特許第6559914号(P6559914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559914眼瞼衛生を維持するための組成物、キット及び方法
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  • 特許6559914-眼瞼衛生を維持するための組成物、キット及び方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559914
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】眼瞼衛生を維持するための組成物、キット及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/609 20060101AFI20190805BHJP
   A61K 31/785 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20190805BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20190805BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190805BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190805BHJP
   A61P 27/04 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   A61K31/609
   A61K31/785
   A61K47/18
   A61K47/14
   A61K47/26
   A61K47/10
   A61K9/70
   A61P31/04
   A61P27/02
   A61P29/00
   A61P27/04
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-562174(P2018-562174)
(86)(22)【出願日】2016年4月4日
(65)【公表番号】特表2019-510811(P2019-510811A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】US2016025908
(87)【国際公開番号】WO2017176246
(87)【国際公開日】20171012
【審査請求日】2018年11月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516011671
【氏名又は名称】オキュソフト インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OCuSOFT,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】アドキンス、ナット ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】バラット、シンシア
【審査官】 古閑 一実
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−509220(JP,A)
【文献】 特表2001−516348(JP,A)
【文献】 特表2002−539110(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0196590(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 8/00− 8/99
A61P 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌感染症を治療するための眼科用組成物において、
(a)少なくとも7つの細菌株を実質的に減少させる抗菌剤の混合物であって、前記抗菌剤の混合物はポリアミノプロピルビグアニド、1,2−グリコール及びスフィンゴイド脂質を含んでなり、前記スフィンゴイド脂質はサリチロイルフィトスフィンゴシンである、前記混合物と、
(b)前記眼科用組成物を5.5〜7.5のpH範囲に保持するためのブレンドした界面活性剤溶液であって、前記ブレンドした界面活性剤溶液は起泡力を有する、ブレンドした界面活性剤溶液と、
(c)気泡安定剤と、
(d)保湿剤と
を含有する、眼科用組成物。
【請求項2】
前記スフィンゴイド脂質は抗炎症剤である、請求項1に記載の眼科用組成物。
【請求項3】
前記サリチロイルフィトスフィンゴシンは、前記組成物の総重量に対して0.01〜1重量%の範囲の濃度で存在する、請求項1に記載の眼科用組成物。
【請求項4】
