(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態の概略>
まず、本発明の実施形態の概略を説明する。本発明の実施形態は、外部に出力する接点信号回路が不良となった場合の影響を最小限に抑えるローカル装置である。
そして、本発明の実施形態は、外部に出力する接点信号部をIFユニットとし冗長構成かつ着脱可能とすることにより交換を容易とする。更に、本発明の実施形態は、IFユニット内部の各接点信号をそれぞれ2段構成とすることにより未使用IFユニットのハードウェアの異常自己診断を可能とし、かつ、取り外しの際に未使用IFユニットの着脱が接点信号に影響を与えないようにする。更に、本発明の実施形態は、IFユニットが正常であれば定期的に切り替え、使用頻度を均一化する。またIFユニットに異常が無いか自己診断を実施することに加えて、本発明の実施形態では、運用中に不良接点信号部分を容易に交換できるための保守手段も提供する。
以上が本発明の実施形態の概略である。
【0018】
<実施形態>
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、実施形態の全体の構成について
図1を参照して説明をする。ここで、本実施形態は、衛星基地局監視制御システム等の、多数の機器状態を監視するシステムにおいて、上位監視端末と、この上位監視端末に対して機器の状態を通知するローカル装置からなる。
【0019】
具体的には、
図1に示すように、本実施形態は、第1ローカル装置1−1、第2ローカル装置1−2、及び第nローカル装置1−nと、これらローカル装置と接続された上位監視端末2とを含む。ここで、nは任意の自然数である。つまり、本実施形態では、これらのローカル装置の台数に特に限定はない。
【0020】
これらのローカル装置は、自装置のステータス・異常パラメータを、接点信号を用いて上位監視端末2に通知する。また、これらのローカル装置は、自装置の保持する接点情報を出力する際の信号の信頼性・保全性を向上させるための、本実施形態特有の機能を有する。以下では、この本実施形態特有の機能について特に詳細に説明をする。
【0021】
次に、
図2を参照して、本実施形態におけるローカル装置の構成について説明をする。なお、第1ローカル装置1−1、第2ローカル装置1−2、及び第nローカル装置1−nはそれぞれ同様の構成及び機能を有しているので、以下の説明では、これらのローカル装置を区別することなく、単に「ローカル装置」と呼んで説明をする。
【0022】
ローカル装置は、ローカル装置本体10と、冗長化されたIFユニットである、IFユニット20a及び20bを含む。IFユニット20a及び20bは一方を稼動系とし、他方を待機系として利用される。なお、説明を簡潔なものとするため、IFユニットが2つであるとして以下説明するが、IFユニットが3つ以上存在する構成であってもよい。
【0023】
ローカル装置本体10は、CPU11、メモリ12、MAINT PORT13、及び外部出力コネクタ14を含む。
【0024】
CPU11は、制御信号を、IFユニット20a及び20bそれぞれに出力してIFユニット20a及び20bそれぞれを制御することにより、IFユニット20a及び20bそれぞれが出力する接点信号を制御する機能を有する。これにより、ローカル装置のステータス・異常パラメータを、上位監視端末2に通知する。加えて、
図3や
図4等を参照して説明する後述の処理を実行する。また、CPU11は、IFユニット20a及び20bそれぞれから出力されるステータス信号を入力することにより、IFユニット20a及び20bそれぞれの状態の取得を実施する機能を有する。
メモリ12は、CPU11が異常発生等の判定を行うために使用するパラメータの読み出し及び書き込み等の用途に用いられる。
【0025】
かかるメモリ12は、CPU11がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAMや、各種の制御用プログラム等を格納したROM等により実現される。
かかるROMは、制御用プログラムとして、ローカル装置全体を制御するためのファームウェアや、後述する各種の処理を行うためのプログラムといった各種の情報を記憶している。
【0026】
そして、CPU11が、このROMから制御用プログラム等の情報を読み込み、読み込んだ制御用プログラム等の情報をRAMに展開させながら、これら制御用プログラム等に基づいた演算処理を行なう。そして、CPU11が、演算結果に基づいてローカル装置内のハードウェアを制御することにより、ローカル装置の各処理は実現される。つまり、ローカル装置は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
【0027】
