特許第6560128号(P6560128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560128
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】モバイルデバイスによる近接検出
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20190805BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20190805BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   H04M11/00 302
   H04N21/436
   H04M1/00 U
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-561722(P2015-561722)
(86)(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公表番号】特表2016-519863(P2016-519863A)
(43)【公表日】2016年7月7日
(86)【国際出願番号】US2014021830
(87)【国際公開番号】WO2014138604
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年2月27日
(31)【優先権主張番号】13/790,637
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マジェド バカル
(72)【発明者】
【氏名】フランシス ツイ
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/148242(WO,A1)
【文献】 特開2007−158447(JP,A)
【文献】 特開2002−152309(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0210832(US,A1)
【文献】 特開2004−135046(JP,A)
【文献】 特開2008−066969(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0284014(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0274859(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0212746(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0120365(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H03J9/00−9/06
H04B7/24−7/26
H04L12/28
12/44−12/46
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04N7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
H04Q9/00−9/16
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイスのプロセッサが、第1のデバイスが前記モバイルデバイスの所定範囲内にあることを示す遠隔の位置サービスからのメッセージをリッスンして前記遠隔の位置サービスからの前記メッセージを受信することを含むリスニングセッションを開始すること、
前記遠隔の位置サービスからの前記メッセージの受信に応じて、前記モバイルデバイスが、前記第1のデバイスに一意的に対応付けられたシグネチャをネットワークを介して取得することを含むネットワークセッションを自動的に開始すること、
前記ネットワークを介した前記シグネチャの取得に応じて、前記モバイルデバイスが、前記シグネチャを利用して前記第1のデバイスへのアクセスを含むユーザインターフェイスを前記モバイルデバイス上に提示することを含む前記第1のデバイスとのアクセスセッションを開始すること、及び
前記遠隔の位置サービスが、前記リスニングセッションにおける変化を検出することに応じて前記アクセスセッションを自動的に終了させることであって、前記リスニングセッションにおける変化を検出することは、前記第1のデバイスとは別の第2のデバイスが前記モバイルデバイスに最も近いと検出することを含む、前記アクセスセッションを自動的に終了させること
を備える方法。
【請求項2】
前記ネットワークが、WiFi(登録商標)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、音声ネットワーク又は近距離通信ネットワークの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遠隔の位置サービスによって、前記モバイルデバイスからの信号に基づいて前記モバイルデバイスの位置を特定すること
をさらに備える、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記遠隔の位置サービスによって、前記第1のデバイスの位置の登録を受信すること
をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記シグネチャが一意的なパターンであり、前記モバイルデバイスが前記第1のデバイスに自動的にアクセスしてペア形成することを可能とするアクセス情報を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記モバイルデバイスと前記第1のデバイスとの間のペア形成セッションを検出すること、
前記遠隔の位置サービスが、前記モバイルデバイスがもはや前記第1のデバイスの前記所定範囲内にないことを判別すること、及び
前記判別に応じて、前記ペア形成セッションを終了させること
をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサ、及び
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに:
遠隔サーバから第1の通知を受信すると、第1のメディアプレーヤデバイスからの信号をリッスンして前記第1のメディアプレーヤデバイスからの前記信号を受信することを含むリスニングセッションを開始すること、
前記第1のメディアプレーヤデバイスと対応付けられた一意的なシグネチャをネットワークを介して突き止めることを含む通信セッションを開始すること、
前記シグネチャを利用して前記第1のメディアプレーヤデバイスへのアクセスを含むユーザインターフェイスを提示することを含む、前記第1のメディアプレーヤデバイスとのアクセスセッションを開始すること、及び
前記リスニングセッションにおける変化を検出したとの第2の通知を前記遠隔サーバから受信することに応じて、前記アクセスセッションを自動的に終了させることであって、前記リスニングセッションにおける変化を検出することは、前記第1のメディアプレーヤデバイスとは別の第2のメディアプレーヤデバイスが前記システムに最も近いと検出することを含む、前記アクセスセッションを自動的に終了させること
の動作を前記システムに実行させる命令を記憶するメモリ
を備えたシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、前記動作が、
前記第1のメディアプレーヤデバイスに対応付けられた信号を突き止めると、前記通信セッションを自動的に開始することをさらに備える、前記システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のシステムにおいて、前記信号が音声である、前記システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記受信することが、前記システムのマイクロフォンによって前記音声を検出することを含む、前記システム。
【請求項11】
請求項7又は8に記載のシステムにおいて、前記信号がWiFi(登録商標)信号である、前記システム。
【請求項12】
請求項7又は8に記載のシステムにおいて、前記信号が、WiFi(登録商標)信号、無線周波信号、赤外線信号、音声及びBluetooth(登録商標)信号の少なくとも2つの組合せである、前記システム。
【請求項13】
請求項7、8、9、10、11又は12に記載のシステムにおいて、前記第1の通知が、前記第1のメディアプレーヤデバイスが前記システムの所定範囲内にあることのメッセージを含む、前記システム。
【請求項14】
