特許第6559963号(P6559963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559963
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】調理装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   A47J37/06 361
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-15286(P2015-15286)
(22)【出願日】2015年1月29日
(65)【公開番号】特開2015-139709(P2015-139709A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2018年1月26日
(31)【優先権主張番号】2014200512
(32)【優先日】2014年1月30日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】515027406
【氏名又は名称】シェーカー アッザム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェーカー アッザム
【審査官】 山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−529529(JP,A)
【文献】 実開昭60−137930(JP,U)
【文献】 特開2005−249290(JP,A)
【文献】 実開昭56−128413(JP,U)
【文献】 特開平09−028583(JP,A)
【文献】 米国特許第04120237(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部棚、上部パネル及び複数の側壁によって規定され、前部開口を有する調理空間と、
前記調理空間に対して、概して横方向に熱を供給するための加熱手段と、
前記調理空間において食品を保持するための食品保持手段であって、前記複数の側壁の各々に形成され垂直方向に間隔を空けられた複数のスロットを備える、前記食品保持手段と、
使用時に前記調理空間に蒸気を供給するための蒸気注入アセンブリであって、前記調理空間の下部を横切って伸長し、前記調理空間の下部を覆う、前記蒸気注入アセンブリと、
を備え
前記蒸気注入アセンブリが、完全閉鎖位置及び完全開放位置、並びにこれらの間の部分的な開放位置の間で設定可能な可変開口ゲートを有するトレイを備える、携帯可能な調理装置。
【請求項2】
前記調理装置が、後壁を備え、前記加熱手段が、前記後壁に沿って配置される、請求項1に記載の調理装置。
【請求項3】
第2の加熱手段が、前記調理空間の上壁の下面に沿って配置され、使用時に下方向に熱を供給する、請求項1に記載の調理装置。
【請求項4】
ガス・バーナーを有する上壁を備える、請求項1に記載の調理装置。
【請求項5】
前記蒸気注入アセンブリが、使用時に前記蒸気注入アセンブリ内の液体を加熱するための加熱要素を備える、請求項に記載の調理装置。
【請求項6】
前記可変開口ゲートが上部パネル及び下部パネルを備え、該上部パネル及び該下部パネルの各々は桟によって前記上部パネル及び前記下部パネルの間が分離される複数の細長い開口を備え、前記上部パネルは所定の位置に固定され、前記下部パネルは前記上部パネルに対して横方向に摺動されることができる、請求項に記載の調理装置。
【請求項7】
前記食品保持手段が、垂直串を含む、請求項1に記載の調理装置。
【請求項8】
前記加熱手段が、熱ビーズ・ホルダを備え、前記熱ビーズ・ホルダは、熱ビーズ・トレイと、前記熱ビーズ・トレイの上部開口を横切って伸長し、前記熱ビーズ・トレイの上部開口を覆う網とを備え、前記熱ビーズ・ホルダは、水平な搭載位置と直立した使用時の位置との間で設定可能である、請求項1に記載の調理装置。
【請求項9】
前記熱ビーズ・トレイは、熱ビーズを保持するための、間隔を空けられた複数の棚を備え、該複数の棚は、前記網に向かって下方へ角度がつけられたパネルを備え、前記複数の棚は前記網に隣接して配置される遠位部を備える、請求項に記載の調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理装置に関し、特に、バーベキュー装置に関する。ただし、本装置は、この用途に限定されない。
【背景技術】
【0002】
本発明は、従来技術の欠陥のうちの少なくとも幾つかを克服若しくは実質的に改善すること、又は少なくとも代替案を提供することを目指すものである。
【0003】
