特許 6560164 駐車装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6560164

(24)【登録日】2019年7月26日

(45)【発行日】2019年8月14日

(54)【発明の名称】駐車装置

(51)【国際特許分類】

   E04H 6/42 20060101AFI20190805BHJP

【ＦＩ】

   E04H6/42 Z

【請求項の数】5

【全頁数】12

(21)【出願番号】特願2016-134326(P2016-134326)

(22)【出願日】2016年7月6日

(65)【公開番号】特開2018-3512(P2018-3512A)

(43)【公開日】2018年1月11日

【審査請求日】2018年7月17日

(73)【特許権者】

【識別番号】000227043

【氏名又は名称】日精株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100094352

【弁理士】

【氏名又は名称】佐々木 孝

(72)【発明者】

【氏名】赤石 仁

【審査官】 佐藤 美紗子

(56)【参考文献】

【文献】 特開平１１−３２４３７９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００３−２５３９５０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０４−１９１２８８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０４−３３０１８０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０７−２５９４２２（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｅ０４Ｈ ６／４２

Ｅ０４Ｈ ６／１４

Ｅ０４Ｈ ６／１８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

外部と連通し、乗員が駐車車両から乗り降りする乗降室と、少なくとも１枚のドアパネルを有し、前記乗降室の出入口に配置される出入口ドアと、前記駐車車両を格納可能な複数の格納部を有する格納室と、前記乗降室と前記格納部間で前記駐車車両を移動する移動装置と、前記乗降室内の複数箇所に配置される緊急停止釦と、これらの緊急停止釦の投入に応じて前記移動装置を停止する制御装置とを備えた駐車装置において、
前記緊急停止釦は、前記出入口ドアの室内側にあって、前記ドアパネル側面に少なくとも１つ取り付けられ、前記ドアパネルの垂直投影面内に配置されるドア緊急停止釦を備えたことを特徴とする駐車装置。

【請求項2】

前記ドア緊急停止釦は、ブラケットを介して前記ドアパネル側面に配置されることを特徴とする請求項１に記載の駐車装置。

【請求項3】

前記出入口ドアは、前記ドアパネルが上下方向に開閉する上下開閉式であることを特徴とする請求項１に記載の駐車装置。

【請求項4】

前記出入口ドアは、前記ドアパネルが左右それぞれ両方向に開閉する両開き開閉式であることを特徴とする請求項１に記載の駐車装置。

【請求項5】

前記出入口ドアは、前記ドアパネルが左右のいずれか一方向に開閉する片開き開閉式であることを特徴とする請求項１に記載の駐車装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、乗降室と格納室間で駐車車両を移動する移動装置を備えた駐車装置に関する。

【背景技術】

【0002】

駐車装置として、乗降室と格納室間で駐車車両を移動する移動装置、例えば駐車車両の入出庫階と格納階を結ぶリフト装置を構成し、このリフト装置を使用して駐車車両を異なる階床間で移動するものとして、特開２００９−１８５５１５号公報（特許文献１）には、駐車車両の入出庫部への乗入れ方向を昇降ステージの前後方向と異なる方向に設定し、昇降ステージの前後幅寸法に対応した間隔を介して対向するように配置されると共に、昇降ステージと係合可能な養生ステージを備え、昇降ステージの上昇に応じ、所定高さ位置にて昇降ステージと係合し同期して上昇すると共に、昇降ステージの下降に応じ、所定の高さ位置で昇降ステージとの係合が解除されて位置決めされ、旋回ステージを駐車車両の乗入れ方向に旋回させたときにその周囲に露出する昇降ステージの昇降口を被覆するようにしたものが示されている。

【0003】

このような構成とすることにより、昇降ステージの昇降のために旋回ステージを駐車車両の乗入れ方向と直交する方向に旋回させたときには、養生ステージを移動して昇降口を開放すると共に、駐車車両の入出庫のため旋回ステージを駐車車両の乗入方向に旋回させたときには、養生ステージにより旋回ステージの周囲に露出する昇降口を塞ぎ、乗員が安心して乗り降りできるようにしている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２００９−１８５５１５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