請求項7、8、9、10、11、12又は13に記載のシステムであって、
前記遠隔サーバが、前記システムがもはや前記第1のメディアプレーヤデバイスの所定範囲内にないことを判別すること、及び
前記システムがもはや前記所定範囲内にないことを判別すると前記アクセスセッションを自動的に終了させること
をさらに備える前記システム。
【請求項15】
請求項7、8、9、10、11、12、13又は14に記載のシステムであって、
所定量の時間後に前記アクセスセッションを終了させること
を更に備える前記システム。
【請求項16】
非一時的なコンピュータ可読媒体であって、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行されたときに、前記コンピューティングデバイスに、
第1のメディアプレーヤデバイスがモバイルデバイスの所定範囲内にあることを示す遠隔の位置サービスからのメッセージをリッスンして該メッセージを前記遠隔の位置サービスから受信することを含むリスニングセッションを開始させ、
前記メッセージを受信すると、前記第1のメディアプレーヤデバイスに一意的に対応付けられたシグネチャをネットワークを介して取得することを含むネットワークセッションを自動的に開始させ、
前記シグネチャを前記ネットワークを介して取得すると、前記シグネチャを利用して前記第1のメディアプレーヤデバイスへのアクセスを含むユーザインターフェイスを前記モバイルデバイス上に提示することを含む、前記第1のメディアプレーヤデバイスとのアクセスセッションを前記モバイルデバイスによって開始させ、
前記リスニングセッションにおける変化を検出したとの通知を前記遠隔の位置サービスから受信することに応じて、前記アクセスセッションを自動的に終了させる命令であって、前記リスニングセッションにおける変化を検出することは、前記第1のメディアプレーヤデバイスとは別の第2のメディアプレーヤデバイスが前記モバイルデバイスに最も近いと検出することを含む、命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記命令が、さらに、前記コンピューティングデバイスに、
前記コンピューティングデバイスに関連した位置データのセットを前記遠隔の位置サービスに送信させる、前記非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記シグネチャが、近距離通信信号、WiFi(登録商標)信号、Bluetooth(登録商標)信号、可視信号又は音声のうちの2以上の組合せである、前記非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
請求項16、17又は18に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記シグネチャが一意的なパターンであり、前記モバイルデバイスが前記第1のメディアプレーヤデバイスに自動的にアクセスしてペア形成することを可能とするアクセス情報を含む、前記非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
請求項16、17、18又は19に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において
前記リスニングセッションにおける変化を検出することは、前記遠隔の位置サービスが、前記コンピューティングデバイスがもはや前記第1のメディアプレーヤデバイスの所定範囲内にないことを判別することを含み
前記コンピューティングデバイスがもはや前記所定範囲内にないことを判別すると、前記命令がさらに、前記コンピューティングデバイスに前記アクセスセッションを自動的に終了させる、前記非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2013年3月8日出願の米国出願第13/790637号の優先権及び利益を主張し、その開示全体が参照としてここに取り込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概略として、メディアプレーヤなどのデバイスとモバイルデバイスとの間の相互作用に関する。
【背景技術】
【0003】
デバイスによっては無線ネットワークに接続することができるが、それらのデバイスには、デバイスを構成又は制御することを可能とするスタンドアロン型の入力方法が設けられていないことがある。ある場合においては、豊富な入力方法を持つ被接続デバイスが特定のデバイスに接続して、その特定のデバイスを構成し、又はその特定のデバイスに指令を送信することによってそれを管理することができる。ある解決手段は、双方のデバイスについて特化されたハードウェアを必要とする。他の解決手段は、特定のデバイスが無線ネットワーク上に未だ存在しない場合、又は他のデバイスが同じ無線ネットワーク上に存在しない場合には、初期設定に対して作用しない。
【発明の概要】
【0004】
ユーザインターフェイス付きの静止デバイスは、シグネチャ信号又は信号の組合せを少なくとも1つのネットワーク上に周期的に出射することができる。モバイルデバイスは、静止デバイスがそのモバイルデバイスに対して所定の近接位置にあることの通知を遠隔サービスから受信することができ、その通知に応じて、ネットワーク上でシグネチャ信号を探すことができる。シグネチャ信号は、モバイルデバイスが静止デバイスに自動的にアクセスしてペア形成することを可能とするアクセス情報を選択的に含むことができる。
一概略形態において、モバイルデバイスのプロセッサは、遠隔サービスからのメッセージをリッスンして遠隔サービスからのメッセージを受信することを含むリスニングセッションを開始する。メッセージは、第1のデバイスがモバイルデバイスの所定範囲内にあることを示す。遠隔サービスからのメッセージの受信に応じて、ネットワークセッションが自動的に開始される。ネットワークセッションは、ネットワークを介してシグネチャを取得することを含み、シグネチャは第1のデバイスに一意的に対応付けられている。モバイルデバイスは、ネットワークを介してシグネチャを取得すると、第1のデバイスとのアクセスセッションを開始し、アクセスセッションは、シグネチャを利用して、第1のデバイスへのアクセスを含むユーザインターフェイスをモバイルデバイス上に提示することを含む。アクセスセッションは、リスニングセッションにおける変化の検出に応じて自動的に終了する。
他の概略形態では、システムは、少なくとも1つのプロセッサ、及びメモリを含む。メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに:遠隔サーバからの通知を受信すると、メディアプレーヤデバイスからの信号をリッスンしてメディアプレーヤデバイスからの信号を受信することを含むリスニングセッションを開始すること、メディアプレーヤデバイスに対応付けられた一意的なシグネチャをネットワークを介して突き止めることを含む通信セッションを開始すること、シグネチャを利用してメディアプレーヤデバイスへのアクセスを含むユーザインターフェイスを提示することを含む、メディアプレーヤデバイスとのアクセスセッションを開始すること、及びリスニングセッションにおける変化を検出するとアクセスセッションを自動的に終了させること、の動作をシステムに実行させる命令を記憶する。
この形態の他の実施例は、コンピュータ記憶デバイスに符号化された方法のアクションを実行するように構成された対応のシステム、装置及びコンピュータプログラムを含む。
【0005】
本明細書に記載される事項の実施例のうちの1以上は、以下の有利な効果のうちの1以上を与えることができる。開示される方法及びシステムによって、モバイルデバイスとメディアプレーヤデバイスとの間の検出及び相互作用が、2つのデバイスを明示的にペアとすることを要せずに、可能となる。例えば、ユーザが家の中のある部屋から他の部屋へと歩くと、ペア形成又はペア解消のためのユーザ入力を要することなく、ユーザの電話機は、最も近いテレビと自動的にペア形成及びペア解消することができる。
【0006】
1以上の実施例の詳細は、付随する図面及び以下の説明において示される。他の特徴は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、デバイス検出を行うのに使用できるシステムのブロック図である。
【0008】
図2図2は、デバイス検出を実施するシステムの実施例を示すシーケンス図である。
【0009】
図3図3は、デバイス検出を行うための処理のフローチャートである。
【0010】
図4図4は、本明細書に記載される技術を実施するのに使用できるコンピューティングデバイス及びモバイルコンピューティングデバイスの実施例を示す。
【0011】
図5図5は、デバイスを準備するのに使用できるシステムのブロック図である。
【0012】