前記ブレンドした界面活性剤溶液は本質的に、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウリン酸PEG−80ソルビタン及びデシルグルコシドを含んでなる、請求項1に記載の眼科用組成物。
【請求項5】
前記保湿剤は、メチルグルセス−20、ソルビタール、グリセリン、プロピレングリコール、パンテノール、D−パンテノール及びD,L−パンテノールならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の眼科用組成物。
【請求項6】
前記気泡安定剤は、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースを含んでなる、請求項1に記載の眼科用組成物。
【請求項7】
前記1,2−グリコールは、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の眼科用組成物。
【請求項8】
眼科用組成物を予め含浸させた布パッドを備えた眼瞼洗浄アプリケータにおいて、前記眼科用組成物は、
(a)ポリアミノプロピルビグアニド、1,2−グリコール及びスフィンゴイド脂質を含んでなり、前記スフィンゴイド脂質はサリチロイルフィトスフィンゴシンである、抗菌剤の混合物と、
(b)前記眼科用組成物を5.5〜7.5のpH範囲に保持するためのブレンドした界面活性剤溶液と、
(c)保湿剤とを含有する、眼瞼洗浄アプリケータ。
【請求項9】
前記眼科用組成物は、水、ラウリン酸PEG−80ソルビタン、メチルグルセス−20、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース、サリチロイルフィトスフィンゴシン、デシルグルコシド、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、パンテノール、ポリアミノプロピルビグアニド、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化カルシウムから本質的になる、請求項8に記載の眼瞼洗浄アプリケータ。
【請求項10】
前記眼科用組成物は気泡安定剤をさらに含有する、請求項8に記載の眼瞼洗浄アプリケータ。
【請求項11】
前記眼科用組成物を予め含浸させた布パッドはシール可能な容器に個別包装される、請求項8に記載の眼瞼洗浄アプリケータ。
【請求項12】
眼瞼衛生を維持するためのキットにおいて、
(a)眼科用組成物であって、
(i)少なくとも7つの細菌株を実質的に減少させる抗菌剤の混合物であって、前記抗菌剤の混合物はポリアミノプロピルビグアニド、1,2−グリコール及びスフィンゴイド脂質を含んでなり、前記スフィンゴイド脂質はサリチロイルフィトスフィンゴシンである、前記抗菌剤の混合物と、
(ii)前記眼科用組成物を5.5〜7.5のpH範囲に保持するためのブレンドした界面活性剤溶液であって、前記ブレンドした界面活性剤溶液は起泡力を有する、ブレンドした界面活性剤溶液と、
(iii)気泡安定剤と、
(iv)保湿剤とを含有する、眼科用組成物と、
(b)前記眼科用組成物を入れるための薬学的に許容される容器と、
(c)前記眼科用組成物を眼瞼に投与するためのアプリケータと
から本質的になる、キット。
【請求項13】
記眼科用組成物を入れるための容器は、前記眼科用組成物を予備発泡フォームとして収容し、送達すべく形成されているポンプディスペンサである、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
前記眼科用組成物は第1の眼科用組成物であり、水及び0.02%の次亜塩素酸から本質的になる第2の眼科用組成物をさらに有する、請求項12に記載のキット。
【請求項15】
前記第2の眼科用組成物をゲル又はスプレー剤の形態で収容し、及び計量分配するためのさらなる薬学的に許容される容器を備える、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
アプリケータが前記第1又は第2の眼科用組成物を塗布するための複数の乾燥した布パッドである、請求項15に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼瞼衛生を維持するための組成物、キット及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼の健康とは、眼のほか、眼と関連する構造物、たとえば眼瞼をいう。眼瞼は、近づいてくる物体などの危険物、又は花粉、塵粒子もしくは他の異物などの空中浮遊汚染物質から眼を保護するため、眼の健康一般において重要である。眼瞼は、健康な眼にとって決定的に重要な涙膜の層を形成するために不可欠な腺、すなわち涙腺及びマイボーム腺を有する。個体がまばたきするとき、新しい涙膜がつくられ、涙が角膜全体に分布して眼の表面を滑らかにする。このまばたき動作はさらに、眼から異質なものを「洗い流す」。
