(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
チャンバの内部空間に基板を収納しながら前記チャンバに接続される排気配管を介して前記内部空間の雰囲気を排気することで前記内部空間を減圧するとともに前記内部空間を加熱することで、前記基板上の塗布膜に含まれる溶媒成分を気化させて前記塗布膜を乾燥させる減圧乾燥装置であって、
前記排気配管の外周面側から前記排気配管を加熱する配管加熱部を備え、
前記配管加熱部は、前記チャンバから離れるにしたがって前記排気配管の温度が高くなるように加熱する
ことを特徴とする減圧乾燥装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明にかかる減圧乾燥装置の一実施形態の構成を示す縦断面図である。また、
図2は
図1に示す減圧乾燥装置の構成を示すブロック図である。この減圧乾燥装置1は、基板9の上面91に塗布液を塗布してなる塗布膜92に含まれる溶媒成分を気化させて塗布膜92を乾燥させる装置である。例えば基板9の上面91にポリイミド膜を形成する場合には、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)を有機溶媒、例えばNMB(N−メチル−2−ピロリドン:N-Methyl-2-Pyrrolidone)で溶解させてなるポリアミド酸溶液を塗布液として用いる。当該塗布液を塗布して、所望厚みの10倍程度(例えば5〜10[μm]程度のポリイミド膜を形成する場合には、50〜100[μm]程度)の比較的厚い塗布膜を形成する。そして、当該塗布膜に含まれる溶媒成分を減圧乾燥装置1によって気化させて除去し、さらに減圧乾燥装置1とは異なる加熱装置によって高温加熱してイミド化させることで基板9の上面91にポリイミド膜が形成される。このように、本発明にかかる減圧乾燥装置1は比較的厚い塗布膜92を減圧乾燥させることができ、特に減圧乾燥処理時に大量の溶媒成分が気化する場合に好適である。
【0012】
減圧乾燥装置1は、
図1に示すように、チャンバ10と、基板保持部20と、基板加熱部30と、排気部40と、配管加熱部50と、装置全体を制御する制御部60(
図2)とを備えている。
【0013】
チャンバ10は、基板9に対して減圧乾燥処理(=減圧処理+加熱処理)を行うための内部空間SPを有する耐圧容器である。チャンバ10は、互いに分離可能なベース部11と蓋部12とを有している。ベース部11は、装置フレーム(図示省略)上に固定設置されている。また、蓋部12には、
図1において概念的に示したチャンバ昇降機構12aが接続されている。このため、制御部60からの昇降指令に応じてチャンバ昇降機構12aが動作することで、ベース部11に対して蓋部12が上下に昇降移動する。蓋部12を下降させたときには、ベース部11と蓋部12とが当接して一体となり、その内部に内部空間SP(基板9の処理空間)が形成される。本実施形態では、ベース部11の上面の周縁部には、シリコンゴムなどで構成されたOリング13が設けられている。このため、蓋部12の下降時には、ベース部11の上面と蓋部12の下面との間にOリング13が介在し、チャンバ10内部空間SPは気密状態となる。一方、蓋部12を上昇させたときにはチャンバ10が開放され、チャンバ10への基板9の搬入およびチャンバ10からの基板9の搬出が可能となる。
【0014】
基板保持部20は、チャンバ10の内部空間SPにおいて基板9を保持するための機構である。基板保持部20は、複数の基板保持ピン21を有しており、各基板保持ピン21の頭部を基板9の下面に当接させることにより、基板9を水平姿勢に支持する。複数の基板保持ピン21は、チャンバ10の外部に配置された1つの支持部材22上に立設されており、それぞれベース部11および基板加熱部30を貫通してチャンバ10の内部空間SPに突設されている。
【0015】
この支持部材22には、
