特許第6559929号(P6559929)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6559929-空調機用フィルタの清掃方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559929
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】空調機用フィルタの清掃方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/00 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   B08B5/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-83778(P2014-83778)
(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-202464(P2015-202464A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年9月28日
【審判番号】不服2018-8062(P2018-8062/J1)
【審判請求日】2018年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 眞二
【合議体】
【審判長】 佐々木 芳枝
【審判官】 柿崎 拓
【審判官】 上田 真誠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−106618(JP,U)
【文献】 特開平8−49912(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3130521(JP,U)
【文献】 特開平7−91884(JP,A)
【文献】 特開2001−170432(JP,A)
【文献】 実開平1−84718(JP,U)
【文献】 特開2010−2070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/00
B01D46/00-46/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃装置の本体の内部において前記清掃装置の吸込部と吐出部とを結ぶ直線上で汚れ面としての第1フィルタ面とは反対側の面として前記第1フィルタ面の目よりも細かく形成された目を有した第2フィルタ面を有した清掃対象の空調機用フィルタの汚れ面が前記清掃装置の吸込部の側に向いており、前記清掃対象の空調機用フィルタよりも前記清掃装置の吸込部の側において前記清掃対象の空調機用フィルタと同種の不要となった空調機用フィルタの第2フィルタ面が前記清掃対象の空調機用フィルタの汚れ面の側に向いた状態において、前記清掃装置の吐出部から吐き出された空気の流れにより前記清掃対象の空調機用フィルタの汚れ面から剥がれた異物前記清掃装置の吸込部により吸い込まれる空気とともに前記清掃装置の吸込部の側へ移動させる移動工程と、
前記移動工程の後、当該空気から前記不要となった空調機用フィルタの第2フィルタ面において当該異物を取り除く除去工程と、
を備えた空調機用フィルタの清掃方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空調機用フィルタの清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、空調機用フィルタの清掃装置が記載されている。当該清掃装置によれば、空調機用フィルタに付着した異物を水で洗い流すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−152714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、空調機用フィルタを乾かす必要がある。このため、空調機用フィルタを清掃する際の作業時間が長くなる。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、空調機用フィルタを清掃する際の作業時間を短くすることができる空調機用フィルタの清掃方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る空調機用フィルタの清掃方法は、清掃装置の本体の内部において前記清掃装置の吸込部と吐出部とを結ぶ直線上で汚れ面としての第1フィルタ面とは反対側の面として前記第1フィルタ面の目よりも細かく形成された目を有した第2フィルタ面を有した清掃対象の空調機用フィルタの汚れ面が前記清掃装置の吸込部の側に向いており、前記清掃対象の空調機用フィルタよりも前記清掃装置の吸込部の側において前記清掃対象の空調機用フィルタと同種の不要となった空調機用フィルタの第2フィルタ面が前記清掃対象の空調機用フィルタの側を向いた状態において、前記清掃装置の吐出部から吐き出された空気の流れにより前記清掃対象の空調機用フィルタの汚れ面から剥がれた異物前記清掃装置の吸込部により吸い込まれる空気とともに前記清掃装置の吸込部の側へ移動させる移動工程と、前記移動工程の後、当該空気から前記不要となった空調機用フィルタの第2フィルタ面において当該異物を取り除く除去工程と、を備えた
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、異物は、吐出部から吐き出された空気の流れにより空調機用フィルタの汚れ面から剥がれる。当該異物は、除去フィルタにより取り除かれる。このため、空調機用フィルタを清掃する際の作業時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1における空調機用フィルタの清掃装置を用いて空調機用フィルタを清掃する際の模式図である。
図2】この発明の実施の形態2における空調機用フィルタの清掃装置を用いて空調機用フィルタを清掃する際の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における空調機用フィルタの清掃装置を用いて空調機用フィルタを清掃する際の模式図である。
【0011】
図1において、空調機用フィルタ1は、板状に形成される。空調機用フィルタ1の一面は、第1フィルタ面からなる。空調機用フィルタ1の他面は、第2フィルタ面からなる。第2フィルタ面の目は、第1フィルタ面の目よりも細かく形成される。
【0012】
空調機用フィルタ1は、第1フィルタ面を下方にして空調機に取り付けられる。例えば、空調機は、オフィスビル等の天井に設けられる。
【0013】