【0003】
しかしながら、眼瞼は、非常に一般的ではありながら、それでも特にコンタクトレンズ着用者にとって厄介であり、かつ他のより重篤な合併症につながることがある、いくつかの問題を生じやすい。合併症の1つは、眼瞼炎である。眼瞼炎は、瞼縁上の鱗状痂皮を特徴とする眼瞼の一般的な慢性炎症である。この状態は、細菌感染症により引き起こされることがあり、又はアレルギーが原因であることも、顔及び頭皮の脂漏症と関連していることもある。処置は通常、問題になり得る余分な油、老廃物及び剥離皮膚を除去するため、定期的に眼瞼を洗浄することを含む。
【0004】
眼瞼炎に併発又は続発することが多いものに、内麦粒腫として知られる瞼辺縁の皮膚表面の細菌感染症がある。他のそのような感染症は、一般に麦粒腫(眼瞼辺縁に沿った微小な油分泌性のマイボーム腺の感染症である)と呼ばれる、睫毛周辺の外麦粒腫を含む。麦粒腫は、赤い圧痛のある腫脹で始まり、通常3日以内に十分に進行する。そのような状態は、眼瞼(又は瞼)縁の痛み、発赤及び圧痛を伴う。麦粒腫は、多くの場合、再発するが、眼瞼縁の定期的な洗浄により、そのような状態を最小限に抑えることができる。第2の問題は、眼瞼の内側のマイボーム腺の炎症である霰粒腫である。霰粒腫は典型的には2〜3週にわたりゆっくり成長し、典型的には痛みがないが、未処置で放置した場合、外科的介入が必要となることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の問題のいずれか、さらには酒さ及び脂漏症などの他の内科的合併症に対して、眼瞼洗浄剤を用いた適切な眼瞼衛生は、発生の重症度を最小限に抑えるか、又は早期に発見すれば問題を完全に予防することができる。眼瞼洗浄剤はまた、睫毛、眼瞼もしくは眼周囲部の清浄に使用してもよく、患者に感染症、炎症又はさらには眼内炎を引き起こすことがある有害な細菌の存在の減少を手助けするため術前スクラブとして使用してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、防腐剤ブレンドであって、ポリアミノプロピルビグアニド、1,2−グリコール及びスフィンゴイド脂質の混合物から本質的になる防腐剤ブレンド;界面活性剤溶液;及び保湿剤を含む第1の眼科用組成物を対象とする。1,2−グリコールは、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール及びそれらの混合物からなる群から選択してもよい。スフィンゴイド脂質は、サリチロイルフィトスフィンゴシンを含む。一態様では、サリチロイルフィトスフィンゴシンは、組成物の総重量に対して0.01〜1重量%の範囲の濃度で存在する。
【0007】
界面活性剤溶液は、非イオン界面活性剤と両性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤の少なくとも1つとの水性混合物を含む。界面活性剤溶液は、水、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウリン酸PEG−80ソルビタン及びデシルグルコシドから本質的になる。保湿剤は、メチルグルセス−20、ソルビタール、グリセリン、プロピレングリコール、パンテノール、D−パンテノール及びD,L−パンテノールならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0008】
第1の眼科用組成物は、フォームを含む。一実施形態では、第1の眼科用組成物は、予備発泡フォームとして計量分配してもよい。第1の眼科用組成物は、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースなどの気泡安定剤をさらに含む。
【0009】
1つの特定の実施形態では、第1の眼科用組成物は、水、ラウリン酸PEG−80ソルビタン、メチルグルセス−20、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース、サリチロイルフィトスフィンゴシン、デシルグルコシド、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、パンテノール、ポリアミノプロピルビグアニド、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化カルシウムから本質的になる。
【0010】
別の実施形態では、本出願は、眼瞼衛生を維持するための方法を対象とする。本方法は、第1の眼科用組成物で眼瞼を洗浄する工程、及び洗い落とさずに眼瞼上で第1の眼科用組成物を放置する工程を備える。
【0011】
