(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パラメータ演算部は、前記画像の変化によって、前記他装置へ送信する画像データの情報量が第1の閾値以上となる場合に、前記符号化パラメータを変更することによって、前記他装置へ送信する画像を低品質へ変更する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
<通信システム>
本実施形態に係る通信システムは複数の端末装置を備え、該複数の端末装置のうち一の端末装置は、1又は複数の他の端末装置へ、端末装置の画面に表示されている画像を表す情報をリアルタイムで送信する。これによって、端末装置は、1又は複数の他の端末装置との間で、端末装置の画面に表示されている画像を共有する。
画面に表示されている画像に限らず、複数の端末装置間で動画等をリアルタイムで共有するようにしてもよい。
【0016】
図1は、本実施形態に係る通信システムを示す。本実施形態に係る通信システム10は、端末装置100aと、端末装置100bと、基地局50aと、基地局50bと、シグナリングサーバ300と、認証サーバ400と、プッシュサーバ500とを備えている。基地局50aと、基地局50bと、シグナリングサーバ300と、認証サーバ400と、プッシュサーバ500とは、インターネット等の通信網20を介して接続される。端末装置100aは基地局50aを経由して通信網20と接続され、端末装置100bは基地局50bを経由して通信網20と接続される。
本実施形態に係る通信システム10は、端末装置100aを使用して、通信相手の端末装置100bとの間で端末装置100aの画面に表示されている画像等をリアルタイムで共有する。
【0017】
本実施形態に係る通信システム10では、一例として、端末装置100aの画面に表示されている画像をリアルタイムで端末装置100bと共有する場合について説明する。しかし、端末装置とサーバとの間で、該端末装置又は該サーバの画面に表示されている画像をリアルタイムで共有する場合についても適用できる。
【0018】
以下、端末装置100aと、端末装置100bとを区別しない場合には端末装置100と記載する。また、基地局50aと、基地局50bとを区別しない場合には基地局50と記載する。端末装置100は、音声や文字によって他の装置との間で相互に通信が可能な通信装置であり、端末装置100の一例は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等である。端末装置100は、音声情報と、画像情報とを同一の回線で送受信できる高速データ通信回線に接続できる。
【0019】
ここで、高速データ通信回線の一例は、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution :LTE)にしたがって構築された通信網である。この高速データ通信回線は、画像や文字等のデジタル情報の送受信に加えて、デジタル化された音声を送受信することによって音声通話を可能にする。デジタル化された音声をLTEの通信網を使用したデータ通信で送受信する方式は、ボイスオーバーロングタームエボリューション(Voice over Long Term Evolution :VoLTE)と呼ばれる。VoLTEを使用することによって、音声とデータ通信を同時にやり取りでき、通話しながらアプリで通信することができる。
なお、本実施形態に係る端末装置100が接続する通信回線は、LTEにしたがって構築された通信網に限られず適用できる。
【0020】
本実施形態に係る通信システム10では、端末装置100aは、端末装置100bとの間で画像情報、音声情報等の情報を双方向に送受信する。例えば、送信側の端末装置100aは、受信側の端末装置100bへ、画像データを送信する。受信側の端末装置100bは、端末装置100aによって送信された画像データを画像処理することによって、端末装置100aの画面に表示されている画像を表示する。
【0021】
基地局50は、端末装置100との間で無線通信を行うとともに、通信網20の末端となり、複数の端末装置間の通信を交換機との間で中継する。
シグナリングサーバ300は、端末装置100aと端末装置100bとの間のセッションを管理する。
認証サーバ400は、端末装置100を識別する情報と、インターネットプロトコルアドレス(IPアドレス)とを紐付けて記憶している。端末装置100を識別する情報の一例は、端末装置100の電話番号である。
【0022】
認証サーバ400は、シグナリングサーバ300から、端末装置100を識別する情報に対応するIPアドレスの要求があった場合に、該端末装置100を識別する情報に紐付けられたIPアドレスを、シグナリングサーバ300へ通知する。
【0023】
プッシュサーバ500は、プッシュIDを発行し、発行したプッシュIDを記憶する。プッシュIDとは、端末装置100上で動作し、且つ画像を共有する機能に対応したアプリケーションを識別する情報である。このプッシュサーバ500に記憶されるプッシュIDと、端末装置100上で動作するアプリケーションとは、シグナリングサーバ300によって紐付けられて管理されている。具体的には、端末装置100において、新たなアプリケーションがダウンロードされ、初めて起動されると、端末装置100は、プッシュサーバ500へプッシュIDの発行の要求を行う。
【0024】
プッシュサーバ500は、プッシュIDの発行の要求に応じて、端末装置100によって起動された新たなアプリケーションに対するプッシュIDを発行する。そして、プッシュサーバ500は、発行したプッシュIDを端末装置100に送信する。端末装置100は、シグナリングサーバ300へ、新たなアプリケーションを表す情報と、発行されたプッシュIDとを送信する。シグナリングサーバ300は、プッシュサーバ500によって送信された新たなアプリケーションを表す情報と、発行されたプッシュIDとを紐付けて記憶する。このように構成することによって、プッシュサーバ500に記憶されるプッシュIDと、端末装置100上で動作するアプリケーションとが、シグナリングサーバ300によって紐付けられる。
【0025】
<画像を共有するサービス>
図2は、本実施形態に係る通信システムによって提供されるサービスの一例を示す模式図である。
図2に示される例では、端末装置100aのユーザは、該端末装置100aの画面に表示されている地図等の画像に、手書きで目的地を示す矢印を書き込む。矢印を書き込む操作によって、端末装置100aは、地図と矢印とが合成された画像P10を生成し、該画像P10の画像を表す情報を端末装置100bに送信する。端末装置100bは、端末装置100aによって送信された画像を表す情報を画像処理することによって該端末装置100bの画面に、画像P10に対応する画像P11を表示する。このように構成することによって、端末装置100aの画面に表示されている画像を、端末装置100bとの間で連動させて表示することができる。
【0026】
なお、端末装置100aが動画を撮像できるカメラを備えている場合には、該カメラによって撮像された動画を表す情報を、端末装置100bへ送信するようにしてもよい。
また、動画を提供するサーバによって動画像を表す情報が送信され、該動画像を表す情報を端末装置100aが受信し、端末装置100aは該動画像を表す情報を端末装置100bへ送信するようにしてもよい。これによって、端末装置100aと、端末装置100bとの間で、動画像をリアルタイムで共有することができる。
