(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560126
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】光周波数ドメインイメージングに重ね合わせされる拡散分光法を提供するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20190805BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20190805BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
A61B1/00 526
G02B6/32
G01N21/17 630
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-555399(P2015-555399)
(86)(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公表番号】特表2016-505345(P2016-505345A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】US2014013330
(87)【国際公開番号】WO2014117130
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2017年1月17日
(31)【優先権主張番号】61/757,444
(32)【優先日】2013年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/781,857
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】モタファッカー−ファード アリ
(72)【発明者】
【氏名】ジャッケス ポーリーノ ヴァカス
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーグ ミレイル
(72)【発明者】
【氏名】ティアニー ギレルモ ジェイ.
【審査官】
磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−513773(JP,A)
【文献】
特開2010−210501(JP,A)
【文献】
特開2007−151631(JP,A)
【文献】
特開2007−075402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
A61B 10/00
G01N 21/00−21/01
G01N 21/17−21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖構造から第1の電磁放射を受けるように構成された第1の導波路と、
前記解剖構造から第2の電磁放射を受けるように構成された第2の導波路と、
第3の導波路と、
前記第1の電磁放射および前記第2の電磁放射を、受け取るように、そして前記第3の導波路に結合するように構成されたコンバイナと、
を備え、
前記第1の導波路および前記第2の導波路は、プローブに格納され、
前記コンバイナは、回転接合部の一部分であり、前記プローブは、前記回転接合部に回転可能に結合する、装置。
【請求項2】
前記第1の導波路および前記第2の導波路は、前記プローブの内部で回転するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第3の導波路を少なくとも部分的に囲む駆動軸アレンジメントをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の導波路または前記第2の導波路の少なくとも一つの端部に設けられるレンズをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1および第2の導波路で、それぞれ受け取った前記第1および第2の電磁放射は、前記少なくとも一つの解剖構造の異なる部分の各位置から提供された放射と関連している、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記各位置は互いに空間的に分離される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記空間的に分離される距離は少なくとも1mmである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記空間的に分離される距離は少なくとも2mmである、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記空間的に分離される