【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年3月27日デザイン・クリエイティブセンター神戸において開催された公益社団法人日本薬学会第135年会で発表
【文献】
Bulletin of the Chemical Society of Japan,1986年,Vol.59, No.2,pp.411-414
【文献】
Chemical & Pharmaceutical Bulletin,2015年,Vol.63, No.11,pp.961-966
【文献】
European Journal of Organic Chemistry,2012年,Vol.2012, No.6,pp.1237-1252
【文献】
Chemical & Pharmaceutical Bulletin,1996年,Vol.44, No.12,pp.2280-2286
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(構造式4a及び構造式4a’のいずれかで表される化合物、並びにその製造方法)
本発明の下記構造式4a及び下記構造式4a’のいずれかで表される化合物は、前記レンツトレハロースAの製造に有用な中間体であり、本発明の下記構造式4a及び下記構造式4a’のいずれかで表される化合物の製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の下記構造式4a及び下記構造式4a’のいずれかで表される化合物の製造方法の説明と併せて、本発明の下記構造式4a及び下記構造式4a’のいずれかで表される化合物についても説明する。
【化37】
【化38】
ただし、前記構造式4a及び前記構造式4a’中、Bnはベンジル基を表わす。
【0010】
<構造式4a及び構造式4a’のいずれかで表される化合物の製造方法>
前記構造式4a及び構造式4a’のいずれかで表される化合物の製造方法は、ベンジル基導入工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0011】
−ベンジル基導入工程−
前記ベンジル基導入工程は、トレハロースにベンジル基を導入し、前記構造式4a及び構造式4a’のいずれかで表される化合物を製造する工程である。
【0012】
前記ベンジル基導入工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ベンジリデン保護処理及びベンジル基(以下、「Bn」と称することがある)保護処理を行った後、アセタールの位置選択的開裂処理を行うことが好ましい。
【0013】
前記ベンジリデン保護処理に用いる化合物及びその量、反応条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記構造式4aで表される化合物を主生成物として製造する場合には、前記トレハロース(6.80mmol)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(1当量)、及びパラトルエンスルホン酸(5mol%)をジメチルホルムアミドに溶解し、100℃に加熱後、160mmHgの減圧下で8時間撹拌し、更にベンズアルデヒドジメチルアセタール(1当量)を加え、160mmHgの減圧下で1時間撹拌し、更にベンズアルデヒドジメチルアセタール(0.25当量)を加え、160mmHgの減圧下で4時間撹拌する処理などが挙げられる。
【0014】
また、例えば、前記構造式4a’で表される化合物を主生成物として製造する場合には、前記トレハロース(10.4mmol)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(1.25当量)、及びパラトルエンスルホン酸(5.0mol%)をジメチルホルムアミドに溶解し、240mmHgの減圧下で20時間撹拌する処理などが挙げられる。
【0015】
前記Bn保護処理に用いる化合物及びその量、反応条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記構造式4aで表される化合物を主生成物として製造する場合には、前記ベンジリデン保護処理後の生成物をテトラヒドロフランに溶解し、水素化ナトリウム(10当量)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(7mol%)、臭化ベンジル(6当量)を氷冷下順次加え、室温下で45時間撹拌する処理などが挙げられる。
【0016】
また、例えば、前記構造式4a’で表される化合物を主生成物として製造する場合には、前記ベンジリデン保護処理を行った混合溶液に、水素化ナトリウム(15当量)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(7mol%)、臭化ベンジル(9当量)を氷冷下順次加え、室温下で12時間撹拌する処理などが挙げられる。
【0017】
前記アセタールの位置選択的開裂処理に用いる化合物及びその量、反応条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記構造式4aで表される化合物を主生成物として製造する場合には、前記Bn保護処理の生成物を塩化メチレンに溶解し、0℃にてトリエチルシラン(15当量)とトリフルオロ酢酸(15当量)とを加えそのまま3時間撹拌する処理などが挙げられる。
【0018】
また、例えば、前記構造式4a’で表される化合物を主生成物として製造する場合には、前記Bn保護処理の生成物を塩化メチレンに溶解し、0℃にてトリエチルシラン(7.5当量)とトリフルオロ酢酸(7.5当量)とを加えそのまま2.5時間撹拌する処理などが挙げられる。
【0019】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレハロース調製工程、精製工程などが挙げられる。
前記トレハロースの調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。前記トレハロースは、市販品を使用してもよい。
前記構造式4a及び前記構造式4a’のいずれかで表される化合物を精製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0020】
<構造式4a及び構造式4a’のいずれかで表される化合物>
−構造式4aで表される化合物−
構造式4aで表される化合物の融点、比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
融点 : 101℃−103℃(dec.)
比旋光度 : [α]
25D=79 (c=1.3, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.38−7.33(m, 8H), 7.30−7.23(m, 22H), 5.23(d, J=3.6Hz, 2H), 5.00(d, J=11.4Hz, 2H), 4.79(d, J=11.4Hz, 2H), 4.69 (d, J= 12.1Hz, 2H), 4.63(d, J=12.1Hz, 2H), 4.50(d, J=12.1Hz, 2H), 4.44(d, J=12.1Hz, 2H), 4.13−4.10(m, 2H), 3.87(t, J=9.6Hz, 2H), 3.59(t, J=9.6Hz, 2H), 3.56(dd, J=9.6Hz, J=3.6Hz, 2H), 3.53−3.45(m, 4H), 2.38(bs, 2H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.9, 138.1, 138.0, 128.7, 128.5, 128.5, 128.1, 127.9, 127.8, 127.8, 127.6, 94.3, 81.1, 79.0, 75.4, 73.7, 72.5, 70.8, 70.7, 69.3
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
54H
58O
11K m/z 921.3611 [M+K]
+, found 921.3598
【0021】
−構造式4a’で表される化合物−
構造式4a’で表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
比旋光度 : [α]
25D=88(c=1.0, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.37−7.20(m, 33H), 7.13−7.11(m, 2H), 5.24(d, J=3.4Hz, 1H), 5.23(d, J=3.4Hz, 1H), 5.00(d, J=11.4Hz, 1H), 4.99(d, J=11.0Hz, 1H), 4.86(d, J=11.0Hz, 1H), 4.81(d, J=10.5Hz, 1H), 4.79(d, J=11.4Hz, 1H), 4.71−4.64(m, 4H), 4.54(d, J=12.4Hz, 1H), 4.50(d, J=12.4Hz, 1H), 4.45(d, J=10.5Hz, 1H), 4.43(d, J=12.4Hz, 1H), 4.37(d, J=12.4Hz, 1H), 4.17−4.11(m, 2H), 4.03(t, J=9.4Hz, 1H), 3.87(t, J=9.4Hz, 1H), 3.68(t, J=9.6Hz, 2H), 3.59(dd, J=9.6Hz, J=3.2Hz, 1H), 3.56(dd, J=9.8Hz, J=3.4Hz, 1H), 3.53−3.44(m, 3H), 3.36(d, J=10.1Hz, 1H), 2.38(d, J=2.3Hz, 1H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.9, 138.9, 138.4, 138.2, 138.1, 138.0, 137.9, 128.6, 128.5, 128.4, 128.1, 128.0, 128.0, 127.8, 127.8, 127.8, 127.7, 127,7, 127.6, 127.6, 127.4, 94.5, 94.4, 81.9, 81.1, 79.4, 79.1, 77.7, 75.7, 75.4, 75.2, 73.7, 73.6, 72.8, 72.5, 70.9, 70.7, 70.6, 69.2, 68.2