図6図6は、デバイスを準備するための処理のフローチャートである。
【0013】
図7図7は、リムーバブルデバイスとモバイルデバイスとをペア形成するための処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
各種図面における同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【0015】
(詳細な説明)
図1は、識別の権限を与えるのに使用できるシステムのブロック図である。システム100は、モバイルデバイス102、デバイス130及び位置サービス150を含むことができ、これらは少なくとも1つのネットワーク120によって相互接続されている。
【0016】
モバイルデバイス102は、ユーザインターフェイスを実行してソフトウェアアプリケーションをダウンロード及び実行するとともにデバイス130及び位置サービス150と通信することができるコンピュータ、スマートフォン、ラップトップ又は類似のデバイスであればよい。モバイルデバイス102は、表示画面103、及びユーザがウェブサイト又はオンラインアプリケーションストアからダウンロードした(例えば、インストールした)デバイス検出アプリケーション104を含むことができる。ある実施例では、デバイス検出アプリケーション104は、モバイルデバイス102に関連付けられた種々のセンサを認識することができ、それらのセンサと通信することができる。例えば、モバイルデバイス102は、無線周波(RF)センサ106、マイクロフォン110、GPSセンサ112、Bluetooth(登録商標)センサ114、WiFiセンサ116及び赤外線センサ118などの様々なセンサを含み得る。モバイルデバイス102において示されるセンサは説明の便宜上のものに過ぎず、他のセンサが含まれてもよい。モバイルデバイスの種々の代替及び追加の実施例は、図4に関して、より詳細に後述される。
【0017】
ネットワーク120は、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)、WiFiネットワーク、Bluetoothネットワーク又は他のネットワークといったコンピュータネットワークの単一のネットワーク又は任意の組合せであればよい。さらに、ネットワーク120は、公衆ネットワーク(例えば、インターネット)とプライベートネットワークの組合せであってもよい。
【0018】
デバイス130は、アプリケーション132及び表示画面144を有するコンピューティングデバイスである。例えば、デバイス130はテレビである。デバイス130は、ソフトウェアアプリケーション(アプリケーション132など)を実行することができ、モバイルデバイス102及び位置サービス150と通信することができる。デバイス130は、音声構成部材134、赤外線構成部材136、WiFi構成部材138、Bluetooth構成部材140及び無線周波構成部材142といった、種々の信号を出射することができる各種構成部材を含むことができる。デバイス130において示される構成部材は説明の便宜上のものに過ぎず、他の構成部材が含まれてもよい。デバイスの種々の代替及び追加の実施例は、図4に関して、より詳細に後述される。
【0019】
デバイス130は、識別信号(例えば、ビーコン信号)をネットワーク120上で周期的又は連続的にブロードキャストすることができる。デバイス130は、異なるネットワーク上に同時に信号を送信することができる。例えば、デバイス120は、音声、Bluetooth及びWiFiビーコン信号を同時に送信することができる。ある実施例では、より詳細を図2に関して後述するように、デバイス130は一意的識別信号をネットワーク120上に出射することができる。一実施例として、一意的識別信号は、デバイス130のユーザによって入力又はプログラムされる基本サービス設定識別(BSSID)を含み得る。ある実施例では、一意的識別信号は、それがランダムに生成されることから固有なものとなる。一意的識別は、例示として、グローバル一意識別子(GUID)であればよく、これは同じ番号がランダムに2回生成される可能性を無視できるものである。また、一意的識別は、ユニバーサル一意識別子(UUID)、又はあるパターンに一致する名前であればよい。モバイルデバイス102は、例えばモバイルデバイス102がデバイス130の所定範囲内に来た時に、デバイス130の1以上の構成部材によって出射された各種信号を、各種センサを用いて検出することができる。例えば、モバイルデバイス102の赤外線センサ118は、デバイス130の赤外線構成部材136によって出射された赤外線信号を検出することができる。他の例として、マイクロフォン110は、音声構成部材134によって出射された音声信号を検出することができる。
【0020】
ある実施例では、モバイルデバイス102は、モバイルデバイスの表示画面が減光され、スリープモードにあり、又はアクティブでないときであっても、ユーザ入力なしに、そのような信号を規定のパターンで周期的に、又は常に、自動的にリッスンすることができる。種々の実施例において、モバイルデバイス102は、そのような信号をリッスンするようにユーザによって構成されることができる。信号をリッスンすることは、モバイルデバイス102の構成部材、アプリケーション、マイクロフォン又は他の特徴を活性化させて信号を検出することを含み得る。一例として、モバイルデバイス102は、例えばアプリケーション104を用いて構成部材106、110、112、114、116及び118を介して信号をリッスンすることができる。アプリケーション104は、ある実施例では、ユーザがログイン又は他のユーザアカウント資格証明書を入力して信号をリッスンすることを要求することができる。
【0021】
位置サービス150は、より詳細を後述するように、位置サービスを提供するコンピュータ又はデバイスであればよい。図1に示す構成では、デバイス130は、これはテレビであり得るが、それ自身を位置サービス150に対して、例えば座標、GPSデータ、WiFi信号、近距離通信信号などの他の信号、又は位置サービス150がデバイス130の位置を特定又は概算するための情報を提供することによって、選択的に識別させることができる。同様に、モバイルデバイス102も、それ自身を位置サービス150に対して識別させることができる。ある実施例では、位置サービス150は、位置データなど、デバイスに関連付けられた他の情報だけでなく、サービスに対して自身を識別させた全てのデバイス(例えば、モバイルデバイス102を含む)のデータストアを保持することができる。ある実施例では、ユーザがそのようなデータの使用に同意した場合に、位置サービス150は、デバイス130に関する位置情報を、他の方法で、例えば、デバイス130に接続した、又はデバイス130を識別した他のデバイス(不図示)からデータを受信することによって取得することができる。
【0022】
ある実施例では、モバイルデバイス102は、デバイス130についての位置サービス150から情報(例えば、位置データ)を受信することができる。一例として、モバイルデバイス102は、位置サービス150から通知を受信することができる。通知は、モバイルデバイスがデバイス130の所定範囲(例えば、50フィート)内にあることのメッセージを含むことができる。モバイルデバイスは、通知を受信すると、デバイス130からの一意的な信号をネットワーク120上で探すことを自動的に開始することができる。例えば、モバイルデバイス130は、WiFiセンサ116を用いて(デバイス130のWiFi構成部材138から出射された)WiFi信号を探索及び検出することができる。一例として、WiFiシグネチャは、任意のセットの数字又は文字のWiFi BSSIDパターンであればよい。
【0023】
システム100には、任意数の代替又は追加のネットワーク、サービス、モバイルデバイス又はデバイスが含まれ得ることがわかる。1つのモバイルデバイス102、1つのデバイス130及び1つの位置サービスの使用は、説明の便宜上のものに過ぎない。またさらに、図1に示す説明図は近接を示すものではないことがわかる。例えば、より詳細を後述するように、種々の実施例において、モバイルデバイス102はデバイス130の5フィート以内となり得る一方で、位置サービス150は異なる位置に配置される。
【0024】
本明細書に記載される事項の実施例の1以上は、以下の有利な効果の1以上を与えることができる。開示される方法及びシステムによって、モバイルデバイスとメディアプレーヤデバイスとの間の検出及び相互作用性が、2つのデバイスを明示的にペア形成することを要せずに可能となる。例えば、ユーザが家の中のある部屋から他の部屋へと歩くと、ユーザの電話機は、ペア形成又はペア解消のためのユーザ入力を要することなく、最も近いテレビと自動的にペア形成及びペア解消することができる。