ところで、駐車場装置にあっては、一般に、乗降室と外部とは出入口ドアにより仕切り可能となっているが、何らかの要因、例えば第三者による操作盤の誤操作により、乗員が乗降室にいる状態で出入口ドアが閉扉し、乗降室に閉じ込められる事態が想定される。前述した特許文献に記載のものは、乗員の乗降時に養生ステージにより機械的に昇降ステージの昇降口を塞いで乗降室の床をフラットにするものであるが、万一、乗員が乗降室に閉じ込められた状態で、養生ステージや昇降ステージが稼働すると、重量物が旋回すると共に、昇降口が露出することになり乗員は極めて危険な状態となる。そこで、乗降室内には養生ステージおよび昇降ステージを非常停止するための緊急停止釦が複数設けられているが、近時、安全性の向上を図るために、出入口ドアの室内側に、ドア緊急停止釦を配置することが条例により定められた。これに応じ、既存の緊急停止釦を、ドア緊急停止釦としてドアパネルの側面に配置することが考えられる。

【0006】

しかしながら、既存の緊急停止釦を、ドア緊急停止釦としてドアパネルの側面に配置すると、ドアパネルの幅寸法を超え、ドアパネルの垂直投影面から出張ることになるため、出入口ドアと共に移動するドア緊急停止釦と他の機器とが確実に接触することがない配置としなければならない。例えば、出入口ドアが閉じた状態で、出入口上縁に設けられる上部フレームと、ドアパネル側面のドア緊急停止釦とが当接することがないような配置とする必要があった。このため、各機器の配置や意匠に制約が生じるという課題があった。

【0007】

本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、ドア緊急停止釦の配置を、出入口ドアの開閉に支障をきたすことなく、かつ、他の機器との接触を確実に回避するうえで有利なものとすることのできる駐車装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0008】

前記目的を達成するために、本発明は、外部と連通し、乗員が駐車車両から乗り降りする乗降室と、少なくとも１枚のドアパネルを有し、前記乗降室の出入口に配置される出入口ドアと、前記駐車車両を格納可能な複数の格納部を有する格納室と、前記乗降室と前記格納部間で前記駐車車両を移動する移動装置と、前記乗降室内の複数箇所に配置される緊急停止釦と、これらの緊急停止釦の投入に応じて前記移動装置を停止する制御装置とを備えた駐車装置において、前記緊急停止釦は、前記出入口ドアの室内側にあって、前記ドアパネル側面に少なくとも１つ取り付けられ、前記ドアパネルの垂直投影面内に配置されるドア緊急停止釦を備えたことを特徴としている。

【0009】

このような構成によれば、乗員が乗降室にいる状態で出入口ドアが閉扉し、乗降室に閉じ込められた際、ドアパネル側面に配置されるドア緊急停止釦を投入すると、制御装置は移動装置を停止する。そして、ドア緊急停止釦は、ドアパネル側面にあって、ドアパネルの垂直投影面内に配置されるものであることから、出入口ドアの開閉に支障をきたすことなく、かつ、他の機器との接触を確実に回避することができる。

【0010】

また、本発明は前述の構成に加えて、前記ドア緊急停止釦は、ブラケットを介して前記ドアパネル側面に配置されることを特徴としている。

【0011】

このような構成によれば、ドア緊急停止釦がブラケットを介してドアパネル側面に取り付けられることにより、簡易な構造でドア緊急停止釦をドアパネルの垂直投影面内に配置することができる。

【0012】

また、本発明は前述の構成に加えて、前記出入口ドアは、前記ドアパネルが上下方向に開閉する上下開閉式であることを特徴としている。

【0013】

このような構成によれば、ドアパネルが上下方向に開閉する上下開閉式の出入口ドアが採用された駐車装置にあって、ドア緊急停止釦を、出入口ドアの開閉に支障をきたすことなく、かつ、他の機器との接触を確実に回避することができる配置とすることができる。

