(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560119
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】芯繰出具
(51)【国際特許分類】
B43K 21/16 20060101AFI20190805BHJP
B43K 21/06 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
B43K21/16 P
B43K21/06
B43K21/16 L
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-257656(P2015-257656)
(22)【出願日】2015年12月29日
(65)【公開番号】特開2017-119408(P2017-119408A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2018年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】梶原 巧
【審査官】
金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】
実開平3−70990(JP,U)
【文献】
実開昭59−137086(JP,U)
【文献】
特開平10−35179(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/176636(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00 − 1/12
5/00 − 8/24
21/00 − 21/26
24/00 − 24/18
27/00 − 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.軸筒の内部に、棒状の芯を収容する芯タンクと該芯を挟持するチャックと該チャックの頭部に外嵌される締具と、前記締具と前記芯タンクとの間に張架され前記チャックを後方へ弾発するチャックスプリングとを有した芯繰出ユニットを備え、前記芯タンクを前記チャックスプリングの弾発力に抗して前進させることで前記軸筒の先端より前記芯を繰り出す芯繰出具であって、前記軸筒の内部に、軸心に沿った方向に前後動可能且つ軸周方向に回動可能に形成した摺動部材が配設されており、前記摺動部材に、前記軸筒の外面から露出し操作可能な操作部と、前記芯タンクの内部に延びる前方部とを設け、前記芯タンクに、前記操作部が摺動可能なスリット部と、該操作部が当接する後端部とを設け、前記軸筒に、前記操作部が前後動するよう形成した複数の縦孔部と、該操作部が軸周方向へ回動するよう前記縦孔部に連接して形成した横孔部とを設け、前記芯タンクと前記摺動部材との間に後スプリングを掛架して摺動部材を後方に弾発し、前記操作部を前記横孔部内で回動して、該操作部を前記芯タンクの後端に当接する状態とし該芯タンクを前進させることにより、前記締具が前記チャックを開放するまで前記芯を繰り出し、前記操作部を前記横孔部内で回動して、該操作部を前記芯タンクのスリット部の後方に位置する状態とし該芯タンクを前進させることにより、前記後スプリングの弾発力が前記チャックスプリングの弾発力を上回った状態で前記芯タンクを該後スプリングで押動して前記締具が前記チャックを開放させ、その状態で摺動部材を更に前進させることで、前記摺動部材の前方部で前記芯タンク内の芯が前進することを特徴とした芯繰出具。
【請求項2】
前記摺動部材を後方が開口する筒状に形成し、該摺動部材の前方部の軸心からずれた位置に第一貫通孔を設け、該摺動部材の内部に、前記芯を収容する筒状部材を回動可能に配し、該筒状部材の前部の軸心からずれた位置に第ニ貫通孔を設け、前記第一貫通孔と前記第ニ貫通孔のいずれか一方を芯が一本のみ挿通する大きさに形成し、前記筒状部材を回動して該筒状部材の第ニ貫通孔と前記摺動部材の第一貫通孔との位置とを合わせることで、前記芯を筒状部材内から芯タンク内に供給可能としたことを特徴とする請求項1に記載の芯繰出具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒の内部に収容した棒状の芯を該軸筒より繰り出して先端開口部から突出させた状態で使用する芯繰出具に関したものである。
【背景技術】
【0002】
軸筒の内部に、シャープペンシルの芯や色鉛筆やクレヨン、あるいは固形糊や口紅やリップクリームなど棒状の芯を収容し、該芯の先端部を軸筒より繰り出して先端開口部から当該芯を突出させた状態で紙面などへの筆記や塗布を行なう芯繰出具はよく知られている。
【0003】