【0025】
図2は、デバイス検出を実施するシステム200の実施例を示すシーケンス図である。システム200は、モバイルデバイス210、デバイス220、位置サービス230及びネットワーク232を含むことができる。モバイルデバイス210は、図1に示すデバイス102のようなスマートフォン又はラップトップであればよく、アプリケーションを実行することができる。一実施例では、デバイス検出アプリケーション(図1に関して上述したデバイス検出アプリケーション104など)は、サービス又はコンテンツプロバイダのウェブサイト又はオンラインアプリケーションストアからダウンロード済みである。
【0026】
デバイス220は、メディアプレーヤ、例えば、テレビ、又はXBOX(登録商標)のようなゲーム機であればよく、映像ストリーミングデータサービスと相互作用することができる。図示した実施例では、システムの構成部材(例えば、モバイルデバイス210、デバイス220)の各々に関連付けられた黒線は、少なくとも1つのマイクロプロセッサによる当該構成部材に関連付けられた処理の実行を示す。
【0027】
位置サービス230は、図1に関して上述した位置サービス150など、少なくとも1つの遠隔サーバによって作用されるサービスであればよい。ネットワーク232は、より詳細を図4に関して後述するような任意のタイプのネットワーク又はネットワークの組合せであればよい。ネットワーク232は位置サービス230とは別個の要素として図示されているが、実施例によっては、ネットワーク232は位置サービス230とモバイルデバイス210及びデバイス220との間の通信に使用され得る。図示した実施例において、図2は、デバイス220の所定範囲内にあるモバイルデバイス210の検出の実施例を示す。
【0028】
アクション240は、一実施例において、識別がデバイス220によって位置サービス230に対して行われることを示す。そのような識別は、デバイス220に存在するアプリケーション、又はサービス若しくはコンテンツプロバイダのウェブサイトからデバイス220にダウンロードされたアプリケーション(例えば、デバイス検出アプリケーション)によって送信されることができる。識別は、例えば、デバイス220の名前、IPアドレス、一意的識別子及び位置データを含み得る。実施例によっては、識別240はデバイス220が起動されるときに1回だけ行われればよく、アクション240が選択的アクションであることがわかる。
【0029】
アクション242は、デバイス220が一意的なシグネチャをネットワーク232上で周期的にブロードキャストすることを示す。ある実施例では、一意的なシグネチャは一意的なBSSIDパターンであればよく、ネットワーク232はWiFiネットワークであればよい。ある実施例では、デバイス220は、一意的なシグネチャを2以上のネットワーク232上に同時に出射することができる。例えば、デバイス220は、一意的なBluetoothシグネチャ、一意的なBSSIDシグネチャ、一意的な音声信号及び一意的な赤外線信号を1以上のネットワークにわたって同時に出射することができる。ある実施例では、デバイス220は、その一意的なシグネチャとして(赤外線信号及び音声信号といったような)信号の組合せを出射することができる。信号は周期的に出射されてもよい。
【0030】
アクション244は、モバイルデバイス210が位置サービス230に対して識別を行うことを示す。このような識別を、サービス又はコンテンツプロバイダのウェブサイトからモバイルデバイス210にダウンロードされたデバイス検出アプリケーションによって行うことができる。識別は、例示として、モバイルデバイス210の名前又は一意的識別子並びにモバイルデバイス210の位置データ(例えば、GPS又はWiFiデータを含む)を含んでいればよい。ある実施例では、識別244が1回行われればよく、ある実施例では、識別244の一部又は全部が連続的であっても周期的であってもよい(例えば、モバイルデバイス210が、1時間毎若しくはデバイス検出アプリケーションが起動される毎に、又はモバイルデバイス210の位置が100メートルを超えて変化する毎に、GPS位置を位置サービス230に送信するようにしてもよい)。種々の実施例において、位置サービス150が、モバイルデバイスによって与えられる情報を用いてモバイルデバイス210の位置を(例えば、連続で、又は周期毎に)外挿するようにしてもよい。
【0031】
アクション246は、モバイルデバイス210が位置サービス230とのリスニングセッションを開始することを示す。ある実施例では、リスニングセッションは、デバイス検出アプリケーションの起動毎に、又は実行中に開始され得る。ある実施例では、アクション246は、連続的であっても周期的であってもよい(例えば、モバイルデバイス210が、1時間毎に、又はモバイルデバイス210の表示画面がオンされる毎に、位置サービス230とのリスニングセッションを開始するようにしてもよい)。
【0032】
例えば、GPS座標、デバイスの相対位置、デバイス220が自身を位置サービス230に対して識別させたときにデバイス220によって与えられる情報などに基づいて、位置サービス230は、デバイス220に対するモバイルデバイス210の近接を判別する計算を実行することができる。この近接計算は、相互の閾距離内にある1以上のデバイスに対して他のデバイスに対する近接が通知又は報知されるように、閾距離(例えば、500フィート)に基づくことができる。ある実施例では、位置サービス230は、図1に示すデバイス検出アプリケーション104のようなアプリケーションを用いて、自身を位置サービス230に対して識別させた登録済み(例えば、識別済み)デバイスに対してのみ責任を持つようにすればよい。
【0033】
アクション248は、位置サービス230が、デバイス220に対するその近接をモバイルデバイス210に通知することを示す。ある実施例では、通知は、モバイルデバイスがデバイス220の所定範囲(例えば、50フィート)内にあることのメッセージを含んでいればよい。モバイルデバイスは、通知を受信すると、アクション250に示すように、デバイス220からのシグネチャ信号をネットワーク232上で探すことを自動的に開始することができる。例えば、モバイルデバイス210は、モバイルデバイスのWiFiセンサを用いて、(デバイス210のWiFi構成部材から出射された)WiFi信号を探索及び検出するようにしてもよい。ある実施例では、モバイルデバイス210が、ネットワーク232を探索する前にユーザ入力又は承認を要求するようにしてもよい。
【0034】
アクション252は、モバイルデバイス210がネットワーク232からのシグネチャを受信することを示す。ある実施例では、シグネチャは、位置情報など、どのようにしてデバイス220にアクセスするのかについての情報を含むことができる。モバイルデバイスは、シグネチャを受信した時以降、アクション254で示すように、(例えば、位置情報及びシグネチャを用いて)デバイス220とのアクションセッションを開始することができる。アクセスセッションは、一例として、モバイルデバイス210上のユーザインターフェイスディスプレイを含み、それはデバイス220のユーザインターフェイス又は他のディスプレイの制御形態に使用され得る。例えば、モバイルデバイス210のユーザは、遠隔ユーザインターフェイスとしてモバイルデバイス210を用いて、デバイス220の表示画面上に提供される映画、音楽又は他のコンテンツを制御することができる。
【0035】
アクション256は、位置サービス230がモバイルデバイス210の位置の変化を検出し得ることを示す。位置サービス230は、例えば、モバイルデバイス210のGPS座標に基づいて変化を検出することができる。モバイルデバイス210の位置の変化を検出すると、位置サービス230はモバイルデバイス210に通知し、アクション258に示すように、モバイルデバイス210はデバイス220とのアクセスセッションを終了し、又はデバイス220の画面上でユーザ視認可能なアクションを実行することができる。ある実施例では、モバイルデバイス210は(例えば、デバイス220にアクセスした同じデバイス検出アプリケーションを用いて)、モバイルデバイス210がもはやデバイス220の所定範囲内にないといったような、その位置の変化を自身で検出することができる。その例において、モバイルデバイスは、例えば、何らのユーザ入力なしで(例えば、デバイス検出アプリケーションを用いて)アクセスセッションを自動的に終了させることができる。ある実施例では、デバイス220はモバイルデバイス210に代わりアクセスセッションを終了してもよい。ユーザも、例えばモバイルデバイス210又はデバイス220のユーザインターフェイスを介して、いつでもアクセスセッションを終了させることができる。
【0036】
