特許第6559961号(P6559961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559961
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/173 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   H02K5/173 A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-8809(P2015-8809)
(22)【出願日】2015年1月20日
(65)【公開番号】特開2015-195705(P2015-195705A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2018年1月19日
(31)【優先権主張番号】特願2014-56459(P2014-56459)
(32)【優先日】2014年3月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000228730
【氏名又は名称】日本電産サーボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−089450(JP,A)
【文献】 実開平02−083655(JP,U)
【文献】 特開2005−080339(JP,A)
【文献】 特開2000−228842(JP,A)
【文献】 特開平10−174362(JP,A)
【文献】 特開平07−015934(JP,A)
【文献】 特開平06−038442(JP,A)
【文献】 特開平08−172747(JP,A)
【文献】 特開2010−063356(JP,A)
【文献】 特開2003−158836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の軸受ハウジングと、
前記軸受ハウジングの内周面に嵌合された玉軸受と、
前記軸受ハウジングの外周側に固定されたステータ部と、
前記玉軸受に回転可能に支持された回転軸と、
前記ステータ部と対向するマグネットを有し前記回転軸に取り付けられたロータ部と、
前記玉軸受に予圧を付与する弾性部材と、
前記軸受ハウジングの一方の開口端に取り付けられ、前記回転軸の端面と対向する受け板と、
を備え、
前記回転軸の端面と前記受け板との距離は、前記玉軸受が前記弾性部材の予圧付与状態から完全圧縮状態まで移動する距離よりも小さく
さらに貫通孔を有するモータベースと、
前記軸受ハウジングは、前記モータベースの前記貫通孔を臨む位置に取り付けられ、
前記貫通孔内において前記受け板が前記軸受ハウジングに取り付けられ、
前記受け板は、本体部と、滑り板部材と、を有し、
前記本体部は、収容凹部を有し、
前記滑り板部材は、前記回転軸の前記端面と対向し、前記収容凹部に取り付けられ、
前記収容凹部は、軸方向から見て円形状であり、
前記滑り板部材は、4つの隅部が丸みを帯びた角丸矩形状であり、
前記滑り板部材の前記隅部が前記収容凹部の内壁に押圧接触する、
モータ。
【請求項2】
前記軸受ハウジングの内周面に径方向内側へ突出する突起が設けられ、
前記突起の前記受け板と反対側に、前記弾性部材を介して前記玉軸受が嵌合され、
前記突起の前記モータベース側には、前記玉軸受とともに前記回転軸を支持する下側玉軸受が嵌合され、
前記玉軸受の内輪の上面に前記回転軸の一部又は前記ロータ部の一部が接触し、前記下側玉軸受の内輪の下面側から突出する前記回転軸の端部に抜け止めが装着される、請求項に記載のモータ。
【請求項3】
前記軸受ハウジングの外周面の前記受け板側端部に、径方向外側へ張り出すフランジ部が設けられ、
前記フランジ部の前記モータベースと反対側の面により前記ステータ部の軸方向位置が決められ、
前記フランジ部の前記モータベース側の面に前記受け板が固定される、請求項又はに記載のモータ。
【請求項4】
筒状の軸受ハウジングと、
前記軸受ハウジングの内周面に嵌合された玉軸受と、
前記軸受ハウジングの外周側に固定されたステータ部と、
前記玉軸受に回転可能に支持された回転軸と、
前記ステータ部と対向するマグネットを有し前記回転軸に取り付けられたロータ部と、
前記玉軸受に予圧を付与する弾性部材と、
前記軸受ハウジングの一方の開口端に取り付けられ、前記回転軸の端面と対向する受け板と、
を備え、
前記回転軸の端面と前記受け板との距離は、前記玉軸受が前記弾性部材の予圧付与状態から完全圧縮状態まで移動する距離よりも小さく、
さらに貫通孔を有するモータベースと、
前記軸受ハウジングは、前記モータベースの前記貫通孔を臨む位置に取り付けられ、
前記貫通孔内において前記受け板が前記軸受ハウジングに取り付けられ、
前記受け板は、本体部と、滑り板部材と、を有し、
前記本体部は、収容凹部を有し、
前記滑り板部材は、前記回転軸の前記端面と対向し、前記収容凹部に取り付けられ、