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
61H
64O
11K m/z 1101.4080 [M+K]
+, found 1101.4067
【0022】
化合物が、前記構造式4a若しくは前記構造式4a’で表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、質量分析法、紫外分光法、赤外分光法、プロトン核磁気共鳴分光法、炭素13核磁気共鳴分光法等の分析方法などが挙げられる。なお、前記各分析方法による測定値には、多少の誤差が生じることがあるが、当業者であれば、化合物が前記構造式4a若しくは前記構造式4a’で表される構造を有することは容易に同定することが可能である。
【0023】
(構造式3a及び構造式3a’のいずれかで表される化合物、並びにその製造方法)
本発明の下記構造式3a及び下記構造式3a’のいずれかで表される化合物は、前記レンツトレハロースAの製造に有用な中間体であり、本発明の下記構造式3a及び下記構造式3a’のいずれかで表される化合物の製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の下記構造式3a及び下記構造式3a’のいずれかで表される化合物の製造方法の説明と併せて、本発明の下記構造式3a及び下記構造式3a’のいずれかで表される化合物についても説明する。
【化39】
【化40】
ただし、前記構造式3a及び前記構造式3a’中、Bnはベンジル基を表わす。
【0024】
<構造式3a及び構造式3a’のいずれかで表される化合物の製造方法>
前記構造式3a及び前記構造式3a’のいずれかで表される化合物の製造方法は、プレニル化工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0025】
−プレニル化工程−
前記プレニル化工程は、前記構造式4aで表される化合物及び前記構造式4a’で表される化合物の少なくともいずれかをプレニル化し、前記構造式3a及び前記構造式3a’のいずれかで表される化合物を製造する工程である。
【0026】
前記プレニル化に用いる化合物及びその量、反応条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記構造式3aで表される化合物を製造する場合には、前記構造式4aで表される化合物(0.119mmol)をジメチルホルムアミドに溶解し、水素化ナトリウム(2.5当量)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(5mol%)、臭化プレニル(1.1当量)を氷冷下順次加え、室温で12時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0027】
また、例えば、前記構造式3a’で表される化合物を製造する場合には、前記構造式4a’で表される化合物(0.109mmol)をジメチルホルムアミドに溶解し、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(10mol%)、水素化ナトリウム(2当量)、臭化プレニル(5当量)を氷冷下順次加え、室温で12時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0028】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した前記構造式4aで表される化合物及び前記構造式4a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程、精製工程などが挙げられる。
前記構造式3a及び前記構造式3a’のいずれかで表される化合物を精製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0029】
<構造式3a及び構造式3a’のいずれかで表される化合物>
−構造式3aで表される化合物−
構造式3aで表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
比旋光度 : [α]
25D=88(c=1.0, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.31−7.12(m, 30H), 5.19−5.16(m, 1H), 5.13(bs, 2H), 4.93(d, J=11.2Hz, 1H), 4.90(d, J=11.2Hz, 1H), 4.79(d, J=11.2Hz, 1H), 4.70(d, J=11.2Hz, 1H), 4.62−4.54(m, 4H), 4.47(d, J=12.2Hz, 1H), 4.41(d, J=12.2Hz, 1H), 4.36(d, J=12.2Hz, 1H), 4.34(d, J=12.2Hz, 1H), 4.24−4.19(m, 1H), 4.08−4.03(m, 2H), 3.95−3.88(m, 2H), 3.77(t, J=9.4Hz, 1H), 3.59(t, J=9.4Hz, 1H), 3.48−3.39(m, 5H), 3.37−3.12(m, 2H), 2.30(bs, 1H), 1.62(s, 3H), 1.46(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ139.0, 138.9, 138.3, 138.1, 138.0, 138.0, 137.1, 128.6, 128.4, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 127.6, 127.6, 127.5, 121.2, 94.7, 94.6, 81.8, 81.3, 79.3, 79.0, 75.6, 75.5, 73.6, 73.6, 72.8, 72.4, 70.9, 70.8, 70.5, 69.7, 69.2, 68.4, 25.9, 18.0
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
59H
66O
11K m/z 989.4237 [M+K]
+, found 989.4210
【0030】
−構造式3a’で表される化合物−
構造式3a’で表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
比旋光度 : [α]
25D=87(c=1.6, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.38−7.20(m, 33H), 7.12−7.09(m, 2H), 5.26−5.24(m, 1H), 5.21−5.20(m, 2H), 4.99(d, J=10.8Hz, 1H), 4.97(d, J=11.0Hz, 1H), 4.86(d, J=10.8Hz, 1H), 4.84(d, J=11.0Hz, 1H), 4.80(d, J=10.5Hz, 1H), 4.70−4.62(m, 4H), 4.56(d, J=12.1Hz, 1H), 4.54(d, J=12.2Hz, 1H), 4.44(d, J=12.1Hz, 1H), 4.43(d, J=10.5Hz, 1H), 4.35(d, J=12.2Hz, 1H), 4.33−4.27(m, 1H), 4.17−4.13(m, 2H), 3.99(t, J=9.4Hz, 2H), 3.96(t, J=9.4Hz, 1H), 3.69−3.65(m, 1H), 3.58−3.47(m, 5H), 3.41(d, J=10.8Hz, 1H), 3.33(d, J=10.8Hz, 1H), 1.69(s, 3H), 1.53(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ139.1, 139.0, 138.4, 138.4, 138.3, 138.0, 138.0, 137.2, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.1, 128.1, 128.0, 128.0, 127.8, 127.7, 127.6, 127.6, 127.6, 127.5, 121.3, 94.8, 82.0, 81.8, 79.4, 79.4, 77.7, 77.5, 77.4, 75.8, 75.7, 75.2, 73.6, 72.8, 72.7, 70.8, 70.6, 69.7, 68.4, 68.1, 25.9, 18.1
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
66H
72O
11Na m/z 1063.4967 [M+Na]
+, found 1063.4945
【0031】
化合物が、前記構造式3a若しくは前記構造式3a’で表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、質量分析法、紫外分光法、赤外分光法、プロトン核磁気共鳴分光法、炭素13核磁気共鳴分光法等の分析方法などが挙げられる。なお、前記各分析方法による測定値には、多少の誤差が生じることがあるが、当業者であれば、化合物が前記構造式3a若しくは前記構造式3a’で表される構造を有することは容易に同定することが可能である。
【0032】
(構造式2a、構造式2a’、及び構造式2a’’のいずれかで表される化合物、並びにその製造方法)