【0027】
なお、端末装置100aは、カメラで撮像された動画像等のコンテンツを表す情報をリアルタイムに生成してもよいし、予め用意されている動画像の解像度やフレームレートを変更することによって新たに動画像等のコンテンツを表す情報を生成してもよい。また、端末装置100aは、端末装置間において送受信される動画像の情報量を変更することによって新たに動画像等のコンテンツを表す情報を生成してもよい。
【0028】
<端末装置の構成>
図3は、本実施形態に係る端末装置の一例を示す模式図である。端末装置100は、表示部110と、操作検出部120と、撮像部130と、音再生部140と、収音部150と、通信部160と、制御部170とを備えている。
【0029】
表示部110は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等によって構成され、文字や写真等の画像を表示する。
操作検出部120は、表示部110を覆う透明なタッチパネルセンサを備えており、ユーザの操作を検出する。
撮像部130は、静止画及び動画を撮像可能なカメラを備えている。このカメラは、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子とレンズ等の光学部材とを備えており、端末装置100の周囲の画像を撮像する。
【0030】
音再生部140は、スピーカを備えており、入力される音情報を処理することによって音を再生する。
収音部150は、マイクを備えており、端末装置100の周囲の音を収音して、収音した音を音情報に変換する。通信システム10は、端末装置100間で動画像に加え、収音部150によって収音された音を共有することもできる。
【0031】
通信部160は、通信制御用IC(Integrated Circuit)を備え、他の装置との間で通信を行う。端末装置100は、この通信部160による通信動作によって、他の装置と通信を行う。
【0032】
制御部170は、CPU(Central Processing Unit)を備え、端末装置100が備える各部を制御する。端末装置100は、制御部170が各部を制御することによって、表示部110への表示、操作検出部120による操作の検出、通信部160による他の装置との通信等の動作を行う。
【0033】
<端末装置間で画像を共有する操作の概要>
図4は、端末装置間で画像を共有する場合にユーザによって行われる操作について説明する。ここでは、一例として、ユーザA(Aさん)が端末装置100aを使用して、該端末装置100aに表示されている画像を、ユーザB(Bさん)が使用する端末装置100bとの間で共有する場合について説明する。
【0034】
ユーザAと、ユーザBとが、
図4(A)から
図4(E)に示される操作を順に行うことによって、端末装置100aに表示されている画像が端末装置100bとの間で共有される。
ユーザAが使用する端末装置100aと、ユーザBが使用する端末装置100bとは、LTE通信網を経由した音声通話を行っている。ユーザAが使用する端末装置100aと、ユーザBが使用する端末装置100bとが、LTE通信網を経由した音声通話を行っている場合に、端末装置100a及び端末装置100bに表示される画像の一例を、
図4(A)に示す。
【0035】
図4(A)において、ユーザAの端末装置100aの表示部110、及びユーザBの端末装置100bの表示部110には、いずれも画像PMBが表示されている。画像PMBは、通信の相手側の端末装置100が、画像を共有する機能に対応していることを示す。つまり、端末装置100が画像を共有する機能に対応し、且つ画像を共有するアプリケーションを起動している場合に端末装置100の表示部110に画像PMBが表示される。
図4(A)に示される例では、画像PMBの表示は、端末装置100aと、端末装置100bとが、いずれも画像を共有する機能に対応し、且つ画像を共有するアプリケーションを起動していることを示す。
【0036】
ユーザAは、端末装置100aの表示部110に表示されている共有メニューボタンの画像PMBをタップ操作する。このタップ操作を端末装置100aの操作検出部120が検出すると、ランチャー画像P20が表示される(
図4(B)を参照)。このランチャー画像P20はメニュー画像の一例であり、ランチャー画像P20には画像を共有する機能を表すアイコン画像P21が含まれている。アイコン画像P21が表示されている表示部110上の位置を、ユーザがタップ操作することにより、アイコン画像P21に対応づけられた画像を共有する機能が起動する。
【0037】
アイコン画像P21へのタップ操作を端末装置100aの操作検出部120が検出すると、画像を共有する機能を説明する画像P22が表示される(
図4(C)を参照)。また、アイコン画像P21へのタップ操作を端末装置100aの操作検出部120が検出すると、画像を共有する相手となる端末装置100bの表示部110に端末装置100aの画面に表示されている画像を共有する機能を開始する承諾を求める画像P23が表示される。
端末装置100aの画面に表示されている画像を共有する承諾を求める画像P23が端末装置100bの画面に表示されることによって、端末装置100bのユーザに、画像を共有することを承諾するか否かの回答を促すことができる。
図4(C)の下段に示される例では、承諾を求める画像P23は、ユーザAが使用する端末装置100aの画面に表示されている画像を共有することを承諾するか拒否するかの回答を促す画像である。
【0038】
ここでは、ユーザBが画像を共有することを承諾するタップ操作を行った場合について説明を続ける。つまり、ユーザBは、承諾を求める画像P23の承諾ボタンの画像P24をタップ操作する。承諾ボタンの画像P24のタップ操作を端末装置100bの操作検出部120が検出すると、端末装置100b及び端末装置100aの各表示部110に、接続中を示す画像P25が表示される(
図4(D)を参照)。接続中を示す画像P25が表示されている間に、端末装置100aと端末装置100bとの間で、セッションが構築される。ユーザBが画像を共有することを拒否する操作を行った場合には、端末装置100aの画面に表示されている画像が端末装置100bに送信されず、画面を共有する処理が終了する。
【0039】
次に、端末装置100aと端末装置100bとの間において、セッションが確立すると、端末装置100aの表示部110に表示されている画像P26と同様の画像が、端末装置100bの表示部110に表示される(
図4(E)を参照)。すなわち、端末装置100aと端末装置100bとの間において、端末装置100aの画面に表示されている画像が共有される。
【0040】
<端末装置の構成>
次に、上述した画像を共有する機能を提供する通信システム10の構成について、
図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る端末装置100のハードウェア構成の一例を示す。
図5に示される端末装置100のハードウェア構成においては、
図3に示される端末装置の各部と共通する部分についても重複して示される。
【0041】
端末装置100は、CPU202と、メモリ204と、不揮発性メモリ206と、画像処理部208と、ディスプレイ210と、操作部212と、記録媒体I/F214と、通信I/F216と、内部バス218とを備えている。