前記モータベースには、前記軸受ハウジングと反対側の下面に配置された凹所と、前記軸受ハウジングと対向する上面に配置され軸方向から見て前記凹所と重なる凸所と、前記凹所に開口する第1のネジ孔と、が設けられ、
前記軸受ハウジングには、第1の貫通孔と、前記軸受ハウジングの上面と対向する下面に前記第1の貫通孔が開口する位置決め凹部が設けられ、前記位置決め凹部に前記凸所が収容され、
前記軸受ハウジングは、第1のネジが、前記第1の貫通孔を介して前記第1のネジ孔に締結されて前記モータベースに取り付けられており、前記第1のネジの先端は、前記凹所の内部に収容される、モータ。
【請求項5】
前記受け板は、第2のネジが、前記受け板に設けられた第2の貫通孔を介し、前記軸受ハウジングに設けられた第2のネジ孔に締結されて前記軸受ハウジングに取り付けられており、
前記軸受ハウジングへの前記受け板の取り付けは、3つの前記第2のネジによってなされており、
前記モータベースへの前記軸受ハウジングの取り付けは、3つの前記第1のネジによってなされており、
3つの前記第1のネジと、前記3つの前記第2のネジとが、前記回転軸の中心軸の周りに交互に配置されている、
請求項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
軸受ハウジングに内装した2個の玉軸受によりロータ部の回転軸を支持するモータが知られている。この種のモータは、筒状の軸受ハウジングの内側に2個の玉軸受を軸方向に配置し、ロータ部の回転軸を2個の玉軸受の内輪に挿入することにより、ロータ部を回転自在に支持する。また、玉軸受に予圧を付与するバネを設ける構成が採られている。
【0003】
このような従来のモータにおいて、回転子に軸方向の力が加えられた場合、玉軸受に傷付きを生じ安定した回転が得られなくなる虞がある。このため、ロータ部とステータ部とが当たる箇所に、力を受ける突起部を設けて玉軸受に直接的に荷重が加わらないようにした構造が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
より具体的には、特許文献1のものでは、直流ブラシレスファンモータにおいて、外力によりロータ部とステータ部が当たる箇所に柔らかい緩衝材を配置して、玉軸受にダメージを与えないようにしている。また、特許文献2のものでは、ロータ部のロータボスに軸受ハウジングの端面に対向する突起部を設け、ロータ部が外力で軸方向に移動した際、突起部が軸受ハウジングに接触することで玉軸受に衝撃が加わらないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−1963号公報
【特許文献2】実開平1−66496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来のモータでは、特許文献1の場合、ステータ部の緩衝材でロータ部に加わる衝撃を受ける。このため、ロータ部に大きな力が軸方向に作用した場合には、緩衝材が変形しやすく、軸方向の移動阻止機能がない。したがって、玉軸受を保護することができず、玉軸受にダメージを与えてしまう虞がある。
【0007】
また、特許文献2の場合、ロータ部に軸方向に作用する力を、ロータ部を回転軸に結合するためのロータボスを軸受ハウジングで受ける構成である。特許文献1の場合に比し玉軸受の保護効果は期待できるが、より強い衝撃が回転体に作用した場合、玉軸受を保持する軸受ハウジング自体が変形又は破損する虞がある。軸受ハウジングが変形又は損傷すると玉軸受を安定的に保持し得なくなるばかりではなく、軸受ハウジングの外側に取り付けられるステータ部の歪みなどを招く。特に、ロータ部より回転軸が突出しその突出端に負荷が取り付くような形態の場合には、回転軸から軸方向の大きな衝撃を受けやすくなり、上述の問題は顕著となる。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ロータ部に加わる軸方向外力に対して、軸受ハウジングの変形等を生じることなく、玉軸受の保護を確実に行うモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本願の例示的な第1発明のモータは、筒状の軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングの内周面に嵌合された玉軸受と、前記軸受ハウジングの外周側に固定されたステータ部と、前記玉軸受に回転可能に支持された回転軸と、前記ステータ部と対向するマグネットを有し前記回転軸に取り付けられたロータ部と、前記玉軸受に予圧を付与する弾性部材と、前記軸受ハウジングの一方の開口端に取り付けられ、前記回転軸の端面と対向する受け板と、を備え、前記回転軸の端面と前記受け板との距離は、前記玉軸受が前記弾性部材の予圧付与状態から完全圧縮状態まで移動する距離よりも小さく、さらに貫通孔を有するモータベースと、前記軸受ハウジングは、前記モータベースの前記貫通孔を臨む位置に取り付けられ、前記貫通孔内において前記受け板が前記軸受ハウジングに取り付けられ、前記受け板は、本体部と、滑り板部材と、を有し、前記本体部は、収容凹部を有し、 