MAINT PORT13は、パラメータ設定を可能とするためのポートであり、CPU11は、MAINT PORT13に接続された機器とデータを送受信することによりパラメータ設定等を行う。
【0028】
外部出力コネクタ14は、IFユニット20a及び20bそれぞれと接続し各IFユニットの接点信号を信号単位にまとめて、上位監視端末2へ信号を送出する。これにより、上位監視端末2へのステータス・異常パラメータの通知は実現される。
【0029】
IFユニット20a及び20bそれぞれは、内部に接点信号の出力を制御するためのリレー(以下、適宜「RL」と呼ぶ。)を1つの信号辺り2つを直列接続している。具体的には、1つの信号についてRL−A並びにRL−Bの2つのRLを直列接続している。CPU11は、制御信号によってRL−A並びにRL−Bについて、OPEN状態とCLOSE状態を切り替えることにより接点信号を制御する。
【0030】
また、直列接続されているRL−A並びにRL−Bの組には、DIP SWが接続されている。そして、RL−A並びにRL−Bが、OPEN状態であるかCLOSE状態であるかに関わらず、このDIP SWにより手動で接点信号をOPEN状態とすることができる。
【0031】
より具体的に構成を説明すると、IFユニット20aは、外部出力信号S1に対応してRL−A21a、RL−B22a、及びDIP SW23aを備える。また、IFユニット20aは、外部出力信号S2に対応してRL−A24a、RL−B25a、及びDIP SW26aを備える。
【0032】
また、同様にIFユニット20bは、外部出力信号S1に対応してRL−B21b、RL−B22b、及びDIP SW23bを備える。また、IFユニット20bは、外部出力信号S2に対応してRL−B24b、RL−B25b、及びDIP SW26bを備える。
【0033】
なお、本実施形態ではこれらIFユニットに異常が発生した場合に、IFユニットを交換するが、交換により新たに取り付けられるIFユニットも、IFユニット20aやIFユニット20bと同等の構成をしているものとする。
【0034】
また、本例では、外部出力信号S1と、外部出力信号S2との2つの信号を上位監視端末2へ信号を送出することを想定しているが、信号の数に制限はなく、例えば3つ以上の信号を送出する構成とするようにしてもよい。この場合には、信号の数に対応して、RL−A、RL−B、及びDIP SWの組を追加するようにすればよい。
次に、IFユニット切り替え処理について
図3のフローチャートを参照して説明をする。
【0035】
本説明では、IFユニット20aが稼動系であり、IFユニット20bが待機系となっている状態であるとする。すなわち、運用中のIFユニットがIFユニット20aであり、待機中のIFユニットがIFユニット20bであるとする。
【0036】
また、以下に説明するIFユニット切り替え処理は、一定時間が経過した場合に周期的に行われるようにしてもよく、保守員等のユーザの操作に応じて行われるようにしてもよい。一定時間が経過するたびに周期的に行うならば、この一定時間の長さを表す値をメモリ12に格納しておくようにする。この値に特に限定はなく、運用状況に合わせて保守員等により任意の値が設定される。値の設定は、MAINT PORT13に接続された機器等を用いて行われる。
【0037】
CPU12は、IF切り替え処理を開始すると、切り替えに利用できる得るIFユニットがあるか否かを確認する(ステップS101)。具体的には、正常且つ待機状態のIFユニットがあるか否かを確認する。今回は、IFユニット20bが待機状態であるので、IFユニット20bが正常であるか否かを確認する。なお、待機状態のIFユニットが正常であるか否かを判定するための処理の具体的な内容については、
図4を参照して後述する。
【0038】
ここで、正常且つ待機状態のIFユニットがない場合、すなわち、IFユニット20bが正常ではない場合は(ステップS101においてNo)、S102に進む。そして、上位監視端末2にその旨を通知して処理を終了する。この通知は、運用中のIFユニット20bを制御して、「切り替え用IFユニット無し」を表す外部出力を行うための接点信号を出力させることにより行う(ステップS102)。
【0039】
一方で、待機中のIFユニット20bが正常である場合(ステップS101においてYes)、ステップS103に進む。そして、運用中のIFユニット20aの連続使用回数が、あらかじめ定義しておいた連続使用閾値を超えているか否かを確認する(ステップS103)。この連続使用閾値はメモリ内に格納された任意の値であり、運用状況や接点信号の変化頻度等を考慮して、保守員等により設定される。設定値の変更は、MAINT PORT13に接続された機器等を用いて行われる。また、連続使用回数は、例えばRL−A並びにRL−Bの接点の開閉回数である。
【0040】