CPU202は、上述した制御部170を構成する。CPU202は、例えば不揮発性メモリ206に格納されるプログラムを実行し、メモリ204をワークメモリとして使用して、端末装置100の各部を制御する。
メモリ204は、半導体素子を利用した揮発性のメモリ等のRAMによって構成され、CPU202のワークメモリとして使用される。
不揮発性メモリ206は、例えばハードディスク(HD)やROM等によって構成される。不揮発性メモリ206には、CPU202によって実行されるプログラム2062が格納される。
【0042】
画像処理部208は、CPU202の制御によって、不揮発性メモリ206や記録媒体220に格納された画像データや、通信I/F216を介して取得した画像を表す情報等に各種画像処理を行う。画像処理部208が行う画像処理には、A/D変換処理、D/A変換処理、画像データの符号化処理、圧縮処理、デコード処理、拡大処理又は縮小処理(リサイズ)、ノイズ低減処理、色変換処理等が含まれる。
画像処理部208は、特定の画像処理を行う専用の回路モジュールによって構成されてもよい。また、画像処理の種別によっては画像処理部208の代わりにCPU202がプログラムを実行することによって画像処理を行うようにしてもよい。
【0043】
ディスプレイ210は、上述した表示部110を構成する。ディスプレイ210は、CPU202によって制御され、画像、GUI(Graphical User Interface)等を表示する。CPU202は、プログラムを実行することによって制御信号や、ディスプレイ210に表示する画像を表す映像信号を生成し、ディスプレイ210に出力する。
【0044】
ディスプレイ210は、CPU202によって出力された映像信号を処理することによって、映像を表示する。なお、端末装置100が映像信号を出力するインターフェースを備え、該インターフェースにディスプレイ210を接続するようにしてもよい。このように構成することによって、端末装置100に外付けのモニターを接続し、該モニターに画像を表示させることができる。
【0045】
操作部212は、上述した操作検出部120を構成する。操作部212は、ユーザの操作を受け付ける入力デバイスであり、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等を含む。
本実施形態では、一例として、操作部212がタッチパネルを構成する場合について説明を続ける。タッチパネルは、ディスプレイ210に重ね合わせて平面的に構成される。
【0046】
タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。タッチパネルは、接触された位置に応じた座標を表す情報をCPU202へ出力する。なお、操作部212にタッチパネルが含まれる場合、CPU202はタッチパネルに対して行われた操作、あるいはタッチパネルの状態を検出する。
【0047】
CPU202は、タッチパネルに触れていなかった指やペンが新たにタッチパネルに触れたことを検出する。つまり、CPU202は、タッチパネルに対してタッチが開始されたこと(以下、タッチダウン(Touch−Down)という)を検出する。
CPU202は、タッチパネルを指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオン(Touch−On)という)を検出する。
CPU202は、タッチパネルを指やペンで触れたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch−Move)という)を検出する。
CPU202は、タッチパネルへ触れていた指やペンを離したこと、すなわち、タッチが終了したこと(以下、タッチアップ(Touch−Up)という)を検出する。
CPU202は、タッチパネルに何も触れていない状態(以下、タッチオフ(Touch−Off)という)を検出する。
【0048】
CPU202は、タッチダウンを検出すると同時にタッチオンであることも検出する。CPU202は、タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオン状態を検出し続ける。CPU202は、タッチオンが検出されている状態で、タッチムーブを検出する。CPU202は、タッチオンを検出していても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブを検出しない。CPU202は、タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことを検出した後は、タッチオフを検出する。
【0049】
タッチパネルに対して行われた操作、あるいはタッチパネルの状態を表す情報は、内部バス218を通じてCPU202へ通知される。また、タッチパネルへ指やペンが触れている位置の座標を表す情報は内部バス218を通じてCPU202へ通知される。CPU202は、タッチパネルによって通知された情報に基づいて、タッチパネルに対して行われた操作を判定する。CPU202は、タッチムーブを検出する際に、タッチパネル上で移動する指やペンの触れている位置の座標の変化に基づいて、タッチパネル上の垂直成分、水平成分毎に判定する。
【0050】
また、CPU202は、タッチパネル上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップが行われたとき、ストロークが描かれたと判定する。ここで、CPU202は、素早くストロークを描く操作が行われたとき、フリック又はスワイプが行われたと判定する。フリックは、タッチパネル上に指を触れたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離す操作であり、換言すればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。スワイプは、タッチパネル上に指を触れたまま一定の方向へある程度の距離だけ動かして、そのまま離す操作であり、換言すればタッチパネル上を指で掃くようになぞる操作である。CPU202は、所定の距離以上の距離を、所定の速度以上の速度でタッチムーブしたことを検出し、そのままタッチアップを検出した場合にフリックが行なわれたと判定する。また、CPU202は、所定の距離以上の距離を、所定の速度未満の速度でタッチムーブしたことが検出された場合にドラッグが行なわれたと判定する。
【0051】
また、CPU202は、タッチパネル上を2本の指でそれぞれの内側になぞるように動かす操作、換言すれば画面をつまみ、なぞるような操作が行われたとき、ピンチインが行われたと判定する。ピンチインは、主に画像の縮小を行う操作である。
また、CPU202は、タッチパネル上を2本の指でそれぞれの外側になぞるように動かす操作、換言すれば画面を広げるような操作が行われたとき、ピンチアウトが行われたと判定する。ピンチアウトは、主に画像の拡大を行う操作である。
【0052】
記録媒体I/F214は、メモリカード、CD、DVD等の記録媒体220が装着可能であり、CPU202の制御によって、記録媒体I/F214に装着された記録媒体220からのデータの読み出しや、該記録媒体220へのデータの書き込みを行う。