距離は少なくとも10mmである、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の導波路および前記第2の導波路を囲んでいる透明な光学シースをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第3の導波路は、ダブルクラッドファイバーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第3の導波路は、トリプルクラッドファイバーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第3の導波路は、回転対称である屈折率分布を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の導波路または前記第2の導波路の少なくとも一つは、単一モード光ファイバーまたはマルチモード光ファイバーである、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記プローブは、カテーテルまたはエンドスコープの少なくとも一つである、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2013年1月28日に出願の米国特許出願番号第61/757,444号および2013年3月14日に出願の米国特許出願番号第61/781,857号に関連し、それらから優先権を主張し、それらの全ての開示は参照することにより本書に組み込まれるものとする。
【0002】
[連邦政府によって支援された調査に関する声明]
本発明は、国立衛生研究所により与えられる認可番号NIH R01 HL093717の下で、政府支援によってなされた。政府は、本発明に特定の権利を有する。
【0003】
本開示は、一般に、拡散分光法を提供するための典型的な方法と装置に関し、より詳細には、カテーテルにおける構造の拡散分光法を提供および/または利用するための方法と装置の典型的な実施態様に関する。この技術は、個々に、そして、光コヒーレンストモグラフィ(光干渉断層計)(OCT)および/または周波数ドメインイメージング(OFDI)モダリティと共に行い得る。
【背景技術】
【0004】
大多数の疾患は、例えば冠状動脈や消化管などの管腔臓器内で生じる。これらの疾患の把握や診断は、それらの巨視的、微視的および合成構造についての知識を必要とし得る。
【0005】
光学イメージングカテーテルは、管腔臓器から生じる疾患を評価、診断するための重要なツールになった。疾患を含むメカニズムの多くは顕微鏡スケールで起こるので、高解像度イメージングおよび分光法の技術が関連するようになった。高解像度イメージングのための重要な技術は、光コヒーレンストモグラフィ(光干渉断層計)(OCT)および/または周波数ドメインイメージング(OFDI)モダリティ(医療機器)であり、管腔組織の断面および3次元微細構造を研究するために回転走査型カテーテルが用いられ得る。加えて、吸収分光法は、回転走査型カテーテルと併せて管腔組織の合成的な内容を得るために利用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの技術の全ては、最大深度約1−2ミリメートルにおいて情報を提供する。したがって、さらに深い所に位置する構造の光学イメージングを行う方法は、有用である。したがって、少なくとも上述した欠陥の一部に対処することが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の満たされない要求に対処するため、そしてカテーテルベースの診断法を獲得すべく邁進するために、より大きい深度にて、および取り得る拡散管理体制(例えば、深さ2−3mm)において光学吸収分光法を行うために、必要な分の典型的なカテーテルベースの扱い方/システム/装置を提供することは有益である。
【0008】
本開示の目的の一つは、蛍光分光法、ラマン分光法、紫外分光法、可視分光法および近赤外分光法(NIRS)を個々におよび/またはOCTおよび/またはOFDIと併用して含むことができる拡散分光法を実行するカテーテルベースのシステム、装置および方法の例示的実施形態を提供することである。本開示の特定の例示的実施形態に従って、例えば、カテーテルの構造の拡散吸収分光法の実施を容易にする典型的な方法と装置が提供され得る。
【0009】
管腔組織の同時合成および微細構造的な分析を行うために、カテーテルにおける、光コヒーレンストモグラフィ(光干渉断層計)(OCT)および/または周波数ドメインイメージング(OFDI)と組み合わさった拡散分光法(例えば、NIR)のための典型的な方法が提供され得る。典型的な方法は、組織に照射し、組織から散乱光を収集するために、現在開示の例示的実施態様に従って、典型的な装置/デバイス/アレンジメントを使用することができる。この典型的な技術/方法は、異なる空間的位置でソースおよび検出器を利用することもでき、それ故に、拡散領域の評価を円滑にする。例として、典型的な一実施態様によれば、最大10mmのソース−検出器距離間隔が、組織における約5mmの深さからの情報を得ることができる。