空調機が動作した場合、空気は、第1フィルタ面から吸い込まれる。この際、空気中の異物は、第1フィルタ面に付着する。その結果、第1フィルタ面は、汚れ面となる。異物が第1フィルタ面に溜まった場合、空調機用フィルタ1は、清掃装置2を用いて清掃される。
【0014】
清掃装置2は、本体3とファン4とエアポンプ5とホース6と中性能フィルタ7とを備える。
【0015】
本体3は、収納部を備える。収容部は、本体3の一側に形成される。ファン4は、本体3の他側に設けられる。ファン4は、吸込口を備える。吸込口は、本体3の収納部の側を向く。ファン4は、吐出口を備える。吐出口は、本体3の収納部とは反対の側を向く。エアポンプ5は、ファン4の上方において本体3の上部に設けられる。ホース6の後端部は、エアポンプ5の出力部に接続される。中性能フィルタ7は、除去フィルタとして本体3に設けられる。中性能フィルタ7は、収納部とファン4との間に設けられる。中性能フィルタ7は、ファン4の吸込口に設けられる。中性能フィルタ7は、本体3に対して着脱し得るように設けられる。中性能フィルタ7の目は、第2フィルタ面の目と同等に細かく形成される。
【0016】
空調機用フィルタ1の清掃時において、作業者は、本体3の収納部に空調機用フィルタ1を収納する。この際、空調機用フィルタ1の汚れ面は、中性能フィルタ7の側に向けられる。
【0017】
その後、作業者は、ファン4を動作させる。その結果、ファン4の吸込口は、空気を吸い込む吸込部として機能する。具体的には、ファン4の吸込口は、高い圧力で空気を吸い込む。
【0018】
その後、作業者は、エアポンプ5を動作させる。エアポンプ5は、加圧した大量の空気をホース6に送る。ホース6の先端部は、空気を吐き出す吐出部として機能する。具体的には、ホース6の先端部は、圧縮された空気を噴出する。当該空気は、ホース6の先端部から放射状に流れ出る。
【0019】
その後、作業者は、ホース6の先端部を空調機用フィルタ1の汚れ面とは反対側の面に向ける。その結果、当該空気は、空調機用フィルタ1の汚れ面とは反対側の面に全体的に当たる。
【0020】
その後、当該空気は、空調機用フィルタ1の全体を通過する。この際、当該空気は、空調機用フィルタ1の汚れ面に付着した異物を中性能フィルタ7の側に向けて押す。その結果、当該異物は、空調機用フィルタ1の汚れ面から剥がれる。
【0021】
当該異物は、ファン4の吸込口により吸い込まれる空気とともにファン4の吸込口の側へ移動する。この際、当該異物は、中性能フィルタ7の一面に付着する。その結果、当該異物は、ファン4の吸込口により吸い込まれる空気から取り除かれる。
【0022】
多くの異物が中性能フィルタ7に溜まった場合、清掃装置の吸引効率が下がる。この場合、中性能フィルタ7は、本体3から取り外される。その後、新しい中性能フィルタ7が本体3に取り付けられる。
【0023】
以上で説明した実施の形態1によれば、異物は、ホース6の先端部から吐き出された空気により空調機用フィルタ1の汚れ面から剥がれる。当該異物は、中性能フィルタ7により取り除かれる。このため、空調機用フィルタ1を清掃する際の作業時間を短くすることができる。
【0024】
また、異物を剥がす際の空気は、エアポンプ5から吐き出される。また、異物を移動させる際の空気は、ファン4に吸い込まれる。このため、簡単な構成で、空調機用フィルタ1を清掃する際の作業時間を短くすることができる。
【0025】
また、中性能フィルタ7の目は、空調機用フィルタ1の第2フィルタ面の目と同等に細かく形成される。このため、不要となった空調機用フィルタ1の第2フィルタ面を中性能フィルタ7として流用することができる。
【0026】
また、多くの異物が中性能フィルタ7に溜まった場合、新しい中性能フィルタ7が取り付けられる。このため、清掃装置の吸引効率を維持して多くの空調機用フィルタ1を連続して清掃することができる。
【0027】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2における空調機用フィルタの清掃装置を用いて空調機用フィルタを清掃する際の側面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0028】
図2に示すように、清掃装置2の本体3は、一対の平面部3aを備える。一対の平面部3aは、予め設定された隙間を空けて設けられる。
【0029】
実施の形態2において、空気の吸込部は、平面部3aの一方に設けられる。空気の吐出部は、平面部3aの他方に設けられる。中性能フィルタ7は、吸込部の吸込面に着脱し得るように設けられる。
【0030】
図2においては、空気の吸込部は、下側の平面部3aに設けられる。空気の吐出口は、上側の平面部3aに設けられる。中性能フィルタ7は、下側の平面部3aの上面に設けられる。
【0031】
空調機用フィルタ1の清掃時において、作業者は、本体3の一対の平面部3aの間に空調機用フィルタ1を収納する。この際、空調機用フィルタ1の汚れ面は、中性能フィルタ7の側に向けられる。その後、吸込部と吐出部との間において、空気の流れが自動的に発生する。具体的には、吸込部は、平面部3aの他方の側を向いて高い圧力で空気を吸い込む。吐出部は、平面部3aの一方の側を向いて大量の空気を吐き出す。
【0032】
当該空気は、空調機用フィルタ1の汚れ面とは反対側の面に全体的に当たる。その後、当該空気は、空調機用フィルタ1の一部を通過する。当該空気は、空調機用フィルタ1の汚れ面の一部に付着した異物を中性能フィルタ7の側に向けて押す。その結果、当該異物は、空調機用フィルタ1の汚れ面の一部から剥がれる。
【0033】
当該異物は、吸込部により吸い込まれる空気とともに吸込部の側へ移動する。この際、当該異物は、中性能フィルタ7の一面に付着する。その結果、当該異物は、吸込部により吸い込まれる空気から取り除かれる。
【0034】
その後、作業者は、本体3の一対の平面部3aの間に収納する空調機用フィルタ1の位置を変える。その結果、当該位置に対応した汚れ面に付着した異物が取り除かれる。
【0035】
多くの異物が中性能フィルタ7に溜まった場合、中性能フィルタ7は、吸込部の吸込面から取り外される。その後、新しい中性能フィルタ7が吸込部の吸込面に取り付けられる。
【0036】
以上で説明した実施の形態2によれば、吸込部と吐出部とは、本体3の一対の平面部3aに設けられる。このため、一対の平面部3aの間に空調機用フィルタ1を配置するだけで空調機用フィルタ1を清掃することができる。その結果、空調機用フィルタ1を清掃する際の作業時間をより短くすることができる。
【0037】
なお、空調機用フィルタ1の汚れ面の目に合わせて、吐出部から吐き出される空気の間隔を設定してもよい。この場合、空調機用フィルタ1の汚れ面から効率的に異物を剥がすことができる。
【符号の説明】
【0038】
1 空調機用フィルタ、 2 清掃装置、 3 本体、3a 平面部、 4 ファン、 5 エアポンプ、 6 ホース、 7 中性能フィルタ
図1
図2