【0014】

また、本発明は前述の構成に加えて、前記出入口ドアは、前記ドアパネルが左右それぞれ両方向に開閉する両開き開閉式であることを特徴としている。

【0015】

このような構成によれば、ドアパネルが左右それぞれ両方向に開閉する両開き開閉式の出入口ドアが採用された駐車装置にあって、ドア緊急停止釦を、出入口ドアの開閉に支障をきたすことなく、かつ、他の機器との接触を確実に回避することができる配置とすることができる。

【0016】

また、本発明は前述の構成に加えて、前記出入口ドアは、前記ドアパネルが左右のいずれか一方向に開閉する片開き開閉式であることを特徴としている。

【0017】

このような構成によれば、ドアパネルが左右のいずれか一方向に開閉する片開き開閉式の出入口ドアが採用された駐車装置にあって、ドア緊急停止釦を、出入口ドアの開閉に支障をきたすことなく、かつ、他の機器との接触を確実に回避することができる配置とすることができる。

【発明の効果】

【0018】

本発明によれば、ドア緊急停止釦の配置を、出入口ドアの開閉に支障をきたすことなく、かつ、他の機器との接触を確実に回避するうえで有利なものとすることができる。なお、前述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

【図面の簡単な説明】

【0019】

【図1】本発明が適用される駐車装置の乗降室を示す上面図である。

【図2】第１の実施形態における上下開閉式の出入口ドアの縦断面図である。

【図3】第１の実施形態におけるドア緊急停止釦が取り付けられたドアパネルを示す図２のＡ部の正面図である。

【図4】第１の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す図３のＢ部の拡大正面図である。

【図5】第１の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す図３のＢ部の拡大縦断面図である。

【図6】第１の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す図３のＢ部の拡大上面図である。

【図7】第２の実施形態における両開き開閉式の出入口ドアの横断面図である。

【図8】第２の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大正面図である。

【図9】第２の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大縦断面図である。

【図10】第３の実施形態における片開き開閉式の出入口ドアの横断面図である。

【図11】第３の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大正面図である。

【図12】第３の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大縦断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0020】

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

【0021】

図１は、本発明の駐車装置の一実施形態を示す乗降室の上面図である。

【0022】

本実施形態の駐車装置は、外部と出入口ドア１を介して連通し、乗員が駐車車両から乗り降りする乗降室２と、駐車車両を格納可能な複数の格納部を有する図示しない格納室と、乗降室２と格納部間で駐車車両を移動する移動装置、すなわち駐車車両を搭載可能なトレー３を異なる階床間で移動するリフト装置４と、外部と連通し、非常時に用いられる非常口５と、出入口ドア１近傍に配置され、駐車装置を操作する操作盤６とを備えている。なお、ここでは移動装置としてリフト装置４のみを挙げているが、移動装置には、リフト装置４と格納部間で駐車車両を移動する図示しない送り装置も含まれる。

【0023】

出入口ドア１は、乗降室２の出入口２ａに配置される。また、トレー３との対向位置に配置され、駐車車両が通過可能な幅寸法を有していると共に、通常時、駐車車両の入出庫を行う乗員はここから出入りするようになっている。

【0024】

トレー３の上面には、搭載された駐車車両の前輪および後輪が所定位置にあることを検出する車輪センサー７が備えられている。

【0025】

リフト装置４は、図示しない制御装置により駐車車両を搭載可能なトレー３を昇降させるものであり、このリフト装置４がトレー３を乗降室２の昇降口８に位置させると、トレー３上面と乗降室２の床２ａが略同一レベルとなり、駐車車両の乗り入れ、乗り出しが可能となると共に、乗員は安全に乗降することができる。

【0026】

乗降口８の周縁から出入口ドア１および非常口５にかけて色付けが施された通路９が設定され、通常時において、乗員は乗降口８の周縁から出入口ドア１に亘る通路９を通り、入庫時に乗り入れた駐車車両から降りて退室すると共に、出庫時に入室して駐車車両に乗り込むようになっている。