前述した芯繰出具は、芯の繰り出し動作を行い軸筒内に配設した芯繰出ユニットを作動させて該軸筒の先端開口部から該芯を突出させて使用するものである。また、芯の繰り出し動作により軸筒の先端開口部から突出した芯の先端部は、筆記や塗布を行なうことにより磨耗するため、磨耗により筆記や塗布ができなくなると再度芯の繰り出し動作を行ない、軸筒の先端開口部から突出させる必要がある。更に、芯が磨耗して一定の長さ以下となると残った芯を軸筒の先端開口部から排出し、軸筒内の新しい芯の先端部を軸筒の先端開口部から突出するまで繰り出す必要がある。このため、一回の芯の繰り出し動作で該芯が前進する長さが短いほど軸筒内の芯の先端部を該軸筒の先端開口部から突出させるために必要となる該芯の繰り出し動作回数が多くなり、手間が掛かっていた。
【0004】
尚、前述の芯繰り出し動作を行なう際、軸筒の先端開口部から芯の先端部を突出させるのに手間が掛かる状態は、軸筒の先端開口部から芯の先端部を突出しすぎると突出した部分で該芯が折れ易くなるため、一回の芯繰り出し動作における芯の前進量を小さく抑える必要がある芯が細いシャープペンシルで特に発生しやすく、その解決策を考えたシャープペンシルが、例えば特許文献1に記載されている。
【0005】
前記特許文献1では、軸筒内に収容した芯を芯繰出ユニットを作動させて前記軸筒から突出させる際、一回の芯の繰り出し動作で該芯が前進する長さを調整可能にしたシャープペンシルが記載されている。
この構造では、チャックに外嵌された締具により該チャックを締め付けて芯を挟持し、前記締具の移動可能長さを調整可能にした調整機構が設けられており、ノック操作で芯を前進させる長さが変化でき、締具の前進量を長くすることで軸筒内の芯を該軸筒の先端開口部より芯が突出するまでの芯の繰り出し動作の回数を減らすことができる。しかしながら、締具の移動する長さを調整するためには、軸筒の先端に取り付けてある口金を取り外し、ねじ駒を回転するという2段階の操作が必要であり手間が掛かかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭54−36738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題を鑑みて発明されたものであって、簡単な操作により芯を徐々に繰り出すことが可能な状態と、芯を長く繰り出すことが可能な状態とを切り替えることができる芯繰出具を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、
「1.軸筒の内部に、棒状の芯を収容する芯タンクと該芯を挟持するチャックと該チャックの頭部に外嵌される締具と、前記締具と前記芯タンクとの間に張架され前記チャックを後方へ弾発するチャックスプリングとを有した芯繰出ユニットを備え、前記芯タンクを前記チャックスプリングの弾発力に抗して前進させることで前記軸筒の先端より前記芯を繰り出す芯繰出具であって、前記軸筒の内部に、軸心に沿った方向に前後動可能且つ軸周方向に回動可能に形成した摺動部材が配設されており、前記摺動部材に、前記軸筒の外面から露出し操作可能な操作部と、前記芯タンクの内部に延びる前方部とを設け、前記芯タンクに、前記操作部が摺動可能なスリット部と、該操作部が当接する後端部とを設け、前記軸筒に、前記操作部が前後動するよう形成した複数の縦孔部と、該操作部が軸周方向へ回動するよう前記縦孔部に連接して形成した横孔部とを設け、前記芯タンクと前記摺動部材との間に後スプリングを掛架して摺動部材を後方に弾発し、前記操作部を前記横孔部内で回動して、該操作部を前記芯タンクの後端に当接する状態とし該芯タンクを前進させることにより、前記締具が前記チャックを開放するまで前記芯を繰り出し、前記操作部を前記横孔部内で回動して、該操作部を前記芯タンクのスリット部の後方に位置する状態とし該芯タンクを前進させることにより、前記後スプリングの弾発力が前記チャックスプリングの弾発力を上回った状態で前記芯タンクを該後スプリングで押動して前記締具が前記チャックを開放させ、その状態で摺動部材を更に前進させることで、前記摺動部材の前方部で前記芯タンク内の芯が前進することを特徴とした芯繰出具。
2.前記摺動部材を後方が開口する筒状に形成し、該摺動部材の前方部の軸心からずれた位置に第一貫通孔を設け、該摺動部材の内部に、前記芯を収容する筒状部材を回動可能に配し、該筒状部材の前部の軸心からずれた位置に第ニ貫通孔を設け、前記第一貫通孔と前記第ニ貫通孔のいずれか一方を芯が一本のみ挿通する大きさに形成し、前記筒状部材を回動して該筒状部材の第ニ貫通孔と前記摺動部材の第一貫通孔との位置とを合わせることで、前記芯を筒状部材内から芯タンク内に供給可能としたことを特徴とする前記1項に記載の芯繰出具。」である。
【0009】