種々の実施例において、システム200は、ユーザのアクションを必要とすることなく、モバイルデバイスとメディアプレーヤデバイスとの間での複数のペア形成及びペア解消を可能とすることができる。例えば、ユーザが家の中のある部屋から他の部屋へと歩くにつれて、そのユーザの電話機は、システム200を用いて、ユーザ入力を要することなく、最も近いテレビと自動的にペア形成及びペア解消することができる。
【0037】
図3は、デバイス検出を与えるための処理のフローチャートである。図3に示す処理は、少なくともある程度、コンピューティングデバイス、例えば、図1に示すモバイルデバイス102又は図2に示すモバイルデバイス210によって実行されることができる。図3に示すように、モバイルデバイスは、図1に示す位置サービス150のような遠隔サービスからのメッセージをリッスンすることを含むリスニングセッションを開始することができる(310)。ある実施例では、モバイルデバイスは、オンラインストアからダウンロードされた(例えば、インストールされた)アプリケーションを用いてリスニングセッションを開始することができる。
【0038】
リスニングセッションは、モバイルデバイスにおいて、遠隔サービスからメッセージを受信することを含み得る(312)。メッセージは、メディアプレーヤデバイスがモバイルデバイスの所定範囲(例えば、500フィート)内にあることを示す。
【0039】
モバイルデバイスは、遠隔サービスからメッセージを受信すると、ネットワークセッションを自動的に開始することができる(320)。ネットワークセッションは、ネットワークを介してシグネチャを取得することを含み、シグネチャはメディアプレーヤデバイスに一意的に対応付けられている(330)。モバイルデバイスにおいてシグネチャを取得すると、モバイルデバイスはメディアプレーヤデバイスとのアクセスセッションを開始することができる(340)。アクセスセッションは、シグネチャを利用して、メディアプレーヤデバイスへのアクセスを含むユーザインターフェイスをモバイルデバイス上に(例えば、図1に示す表示画面103を介して)提示することを含むことができる(350)。
【0040】
システム(例えば、モバイルデバイス又は実施例によっては遠隔サービス)は、それがリスニングセッションにおける変化を検出したかを判別することができる(360)。リスニングセッションにおける変化の一例として、遠隔サービスは、モバイルデバイスがもはやメディアプレーヤデバイスの所定範囲内にないことを判別する。変化が検出されない場合(360、No)、システムは、リスニングセッションにおける変化を検出するかを判別し続けつつ、アクセスセッションを継続することができる。システムがリスニングセッションにおける変化を検出した場合(360、Yes)、例えば、モバイルデバイスがもはやメディアプレーヤデバイスの所定範囲内にない場合、システムは(モバイルデバイス、メディアプレーヤデバイス及び/又は遠隔サービスを介して)アクセスセッションを(例えば、自動的に、又はユーザ入力で)終了させることができる(370)。
【0041】
図3に示す処理は、モバイルデバイスが電源オンされた時はいつでも(表示画面が減光されていても)又はモバイルデバイス上で実行される特定のアプリケーションが活性化されると、再開することができる。ある実施例では、そのようなアプリケーションは、モバイルデバイスのバックグランドプロセスで稼働することができる。一例として、ユーザが友人と映画を観ていたがユーザが家を出るとともに彼の電話機を持ち去った場合、システムは、モバイルデバイスがもはやメディアプレーヤデバイスの100フィート以内にないと判別することができ、したがってアクセスセッションを終了させることができる。種々の代替又は追加の実施例では、システムは、他のやり方で、例えば所定量の時間(例えば、分、時間)の後に、又は(例えば、モバイルデバイスを介した、又は他のデバイスを介した)セッションを終了させるユーザリクエストに応じて、アクセスセッションを終了させてもよい。また、システムは、ユーザがシステム又はモバイルデバイスを手動でシャットダウンしたとき、又はメディアプレーヤデバイスへのアクセスを要求している他のモバイルデバイスをシステムがシステムの所定範囲内に検出したときに、アクセスセッションを終了させてもよい。
【0042】
図4は、ここに記載される技術を実施するのに使用できるコンピューティングデバイス及びモバイルコンピューティングデバイスの実施例を示す。コンピューティングデバイス400として、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、及び他の適切なコンピュータといった種々の形態のデジタルコンピュータを表すことが意図されている。コンピューティングデバイス450として、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、及び他の類似のコンピューティングデバイスといった種々の形態のモバイルデバイスを表すことが意図されている。ここに示す構成部材、それらの接続及び関係並びにそれらの機能は例示に過ぎず、この書類で説明及び/又は権利請求される発明の実施例を限定するものではない。
【0043】
コンピューティングデバイス400は、プロセッサ402、メモリ404、記憶デバイス406、メモリ404及び高速拡張ポート410に接続する高速インターフェイス408、並びに低速バス414及び記憶デバイス406に接続する低速インターフェイス412を含む。構成部材402、404、406、408、410及び412の各々は、各種バスを用いて相互接続され、共通のマザーボードに、又は他の態様で適宜実装される。プロセッサ402は、コンピューティングデバイス400内での実行のための命令を処理することができる。命令は、高速インターフェイス408に結合されたディスプレイ416などの外部入出力デバイスにGUIのグラフィカル情報を表示するための、メモリ404又は記憶デバイス406に記憶された命令を含む。他の実施例では、複数のメモリ及び複数種のメモリとともに複数のプロセッサ及び/又は複数のバスが適宜使用されてもよい。また、複数のコンピューティングデバイスは、(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ又はマルチプロセッサシステムとして)各デバイスが必要な動作の部分を与える状態で接続されていてもよい。
【0044】
メモリ404はコンピューティングデバイス400内に情報を記憶する。一実施例では、メモリ404は単数又は複数の揮発性メモリユニットである。他の実施例では、メモリ404は単数又は複数の不揮発性メモリユニットである。ある実施例では、メモリは、例えば図3に関して上述したように、揮発性メモリユニットと不揮発性メモリユニットの組合せを含む。メモリ404は、他の形態の磁気又は光学ディスクなどのコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0045】
記憶デバイス406は、コンピューティングデバイス400に大量のストレージを与えることができる。一実施例では、記憶デバイス406は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光学ディスクデバイス若しくはテープデバイス、フラッシュメモリ、又は他の類似の固体メモリデバイス、又は記憶領域ネットワーク若しくは他の構成におけるデバイスを含むデバイスのアレイなどのコンピュータ可読媒体であってもよいし、それを含んでいてもよい。コンピュータプログラム製品が情報キャリアにおいて実体的に具現化され得る。コンピュータプログラム製品はまた、実行されたときに、上述したような1以上の方法を実行する命令を含むことができる。情報キャリアは、メモリ404、記憶デバイス406、又はプロセッサ402上のメモリといったコンピュータ可読又は機械可読媒体である。
【0046】
高速コントローラ408はコンピューティングデバイス400について帯域幅集中動作を管理する一方、低速コントローラ412は低い帯域幅集中動作を管理する。このような機能の割当ては例示に過ぎない。一実施例では、高速コントローラ408は、メモリ404、(例えば、グラフィックプロセッサ又はアクセレレータを介して)ディスプレイ416、及び種々の拡張カード(不図示)を受け入れることができる高速拡張ポート410に結合される。一実施例では、低速コントローラ412は、記憶デバイス406及び低速拡張バス414に結合される。低速拡張バスは、種々の通信ポート(例えば、USB、Bluetooth、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスイーサネット)を含み得るものであり、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナなどの1以上の入出力デバイス、又はスイッチ若しくはルータなどのネットワーキングデバイスに、例えばネットワークアダプタを介して結合され得る。