本発明の下記構造式2a、下記構造式2a’、及び下記構造式2a’’のいずれかで表される化合物は、前記レンツトレハロースAの製造に有用な中間体であり、本発明の、下記構造式2aで表される化合物及び下記構造式2a’で表される化合物の少なくともいずれかの製造方法、若しくは下記構造式2a’’で表される化合物の製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の下記構造式2aで表される化合物及び下記構造式2a’で表される化合物の少なくともいずれかの製造方法、並びに下記構造式2a’’で表される化合物の製造方法の説明と併せて、本発明の下記構造式2a、下記構造式2a’、及び下記構造式2a’’のいずれかで表される化合物についても説明する。
【化41】
【化42】
【化43】
ただし、前記構造式2a、前記構造式2a’、及び前記構造式2a’’中、Bnはベンジル基を表わす。
【0033】
<構造式2a及び構造式2a’のいずれかで表される化合物の製造方法>
前記構造式2a及び構造式2a’のいずれかで表される化合物の製造方法は、シャープレス不斉ジヒドロキシ化工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0034】
−シャープレス不斉ジヒドロキシ化工程−
前記シャープレス不斉ジヒドロキシ化工程は、前記構造式3aで表される化合物及び前記構造式3a’で表される化合物の少なくともいずれかをシャープレス不斉ジヒドロキシ化し、前記構造式2a及び前記構造式2a’のいずれかで表される化合物を製造する工程である。
【0035】
前記シャープレス不斉ジヒドロキシ化に用いる化合物及びその量、反応条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記構造式2aで表される化合物を製造する場合には、前記構造式3aで表される化合物(45μmol)をt−ブタノール、水、アセトンの混合溶媒(1:1:1)に溶解し、AD−mix−α(118mg)、ビス(ジヒドロキニニル)フタラジン(0.25当量)、及びメタンスルホンアミド(2当量)と共に0℃にて66時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0036】
また、例えば、前記構造式2a’で表される化合物を製造する場合には、前記構造式3a’で表される化合物(45μmol)をt−ブタノール、水、アセトンの混合溶媒(1:1:1)に溶解し、AD−mix−α(124mg)、ビス(ジヒドロキニニル)フタラジン(0.25当量)、及びメタンスルホンアミド(2当量)と共に0℃にて72時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0037】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した前記構造式3aで表される化合物及び前記構造式3a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程、精製工程などが挙げられる。
前記構造式2a及び前記構造式2a’のいずれかで表される化合物を精製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0038】
<構造式2a及び構造式2a’のいずれかで表される化合物>
−構造式2aで表される化合物−
構造式2aで表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
比旋光度 : [α]
25D=88(c=1.6, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.40−7.22(m, 30H), 5.22(d, J=3.7Hz, 1H), 5.20(d, J=3.9Hz, 1H), 5.03(d, J=11.2Hz, 1H), 5.02(d, J=11.0Hz, 1H), 4.83(d, J=11.2Hz, 1H), 4.78(d, J=11.0Hz, 1H), 4.70(d, J=11.9Hz, 1H), 4.70−4.66(m, 2H), 4.62(d, J=11.9Hz, 1H), 4.52(d, J=12.1Hz, 1H), 4.51(d, J=12.1Hz, 1H), 4.44(d, J=12.1Hz, 1H), 4.40(d, J=12.1Hz, 1H), 4.12(br dt, J=9.8Hz, 3.4Hz, 1H), 4.04(br dt, J=10.0Hz, 2.5Hz, 1H), 3.95−3.92(m, 1H), 3.90−3.87(m, 1H), 3.83(dd, J=10.0Hz, 2.3Hz, 1H), 3.73−3.67(m, 1H), 3.60−3.56(m, 2H), 3.55−3.53(m, 1H), 3.51−3.47(m, 3H), 3.44−3.39(m, 2H), 3.33(dd, J=11.0Hz, 2.1Hz, 1H), 3.00(d, J=3.9Hz, 1H), 2.44(d, J=2.5Hz, 1H), 2.42(bs, 1H), 1.10(s, 3H), 0.99(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.8, 138.5, 138.1, 138.0, 137.6, 128.7, 128.5, 128.5, 128.5, 128.1, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.8, 127.6, 127.4, 94.4, 94.2, 81.3, 81.2, 79.6, 79.2, 78.1, 76.3, 75.7, 75.4, 73.8, 73.7, 73.7, 72.7, 72.7, 71.3, 70.9, 70.7, 70.6, 69.3, 68.5, 26.6, 24.6
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
59H
68O
13Na m/z 1007.4552 [M+Na]
+, found 1007.4525
【0039】
−構造式2a’で表される化合物−
構造式2a’で表される化合物の
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.38−7.13(m, 33H), 7.12−7.09(m, 2H), 5.20(d, J=3.4Hz, 1H), 5.19(d, J=3.4Hz, 1H), 5.02(d, J=10.8Hz, 1H), 5.01(d, J=10.8Hz, 1H), 4.89(d, J=10.8Hz, 1H), 4.81(d, J=10.5Hz, 1H), 4.77(d, J=10.8Hz, 1H), 4.72(d, J=12.1Hz, 1H), 4.68−4.61(m, 2H), 4.64(d, J=12.1Hz, 1H), 4.54(d, J=12.1Hz, 1H), 4.53(d, J=12.1Hz, 1H), 4.45(d, J=10.5Hz, 1H), 4.40(d, J=12.1Hz, 1H), 4.37(d, J=12.1Hz, 1H), 4.15(br dt, J=9.8Hz, 3.4Hz, 1H), 4.14−06(m, 2H), 3.91(t, J=9.4Hz, 1H), 3.82(dd, J=9.4Hz, 2.3Hz, 1H), 3.69(t, J=9.4Hz, 1H), 3.60(dd, J=9.6Hz, 3.4Hz, 1H), 3.54(dd, J=9.4Hz, 3.6Hz, 1H), 3.52(dd, J=9.4Hz, 3.6Hz, 1H), 3.49(dd, J=9.6Hz, 8.0Hz, 2H), 3.44−3.41(m, 1H), 3.41−3.39(m, 1H), 3.37(dd, J=10.8Hz, 1.8Hz, 1H), 3.32(dd, J=10.8Hz, 2.3Hz, 1H), 3.00(d, J=3.9Hz, 1H), 2.40(s, 1H), 1.10(s, 3H), 0.98(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.9, 138.6, 138.4, 138.3, 138.1, 137.9, 137.7, 128.5, 128.5, 128.5, 128.1, 128.1, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.8, 127.8, 127.7, 127.5, 127.5, 94.6, 94.4, 82.0, 81.3, 79.6, 79.6, 78.2, 77.8, 76.3, 75.7, 75.7, 75.3, 73.8, 73.7, 73.6, 73.0, 72.6, 71.3, 70.8, 70.5, 68.5, 68.2, 26.6, 24.6
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
66H
74O
13Na m/z 1097.5022 [M+Na]
+, found 1097.4999
【0040】
化合物が、前記構造式2a若しくは前記構造式2a’で表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、質量分析法、紫外分光法、赤外分光法、プロトン核磁気共鳴分光法、炭素13核磁気共鳴分光法等の分析方法などが挙げられる。なお、前記各分析方法による測定値には、多少の誤差が生じることがあるが、当業者であれば、化合物が前記構造式2a若しくは前記構造式2a’で表される構造を有することは容易に同定することが可能である。
【0041】
<構造式2a’’で表される化合物の製造方法>
前記構造式2a’’で表される化合物の製造方法は、エポキシド開環工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0042】