本明細書において任意の従来技術情報が言及される場合、そのような言及は、オーストラリア又は任意の他の国家において、その情報が本技術分野における共通の一般的な知識の一部を形成するという自認を構成しないことが理解されるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、本発明は、
調理空間に対して、概して横方向及び/又は下方向に熱を供給するための加熱手段と、
調理空間において食品を保持するための食品保持手段と、
使用時に調理空間に蒸気を供給するための蒸気注入アセンブリと、
を備える、調理装置を提供する。
【0005】
一実施例において、加熱手段は、概して直立した構成において伸長する。
【0006】
別の実施例において、調理装置は、後壁を有する本体を備え、加熱手段が、後壁に沿って配置される。
【0007】
別の実施例において、加熱手段は、概して水平な構成において伸長し、使用時に下方向に熱を供給する。
【0008】
別の実施例において、加熱手段は、調理空間の上壁の下面に沿って配置される。
【0009】
別の実施例において、本体は、食品保持手段を有する側壁を備える。
【0010】
別の実施例において、食品保持手段は、串などの食品ホルダのそれぞれの端部を収容するような大きさに形成された、側壁に形成された縦方向に間隔を空けられたスロットを備える。
【0011】
別の実施例において、調理装置は、串を回転させるための回転手段を備える。
【0012】
別の実施例において、本体は、第2の加熱手段、好適には、ガス・バーナーを有する上壁を備える。
【0013】
別の実施例において、本体は、蒸気注入アセンブリが配置される下部棚を備える。
【0014】
別の実施例において、加熱手段は、ガス・セラミック・バーナー、ガス・バーナー及び電気加熱要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
別の実施例において、調理装置は、加熱手段のための携帯可能な燃料を収容するための燃料室を備える。
【0016】
別の実施例において、蒸気注入アセンブリは、調理空間の下に配置される。
【0017】
別の実施例において、蒸気注入アセンブリは、完全閉鎖位置及び完全開放位置、並びにこれらの間の部分的な開放位置の間で設定可能な可変開口ゲートを有するトレイを備える。
【0018】
別の実施例において、蒸気注入アセンブリは、使用時に、この蒸気注入アセンブリ内の液体を加熱するための加熱要素を備える。
【0019】
別の実施例において、可変開口ゲートは、上部パネル及び下部パネルを備え、各パネルは、桟によってそれらの間が分離される複数の細長い開口を備える。
【0020】
別の実施例において、上部パネルは、所定の位置に固定され、下部パネルは、上部パネルに対して横方向に摺動されることができる。
【0021】
別の実施例において、食品保持手段は、垂直串を含む。
【0022】
別の実施例において、食品保持手段は、水平な調理ラックを含む。
【0023】
別の実施例において、食品保持手段は、据え付け柱を有するグリル・ホルダを含む。
【0024】
別の実施例において、調理装置は、食品保持手段を回転させるための回転手段を備える。
【0025】
別の実施例において、加熱手段は、熱ビーズ・ホルダを備える。
【0026】
別の実施例において、熱ビーズ・ホルダは、熱ビーズ・トレイと、熱ビーズ・トレイの上部開口を横切って伸長し、熱ビーズ・トレイの上部開口を覆う網とを備える。
【0027】
別の実施例において、熱ビーズ・トレイは、熱ビーズを保持するための、間隔を空けられた複数の棚を備える。
【0028】
別の実施例において、複数の棚は、網に向かって下方へ角度がつけられたパネルを備える。
【0029】
別の実施例において、複数の棚は、網に隣接して配置される遠位部を備える。
【0030】
別の実施例において、熱ビーズ・ホルダは、水平な搭載位置と直立した使用時の位置との間で設定可能である。
【0031】
別の実施例において、調理装置は、熱ビーズ・ホルダが水平な搭載位置と直立した使用時の位置との間で設定されることを可能にするために調理装置に形成された、据え付けスロット構造を備える。
【0032】
本発明の他の態様も開示される。
【0033】
本発明の範囲内に収まり得る任意の他の形式に関わらず、本発明の好適な実施例は、ここで、ほんの例として、添付の図面を参照しつつ説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1の好適な実施例に係る調理装置の正面斜視図である。
図2図1の調理装置の正面図である。
図3図1の調理装置の上面図である。
図4図1の調理装置の側面図である。
図5図1の調理装置の後面図である。
図6】使用時の図1の調理装置の正面斜視図である。
図7】本発明の第2の好適な実施例に係る調理装置の正面斜視図である。
図8図7の調理装置の後方部分分解斜視図である。