【0047】
コンピューティングデバイス400は、図示するように、多数の異なる形態で実施されることができる。例えば、それは標準サーバ420として、又はそのようなサーバの何倍ものグループで実施され得る。それはラックサーバシステム424の一部として実施されることもできる。さらに、それはラップトップコンピュータ422などのパーソナルコンピュータで実施されることもできる。代替的に、コンピューティングデバイス400は、デバイス450のようなモバイルデバイスにおける他の構成部材(不図示)と組み合わされることもできる。そのようなデバイスの各々はコンピューティングデバイス400及び450の1以上を含むことができ、システム全体は相互に通信する複数のコンピューティングデバイスで構成されることができる。
【0048】
コンピューティングデバイス450は、他の構成部材の中でもとりわけ、プロセッサ452、メモリ464、ディスプレイ454などの入出力デバイス、通信インターフェイス466及び送受信機468を含む。デバイス450には、更なるストレージを与えるマイクロドライブ又は他のデバイスなどの記憶デバイスが設けられてもよい。構成部材450、452、464、454、466及び468の各々は、種々のバスを用いて相互接続され、構成部材のいくつかは共通のマザーボードに、又は他の態様で適宜実装されることができる。
【0049】
プロセッサ452は、メモリ464に記憶された命令を含む、コンピューティングデバイス450内の命令を実行することができる。プロセッサは、個別の複数のアナログ及びデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装されることができる。プロセッサは、例えば、デバイス450によって稼働されるユーザインターフェイス、アプリケーションなどのデバイス450の他の構成部材の調整、及びデバイス450による無線通信の制御に対応することができる。
【0050】
プロセッサ452は、ディスプレイ454に結合された制御インターフェイス458及び表示インターフェイス456を介してユーザと通信することができる。ディスプレイ454は、例えば、TFT LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)若しくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ又は他の適切なディスプレイ技術によるものであればよい。表示インターフェイス456は、ディスプレイ454を駆動してグラフィカル及び他の情報をユーザに提示するための適切な回路を備える。制御インターフェイス458は、ユーザからの指令を受信し、それらをプロセッサ452への投入用に変換することができる。さらに、外部インターフェイス462は、デバイス450による他のデバイスとの近距離通信を可能とするように、プロセッサ452との通信において提供される。外部インターフェイス462は、例えば、ある実施例では有線通信に、他の実施例では無線通信に対応するものであり、複数のインターフェイスが使用されてもよい。
【0051】
メモリ464は、コンピューティングデバイス450内の情報を記憶する。メモリ464は、単数若しくは複数のコンピュータ可読媒体、単数若しくは複数の揮発性メモリユニット又は単数若しくは複数の不揮発性メモリユニットの1以上として実施されることができる。拡張メモリ474が設けられ、デバイス450に拡張インターフェイス472を介して接続されることができ、それは例えばSIMM(Single In Line Memory Module)カードインターフェイスを含み得る。このような拡張メモリ474は、デバイス450に対して追加の記憶スペースを与え、アプリケーション又は他の情報をデバイス450に記憶することもできる。具体的には、拡張メモリ474は、上述した処理を実行又は補完する命令を含むことができ、安全情報を含むこともできる。したがって、例えば、拡張メモリ474は、デバイス450に対する安全モジュールとして設けられてもよく、デバイス450の安全な使用を許可する命令でプログラムされてもよい。さらに、安全アプリケーションが、ハッキングできない態様でSIMMカード上に識別情報を付加するなどして、追加情報とともにSIMMカードを介して与えられてもよい。
【0052】
メモリは、例えば、後述するフラッシュメモリ及び/又はNVRAMメモリを含むことができる。一実施例では、コンピュータプログラム製品が情報キャリアにおいて実体的に具現化される。コンピュータプログラム製品は、実行されたときに、上述したような1以上の方法を実行する命令を含む。情報キャリアは、メモリ464、拡張メモリ474、又はプロセッサ452のメモリのようなコンピュータ可読又は機械可読媒体であり、これは例えば送受信機468又は外部インターフェイス462を介して受け入れられてもよい。
【0053】
デバイス450は通信インターフェイス466を介して無線で通信することができ、それは必要な場合にはデジタル信号処理回路を含み得る。通信インターフェイス466は、とりわけ、GSM(登録商標)ボイスコール、SMS、EMS又はMMSメッセージング、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA(登録商標)、CDMA2000又はGPRSなどの各種モード又はプロトコル下で通信を行うことができる。このような通信を、例えば、無線周波送受信機468を介して行うことができる。さらに、Bluetooth、WiFi又はそのような他の受信機(不図示)を用いるなどして短距離通信を行ってもよい。さらに、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール470は、追加のナビゲーション関連及び位置関連の無線データをデバイス450に供給することができ、それはデバイス450上で稼働しているアプリケーションによって適宜使用されることができる。
【0054】
デバイス450は、音声コーデック460を用いて可聴的に通信することもでき、それはユーザからの発話された情報を受信し、それを使用可能なデジタル情報に変換することができる。音声コーデック460は同様に、スピーカを介するなどして、例えばデバイス450のハンドセットで、ユーザに対して可聴音を生成する。そのような音は、音声電話呼からの音を含み、記録された音(例えば、ボイスメッセージ、音楽ファイルなど)を含み、デバイス450上で動作するアプリケーションによって生成される音も含み得る。
【0055】
コンピューティングデバイス450は、図示するように、多数の異なる形態で実施されることができる。例えば、それは携帯電話480として実施されてもよい。また、それはスマートフォン482、パーソナルデジタルアシスタント又は他の類似のモバイルデバイスの一部として実施されてもよい。
【0056】
ここに記載されるシステム及び技術の種々の実施例は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア及び/又はこれらの組合せにおいて実現することができる。これらの種々の実施例は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能及び/又は解釈可能な1以上のコンピュータプログラムにおける実施例を含むことができ、これらは特定用途であっても汎用であってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス及び少なくとも1つの出力デバイスと、データ及び命令を送受信するように結合されることができる。
【0057】
これらの(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとしても知られる)コンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサに対する機械命令を含み、高水準手続き及び/若しくはオブジェクト指向プログラミング言語で、並びに/又はアセンブリ/機械言語で実施されることができる。本明細書に使用される用語「機械可読媒体」「コンピュータ可読媒体」とは、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに供給するのに使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置及び/又はデバイス(例えば、磁気ディスク、光学ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))のことをいい、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む。用語「機械可読信号」とは、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに供給するのに使用される任意の信号のことをいう。