−エポキシド開環工程−
前記エポキシド開環工程は、前記構造式4a’で表される化合物と、下記構造式Iで表されるエポキシドとを反応させ、前記構造式2a’’で表される化合物を製造する工程である。
【化44】
ただし、前記構造式I中、Bnはベンジル基を表わす。
【0043】
前記エポキシド開環に用いる化合物及びその量、反応条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記構造式4a’で表される化合物(25.1μmol)をジメチルホルムアミドに溶解し、水素化ナトリウム(2.5当量)、15−crown−5(2.6当量)、前記構造式Iで表されるエポキシド(2.5当量)を氷冷下順次加え、70℃にて18時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0044】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した前記構造式4a’で表される化合物を製造する工程、精製工程などが挙げられる。
前記構造式2a’’で表される化合物を精製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0045】
<構造式2a’’で表される化合物>
構造式2a’’で表される化合物の
1H NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.41−7.24(m, 36H), 7.14−7.11(m, 2H), 5.21(d, J=3.4Hz, 2H), 5.02(d, J=11.0Hz, 1H), 5.00(d, J=10.5Hz, 1H), 4.88(d, J=11.0Hz, 1H), 4.87(d, J=10.5Hz, 1H), 4.82(d, J=10.5Hz, 1H), 4.71−4.64(m, 4H), 4.55(d, J=12.1Hz, 1H), 4.49(d, J=11.9Hz, 1H), 4.47(d, J=10.5Hz, 1H), 4.44−4.42(m, 2H), 4.42(d, J=11.9Hz, 1H), 4.37(d, J=12.1Hz, 1H), 4.18−4−4.06(m, 2H), 4.03(t, J=9.4Hz, 1H), 4.00(t, J=9.4Hz, 1H), 3.97−3.93(m, 1H), 3.85(dd, J=10.3Hz, 1.6Hz, 1H), 3.75−3.63(m, 3H), 3.58−3.46(m, 5H), 3.42−3.34(m, 2H), 1.15(s, 3H), 1.11(s, 3H)
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
73H
80O
13Na m/z 1187.5491 [M+Na]
+, found 1187.5476
【0046】
化合物が、前記構造式2a’’で表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、質量分析法、紫外分光法、赤外分光法、プロトン核磁気共鳴分光法、炭素13核磁気共鳴分光法等の分析方法などが挙げられる。なお、前記各分析方法による測定値には、多少の誤差が生じることがあるが、当業者であれば、化合物が前記構造式2a’’で表される構造を有することは容易に同定することが可能である。
【0047】
(レンツトレハロースAの製造方法)
本発明のレンツトレハロースAの製造方法の態様は、前記構造式2aで表される化合物、前記構造式2a’で表される化合物、及び前記構造式2a’’で表される化合物の少なくともいずれかを出発物質とする態様(以下、「第1の態様」と称することがある)、若しくは前記トレハロースを出発物質とする態様(以下、「第2の態様」と称することがある)である。
【0048】
<第1の態様>
前記第1の態様は、脱ベンジル基工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0049】
−脱ベンジル基工程−
前記脱ベンジル基工程は、前記構造式2aで表される化合物、前記構造式2a’で表される化合物、及び前記構造式2a’’で表される化合物の少なくともいずれかをパラジウム触媒の存在下で水素と反応させ、レンツトレハロースAを製造する工程である。
【0050】
前記脱ベンジル基に用いる化合物及びその量、反応条件としては、パラジウム触媒の存在下で水素と反応させる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記構造式2aで表される化合物を用いる場合には、前記構造式2aで表される化合物(28.4μmol)を2mLのメタノールに溶解し、10% パラジウム炭素(Pd/C)を20mg添加し、水素雰囲気化で24時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0051】
また、例えば、前記構造式2a’で表される化合物を用いる場合には、前記構造式2a’で表される化合物(28.4μmol)を1.5mLのメタノールに溶解し、ここに10% Pd/Cを15mg添加し、水素雰囲気化で24時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0052】
また、例えば、前記構造式2a’’で表される化合物を用いる場合には、前記構造式2a’’で表される化合物(7.29μmol)を1mLのメタノールに溶解し、ここに10% Pd/Cを7.0mg添加し、水素雰囲気化で24時間撹拌する方法などが挙げられる。
【0053】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した前記構造式2aで表される化合物、前記構造式2a’で表される化合物、及び前記構造式2a’’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程、精製工程などが挙げられる。
前記レンツトレハロースAを精製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0054】
<第2の態様>
前記第2の態様は、プレニル化工程及びシャープレス不斉ジヒドロキシ化工程を含む態様(以下、「第2の態様−1」と称することがある)、若しくはエポキシド開環工程を含む態様(以下、「第2の態様−2」と称することがある)である。
【0055】
<<第2の態様−1>>
前記第2の態様−1は、ベンジル基導入工程と、プレニル化工程と、シャープレス不斉ジヒドロキシ化工程と、脱ベンジル基工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0056】
−ベンジル基導入工程−
前記ベンジル基導入工程は、トレハロースにベンジル基を導入し、前記構造式4aで表される化合物及び前記4a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程であり、上記した<構造式4a及び構造式4a’のいずれかで表される化合物の製造方法>における−ベンジル基導入工程−の項目に記載のものと同様である。
【0057】
−プレニル化工程−
前記プレニル化工程は、前記構造式4aで表される化合物及び前記構造式4a’で表される化合物の少なくともいずれかをプレニル化し、前記構造式3aで表される化合物及び前記構造式3a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程であり、上記した<構造式3a及び構造式3a’のいずれかで表される化合物の製造方法>における−プレニル化工程−の項目に記載のものと同様である。
【0058】
−シャープレス不斉ジヒドロキシ化工程−
前記シャープレス不斉ジヒドロキシ化工程は、前記構造式3aで表される化合物及び前記構造式3a’で表される化合物の少なくともいずれかをシャープレス不斉ジヒドロキシ化し、前記構造式2aで表される化合物及び前記構造式2a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程であり、上記した<構造式2a及び構造式2a’のいずれかで表される化合物の製造方法>における−シャープレス不斉ジヒドロキシ化工程−の項目に記載のものと同様である。
【0059】
−脱ベンジル基工程−
前記脱ベンジル基工程は、前記構造式2aで表される化合物及び前記構造式2a’で表される化合物の少なくともいずれかをパラジウム触媒の存在下で水素と反応させ、前記構造式(1)で表される化合物を製造する工程であり、上記した<第1の態様>における−脱ベンジル基工程−の項目に記載のものと同様である。
【0060】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレハロース調製工程、レンツトレハロースA精製工程などが挙げられる。
【0061】
<<第2の態様−2>>
前記第2の態様−2は、ベンジル基導入工程と、エポキシド開環工程と、脱ベンジル基工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
【0062】
−ベンジル基導入工程−
前記ベンジル基導入工程は、トレハロースにベンジル基を導入し、前記構造式4a’で表される化合物を製造する工程であり、上記した<構造式4a及び構造式4a’のいずれかで表される化合物の製造方法>における−ベンジル基導入工程−の項目に記載のものと同様である。
【0063】
−エポキシド開環工程−
前記エポキシド開環工程は、前記構造式4a’で表される化合物と、前記構造式Iで表されるエポキシドとを反応させ、前記構造式2a’’で表される化合物を製造する工程であり、上記した<構造式2a’’で表される化合物の製造方法>の−エポキシド開環工程−の項目に記載のものと同様である。
【0064】
−脱ベンジル基工程−