前記滑り板部材は、前記回転軸の前記端面と対向し、前記収容凹部に取り付けられ、前記収容凹部は、軸方向から見て円形状であり、前記滑り板部材は、4つの隅部が丸みを帯びた角丸矩形状であり、前記滑り板部材の前記隅部が前記収容凹部の内壁に押圧接触する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る例示的な一実施形態によれば、ロータ部に加わる軸方向外力に対して、軸受ハウジングの変形等を生じることなく、玉軸受の保護を確実に行うモータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態のモータの断面図である。
図2図2は、図1の部分拡大図である。
図3図3は、一実施形態のモータの下面図である。
図4図4は、一実施形態のモータに備えられる軸受ハウジングの斜視図である。
図5図5は、変形例1のモータの部分断面図である。
図6図6は、図5の部分拡大図である。
図7図7は、変形例1のモータの下面図である。
図8図8は、変形例1のモータに備えられる受け板の斜視図である。
図9図9は、変形例2の受け板の斜視図である。
図10図10は、変形例3のモータの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
また、各図にはX−Y−Z座標系を示した。以下の説明において、必要に応じて各座標系に基づき各方向の説明を行う。
【0013】
本実施形態のモータ1は、アウターロータ型のブラシレスモータである。
図1は、モータ1の断面図であり、図2は、図1の軸受ハウジング20近傍の部分拡大図である。なお、図2において、ステータ部30を省略している。また、図3は、モータ1を下側から見た下面図である。
本明細書の各部の説明において、図中の+Z方向を上方向、−Z方向を下方向と定める。しかしながらモータ1は、+Z方向を上方向とした状態での使用に限定されない。例えばモータ1の+Z方向を横向き又は下向きにした状態で使用しても良い。
【0014】
図1に示すように、モータ1は、軸受ハウジング20と、上側玉軸受(玉軸受)40と、下側玉軸受42と、ステータ部30と、回転軸52と、ロータ部50と、弾性部材44と、受け板60と、を備える。
軸受ハウジング20は、筒状である。上側玉軸受40および下側玉軸受42は、軸受ハウジングの内周面に嵌合されている。ステータ部30は、軸受ハウジング20の外周側に固定されている。回転軸52は、上側玉軸受40および下側玉軸受42に回転可能に支持されている。ロータ部50は、ステータ部30と対向するロータマグネット(マグネット)56を有し回転軸に取り付けられている。弾性部材44は、上側玉軸受40および下側玉軸受42に予圧を付与する。受け板60は、軸受ハウジング20の一方の開口端に取り付けられ、回転軸52の端面52eと対向する。
以下、各部の構成について、具体的に説明する。
【0015】
<モータベース>
モータベース10は、金属製の平板である。
図3に示すように、モータベース10の略中央には、開口部12が設けられている。開口部12は、円形孔12aと、円形孔12aの外周の3か所から径方向外側に向かって延びる方形状の切り欠き部12bと、からなる。開口部12には、受け板60が収容されている。
モータベース10の上面10bには、軸受ハウジング20が円筒状内周面を開口部12の円形孔12aに合致されて配置されている。開口部12の周囲には、ステータ部30および軸受ハウジング20を取り付けるための3つの第1のネジ孔15が設けられている。
【0016】
図1に示すように、モータベース10の上方の面である上面10bには、回路基板70が固定されている。モータベース10と回路基板70との固定は、例えばネジによりなされている。
回路基板70は、各種電子部品を実装してモータ駆動回路を構成する。回路基板70には、ランドが設けられており、ステータ部30から延びる巻線36の端子が半田付けされ結線されている。また、回路基板70上には、磁極検出用のホールIC72が装着されている。ホールIC72は、ロータ部50のロータマグネット56の近傍に配置され、ロータ部50の回転角を検出する。回路基板70上のロータ部50から離れた位置にはコネクタ(図示せず)が装着されている。コネクタには、外部装置が接続され、外部装置から電源および制御信号が供給される。
【0017】
<軸受ハウジング>
図2に示すように、軸受ハウジング20は、円筒形状を有しており、回転軸52の径方向外側、かつステータ部30の径方向内側に配置されている。軸受ハウジング20は、円筒部21と、円筒部21の内周面に設けられた環状突出部22と、円筒部21の外周面に設けられたフランジ部24と、を有する。
【0018】
軸受ハウジング20の環状突出部22は、円筒部21の径方向内側に突出して円筒部21の内径を小さくする。環状突出部22は、円筒部21の内周面において、上下方向の略中央に位置する。円筒部21の内周面において、環状突出部22の上方および下方には、それぞれ上側玉軸受40と下側玉軸受42とが配置されている。
