含むことができる。図2に示すように、切欠き118および218は、溝108および208から、それぞれ、互いの方へ方向に広がることができる。別の実施形態では、切欠き118および218は、互いから離れて広がることができる。また更なる実施形態においては、切欠き118および218は、互いと同じ方向に広がることができる。
【0022】
ここで図3を参照すると、潤滑性がある流体120は、軸方向に隣接する溝122と124の間に配置するかまたは循環することができる。各溝122および124は、ほぼ長方形の断面を有するシールリング126を受けることができる。シールリング126は、アセンブリ100の予め定めた環状領域154の中に、潤滑性がある流体120を維持することができる。説明を簡単にするため、本開示は、第1のコンポーネント102に形成される溝108だけを記載する。第2のコンポーネント106がシールリング126を受けるように適用されている1つ以上の溝を含むことができることは、更に考察される。この点に関しては、システム100は、シールリング126が第2のコンポーネント106に係合して、それに回転可能に固定するように、逆の形とすることができる。非限定的な実施例として、このことは、第2のコンポーネント106が第1のコンポーネント102より比較的柔らかい材料から形成されるときに、起こり得る。シールリング126を第2のコンポーネント106に締め付けることは、従って、それに対する摩耗を減らして、運用システム寿命を長くする。
【0023】
一実施形態において、シールリング126は、溝108の幅以下である、第1および第2の側面130および132の間で測定される幅Wを有する本体128を含むことができる。シールリング126は、内表面134および外部表面136を更に含むことができる。タブ138は、本体128から、内表面134を越えて半径方向に内向きに、そして、第1の側面130を越えて軸方向に広がることができる。タブ138は、第1のコンポーネント102の切欠き118に挿入されて、第1のコンポーネント102に対するシールリング126の回転を防止することができる。図示するように、隣接するシールリング126のタブ138は、互いに向かい合うように方向を定めることができる。図示していない実施形態においては、隣接するシールリングのタブは、互いから離れる方向に定めることができる。更に別の図示していない実施形態においては、隣接するシールリングのタブは、互いと同じ方向に定めることができる。
【0024】
図5は、シールリング126を含む、アセンブリ100の断面軸方向図を示す。図示するように、タブ138は、シールリング126の円周方向に測定される幅Wを有する。特定の実施形態では、Wは、シールリング126の内表面134の円周C未満である。例えば、C/Wは、0.9以下、または0.8以下、または0.7以下、または0.6以下、または0.5以下、または0.45以下、または0.4以下、または0.35以下、または0.3以下、または0.35以下、または0.3以下、または、0.25以下、または、0.2以下、または0.15以下、または、0.1以下、または0.05以下、または更に0.01以下であることができる。一実施形態において、C/Wは、0より大きい。
【0025】
一実施形態において、タブ138は、シールリング126の中心軸140から内表面134までで測定されるシールリング126の半径Rより小さい、タブ138がシールリング126の内表面134を越えて広がる最大距離により測定される、最大半径方向高さHを有することができる。特定の実施形態では、R/Hは、0.75以下、または0.5以下、または0.25以下、または0.2以下、または0.15以下、または0.1以下、または0.05以下、または更に0.01以下であることができる。別の特定の実施形態では、R/Hは、0より大きい。大きいR/H比率を有するシールリング126が第1のコンポーネント102と比べて係合を強化することができる一方で、そのアセンブリは、タブ138を切欠き118に一直線に整列して、挿入するために、より大きな材料屈曲が必要となり得る。
【0026】
一実施形態において、タブ138は、シールリング126の本体128と一体型とすることができる。別の実施形態では、タブ138は、例えば、接着剤、ねじ有りもしくはねじ無しの留め金具、機械的圧着または他の任意の好適な方法によって本体128に連結される、1つ以上の個別コンポーネントを含むことができる。
【0027】
例えば図6A〜6Fに図示されるような、特定の実施形態において、タブ138は、本体128の表面130、132、134または136のうちのただ1つから広がることができる。すなわち、本体128に対するタブ138の固定取付けは、表面130、132、134または136のうちの1つだけに沿って起きることがあり得る。特定の実施形態では、タブ138は、第1の側面130からだけ広がることができる。別の特定の実施形態では、タブ138は、内表面134からだけ広がることができる。
【0028】
例えば図6G〜6Lに図示されるような、他の実施形態において、タブ138は、本体128の少なくとも2つの表面130、132、134および136から広がる。特定の実施形態では、タブ138は、第1の側面130および内表面134の両方から広がる。
【0029】
一実施形態において、例えば図6Bに示すように、タブ138は、第1の側面130と第2の側面132の間で測定されるシールリング126の幅Wより小さい、距離DTAの分だけ第1の側面130を越えて広がる。一実施形態において、DTAは、0.99W未満であり、例えば0.95W未満、0.9W未満、0.85W未満、0.8W未満、0.75W未満、0.7W未満、0.65W未満、0.6W未満、0.55W未満、0.5W未満、0.45W未満、0.4W未満、0.35W未満、0.3W未満、0.25W未満、0.2W未満、0.15W未満、0.1W未満または更に0.05W未満である。一実施形態において、DTAは、少なくとも0.01Wである。
【0030】