【0058】
ユーザとの相互作用に対応するため、ここに記載されるシステム及び技術は、ユーザに対して情報を表示するための表示デバイス(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶表示)モニタ)及びユーザがコンピュータに対して入力を行うことができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上で実施されることができる。他の種類のデバイスも、ユーザとの相互作用に対応するために使用され得る。例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、任意の形態のセンサによるフィードバック(例えば、可視的なフィードバック、可聴的なフィードバック又は触感的なフィードバック)であればよく、ユーザからの入力は、音響的、会話による、又は触覚的な入力を含む任意の形態で受信されることができる。
【0059】
ここに記載されるシステム及び技術は、(例えば、データサーバとして)バックエンド構成部材を含むコンピューティングシステム、ミドルウェア構成部材(例えば、アプリケーションサーバ)を含むコンピューティングシステム、フロントエンド構成部材(例えば、グラフィカルユーザインターフェイスを有するクライアントコンピュータ、又はここに記載されるシステム及び技術の実施例とユーザが相互作用することができるウェブブラウザ)を含むコンピューティングシステム、又はそのようなバックエンド、ミドルウェア若しくはフロントエンド構成部材の任意の組合せにおいて実施されることができる。システムの構成部材は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続されることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)及びインターネットを含む。
【0060】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアントとサーバとは一般に相互に離れていて、通常は通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で稼働するとともに相互にクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0061】
図5は、デバイスを準備するのに使用できるシステムのブロック図である。システム500は、ディスプレイ510及び音声出力部512(例えば、スピーカ)を含み得るデバイス502を含むことができる。デバイス502は、一例として、図1に示すデバイス130であればよい。リムーバブルデバイス530がデバイス502に結合されることができる。デバイス502は、例えば、リムーバブルデバイス530が接続要素(不図示)を挿入する入力接続部520を含むことができる。入力接続部520は、例として、ディスプレイ510の裏側、ディスプレイ510の側部又はデバイス502のいずれかの箇所に配置されていればよい。図5に示す構成は、説明の便宜上のものに過ぎない。ある実施例では、リムーバブルデバイス530は、マイクロフォン532を含み得るがそれ以外に入力部のないデバイスであってもよい。そのような実施例において「入力部のない」とは、リムーバブルデバイス530が、ユーザが(又は他のデバイスが)入力をデバイス530に入れるための、マイクロフォンを超える他の入力要素を欠いていることを意味する。他の入力要素は、例示として、キーボード、キー、物理的なボタン、タッチスクリーン、トラックパッド、スクロールホイール又はセンサを含み得る。
【0062】
システム500は、少なくとも1つのモバイルデバイス540を含むこともできる。例として、モバイルデバイス540は、電話機、ラップトップ、タブレット、ハイブリッドデバイス、又は図4に関して上述した例のような他のデバイスであればよい。一実施例として、モバイルデバイス540は、図1に示すモバイルデバイス102であってもよい。モバイルデバイス540は、より詳細を図6に関して後述するように、例えば、図1に示すネットワーク120のようなネットワークを介してリムーバブルデバイス530と通信することができる。例えば、モバイルデバイスは信号550を送出及び受信することができる。
リムーバブルデバイス530のマイクロフォン532は、リムーバブルデバイス530をネットワーク550に対して準備する目的のため、例えば音波などを受信して電気信号を生成することによって、情報を収集又は生成するのに使用できる。例えば、WiFiネットワーク(ネットワーク550など)にアクセスするリムーバブルデバイス530についての実施例では、リムーバブルデバイス530は、WiFiネットワークについてのパスワードだけでなくWiFiネットワーク識別子を利用することができる。それでも(例えば、キーボードによって異なるデバイスから)それを行うにあたり、ユーザはキー、ボタンなどを用いてWiFiネットワーク識別子及びパスワードをデバイスに物理的に入力することができないため、ユーザは、ネットワーク設定にアクセスして、それ以外に入力部のないデバイスにWiFiネットワーク識別子及びパスワードを直接入力することはできない。例えば、リムーバブルデバイス530のようなデバイスは、マイクロフォン532以外にユーザからの直接の入力を受ける入力要素を有していないことがある。より詳細を図6に関して後述する一実施例では、(例えば、マイクロフォン532を介して)リムーバブルデバイス530は、亜音速又は超音波信号といった信号550を介してネットワーク識別子及びパスワードのようなデータを受信して、リムーバブルデバイス530がネットワーク(例えば、ネットワーク550)にアクセスすることを可能とすることができる。ある実施例では、リムーバブルデバイス530は、リムーバブルデバイス530が準備される必要があるときのみマイクロフォンを活性化して音声を検出することができる。例えば、リムーバブルデバイス530がネットワークに接続を試行するも接続できないとき、又はネットワークに対する接続が失敗したときのみ、リムーバブルデバイス530はマイクロフォン532をオンするようにしてもよい。このような実施例では、リムーバブルデバイス530がネットワーク550のようなネットワークに接続されるとき、リムーバブルデバイス530はマイクロフォン532をオフするか、一時的に無効化するようにしてもよい。
【0063】
ある実施例では、リムーバブルデバイス530は、リムーバブルデバイス530が接続されるテレビまたはメディアプレーヤ(例えば、デバイス502)のスピーカ(例えば、音声出力部512)を用いてチャレンジを発行することができる。そのような実施例では、リムーバブルデバイス530は、リムーバブルデバイス530のプロセッサ(不図示)を用いて、デバイス502(例えば、テレビ又は他のメディアプレーヤ)に命令を発行して、デバイス502の音声出力部512を介してチャレンジを発行することができる。モバイルデバイス540は、チャレンジに対する応答を発行してリムーバブルデバイス530に認証されることができる。ある実施例では、モバイルデバイス540は、モバイルデバイス540がリムーバブルデバイス530の所定範囲内にある場合にのみチャレンジに対する応答を発行する。他のデバイスの所定範囲内にあるモバイルデバイスの検出の例は、図1及び2に関して、より詳細に上述されている。一実施例では、リムーバブルデバイス530は、モバイルデバイス540がリムーバブルデバイス530の所定範囲内にあることを検出してからチャレンジを発行することができる。他の実施例では、リムーバブルデバイス530は周期的又は連続的にチャレンジを発行することができる。より詳細を図2に関して上述したように、モバイルデバイス540は、リムーバブルデバイス530の所定範囲(例えば、100フィート)内にあることのメッセージを含み得る通知を(例えば、位置サービスから)受信することができる。モバイルデバイス540は、通知を受信すると、リムーバブルデバイス530からのシグネチャ信号(この実施例では、チャレンジを含み得る)を、ネットワーク(例えば、ネットワーク550)において探すこと又はそれ自身のマイクロフォン544を用いてリッスンすることを自動的に開始することができる。
【0064】