そして、運用中のIFユニット20aの連続使用回数が、連続使用閾値を超えていない場合は(ステップS103においてNo)、IFユニットの切り替えタイミングでは無い為、IFユニットの切り替えを実行することなく一旦本処理を終了し、任意のタイミングにて再度ステップS101から本処理を実行する。
【0041】
一方で、運用中のIFユニット20aの連続使用回数が、連続使用閾値を超えていた場合は(ステップS103においてYes)、稼動系として使用するIFユニットを、現在のIFユニット20aからIFユニット20bに切り替える。そのために、制御信号で、IFユニット20bが備えるRL−AとRL−BについてOPEN状態とCLOSE状態を切り替えることにより接点信号の出力を制御して、IFユニット20bの外部出力を、現在IFユニット20aで設定している外部出力と同じにする(ステップS104)。
【0042】
つまり、IFユニット20bのそれぞれのRL−A並びにRL−Bの設定を、IFユニット20aのそれぞれのRL−A並びにRL−Bの設定と同じに合わせこむ。
【0043】
この時、外部出力ON(信号L)となる信号が重複することになるが、GNDに接地する為ステータスにチャタリング等の切り替えによるノイズが発生する可能性は無い。
【0044】
次に、制御信号で、IFユニット20aが備えるRL−AとRL−BについてOPEN状態とCLOSE状態を切り替えることにより、現在稼働系として運用中のIFユニット20aのRLを全てOPEN状態とする(ステップS105)。すなわち、IFユニット20aからの接点信号の出力を停止させる。
【0045】
これにより運用中のIFユニットが切り替えられることとなり、IFユニット20bが稼動系のIFユニットとなる。一方で、IFユニット20aは待機系のIFユニットとなる。
【0046】
最後に、連続使用閾値と比較するのに用いる、運用中のIFユニットの連続使用回数の値をクリアすることによりゼロとし(ステップS106)、本処理は終了となる。
【0047】
以上説明した処理により、IFユニットに異常が発生する前であっても、正常に稼働する待機系のIFユニットを、新たに稼動系に切り替えることが可能となる。つまり、これにより、IFユニットの異常の発生を未然に防止することができる。また、IFユニットが正常なままであれば定期的に切り替えが行われることから、各IFユニットの使用頻度を均一化して、異常が発生しにくくすることができる。
【0048】
次に、
図4を参照して、正常なIFユニットを検出するための処理であるIFハードウェアチェック処理について説明する。これは、上述のステップS101の説明の際に言及した処理である。
【0049】
CPU11は、ローカル装置に接続されたIFユニットで、且つ、運用中でない待機系のIFユニットを対象として、IFハードウェアチェック処理を行う。
【0050】
かかる処理は、
図3を参照して説明したIFユニット切替処理の開始時に行われてもよく、IFユニット切替処理とは別途のタイミングで行われていてもよい。例えば、IFハードウェアチェック処理は、一定時間が経過した場合に周期的に行われるようにしてもよく、保守員等のユーザの操作に応じて行われるようにしてもよい。一定時間が経過した場合に周期的に行うならば、この一定時間の長さを表す値をメモリ12に格納しておくようにする。この値は任意の値であり、運用に合わせて保守員等により設定される。設定値の変更は、MAINT PORT13に接続された機器等を用いて行われる。
【0051】
まず、IFハードウェアチェック処理の対象とするIFユニットが備えている全てのRL(すなわち、全てのRL−A並びにRL−B)の状態が、OPEN状態となっているか否かを確認する(ステップS201)。
【0052】
1つでもOPEN状態で無いRLが存在する場合は(ステップS201においてNo)、制御信号で、RL−A並びにRL−BについてOPEN状態とCLOSE状態を切り替えることにより、全てのRLがOPEN状態となるように制御する(ステップS202)。そして、実際に全てのRLの状態が、OPEN状態となっているか否かを再度確認する(ステップS203)。
【0053】
しかしながら、この場合でもOPEN状態で無いRLが存在する場合は、HW故障が発生していると考えられるので、異常判定でのチェック終了となる(ステップS211)。この場合に、HW故障として異常判定となったIFユニットが存在する旨を外部の保守員等に通知するようにするとよい。例えば、例えばLEDを点灯させることにより「異常判定となったIFユニットが存在する旨」を外部に通知するようにしてもよい。また、運用中のIFユニットを制御して、「異常判定となったIFユニットが存在する旨」を表す外部出力を行うための接点信号を出力させることにより、上位監視端末2にその旨を通知するようにしてもよい。
【0054】