一実施形態において、DTAは、タブ138が内表面134を越えて半径方向に広がる距離DTRとは異なることができる。すなわち、タブ138は軸方向距離DTAおよび半径方向距離DTRだけ広がることができ、ここで、軸方向および半径方向距離、DTAおよびDTRは、それぞれ、互いと異なる。特定の実施形態では、軸方向距離DTAは、半径方向距離DTRより大きい。別の特定の実施形態において、半径方向距離DTRは、軸方向距離DTAより大きい。非限定的な実施例として、DTR:DTAの比率は、0.01:1〜1:0.01の範囲であり得る。
【0031】
一実施形態において、タブ138は、第2の側面132を越えて軸方向に広がらない。また更なる実施形態において、タブ138は、外部表面136を超えて半径方向に広がらない。
【0032】
特定の実施形態では、例えば、図6Gで図示したように、タブ138は、主要面142を含むことができる。非限定的な実施形態として、主要面142は、平らであり得るか、円弧形であり得る。一実施形態において、主要面142は、形状の点で第1のコンポーネント102についた切欠き118の形状と同様であり得る。すなわち、平面切欠き118とともに使われるシールリング126は、平面主要面142を含むことができる。同様に、円弧状切欠き118または非線形輪郭を有する切欠き118とともに使われているシールリング126は、円弧状、または非線形の輪郭を有する主要面142を含むことができる。
【0033】
一実施形態において、主要面142はシールリング116の中心軸に対して傾けられることができ、そして、その間で少なくとも0.5°、例えば少なくとも1°、少なくとも2°、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも15°、少なくとも20°、少なくとも25°、少なくとも30°、少なくとも35°、少なくとも40°または更に少なくとも45°である、相対的角度αを形成する。このような傾斜をつけることで、切欠き118へのタブ138のより簡単な挿入を容易にすることができる。
【0034】
ここで、例えば図6Eを参照すると、タブ138は、中心軸140に対して最奥の位置を表している先端146を更に含むことができる。先端146は、主要面142および第2主要面144の接合によって形成することができる。先端146は、少なくとも1°、例えば少なくとも2°、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも15°または更に少なくとも20°である、相対的角度βを定めることができる。一実施形態において、角度βは、75°以下、例えば70°以下、65°以下、60°以下、55°以下、50°以下、45°以下、40°以下、35°以下、30°以下または更に25°以下である。特定の例において、先端146は、少なくとも部分的に円弧形であり得るか、ほぼ丸くすることができる(例えば、図6H)。先端146は、少なくとも0.5mm、例えば少なくとも1mmまたは更に少なくとも2mmである曲率半径を有することができる。これによって、切欠き118の中でタブ138のより簡単なインストールができるようにすることが可能となる。別の特定の例において、先端146は、鋭利、すなわち、2つの平面の交差であることができる(例えば、図6E)。特定の実施形態では、先端146は、タブ138の周囲全体の幅Wに沿って一様であり得る。他の実施形態では、先端146は、多様な輪郭を有することができる。例えば、非限定的な実施例として、先端146(すなわち、タブ138の円周辺縁の近くの先端146のそれらの部分)の縁部分は丸くすることができ、一方で先端146の中間の部分は鋭くすることができる。これらおよび他の実施形態において、タブ138は三角形状断面を有することができ、それは長方形のタブ138と比較して、切欠き118の中でより容易にインストールすることができる。
【0035】
特定の実施形態では、例えば、例えば図6Aに図示するように、シールリング126は、異なるシールリングのタブを受けて、収容するように適用されている逃し部分148を更に含むことができる。すなわち、逃し部分148は、第1の側面140を越えて広がるタブ138を有するシールリング126の積み重ねができるようにすることができる。
【0036】
図7は、複数の積み重ねられたシールリング126の横断立面図を示す。隣接するシールリング126間のスペーシングは、シールリング面を示すために図示される。当業者は、スペーシングが実際の使用では存在しない場合があることを理解する。図示するように、第1のシールリング150のタブ138は、第1のシールリング150に隣接して配置される第2のシールリング152の一部に半径方向に重なることができる。第1のシールリング150のタブ138は、第2のシールリング152の逃し部分148によって作り出されるスペースの中に載置されることができ、それによって、第1のシールリング150の第1の側面130が直接第2のシールリング152の第2の側面132に接触することができる。この配置は、軸方向および半径方向両方に内向きに広がるタブの使用をできるようにすることができ、シールリングの積み重ねおよびそれらのシールリングの第1のコンポーネントとの係合を可能にする。
【0037】
図6Aを再度参照すると、逃し部分148は、内表面134と本体128の第2の側面132の間に広がる面取りした表面を含むことができる。面取りした表面は、シールリング126の円周全体の周りに広がることができる(例えば、図7)。一実施形態において、面取りした表面は、円錐台状表面を形成するように、平面であることができる(例えば、図6A)。別の実施形態では、面取りした表面は、少なくとも2つの不連続的な階段を含む段のある構成を含むことができる(例えば、図6D)。また別の実施形態においては、面取りした表面は、円弧形または非線形であり得る(例えば、図6F)。少なくとも1つの実施形態により、逃し部分148の輪郭は、タブの輪郭とほぼ同様のものとすることができる(例えば、図6Aおよび6Cから6L)。すなわち、逃し部分148は、タブ138の表面と同じ幾何学的な断面輪郭を有するように形づくることができる。
