特許第6559985号(P6559985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559985
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】画像診断プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20190805BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   A61B8/12
   A61B1/00 526
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-58260(P2015-58260)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-174808(P2016-174808A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】時田 昌典
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−047322(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0065884(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/145689(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0005626(US,A1)
【文献】 特開平08−126604(JP,A)
【文献】 特開平09−010215(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0172698(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光送受信部と超音波送受信部とを有するイメージングコアを備えた画像診断プローブであって、
前記光送受信部を固定する第1の固定部と、
前記超音波送受信部を固定する第2の固定部と、
前記第1の固定部と前記第2の固定部とを連結する連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記第1の固定部及び前記第2の固定部よりも曲げ剛性が小さいことを特徴とする画像診断プローブ。
【請求項2】
前記第2の固定部と連結された駆動シャフトをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像診断プローブ。
【請求項3】
前記連結部材と前記駆動シャフトとは、独立した部材として構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像診断プローブ。
【請求項4】
前記第1の固定部は第1のハウジングであり、前記第2の固定部は前記第1のハウジングとは異なる第2のハウジングであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像診断プローブ。
【請求項5】
前記第1の固定部及び前記連結部材、前記連結部材及び前記第2の固定部は、接着、ロウ付け、融着又は溶接のいずれかにより連結されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像診断プローブ。
【請求項6】
前記連結部材は前記駆動シャフトの一部として構成されており、
前記第2の固定部は、前記駆動シャフトに設けられた窓部にロウ付けされて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像診断プローブ。
【請求項7】
前記第1の固定部は、前記イメージングコアの先端側に設けられたハウジングであることを特徴とする請求項6に記載の画像診断プローブ。
【請求項8】
前記イメージングコアの先端側に設けられた前記第1の固定部の外径は、前記第2の固定部の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像診断プローブ。
【請求項9】
前記イメージングコアの先端側に設けられた前記第1の固定部は、前記先端側の外径が前記連結部材の側の外径以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像診断プローブ。
【請求項10】
前記第1の固定部の端部が半球形状を有することを特徴とする請求項9に記載の画像診断プローブ。
【請求項11】
前記連結部材は弾性部材であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像診断プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管等の生体管腔の診断のために使用される画像診断プローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