図1に示すように、ピン昇降機構22aが接続されている。このため、制御部60からの昇降指令に応じてピン昇降機構22aが動作することで、支持部材22および複数の基板保持ピン21が一体として上下に昇降移動する。減圧乾燥装置1では、複数の基板保持ピン21上に基板9を保持しつつピン昇降機構22aを動作させることにより、基板加熱部30に対する基板9の高さ位置を調整することが可能となっている。
【0016】
基板加熱部30はベース部11の上面中央部に配置されている。この基板加熱部30では、加熱源となる棒状ヒータが複数本設けられている。そして、複数の基板保持ピン21に基板9が搬入される前に制御部60からの加熱指令に応じて棒状ヒータを動作させておくと、基板9が搬入される前に内部空間SPが加熱されるとともに、搬入された基板9がその下面側から加熱される。このように、雰囲気温度が上昇した内部空間SP内で基板9を加熱して塗布膜92から溶媒成分を気化させる。
【0017】
また、本実施形態では、加熱処理と並行して減圧処理を施すために、排気部40が設けられている。この排気部40は、チャンバ10の内部空間SPから溶媒成分を含むガス(以下「排気ガス」という)を吸引排気するための排気配管41と、排気配管41を介してチャンバ10から排出される排気ガスの排気量を制御するためのバタフライバルブ42、43と、開閉弁44と、排気ポンプ45とを有している。本実施形態では、ベース部11の周縁部に2つの排気口111、112が設けられている。また、このように排気口を2つ設けたことに対応し、排気配管41の一方端部は2つに分岐し、分岐端部411、412がそれぞれ排気口111、112に接続されている。さらに、排気口111、112の近傍位置でバタフライバルブ42、43がそれぞれ分岐端部411、412に介挿されている。一方、排気配管41の他方端部は開閉弁44および排気ポンプ45を介して図示を省略する排気ラインと接続されている。このため、制御部60からの開閉指令に応じて開閉弁44が開くとともに制御部60からの動作指令に応じて排気ポンプ45が動作すると、バタフライバルブ42、43の開度に応じた排気量で排気ガスが排気配管41を介して排気ラインへ排気される。
【0018】
本実施形態では、排気配管41に配管加熱部50が設けられている。配管加熱部50は排気配管41の外周面にラバーヒータを配管ヒータ51として巻き付けたものである。制御部60からの加熱指令に応じて配管ヒータ51が発熱することで、排気配管41が加熱される。なお、配管ヒータ51としては、上記ラバーヒータ以外に、リボンヒータ、ケーブルヒータ、シートヒータなどを用いてもよい。
【0019】
また、排気配管41を高精度に調整するために、本実施形態では、
図2に示すように、排気配管41の温度を検出する配管温度センサ41aが設けられ、検出した温度に関連する検出信号を制御部60に出力する。そして、制御部60は、減圧乾燥処理と並行して、排気配管41の温度に基づいて気配管加熱部50をフィードバック制御することで排気配管41の温度を調整して排気ガスに含まれる溶媒成分が排気配管41に触れて液化するのを抑制する。このように、本実施形態では、制御部60は本発明の「配管温度制御部」として機能している。以下においては、上記のように構成された減圧乾燥装置1の動作を説明する前に、気配管加熱部50により排気配管41を加熱して温度調整することの技術的意義について
図3および
図4を参照しつつ説明する。
【0020】
図3は
図1に示す減圧乾燥装置における減圧特性を示すグラフであり、次の実験によって減圧特性を求めている。減圧乾燥処理の初期段階で塗布膜92から溶媒成分が急激に気化するが、これに見合った排気量で減圧動作を実行している。このため、チャンバ10内の圧力は下降し、減圧乾燥処理の進行に伴い当該圧力は次第に減少して塗布膜92の減圧乾燥処理が完了する。そこで、本実験では、配管ヒータ51をON/OFFさせるという条件以外については全て同一に設定しながら、3枚の基板9について減圧乾燥処理を連続的に行い、一定値Ps(この実験では大気圧(100000Pa))から塗布膜92の減圧乾燥処理が完了するまでのチャンバ10内の圧力の変化をそれぞれ計測した。同図中の上段波形は配管ヒータ51を作動させないとき(OFF時)の減圧特性を示し、下段波形は配管ヒータ51を作動させたとき(ON時)の減圧特性を示している。