【0010】
このように、本開示の特定の典型的実施態様に従って装置が提供され得る。例えば、本装置は、少なくとも一つの電磁放射を提供する導波路の第1アレンジメントを含むことができる。上記少なくとも一つの電磁放射を受け、第1放射および第2放射に分ける形態が提供され得る。本装置は、第1の導波路および第2の導波路を有する、導波路の第2アレンジメントをさらに含むことができる一方で、上記第1の導波路は上記第1放射を受け取り、そして、上記第2の導波路は上記第2放射を受け取る。上記第1アレンジメント、上記第2アレンジメントおよび上記形態は、プローブに格納され得る。
【0011】
一つの例示的実施態様によれば、上記第1アレンジメント、上記第2アレンジメントおよび上記形態は、プローブの内部で回転するように構成され得る。本装置は、上記第2アレンジメントを少なくとも部分的に囲むことのできる駆動軸アレンジメントを含むことができる。さらに、本装置は、上記第1の導波路および/または第2の導波路の端部で設けられ得るレンズアレンジメントを含むことができる。上記レンズアレンジメントは、上記第1放射および/または第2放射を受け取ると、少なくとも一つの構造に光を当てることができる。上記第1および第2の導波路は、上記第1および第2放射それぞれと関連し得る構造から、第3および第4放射をそれぞれ受け取ることができる。それぞれ、上記第1および2の導波路によって受け取られる上記第3および第4放射は、構造の異なる部分の各位置から提供される放射と関連し得る。上記各位置は互いに空間的に分離され得る。その空間的に分離される距離は、少なくとも1mm、少なくとも2mmおよび/または少なくとも10mmであり得る。
【0012】
本開示の他の例示的実施態様において、上記第1アレンジメント、上記第2アレンジメントおよび上記形態を囲むことのできる透明な光学シースが提供され得る。例えば、第1アレンジメントは、ダブルクラッドファイバーおよび/またはトリプルクラッドファイバーを含めることができる。上記第1アレンジメントはまた、回転対称になり得る屈折率分布を有することも可能である。上記第1の導波路および/または第2の導波路は、単一モード光ファイバーまたはマルチモード光ファイバーであり得る。上記プローブは、カテーテルおよび/またはエンドスコープであり得る。
【0013】
本開示のさらにもう一つの例示的実施態様によれば、電磁放射の強度を調節するように光変調アレンジメントが構成され得、それによって、第3および第4放射の強度を調節する。本装置はまた、上記第3および第4放射の変調や位相に関する強度情報を取得するように構成され得る処理アレンジメントを含むこともできる。この処理アレンジメントは、構造に関して詳しい情報を生成するために、変調や位相に関する情報を利用することができる。
【0014】
添付の図式や図面と共に、本開示の例示的実施態様の以下の詳細な説明および続く典型的な特許請求の範囲請求を読むことにより、本開示の例示的実施態様のさらなる特徴および利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示のさらなる目的、特徴および利点は、本開示の実施態様を示している添付の図と共に以下の詳細な説明から明らかになる。
【0016】
【
図1】本開示の例示的実施形態による光コヒーレンストモグラフィ−近赤外線分光法(OCT−NIRS)光学イメージングカテーテルの遠位端の側面の断面図である。
【
図2】本開示の実施形態例による典型的なOCT−NIRS光ファイバーカプラの典型的な実施を示す垂直断面図である。
【
図3】本開示の例示的実施形態によるOCT―NIRSシステムの回路図である。
【
図4】本開示の他の例示的実施形態によるOCT―NIRSシステムの他の回路図である(光ファイバーコンバイナアレンジメントが、イメージングカテーテルの外側に、 回転ファイバー接合部の内部に、配置され得る)。
【0017】
図面全体を通じて、同一参照符号および文字は、特に明記しない限り、図に示される実施態様と同様の特徴、要素、コンポーネントまたは部分を意味するために用いられる。さらに、図を参照して本開示が詳述される一方、実施態様に関連してなされ、図に例示される具体例および続く典型的な請求の範囲によっては制限されることはない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る典型的な装置は、プローブ、カテーテル、アイボックス、内視鏡、等において提供され得る。さらなる、少なくとも一つの追加ファイバーは、少なくとも他のファイバーに隣接して位置することができる。加えて、少なくとも一つの追加ファイバーは、少なくとも他のファイバーに隣接して位置することができる。