【0019】
図4は、軸受ハウジング20の斜視図である。軸受ハウジング20のフランジ部24は、円筒部21の径方向外側に円盤状に突出する。フランジ部24は、円筒部21の外周面において、下端に位置する。図4に示すように、フランジ部24は、フランジ部24の外周端からさらに外側に突出する3つの突出部24cを有している。3つの突出部24cは、円筒部21の中心軸に対しそれぞれ回転対称となる位置に配置されている。突出部24cには、第1の貫通孔25が設けられている。図1に示すように、第1の貫通孔25には、第1のネジ38が挿入される。第1のネジ38は、モータベース10の第1のネジ孔15にネジ止めされ、軸受ハウジング20をモータベース10に固定する。
【0020】
図2に示すように、軸受ハウジング20の下面24bには、第2のネジ孔27が設けられている。第2のネジ孔27には、受け板60に設けられた第2の貫通孔65に挿入された第2のネジ62がネジ止めされている。これにより、軸受ハウジング20の下面24bには、軸受ハウジング20の円筒部21の下側開口を閉塞するように受け板60が固定されている。
【0021】
<軸受>
図2に示すように、上側玉軸受40および下側玉軸受42は、軸受ハウジング20の円筒部21の内周面にそれぞれ外輪40a、42aが嵌合されて固定されている。また、上側玉軸受40および下側玉軸受42のそれぞれ内輪40b、42bには、回転軸52が挿入されている。上側玉軸受40および下側玉軸受42は、回転軸52を回転可能に支持している。
上側玉軸受40の内輪40bの上面は、ロータ部50のロータホルダ54におけるバーリング加工部54dの下側端面と接触している。また、上側玉軸受40と環状突出部22との間には、弾性部材44が配置されている。
下側玉軸受42の外輪42aの上面は、環状突出部22の下側端面と接触している。下側玉軸受42の内輪42bの下面は、回転軸52の先端に取り付けられた止め輪58と接触している。
【0022】
<回転軸>
図1に示すように、回転軸52は、回転支持部52aと負荷取付部52bとを有する。回転支持部52aは、軸受ハウジング20の軸長より多少長く、玉軸受40、42の内輪に挿入される。負荷取付部52bは、回転支持部52aより大径で、回転支持部52aに対し上方に長く突出する。負荷取付部52bには、回転を付与する負荷(図示略)が取り付けられる。
回転支持部52aの上部には、ローレット加工面52cが設けられている。ローレット加工面52cには、ロータ部50のロータホルダ54が圧入されている。
【0023】
図2に示すように、回転軸52の回転支持部52aの下側先端は、下側玉軸受42の下面から下方に突出している。回転支持部52aの下側先端近傍には、止め輪(抜け止めワッシャ)58を取り付けるための、環状溝52dが設けられている。
回転軸52の下側の端面52eは、丸みを帯びた凸形状となっている。端面52eの形状は、回転軸52の中心軸を中心とした回転対称形状となっており、中央が下側に突出している。
【0024】
<弾性部材>
弾性部材44は、例えば板バネからなる予圧バネである。弾性部材44としては、例えば、皿バネやウェーブワッシャ等を採用できる。図2に示すように、弾性部材44は、上側玉軸受40と環状突出部22との間には、適度に圧縮された状態で配置される。弾性部材44は、上側玉軸受40の外輪40aに対し上向きの力を加える。上側玉軸受40の内輪40bは、上面40cが、ロータ部50のロータホルダ54におけるバーリング加工部54dの下側端面と接触するまで、弾性部材44により上方に持ち上げられている。これにより、上側玉軸受40には予圧が付与される。
また、上側玉軸受40の内輪40bとともに、回転軸52は上方に持ち上げられている。これに伴い、回転軸52先端の止め輪58と接触する下側玉軸受42の内輪42bも、上方に持ち上げられ、下側玉軸受42の内輪42bは、上方に寄せられる。これにより、下側玉軸受42には予圧が付与される。
このように、弾性部材44は、2個の玉軸受40、42に予圧を与えて回転軸52の円滑な回転が確保する。
【0025】
<受け板>
受け板60は、図3に示すように、モータベース10の開口部12と略同一の形状を有しており、開口部12に収容して配置されている。
受け板60は、円板部63と、円板部63から径方向外側に延びる3つの突出板部64と、を有する。図2に示すように、突出板部64には、第2の貫通孔65が設けられている。受け板60は、第2のネジ62が第2の貫通孔65を介し、軸受ハウジングの第2のネジ孔27に締結されることで軸受ハウジング20に取り付けられている。
【0026】