【0027】

乗降室２の床２ｂには、閉じ込め事故発生時に乗員が待避する待避箇所１０ａ、１０ｂを示すマーキング１１ａ、１１ｂが施される。これらの待避箇所１０ａ、１０ｂは、万一、乗員が閉じ込められた状態でリフト装置４が稼働しても、乗員がそこに待避することで確実に安全を確保することのできる位置に設定されている。

【0028】

乗降室２のリフト装置４前方の壁面２ｃには、駐車状況を案内する案内装置１２が設けられている。

【0029】

乗降室２には、複数の緊急停止釦１３が設置され、緊急停止釦１３のいずれかが投入されると、図示しない制御装置はリフト装置４を含む移動装置全体を停止するようになっている。

【0030】

ここで、出入口ドアの構成について図２に基づいて説明する。図２は、第１の実施形態における上下開閉式の出入口ドアの縦断面図である。

【0031】

出入口ドア１は、例えば、下ドアパネル１ａと、この下ドアパネル１ａと連結される上ドアパネル１ｂとを組み合わせて構成されるものであり、これらのドアパネル１ａ，１ｂは、図示しないドア駆動装置により、連動して上下方向に開閉動作を行うようになっている。

【0032】

そして、第１の実施形態では、後述するドア緊急停止釦１３ａの配置を、出入口ドア１の開閉に支障をきたすことなく、かつ、他の機器との接触を確実に回避するうえで有利なものとするために工夫が施されている。その具体的な説明を図３乃至図６に基づいて説明する。図３は、第１の実施形態におけるドア緊急停止釦が取り付けられたドアパネルを示す図２のＡ部の正面図である。図４は、第１の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す図３のＢ部の拡大正面図である。図５は、第１の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す図３のＢ部の拡大縦断面図である。図６は、第１の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す図３のＢ部の拡大上面図である。

【0033】

出入口ドア１の室内側にあって、下ドアパネル１ａの側面にドア緊急停止釦１３ａが取り付けられている。ドア緊急停止釦１３ａは、乗降室２に複数設置される緊急停止釦１３の１つであり、他の緊急停止釦１３と同様、投入されることに応じて、図示しない制御装置がリフト装置４を含む移動装置全体を停止するようになっている。

【0034】

ドア緊急停止釦１３ａは、下ドアパネル１ａの幅寸法Ｗ１より小さい幅寸法Ｗ２を有しており、縦ブラケット１４ａ，１４ｂ、横ブラケット１５及びプレート体１６を介して下ドアパネル１ａの垂直投影面内に配置される。すなわち、下ドアパネル１ａの上折り返し部１ａ１と下ドアパネル１ａの長手方向に延在する略ハット状の断面を有する補強材１７との間に対となって縦ブラケット１４ａ，１４ｂが取り付けられているとともに、これらの縦ブラケット１４ａ，１４ｂ間に横ブラケット１５が架設され、この横ブラケット１５の中央部にプレート体１６が固定され、かつ、このプレート体１６の上部にドア緊急停止釦１３ａが取り付けられている。

【0035】

また、プレート体１６の側面には、ドア緊急停止釦１３ａの用途を簡明に説明するサイン１８が貼り付けられている。

【0036】

第１の実施形態にあっては、何らかの要因、例えば第三者による操作盤６の誤操作により、乗員が乗降室２にいる状態で出入口ドア１が閉扉し、乗降室２に閉じ込められた際、出入口ドア１の室内側、つまり、下ドアパネル１ａの側面に取り付けられるドア緊急停止釦１３ａを投入すると、図示しない制御装置は、緊急停止釦１３が投入された場合と同様、リフト装置４を停止する。次いで、制御装置は、図示しない報知装置を介して外部に閉じ込め事故発生を報知し、係員による救出や安全確認が速やかに行われる。

【0037】

また、閉じ込められた際に、乗員が即座に緊急停止釦１３やドア緊急停止釦１３ａの投入ができないとしても、乗員は待避箇所１０ａ、１０ｂに退避することで、安全を確保することができる。この位置に退避した後、近傍にある緊急停止釦１３を投入し、救出を待つこともできる。待避箇所１０ａ、１０ｂはリフト装置４から十分離れた位置に設けられており、リフト装置４が稼働したとしても乗員は安全を確保することができる。なお、閉じ込められた際に、非常口５近傍に乗員がいた場合、非常口５から避難することができることは言うまでもない。しかし乗員がパニックになったり、閉じ込められた時に非常口５から離れた位置にいた場合、非常口５までたどり着けないことも考えられ、このようなときに待避箇所１０ａ、１０ｂに待避し、救出を待つことができる。