血管及び脈管などの生体管腔内に生じる狭窄部病変等を経皮的に治療する際、病変の性状を観察するため、又は治療後の状態を観察するため、超音波又は光等を利用して生体管腔内の断層画像を取得する診断用のカテーテルが用いられている。
【0003】
血管内超音波診断(IVUS:IntraVascular Ultra Sound)では、挿入部の先端に超音波振動子を有する回転自在なイメージングコアが設けられており、イメージングコアから手元側の駆動部にかけて延在している駆動シャフト等を介して回転走査(ラジアルスキャン)するものが一般的である。
【0004】
また、波長掃引を利用した光干渉断層画像診断(OCT:Optical Coherence Tomography)では、光ファイバの先端に光送受信部が取り付けられたイメージングコアが存在しており、イメージングコアから手元側の駆動部にかけて延在している駆動シャフト等を介して回転させる。イメージングコアを回転させながら、先端の光送受信部から血管内腔に対して近赤外光を出射するとともに、生体組織からの反射光を受光することで血管内におけるラジアル走査を行う。そして、該受光した反射光と参照光とを干渉させることにより生成した干渉光に基づいて、血管の断面画像を描出するものが一般的である。
【0005】
OCTは解像度の高い画像が得られるが、血管内腔面から比較的浅い組織までの像しか得られない。一方、IVUSの場合は、得られる画像の解像度という点ではOCTよりは低いものの、逆に、OCTより深い血管組織の像を得ることができる。そこで、近年、IVUSの機能と、OCTの機能とを組み合わせたイメージングコアを有する画像診断装置(超音波を送受信可能な超音波送受信部と、光を送受信可能な光送受信部とを備える画像診断装置)が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−56752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、IVUSの機能とOCTの機能とを組み合わせたイメージングコアを有する画像診断装置の場合、イメージングコアの先端部において超音波送受信部と光送受信部とがハウジングに搭載されている。しかしながら、先端部のハウジングに超音波送受信部と光送受信部とを設ける場合、先端部のサイズは大きくなり、その長さも長くなる。
【0008】
先端部のハウジングのサイズが大きくなる又はその長さが長くなると、例えば屈曲した生体管腔(例えば、血管)及びカテーテルシースに対してイメージングコアの動きが追従できず、カテーテルシース内での動きがスムーズではなくなり、カテーテルシースの内壁に先端部がこすれてしまうことがある。これにより、カテーテルとしての所望の機能を満足しなくなる恐れがある。また、先端部はプルバック時に高速回転しているため、カテーテルシース内壁に過度な負荷が加わり、カテーテルシースが破損する恐れがある。さらには、カテーテルシースが破損すると血管損傷のリスクが生じる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、屈曲した生体管腔及びカテーテルシースに対するイメージングコアの追従性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る画像診断プローブは以下のような構成を備える。即ち、
光送受信部と超音波送受信部とを有するイメージングコアを備えた画像診断プローブであって、
前記光送受信部を固定する第1の固定部と、
前記超音波送受信部を固定する第2の固定部と、
前記第1の固定部と前記第2の固定部とを連結する連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記第1の固定部及び前記第2の固定部よりも曲げ剛性が小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、屈曲した生体管腔及びカテーテルシースに対するイメージングコアの追従性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る画像診断装置の外観構成を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るイメージングコア及び当該イメージングコアを収容するカテーテルの構造の一例を示す図。
図3】本発明の第1実施形態に係るイメージングコアの構造の変形例を示す図。
図4】本発明の第2実施形態に係るイメージングコアの構造の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、明細書を通じて同一の参照符号は同一の構成要素を表している。
【0014】
(第1実施形態)
図1は本発明の一実施形態に係る画像診断装置100の外観構成を示す図である。本実施形態に係る画像診断装置100は、IVUS機能とOCT機能とを有する。
【0015】
図1に示すように、画像診断装置100は、画像診断プローブ101と、スキャナ及びプルバック部102と、操作制御装置103とを備え、スキャナ及びプルバック部102と操作制御装置103とは、コネクタ105を介して、信号線や光ファイバを収容したケーブル104により接続されている。