受け板の下面60aと、モータベースの下面10aとは、高さの揃った面である。即ち、受け板60の下面60aはモータベース10の下面10aとほぼ面一になっている。受け板60は、回転軸52の下側の端面52eと対向している。図2に示すように、回転軸52の下側の端面52eと受け板60の上面との間には、隙間L1が設けられている。隙間L1は、回転軸52に加わる軸方向下方への力により玉軸受40が弾性部材44による図2の予圧付与状態から完全圧縮状態に移動する距離L2より小さく設定されている。
弾性部材44による上向きの力より大きい下向きの外力が回転軸52に加わった場合には、回転軸52は、下方に移動して下端が受け板60に接触する。受け板60は、回転軸52に加わる応力を支えて、玉軸受40、42の損傷を防止する。
【0027】
<ステータ部>
図1に示すように、ステータ部30は、モータベース10の上面10b側に取り付けられている。ステータ部30は、ステータコア32と、インシュレータ34と、巻線36と、を有する。ステータコア32は、円環状コアバックおよびこのコアバックより径方向外側に放射状に突出する複数の磁歯を有する。インシュレータ34は、ステータコア32の少なくとも各磁歯を覆う。巻線36は、ステータコア32の各磁歯にインシュレータ34を介して巻き付けられてコイルを構成している。
【0028】
ステータ部30のステータコア32は、軸受ハウジング20の円筒部21の外周に嵌合されている。また、ステータコア32の下面は、軸受ハウジング20のフランジ部24の上面24aと接触している。これにより、ステータ部30の軸方向位置は、フランジ部24の上面24a(即ちモータベースと反対側の面)により決められる。
ステータコア32には、軸方向に貫通する孔32aが設けられている。孔32aには、第1のネジ38が挿入されている。第1のネジ38は、ステータコア32の孔32aおよび軸受ハウジング20の第1の貫通孔25に挿入され、モータベース10の第1のネジ孔15にネジ止めされる。これにより、軸受ハウジング20がモータベース10に固定され、ステータ部30が軸受ハウジング20に支持される。
【0029】
<ロータ部>
ロータ部50は、ロータホルダ54と、ロータマグネット56と、を有しており、回転軸52に取り付けられている。ロータ部50は、回転軸52とともに、中心軸Jを中心として、ステータ部30に対して相対回転する。
ロータホルダ54は、金属製であり、カップ形状を有している。ロータホルダ54は、中央部に回転軸52を連結した天板部54aと、天板部54aの外周部を下方に延長する円筒部54bと、を有する。天板部54aの中央部には、円形凹部54cおよびその中央部にバーリング加工部54dが成形されている。
【0030】
ロータホルダ54の円形凹部54cの底面には、回転軸52の回転支持部52aと負荷取付部52bとの境界に設けられた段差面が接触している。また、バーリング加工部54dの内周面には、回転軸52のローレット加工面52cが圧入されている。これにより、ロータホルダ54と回転軸52とが一体に結合されている。ローレット加工面52cによって、回転軸52とロータホルダ54との空回りが阻止されている。
なお、回転軸52とロータホルダ54との結合に際しては、圧入に限らず、接着剤を用いてもよく、圧入と接着とを併用してもよい。
【0031】
ロータマグネット56は、ロータホルダ54における円筒部54bの内周面に装着されている。ロータマグネット56は、ロータホルダ54の周方向に異なる磁極を配列する永久磁石である。
【0032】
<作用、効果>
一般的に、モータ1の回転軸52には、過大な負荷又は衝撃として、軸方向下側に向かうに力が加わることがある。このような場合に、回転軸52を支持する玉軸受40の内輪40bに力が伝わり、弾性部材44を圧縮させる。回転軸52に作用する軸方向下向きの力が、弾性部材44の完全圧縮状態を超えると、上記の軸方向下向きの力を玉軸受40、42が支えることになる。そうすると、玉軸受40、42の、それぞれの外輪40a、42a、内輪40b、42b、および玉に、傷付きや変形が発生する虞がある。
【0033】
本実施形態のモータ1によれば、回転軸52が軸方向下向きに押された場合、弾性部材44が完全圧縮状態になる以前に回転軸52の下側の端面52eが受け板60に接触する。これにより、受け板60が、回転軸52に加わる軸方向下向き力を受け板60が支えて、弾性部材44の完全圧縮状態が回避される。この結果、玉軸受40、42に過度の力が加わらず、回転軸52に大きな衝撃力や回転軸52を軸方向下方に押し込む大きな力が発生しても、回転軸52を確実に支え、玉軸受40、42を保護することができる。また、弾性部材44の完全圧縮状態を回避することで、弾性部材44の損傷も防止できる。
【0034】
また、本実施形態のモータ1によれば、回転軸52に加わる軸方向下向きの力を、受け板60により支持するので、軸受ハウジング20の上端で支持する必要がない。したがって、回転軸52に加わる力によって軸受ハウジング20に変形が生じることもないので、安定したロータ部50の回転状態を確保できる。
【0035】