図9】本発明の第3の好適な実施例に係る調理装置の正面斜視図である。
図10】本発明の第4の好適な実施例に係る調理装置の正面斜視図である。
図11】搭載位置における図10の調理装置の正面斜視図である。
図12図11の調理装置の前方分解斜視図である。
図13】本発明の第5の好適な実施例に係る調理装置の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明では、異なる実施例における類似又は同一の参照符号は同一又は同様の特徴を指し示すことが留意されるべきである。
【0036】
図1から図5は、本発明の第1の好適な実施例に係る調理装置20を示す。調理装置20は、底壁24、側壁26、後壁28及び上壁30を有する、概して直角プリズム形状の本体22を備える。本体22は、底壁24から上方へ後壁28の約5分の1の高さだけ伸長する下部前壁32と、上壁30から下方へ短い距離だけ伸長する上部前壁33とを更に含む。
【0037】
棚34は、下部前壁32の上縁から後壁28に向かって伸長し、天板35は、上部前壁33の下縁から後壁28に向かって伸長する。棚34と、天板35と、これらの間の側壁26及び後壁28の一部分とが、前部開口42を有する調理空間40を規定する。
【0038】
調理装置20は、調理空間40に面する後壁28の内面に沿って伸長する加熱手段46を更に備える。本実施例において、加熱手段46は、調理空間40に向かって実質的に均一に熱を向け、分配するためのガス・セラミック・バーナー46を含む。
【0039】
蒸気注入アセンブリ50は、棚34の上方に、従って、調理空間40の下部に配置される。蒸気注入アセンブリ50の部品は、下記で更に説明されるであろう。
【0040】
本実施例における調理装置20は、携帯可能であり、図8に示されるような携帯可能な燃料容器100によって燃料を供給される。携帯可能な燃料容器100は、後壁28のローディング・ドア29によって調理装置20内へ挿入される。ローディング・ドア29は、下部前壁32と大きさ及び位置において対応する。
【0041】
燃料容器100内の燃料は、ブタン、プロパン、これらの組み合わせ、又は任意の他の適切な燃料とすることができる。下部前壁32は、ガス・カートリッジ・バルブ係合レバー62と、点火ボタン64と、ガス調節つまみ66とを備える。レバー62は、所定の位置にある燃料容器100のバルブを使用時に係止するために使用される。ガスがつまみ66によってバーナー46へ流される場合、点火ボタン64は、バーナー46内の燃料ガスを点火するために作動される。
【0042】
ガス・バーナー(ストーブ)70も、上部前壁33における関連付けられた点火ボタン74及びガス調節つまみ76と共に、上壁30に配置される。ガス・バーナー70も、使用時には燃料容器100から燃料を受け取る。
【0043】
垂直方向に間隔を空けられた複数のスロット78は、側壁26に形成され、スロット78は、側壁26の先端から伸長し、概して後壁28へ向かってわずかに下向きの角度に向けられる。スロット78は、側壁26に沿ったほぼ中間で終端する。スロット78は、側壁26間で位置合わせされたペアで配置される。図6に示されるように、各ペアにおけるスロット78は、串110のそれぞれの端部を収容するような大きさに形成される。
【0044】
蒸気注入アセンブリ50(図8も参照されたい)は、トレイ52の上部を横切って伸長する可変開口ゲート54を有するトレイ52を備える。可変開口ゲート54は、完全閉鎖位置及び完全開放位置、並びにこれらの間の部分的な開放位置の間で設定されることができる開口57を備える。
【0045】
可変開口ゲート54は、2つの同様の形状の上部パネル及び下部パネル56及び56aを備える。上部パネル56は、複数の上部桟61によってそれらの間を分離された複数の細長い並行な上部開口57を備える。同様に、下部パネル58は、複数の下部桟61bによってそれらの間を分離された複数の細長い並行な下部開口57bを備える。上部パネル56は、所定の位置に固定される一方で、下部パネル58は、上部パネル56に対して横の方向へタブ65によって摺動されることができる。
【0046】
上部開口及び下部開口57及び57bが位置合わせされる場合、可変開口ゲート54は、その完全開放位置にある。下部桟61bが上部開口57と位置合わせされるように下部パネル58が動かされる場合、下部桟61bが上部開口57を塞ぐため、可変開口ゲート54は、その完全閉鎖位置にある。そのとき、下部パネル58は横へ動かされることができ、これは、下部桟61bが上部開口57をどのくらい塞ぐかを変化させる。これは、使用時のトレイ52内の蒸気を逃がす開口57の有効な大きさを変化させる。「0−最大」を示す計器の針は、完全閉鎖位置及び完全開放位置を表示するために提供される。