モバイルデバイス540は、それ自身のマイクロフォン544を用いてチャレンジを受信し、それ自身のスピーカ542を用いて応答を発行することができる。一実施例として、モバイルデバイス540で受信されるチャレンジはチャレンジパスワードについてのリクエストであればよく、モバイルデバイス540から発行される応答は正しいチャレンジパスワードであればよい。そのような実施例では、(例えば、モバイルデバイス540からの応答として発行されたチャレンジパスワードを、リムーバブルデバイス530からのチャレンジによって要求されたチャレンジパスワードと照合することによって)モバイルデバイス540がリムーバブルデバイス530に対して認証された後にのみ、モバイルデバイス540がネットワークについてのネットワークパスワード又はネットワーク識別子をリムーバブルデバイス530に送信する。このようにして、通信に関与していない第三者が容易にネットワークについてのネットワークパスワードにアクセスし、又はそれを傍受することができなくなる。
【0065】
図6は、デバイスを準備するための処理のフローチャートである。図6に示す処理は、少なくともある程度、図5に示すようなリムーバブルデバイス530によって実行されることができる。図6に示すように、処理は、モバイルデバイスからのメッセージをリッスンすることを含むリスニングセッションを、リムーバブルデバイスのプロセッサによって開始することを含む(602)。処理は、リムーバブルデバイスのマイクロフォンを介したモバイルデバイスからのメッセージを受信することを含み(604)、メッセージはネットワークについての構成データを含む。モバイルデバイスは、図5に示すモバイルデバイス540であればよい。リムーバブルデバイスは、図5に示すリムーバブルデバイス530であればよい。処理は、モバイルデバイスからのメッセージを受信することに応じて、構成データを用いてネットワークとのアクセスセッションを開始することを含む(606)。
【0066】
種々の実施例において、リムーバブルデバイスはテレビに結合される。例えば、図5に示すように、リムーバブルデバイス530はデバイス502に結合され、それはテレビであればよい。種々の実施例において、シグネチャは、亜音速信号、例えば低周波信号で符号化される。一実施例として、亜音速信号はパルス符号変調(PCM)信号であればよい。PCMは、サンプリングされたアナログ信号をデジタルで表すのに使用される方法である。
【0067】
種々の実施例において、メッセージは構成データを含み得る。この構成データは、安全識別子、パスワード又は好適なネットワーク識別子の1以上を含み得る。例えば、安全識別子は、特定のWiFiネットワークについてのSSIDであればよい。パスワードは、WiFiネットワークについての特定のパスワードであればよい。好適なネットワーク識別子は、特定のWiFiネットワークの名前であればよい。リムーバブルデバイスは、音声チャネル上で(例えば、リムーバブルデバイスのマイクロフォン又は他の音声入力部を介して)メッセージを受信することができ、リムーバブルデバイスはそのメッセージを解釈してリムーバブルデバイスを準備することができる。
【0068】
図7は、リムーバブルデバイスとモバイルデバイスとをペア形成するための処理のフローチャートである。図7に示す処理は、少なくとも部分的に、図5に示すモバイルデバイス540又は図1に示すモバイルデバイス102のようなモバイルデバイスによって実行されることができる。図7に示すように、処理は、テレビなどのメディアプレーヤに結合されたリムーバブルデバイスからのシグネチャを含む信号をリッスンすることを含むリスニングセッションを、モバイルデバイスのプロセッサによって開始することを含むことができる(702)。リムーバブルデバイスは、図5に示すデバイス530であればよい。モバイルデバイスは、例えば図1及び2に関して上述したように、例えばモバイルデバイスがリムーバブルデバイスの所定範囲内にある場合に、シグネチャを検出することができる(704)。モバイルデバイスがシグネチャを検出した場合(704、Yes)、モバイルデバイスは、シグネチャを用いてリムーバブルデバイスとのアクセスセッションを開始することができる(706)。そうでない場合(704、No)、モバイルデバイスはシグネチャをリッスンし続けることになる。
【0069】
シグネチャは、モバイルデバイスがリムーバブルデバイスとペア形成することを可能とするアクセス情報を含む一意的なパターンである。一意的なパターンは、例えば、英数字列に対応していればよい。ペア形成は、ある実施例では、追加のユーザ入力を要することなく実行できる。ある実施例では、リムーバブルデバイスは、リムーバブルデバイスからのシグネチャをブロードキャストすることを含むブロードキャストセッションを開始することができる。シグネチャは、一実施例としてパルス符号変調信号などの亜音速シグネチャであればよい。モバイルデバイスは、シグネチャを解釈してリムーバブルデバイスとペア形成することができる。
【0070】
一実施例によると、方法は、あるデバイスのプロセッサによって、デバイスのマイクロフォンを介してモバイルデバイスからのメッセージをリッスンしてモバイルデバイスからのメッセージを受信することを含むリスニングセッションを開始することを含み、そのメッセージはネットワークについての構成データを含むものである。そして、方法は、モバイルデバイスからのメッセージの受信に応じて、構成データを用いてネットワークとのアクセスセッションを開始することを含む。ある実施例では、デバイスはメディアプレーヤに結合される。メディアプレーヤはテレビであればよい。ある実施例では、構成データはネットワークについての識別子又はネットワークについてのパスワードの少なくとも1つを含む。ネットワークは、WiFiネットワーク、Bluetoothネットワーク、音声チャネル又は近距離通信ネットワークの少なくとも1つを含んでいればよい。ある実施例では、上記開始することは、デバイスが何らかのネットワークに接続失敗した後にのみ行われる。ある実施例では、メッセージは亜音速信号において符号化される。
【0071】
この形態の他の実施例は、コンピュータ記憶デバイスに符号化された方法のアクションを実行するように構成された対応のシステム、装置及びコンピュータプログラムを含む。
【0072】
他の実施例によると、方法は、モバイルデバイスのプロセッサによって、リムーバブルデバイスからのシグネチャをリッスンすることを含むリスニングセッションを開始することを含み、リムーバブルデバイスはメディアプレーヤに結合され、シグネチャは亜音速信号において符号化される。そして、方法は、シグネチャを検出すること、及びシグネチャの検出に応じてモバイルデバイスのプロセッサによってシグネチャを用いてリムーバブルデバイスとのアクセスセッションを開始することを含む。
【0073】
ある実施例では、方法は、メディアプレーヤからのシグネチャをブロードキャストすることを含むブロードキャストセッションを開始することを含む。メディアプレーヤはテレビであればよい。方法は、リスニングセッションを開始することに先立って、モバイルデバイスがリムーバブルデバイスの所定範囲内にあることの通知を位置サービスから受信すること、及び通知の受信に応じてモバイルデバイスのマイクロフォンを活性化させることを含む。亜音速信号はパルス符号変調信号であればよい。ある実施例では、方法は、モバイルデバイスによってシグネチャを解釈することを含む。シグネチャは、モバイルデバイスがリムーバブルデバイスとペア形成することを可能とするアクセス情報を含む一意的なパターンであればよい。
【0074】
この形態の他の実施例は、コンピュータ記憶デバイスに符号化された方法のアクションを実行するように構成された対応のシステム、装置及びコンピュータプログラムを含む。
【0075】
本明細書に記載される事項の実施例のうちの1以上は、以下の有利な効果のうちの1以上を与えることができる。開示される方法及びシステムによって、特別なハードウェアを要することなく、モバイルデバイスとメディアプレーヤデバイスとの間の検出及び相互作用が可能となる。例えば、ユーザが家の中のある部屋から他の部屋へと歩くと、ペア形成又はペア解消のためのユーザ入力を要することなく、そのユーザの電話機は最も近いテレビと自動的にペア形成及びペア解消することができる。更なる有利な効果は、メディアプレーヤデバイスが近くにあるもののモバイルデバイスが接続されていないネットワーク上にある場合に、メディアプレーヤがローミング中のモバイルデバイスを突き止める増強された能力を含む。
【0076】
多数の実施形態を説明した。それでもなお、発明の精神と範囲から離れることなく種々の変形がなされ得ることがわかる。
【0077】
さらに、図面に示したロジックフローは、所望の結果を達成するのに、図示した特定の順序、又は逐次的な順序を要件とするものではない。さらに、他のステップが設けられてもよいし、又は記載されたフローからステップが削除されてもよい。そして、記載されたシステムに他の構成部材が加えられてもよいし、又は除去されてもよい。したがって、他の実施形態が以降の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7