【0038】
上述の通り、逃し部分148は、本体128(図7)の円周全体の周りに、一様に広がることができる。しかしながら、本開示は、逃し部分148を一様に広げているものだけに限定することは意図していない。別の実施形態では、逃し部分は、シールリングの本体において形成される切欠きを含むことができる。切欠きは、タブの形状およびサイズとほぼ同様の形状およびサイズを有することができる。特に、切欠きは、タブの形状とほぼ同様の形状を有する本体の凹部を定めることができる。すなわち、先に述べた実施形態とは異なり、ここの逃し部分は、隣接する積み重ねられたシールリングの相対的な回転を防止することができる。更に特定の実施形態において、切欠きは、タブと軸方向に一直線に整列することができる。すなわち、切欠きは、タブと比較して、同じ円周位置であるが第2の側面に沿って、本体に広がることができる。これによって、隣接するシールリングのタブが、積み重ねられた構成で配置されるときに、互いに一直線に整列することを可能することができる。
【0039】
1つ以上の静圧逃しポケット(図示せず)は、表面130、132、134または136の1つ以上に沿って配置して、運転状態の下でのアセンブリの流体シーリングを強化することができる。圧力の増加に応じて、静圧逃しポケットは静水圧を生成することができ、それによって、適切なシーリング位置にシールリング126を圧接する。
【0040】
図示していない実施形態において、シールリング126は、第2のタブを含むことができる。更に別の図示していない実施形態において、シールリング126は、3つ以上のタブを含むことができる。すなわち、シールリング126は、少なくとも3つのタブ、少なくとも4つのタブまたは更に少なくとも5つのタブを含むことができる。タブは、シールリング126の円周の周りに配置することができる。一実施形態において、タブは、互いと比較して同一のサイズまたは形状を有することができる。別の実施形態では、タブは、互いと比較して異なるサイズまたは形状を有することができる。タブは、円周方向にシールリング126周辺で等しく離れて置くことができる。あるいは、タブは、シールリング126周辺で不均等な間隔で互い違いに置くことができる。全仕様を読み込んだ後に理解されるように、シールリング126周辺でタブを互い違いに置くのは、第1のコンポーネント102の切欠き118を互い違いに置くのと等しい間隔でなければならない。すなわち、タブは、第1のコンポーネント102の切欠き118によって一直線に整列するように、互い違いに置かなければならない。
【0041】
シールリング126は、コンポーネントの間に流体シールを形成するように適用されているいかなる適切な材料も含むことができる。シールリングは従来技術において知られているので、材料の総合的な列挙は行わない。それに制限されることを意図するものではないが、シールリング126は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)またはポリアミドイミド(PAI)を含むことができる。低い摩擦係数を有するフルオロポリマーおよび他の同様の材料は、シールリング126が半径方向において圧縮されて、コンポーネントの間に放射偏位力を印加する応用製品に、特に好適である。シールリング126は、例えば、射出成形、圧伸、機械加工、鍛造または他の同様の方法を含む、いかなる適切な製造工程または製造工程の組合せによっても形成することができる。
【0042】
シールリング126は、少なくとも100°C、例えば少なくとも125°C、少なくとも150°C、少なくとも175°C、少なくとも200°C、少なくとも225°C、少なくとも250°C、少なくとも275°Cまたは更に少なくとも300°Cである温度で作動するように適応することができる。最高動作温度は、400°C未満、例えば375°C未満、350°C未満または更に325°C未満であり得る。
【0043】
図8を参照して、実施形態によるアセンブリ800は、第1のコンポーネント802と第2のコンポーネント806の間に配置されるシールリング826、およびシールリング826と第1のコンポーネント802の間に配置される環状部材854を含むことができる。アセンブリ800は、アセンブリ100に関して上述したようないかなる数の同様の特徴または特性も含むことができる。例えば、第1のコンポーネント802は、シールリング826の少なくとも一部が挿入可能である溝808を、含むことができる。
【0044】
一実施形態において、環状部材854の全体およびシールリング826の少なくとも一部は、溝808内に配置することができる。別の実施形態では、環状部材854は、部分的に溝808内に配置されることができるだけである。すなわち、環状部材854の一部は、溝808から広がることができる。環状部材854の幅を収容するために、溝808は第1のコンポーネント802の中により深く延長するようにすることができ、シールリング826はより少ない半径方向高さとなるようにすることができ、またはそれらの組み合わせが可能である。
【0045】
非限定的な実施例として、くぼみ、隆起および谷を含む特徴のいかなる組合せも、環状部材854の少なくとも一部の周りに広がることができる。これらの特徴により、環状部材854とシールリング826の間の相対的運動を防止することができる。これにより、次に、アセンブリ800内でのシーリング特性の改善を容易にすることができる。
【0046】
一実施形態において、環状部材854は、シールリング826の内表面834に隣接して配置することができる。より具体的には、環状部材854は、内表面834と直ちに隣接していることができる。更に特定の実施形態において、環状部材854は、内表面834と接触することができる。更に別の特定の実施形態において、1つ以上の層または材料は、環状部材854とシールリング826の内表面834の間に配置することができる。