前記脱ベンジル基工程は、前記構造式2a’’で表される化合物をパラジウム触媒の存在下で水素と反応させ、前記構造式(1)で表される化合物を製造する工程であり、上記した<第1の態様>における−脱ベンジル基工程−の項目に記載のものと同様である。
【0065】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレハロース調製工程、レンツトレハロースA精製工程などが挙げられる。
【0066】
<構造式(1)で表される化合物>
構造式(1)で表される化合物の
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz, CD
3OD) : δ5.10(d, J=3.8Hz, 1H), 5.08(d, J=3.9Hz, 1H), 4.02(dd, J=10.5Hz, 2.7Hz, 1H), 3.90(t, J=9.4Hz, 1H), 3.84(br dt, J=9.4Hz, 2.8Hz, 1H), 3.80−3.76(m, 5H), 3.67(dd, J=11.7Hz, 4.4Hz, 1H), 3.66−3.63(m, 1H), 3.54(dd, J=7.8Hz, 2.5Hz, 1H), 3.49(dd, J=9.6Hz, 3.8Hz, 1H), 3.46(dd, J=9.6Hz, 3.8Hz, 1H), 3.31(t, J=9.4Hz, 1H), 3.28(t, J=9.4Hz, 1H), 1.19(s, 3H), 1.17(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ95.1, 95.0, 80.4, 78.1, 74.7, 74.5, 74.4, 73.8, 73.4, 73.2, 72.8, 72.7, 71.9, 62.6, 62.1, 26.5, 25.4
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
17H
32O
13Na m/z 467.1735 [M+Na]
+, found 467.1725
【0067】
化合物が、前記構造式(1)で表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、質量分析法、紫外分光法、赤外分光法、プロトン核磁気共鳴分光法、炭素13核磁気共鳴分光法等の分析方法などが挙げられる。なお、前記各分析方法による測定値には、多少の誤差が生じることがあるが、当業者であれば、化合物が前記構造式(1)で表される構造を有することは容易に同定することが可能である。
【実施例】
【0068】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、「PhCH(OMe)
2」はベンズアルデヒドジメチルアセタールを表し、「p−TsOH」はパラトルエンスルホン酸を表し、「DMF」はジメチルホルムアミドを表し、「BnBr」は臭化ベンジルを表し、「NaH」は水素化ナトリウムを表し、「TBAI」はヨウ化テトラブチルアンモニウムを表し、「THF」はテトラヒドロフランを表し、「Et
3SiH」はトリエチルシランを表し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を表し、「CH
2Cl
2」は塩化メチレンを表し、「Bn」はベンジル基を表し、「(DHQ)
2PHAL」はビス(ジヒドロキニニル)フタラジンを表し、「MeSO
2NH
2」はメタンスルホンアミドを表し、「t−BuOH」はt−ブタノールを表し、「Pd/C」はパラジウム炭素を表し、「MeOH」はメタノールを表す。
【0069】
(実施例1:構造式4aで表される化合物を経由するレンツトレハロースAの合成)
<構造式4aで表される化合物及び構造式4a’で表される化合物の合成>
【化45】
【0070】
1) トレハロース(2.33g, 6.80mmol)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール 1.02mL(1当量)、及びp−TsOH 59mg(5mol%)をDMF 30mLに溶解し、100℃に加熱した。20分間経過した後、反応系を160mmHgに減圧し、20分間撹拌した。更に、ここにベンズアルデヒドジメチルアセタールを1.02mL(1.0当量)加え、160mmHgの減圧下で、1時間同条件で撹拌した。更に0.25mL(0.25当量)のベンズアルデヒドジメチルアセタールを添加し、160mmHgの減圧下で4時間撹拌を継続した。反応系を室温まで冷却した後、減圧下濃縮し、トリエチルアミンを用いて中和を行った。得られた粗生成物を精製することなくそのまま次の反応に利用した。
【0071】
2) 上記粗生成物を全量テトラヒドロフラン 70mLに溶解し、水素化ナトリウム 2.72g(60%流動パラフィン分散(以下全ての水素化ナトリウムで同じ)、10当量)、TBAI 176mg(7mol%)、臭化ベンジル4.85mL(6当量)を氷冷下順次加え、室温下45時間撹拌した。反応液を氷水(40mL)の中に注ぎ、クエンチした後、有機層を分離した。水層をエーテル(30mL×3)により抽出し、得た有機層を合わせて、塩酸水溶液(1N、20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)により洗い、芒硝乾燥を行った。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、ベンジル保護体 4.89gを得た。
【0072】
3) 上記ベンジル保護体は塩化メチレン 300mLに溶解し、0℃にてトリエチルシラン 11.7mL(15当量)とトリフルオロ酢酸 5.61mL(15当量)とを加えそのまま3時間撹拌した。100mLの飽和NaHCO
3水溶液を加え、5分間撹拌した後、有機層を分離し、飽和食塩水により洗った。水層を塩化メチレン 100mLにより抽出し、得た有機層を飽和食塩水により洗い、芒硝乾燥した後、溶媒を留去し、得られたクルードシロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=4:1から3:1)、構造式4aで表される化合物(3.11g、3.52mmol、3工程で52%)と、構造式4a’で表される化合物(337mg、0.346mmol、3工程で5%)をそれぞれ白色紛体と無色シロップとして得た。
【0073】
−構造式4aで表される化合物−
構造式4aで表される化合物の融点、比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
融点 : 101℃−103℃(dec.)
比旋光度 : [α]
25D=79 (c=1.3, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.38−7.33(m, 8H), 7.30−7.23(m, 22H), 5.23(d, J=3.6Hz, 2H), 5.00(d, J=11.4Hz, 2H), 4.79(d, J=11.4Hz, 2H), 4.69 (d, J= 12.1Hz, 2H), 4.63(d, J=12.1Hz, 2H), 4.50(d, J=12.1Hz, 2H), 4.44(d, J=12.1Hz, 2H), 4.13−4.10(m, 2H), 3.87(t, J=9.6Hz, 2H), 3.59(t, J=9.6Hz, 2H), 3.56(dd, J=9.6Hz, J=3.6Hz, 2H), 3.53−3.45(m, 4H), 2.38(bs, 2H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.9, 138.1, 138.0, 128.7, 128.5, 128.5, 128.1, 127.9, 127.8, 127.8, 127.6, 94.3, 81.1, 79.0, 75.4, 73.7, 72.5, 70.8, 70.7, 69.3
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
54H
58O
11K m/z 921.3611 [M+K]
+, found 921.3598
【0074】
−構造式4a’で表される化合物−
構造式4a’で表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
比旋光度 : [α]
25D=88(c=1.0, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.37−7.20(m, 33H), 7.13−7.11(m, 2H), 5.24(d, J=3.4Hz, 1H), 5.23(d, J=3.4Hz, 1H), 5.00(d, J=11.4Hz, 1H), 4.99(d, J=11.0Hz, 1H), 4.86(d, J=11.0Hz, 1H), 4.81(d, J=10.5Hz, 1H), 4.79(d, J=11.4Hz, 1H), 4.71−4.64(m, 4H), 4.54(d, J=12.4Hz, 1H), 4.50(d, J=12.4Hz, 1H), 4.45(d, J=10.5Hz, 1H), 4.43(d, J=12.4Hz, 1H), 4.37(d, J=12.4Hz, 1H), 4.17−4.11(m, 2H), 4.03(t, J=9.4Hz, 1H), 3.87(t, J=9.4Hz, 1H), 3.68(t, J=9.6Hz, 2H), 3.59(dd, J=9.6Hz, J=3.2Hz, 1H), 3.56(dd, J=9.8Hz, J=3.4Hz, 1H), 3.53−3.44(m, 3H), 3.36(d, J=10.1Hz, 1H), 2.38(d, J=2.3Hz, 1H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.9, 138.9, 138.4, 138.2, 138.1, 138.0, 137.9, 128.6, 128.5, 128.4, 128.1, 128.0, 128.0, 127.8, 127.8, 127.8, 127.7, 127,7, 127.6, 127.6, 127.4, 94.5, 94.4, 81.9, 81.1, 79.4, 79.1, 77.7, 75.7, 75.4, 75.2, 73.7, 73.6, 72.8, 72.5, 70.9, 70.7, 70.6, 69.2, 68.2