なお別の実施形態では、本出願は、眼状態を処置するための方法を対象とする。眼状態は、眼瞼炎、ニキビダニ(Demodex)もしくは他の細菌感染症、炎症又はさらには眼瞼の創傷もしくは傷害を含んでもよい。処置のための方法は、第1の眼科用組成物で眼瞼を洗浄すること;及び洗い落とさずに眼瞼上で第1の眼科用組成物を放置することを含む。本方法は、治療有効量の第2の眼科用組成物を眼瞼の縁に適用することをさらに含む。第2の眼科用組成物は、水及び次亜塩素酸から本質的になる。特定の実施形態では、第2の眼科用組成物は、≧99重量%の水及び≦0.02重量%の次亜塩素酸から本質的になる。第2の眼科用組成物は、水性ゲル又はスプレー剤であってもよい。第1及び第2の眼科用組成物を含むこの併用療法は、炎症及び長期の眼瞼衛生に対応しながら、眼瞼の創傷治癒を促進することができる。
【0012】
なお別の実施形態では、眼瞼衛生を維持するためのキットは、第1の眼科用組成物であって、水、ラウリン酸PEG−80ソルビタン、メチルグルセス−20、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース、サリチロイルフィトスフィンゴシン、デシルグルコシド、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、パンテノール、ポリアミノプロピルビグアニド、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化カルシウムから本質的になる第1の眼科用組成物;第1の眼科用組成物を入れて計量分配するための薬学的に許容される容器;及び第1の眼科用組成物を眼瞼に適用するためのアプリケータから本質的になる。第1の眼科用組成物は、25ml〜100mlの体積を有してもよい。特定の態様では、第1の眼科用組成物は、50mlの体積を有してもよい。一態様では、アプリケータは、複数の布パッドを含む。特定の態様では、キットは、第1の組成物の50mlビン及び繊維屑の出ない乾燥布パッド100個から本質的になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態によるキットを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書は、本発明を特に指摘し、かつ明白に特許請求する請求項により完結するが、本発明は、以下の記載から理解が深まるであろうと考えられる。本明細書に使用したパーセンテージ及び比率はすべて、全組成物の重量による。本発明は、本発明の要素のほか、本明細書に記載の他の成分又はエレメントを含んでもよく、それらから本質的になってもよい。本明細書で使用する場合、「を含む(comprising)」は、記載されたエレメント又はそれらの等価物、さらに記載されていない他の任意のエレメントを意味する。「を有する(having)」、「を含む(including)」及び「からなる(comprised of)」という用語も、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、非限定的と解釈される。本明細書で使用する場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、本発明が、特許請求の範囲に記載された成分のほかに成分を含んでもよいことを意味するが、追加の成分が、特許請求の範囲に記載されている発明の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合に限る。一般に、そのような添加物は、まったく存在しなくてもよく、微量のみ存在してもよい。しかしながら、組成物の有用性(有用性の程度ではない)が維持される限り、本発明の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させ得る材料を最大約10重量%含むことが可能である場合がある。
【0015】
本明細書に記載する範囲はすべて、2つの値「の間の」範囲を記載する範囲を含め、端点を含む。「約」、「一般に」、「実質的に」及び同種のものなどの用語は、ある用語又は値が絶対的なものでないように、それを修飾するものと解釈されるものとする。そのような用語は、当業者がそれらの用語を理解するように、状況とそれらが修飾する用語とにより規定される。これには、最低でも、値の測定に使用される所与の技術に対して、予想される実験誤差、技術的誤差及び器差の程度が含まれる。
【0016】
本明細書で使用する場合、組成物の「有効量」という用語は、所望の生物学的反応を惹起するのに十分な量をいう。いくつかの実施形態では、組成物の治療有効量は、疾患、障害及び/もしくは状態に罹患している又は罹患しやすい被検体に投与されたとき、疾患、障害及び/又は状態の1つもしくは複数の症状の発症を処置する、診断する、予防する及び/又は遅延させるのに十分な量である。そして当業者であれば理解するように、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、患者等のような要因によって異なってもよい。たとえば、疾患、障害及び/又は状態を処置するための組成物及び/又は配合物の有効量は、疾患、障害及び/又は状態の1つもしくは複数の症状又は特徴を緩和する、寛解させる、軽減する、抑制する、予防する、それらの発症を遅延させる、それらの重症度を低下させる及び/又はそれらの発生率を低下させる量である。