本発明の芯繰出具では、摺動部材に形成した操作部を軸筒に対して回動し、操作部を前記芯タンクの後端に当接する状態とし、その状態で操作部を前進させることで芯タンク及びチャックが押圧されて前進し、芯をチャックにより徐々に繰り出すことができる。また、操作部を回動し、操作部を前記芯タンクのスリット部の後方に位置する状態とし、その状態で操作部を前進させることで芯タンクに対して摺動部材が前進し、芯タンク内の芯の後端に摺動部材が当接し、該摺動部材で芯を直接押圧することで該芯を長く前進させて軸筒の先端開口部から突出させることができる。尚、軸筒の先端開口部から芯が突出する長さは、摺動部材の操作部の前端が芯タンクのスリット部の前端に当接しない限り、摺動部材の前進可能な範囲において自由に決めることが可能である。したがって、本発明の芯繰出具は、軸筒に対して操作部を回動することで、芯を徐々に繰り出すことが可能な状態と、芯を長く繰り出すことが可能な状態とを切り替えることができる。
【0010】
また、本発明では、芯タンク内に複数の新しい芯がある状態で摺動部材を長く前進させる場合、チャック内には芯が1本しか芯が入らないことから、芯タンク内に残った芯が摺動部材の前進を妨げるため、芯タンク内には芯を一本のみ入れておくことが望ましい。したがって、摺動部材の後方に筒状部材を配設し、摺動部材に形成した第一貫通孔と筒状部材に形成した第ニ貫通孔が重なるように回動することで芯を一本ずつ芯タンク内に供給するよう構成し、芯タンク内に複数の芯が同時に入ることを防ぐようにすることが好適である。
尚、芯タンクに複数の芯が入った場合、摺動部材で芯の後端を直接押圧することはできなくなるが、摺動部材を回動して該摺動部材で芯タンクを押圧できる位置に合わせることで芯タンクを前進させて芯を繰り出すことが可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、簡単な操作により芯を徐々に繰り出すことが可能な状態と、芯を長く繰り出すことが可能な状態とを切り替えることができる芯繰出具を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施例のシャープペンシルの側面図である。
【
図2】
図1のA−A線断面を示す拡大断面図である。
【
図4】本実施例のシャープペンシルを
図1のA−A線断面を示す拡大断面図であり、
図4(a)は操作体を回動して操作体を第一縦孔部に合わせた拡大断面図であり、
図4(b)は操作体を回動して操作体を第二縦孔部に合わせた拡大断面図である。
【
図7】
図6の状態から摺動体を前進させた図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して本実施例のシャープペンシルについて説明をするが、本発明はシャープペンシルに限定されるものではなく、色鉛筆やクレヨンあるいは固形糊や口紅やリップクリームなど棒状の芯を用いた芯繰出具に用いることができる。
尚、本実施例では、筆記先端部がある側を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。また、軸筒の軸心に近い側を内方と表現し、その反対側を外方と表現する。
【0014】
図1は、本実施例のシャープペンシルの側面図であり、
図2は、
図1のシャープペンシルのA−A線断面図であり、
図3は、
図2におけるB−B線の縦断面図である。
図1、
図2及び
図3に示すように、シャープペンシル1は、筒状に形成された軸部材2と、軸部材2の前部に螺合された先口3と、軸部材2の後部に取り付けられた筒状の後部筒部材4と、後部筒部材4の後方から挿着されたキャップ5とを備えている。また、先口3には棒状の芯8が出没する先端開口部3aが形成されている。尚、本実施例では、軸部材2と先口3と後部筒部材4とで軸筒20を構成してある。
また、軸筒20の側面には軸筒20の内外面を貫通させて形成した側孔7を形成してある。側孔7は、軸心に沿って短く延びる第一縦孔部7aと、軸心に沿って長く延びる第二縦孔部7bと、第一縦孔部7aと第二縦孔部7bを後方で繋ぎ軸周方向に延びる横孔部7cとで構成してある。
更に、軸筒20の内方には、軸筒20の側面から外方へ向かって突出する操作部8aを有する摺動部材8が配設してあり、操作部8aを側孔7に沿って前後動可能且つ回動可能に形成してある。
【0015】
図3に示すように、軸筒20の内方には、頭部9aが二分割されたチャック9と、チャック9の後部に圧入固着されているコネクター10と、コネクター10の後部に圧入固着した筒状の芯タンク11とを備えている。また、チャック9の頭部9aには締具12が外嵌されており、締具12を受け止める連結具13とコネクター10の間にチャックスプリング14を取付荷重400gで張架してチャック9を後方に弾発してある。