通信I/F216は、上述した通信部160によって構成される。通信I/F216は、外部機器や、インターネット等の通信網20に接続された基地局50等と通信して、ファイルやコマンド等の各種データの送受信を行うためのインターフェースである。
【0053】
内部バス218は、CPU202、メモリ204、不揮発性メモリ206、画像処理部208、ディスプレイ210、操作部212、記録媒体I/F214、通信I/F216を互いに接続する。内部バス218に接続される各部は、内部バス218を介して互いにデータのやりとりを行うことができるようにされている。
【0054】
<シグナリングサーバの構成>
図6は、本実施形態に係るシグナリングサーバ300のハードウェア構成の一例を示す。シグナリングサーバ300は、CPU302と、メモリ304と、不揮発性メモリ306と、通信I/F316と、内部バス318とを備えている。
【0055】
CPU202は、例えば不揮発性メモリ306に格納されるプログラムを実行し、メモリ304をワークメモリとして使用して、シグナリングサーバ300の各部を制御する。
メモリ304は、半導体素子を利用した揮発性のメモリ等のRAMによって構成される。メモリ304は、CPU202のワークメモリとして使用される。
不揮発性メモリ306は、例えばハードディスク(HD)やROM等によって構成され、CPU302によって実行されるプログラムが格納される。
【0056】
通信I/F316は、外部機器と通信して、ファイルやコマンド等の各種データの送受信を行うためのインターフェースである。
内部バス318は、CPU302、メモリ304、不揮発性メモリ306、通信I/F316を互いに接続する。内部バス318に接続される各部は、内部バス318を介して互いにデータのやりとりを行うことができるようにされている。
【0057】
認証サーバ400、及びプッシュサーバ500のハードウェア構成は、
図6を適用できる。ただし、認証サーバ400の不揮発性メモリ306には認証サーバ400のCPU302によって実行されるプログラムが格納され、プッシュサーバ500の不揮発性メモリ306にはプッシュサーバ500のCPU302によって実行されるプログラムが格納される。
【0058】
<本実施形態に係る通信システムの機能構成>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。
図7は、本実施形態の通信システム10を構成する端末装置100a、端末装置100b、シグナリングサーバ300、認証サーバ400、及びプッシュサーバ500の機能ブロック図である。
図7では、端末装置100a、端末装置100b、シグナリングサーバ300、認証サーバ400、及びプッシュサーバ500が、通信網20を介してデータ通信することができるように接続されている。また、
図1に示されている基地局50a、及び基地局50bは、
図7では省略されている。
【0059】
<端末装置の機能構成>
端末装置100aは、送受信部252a、操作検出部254a、パラメータ演算部256a、通信制御部258a、画像変換量検出部259a、画像共有処理部260a、表示制御部262a、記憶部264a、及び上記各構成要素を
図7に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン268aを有している。これらの各部は、
図5に示されている各構成要素のいずれかが、不揮発性メモリ206からメモリ204上に展開されたプログラム2062を実行するCPU202からの命令によって動作することで実現される機能である。
【0060】
<端末装置の各機能構成>
図5及び
図7を用いて、端末装置100aの各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、端末装置100aの各機能構成を説明するにあたって、
図5に示されている各構成要素のうち、端末装置100aの各機能構成を実現させるための主な機能要素との関係も説明する。
【0061】
図7に示されている端末装置100aの送受信部252aは、CPU202からの命令、及び通信I/F216よって実現される。送受信部252aは、基地局50a、及び通信網20を介して、端末装置100b、シグナリングサーバ300、認証サーバ400又はプッシュサーバ500等の他の装置との間で各種データの送受信を行う。
【0062】
操作検出部254aは、CPU202からの命令、及び操作部212によって実現される。操作検出部254aは、利用者による各種入力を検出する。操作検出部254aは、端末装置100aと端末装置100bとの間で、画像を共有する処理が開始された後に、端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす端末装置100aに対する操作を検出する。具体的には、操作検出部254aは、タッチパネルに対して行われた操作のうち、スクロール、フリック(ページめくり)、スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト等の端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作を検出する。また、操作検出部254aは、カメラパン等の端末装置100aの動作を検出する。操作検出部254aは、検出した操作や動作を表す情報をパラメータ演算部256aへ入力する。
画像変換量検出部259aは、CPU202からの命令によって実現される。画像変換量検出部259aは、端末装置100aに表示される画像の変換量を検出する。画像変換量検出部259aは、画像の変換量を表す情報をパラメータ演算部256aへ出力する。
【0063】
パラメータ演算部256aは、CPU202からの命令によって実現される。パラメータ演算部256aは、操作検出部254aによって検出された端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作や動作に基づいて、画像を表す情報に適用する符号化パラメータを演算する。パラメータ演算部256aは、通信制御部258aへ演算した符号化パラメータを出力する。例えば、劣化を引き起こす操作や動作毎に所定の演算処理が紐付けられており、パラメータ演算部256aは、操作検出部254aによって検出された端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作や動作に紐付けられた演算処理を行うことによって、画像を表す情報に適用する符号化パラメータを演算する。
また、パラメータ演算部256aは、画像変換量検出部259aによって供給される端末装置100aに表示される画像の変換量が閾値以上である場合に、操作検出部254aによって検出された端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作や動作に紐付けられた演算処理を行うことによって、画像を表す情報に適用する符号化パラメータを演算するようにしてもよい。
【0064】
該画像を表す情報に適用する符号化パラメータには、端末装置100bへ送信する画像を表す情報が再生されることによって得られる画像の品質を示すパラメータが含まれる。具体的には、符号化パラメータには、画像のフレームレート、ビットレート、解像度、量子化パラメータ、遅延(バッファサイズ)等が含まれる。画像の品質を示すパラメータは、高品質方向及び低品質方向に変更可能である。ここで、画像の品質を示すパラメータを高品質方向に変更することには、例えば、画像のフレームレート、ビットレート、又は解像度を上昇させることや、量子化パラメータ又は遅延を小さくすることが含まれる。また、画像の品質を示すパラメータを低品質方向に変更することには、例えば、画像のフレームレート、ビットレート、又は解像度を低減させることや、量子化パラメータ又は遅延を大きくすることが含まれる。