【0047】
使用時には、燃料容器100は、ローディング・ドア29及びバルブ係合レバー62によって調理装置20内へ装填される。次いで、燃料が、つまみ66によってバーナー46へ流され、点火ボタン64が、バーナー46内の燃料を点火するために作動され、このようにして、調理空間40に熱を供給する。
【0048】
図6を参照すると、食品130は、串110に配列され、串110のそれぞれの端部はスロット78に置かれる。従って、食品130付きの串110は、調理空間40内で並行に間隔を空けて置かれ、食品は、調理空間40における熱を使用して調理され得る。ユーザは、むらなく調理するために、必要に応じて串110を回転させることができる。代替的な実施例では、バッテリ又はコンセントから電源供給されるモータなどの回転手段が、串を自動的に回転させるために提供され得る。
【0049】
調理装置20の利点のうちの1つは、調理されるべき食品が加熱手段46に隣接して概して縦向きに配置された状態で、加熱手段46が縦向きに向けられることである。これは、加熱手段46上に落下する油脂が減少し、従って、洗浄の必要が減少することを意味する。調理装置20を縦向きにすることは、典型的な横向きのバーベキュー調理装置と比較して、携帯可能な調理装置20をより簡単に運ぶための性能だけでなく、より小さい設置面積も提供する。
【0050】
調理中の食品130が乾燥しないようにするために、所望の液体がトレイ52に置かれ、この所望の液体は、使用時に加熱及び気化され、従って、食品130に水分を与える。液体は、水、調理油、香辛料、香味料及びソースのうちのいずれか1つ又はこれらの組み合わせとすることができる。ユーザは、液体が食品130に到達する割合を可変開口ゲート54によって選択することができる。
【0051】
図6を参照すると、丸鶏などの嵩張る食品132も、垂直串134によって調理空間40内で調理され得る。垂直串134は、棚34と天板35との間で伸長するように、棚34及び天板35の据え付け部に収容される。
【0052】
魚及びステーキなどの概して平面的な形状の食品136は、グリル・ホルダ138において調理され得る。グリル・ホルダ138は、食品136をその間に収容することができる2つのグリルプレートと、垂直串134と同様の形状を有する支柱140とを備える。従って、支柱140は、棚34及び天板35の据え付け部において、垂直串134と同様に収容されることができる。
【0053】
従って、垂直串134及びグリル・ホルダ138の双方は、ユーザによって手動で回転されることができ、又は、調理装置20が、垂直串134及びグリル・ホルダ138を回転させるための(バッテリ若しくはコンセントから電源供給されるモータなどの)回転手段を含むことができる。
【0054】
ユーザは、必要に応じて、ガス・バーナー70によって付加的な食品を更に調理することができる。
【0055】
図7及び図8は、第2の好適な実施例に係る調理装置20bを示す。上壁30のガス・バーナー70、ガス・バーナー70に関連付けられた点火ボタン74及びガス調節つまみ76、並びに上部前壁33を調理装置20bが有しない点を除いて、調理装置20bは、上記の調理装置20と同様である。従って、調理装置20bにおける調理空間40は、より大きくなり得る。
【0056】
図9は、第3の好適な実施例に係る調理装置20cを示す。調理装置20cが加熱手段46の一部として加熱要素160を付加的に含む点を除いて、調理装置20cは、上記の調理装置20bと同様である。加熱要素160は、電動式であり、ガス・セラミック・バーナー46の代替物又はガス・セラミック・バーナー46の付加物とすることができる。
【0057】
図10から図12は、第4の好適な実施例に係る調理装置20dを示す。調理装置20dが異なる加熱手段46を有する点を除いて、調理装置20dは、上記の調理装置20bと同様である。
【0058】
調理装置20dの本体22は、底壁24、側壁26、及び上壁30を備える。本体22は、後壁28を有しない。
【0059】
本実施例における加熱手段46は、後壁28を置換するような大きさに形成される、矩形の熱ビーズ・ホルダ46を備える。熱ビーズ・ホルダ46は、底パネル171、側壁172、上端壁173及び下端壁174を有する熱ビーズ・トレイ170を含む。金網176は、上端壁173にヒンジ式に取り付けられ、開放位置(図12)と閉鎖位置(図10及び図11)との間で移動可能である。閉鎖位置において、金網176は、熱ビーズ・トレイ170の上部開口を横切って伸長し、熱ビーズ・トレイ170の上部開口を覆う。
【0060】