【0047】
特定の実施形態では、環状部材854は、溝808の円周の少なくとも1%、円周の少なくとも5%、円周の少なくとも10%、円周の少なくとも25%、円周の少なくとも50%、円周の少なくとも75%または円周の少なくとも99%まで広がることができる。一実施形態において、環状部材854は、溝の円周全体の周りに広がることができる。すなわち、環状部材は、アセンブリ800の周りで連続的に広がることができる。
【0048】
環状部材854は、アセンブリ800内のインストールの前に測定される初期半径方向高さ、およびインストールの後に測定される組立て済み半径方向高さを有することができ、ここで、初期半径方向高さは組立て済み半径方向高さより大きい。例えば、一実施形態において、初期半径方向高さは、少なくとも組立て済み半径方向高さの101%、少なくとも組立て済み半径方向高さの102%、少なくとも組立て済み半径方向高さの103%、少なくとも組立て済み半径方向高さの104%、少なくとも組立て済み半径方向高さの105%、少なくとも組立て済み半径方向高さの110%、少なくとも組立て済み半径方向高さの120%、少なくとも組立て済み半径方向高さの130%、少なくとも組立て済み半径方向高さの140%、または、少なくとも組立て済み半径方向高さの1150%、であることができる。
【0049】
特定の例において、環状部材854は、シールリング826と第1のコンポーネント802の間に圧縮の状態において作動することができる。一実施形態において、環状部材854は、半径方向に外向きの方向にシールリング826をバイアスするように適応することができる。特定の実施形態では、環状部材854は、アセンブリ800内でのシール有効度を増大させることができる。
【0050】
特定の実施形態では、環状部材854は、少なくとも0.0001N/mm、少なくとも0.001N/mm、少なくとも0.01N/mm、少なくとも0.1N/mm、少なくとも0.5N/mm、少なくとも1N/mm、少なくとも2N/mm、少なくとも3N/mm、少なくとも4N/mm、少なくとも5N/mm、少なくとも10N/mm、または更に少なくとも25N/mmである、アセンブリ800内にインストールされて測定される、シールリング826に対する、内向きに、または、外向きにバイアスする力を、加えることができる。特定の実施形態では、環状部材854は、200N/mm以下または100N/mm以下の、アセンブリ800内にインストールされて測定される、シールリング826に対する、内向きにバイアスする力を加えることができる。特定の実施形態では、環状部材854は、少なくとも1つの運転状態の下では、シールリング826に対して内向きに、または、外向きにバイアスする力を加えないこともある。例えば、非限定的な実施例として、そして、特定の実施形態により、環状部材854は、第1および第2のコンポーネント802および806が互いに対して静的で、特定の運転温度に維持されるときに、シールリング826をバイアスしないこともある。
【0051】
一実施形態において、環状部材854は、多角形、長方形、正方形、楕円体、卵形または円形の少なくとも1つから選択される断面形状を有することができる。一実施形態において、環状部材854は、シールリング826のシール幅Wとは異なる幅を有することができる。更に特定の実施形態において、環状部材854は、Wより大きい幅を有することができる。例えば、環状部材854の幅は、少なくとも1.01W、少なくとも1.05W、少なくとも1.1Wまたは少なくとも1.25Wであることができる。更に別の特定の実施形態において、環状部材854は、W未満の幅を有することができる。例えば、環状部材854の幅は、0.99W未満、0.95W未満、0.9W未満または0.75W未満であることができる。
【0052】
また別の実施形態において、環状部材854は、シールリング826のシール幅Wに等しい幅を有することができる。
【0053】
特定の例において、環状部材854は、シールリング826と同一の材料を、含むか、基本的にそれから成るかまたは、それから形成されることができる。別の特定の例において、環状部材854は、PTFE、PEEK、PIまたはPAIなどのポリマーを、含むか、基本的にそれから成るかまたは、それから形成されることができる。更に別の例において、環状部材854は、鋼含有材料、アルミニウム含有材料、亜鉛含有材料、銅含有材料、マグネシウム含有材料、別の適切な金属材料またはそれらの組み合わせなどの、金属または合金を、含むか、基本的にそれから成るかまたは、それから形成されることができる。特定の、非限定的な実施形態において、環状部材854は、黄銅を含むことができる。
【0054】
一実施形態において、環状部材854は、少なくとも0.01GPa、少なくとも0.1GPa、少なくとも1GPa、少なくとも10GPa、少なくとも100GPaまたは少なくとも200GPaの弾性係数を有することができる。別の実施形態では、弾性係数は、500GPa以下でもよい。特定の実施形態では、環状部材854は、0.1GPaと300GPaとを含むその間の範囲の弾性係数を有することができる。特定の実施形態では、アセンブリ800は、環状部材854を用いた場合の、予め定めた時間にわたる漏れに耐える相対的な能力により測定される、環状部材の使用を省略しているアセンブリの場合と比べてより大きなシール効果を有することができる。すなわち、アセンブリ800は、環状部材854を含むことで、より高い運転圧力および条件での使用に対しての評価を得ることができる。例えば、シール効果は、環状部材854を含むことによって、少なくとも更に1%大きくなり得るか、少なくとも更に2%大きく、少なくとも更に3%大きく、少なくとも更に4%大きく、少なくとも更に5%大きく、少なくとも更に10%大きく、少なくとも更に25%大きく、または少なくとも更に50%大きくなり得る。シールリング826の内表面834に対する環状部材854により提供される半径方向に外向きのバイアス力が、このような性能の改善を容易にすることができると考えられる。