パラメータ演算部256aは、低品質方向へ変更した後、所定の時間内に操作検出部254aによって端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作が検出されない場合には、該端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作や動作に基づいて符号化パラメータを決定することから通信状況に基づいて符号化パラメータを決定するように変更してもよい。この場合、パラメータ演算部256aは、通信状況に基づいて決定した符号化パラメータを通信制御部258aへ出力する。ここで、所定の時間は、端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作毎に予め設定されていてもよい。
【0065】
通信制御部258aは、CPU202からの命令によって実現される。通信制御部258aは、情報を送受信する制御を行う。例えば、通信制御部258aは、パラメータ演算部256aによって供給された符号化パラメータを端末装置100bへ送信する制御を行ったり、端末装置100bへ送信する画像に該符号化パラメータを適用して符号化したりして、送受信部252へ出力する。
【0066】
画像共有処理部260aは、CPU202からの命令によって実現される。画像共有処理部260aは、端末装置100bとの間で、端末装置100aのディスプレイ210に表示されている画像を共有する処理を行う。例えば、画像共有処理部260aは、ディスプレイ210に表示されている動画又は画像を表す情報を生成し、通信制御部258へ出力する。
表示制御部262aは、CPU202からの命令、及びディスプレイ210によって実現される。表示制御部262aは、ディスプレイ210に画像等を表示する制御を行う。
記憶部264aには、端末装置100aを識別する情報等が記憶される。さらに、記憶部264aには、端末装置100bへ送信する画像を表す情報が一時的に記憶される。
【0067】
端末装置100bは、送受信部252b、操作検出部254b、パラメータ演算部256b、通信制御部258b、画像変換量検出部259b、画像共有処理部260b、表示制御部262b、記憶部264b、及び上記各構成要素を
図7に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン268bを有している。これらの各部は、
図5に示されている各構成要素のいずれかが、不揮発性メモリ206からメモリ204上に展開されたプログラム2062を実行するCPU202からの命令によって動作することで実現される機能である。
【0068】
送受信部252b、操作検出部254b、パラメータ演算部256b、通信制御部258b、画像変換量検出部259b、画像共有処理部260b、表示制御部262b、及び記憶部264bは、上述した送受信部252a、操作検出部254a、パラメータ演算部256a、通信制御部258a、画像変換量検出部259a、画像共有処理部260a、表示制御部262a、及び記憶部264aを適用できる。
【0069】
<シグナリングサーバの機能構成>
シグナリングサーバ300は、送受信部352、判定部354、セッション処理部356、記憶部358、制御部360、及び上記各構成要素を
図7に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン362を有している。これらの各部は、
図6に示されている各構成要素のいずれかが、シグナリングサーバ300において、不揮発性メモリ306からメモリ304上に展開されたプログラム3062を実行するCPU302からの命令によって動作することで実現される機能である。
【0070】
<シグナリングサーバの各機能構成>
図6及び
図7を用いて、シグナリングサーバ300の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、シグナリングサーバ300の各機能構成を説明するにあたって、
図6に示されている各構成要素のうち、シグナリングサーバ300の各機能構成を実現させるための主な機能要素との関係も説明する。
【0071】
図7に示されているシグナリングサーバ300の送受信部352は、CPU302からの命令、及び通信I/F316よって実現される。送受信部352は、通信網20を介して、端末装置100a、端末装置100b、認証サーバ400又はプッシュサーバ500等の他の装置との間で各種データの送受信を行う。
【0072】
判定部354は、CPU302からの命令によって実現される。判定部354は、端末装置100aにおいて動作するアプリケーションと、端末装置100bにおいて動作するアプリケーションとの適合性を判定する。判定部354は、端末装置100aにおいて動作するアプリケーションが送信する判定要求に応じて、判定結果を端末装置100aに送信する。また、判定部354は、セッション処理部356によってセッションの構築が開始されるときに、端末装置100a及び端末装置100bがセキュアであるか否かを判定することによって、正規の装置であるか否かを判定する。
【0073】
例えば、判定部354は、送受信部352が端末装置100によって送信される該端末装置100を識別する情報、及び端末装置100のIPアドレスを受信すると、認証サーバ400へ該端末装置100を認証することを要求する。判定部354は、送受信部352から認証サーバ400へ端末装置100を識別する情報を送信する。判定部354は、認証サーバ400から認証が成功したことが通知されると該端末装置100はセキュアであると判定し、認証が失敗したことが通知されると該端末装置100はセキュアでないと判定する。
【0074】
判定部354は、端末装置100a及び端末装置100bがセキュアであると判定されることによって正規の装置であると判定された場合には、端末装置100aに対して高速通信回線を経由して端末装置100aと端末装置100bとの間で通信を行うことを許可する情報(以下、トークンという)を発行する。トークンには、有効期限が設定されている。判定部354は、セッション処理部356によってセッションが確立された後には、所定の頻度で端末装置100a及び端末装置100bがセキュアであるか否かを判定する。
【0075】
セッション処理部356は、CPU302からの命令、及び通信I/F316によって実現される。セッション処理部356は、端末装置100aにおいて動作するアプリケーションによって送信される通信開始の要求に応じて、端末装置100aにおいて実行されているアプリケーションと、端末装置100bにおいて実行されているアプリケーションとの間のセッションを構築する。例えば、セッション処理部356は、端末装置100aによって端末装置100bとの間で画像を共有する要求があった場合に、端末装置100bとの間の通信のセッションを構築するためのシグナリング処理を行う。
【0076】