また、本実施形態のモータ1において、回転軸52の下側の端面52eは、中央が下側に突出し丸みを帯びた凸形状となっている。回転軸52に加わる軸方向下向きの力を、回転軸52の端面52eにおいて受け板60により支持した場合に、回転軸52の端面52eは、受け板60と中央で点接触する。回転軸52と受け板60とが接触した状態で、回転軸52が回転する場合に、回転方向の摩擦抵抗が少なく、回転ロスを抑制できる。このような効果は、回転軸52の端面52eにおいて受け板60により支持場合の特有の効果であり、軸受ハウジング20の上端で回転軸52に加わる力を支持する場合には、得ることができない効果である。
【0036】
<変形例1>
次に、変形例1のモータ2について図5図8を基に説明する。図5は、変形例1のモータ2の断面図の一部である。図6は、図5の領域Aの部分拡大図である。図7は、モータ2の下面図である。図8は、モータ2に備えられている受け板160の斜視図である。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
変形例1のモータ2は、上述のモータ1における軸受ハウジング20、モータベース10および受け板60に代えて、軸受ハウジング120、モータベース110および受け板160を有する。
【0038】
図8に示すように、受け板160は、本体部168と、滑り板部材180と、を有する。
本体部168は、十分な剛性を有する金属製の板部材である。本体部168は、円板部163と、3つの突出板部164と、を有する。突出板部164には、第2の貫通孔165が設けられている。円板部163の中央には、円形の収容凹部161が設けられている。収容凹部161は、本体部168の回転軸と対向する面(上面)168bに設けられている。本体部168は、モータ1の受け板60の上面に収容凹部161を設けた構成に相当する。
【0039】
本体部168の収容凹部161は、プレス加工により成形できる。この場合、収容凹部161とともに、本体部168の下面168aに、軸方向から見て収容凹部161と重なる位置に、凸部169が成形される。図5に示すように、凸部169の高さは、受け板160を軸受ハウジング120に固定するための第2のネジ62の頭部より低いことが好ましい。これにより、凸部169がモータ2の下側から突出することがなく、凸部169によるモータ2の寸法増大を抑制できる。
【0040】
図5に示すように、本体部168の突出板部164に設けられた第2の貫通孔165には、第2のネジ62が挿入されている。受け板160は、第2のネジ62が、第2の貫通孔165を介して軸受ハウジング120に設けられた第2のネジ孔127に締結されて軸受ハウジング120に取り付けられている。
【0041】
滑り板部材180は、本体部168の収容凹部161に収容されている。滑り板部材180は、回転軸52の端面52eと対向して配置されている。滑り板部材180の上面180bと、回転軸52の端面52eとの間の隙間L1は、弾性部材44が完全圧縮状態に移動する距離L2より小さく設定されている。回転軸52の端面52eは、回転軸52に軸方向下向きの力が加わった場合に、弾性部材44が完全圧縮状態になる以前に滑り板部材180に接触する。
【0042】
滑り板部材180は、例えば硬質樹脂からなり、回転軸52を構成する金属材料との摩擦係数が低い材料が選定される。滑り板部材180は、硬質樹脂からなることで、回転軸52から力を受けた場合に滑り板部材180が変形しにくく、接触した状態で回転軸52が回転しても、回転時のエネルギーロスが抑制できる。滑り板部材180としては、例えばポリスライダー(登録商標)を採用することができる。
【0043】
滑り板部材180は、収容凹部161に嵌合されている。本実施形態において、収容凹部161は、軸方向から見て円形状である。また、滑り板部材180は、4つの隅部181が丸みを帯びた角丸矩形状である。滑り板部材180の隅部が収容凹部の内壁に押圧接触している。
滑り板部材180が、収容凹部に161に嵌合されていることで、収容凹部161における滑り板部材180の保持の確実性を高めることができる。
また、滑り板部材180を矩形状とすることで、滑り板部材を板材から打ち抜いて製造する場合に、滑り板部材180の取り数を増加させることができる。
【0044】
図5に示すように、滑り板部材180の厚さは、収容凹部161の深さと略一致している。本体部168の回転軸側の面(上面)168bと、滑り板部材180の回転軸側の面(上面)180bとは、軸方向において揃った位置に配置される。なお、ここで収容凹部161の深さとは、受け板160の本体部168の上面168bの上面から収容凹部161の底面161aまでの距離を意味する。
また、滑り板部材180の厚さは、滑り板部材180の上面180bと、回転軸52の端面52eとの間の隙間L1より大きいことが好ましい。滑り板部材180の厚さを隙間L1より大きくすることで、滑り板部材180が、収容凹部161から滑落することを防止できる。
【0045】
次に、モータ2のモータベース110および軸受ハウジング120について、図5図6を基に説明する。