【0055】
一実施形態において、環状部材854は、第1および第2のコンポーネント802および806へのインストールの前に、シールリング826に対して少なくとも部分的にインストールすることができる。それから、シールリング826と環状部材854の組合せは、第1または第2のコンポーネント802または806にインストールすることができる。別の実施形態では、環状部材854およびシールリング826の1つは、環状部材854およびシールリング826のその他の係合の前に、第1のコンポーネント802または第2のコンポーネント806関して最初にインストールすることができる。油脂などの潤滑剤は、インストール中に用いることができ、より簡単な組立ておよびインストールを容易にすることができる。
【0056】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態を以下に記載する。本仕様を読んだ後に、当業者は、それらの態様および実施形態が例証に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと理解するはずである。実施形態は、下記に列挙する項目のいずれか1つ以上に従うものであり得る。
【0057】
項目1
内表面、外部表面および第1の側面を有する本体と、
前記本体から広がり、タブを受けているコンポーネントに対して前記シールリングの回転を防止するように適用されている前記タブであって、前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がる、前記タブと
を含むシールリング。
【0058】
項目2
内表面、外部表面および第1の側面を有する本体と、
第1のコンポーネントの切欠きに係合するように適用されているタブであって、前記シールリングは、異なるシールリングのタブを収容するように適用されている逃し部分を含む、前記タブと
を含むシールリング。
【0059】
項目3
第1のコンポーネントと、
第2のコンポーネントと、
前記第1のコンポーネントと前記第2のコンポーネントの間に配置されるシールリングと
を含み、
前記シールリングは、内表面、外部表面および第1の側面を有する本体を含み、前記シールリングは、前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がるタブを含み、
前記第1のコンポーネントは、前記タブを受けて、このことにより前記第1のコンポーネントに対する回転運動から前記シールリングをロックするように適用されている切欠きを含む、
アセンブリ。
【0060】
項目4
複数の積み重ねられたシールリングであって、前記複数の積み重ねられたシールリングの中心軸に対して垂直に見ると、前記複数の積み重ねられたシールリングの第1のもののタブは、前記複数の積み重ねられたシールリングの第2のものの一部に半径方向に重なり、前記第1のシールリングは、前記複数の積み重ねられたシールリングの前記第2のシールリングに隣接する、前記複数の積み重ねられたシールリング。
【0061】
項目5
複数の積み重ねられたシールリングであって、
前記第1の側面の反対側に一般に内表面、外部表面、第1の側面および第2の側面を有する本体と、
前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がるタブと、
シールリングの前記第1の側面が前記隣接するシールリングの前記第2の側面に直接接触するように隣接するシール用リングのタブを収容するよう適用されている逃し部分と
を含む、前記複数の積み重ねられたシールリング。
【0062】
項目6
シールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリングであって、各シールリングは、
前記第1の側面にほぼ対向して、内表面、外部表面、第1の側面および第2の側面を有する本体と、
前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がるタブと、
シールリングの前記第1の側面が前記隣接するシールリングの前記第2の側面に直接接触するように隣接するシール用リングのタブを収容するよう適用されている逃し部分と
を含み、
そこにおいて、前記タブは前記本体の第1の円周位置に配置され、前記逃し部分は前記本体の第2の円周位置に配置され、そして、前記第1および第2の円周位置は互いに軸方向に隣接する、
先行項目のいずれか1項に記載の、前記シールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0063】
項目7
前記タブは、前記逃し部分と軸方向に一直線に整列される、項目2、5および6のいずれか1項に記載の前記シールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0064】
項目8
前記タブは、前記第1の側面から少なくとも部分的に広がり、前記逃し部分は、少なくとも部分的に前記第2の側面にはめ込まれる、項目1から3および5から7のいずれか1項に記載の前記シールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0065】
項目9
前記逃し部分は、前記本体の凹部を画定し、前記凹部は、前記タブの形状とほぼ同様の形状を有する、項目5から8のいずれか1項に記載の複数の積み重ねられたシールリング。
【0066】
項目10
前記逃し部分は、面取りした表面を含む、項目5から8のいずれか1項に記載の複数の積み重ねられたシールリング。
【0067】
項目11
前記面取りした表面は、前記本体の前記内表面と前記第2の側面の間に広がる、項目10に記載の複数の積み重ねられたシールリング。
【0068】
項目12
前記逃し部分は、前記本体の円周全体の周りに一様に広がる、前記項目のいずれか1項に記載の複数の積み重ねられたシールリング。
【0069】
項目13