【0019】
本開示の例示的実施形態によれば、組織に照射し、管腔の内部から信号を収集することが可能な光コヒーレンストモグラフィ(OCT)拡散分光カテーテルを含むことのできるデバイス/装置/システムが提供され得る。この種の典型的なデバイス/装置/システムは、光源を生成することができ、戻ってくる光を検出することができ、および/または、信号を処理することができる。OCT拡散分光回転接合部は、カテーテルを回転させ、引き戻すことができ、移動するカテーテルを定置装置に接続することができる。本開示の他の例示的実施形態において、生体内の動脈の微細構造的かつ合成的な深いイメージングのために、デュアルモダリティカテーテルシステムが提供され得る。
【0020】
例えば、典型的なアレンジメント/装置/デバイスは、少なくとも一つの電磁放射を一つ以上の光ファイバーを通して解剖構造に提供することができる。この種の典型的なアレンジメントは、OCTおよび/またはOFDIのイメージングを行う同じファイバーや拡散分光処理のための隣接するファイバーを採用することができる。典型的なアレンジメント/装置/デバイスはまた、OCTおよび/またはOFDI、および拡散分光ファイバーを介して、解剖構造へおよび解剖構造から放射を伝達するように構成され得る装置を含むこともできる。本開示のさらなる典型的実施形態によれば、拡散分光法の他の形は、例えば、蛍光分光法、ラマン分光法、紫外分光法、可視分光法、などを含んで行うことができる。
【0021】
典型的なアレンジメント/装置/デバイスは、分光学的光コヒーレンストモグラフィシステムで提供され得る。さらに、解剖構造に関する情報、および例えば、限定はされないがOCT−NIRS手順など、拡散分光手順を用いる放射に基づいた、深部構造と合成に関する情報を得るように構成および/またはプログラムされ得る、さらなる例示的なシステムが提供され得る。
【0022】
典型的なアレンジメント/装置/デバイスは、ダブルクラッドファイバー内に戻ってくるOCTおよび/またはOFDIと拡散分光光のコンビネーションを容易にするために、OCT拡散分光カテーテル内部で、ファイバーカプラを使用することができる。本書において記載されているように、ダブルクラッドファイバーからのコア信号が単一モードファイバーのコアに結合され得るように、ファイバーカプラが用いられ得る。単一モードファイバーから戻ってくるOCTおよび/またはOFDI光はまた、ダブルクラッドファイバーのコアに結合され得、その一方で、戻ってくる拡散分光光はダブルクラッドファイバーの内側クラッディングと結合され得る。
【0023】
本開示の他の例示的実施形態によれば、典型的なアレンジメント/装置/デバイスは、ダブルクラッドファイバー内に戻ってくるOCTおよび拡散分光光のコンビネーションを容易にするために、OCT拡散分光回転接合部の内部でファイバーカプラを利用することができる。本書に記載されているように、例えば、ダブルクラッドファイバーからのコア信号が単一モードファイバーのコア内に結合され得るように、ファイバーカプラが用いられ得る。単一モードファイバーから戻ってくるOCT光はまた、ダブルクラッドファイバーのコアに結合され得、その一方で、戻りの拡散分光光はダブルクラッドファイバーの内側クラッディングと結合され得る。
【0024】
例えば、
図1は、本開示の例示的実施形態に従ってより深い分光測定ができるようにするために、2つの別々の照射光学系(例えば、アングルポリッシュボールレンズ)を使用するOCT拡散分光光イメージングカテーテルの遠位端の垂直断面図を示す。この典型的な構成、OCTおよび/またはOFDI照射および検出光/拡散分光照射光100は、第1の光ファイバー102および第1のスペーサ104を経て供給され得る。一つのレンズ106(複数のレンズを用いることができるのではあるが)は、ボールレンズであり得、拡散分光法およびOCT/OFDI光100のための照射プローブとして機能し得る。その上、この種のレンズ106は戻ってくるOCT/OFDI光100を収集することもできる。照射プローブ(例えば、レンズ106)は、組織110に電磁放射108を合焦させることができる。照射プローブ106はOCT/OFDI光100の収集に用いられ得、OCT/OFDI光100はその後、OCT/OFDI処理ユニット/アレンジメント/装置に戻され得る。組織110を介して供給される移送光112は、第2の収集光学系(例えば、レンズ116)を通って収集され得、拡散分光処理ユニット/アレンジメント/装置に戻され得る。例えば、2つの別々のボールレンズを使って組織110の中に拡散され得る第2の光ファイバー120および第2のスペーサ118を経て供給される拡散分光光114を収集するために、第2のボールレンズ116が用いられ得る。収集光122は、ファイバー120を経て拡散分光処理ユニット/アレンジメント/装置に伝送され得る。