【0017】
実施形態によれば、第1の眼科用組成物は、日常の眼瞼衛生管理計画用に構成される。したがって、第1の眼科用組成物は、非刺激性のリーブオン眼瞼洗浄剤として配合される。第1の眼科用組成物は、抗菌性及び抗炎症性の両方を含む。それは、眼瞼の創傷治癒にも役立ち得る。第1の眼科用組成物は、局所適用に好適である。局所適用は、眼瞼への美容的及び/又は皮下科学的適用を含むものと理解される。本配合物は、大部分の眼瞼状態の源だけでなく、その結果生じる症状の処置にも使用することができ、患者のコンプライアンスの向上につながる。第1の眼科用組成物は、眼瞼によく見られる複数の異なる細菌株を効率的に根絶するように配合される。たとえば、第1の眼科用組成物は、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA:methicillin resistant Staphylococcus aureus)及びスタフィロコッカス・エピデルミデス(Staph epi:Staphylococcus epidermidis)を含む少なくとも7つの異なる細菌株を根絶することができる。第1の眼科用組成物は、油、老廃物、花粉及び他の汚染物質を除去することにより、刺激を治療的に軽減するように配合される。第1の眼科用組成物はさらに、症状の長期的軽減のため抗炎症性も付け加えてある。
【0018】
一実施形態では、第1の眼科用組成物は、防腐剤ブレンドと界面活性剤溶液と保湿剤との混合物を含む。防腐剤ブレンドは、抗菌剤と1,2−グリコール化合物との混合物を含む。抗菌剤は、細菌、酵母及び真菌などの微生物を処置することができる。一態様では、抗菌剤は、ポリアミノプロピルビグアニド及びスフィンゴイド脂質からなる。
【0019】
本発明においては、ポリアミノプロピルビグアニドは、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド及びポリヘキサメチレンビグアニドヒドロクロリドと呼ばれるものである。スフィンゴイド脂質は、抗炎症剤及び抗刺激剤、たとえば、フィトスフィンゴシン(PSG:phytosphingosine)又はその誘導体を含む。「抗菌薬」という用語は、本明細書で使用する場合、眼瞼などの身体部分のヒリヒリ感、荒れ又は炎症を予防又は低減させる薬である。特定の態様では、第1の眼科用組成物は、サリチル酸でエステル化されているPSGを含む。PSGは、脂質ファミリーの一部である天然化学物質である。PSGは、1日を通して保湿を高めるため、外表皮の天然脂質層を模倣した水結合剤である。PSGは、抗発赤性及び皮膚引き締め性を有し、微生物を阻害することができる。有利には、PSGは、抗菌性及び創傷治癒性の両方を有し、0.1%という低濃度で抗炎症薬として作用する。一態様では、第1の眼科用組成物は、全配合物に対していずれの場合も0.05重量%〜1重量%サリチロイルPSGを、好ましくは、0.2%サリチロイルPSGを含む。1,2−グリコール化合物は、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール及びペンチレングリコールを含んでもよい。カプリリルグリコールは、1,2−オクタンジオールとも呼ばれる。
【0020】
非イオン界面活性剤の組み合わせと両性又はアニオン性界面活性剤の少なくとも1つとの水性混合物を含む界面活性剤溶液。好適な両性界面活性剤として、以下に限定されるものではないが、アルキルジメチルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルホベタイン及びイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤として、以下に限定されるものではないが、脂肪アルコールスルフェート、アルファオレインスルホネート、スルホスクシネート、サルコシネート、リン酸エステル及びカルボキシレートが挙げられる。好適な非イオン界面活性剤として、以下に限定されるものではないが、アルカノールアミド、エトキシレートアミド、エステル、アイキシル化(aixylated )アルコール、アルキルポリグルコシド、アミンオキシド、ソルビタンエステル及びエトキシレートが挙げられる。
【0021】
ポリアミノプロピルビグアニドは、抗菌剤として5.5〜7.5のpH範囲で最も効果的である。したがって、界面活性剤のブレンドの使用により、第1の眼科用組成物のpHレベルをこの範囲内に制御すると望ましい。第1の眼科用組成物は、眼瞼の物理的洗浄を促進するため、起泡力を有することも望ましい。したがって、第1の眼科用組成物のpHをポリアミノプロピルビグアニドの有効範囲内に制御すると同時に、眼瞼を物理的に清浄にするのに必要な起泡力を与える界面活性剤を選択しなければならない。