【0021】
減圧乾燥装置1では、チャンバ10内で発生する溶媒成分を含む排気ガスが排気配管41を介してチャンバ10から排出されるため、時間経過にとともにチャンバ10内の圧力は低下する。ここで、
図3に示す減圧特性において注目すべきことが3点存在する。
【0022】
まず1点目は、圧力減少の初期においては配管ヒータ51をOFF状態に保ったケース(従来装置に実質的に相当し、以下「従来例」という)の方が配管ヒータ51をON状態に保ったケース(本実施形態に相当し、以下「実施例」という)よりも圧力低下率が大きい点である。これは、排気ガスに含まれる溶媒成分が排気配管41内で急激に冷却されて液化し、その液化した溶媒成分が再度気化して排気されるというプロセスが行われていることに起因していると本願発明者は分析した。すなわち、実施例では配管ヒータ51をON状態とすることで、従来例では液化されて排気配管41内に付着する分も実施例では気化状態が維持されているため、その分、排気すべき量も多くなったためと考察することができる。つまり、従来例より実施例の方が排気すべき排気ガスの量が多いため、圧力減少の初期においては排気速度が遅くなったと考えられる。このように圧力特性は排気配管41の温度と密接に関連している。
【0023】
第2の注目点は、上記したように排気配管41の温度上昇に伴って排気速度は低下するものの、従来例では圧力減少の中期以降、減圧速度は低下し、減圧乾燥処理が完了するまでの時間は実施例よりも長くなっている点である。ここで、従来例における減圧速度の低下要因について、本願発明者は次のように分析した。すなわち、
図3の上段波形を見ると、チャンバ10内の圧力が特定の圧力Pvに達する直前で大きく低下し、一定時間だけ当該圧力Pvで減圧速度がほぼゼロとなった後、再び圧力が低下する。これは、上述と同様に排気ガスに含まれる溶媒成分が排気配管41内で急激に冷却されて液化し、その液化した溶媒成分が再度気化して排気されるというプロセスが行われていることに起因していると本願発明者は分析した。また、排気配管41を加熱することで排気配管41への溶媒成分の液化を抑え、減圧速度の低下を防止することができると分析することができ、その分析結果は実験結果と合致している。すなわち、排気配管41を加熱することで排気ガス中の溶媒成分が排気配管41に液化するのを防止して減圧乾燥処理に要する時間、いわゆるタクトタイムを短縮することができる。
【0024】
さらに、第3の注目点は減圧乾燥処理の安定性である。同図に示すように、従来例では減圧乾燥処理毎に減圧乾燥の終了タイミングToffが異なる。つまり、タクトタイムが変動している。その理由については、次のように分析することができる。上述のように排気配管41内では一度液化した溶媒が再気化するため、その再気化した分も全て排気されるのであれば、1枚目、2枚目、3枚目で終了タイミングToffに差が生じないと考えられる。しかしながら、配管ヒータ51をOFF状態に維持する場合、圧力が圧力Pvとなっている時点では大量に気化した溶媒が再液化して排気配管41に付着することがあり、これによって減圧速度が緩慢になる。また、圧力が圧力Pvよりも下がるということは、再液化したものが完全に気化されるようにも思えるが、圧力が圧力Pvよりも低下している間においても乾燥処理は継続して行われており、再液化付着も継続して発生する。この結果、枚数が増えるごとに付着量が増し、それに応じて終了タイミングToffがずれていくと考えられる。これに対し、実施例では終了タイミングTonはほぼ同一である、つまりタクトタイムはほぼ一定している。これは、配管ヒータ51がON状態となっており、加熱された排気配管41内では液化が発生しないことに起因していると考えることができる。事実、実施例では