前記シールリングの前記本体は、前記本体の第1の側面と第2の側面の間で測定されるシール幅Wを含み、前記タブは前記第1の側面を越えて距離DTAだけ広がり、そして、ここで、DTAは、0.99W未満、0.95W未満、0.9W未満、0.85W未満、0.8W未満、0.75W未満、0.7W未満、0.65W未満、0.6W未満、0.55W未満である、0.5W未満、0.45W未満、0.4W未満、0.35W未満、0.3W未満、0.25W未満、0.2W未満、0.15W未満、0.1W未満または更に0.05W未満である、というようにDTAはW未満である、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシール。
【0070】
項目14
前記タブは、少なくとも部分的に前記第1の側面から、少なくとも部分的に前記内表面から、少なくとも部分的に前記外部表面から、または、表面の組合せから広がる、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0071】
項目15
前記タブは、前記本体から少なくとも部分的に軸方向に、そして少なくとも部分的に半径方向に広がる、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0072】
項目16
前記タブは、前記軸方向に最大距離、そして、前記半径方向に最大距離広がり、前記軸方向の前記最大距離は、前記半径方向の前記最大距離とは異なる、項目15に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0073】
項目17
前記タブは、前記軸方向に最大距離、そして、前記半径方向に最大距離広がり、前記軸方向の前記最大距離は、前記半径方向の前記最大距離より大きい、項目15および16のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0074】
項目18
前記タブは、前記軸方向に最大距離、そして、前記半径方向に最大距離広がり、前記軸方向の前記最大距離は、前記半径方向の前記最大距離より小さい、項目15および16のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0075】
項目19
前記タブは、前記軸方向に最大距離広がり、前記タブは、前記第1の側面を越えて最大距離広がり、そして、前記軸方向の前記最大距離は、前記第1の側面を越える前記最大距離より小さい、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0076】
項目20
前記タブは、前記半径方向に最大距離広がり、前記タブは、前記内表面を越えて最大距離広がり、そして、前記半径方向の前記最大距離は、前記内表面を越える前記最大距離より小さい、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0077】
項目21
前記タブは、前記本体と一体型である、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0078】
項目22
前記タブは、前記シールリングの円周方向に測定される幅Wを有し、前記シールリングは円周Cを有し、そして、C/Wは、0.5以下、例えば0.45以下、0.4以下、0.35以下、0.3以下、0.25以下、0.2以下、0.15以下、0.1以下、0.05以下または更に0.01以下である、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0079】
項目23
前記タブは、前記シールリングの円周方向に測定される幅Wを有し、前記シールリングは円周Cを有し、C/Wは0より大きい、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0080】
項目24
前記タブは、半径方向の前記タブの最大寸法で測定される最大半径方向高さHを有し、前記本体は内径Rを有し、そして、R/Hは0.75以下、例えば0.5以下、0.25以下、0.2以下、0.15以下、0.1以下、0.5以下または更に0.1以下である、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0081】
項目25
前記タブは、半径方向の前記タブの最大寸法で測定される、最大半径方向高さHを有し、前記本体は内径Rを有し、そして、R/Hは0より大きい、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0082】
項目26
前記本体は、前記第1の側面にほぼ対向する第2の側面を更に含み、そして、前記タブは、前記第2の側面を越えて軸方向に広がらない、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0083】
項目27
前記タブは、前記シールリングの中心軸に対して傾けられる、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0084】
項目28
前記タブは、平面の表面を有する、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0085】
項目29
前記タブは、ほぼ多角形の断面を有する、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0086】
項目30
前記タブは、先端を定め、そして、前記先端は前記タブの少なくとも2つの表面間の接合である、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0087】
項目31
前記先端は、少なくとも部分的に円弧形である、項目30に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0088】
項目32
前記シールリングは、
第2のタブ
を更に含む、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0089】