【0022】
有利には、第1の眼科用組成物は、眼を刺激し得る伝統的なpH調整剤を含まない。一般に、界面活性剤は、伝統的なpH調整剤より眼に対する刺激が少ない。伝統的なpH調整剤の例として、塩基性pH調整剤、たとえばアンモニア、モノ−、ジ−及びトリ−アルキルアミン、モノ−、ジ−及びトリ−アルカノールアミン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物(たとえば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、モノエタノールアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン)と、酸性pH調整剤、たとえば鉱酸及びポリカルボン酸(たとえば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、クエン酸、グリコール酸及び乳酸)とが挙げられる。
【0023】
一実施形態では、界面活性剤溶液は、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウリン酸PEG−80ソルビタン及びデシルグルコシドを含む。ココアンホジ酢酸二ナトリウムは、両性界面活性剤である。ラウリン酸PEG−80ソルビタン及びデシルグルコシドは共に、非イオン界面活性剤である。界面活性剤は、刺激を低下させることができ、第1の眼科用組成物の洗浄能力を高めて、起泡能力を与えることができる。フォームは、最適な洗浄能力及び予防能力を有すると考えられる。
【0024】
界面活性剤の組み合わせは、修正リンゲル液に加える。本発明においては、修正リンゲル液は、生理的にヒト組織との適合性がある電解質の等張水溶液である。一実施形態では、修正リンゲル液は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び水を含む。界面活性剤溶液に修正リンゲル液を含めて、組成物が浸透により眼瞼から水を除去しないようにする。修正リンゲル液は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び水を含む。好ましくは、使用する水は、精製水である。修正リンゲル液はさらに、0.05〜1.2wt.%塩化ナトリウム、0.005〜0.5wt.%塩化カリウム、0.005〜0.5wt.%塩化カルシウム及び水を含んでもよい。さらに別の実施形態では、修正リンゲル液は、約0.7wt.%塩化ナトリウム、約0.03wt.%塩化カリウム、約0.033wt.%塩化カルシウム及び精製水を含む。
【0025】
保湿剤は、経皮水分蒸散量を防ぎ、皮膚に水分を回復させる化学物質である。保湿剤は、皮膚を覆う薄膜を形成して水の皮膚からの蒸発を防ぐことにより水の喪失を防いでもよい。あるいは、保湿剤は、大気から皮膚に水を引き寄せる含水分子を含む。一実施形態では、第1の眼科用組成物は、好適な保湿剤、たとえば、以下に限定されるものではないが、メチルグルセス−20、ソルビタール、グリセリン、プロピレングリコール、カルボキシレート、アミノ酸、グルコシド誘導体、尿素、ラクテート及びパントテン酸の誘導体を含む。パントテン酸の誘導体の例として、パンテノール、D−パンテノール及びD,L−パンテノールが挙げられる。
【0026】
実施形態では、第1の眼科用組成物は、気泡安定剤をさらに含む。気泡安定剤は、フォームの寿命を長くする化学物質である。気泡安定剤は、メチルグルコース及び脂肪酸のポリエチレングリコールジエステルであってもよい。好適な脂肪酸は、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、カプリル酸及びカプリン酸を含む。好適には、気泡安定剤は、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコースである。
【0027】
第1の眼科用組成物の特定の実施形態は、水、ラウリン酸PEG−80ソルビタン、メチルグルセス−20、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース、サリチロイルフィトスフィンゴシン、デシルグルコシド、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、パンテノール、ポリアミノプロピルビグアニド、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化カルシウムから本質的になる。この実施形態で選択された成分は特に、配合物が抗菌能力、抗炎症能力及び創傷治癒能力を有するようにする。
【0028】