【0016】
画像診断プローブ101は、直接血管内に挿入されるものであり、パルス信号に基づく超音波を送信すると共に血管内からの反射波を受信する超音波送受信部と、伝送されてきた光(測定光)を連続的に血管内に送信するとともに、血管内からの反射光を連続的に受信する光送受信部とを備えるイメージングコアを収容するカテーテルが内挿されている。画像診断装置100では、該イメージングコアを用いることで血管内部の状態を測定する。
【0017】
スキャナ及びプルバック部102は、画像診断プローブ101が着脱可能に取り付けられ、内蔵されたモータを駆動させることでカテーテルシースに内挿された画像診断プローブ101におけるイメージングコアの、血管内軸方向の動作及び回転方向の動作を規定している。また、スキャナ及びプルバック部102は、イメージングコア内の超音波送受信部において受信された反射波の信号及び光送受信部において受信された反射光を取得し、操作制御装置103に対して送信する。
【0018】
操作制御装置103は、測定を行うにあたり、各種設定値を入力するための機能や、測定により得られた超音波データや光干渉データを処理し、各種血管像を表示するための機能を備える。
【0019】
操作制御装置103において、111は本体制御部である。本体制御部111は、測定により得られた超音波の反射波の信号から、ラインデータを生成し、補間処理を経て超音波断層像を生成する。さらに、本体制御部111は、イメージングコアからの反射光と、光源からの光を分離することで得られた参照光とを干渉させることで干渉光データを生成するとともに、該干渉光データに基づいてラインデータを生成し、補間処理を経て光干渉に基づく血管断層画像を生成する。
【0020】
111−1はプリンタ及びDVDレコーダであり、本体制御部111における処理結果を印刷したり、データとして記憶したりする。112は操作パネルであり、ユーザは該操作パネル112を介して、各種設定値及び指示の入力を行う。113は表示装置としてのLCDモニタであり、本体制御部111において生成された各種断層画像を表示する。114は、ポインティングデバイス(座標入力装置)としてのマウスである。
【0021】
次に、図2を参照して、イメージングコア210の構造及びイメージングコア210を収容するカテーテル200の構造について説明する。図2の符号200が本実施形態におけるカテーテルである。また、カテーテル200は、図1における画像診断プローブ101に相当する。このカテーテル200における後端(プルバック部102と接続する端部)の近傍には、カテーテルシース230内に透明な液体(生理食塩水など)を注入するための注入口220が設けられている。
【0022】
また、カテーテル200のカテーテルシース230は透明な材質で構成され、内部には、回転自在で、かつ、カテーテル200に沿って移動可能なイメージングコア210を収容している。イメージングコア210は、光送受信部2101と超音波送受信部2102とを備えている。超音波送受信部2102はバッキング部材2107により支持されている。イメージングコア210の先端側には光送受信部2101を固定する第1の固定部2103が、それよりもプルバック方向側には超音波送受信部2102を固定する第2の固定部2104が、それぞれ設けられている。第2の固定部2104は、駆動シャフト2106と接着、又はロウ付け(例えば半田付け)等により連結されている。
【0023】
本実施形態では、連結部材2105と駆動シャフト2106とは独立した部材として構成されている。本実施形態では、第1の固定部2103は第1のハウジングであり、第2の固定部2104は第1のハウジングとは異なる第2のハウジングである。第1の固定部2103、第2の固定部2104、及び連結部材2105の接続方法は、各々の材質に従って変更できる。その一例として、第2のハウジングである第2の固定部2104及び連結部材2105が樹脂の場合には、第2の固定部2104は駆動シャフト2106と融着により連結されてもよい。あるいは、第2のハウジングである第2の固定部2104及び連結部材2105が金属の場合には、第2の固定部2104は駆動シャフト2106と溶接により連結されてもよい。
【0024】
また、第1の固定部2103と第2の固定部2104との間には両者を連結する連結部材2105が設けられている。連結部材2105は、第1の固定部2103及び第2の固定部2104よりも曲げ剛性が小さい材料で構成されている。この連結部材2105の存在により先端部の柔軟性が増し、屈曲した生体管腔及びカテーテルシース230に対するイメージングコア210の追従性を向上させることが可能となる。連結部材2105には、例えばゴム等の弾性部材、あるいは駆動シャフト2106と同じ材質の部材を使用することができる。
【0025】