熱ビーズ・トレイ170は、側壁172間で伸長する、間隔を空けられた複数の棚178を更に備える。本実施例において、棚178は、2つの角度がつけられたパネルを底パネル171に提供する、折り曲げられた金属部分を備える。従って、棚は、底パネル171より遠位に頂点を有する三角形の二辺を概して形成する。棚178は、互いに約50mmの間隔を空けられ、底パネル171と共に収容空間を形成する。熱ビーズは、この収容空間に置かれる。金網176が閉じられる場合、網176は、棚178の頂点に隣接する。従って、底パネル171が概して直立する(図10)概して直立した位置に熱ビーズ・ホルダ46が向けられる場合、網176付きの棚178は、その上に熱ビーズを保持する。棚178は、網に向かって下方に角度がつけられた上部パネルを備え、この上部パネルは、熱ビーズが網に向かって押しやられることを可能にする。従って、熱ビーズは、概してむらなく分散された熱を供給するために、概して網に積み重なる。従って、熱ビーズ・トレイ170は、必要に応じた簡単な洗浄のために、空洞を提供しない。
【0061】
金網176は、下端壁174に隣接して据え付けられた掛け金182によって閉鎖位置に係止され得る。直立した向きにおいて、金網176は、棚178に熱ビーズを保持する。熱ビーズ・トレイ170は、下端壁174に隣接して形成された灰収集トラフ184を更に備える。
【0062】
据え付け及び操作のため、熱ビーズ・トレイ170は、側壁172からそれぞれ伸長する、端部玉ハンドル190付きの側柱188と、上端壁173から伸長する、端部玉ハンドル194付きの上部柱192とを備える。これらの柱188、192の用途は、下記で説明される。
【0063】
側壁26は、この側壁26に形成された、収容及び据え付けスロット構造200を備える。スロット構造200は、側壁26の後縁201から、側壁26の前縁203に向かって概して水平に伸長する第1のスロット部202を備える。第1のスロット部202は、側壁172の幅の半分まで伸長し、下方へ伸長する端部座204を含む。
【0064】
スロット構造200は、後縁201の近くで、第1のスロット部202から縦に伸長する第2のスロット部206を更に備える。第3のスロット部208は、第2のスロット部206の上端から前方へ水平に伸長し、第3のスロット部208は、下方に伸長する端部座210を有する。
【0065】
上壁30は、後縁201から伸長する係止スロット212と、可動係止桟214とを備える。上壁30は、運搬用ハンドル220も含む。
【0066】
図12に示されるように、熱ビーズ・ホルダ46は、調理装置20dの本体22から完全に取外し可能である。金網176は、トレイ170内に熱ビーズを置くための開放位置に動かされる。その後、熱ビーズが点火され得る。
【0067】
金網176は、閉鎖位置に動かされ、柱188は、第1のスロット部202に挿入される。図11に示されるように、柱188は、熱ビーズをトレイ170に装填するために座204にも置かれ得る。
【0068】
図10に示されるように、柱188は、次いで、第2のスロット部206に沿って動かされ、その後、端部座210に固定されるように、第3のスロット部208に沿って動かされる。上部柱192は、係止スロット212に挿入され、係止桟214は、上部柱192を係止するために使用される。これは、熱が調理空間40に向けられる調理位置に熱ビーズ・ホルダ46を向ける。従って、調理装置20dは、上記と同様に使用され得る。
【0069】
このように、本実施例は、ガス及び/又は電動の携帯可能な家庭用の直立した縦型バーベキュー装置を提供する。調理中の食品からの如何なる汁も、蒸気注入アセンブリのトレイ内に落下する。本調理装置は、最小限のスクラビング及び洗浄不要(自浄動作を提供する)のために構成され、コンパクト且つ携帯可能であり、電気、詰め替え可能なガスタンク又は使い捨て可能なカートリッジで使用されることができ、熱の均一な分配を提供し、食品を串、丸鶏用のロティサリー機能又はショルダーロースト機能で調理することができる。
【0070】
採用されている制御された蒸気注入システムは、食品を切望されるキツネ色に仕上げて柔らかくジューシーに保つだけでなく、癌を引き起こし得る有害化合物であるアクリルアミドの形成も防止する。この化合物は、直火で焼かれ、又は炙り焼きにされた肉の焦げた表面に見出される。
【0071】
構成されたタワー形状は、最大で30%のエネルギーコストの節約、並びに最大で80%のCOガス及びNOxガスの削減を提供する、セラミック・ガス・バーナーの採用を可能にする。固有の無炎及び耐風特性は、むらのない調理結果のための均一に分散される熱という主な特徴を補充する、安全な自宅/屋外の動作も提供するであろう。
【0072】
従来の調理装置とは異なり、構成される形状は、油脂が装置の燃焼部分上に落下することを防止する。これは、通常なら固くなって除去が困難となってしまう油脂を、その代わりに蒸気トレイに閉じ込め、それ故に、必要とされる洗浄及びメンテナンスが少なくなる。バーナーは腐食せず、それ故に、長い耐用年数を維持しつつ最大の作業効率を提供する。