セッション処理部356は、端末装置100aと端末装置100bとの間でセッションが確立し、判定部354によって発行されたトークンを使用して画像を共有する処理を行う。セッション処理部356は、端末装置100aと端末装置100bとの間でセッションを確立した後に、判定部354によって端末装置100a及び端末装置100bがセキュアであると判定された場合にはセッションを維持し、セキュアでないと判定した場合又はトークンの有効期限が経過している場合にはセッションを終了する。
【0077】
制御部360は、CPU302からの命令によって実現される。制御部360は、端末装置100によって新たなアプリケーションがダウンロードされ、且つ初めて起動された場合に、該端末装置100によって送信される該新たなアプリケーションのプッシュIDと、該新たなアプリケーションを識別する情報とを紐付けて、記憶部358に格納する。
記憶部358には、端末装置100を識別する情報と、アプリケーションを識別する情報と、該アプリケーションを識別する情報のプッシュIDとを紐付けて格納する。
【0078】
<認証サーバの機能構成>
認証サーバ400は、送受信部452、認証処理部454、記憶部456、及び上記各構成要素を
図7に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン458を有している。これらの各部は、
図6に示されている各構成要素のいずれかが、認証サーバ400において、不揮発性メモリ306からメモリ304上に展開されたプログラム3062を実行するCPU302からの命令によって動作することで実現される機能である。
【0079】
<認証サーバの各機能構成>
図6及び
図7を用いて、認証サーバ400の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、認証サーバ400の各機能構成を説明するにあたって、
図6に示されている各構成要素のうち、認証サーバ400の各機能構成を実現させるための主な機能要素との関係も説明する。
【0080】
図7に示されている認証サーバ400の送受信部452は、CPU302からの命令、及び通信I/F316よって実現される。送受信部452は、通信網20を介して、端末装置100a、端末装置100b、シグナリングサーバ300又はプッシュサーバ500等の他の装置との間で各種データの送受信を行う。
【0081】
認証処理部454は、端末装置100を認証する。認証処理部454は、シグナリングサーバ300によって供給される端末装置100を識別する情報が記憶部456に格納されている場合には、該端末装置100を正規の装置であると判定し、格納されていない場合には該端末装置100を正規の装置でないと判定する。認証処理部454は、正規の装置であると判定した場合には認証が成功したことをシグナリングサーバ300へ通知し、正規の装置でないと判定した場合には認証が失敗したことをシグナリングサーバ300へ通知する。
【0082】
また、認証処理部454は、シグナリングサーバ300によって端末装置100を識別する情報に対応するIPアドレスが要求された場合に、端末装置100を識別する情報に紐づけられたIPアドレスを、シグナリングサーバ300に通知する。
記憶部456は、端末装置100を識別する情報と、該端末装置100に割り当てられるIPアドレスとを紐付けて格納する。
【0083】
<プッシュサーバの機能構成>
プッシュサーバ500は、送受信部552、プッシュ処理部554、記憶部556、及び上記各構成要素を
図7に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン558を有している。これらの各部は、
図6に示されている各構成要素のいずれかが、プッシュサーバ500において、不揮発性メモリ306からメモリ304上に展開されたプログラム3062を実行するCPU302からの命令によって動作することで実現される機能である。
【0084】
<プッシュサーバの各機能構成>
図6及び
図7を用いて、プッシュサーバ500の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、プッシュサーバ500の各機能構成を説明するにあたって、
図6に示されている各構成要素のうち、プッシュサーバ500の各機能構成を実現させるための主な機能要素との関係も説明する。
【0085】
図7に示されているプッシュサーバ500の送受信部552は、プッシュサーバ500のCPU302からの命令、及び通信I/F316よって実現される。送受信部552は、通信網20を介して、端末装置100a、端末装置100b、シグナリングサーバ300又は認証サーバ400等の他の装置との間で各種データの送受信を行う。
【0086】
プッシュ処理部554は、端末装置100によって新たなアプリケーションがダウンロードされ、初めて起動された場合に、該端末装置100によって要求された該新たなアプリケーションのプッシュIDの発行を行い、該プッシュIDを送受信部552から端末装置100に送信する。
また、プッシュ処理部554は、端末装置100においてアプリケーションがバージョンアップされた場合に、該端末装置100によって要求された該バージョンアップされたアプリケーションのプッシュIDの発行を行うことによって更新し、該更新したプッシュIDを送受信部552から端末装置100に送信する。また、プッシュ処理部554は、発行したプッシュIDを記憶部556に格納する。
【0087】
また、プッシュ処理部554は、画像を共有することを要求された端末装置100bにシグナリングサーバ300がセッションの構築を開始する要求を行う際に、画像を共有することを要求した端末装置100aを識別する情報をプッシュ技術により送受信部552から端末装置100bへ送信する。ここで、プッシュ技術とは、シグナリングサーバ300、プッシュサーバ500等のサーバ装置側から端末装置100へIPアドレスを用いて、通信リクエストを配信する技術をいう。
記憶部556は、複数のプッシュIDを記憶する。プッシュIDとは、端末装置100上で動作し、且つ他の端末装置との間で画像を共有する機能を有するアプリケーションを識別する情報である。
【0088】
<本実施形態に係る通信システムの動作>
図8、及び
図9は、本実施形態に係る通信システムの動作の一例を示す。以下、初期設定、本人認証、セッション構築、画像を共有する動作の順に説明する。
【0089】
<初期設定>
ステップS2−1では、プッシュサーバ500の送受信部552によって端末装置100aのアプリケーションが送信するプッシュIDの発行の要求が受信されると、プッシュサーバ500のプッシュ処理部554は端末装置100aによって起動されたアプリケーションに対応するプッシュIDを発行する。そして、プッシュ処理部554は、該プッシュIDを記憶部556へ格納するとともに、送受信部552から端末装置100aへ送信する。
【0090】
ステップS2−2では、プッシュサーバ500の送受信部552によって端末装置100bのアプリケーションが送信するプッシュIDの発行の要求が受信されると、プッシュサーバ500のプッシュ処理部554は端末装置100bによって起動されたアプリケーションに対応するプッシュIDを発行する。そして、プッシュ処理部554は、該プッシュIDを記憶部556へ格納するとともに、送受信部552から端末装置100bへ送信する。
【0091】