第1の固定部2103と第2の固定部2104は主にステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L)などで製造され、そのヤング率Eは約200(GPa)である。また、第1の固定部2103と第2の固定部2104は、内径約0.5(mm)、外径約0.6(mm)であるパイプ形状であることから、各々の固定部の断面二次モーメントIは3.3×10(mm)と算出することができる。よって、各々の固定部の曲げ剛性EIは6.6×10−4(N・m)となる。カテーテルシース230は曲率半径15(mm)程度の屈曲血管内で使用されるが、ステンレス鋼パイプのように高い曲げ剛性を持つ部材で、かつイメージングコア210が従来よりも長くなる場合、カテーテルシース230内で曲がらないため屈曲に対する追従性が低下する。従って、連結部材2105としてはこの曲げ剛性の値よりも小さな材料で構成されることで、イメージングコア部分が血管の屈曲部分に侵入した際、曲げ応力の小さな連結部材部分で選択的にイメージングコアが屈曲し、カテーテルシース230に対する追従性を向上させることができる。
【0026】
連結部材2105の具体例としては、各々の固定部に比べてヤング率が小さい、ゴム系素材(ヤング率おおよそ0.01〜0.1(GPa))、ナイロン系素材(ヤング率おおよそ3〜7(GPa))等を使用すれば、曲げ剛性の値を2〜4ケタ小さくすることができる。また、駆動シャフト2106のように構造を工夫することで屈曲に対する追従性を向上させたものを連結部材2105としても良い。
【0027】
また、第1の固定部2103及び連結部材2105、連結部材2105及び第2の固定部2104についても同様に、接着又はロウ付け(例えば半田付け)、融着、溶接等により連結されている。
【0028】
駆動シャフト2106は、柔軟で且つ回転をよく伝送できる特性を有する素材であり、例えば、ステンレス等の金属線からなる多重多層密着コイル等により構成されている。そして、駆動シャフト2106の内部には信号線2108及び光ファイバ2109が収容されている。信号線2108の端部は、バッキング部材2107上で超音波送受信部2102の電極2110と半田付けにより接合されている。バッキング部材2107を設けることで、超音波送受信部2102の背面側からの反射を抑えることができ、血管内腔面以外からの反射を抑制することが可能となる。
【0029】
第1の固定部2103及び第2の固定部2104は一部に切り欠き部を有しており、超音波送受信部2102や光送受信部2101は、その切欠き部を介して超音波や光の送信と受信を行うことになる。
【0030】
超音波送受信部2102は、信号線2108から印加されるパルス信号に従って超音波を出射し、血管組織からの反射波を検出して、それを電気信号として信号線2108に伝達する。
【0031】
光送受信部2101は、光ファイバ2109の端部に設けられ、図2の垂直面に対し球体を略45度の角度で切った半球体形状を成し、その傾斜面にはミラー部が形成されている。また、光送受信部2101は半球体形状を有することで、レンズの機能を兼ね備えている。光ファイバ2109を介して供給された光は、当該ミラー部で反射され、血管組織に向けて出射される。そして、血管組織からの反射光を受信し、ミラー部で反射して、光ファイバ2109にその反射光を返すことになる。
【0032】
スキャン時、プルバック部102のラジアル走査モータの駆動に応じて、駆動シャフト2106は矢印2111に沿って回転すると共に、矢印2112に沿って移動する。この結果、第2の固定部2104に固定されている超音波送受信部2102及び第1の固定部2103に固定されている光送受信部2101が回転とその軸方向への移動を行いながら、超音波の出射と反射波の検出、並びに、光の出射とその反射光の検出を行うことになる。
【0033】
また、本実施形態では、図2に示すようにイメージングコア210の先端側に設けられた第1の固定部2103の外径は、第2の固定部2104の外径よりも小さく構成されている。また、第1の固定部2103の外径<=連結部材2105の外径<=第2の固定部2104の外径として構成してもよい。イメージングコア210の先端側ほど外径を小さく構成することで、カテーテルシース230の内壁とイメージングコア210の先端とが接触する可能性を低減することができる。そのため、屈曲した生体管腔及びカテーテルシース230に対するイメージングコア210の追従性をさらに向上させることが可能となる。
【0034】
従来、光送受信部2101及び超音波送受信部2102は1つのハウジング内に配置されていたが、本実施形態では光送受信部2101及び超音波送受信部2102をそれぞれ別の固定部(ハウジング)に配置することにより、各々のハウジングサイズを従来のハウジングと比較して小さくすることができる。従って、カテーテルシース230の内壁とイメージングコア210の先端とが接触する可能性をより低減することができ、屈曲した生体管腔及びカテーテルシース230に対するイメージングコア210の追従性をさらに向上させることが可能となる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る画像診断プローブ101は、光送受信部2101と超音波送受信部2102とを有するイメージングコア210を備えた画像診断プローブ101であって、光送受信部2101を固定する第1の固定部2103と、超音波送受信部2102を固定する第2の固定部2104と、第1の固定部2103と第2の固定部2104とを連結する連結部材2105とを備え、連結部材2105は、第1の固定部2103及び第2の固定部2104よりも曲げ剛性が小さい。