【0025】
図2は、本開示の例示的実施形態による典型的なOCT拡散分光システムを実施するために用いられ得るファイバーカプラの断面図を示す。例えば、典型的なカプラは、ダブルクラッドファイバー200、マルチモードファイバー202および単一モードファイバー204を含むことができる。特に、広帯域光または他の電磁放射は、ダブルクラッドファイバー200のコア206を通じて送ることができる。コア206において提供される信号は、単一モードファイバー204のコア208に結合され得る。OFDIリターン光は同じコア208を通って戻って送信され得、その一方で、拡散分光リターン光210はマルチモードファイバー202を介して収集され得るとともに、ダブルクラッドファイバー200の内側クラッディング212に結合され得る。
【0026】
要約すれば、典型的なファイバーカプラは、ダブルクラッドファイバー200内に戻ってくるOCT/OFDI光および/または拡散分光光122のコンビネーションを容易にするために、
図1の典型的なカテーテル内に配置され得る。戻ってくるOCT/OFDI光100がダブルクラッドファイバー200のコア206に結合され得るように、典型的なファイバーカプラが用いられ得、その一方で、戻ってくる拡散分光光122はダブルクラッドファイバー200の内側クラッディング212に結合され得る。
【0027】
あるいは、例えば、典型的なファイバーカプラは、ダブルクラッドファイバー200内に戻ってくるOCT光および/または拡散分光光122のコンビネーションを容易にするために、ファイバー回転接合部の内部に配置され得る。
【0028】
図3は、本開示の例示的実施形態による典型的なOCT拡散分光システム/装置の概要を示すブロック図である。
図3に例示したように、広帯域OCTソース302および分光計310を利用することができるSD−OCT装置が提供され得る。代わりに、または、加えて、掃引ソースの利用や、OCTモダリティのOFDIおよび/またはSS−OCTタイプに用いられ得るように、フォトダイオード検出器の利用が可能である。本開示のさらにもう一つの例示的実施形態において、OCTのタイプは、広帯域ソース(光源)および可動参照ミラーがフォトダイオード検出器と連動して利用可能なタイムドメインOCT(TD−OCT)であり得る。
【0029】
図3に示すように、典型的なOCT拡散分光システムは、例えば、OCTソース302、光サーキュレータ304、光スプリッタ306、OCTリファレンスアーム308およびOCT分光計310を含むことのできるOCTユニット/アレンジメント/システム300を利用できる。OCTユニット/アレンジメント/システム300の出力は、例えば波長マルチプレクサ314(または光カプラ)を用いて、拡散分光光源312と結合され得る。複合電磁放射は、ダブルクラッド(またはトリプルクラッド)ファイバーカプラアレンジメント/デバイス316のコアに入ることができる。その後、放射/光は、ファイバー回転接合部318を通って伝搬することができる。このように伝搬された放射/光は、その後、ダブルクラッドOCT拡散分光カテーテル320に供給され得る。コンバイナアレンジメント/デバイス322(例えば、少なくとも
図2に示されるものと類似しているか同じもの)を使用して、コア放射/光は単一モードファイバー(SMF)324に伝送され得る。OCTおよび拡散分光放射/光は、
図1に示される典型的な構成を用いて、組織に照射することができる。
【0030】
例えば、戻りのOCT/OFDI放射/光はSMF324を用いて収集され、その一方で、戻りの拡散分光検出光はマルチモードファイバー(MMF)326を用いて収集され得る。その後、ほとんどまたはすべての戻りの放射/光は、コンバイナアレンジメント/デバイス322を用いてダブルクラッドまたはトリプルクラッドファイバーに再結合され得、システムに戻され得る。ファイバーカプラアレンジメント/デバイス316は、ダブルクラッドファイバーの内側クラッディングから拡散分光放射/光を取り出すことができ、それを拡散分光検出器328に伝送することができる。その一方で、ダブルクラッドファイバーのコアからのOCT/OFDI放射/光は、処理のためにOCTユニット/アレンジメント/システム300に戻るよう伝送され得る。さらに、OCT/OFDIおよび拡散分光データは、コンピュータ/ストレージユニット/アレンジメント/システム330を用いて、取得され、処理され、表示され得る。
【0031】
図4は、本開示の他の例示的実施形態によるさらに典型的なOCT拡散分光システム/装置の概要を示すブロック図である。