ステップS4−1では、端末装置100aの通信制御部258aは、アプリケーションを表す情報と、該アプリケーションのプッシュIDとを含むレジストレーション情報を、シグナリングサーバ300へ送信する。
【0092】
ステップS4−2では、端末装置100bの通信制御部258bは、アプリケーションを表す情報と、該アプリケーションのプッシュIDとを含むレジストレーション情報を、シグナリングサーバ300へ送信する。
【0093】
ステップS4−3では、シグナリングサーバ300の制御部360は、端末装置100aによって送信されたレジストレーション情報に含まれるアプリケーションを表す情報とプッシュIDとを紐付けて記憶部358に格納し、端末装置100bによって送信されたレジストレーション情報に含まれるアプリケーションを表す情報とプッシュIDとを紐付けて記憶部358に格納する。
【0094】
<本人認証>
ステップS6では、シグナリングサーバ300の判定部354は、端末装置100aによって送信されたレジストレーション情報に含まれる端末装置100aを識別する情報、及び端末装置100bによって送信されたレジストレーション情報に含まれる端末装置100bを識別する情報を認証サーバ400へ送信する。
【0095】
認証サーバ400の認証処理部454は、シグナリングサーバ300によって送信された端末装置100aを識別する情報、及び端末装置100bを識別する情報が記憶部456に記憶されているか否かを判定する。これによって、認証サーバ400は、端末装置100aのユーザ、及び端末装置100bのユーザを認証する。
【0096】
ステップS7では、認証サーバ400の認証処理部454は、送受信部452から認証が成功したか否かを表す情報をシグナリングサーバ300へ送信する。認証処理部454は、端末装置100aを識別する情報が記憶部456に記憶されている場合には認証が成功したと判定し、端末装置100bを識別する情報が記憶部456に記憶されていない場合には認証が失敗したと判定する。
【0097】
<セッション構築>
ステップS10では、端末装置100aの画像共有処理部260aは、端末装置100aに表示されている画像を共有する要求を送受信部252aからシグナリングサーバ300へ送信する。シグナリングサーバ300の送受信部352は、端末装置100aによって送信された画像を共有する要求を受信することによって受け付ける。
【0098】
シグナリングサーバ300の判定部354は、画像を共有する要求に含まれる端末装置100bを識別する情報が記憶部358に記憶されているか否かを判定することによって、端末装置100bが画像を共有する機能を利用できるか否かを判定する。判定部354は、端末装置100bを識別する情報が記憶部358に記憶されている場合には画像を共有する機能を利用できると判定し、端末装置100bを識別する情報が記憶部358に記憶されていない場合には画像を共有する機能を利用できないと判定する。
【0099】
ステップS13では、シグナリングサーバ300の判定部354は、端末装置100bが画像を共有する機能を利用できると判定した場合には端末装置100aへ画像を共有する機能を利用できることを通知する。一方、シグナリングサーバ300の判定部354は、端末装置100bが画像を共有する機能を利用できないと判定した場合には端末装置100aへ画像を共有する機能を利用できないことを通知するようにしてもよい。
【0100】
ステップS14では、端末装置100aの画像共有処理部260aは、送受信部252aによって画像を共有する機能を利用できることを表す情報が受信された場合、送受信部252からシグナリングサーバ300へセッションを構築する要求を送信する。セッションを構築する要求には、送信側の端末装置100aを識別する情報と、該端末装置100aのIPアドレスと、画像を共有させる端末装置100bを識別する情報と、プッシュIDとが含まれる。
【0101】
ステップS15では、シグナリングサーバ300のセッション処理部356は、送受信部352によってセッションを構築する要求が受信されると、プッシュサーバ500へ、セッションを構築する情報を送信する。セッションを構築する情報には、画像を共有することを要求する端末装置100aを識別する情報と、プッシュIDとが含まれている。
【0102】
シグナリングサーバ300のセッション処理部356は、端末装置100bを識別する情報をキーとして、記憶部358を検索し、該端末装置100bを識別する情報に紐付けられたプッシュIDを取得する。該プッシュIDは、画像を共有することを要求された端末装置100bにおいて動作するアプリケーションに対応するものである。
【0103】
ステップS16では、プッシュサーバ500のプッシュ処理部554は、送受信部552によってセッションを構築する情報が受信されると、該セッションを構築する情報に含まれるプッシュIDに基づいて、端末装置100bへ、画像を共有するアプリケーションを起動する要求をプッシュする。該画像を共有するアプリケーションを起動する要求には、端末装置100aを識別する情報が含まれる。
【0104】
ステップS19では、端末装置100bの表示制御部262bは画像を共有することを承諾するか拒否するかの回答を促す画像を表示し、操作検出部254bは端末装置100bのユーザが承諾する操作を行うまで待機する。
端末装置100bのユーザによって承諾する操作が行われた場合、端末装置100bの画像共有処理部260bは、セッションを構築することを承諾したことを表す情報を送受信部252bからシグナリングサーバ300へ送信する。
【0105】
シグナリングサーバ300のセッション処理部356は、送受信部352によって端末装置100bによって送信されたセッションを構築することを承諾したことを表す情報が受信されると、端末装置100aと端末装置100bとの間のセッションを確立する。
【0106】
<画像を共有する動作>
図9は、端末装置100aが、該端末装置100aの画面に表示されている画像を端末装置100bとの間で共有する動作を示すシーケンスチャートである。
【0107】
ステップS22では、端末装置100aと端末装置100bとの間でセッションが確立される。例えば、
図8のステップS10−ステップS19の処理が行われることによって、端末装置100aと端末装置100bとの間でセッションが確立される。
【0108】
ステップS24では、端末装置100aの画像共有処理部260aは、端末装置100aのディスプレイ210に表示されている画像を表す情報を生成する。
【0109】
ステップS26−S28では、端末装置100aの送受信部252aは、画像共有処理部260aによって生成した画像を表す情報を端末装置100bへ送信する。ここで、通信制御部258aは、通信状況等に基づいて設定される符号化パラメータを適用して画像を表す情報を送信するようにしてもよい。
【0110】
ステップS30では、端末装置100bの送受信部252bは、端末装置100aによって送信された画像を表す情報を受信する。
【0111】
ステップS32では、端末装置100bの表示制御部262bは、送受信部252bによって受信された画像を表す情報を画像処理することによってディスプレイ210に表示する。
【0112】
ステップS34では、端末装置100aの操作検出部254aは、ユーザによって行われた操作を検出する。例えば、操作検出部254は、タッチパネルに対して行われた操作、具体的には、スクロール、フリック(ページめくり)スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト等の操作を検出する。