項目33
前記第2のタブは、前記内表面を越えて半径方向に内向きに、そして、前記第1の側面を越えて軸方向に広がる、項目32に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0090】
項目34
前記第2のタブは、第1のコンポーネントの賞賛的な溝と係合するように適応しており、前記シールリングは、異なるシールリングの第2のタブを収容するように適用されている逃し部分を含む、項目32および33のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0091】
項目35
前記第2のタブは、前記シールリングの前記本体から広がり、前記タブから円周方向に離れている、項目32から34のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0092】
項目36
前記シールリングは、ほぼ多角形の断面を有する、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0093】
項目37
前記シールリングは、少なくとも150°C、例えば少なくとも200°C、少なくとも225°C、少なくとも250°C、少なくとも275°Cまたは更に少なくとも300°Cの温度で作動するように適用されている、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0094】
項目38
前記シールリングは、PTFE、PEEK、PIまたはPAIなどのポリマーを含む、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0095】
項目39
前記シールリングは、前記内表面上の第1の材料の第1のコンポーネントおよび前記外部表面上の第2の材料の第2のコンポーネントを係合するように適応しており、そして前記第1および第2の材料は互いに異なる、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0096】
項目40
前記第1の材料は、前記第2の材料より耐磨耗性が小さい、項目39に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0097】
項目41
前記第2の材料は、前記第1の材料より耐磨耗性が小さい、項目39に記載のシールリング、アセンブリまたは複数の積み重ねられたシールリング。
【0098】
項目42
前記シールリングは、射出成形される、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0099】
項目43
前記シールリングは、第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントを係合するように適応しており、前記第1および第2のコンポーネントは、互いに対して回転可能であり、そして、前記第1のコンポーネントは、前記タブの少なくとも一部を受けるように適用されている溝を含む、先行項目のいずれか1項に記載のシールリングまたは複数のシールリング。
【0100】
項目44
前記溝は、前記タブの形状とほぼ同様の形状を有する、項目43に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0101】
項目45
前記タブは、三角形状断面を有する、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0102】
項目46
前記タブは、前記シールリングの円周に沿った断面で見て、第2の表面から角度が外れる第1の表面を含み、そして前記第1の表面は、前記シールリングの軸に対して傾けられる、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0103】
項目47
前記第1の表面は、少なくとも1°、例えば少なくとも2°、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも15°、少なくとも20°、少なくとも25°、少なくとも30°または更に少なくとも35°だけ、前記シールリングの前記軸から中心を外れる、項目46に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0104】
項目48
前記第1の表面は、前記シールリングの前記軸から、75°以下、例えば70°以下、65°以下、60°以下、55°以下、50°以下、45°以下または更に40°以下だけ中心を外れる、項目46および47のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0105】
項目49
前記シールリングは、静圧逃しポケットを更に含む、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0106】
項目50
前記静圧逃しポケットは、少なくとも部分的に前記シールリングの前記外部表面上に配置される、先行項目のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0107】
項目51
前記シールリングは、前記本体の前記内表面に沿って環状部材と連結するように適用されている、項目1、2および5から50のいずれか1項に記載のシールリングまたは複数のシールリング。
【0108】
項目52
前記シールリングは、第1のコンポーネントと第2のコンポーネントの間に配置されるように適応しておりる、そして、環状部材は、前記シールリングと前記第1のコンポーネントの間に配置される、項目1、2および5から50のいずれか1項に記載のシールリングまたは複数のシールリング。
【0109】
項目53
前記シールリングと前記第1のコンポーネントの間に配置される環状部材