【0073】
湿式加熱調理と乾式加熱調理とを1つの調理装置において組み合わせ及び同時に適用することは、双方の調理方法の全ての利点を得ること、及びそれぞれの欠点を別個に克服することを意味する。換言すれば、本実施例の調理装置は、湿式加熱という一方の極端と乾式加熱というもう一方の極端との間で、味わい、食品の元々の風味、ジューシーさ、柔らかさ、及び、重要なことには、栄養価を保持した、アクリルアミドを含まない調理などの健全な調理要因を実現する、最適な調理結果を達成する。従来の調理装置は、上記のうちの幾つかを損なうものである。本実施例の調理装置は、(ガス、電気又は炭によって駆動される)直立したタワー構成の蒸気注入バーベキュー装置であり、この装置は、自宅又は屋外使用用、換言すれば、家庭用又は携帯可能な可動用とすることができる。
【0074】
本発明の好適な実施例が説明されてきたが、説明された実施例に対して変形が行われ得ることは当業者には明らかであろう。例えば、ガスカートリッジは、より大きなシリンダであってもよく、又は、調理装置は、天然ガス、コンセントからの交流電力、又はガス及び電気の2つの動力源で動作してもよい。
【0075】
電気バージョンの場合、上部バーナーは、電気ホットプレートとすることができる。他の取り得る機能は、回転串及び付属品を含み、煙/臭い排気ファンが追加されてもよい。蒸気注入アセンブリは、代替的に又は付加的に、蒸気を調理空間に注入することができるミストバルブ付きのサイドポンプを備える。
【0076】
本装置は、パーソナルヒータとして使用されることもできる。本装置には、転倒時の安全機能、自動ガス遮断システム、及び酸素欠乏センサなどの付加的な機能も提供され得る。バーナーは、好適には、赤外線セラミック・バーナーである。
【0077】
図13は、本発明の第5の好適な実施例に係る調理装置20eを示す。調理装置20eも、底壁24、側壁26、より短い後壁及び上壁30を有する、概して直角プリズム形状の本体22を備える。
【0078】
本実施例における加熱手段46は、上壁30の内(下)面に沿って、調理空間40に面するように下方に向けられて伸長する。蒸気注入アセンブリ50は、本体22の下部に配置され、側壁26及び上壁30と共に調理空間40を規定する。後壁は、蒸気注入アセンブリ50の高さまでだけ伸長し、従って、調理空間40は、後部開口部を備える。加熱手段46と蒸気注入アセンブリ50との間の距離は、本実施例において約25cmである。加熱手段46は、好適には、セラミック・バーナーであるが、代替的に、電気要素、又はそのような加熱手段の組み合わせとすることができる。
【0079】
携帯可能な燃料容器は、本体22の下部後方部に収納される。ガス・バーナー(ストーブ)70も、上壁30に配置される。加熱手段46のための関連付けられた点火ボタン74及びガス調節つまみ76並びにガス・バーナー70は、上壁30に配置される。折り畳み式の運搬用ハンドル250も、上壁30に配置される。
【0080】
調理装置20eは、調理空間40の部開口部及び後部開口部を横切って配置される、前部及び後部水平調理ラック240を備える。前部及び後部調理ラック240は、串のそれぞれの端部を収容及び支持するための、位置を合わせられ水平に間隔を空けられた複数のスロット242を備える。
【0081】
調理ラック240は、互いに取り付けられても、又は、分離され、本体22に独立して取り付け可能であってもよい。調理ラック240の垂直位置は、少なくとも3つの取り得る位置、即ち、調理空間40の縦方向の中間点、並びに、この中間点の2.5cm上方及び下方の間で調節可能である。側壁26には、調理ラック240を支持するための縦方向に間隔を空けられたスロットなどの、上記調節を可能にするための適切な手段が提供される。
【0082】
使用時には、食品は、串に配置され、串110のそれぞれの端部は、スロット242に置かれる。従って、食品付きの複数の串は、調理空間40内で並行に空間を空けて置かれる。串を使用することの代替案は、グリル・ホルダ138、串ロティサリー144又は網ロティサリー146であり、これらは、ラック240と共に、又はラック240なしで使用され得る。
【0083】
他の取り得る実施例において、下方へ向けられた(上壁)加熱手段と横方向へ向けられた(後壁)加熱手段とは、単一の調理装置において組み合わせられ得る。また、加熱手段は、側壁の少なくとも一部にも提供され得る。
【0084】
加熱要素などの加熱手段は、蒸気注入トレイ内の液体を加熱するために、蒸気注入トレイに提供されることもできる。
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