第1の眼科用組成物は、抗菌作用を有するためスクラブとして効果的であるが、それでも実際には眼に非刺激性である。第1の眼科用配合物は、ポリアミノプロピルビグアニド、1,2−グリコール化合物及びスフィンゴイド脂質の組み合わせであるため、これらの有益な特徴を有する。有利には、本配合物は、亜鉛又は亜鉛塩などの収斂薬を含まない。亜鉛塩の例として、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酪酸亜鉛及びステアリン酸亜鉛が挙げられる。
【0029】
実施形態によれば、眼瞼を洗浄する方法は、本明細書に開示された第1の眼科用組成物を用意することを含む。本方法は、有効量の配合物で眼瞼を洗浄することをさらに含む。第1の眼科用組成物は、洗浄後洗い落とさずに眼瞼上に残存させてもよい。これは、第1の眼科用組成物が、眼瞼上に放置するのに十分刺激性が少ないように配合されるためである。第1の眼科用組成物を洗い落とすことなく眼瞼上に放置できることにより、配合物の抗菌作用が高まる。一般に、第1の眼瞼組成物のような抗菌組成物を病原体に長く接触させるほど、抗菌組成物は、より多くの病原体を殺す。
【0030】
眼瞼を洗浄する方法の別の態様では、第1の眼科用組成物は、アプリケータから眼瞼に適用される。アプリケータは、レーヨンパッド又はレーヨン及びポリプロピレンの混紡布などの実質的に繊維屑の出ない乾燥布パッドであってもよい。布パッドは、浮き模様のある表面を含んでもよい。第1の眼科用組成物は、布パッドで眼瞼に擦り込んで起泡を引き起こして、配合物の洗浄力を補助してもよい。一実施形態では、第1の眼科用組成物は、布パッドと組み合わせて眼瞼を洗浄するための器具を形成してもよい。なお別の実施形態では、眼瞼洗浄器具は、第1の眼科用組成物で予め湿らせた布パッドを含む。
【0031】
別の実施形態では、図1に示すように、眼瞼洗浄キット100は、薬学的に許容される容器/計量分配装置110を含む。容器110内には所定量の第1の眼科用組成物が含まれている。キットは、アプリケータ120をさらに含む。
【0032】
容器110は、当該技術分野において公知のポンプディスペンサであってもよい。容器110は、組成物の損失を防ぐため、外部の物理的又は機械的作用を必要とせずに第1の眼科用組成物を予備発泡フォームとして送達するように構成することができる。便宜上及び経済上、容器110は、約25ml〜100mlの第1の眼科用組成物を含むように構成してもよい。好ましくは、容器110は、約50mlの第1の眼科用組成物を含むように構成してもよい。
【0033】
アプリケータ120は、第1の眼科用組成物を受けるように構成される。一態様では、アプリケータ120は、1つ又は複数の吸収パッドを含む。パッド120は、レーヨン又は第1の眼科用組成物を受けることができる別の好適な材料などの繊維屑の出ない布を含む。パッド120は、単回用の使い捨てパッドであってもよい。眼瞼洗浄キット100は、1〜100個のパッド120を含んでもよい。一実施形態では、1つ又は複数のパッド120は、シール可能な容器130内に入れられていてもよい。一態様では、シール可能な容器130は、箱又はパッケージを含んでもよい。パッケージは、プラスチック又は金属箔材料を含む任意の好適な材料でつくられていてもよい。ポンプディスペンサ110はさらに、好適なハウジング(図示せず)に収容されていてもよい。別の態様では、アプリケータ120は、1つ又は複数の綿棒(図示せず)を含む。本発明の別の態様では、ペーパータオル、コットンボール又はさらには指先を利用して、眼瞼に第1の眼科用組成物を適用してもよい。
【0034】
別の実施形態では、キットは、第1の眼科用組成物で予め湿らせた複数の布パッドから本質的になる。ウェットタイプの布パッドは、使用に備えて個々に包装されていてもよい。
【0035】
眼瞼炎は、眼瞼に発赤、ヒリヒリ、痒みを引き起こす眼瞼の炎症、及び睫毛上のフケのような隣屑の形成、を特徴とする一般的な眼障害である。眼瞼炎は、細菌又は頭皮のフケもしくは酒さ性座瘡などの皮膚状態、により引き起こされることがある。前部眼瞼炎は、睫毛が付いている眼瞼の外側先端に起こる。前部眼瞼炎の根本原因は、油の過剰産生である。第1の眼科用配合物は、すべての眼瞼炎状態において日常使用に効果的である。しかしながら、最も重度の状態では、第1の眼科用配合物は、次亜塩素酸を含む第2の眼科用配合物と組み合わせて使用して、前部眼瞼炎の重症例を最適に処置してもよい。
【0036】
実施形態によれば、眼状態(たとえば、眼瞼炎、ニキビダニ(Demodex)侵入又は他の感染症)を処置する方法は、有効量の第1の眼科用組成物で眼瞼を洗浄することを含む。これに続いて、有効量の第2の眼科用組成物を適用する。第2の眼科用組成物は、清潔な指で又は好適なアプリケータを用いて眼瞼縁に適用してもよい。第2の眼科用組成物はさらに、洗い落とさずに放置させてもよい。実施形態によれば、第2の眼科用組成物は、水性ゲル又はスプレー剤である。第2の眼科用組成物は、≧99%の水及び≦0.02%の次亜塩素酸から本質的になる。第2の眼科用配合物は、界面活性剤を含まなくてもよい。