を更に含む、項目3、6から8および13から50のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【0110】
項目54
前記環状部材は、インストールの前に測定される初期半径方向高さ、およびインストールの後測定される組立て済み半径方向高さを有し、そして、前記初期半径方向高さは、前記組立て済み半径方向高さより大きい、項目52および53のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0111】
項目55
前記環状部材は、圧縮の状態において作動するように適用されている、項目52から54のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0112】
項目56
前記環状部材は、半径方向に外向きの方向に前記シールリングをバイアスするように適用されている、項目52から55のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0113】
項目57
前記環状部材は、PTFE、PEEK、PIまたはPAIなどのポリマーを含む、項目52から56のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0114】
項目58
前記シールリングは、多角形、長方形、正方形、楕円形、卵形または円形の少なくとも1つから選択される断面形状を有する、項目52から57のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0115】
項目59
前記シールリングのシール効果は、前記環状部材を有する場合の動作において、前記環状部材無しの場合と比較してより高い、項目52から58のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0116】
項目60
前記環状部材は、前記シールリングのシール幅Wとは異なる幅を有する、項目52から59のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0117】
項目61
前記環状部材は、前記シールリングのシール幅Wに等しい幅を有する、項目52から59のいずれか1項に記載のシールリング、アセンブリまたは複数のシールリング。
【0118】
項目62
複数の積み重ねられたシールリングからシールリングを取り外すことであって、各シールリングは、逃し部分を画定してタブを含む本体を有し、各シールリングの前記タブは、前記本体の最深部表面を超えて、そして、前記本体の第1の側面を越えて広がる、前記取り外すことと、
プリアセンブリを形成するように第1のコンポーネントの周りに前記シールリングをインストールすることであって、前記タブは、前記第1のコンポーネントの逃し部分を少なくとも部分的に係合する、前記インストールすることと、
前記プリアセンブリを第2のコンポーネントの孔部に挿入することと
を含む、ロータリーシステムを使用する方法。
【0119】
項目63
前記シールリングと前記第1のコンポーネントの間に環状部材をインストールすることであって、前記環状部材は、半径方向に外向きの方向に前記シールリングをバイアスするように適用されている、前記インストールすること
を更に含む、項目62に記載の方法。
【0120】
項目64
内表面、外部表面および第1の側面を有する本体と、
前記本体から広がり、前記タブを受けているコンポーネントに対して前記シールリングの回転を防止するように適用されているタブであって、前記タブは前記第1の側面を越えて軸方向に広がり、そして、前記タブは前記シールリングの中心軸に対して傾けられる、前記タブと
を含むシールリング。
【0121】
上記の特徴の全てが必要とされるというわけではなく、一部の特定の特徴が必要とされないこともあり、そして、1つ以上の特徴が、記載されている特徴に加えて与えられ得ることに留意する。また更に、特徴が記載されている順序は、必ずしも、特徴がインストールされる順序であるというわけではない。
【0122】
特定の特徴は、明快にするために、別々の実施形態の文脈で本願明細書において記載されているが、単一の実施形態の組合せで提供することもできる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴は、別々に提供され、または、適切な部分的組み合わせとして提供されてもよい。
【0123】
課題に対する利点、他の長所およびソリューションは、特定の実施形態について記述されている。しかしながら、課題に対する利点、長所、ソリューション、および何らかの利点、長所またはソリューションを生じさせるかもしくは顕著にする特徴は、いずれかまたはすべての請求項の、重要であるか、必要であるか、または本質的特徴として解釈されるというわけではない。
【0124】
本願明細書において記載されている実施形態の仕様および説明図は、各種実施形態の構造の一般的な理解を目的としている。本仕様および説明図は、本願明細書において記載されている構造または方法を使用する装置およびシステムの、全ての要素および特徴の徹底的および総合的な記述として役割を果たすことを、目的としない。別々の実施形態は単一の実施形態の組合せで提供することもでき、そして、逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている各種の特徴は、別々に、または任意の部分的組み合わせで提供することもできる。更に、範囲の形で述べられる値の参照は、その範囲の中のどの値も全て含み、参照される範囲端の値を含む。多くの他の実施形態は、この仕様を読み込んだ後にだけ、当業者にとって明らかになり得る。他の実施形態は、構造的な置換、論理的な置換またはいかなる変更も、本開示の範囲を逸脱しないで行うことができるように、本開示を用いて導くことができる。従って、本開示は、制限的であるというよりはむしろ例証的と考えるべきである。
図1
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