図3の下段波形を見る限り、溶媒成分の液化は認められず、タクトタイムは安定している。このように、排気配管41の加熱は減圧乾燥処理の安定化にも大きく寄与する。
【0025】
上記した3つの注目点および分析結果から、本願発明者は、減圧乾燥処理中に排気配管41を加熱することがタクトタイムの短縮および減圧乾燥処理の安定化を図る上で重要な役割を果たすという結論を得た。なお、排気配管41への溶媒成分の液化を防止する観点から、排気配管41を排気ガスの露点温度より高い温度に調整するのが望ましい。ここで、「露点温度(あるいは単に「露点」ということもある)」とは、排気ガスの温度をその露点温度以下にすると溶媒成分が容易に液化してしまうことを意味しており、配管温度を露点温度以上に維持することで排気ガスに含まれる溶媒成分の液化を防止することができる。また、排気配管41の加熱温度が高すぎると、配下配管41内で排気ガスが膨張して排気速度の低下を招くため、排気配管41の温度はチャンバ10の内部空間SPよりも低く設定するのが望ましい。
【0026】
ここで、
図1に示す減圧乾燥装置1において露点温度を直接的に検出することは難しいので、本実施形態では上記圧力Pv(液化が発生していると考えられるときのチャンバ10内の圧力)および
図4に示す溶媒の蒸気圧曲線に基づいて排気配管41の温度を設定している。すなわち、蒸気圧曲線に基づき上記圧力Pvに対応する温度TPvを求め、制御部60は配管ヒータ51を駆動して当該温度TPvの±20[℃]の範囲に排気配管41を加熱する。具体的には、減圧乾燥処理中の排気配管41の温度が目標配管温度として予め制御部60に記憶されており、制御部60は減圧乾燥処理用のプログラムにしたがって減圧乾燥装置1の各部を制御することで以下の動作を実行する。
【0027】
図5は
図1に示す減圧乾燥装置の動作を示すフローチャートである。この減圧乾燥装置1により基板9を処理するときには、予め、基板加熱部30は制御部60からの加熱指令を受けて棒状ヒータを作動させて内部空間SP内の雰囲気温度を上昇させておく(ステップS1:加熱準備工程)。また、排気配管41に対する加熱処理も予め開始しておく(ステップS2:配管加熱工程)すなわち、配管加熱部50は制御部60からの加熱指令を受けて配管ヒータ51を作動させて排気配管41の外周面側から加熱し、排気配管41の温度を上昇させておく。ここで、制御部60は配管温度センサ41aにより検出される排気配管41の温度をモニターし、当該温度に基づいて排気配管41が目標配管温度となるようにフィードバック制御する。これによって、減圧乾燥処理中の排気配管41の温度が目標配管温度に維持される。
上述のようにステップS1,S2が実行された後、上面91に塗布膜92が塗布された基板9がチャンバ10内に搬入され、内部空間SPに収納される(ステップS3:搬入工程)。具体的には、チャンバ昇降機構12aによりチャンバ10の蓋部12が上昇する。そして、図示を省略する搬送ロボットにより基板9がチャンバ10の内部に搬入され、複数の基板保持ピン21上に載置される。基板9の搬入が完了すると、搬送ロボットはチャンバ10の外部へ退避し、チャンバ昇降機構12aによりチャンバ10の蓋部12が下降する。これによって内部空間SPが密閉空間となる。
【0028】
次のステップS4では、開閉弁44が開くとともにバタフライバルブ42、43が所定の開度まで開く。また、排気ポンプ45が動作して、チャンバ10の内部のガスが排気口111、112を介して強制排気される。これにより、内部空間SP内の雰囲気が排気口111、112、バタフライバルブ42、43、排気配管41および開閉弁44を介して排気ラインに排出され、チャンバ10の内部空間SPを減圧する。この内部空間SPの減圧に応じて基板9の表面に塗布された塗布膜92に含まれる溶媒成分が気化する。これにより、基板9上の塗布膜92に対する減圧処理が開始される。
【0029】