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
61H
64O
11K m/z 1101.4080 [M+K]
+, found 1101.4067
【0075】
<構造式3aで表される化合物の合成>
【化46】
【0076】
前記構造式4aで表される化合物(105mg、0.119mmol)をDMF 2mLに溶解し、水素化ナトリウム 12.0mg(2.5当量)、TBAI 2.0mg(5mol%)、臭化プレニル 15.1μL(1.1当量)を氷冷下順次加え、室温で12時間撹拌した。メタノール 0.1mLを加え、5分間撹拌した後、蒸留水 10mLと塩化メチレン 10mLとを加えた。有機層を分離し、塩酸水溶液(1N、5mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)にて洗浄後、芒硝乾燥を行った。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、構造式3aで表される化合物を50.0mg(52.6μmol、収率44%)得た。なお、27.0mg(30.6μmol)の原料が回収され、これを考慮した補正収率は65%となった。
【0077】
−構造式3aで表される化合物−
構造式3aで表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
比旋光度 : [α]
25D=88(c=1.0, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.31−7.12(m, 30H), 5.19−5.16(m, 1H), 5.13(bs, 2H), 4.93(d, J=11.2Hz, 1H), 4.90(d, J=11.2Hz, 1H), 4.79(d, J=11.2Hz, 1H), 4.70(d, J=11.2Hz, 1H), 4.62−4.54(m, 4H), 4.47(d, J=12.2Hz, 1H), 4.41(d, J=12.2Hz, 1H), 4.36(d, J=12.2Hz, 1H), 4.34(d, J=12.2Hz, 1H), 4.24−4.19(m, 1H), 4.08−4.03(m, 2H), 3.95−3.88(m, 2H), 3.77(t, J=9.4Hz, 1H), 3.59(t, J=9.4Hz, 1H), 3.48−3.39(m, 5H), 3.37−3.12(m, 2H), 2.30(bs, 1H), 1.62(s, 3H), 1.46(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ139.0, 138.9, 138.3, 138.1, 138.0, 138.0, 137.1, 128.6, 128.4, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 127.6, 127.6, 127.5, 121.2, 94.7, 94.6, 81.8, 81.3, 79.3, 79.0, 75.6, 75.5, 73.6, 73.6, 72.8, 72.4, 70.9, 70.8, 70.5, 69.7, 69.2, 68.4, 25.9, 18.0
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
59H
66O
11K m/z 989.4237 [M+K]
+, found 989.4210
【0078】
<構造式2aで表される化合物の合成>
【化47】
【0079】
42.8mg(45μmol)の構造式3aで表される化合物をt−ブタノール、水、アセトンの混合溶媒(1:1:1)に溶解し、118mgのAD−mix−α、8.8mgの(DHQ)
2PHAL(0.25当量)、及びメタンスルホンアミド 8.5mg(2当量)と共に0℃にて66時間撹拌した。反応系は亜硫酸ナトリウムを加え0℃にて30分間撹拌することで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄後、芒硝乾燥し、濃縮乾固した。ここで
1H NMRによりジアステレオマー比を9:1と決定した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、44.5mg(45μmol)の構造式2aで表される化合物を定量的に得た。
【0080】
−構造式2aで表される化合物−
構造式2aで表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
比旋光度 : [α]
25D=88(c=1.6, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.40−7.22(m, 30H), 5.22(d, J=3.7Hz, 1H), 5.20(d, J=3.9Hz, 1H), 5.03(d, J=11.2Hz, 1H), 5.02(d, J=11.0Hz, 1H), 4.83(d, J=11.2Hz, 1H), 4.78(d, J=11.0Hz, 1H), 4.70(d, J=11.9Hz, 1H), 4.70−4.66(m, 2H), 4.62(d, J=11.9Hz, 1H), 4.52(d, J=12.1Hz, 1H), 4.51(d, J=12.1Hz, 1H), 4.44(d, J=12.1Hz, 1H), 4.40(d, J=12.1Hz, 1H), 4.12(br dt, J=9.8Hz, 3.4Hz, 1H), 4.04(br dt, J=10.0Hz, 2.5Hz, 1H), 3.95−3.92(m, 1H), 3.90−3.87(m, 1H), 3.83(dd, J=10.0Hz, 2.3Hz, 1H), 3.73−3.67(m, 1H), 3.60−3.56(m, 2H), 3.55−3.53(m, 1H), 3.51−3.47(m, 3H), 3.44−3.39(m, 2H), 3.33(dd, J=11.0Hz, 2.1Hz, 1H), 3.00(d, J=3.9Hz, 1H), 2.44(d, J=2.5Hz, 1H), 2.42(bs, 1H), 1.10(s, 3H), 0.99(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.8, 138.5, 138.1, 138.0, 137.6, 128.7, 128.5, 128.5, 128.5, 128.1, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.8, 127.6, 127.4, 94.4, 94.2, 81.3, 81.2, 79.6, 79.2, 78.1, 76.3, 75.7, 75.4, 73.8, 73.7, 73.7, 72.7, 72.7, 71.3, 70.9, 70.7, 70.6, 69.3, 68.5, 26.6, 24.6
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
59H
68O
13Na m/z 1007.4552 [M+Na]
+, found 1007.4525
【0081】
<構造式(1)で表される化合物の合成>
【化48】
【0082】
28.0mg(28.4μmol)の前記構造式2aで表される化合物を2mLのメタノールに溶解し、ここに10% パラジウム炭素(Pd/C)を20mg添加し、水素雰囲気化24時間撹拌した。触媒をセライト濾過にて除去の後、ろ液を濃縮乾固し、12.6mg(28.4μmol)の構造式(1)で表される化合物(レンツトレハロースA)を定量的に得た(6工程、収率23%)。
【0083】
−構造式(1)で表される化合物−
構造式(1)で表される化合物の
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz, CD
3OD) : δ5.10(d, J=3.8Hz, 1H), 5.08(d, J=3.9Hz, 1H), 4.02(dd, J=10.5Hz, 2.7Hz, 1H), 3.90(t, J=9.4Hz, 1H), 3.84(br dt, J=9.4Hz, 2.8Hz, 1H), 3.80−3.76(m, 5H), 3.67(dd, J=11.7Hz, 4.4Hz, 1H), 3.66−3.63(m, 1H), 3.54(dd, J=7.8Hz, 2.5Hz, 1H), 3.49(dd, J=9.6Hz, 3.8Hz, 1H), 3.46(dd, J=9.6Hz, 3.8Hz, 1H), 3.31(t, J=9.4Hz, 1H), 3.28(t, J=9.4Hz, 1H), 1.19(s, 3H), 1.17(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ95.1, 95.0, 80.4, 78.1, 74.7, 74.5, 74.4, 73.8, 73.4, 73.2, 72.8, 72.7, 71.9, 62.6, 62.1, 26.5, 25.4
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
17H
32O
13Na m/z 467.1735 [M+Na]
+, found 467.1725
【0084】
(実施例2:構造式4a’で表される化合物を経由するレンツトレハロースAの合成−1)
<構造式4a’で表される化合物及び構造式4aで表される化合物の合成>