尚、チャック9、コネクター10、芯タンク11、締具12及びチャックスプリング14により芯6を繰り出すために前後動する芯繰出ユニット30が構成されている。
また、連結具13は、軸部材2の前端と軸部材2に螺合された先口3の第一内段部3bとで連結具13の鍔部13aを挟むことにより軸筒20内に固定されている。
更に、先口3には芯6を適度の力で保持する合成ゴムで形成した芯ホルダー15を内蔵してある。
【0016】
締具12はチャック9の頭部9aに外嵌され、連結具13の前端と先口内面の第ニ内段部3cとの間に前後動可能に遊嵌されている。
【0017】
コネクター10の後部に圧入固着された芯タンク11は筒状に形成されており、内孔部11aには、前方部11bを前方へ向かって先窄み状に形成すると共に前段部11cを形成してある。
また、
図1及び
図6に示すように、芯タンク11の側面には軸筒20の側孔7の第二縦孔部7bと同じ位置と同じ大きさで形成したスリット部11dを形成してあり、第二縦孔部7bとスリット部11dの軸周方向の位置を合せることで軸筒20の外面から芯タンク11の内面まで貫通した一つの孔部を形成してある。
【0018】
図3に示すように、摺動部材8は、軸筒内部に配した基部8bから摺動部8cが軸筒20の外方へ向かって延びており、軸筒に外方には端部を半円状にした操作部8aが形成してある。
また、基部8bから前方へ向かって延びる筒状の前方部8dが形成してあり、前方部8dの前端8eには軸心からずれた位置に芯6が1本のみ挿通可能な第一貫通孔8fが形成してある。
更に基部8bの前部にはバネ受け8gが形成してあり、芯タンク11の前段部11cと摺動部材8のバネ受け8gとの間に、後スプリング16を取付荷重50gで掛架してある。
【0019】
図3に示すように、軸部材2の後部には後部筒部材4が挿着されている。この後部筒部材4は、前述した通り、側面に内面まで貫通する側孔7が形成してある。また、後部筒部材4の外周面には側孔7と同様に内面まで貫通する係止孔4aを形成してあり、係止孔4aに軸部材2に形成した係止凸部2aを嵌着することで軸部材2に対して後部筒部材4が回転したり外れたりしないようにしてある。また、後部筒部材4の後部内周面には内周面に沿って凹部4bを形成してある。
【0020】
また、摺動部材8の後方開口部にはパイプ状に形成した筒状部材17を、筒状部材17の後部が軸筒20の後端から後方へ突出するよう配設してあり、筒状部材17の後部外周面に沿って形成した凸部17aを後部筒部材4の凹部4bに遊嵌させ、筒状部材17が軸筒20から抜けるのを防ぐと共に、筒状部材17を軸筒20及び摺動部材8に対して回動可能に構成してある。
更に、筒状部材17の前端17bには軸心からずれた位置に芯6が1本のみ挿通可能な第二貫通孔17cが形成してあり、摺動部材8に対して筒状部材17を回動した際に、筒状部材17の第二貫通孔17cと摺動部材8の第一貫通孔8fとを合わせることで、芯6を1本のみ挿通可能な挿通孔が形成されるよう第二貫通孔17cの軸心からの距離を揃えてある。
【0021】
図3に示すように、筒状部材17の後部にはキャップ5を嵌着してあり、筒状部材17に対してキャップ5を回動した際の抵抗力を、筒状部材17が軸筒20及び摺動部材8に対して回動する際に発生する抵抗力より大きく設定することで、キャップ5を掴んで回動すると筒状部材17が従動して回動するよう構成してある。
【0022】
次に、
図2、
図4及び
図5を用いてシャープペンシル1の操作部8aを前方へ短く押動することで芯を繰り出す動作について説明する。
本発明のシャープペンシル1は、
図2の操作部8aが側孔7の横孔部7cにいる状態から操作部8aを回動し、
図4(a)に示すように操作部8aを第一縦孔部7aに合わせると、芯タンク11の後端に摺動部8cの前端が当接する
図5の状態となる。尚、
図5における筒状部材17は
図3の状態から180度回動した状態であり、筒状部材17の内部には補充芯18が挿入された状態とする。
図5に示した状態でチャックスプリング14の弾発力に抗して操作部8aを前方へノック操作すると、摺動部8cに芯タンク11の後端部11eが押圧されて芯タンク11、コネクタ−10、チャック9がチャックスプリング14を圧縮しながら前進する。この際、チャック9に締具12が外嵌されていることから芯6も一緒に前進するが、締具12が先口3の第ニ内段部3cの後端に当接した際に、チャック9の頭部9aから締具12が離間して芯6が開放され、芯6の前進は停止する。更に前進した摺動部材8の摺動部8cの前端が第一縦孔部7aの前端に当接すると、摺動部材8、芯タンク11、コネクタ−10、チャック9の前進が規制される。
【0023】