【0113】
ステップS36では、端末装置100aの操作検出部254aは、検出した操作が、端末装置100bにおいて画像の劣化を引き起こす操作に該当するか否かを判定する。
【0114】
ステップS38では、端末装置100aのパラメータ演算部256aは、操作検出部254aによって検出された操作が端末装置100bにおいて画像の劣化を引き起こす操作に該当すると判定した場合、符号化パラメータを演算する。例えば、画像の劣化を引き起こす操作と、該操作が行われた場合に適用する符号化パラメータとが紐付けられていてもよい。この場合、パラメータ演算部256aは、操作検出部254aによって検出された端末装置100bにおいて画像の劣化を引き起こす操作に紐付けられた符号化パラメータを適用する。また、例えば、パラメータ演算部256aは、操作検出部254によって検出された操作によって、端末装置100aのディスプレイ210に表示される画像が変化し、端末装置100bへ送信する画像を表す情報の情報量が第1の閾値以上となる場合に、該端末装置100bのディスプレイ210に表示される画像が低品質となるように符号化パラメータを変更する。
【0115】
ステップS40−S42では、端末装置100aの送受信部252aは、パラメータ演算部256aによって演算された符号化パラメータを端末装置100bへ送信する。
【0116】
ステップS44では、端末装置100bの送受信部252bは、端末装置100aによって送信された符号化パラメータを受信する。
【0117】
ステップS46では、端末装置100aの画像共有処理部260aは、端末装置100aのディスプレイ210に表示されている画像を表す情報を生成する。
【0118】
ステップS48−S50では、端末装置100aの送受信部252aは、画像共有処理部260aによって生成した画像を表す情報を端末装置100bへ送信する。
【0119】
ステップS52では、端末装置100bの送受信部252bは、端末装置100aによって送信された画像を表す情報を受信する。
【0120】
ステップS54では、端末装置100bの表示制御部262bは、送受信部252bによって受信された画像を表す情報を符号化パラメータに基づいて画像処理することによってディスプレイ210に表示する。
【0121】
ステップS54の後、端末装置100aと端末装置100bとの間で、ステップS34−S54の処理が行われる。ここで、端末装置100aのパラメータ演算部256aは、符号化パラメータを低品質方向へ変更した後、所定の時間内に操作検出部254aによって端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作が検出されない場合には、通信状況に基づいて符号化パラメータを決定するようにしてもよい。
【0122】
ステップS56では、端末装置100aと端末装置100bとの間で確立されたセッションが終了する。
【0123】
上述した実施形態においては、端末装置100aに対して操作が行われた場合に、画像を表す情報を送信する際に適用される符号化パラメータを変更する場合について説明したが、操作に限らず、端末装置100aが動かされることによって生じた操作を検出し、該操作に基づいて、画像を表す情報を送信する際に適用される符号化パラメータを変更するようにしてもよい。
【0124】
例えば、端末装置100に1又は複数のセンサーが搭載される。1又は複数のセンサーの一例は、ジャイロセンサー、及び加速度センサーである。ジャイロセンサーは、例えば3軸ジャイロセンサーによって構成され、互いに直交する3軸方向の地軸の大きさをそれぞれ計測する。加速度センサー106は、例えば3軸加速度センサーによって構成され、互いに直交する3軸方向の加速度の大きさをそれぞれ計測する。
【0125】
端末装置100は、ジャイロセンサーによって計測される3軸方向の地軸の大きさを表す情報、及び加速度センサーによって計測される3軸方向の加速度の大きさを表す情報の両方又は一方に基づいて、端末装置100が動かされたか否かを判定する。例えば、端末装置100は、端末装置100を携帯するユーザが歩いているとき、又は乗り物に乗車しているときなどに、端末装置100が動かされたか否かを判定する。そして、端末装置100は、動かされたと判定した場合に、画像を表す情報を送信する際に適用される符号化パラメータを変更する。
【0126】
また、端末装置100にジャイロセンサー及び加速度センサーの代わりに、又はジャイロセンサー及び加速度センサーとともに、地磁気センサー、気圧センサー、近接センサー、照度センサーなどを搭載するようにしてもよい。そして、端末装置100に搭載したジャイロセンサー及び加速度センサーの代わりに、又はジャイロセンサー及び加速度センサーとともに搭載した地磁気センサー、気圧センサー、近接センサー、照度センサーなどによって端末装置100が動かされたか否かを判定するようにしてもよい。
【0127】
本実施形態に係る通信システムによれば、端末装置100aと端末装置100bとの間で、端末装置100aの画面に表示されている画像が共有される。さらに、端末装置100aに対して、スクロール、フリック(ページめくり)、スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト等の端末装置100bに表示される画像の劣化を引き起こす操作が行われた場合に、画像を表す情報を送信する際に適用される符号化パラメータを変更する。
【0128】
例えば、端末装置100aに対して操作が行われ、端末装置100aのディスプレイ210に表示される画像が変化し、端末装置100bへ送信する画像を表す情報の量が第1の閾値以上となる場合に、画像のフレームレート、ビットレート、解像度、量子化パラメータ、遅延(バッファサイズ)等を変更することによって、端末装置100bへ送信する画像が低品質となるように変更する。
【0129】
これによって、端末装置100aによって送信される画像を表す情報は低品質であるが、端末装置100bに表示される画像の乱れは低減できるため、端末装置100bのユーザが体感する品質を向上させることができる。つまり、端末装置100aと端末装置100bとの間で端末装置100aの画面に表示されている画像を共有する場合に、端末装置100bの画面に表示されるノイズを低減し、快適な映像を端末装置100bへ送信することができる。
【0130】
以上、本発明の実施形態及びその変形を説明したが、これらの実施形態及びその変形は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態及びその変形は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0131】
なお、上述の各装置は内部にコンピュータを有している。そして、上述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0132】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0133】
上述した実施形態において、端末装置100aは自装置の一例であり、端末装置100bは他装置の一例であり、表示制御部は表示部の一例であり、操作検出部は検出部の一例であり、通信制御部は制御部の一例である。