【0037】
第2の眼科用組成物は次亜塩素酸を含むが、界面活性剤を含まないため、最適には油、老廃物及び剥離皮膚を溶解及び除去できなくてもよい。したがって、眼瞼刺激と関連することが多い油、隣屑及び老廃物を除去清浄化するには、第1及び第2の眼科用組成物を含む併用療法が効果的であり得る。この併用療法は、炎症及び長期の眼瞼衛生に対応する一方、微生物に対して即効性があり、眼瞼の創傷治癒を促進する。
【0038】
別の実施形態では、眼状態を処置するキットは、1)予備発泡フォームとしての第1の眼科用組成物を入れて計量分配するための薬学的に許容される第1の容器;及び2)ゲル又はスプレー剤形態の第2の眼科用組成物を入れて計量分配するための第2の薬学的に許容される容器から本質的になる。なお別の実施形態では、眼状態を処置するためのキットは、1)予備発泡フォームとしての第1の眼科用組成物を入れて計量分配するための薬学的に許容される第1の容器;2)ゲルとしての第2の眼科用組成物を入れて計量分配するための第2の薬学的に許容される容器;及び3)スプレー剤としての第2の眼科用組成物を入れて計量分配するための第3の薬学的に許容される容器から本質的になる。各々のキットは、有効量の第1及び/又は第2の眼科用組成物を受けるため、複数の前述の乾燥布パッドをさらに含んでもよい。
試験結果
本発明の第1の眼科用組成物は、抗菌作用を有し、他の抗菌組成物より刺激が低レベルである。本発明の組成物の特徴を確認するため、組成物の刺激及び抗菌作用の両方を試験した。9匹の白色ウサギ各々の片眼に試験材料を滴下し、3眼は洗い落とさず、3眼は曝露後3〜4秒に洗い落とし、3眼は30秒の接触期間後に洗い落とした。ウサギの眼にサンプルを滴下して洗い落とさないと、眼刺激は軽微であった。平均最高刺激スコアは、1時間の観察で3.33/110.0、すべての刺激は、48時間の観察までになくなった。ウサギの眼にサンプルを滴下して4秒で洗い落とすと、眼刺激は軽微であった。平均最高刺激スコアは、1時間の観察で4.0/110.0であり、すべての刺激は、48時間の観察までになくなった。ウサギの眼にサンプルを滴下して30秒で洗い落とすと、眼刺激は軽微であった。平均最高刺激スコアは、1時間の観察で4.01/110.0であり、すべての刺激は、48時間の観察までになくなった。試験の結果に基づくと、本材料は、洗い落とさない眼と洗い落とした眼を問わず、眼刺激物ではないと考えられよう。
【0039】
もう1つの試験は、イン−ビトロタイムキル(In−Vitro Time−Kill)法を使用して、7つの細菌種の懸濁液を負荷したときの、0.2%サリチロイルPSGを含む第1の眼科用組成物と、0.02%次亜塩素酸を含む第2の眼科用組成物(ゲル及びスプレー剤形態の両方の)との抗菌特性を評価した。本手順は、ASTM E2783−11、「タイムキル手順を用いて水混和性化合物の抗菌活性を評価するための標準的な試験方法(Standard Test Method for Assessment of Antimicrobial Activity for Water Miscible Compounds Using a Time−Kill Procedure)」に記載された方法に基づいた。連邦規則集第21巻第58条(21 CFR Part 58)に規定された優良試験所基準(Good Laboratory Practices)に準拠して全試験を行った。第1の眼科用組成物は、60分及び120分曝露後に、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)及びスタフィロコッカス・エピデルミデス(Staphylococcus epidermidis)の細菌群を6.0Log10超減少させることが分かった。シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)MRSAの細菌群は、第1の眼科用組成物に60分曝露後に2.0Log10超減少し、120分曝露後に3.0Log10超減少した。さらに、第2の眼科用組成物は、7日後、14日後、21日後及び30日後1分間の曝露を含む、1分の生成物曝露後に、これらすべての微生物の細菌群を4.9Log10超減少させることが分かった。この減少は、60及び120分後に維持された又は増大した。
【0040】
本発明の範囲又は精神を逸脱することなく、本発明において様々な修正及び変形をなし得ることが当業者に明らかにあるであろう。本明細書の検討及び本明細書に開示された本発明の実施から、本発明の他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。本明細書及び例は、例示にとどまるものと見なされることを意図している。
図1