モータ2のモータベース110は、モータ1のモータベース10と略同一構造を有するが、図6に示すように、下面110aに凹所116が設けられ、上面110bに凸所117が設けられている点が主に異なる。
モータ2の軸受ハウジング120は、モータ1の軸受ハウジング20と略同一構造を有するが、図6に示すように、下面124bに位置決め凹部126が設けられている点が主に異なる。
【0046】
図7に示すように、モータベース110には、受け板160を収容する開口部112が設けられている。
また、図6に示すように、モータベース110には、軸受ハウジング120と反対側の面(下面)110aに凹所116が設けられている。また、モータベース110には、軸受ハウジング120と対向する上面110bに、軸方向から見て凹所と重なる凸所117が設けられている。凹所116および凸所117は、モータベース110の厚み方向に対するプレス加工により成形することができる。さらに、モータベース110には、軸方向に貫通し、凹所に開口する第1のネジ孔115が設けられている。
【0047】
一方、軸受ハウジング120には、第1の貫通孔125が設けられている。また、軸受ハウジング120には、モータベース110の上面110bと対向する下面124bに、第1の貫通孔125が開口する位置決め凹部126が設けられている。位置決め凹部126は、モータベース110の凸所117が収容される。これにより、モータベース110に対する軸受ハウジング120の位置決めを容易に行うことができる。
【0048】
軸受ハウジング120は、第1のネジ138が、第1の貫通孔125を介して、モータベース110の第1のネジ孔に締結されてモータベースに取り付けられている。第1のネジ138の先端138aは、モータベース110の凹所116の内部に収容されている。これにより、第1のネジの先端138aは、モータベース110の下面110aから突出することがない。したがって、第1のネジ138の先端138aが他の部材や、作業者の手を損傷させることがない。
【0049】
図7に示すように、モータベース110への軸受ハウジング120の取り付けは、3つの第1のネジ138によってなされている。また、受け板160の軸受ハウジング120への取り付けは、3つの第2のネジ62によってなされている。3つの第1のネジ138と、3つの第2のネジ62とは、回転軸52の中心軸Jの周りに交互に配置されている。また、本変形例においては、第1のネジ138と第2のネジ62は、等間隔に配置されている。
第1のネジ138と第2のネジ62とを回転軸の中心軸Jの周りに交互に配置することで、受け板160と軸受ハウジング120との固定、およびモータベース110と軸受ハウジング120との固定を、最低限のネジの数で安定して行うことができる。
【0050】
本変形例のモータ2によれば、受け板160が滑り板部材180を有し、回転軸52の端面52eに対向して配置されている。したがって、回転軸52に軸方向下向きの力が加わり、弾性部材44が圧縮されると、回転軸52の端面52eと滑り板部材180とが接触する。滑り板部材180は、回転軸52との摩擦係数が低い材料からなるため、回転軸52と滑り板部材180とが接触した状態で、回転軸52が回転する場合に、回転方向の摩擦抵抗が少なく、回転ロスを抑制できる。
【0051】
また、摩擦係数が低いために、回転軸52と滑り板部材180とが接触した状態で、回転軸52が回転しても、回転軸52の端面52eおよび滑り板部材180の摩耗が生じにくい。したがって、滑り板部材180と回転軸52の端面52eとの間の隙間L1が摩耗により大きくなることを抑制できる。本変形例のモータ2において、隙間L1は、弾性部材44が完全圧縮状態に移動する距離L2より小さく設定されている。これにより、モータ2は、回転軸52に軸方向下向きの力が加わった場合に、弾性部材44の完全圧縮状態を回避し、玉軸受40、42を保護している。摩耗を抑制して隙間L1が大きくなることを抑制することで、モータ2は、初期状態のみならず、長期間の使用後であっても十分な大きさの隙間L1を確保して玉軸受40、42を保護できる。これにより、モータ2の耐用時間を長くすることができる。
【0052】
なお、本変形例の滑り板部材180は、4つの隅部181が丸みを帯びた角丸矩形状であるが、形状はこれに限定されるものではなく、例えば円形のものを用いても良い。同様に、受け板160の本体部168に設けられた収容凹部161は、滑り板部材180を嵌合して保持できる円形に限られない。
【0053】
<変形例2>
次に、変形例1のモータ2に採用可能な、変形例2の受け板260について、図9を基に説明する。図9は、受け板260の斜視図である。
受け板260は、本体部268と、滑り板部材280と、を有する。
本体部268は、軸方向から見て三角形状であり、各頂点264の近傍にそれぞれ第2の貫通孔265が設けられている。本体部268には、中央に滑り板部材280を収容する円形の収容凹部261が設けられている。第2の貫通孔265には、第2のネジ62(図5参照)が挿入される。受け板260は、第2のネジ62により、軸受ハウジングに固定される。