【0036】
このように、曲げ剛性の小さい連結部材を設けることで、屈曲した生体管腔及びカテーテルシースに対するイメージングコアの追従性を向上させることが可能となる。また、ハウジング(固定部)を分割して配置しているため、先端のハウジング(固定部)のサイズを小さく、その長さを短くすることができ、さらに追従性を向上させることが可能となる。
【0037】
なお、本実施形態では第1の固定部2103(光送受信部2101)がイメージングコア210の先端側に、第2の固定部2104(超音波送受信部2102)がプルバック方向側に配置されている例を説明した。これは、一般に、光送受信部2101が含むレンズのサイズの方が、超音波送受信部2102が含む超音波振動子のサイズよりも小さいからである。先端側に第1の固定部2103(光送受信部2101)を配置した方が先端部をより小型化することができ、よりスムーズな操作が可能となり、ひいてはイメージングコアの追従性を向上させることができる。しかしながら、本発明は第2の固定部2104(超音波送受信部2102)が先端側、第1の固定部2103(光送受信部2101)がプルバック方向側に配置される構成にも適用できる。
【0038】
[変形例]
続いて、図3を参照して、本実施形態に係る画像診断プローブ101の変形例について説明する。図3に示すように、第1の固定部2103の先端部が湾曲形状、例えば半球形状を有するように構成してもよい。あるいは、半球形状に限らず、イメージングコア210の先端側に設けられた第1の固定部2103は、その先端側の外径が連結部材2105の側の外径以下に構成してもよい。第1の固定部2103は、先端ほど外径が小さくなるように構成されてもよく、例えば複数段階にわたって外径を小さくした複数の円筒により構成されてもよい。
【0039】
第1の固定部2103について、その先端ほど外径を小さく構成することにより、カテーテルシース230の内壁とイメージングコア210の先端とが接触する可能性をより低減することができ、屈曲した生体管腔及びカテーテルシース230に対するイメージングコア210の追従性をさらに向上させることが可能となる。
【0040】
(第2実施形態)
第1実施形態では、第1の固定部2103と第2の固定部2104とがそれぞれ別のハウジングとして構成されており、両者より曲げ剛性の小さい連結部材2105により両社を連結する例について説明した。
【0041】
これに対して、第2実施形態では、連結部材が駆動シャフトの一部として構成されており、第2の固定部が、駆動シャフトに設けられた窓部にロウ付けされて構成されている例を説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係るイメージングコアの構造の一例を示す図である。第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については説明を省略する。
【0042】
本実施形態に係るイメージングコア310では、第1実施形態の連結部材2105に相当する連結部材3105が、駆動シャフト2106の一部として構成されている。すなわち、連結部材3105は駆動シャフト2106と同様に金属線からなる多重多層密着コイル等により構成されているため柔軟である。
【0043】
そして、第2の固定部3104は、駆動シャフト2106に設けられた窓部にロウ付けされて、1つの硬質部として構成されている。これにより、ハウジングと同等の機能を有することになる。第1の固定部2103については、例えばイメージングコア310の先端側に設けられたハウジングであり、第1実施形態と同様の構成である。
【0044】
このような構成とすることで、連結部材3105は、駆動シャフト2106と同じ材質の弾性を有する部材として構成することができ、これにより屈曲した生体管腔及びカテーテルシースに対するイメージングコアの追従性を向上させることが可能となる。さらには、ハウジングは先端の1つだけとなるので、ハウジング材料の削減にも寄与することができる。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明してきたが、第1実施形態で説明した構成の一部と第2実施形態で説明した構成とを組み合わせてもよい。例えば、第1実施形態で説明したように、第2実施形態でも第1の固定部2103の外径<=連結部材3105の外径<=第2の固定部3104の外径としてもよい。また、第1の固定部2103の先端ほど外径を小さく構成してもよい。
【0046】
なお、本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の要旨及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【符号の説明】
【0047】
101:画像診断プローブ、210,310:イメージングコア、230:カテーテルシース、2101:光送受信部、2102:超音波送受信部、2103:第1の固定部、2104,3104:第2の固定部、2105,3105:連結部材、2106:駆動シャフト
図1
図2
図3
図4