この減圧処理の際には、ステップS1により既に棒状ヒータは作動しているので、基板9に対する加熱処理も開始されることとなる(ステップS4)。すなわち、雰囲気温度が上昇した内部空間SP内で棒状ヒータにより基板9がその下面側から加熱される。この加熱処理によって、基板9上の塗布膜92に含まれる溶媒成分を昇温させ、溶媒成分の気化を更に促進させる。このように、減圧乾燥装置1は、内部空間SPの減圧および加熱を併用した減圧乾燥処理を実行することで、塗布膜92の乾燥効率を向上させる(乾燥工程)。
【0030】
このように排気配管41を目標配管温度に加熱しながら減圧処理と乾燥処理とを並行して行い、塗布膜92の乾燥が完了すると、排気ポンプ45が停止されるとともに、図示しない開放弁を開成することにより、チャンバ10の内部空間SPを大気圧まで復圧する。その後、チャンバ昇降機構12aがチャンバ10の蓋部12を上昇させ、チャンバ10の内部に搬送ロボットのハンドが進入して基板保持ピン21上の基板9を受け取りチャンバ10の外部へ搬出する(ステップS5:搬出工程)。以上をもって、1枚の基板9に対する減圧乾燥処理が終了する。なお、基板加熱部30による内部空間SPの加熱および配管加熱部50による排気配管41の加熱は継続して実行される。
【0031】
以上のように、この減圧乾燥装置1では、排気配管41を加熱しながら減圧乾燥処理を行っているので、減圧乾燥処理中に排気ガスに含まれる溶媒成分が排気配管41に液化して付着するのを防止することができる。その結果、減圧乾燥装置1による減圧乾燥処理を短時間で行うことができる。また、減圧乾燥処理を行う毎に排気配管41に残留する溶媒成分を抑えて減圧乾燥処を安定して行うことができる。特に、複数の基板9を連続して処理する場合であっても、各基板9を一定のタクトタイムで減圧乾燥させることができる。
【0032】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、減圧乾燥処理中に排気配管41全体を均一に加熱して目標配管温度に調整しているが、配管温度を相違させるように構成してもよい。というのも、排気配管41が長くなると、排気配管41のうちチャンバ10に近い領域と離れた領域とで各領域を通過する排気ガスの温度は相違するからである。つまり、チャンバ10から離れるにしたがって排気配管41内での排気ガスの温度は低くなり、液化現象が発生し易くなる。そこで、チャンバ10から離れるにしたがって排気配管41の温度が高くなるように加熱するのが好適である。
【0033】
また、上記実施形態では、基板9の上面91にポリアミド酸溶液を塗布して形成された塗布膜92を減圧乾燥させる減圧乾燥装置1に対して本発明を適用しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、レジスト液、層間絶縁材料、低誘電体材料、強誘電体材料、配線材料、有機金属材料、金属ペースト等で形成された塗布膜を減圧乾燥させる装置にも適用可能である。また、基板9の下面、あるいは基板9の両面に形成された塗布膜を減圧乾燥させる減圧乾燥装置に対しても本発明を適用することができる。
【0034】
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明は、例えば配管温度制御部によって、排気配管の温度を、排気配管を介して排気される溶媒成分を含む排気ガスの露点温度より高い温度に調整するように構成してもよい。つまり、排気配管への溶媒成分の液化を抑制するためには、このような構成を採用するのが好適である。
【0035】
また、配管温度制御部により排気配管の温度を内部空間よりも低い温度に調整するようにすれば、排気速度が低下するのを防止することができ、好適である。
【0036】
さらに、配管加熱部は、チャンバから離れるにしたがって排気配管の温度が高くなるように加熱するように構成するのが望ましく、これによって排気配管が長くなる場合であっても、溶媒成分の液化を効果的に防止することでき、好適である。