【0054】
本変形例の受け板260は、単純な三角形状であるために、プレスによる打ち抜き加工による製造において、金型形状が単純化され、安価に安定して製造できる。
なお、本変形例の受け板260を採用する場合には、モータベース110には、受け板260と略同一形状の開口部(図7における開口部112に対応)が設けられていることが好ましい。
【0055】
<変形例3>
次に、変形例3のモータ3について図10を基に説明する。図10は、変形例3のモータ3の断面図の一部である。
なお、上述の実施形態および変形例と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
変形例3のモータ3は、上述のモータ1における回転軸52および受け板60に代えて、回転軸352および受け板360を有する。
【0057】
回転軸352は、軸体353と、滑り板部材355と、を有する。
軸体353は、上側玉軸受40および下側玉軸受42に回転可能に支持されている。軸体353の下側の端面353bには、収容凹部353aが設けられている。収容凹部353aには、滑り板部材が収容されている。収容凹部353aの形状および深さは、特に限定されるものではなく、変形例1、2の収容凹部161、261の形状に倣ったものとすることができる。
【0058】
滑り板部材355は、収容凹部353aに取り付けられている。滑り板部材355は、収容凹部353aに嵌合されていることが好ましい。滑り板部材355は、回転軸352の端面353bの一部を構成して、受け板360と対向する。滑り板部材355の形状は、特に限定されるものではなく、変形例1、2の滑り板部材180の形状に倣ったものとすることができる。また、滑り板部材の材質は、硬質樹脂とすることが好ましい。
【0059】
受け板360は、回転軸352の下側の端面353bと対向する上面360bを有する。受け板360の上面360bには、滑り板部材355に向かって上方に丸みを帯びて突出する対向凸部360cが設けられている。対向凸部360cは、軸方向から見て滑り板部材355と重なって配置されている。対向凸部360cは、回転軸352の中心軸Jに対して回転対称形状となっている。また、対向凸部360cの中央は回転軸352の中心軸Jと一致し最も凸である。これにより、回転軸352に軸方向下向きの力が加わった場合に、回転軸352の滑り板部材355と受け板360とは、中央で点接触する。したがって、回転軸352と滑り板部材355とが接触した状態で、回転軸352が回転する場合に、回転方向の摩擦抵抗が少なく、回転ロスを抑制できる。
【0060】
本変形例に示すように、回転軸が滑り板部材を有する場合であっても、上述の実施形態および変形例と同様の効果を、奏することができる。
【0061】
以上に、本発明の実施形態とその変形例を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。
【0062】
例えば、実施形態のモータ1の受け板60を硬質樹脂からなっていてもよい。この場合には、滑り板部材を用いることなく、変形例1と同様の効果を得ることができる。しかしながら、回転軸52に加わる軸方向下向きの力に対して、硬質樹脂からなる受け板60の強度が不十分である場合には、変形例1に示すように、金属製の本体部168と滑り板部材180とからなる受け板160を用いることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によるモータは、ロータ部に外部の力が作用するような使用形態に効果を発揮し、特に回転軸に直接軸方向の押し込み力が発生する虞のある使途に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1、2、3…モータ、10、110…モータベース、12、112…開口部、15、115…第1のネジ孔、20、120…軸受ハウジング、21…円筒部、22…環状突出部、24…フランジ部、25、125…第1の貫通孔、27、127…第2のネジ孔、30…ステータ部、38、138…第1のネジ、40…(上側)玉軸受、42…(下側)玉軸受、44…弾性部材、50…ロータ部、52、352…回転軸、52e…端面、54…ロータホルダ、56…(ロータ)マグネット、58…止め輪(抜け止めワッシャ)、60、160、260、360…受け板、62…第2のネジ、63、163…円板部、64、164…突出板部、65、165、265…第2の貫通孔、70…回路基板、116…凹所、117…凸所、126…位置決め凹部、138a…先端、161、261…収容凹部、168、268…本体部、169…凸部、180、280、355…滑り板部材、181…隅部、264…頂点、353…軸体、353a…収容凹部、353b…端面、360c…対向凸部、J…中心軸、L…隙間、L1…隙間、L2…距離
図1
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