【化49】
【0085】
1) トレハロース(3.57g, 10.4mmol)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール 0.78mL(0.5当量)、及びp−TsOH 44.8mg(2.5mol%)をDMF 50mLに溶解し、100℃に加熱した。反応系は240mmHgの減圧下で10分間撹拌した後、ここにベンズアルデヒドジメチルアセタールを0.39mL(0.25当量)加え、2時間同条件で撹拌した。更に0.39mL(0.25当量)のベンズアルデヒドジメチルアセタールを添加し、240mmHgの減圧下で2.5時間撹拌を継続した。再びベンズアルデヒドジメチルアセタールを0.195mL(0.25当量)加え、240mmHgの減圧下で12時間撹拌した後、更に0.195mL(0.25当量)のベンズアルデヒドジメチルアセタールと、44.8mg(2.5mol%)のp−TsOHとを加え合計20時間となるまで撹拌を行った。反応系を室温まで冷却した後、トリエチルアミンを用いて中和を行った。得られた混合溶液を精製することなくそのまま次の反応に利用した。
【0086】
2) 上記混合溶液の中に水素化ナトリウム 6.24g(15当量)、TBAI 268mg(7mol%)、臭化ベンジル 11.1mL(9当量)を氷冷下順次加え、室温下12時間撹拌した。反応液を氷水に注加し、塩化メチレンにて抽出、濃縮乾固して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=8:1から5:1)、ベンジル保護体 10.0gを得た。
【0087】
3) 上記ベンジル保護体は塩化メチレン 250mLに溶解し、0℃にてトリエチルシラン 12.4mL(7.5当量)とトリフルオロ酢酸 5.97mL(7.5当量)とを加えそのまま2.5時間撹拌した。反応系は塩化メチレンにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液にて洗浄後、有機層を濃縮乾固した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=6:1から3:1)、構造式4a’で表される化合物(4.00g、4.11mmol、3工程で39%)と構造式4aで表される化合物(1.26g、1.43mmol、3工程で14%)をそれぞれ無色シロップと白色紛体として得た。
【0088】
得られた構造式4a’で表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は、前記実施例1と同様であった。
また、得られた構造式4aで表される化合物の融点、比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果も、前記実施例1と同様であった。
【0089】
<構造式3a’で表される化合物の合成>
【化50】
【0090】
前記構造式4a’で表される化合物(106mg、0.109mmol)をDMF 2mLに溶解し、TBAI 2.5mg(10mol%)、水素化ナトリウム 8.7mg(2当量)、臭化プレニル 62.9μL(5当量)を氷冷下順次加え、室温で12時間撹拌した。メタノール 0.1mLを加え、5分間撹拌した後、蒸留水 10mLと塩化メチレン 10mLとを加えた。有機層を分離し、塩酸水溶液(1M、5mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)にて洗浄後、芒硝乾燥を行った。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、115mg(0.109mmol)の構造式3a’で表される化合物を定量的に得た。
【0091】
−構造式3a’で表される化合物−
構造式3a’で表される化合物の比旋光度、
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
比旋光度 : [α]
25D=87(c=1.6, CHCl
3)
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.38−7.20(m, 33H), 7.12−7.09(m, 2H), 5.26−5.24(m, 1H), 5.21−5.20(m, 2H), 4.99(d, J=10.8Hz, 1H), 4.97(d, J=11.0Hz, 1H), 4.86(d, J=10.8Hz, 1H), 4.84(d, J=11.0Hz, 1H), 4.80(d, J=10.5Hz, 1H), 4.70−4.62(m, 4H), 4.56(d, J=12.1Hz, 1H), 4.54(d, J=12.2Hz, 1H), 4.44(d, J=12.1Hz, 1H), 4.43(d, J=10.5Hz, 1H), 4.35(d, J=12.2Hz, 1H), 4.33−4.27(m, 1H), 4.17−4.13(m, 2H), 3.99(t, J=9.4Hz, 2H), 3.96(t, J=9.4Hz, 1H), 3.69−3.65(m, 1H), 3.58−3.47(m, 5H), 3.41(d, J=10.8Hz, 1H), 3.33(d, J=10.8Hz, 1H), 1.69(s, 3H), 1.53(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ139.1, 139.0, 138.4, 138.4, 138.3, 138.0, 138.0, 137.2, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.1, 128.1, 128.0, 128.0, 127.8, 127.7, 127.6, 127.6, 127.6, 127.5, 121.3, 94.8, 82.0, 81.8, 79.4, 79.4, 77.7, 77.5, 77.4, 75.8, 75.7, 75.2, 73.6, 72.8, 72.7, 70.8, 70.6, 69.7, 68.4, 68.1, 25.9, 18.1
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
66H
72O
11Na m/z 1063.4967 [M+Na]
+, found 1063.4945
【0092】
<構造式2a’で表される化合物の合成>
【化51】
【0093】
46.9mg(45μmol)の構造式3a’で表される化合物をt−ブタノール、水、アセトンの混合溶媒(1:1:1)に溶解し、124mgのAD−mix−α、9.2mgの(DHQ)
2PHAL(0.25当量)、及びメタンスルホンアミド 8.9mg(2当量)と共に0℃にて72時間撹拌した。反応系は亜硫酸ナトリウムを加え0℃にて30分間撹拌することで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和食塩水にて洗浄後、芒硝乾燥し、濃縮乾固した。ここで
1H NMRによりジアステレオマー比を9:1と決定した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、構造式2a’で表される化合物を21.9mg(20.4μmol、45%)得た。
【0094】
−構造式2a’で表される化合物−
構造式2a’で表される化合物の
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.38−7.13(m, 33H), 7.12−7.09(m, 2H), 5.20(d, J=3.4Hz, 1H), 5.19(d, J=3.4Hz, 1H), 5.02(d, J=10.8Hz, 1H), 5.01(d, J=10.8Hz, 1H), 4.89(d, J=10.8Hz, 1H), 4.81(d, J=10.5Hz, 1H), 4.77(d, J=10.8Hz, 1H), 4.72(d, J=12.1Hz, 1H), 4.68−4.61(m, 2H), 4.64(d, J=12.1Hz, 1H), 4.54(d, J=12.1Hz, 1H), 4.53(d, J=12.1Hz, 1H), 4.45(d, J=10.5Hz, 1H), 4.40(d, J=12.1Hz, 1H), 4.37(d, J=12.1Hz, 1H), 4.15(br dt, J=9.8Hz, 3.4Hz, 1H), 4.14−06(m, 2H), 3.91(t, J=9.4Hz, 1H), 3.82(dd, J=9.4Hz, 2.3Hz, 1H), 3.69(t, J=9.4Hz, 1H), 3.60(dd, J=9.6Hz, 3.4Hz, 1H), 3.54(dd, J=9.4Hz, 3.6Hz, 1H), 3.52(dd, J=9.4Hz, 3.6Hz, 1H), 3.49(dd, J=9.6Hz, 8.0Hz, 2H), 3.44−3.41(m, 1H), 3.41−3.39(m, 1H), 3.37(dd, J=10.8Hz, 1.8Hz, 1H), 3.32(dd, J=10.8Hz, 2.3Hz, 1H), 3.00(d, J=3.9Hz, 1H), 2.40(s, 1H), 1.10(s, 3H), 0.98(s, 3H)
13C NMR(100MHz, CDCl
3) : δ138.9, 138.6, 138.4, 138.3, 138.1, 137.9, 137.7, 128.5, 128.5, 128.5, 128.1, 128.1, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.8, 127.8, 127.7, 127.5, 127.5, 94.6, 94.4, 82.0, 81.3, 79.6, 79.6, 78.2, 77.8, 76.3, 75.7, 75.7, 75.3, 73.8, 73.7, 73.6, 73.0, 72.6, 71.3, 70.8, 70.5, 68.5, 68.2, 26.6, 24.6