【0038】

第１の実施形態によれば、出入口ドア１の室内側に配置されるドア緊急停止釦１３ａを、下ドアパネル１ａの側面に取り付け、下ドアパネル１ａの垂直投影面内に収めることにより、ドア緊急停止釦１３ａが、出入口ドア１の開閉に支障をきたすことがない。また、基本的に下ドアパネル１ａの軌道上には他の機器は配置しない構造となっていることから、他の機器との接触を確実に回避するうえで有利な配置とすることができる。特に、既存の駐車装置に、ドア緊急停止釦１３ａを追設する場合でも、他の機器の配置換え等の工事を必要としない。

【0039】

また、ドア緊急停止釦１３ａが縦ブラケット１４ａ，１４ｂ及び横ブラケット１５を介して下ドアパネル１ａ側面に取り付けられることにより、簡易な構造でドア緊急停止釦１３ａを下ドアパネル１ａの垂直投影面内に配置することができる。

【0040】

また、ドア緊急停止釦１３ａを、下ドアパネル１ａの側面に取り付け、下ドアパネル１ａの垂直投影面内に配置することにより、ドアパネル１ａ，１ｂが上下方向に開閉する上下開閉式の出入口ドア１に対応することができる。

【0041】

ここで、本発明を、ドアパネルが左右それぞれ両方向に開閉する両開き開閉式の出入口ドアに適用した場合について図７乃至図９に基づいて説明する。図７は、第２の実施形態における両開き開閉式の出入口ドアの横断面図である。図８は、第２の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大正面図である。図９は、第２の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大縦断面図である。

【0042】

第２の実施形態の出入口ドア２１は、例えば、出入口２ａの図中、中央左側に配置される第１左ドアパネル２１ａと、この第１左ドアパネル２１ａと連結される第２左ドアパネル２１ｂと、出入口２ａの図中、中央右側に配置される第１右ドアパネル２１ｃと、この第１右ドアパネル２１ｃと連結される第２右ドアパネル２１ｄとを組み合わせて構成されるものであり、これらのドアパネル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄは、図示しないドア駆動装置により、連動して左右両方向に開閉動作を行うようになっている。

【0043】

第２の実施形態では、出入口ドア１の室内側にあって、第１左ドアパネル２１ａの側面にドア緊急停止釦１３ａが取り付けられている。また、ドア緊急停止釦１３ａは、第１左ドアパネル２１ａの幅寸法Ｗ３より小さい幅寸法Ｗ４を有しており、ブラケット２２及びプレート体２３を介して第１左ドアパネル２１ａの垂直投影面内に配置される。すなわち、第１左ドアパネル２１ａの戸当たり部２１ａ１と第１左ドアパネル２１ａの高さ方向に延在する略ハット状の断面を有する補強材２４との間にブラケット２２が取り付けられているとともに、このブラケット２２にプレート体２３が固定され、かつ、このプレート体２３の上部にドア緊急停止釦１３ａが取り付けられている。

【0044】

第２の実施形態によれば、ドア緊急停止釦１３ａを、ブラケット２２を介して第１左ドアパネル２１ａの側面に取り付け、第１左ドアパネル２１ａの垂直投影面内に配置することにより、前述した第１の実施形態と同様の効果をあげることができるとともに、ドアパネル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄが左右それぞれ両方向に開閉する両開き開閉式の出入口ドア２１に対応することができる。

【0045】

次に、本発明を、ドアパネルが左右のいずれか一方向に開閉する片開き開閉式の出入口ドアに適用した場合について図１０乃至図１２に基づいて説明する。図１０は、第３の実施形態における片開き開閉式の出入口ドアの横断面図である。図１１は、第３の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大正面図である。図１２は、第３の実施形態におけるドア緊急停止釦部分を示す拡大縦断面図である。