図4に例示される典型的なOCT拡散分光システムは、例えば、OCTソース402、光サーキュレータ404、光スプリッタ406、OCTリファレンスアーム408およびOCT分光計410を含むことのできるOCTユニット/アレンジメント/システム400を利用できる。OCTユニット/アレンジメント/システム400の出力は、波長マルチプレクサ414(または光カプラ)を用いて、拡散分光光源アレンジメント/システム412と結合され得る。複合電磁放射は、ダブルクラッド(またはトリプルクラッド)ファイバーカプラアレンジメント/デバイス416のコアに入ることができる。その後、放射/光は、ファイバー回転接合部418を通って伝搬することができる。回転接合部418は、静的および/または回転ファイバーコリメータ420および、OCTおよび拡散分光放射/光が単一モードファイバー(SMF)426のコアを通ってダブルクラッドファイバーのコアから伝送され得る光コンバイナアレンジメント/システム422(例えば、少なくとも
図2に示されるものと類似しているか同じもの)を、含むことができる。その後、ファイバー回転接合部418は、典型的なOCT拡散分光カテーテル424と適合(結合)され得る。OCTおよび拡散分光放射/光は、例えば、
図1に示される典型的な構成を用いて、組織に照射することができる。
【0032】
例えば、戻りのOCT放射/光はSMF426を用いて収集され、その一方で、戻りの拡散分光検出光はマルチモードファイバー(MMF)428を用いて収集され得る。その後、ほとんどまたはすべての戻りの放射/光は、コンバイナアレンジメント/デバイス422(例えば、ファイバー回転接合部418に配置される)を用いてダブルクラッドまたはトリプルクラッドファイバーに再結合され得、システムに戻され得る。ファイバーカプラ416は、ダブルクラッドファイバーの内側クラッディングから拡散分光放射/光を取り出すことができ、拡散分光検出器430に伝送することができる。その一方で、ダブルクラッドファイバーのコアからのOCT/OFDI放射/光は、処理のためにOCTユニット/アレンジメント/システム400に戻るよう伝送され得る。最終的に、OCTおよび拡散分光データは、コンピュータ/ストレージユニット/アレンジメント/システム432を用いて、取得され、処理され、表示され得る。
【0033】
上述は、単に開示の原則を例示したに過ぎない。記載された実施例に対する様々な修正および変更は、本書における教示を考慮すると当業者にとって明らかである。実際に、本開示の例示的な実施形態によるアレンジメント、システムおよび方法は、いずれのOCTシステム、OFDIシステム、SD−OCTシステム、TD−OCTシステムまたは他のイメージング(画像処理)システムに、共に用いられること、および/または実施が可能であって、例えば、2004年9月8日出願の国際特許出願PCT/US2004/029148(2005年5月26日に国際特許公報WO 2005/047813として刊行)、2005年11月2日出願の米国特許出願11/266,779(2006年5月4日に米国特許出願公報2006/0093276として刊行)、2004年7月9日出願の米国特許出願10/501,276(2005年1月27日に米国特許出願公報2005/0018201として刊行)、2002年5月9日発行の米国特許公報2002/0122246に記載されたものであり、これらの開示全体を参照によって本書に組み入れる。本書に明示的に示されておらず記載されていなくても、当業者は、本開示の原則を実施して、このような本開示の精神および範囲内にある数々のシステム、アレンジメントおよび手順を立案することができることが理解できるであろう。加えて、本書において上記すべての刊行物および参考文献は、参照することによってそれら全体を本書に組み込むことができる。本書において記載されている典型的な手順は、ハードドライブ、RAM、ROM、リムーバブルディスク、CD−ROM、メモリースティックなどを含む、任意のコンピュータアクセス可能媒体に格納され得、そして、ハードウェアプロセッサ、マイクロプロセッサ、ミニ、マクロ、メインフレーム等、これらを複数および/またはこれらの組み合わせを含むことのできるプロセッシングアレンジメントおよび/またはコンピューティングアレンジメントによって実行され得ることを理解すべきである。加えて、明細書、図面および請求の範囲を含む本開示において使用される特定の条件が、場合によっては限定されないが例えばデータおよび情報を含んで、同義的に用いられ得る。当然のことながら、互いに同義であり得るこれらの文言および/または他の文言は、この種の文言が同義的に用いられないことを意図した場合であり得る本書において同義的に用いられ得る。さらに、従来技術の知識が上記本書を参照することで明示的に組み込まれなかった範囲内において、それは完全に本書において明示的に組み込まれ得る。上記参照されるすべての刊行物は、参照することにより全体として本書に組み込まれるものとすることができる。