ここで、操作部8aへのノック操作を解除すると、チャックスプリング14の弾発力で、芯タンク11、コネクター10及びチャック9が後方へ移動し、再びチャック9に締具12が外嵌されて芯6が挟持され、一般的なシャープペンシルと同様に芯6を繰り出すことができる。
このノック操作では一回の操作で芯6が繰り出される長さを約0.5mmに設定してあるため、ノック操作を複数回繰り返すことで、チャック9により前方へ繰り出された芯6は先口3の先端開口部3aより突出し、筆記可能な状態となる。
【0024】
次に、
図4、
図5、
図6及び
図7を用いて、
図5の状態のャープペンシル1を使用して芯6を使い切った際、摺動部材8の操作部8aを前方へ長く押動することで、芯タンク11内に入れた補充芯18を一回のノック操作により先口3の先端開口部3aから突出させる動作について説明する。
本発明のシャープペンシル1は、
図5に示した操作部8aが側孔7の第一縦孔部7aに合わせた状態から操作部8aを回動し、
図4(b)に示すように操作部8aを第ニ縦孔部7bの位置に合わせると、摺動部材8の摺動部8cと軸筒20の第ニ縦孔部7b及び芯タンクの11のスリット部11dとが軸心に沿って一致した状態となる。ここで、軸筒20に対してキャップ5を180度回動し、筒状部材17の第二貫通孔17cと摺動部材8の第一貫通孔8fとを芯18が通過できるように合わせると、芯タンク11内に補充芯18が供給され、補充芯18が芯タンク11の前方部3bに形成した先窄み部11bによりチャック9の内部へ誘導され
図6の状態となる。
この状態で、後スプリング16の弾発力に抗して操作部8aを前方へ押動すると、摺動部材11が後スプリング16を圧縮しながら前進する。その後、後スプリングの弾発力がチャックスプリング14の取付加重である400gを超えると、後スプリング16に押圧されて芯タンク11が前進し、芯タンク11に従動してチャック9及びコネクタ−10も前進する。この際、チャック9に締具12が外嵌されていることから締具12も一緒に前進するが、締具12が先口3の第ニ内段部3cの後端に当接した際に、締具12からチャック9の頭部9aが離間して頭部9aが開放され、2分割された頭部9aは拡開する。
更に摺動部材8を前進させると、摺動部材8の前端8eが補充芯18の後端18aに当接して補充芯18が前方へ押圧され、チャック9が拡開していることから補充芯18はチャック9を通り抜けて先口3の先端開口部3aから突出し、
図7の状態となる。
ここで、操作部8aの前方への押動を止めると、チャックスプリング14及び後スプリング16の弾発力で、摺動部材8、チャック9、コネクター10及び芯タンク11が後方へ移動し、再びチャック9に締具12が外嵌されて補充芯18が挟持された状態となる。
【0025】
尚、操作部8aを第二縦孔部7bに合わせて芯6を繰り出す場合、先口3の先端開口部3aから芯6が前方へ突出する長さは、摺動部材8の摺動部8cの前端が軸筒20の第二縦孔部7bの前端に当接しない限り、摺動部材8の前進可能な範囲において自由に決めることが可能となった。
また、チャック9の内部、先口3の先端開口部3aまたは芯ホルダー15の内部に短くなった残芯があっても、芯タンク11内の補充芯18によって残芯を前方に押圧し、先口3の先端開口部3aから強制的に排出させることができるため、残芯の影響を受けずに一回の繰り出し動作で芯を先端開口部3aから突出させることが可能となった。
更に、本実施例においては、携帯時に摺動部材8の操作部8aを側孔7の横孔部7cの位置に合わせることで摺動部材8及び芯タンク11の前進ができなくなるため、芯が不用意に先口3の先端開口部3aから繰り出されることを防止できるものとなった。
【0026】
したがって、操作部8aを軸周方向へ回動することにより、容易に芯を徐々に繰り出すことが可能な状態と、芯を長く繰り出すことが可能な状態とを切り替えることができるシャープペンシル1が得られた。
【符号の説明】
【0027】
1…シャープペンシル、
2…軸部材、2a…係止凸部、
3…先口、3a…先端開口部、3b…第一内段部、3d…第三内段部、
4…後部筒部材、4a…係止孔、4b…凹部、
5…キャップ、
6…芯、
7…側孔、7a…第一縦孔部、7b…第二縦孔部、7c…横孔部、
8…摺動部材、8a…操作部、8b…基部、8c…摺動部、8d…前方部、
8e…前端、8f…第一貫通孔、8g…バネ受け、
9…チャック、9a…頭部、
10…コネクター、
11…芯タンク、11a…内孔部、11b…前方部、11c…前段部、
11d…スリット部、11e…後端部、
12…締具、
13…連結具、13a…前端部、
14…チャックスプリング、
15…芯ホルダー、
16…後スプリング、
17…筒状部材、17a…凸部、17b…前端、17c…第二貫通孔、
18…補充芯、18a…後端、
20…軸筒、
30…芯繰出ユニット。