【0046】

第３の実施形態の出入口ドア３１は、例えば、出入口２ａの戸閉側に配置される左ドアパネ３１ａと、この左ドアパネル３１ａと連結される中央ドアパネル３１ｂと、出入口２ａの戸開側に配置される右ドアパネル３１ｃとを組み合わせて構成されるものであり、これらのドアパネル３１ａ，３１ｂ，３１ｃは、図示しないドア駆動装置により、連動して図中右方向に開動作、図中左方向に閉動作を行うようになっている。

【0047】

第３の実施形態では、出入口ドア１の室内側にあって、左ドアパネル３１ａの側面にドア緊急停止釦１３ａが取り付けられている。また、ドア緊急停止釦１３ａは、左ドアパネル３１ａの幅寸法Ｗ５より小さい幅寸法Ｗ６を有しており、ブラケット３２及びプレート体３３を介して左ドアパネル３１ａの垂直投影面内に配置される。すなわち、左ドアパネル３１ａの反戸当たり側縁部３１ａ１と左ドアパネル３１ａの高さ方向に延在する略ハット状の断面を有する補強材３４との間にブラケット３２が取り付けられているとともに、このブラケット３２にプレート体３３が固定され、かつ、このプレート体３３の上部にドア緊急停止釦１３ａが取り付けられている。

【0048】

第３の実施形態によれば、ドア緊急停止釦１３ａを、ブラケット３２を介して左ドアパネル３１ａの側面に取り付け、左ドアパネル３１ａの垂直投影面内に配置することにより、前述した第１の実施形態と同様の効果をあげることができるとともに、ドアパネル３１ａ，３１ｂ，３１ｃが左右のいずれか一方向に開閉する片開き開閉式の出入口ドア３１に対応することができる。

【0049】

なお、前述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前述した実施形態では、ドア緊急停止釦１３ａを、下ドアパネル１ａの側面や第１左ドアパネル２１ａの側面や左ドアパネル３１ａの側面に１つ取り付けたが、複数のドア緊急停止釦１３ａを所定のドアパネルの側面に取り付けてもよい。

【0050】

また、前述した第１の実施形態にあって上下開閉式の出入口ドア１は、２枚のドアパネル１ａ，１ｂで構成されるものとしたが、上下開閉式の出入口ドアのドアパネルの数は２枚に限定されるものではないとともに、いずれか１枚のドアパネルの側面に、または複数枚のドアパネルの側面に、ドア緊急停止釦を配置することもできる。

【0051】

また、前述した第２の実施形態にあって両開き開閉式の出入口ドア２１は、４枚のドアパネル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄで構成されるものとしたが、両開き開閉式の出入口ドアのドアパネルの数は４枚に限定されるものではないとともに、いずれか１枚のドアパネルの側面に、または複数枚のドアパネルの側面に、ドア緊急停止釦を配置することもできる。

【0052】

また、前述した第３の実施形態にあって片開き開閉式の出入口ドア３１は、３枚のドアパネル３１ａ，３１ｂ，３１ｃで構成されるものとしたが、片開き開閉式の出入口ドアのドアパネルの数は３枚に限定されるものではないとともに、いずれか１枚のドアパネルの側面に、または複数枚のドアパネルの側面に、ドア緊急停止釦を配置することもできる。

【符号の説明】

【0053】

１，２１，３１ 出入口ドア
１ａ，１ｂ，２１ａ〜２１ｄ，３１ａ〜３１ｃ ドアパネル
２ 乗降室
２ａ 出入口
３ トレー
４ リフト装置（移動装置）
６ 操作盤
９ 通路
１０ａ、１０ｂ 待避箇所
１１ａ、１１ｂ マーキング
１２ 案内装置
１３ 緊急停止釦
１３ａ ドア緊急停止釦
１４ａ，１４ｂ，１５，２２，３２ ブラケット
１６，２３，３３ プレート体
１７，２４，３４ 補強材
１８ サイン

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】