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
66H
74O
13Na m/z 1097.5022 [M+Na]
+, found 1097.4999
【0095】
<構造式(1)で表される化合物の合成>
【化52】
【0096】
18.0mg(28.4μmol)の構造式2a’で表される化合物を1.5mLのメタノールに溶解し、ここに10% Pd/Cを15mg添加し、水素雰囲気化で24時間撹拌した。触媒をセライト濾過にて除去の後、ろ液を濃縮乾固し、9.0mg(28.4μmol)の構造式(1)で表される化合物(レンツトレハロースA)を定量的に得た(6工程、収率18%)。
【0097】
得られた構造式(1)で表される化合物の
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は、前記実施例1と同様であった。
【0098】
(実施例3:構造式4a’で表される化合物を経由するレンツトレハロースAの合成−2)
<構造式2a’’で表される化合物の合成>
【化53】
【0099】
前記実施例2と同様にして、構造式4a’で表される化合物を得た。
前記構造式4a’で表される化合物(25.0mg、25.1μmol)をジメチルホルムアミド 1.5mLに溶解し、水素化ナトリウム 2.6mg(2.5当量)、15−crown−5 13μL(2.6当量)、構造式Iで表されるエポキシド 12.3mg(2.5当量)を氷冷下順次加え、70℃にて18時間撹拌した。氷冷下でメタノール 0.1mLを加え、5分間撹拌した後、蒸留水 8mLと塩化メチレン 10mLとを加えた。有機層を分離し、塩酸水溶液(1N、4mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)にて洗浄後、芒硝乾燥を行った。後処理の後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、9.0mg(7.72μmol)の構造式2a’’で表される化合物を得た(収率30%)。
【0100】
−構造式2a’’で表される化合物−
構造式2a’’で表される化合物の
1H NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz, CDCl
3) : δ7.41−7.24(m, 36H), 7.14−7.11(m, 2H), 5.21(d, J=3.4Hz, 2H), 5.02(d, J=11.0Hz, 1H), 5.00(d, J=10.5Hz, 1H), 4.88(d, J=11.0Hz, 1H), 4.87(d, J=10.5Hz, 1H), 4.82(d, J=10.5Hz, 1H), 4.71−4.64(m, 4H), 4.55(d, J=12.1Hz, 1H), 4.49(d, J=11.9Hz, 1H), 4.47(d, J=10.5Hz, 1H), 4.44−4.42(m, 2H), 4.42(d, J=11.9Hz, 1H), 4.37(d, J=12.1Hz, 1H), 4.18−4−4.06(m, 2H), 4.03(t, J=9.4Hz, 1H), 4.00(t, J=9.4Hz, 1H), 3.97−3.93(m, 1H), 3.85(dd, J=10.3Hz, 1.6Hz, 1H), 3.75−3.63(m, 3H), 3.58−3.46(m, 5H), 3.42−3.34(m, 2H), 1.15(s, 3H), 1.11(s, 3H)
HRMS(ESI)分析 : calcd. for C
73H
80O
13Na m/z 1187.5491 [M+Na]
+, found 1187.5476
【0101】
<構造式(1)で表される化合物の合成>
【化54】
【0102】
8.5mg(7.29μmol)の構造式2a’’で表される化合物を1mLのメタノールに溶解し、ここに10% Pd/Cを7.0mg添加し、水素雰囲気化で24時間撹拌した。触媒をセライト濾過にて除去の後、ろ液を濃縮乾固し、2.9mg(6.53μmol)の構造式(1)で表される化合物(レンツトレハロースA)を得た(収率89%)。なお、絶対配置既知のトレハロースから導かれる合成中間体による絶対配置既知のエポキシドの立体特異的開環反応を利用した本合成により、レンツトレハロースAの絶対立体配置は構造式(1)で表される通り決定された。
【0103】
得られた構造式(1)で表される化合物の
1H NMRスペクトル、
13C NMRスペクトル、及びHRMS(ESI)分析の結果は、前記実施例1と同様であった。
【0104】
以上の結果から、本発明の方法により、構造式(1)で表される化合物(レンツトレハロースA)を効率良く合成できることが示された。
【0105】
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> 下記構造式(1)で表される化合物の製造方法であって、
トレハロースにベンジル基を導入し、下記構造式4aで表される化合物及び下記構造式4a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程と、
下記構造式4aで表される化合物及び下記構造式4a’で表される化合物の少なくともいずれかをプレニル化し、下記構造式3aで表される化合物及び下記構造式3a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程と、
下記構造式3aで表される化合物及び下記構造式3a’で表される化合物の少なくともいずれかをシャープレス不斉ジヒドロキシ化し、下記構造式2aで表される化合物及び下記構造式2a’で表される化合物の少なくともいずれかを製造する工程と、
下記構造式2aで表される化合物及び下記構造式2a’で表される化合物の少なくともいずれかをパラジウム触媒の存在下で水素と反応させ、下記構造式(1)で表される化合物を製造する工程とを含むことを特徴とする方法である。
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
ただし、前記構造式4a、前記構造式4a’、前記構造式3a、前記構造式3a’、前記構造式2a、及び前記構造式2a’中、Bnはベンジル基を表わす。
<2> 下記構造式(1)で表される化合物の製造方法であって、
トレハロースにベンジル基を導入し、下記構造式4a’で表される化合物を製造する工程と、
下記構造式4a’で表される化合物と、下記構造式Iで表されるエポキシドとを反応させ、下記構造式2a’’で表される化合物を製造する工程と、
下記構造式2a’’で表される化合物をパラジウム触媒の存在下で水素と反応させ、下記構造式(1)で表される化合物を製造する工程とを含むことを特徴とする方法である。
【化62】
【化63】
【化64】
【化65】
ただし、前記構造式4a’、前記構造式I、及び前記構造式2a’’中、Bnはベンジル基を表わす。
<3> 下記構造式(1)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式2aで表される化合物、下記構造式2a’で表される化合物、及び下記構造式2a’’で表される化合物の少なくともいずれかをパラジウム触媒の存在下で水素と反応させる工程を含むことを特徴とする方法である。
【化66】
【化67】
【化68】
【化69】
ただし、前記構造式2a、前記構造式2a’、及び前記構造式2a’’中、Bnはベンジル基を表わす。
<4> 下記構造式2aで表される化合物及び下記構造式2a’で表される化合物の少なくともいずれかの製造方法であって、
下記構造式3aで表される化合物及び下記構造式3a’で表される化合物の少なくともいずれかをシャープレス不斉ジヒドロキシ化する工程を含むことを特徴とする方法である。
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
ただし、前記構造式2a、前記構造式2a’、前記構造式3a、及び前記構造式3a’中、Bnはベンジル基を表わす。
<5> 下記構造式2a’’で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式4a’で表される化合物と、下記構造式Iで表されるエポキシドとを反応させる工程を含むことを特徴とする方法である。
【化74】
【化75】
【化76】
ただし、前記構造式2a’’、前記構造式4a’、及び前記構造式I中、Bnはベンジル基を表わす。
<6> 下記構造式3a及び下記構造式3a’のいずれかで表される化合物の製造方法であって、
下記構造式4aで表される化合物及び下記構造式4a’で表される化合物の少なくともいずれかをプレニル化する工程を含むことを特徴とする方法である。
【化77】
【化78】
【化79】
【化80】
ただし、前記構造式3a、前記構造式3a’、前記構造式4a、及び前記構造式4a’中、Bnはベンジル基を表わす。
<7> 下記構造式4a及び下記構造式4a’のいずれかで表される化合物の製造方法であって、
トレハロースにベンジル基を導入する工程を含むことを特徴とする方法である。
【化81】
【化82】
ただし、前記構造式4a及び前記構造式4a’中、Bnはベンジル基を表わす。
<8> 下記構造式2a、下記構造式2a’、及び下記構造式2a’’のいずれかで表されることを特徴とする化合物である。
【化83】
【化84】
【化85】
ただし、前記構造式2a、前記構造式2a’、及び前記構造式2a’’中、Bnはベンジル基を表わす。
<9> 下記構造式3a及び下記構造式3a’のいずれかで表されることを特徴とする化合物である。
【化86】
【化87】
ただし、前記構造式3a及び前記構造式3a’中、Bnはベンジル基を表わす。
<10> 下記構造式4a及び下記構造式4a’のいずれかで表されることを特徴とする化合物である。
【化88】
【化89】
ただし、前記構造式4a及び前記構造式4a’中、Bnはベンジル基を表わす。