そして、RL−Aと、このRL−Aに接続されているRL−BのどちらもCLOSE状態となったままのRLの組が存在するのであれば、緊急処置として、このRLの組に対応するDIP SWで手動設定を受付けるようにする(ステップS212)。このようにすれば、RL−A並びにRL−BがCLOSE状態であっても、このDIP SWにより手動で接点信号をOPEN状態とすることができる為、外部出力信号には影響は受けない。これにより、かかるRLの組からCPU11の予期していない外部出力信号が出力されることがない。DIP SWは、例えばローカル装置の前面に配置され、保守員等により手動設定される。
【0055】
一方で、S201もしくはS203にてRLが全てOPENとなった場合(ステップS201においてYes又はステップS203においてYes)、2段構成となっているRL−A側の全て(図中では、符号を省略し、「RL−A_*」と記載する。)について、制御信号でOPEN状態とCLOSE状態を切り替えることにより、CLOSE状態とする(ステップS204)。
【0056】
そして、RL−A側の全てから、それぞれステータス信号によってステータスを取得して、取得したステータスに問題無いか否かを確認する(ステップS205)。例えば、ステップS204にてCLOSE状態とする制御信号を出力したならば、この制御信号に従って、RL−A側の全てがCLOSE状態となっているか否かを確認する。
【0057】
この時、ステップS201又はステップS203にて全てのRLをOPEN状態している為、RL−A側がCLOSE状態となっていたとしても、外部出力信号には影響は受けない。
【0058】
問題ある場合、すなわち制御信号に従った状態となっていない場合には(ステップS205においてNo)、異常判定としてチェック終了となる(ステップS211)。この場合、RL−B側がOPEN状態であるが、DIP SWの手動設定を受付けるようにしてもよい(ステップS212)。
【0059】
一方で、問題ない場合、すなわち制御信号に従った状態となっている場合には(ステップS205においてYes)、正常であるとして引き続きRL−A列を全てOPENに戻す(ステップS206)。
【0060】
そして、今度は二段構成となっているRL−B側の全て(図中では、符号を省略し、「RL_B_*」と記載する。)を対象として、ステップS204及びステップS205と同様の方法にて判定を行う(ステップS207及びステップS208)。かかる判定方法は、対象が異なるのみで、その処理内容は、ステップS204及びステップS205ステップS206と同様なので再度の説明を省略する。
【0061】
そして、問題ある場合、すなわち制御信号に従った状態となっていない場合には(ステップS208においてNo)、異常判定としてチェック終了となる(ステップS211)。この場合、RL−A側がOPEN状態であるが、DIP SWの手動設定を受付けるようにしてもよい(ステップS212)。
【0062】
一方で、問題ない場合、すなわち制御信号に従った状態となっている場合には(ステップS205においてYes)、正常判定としてチェック終了となる(ステップS210)。ここで、正常判定された待機状態のIFユニットがある場合には、ステップS101においてYesとなり、ステップS103以降の処理が行われることとなる。
【0063】
以上、
図3及び
図4のフローチャートを参照して説明した2つの処理を用いてIFユニットの定期的切り替え並びにHWチェックを実施することが出来る。故障と判断されたIFユニットについては保守員が交換を実施するがこの際ローカル装置の電源を落とす事なく容易に交換出来る。なぜならば、故障と判定する処理の過程においてRL−A側及びRL−B側の何れか側のOPEN状態なるようにして判定を行うからである。また、仮に何れのRLもCLOSE状態となるような場合には、DIP SWにより手動設定を受け付けて、接点信号が出力されないようにすることができるからである。
【0064】
<実施例>
次に、以上説明した実施形態を実装した場合の一例を、実施例として説明をする。
図5は本実施例の外観構成を表す図である。
図5に示すように、本実施例は、ローカル装置本体と、IFユニット4台とを組み合わせたローカル装置として実現される。具体的には、本実施例であるローカル装置100は、その内部にローカル装置本体(図示を省略する)を含み、その外部(例えば、装置前面)にIFユニット50a、50b、50c及び50dが接続されている。
【0065】
ローカル装置100は、
図1に示したローカル装置1と同様に上位監視端末2に接続されている。また、ローカル装置100内部のローカル装置本体は、
図2を参照して説明したローカル装置本体10と同等の構成を有している。更に、IFユニット50a、50b、50c及び50dは、
図2を参照して説明をしたIFユニット20aやIFユニット20bと同等の構成を有している。
【0066】
更に、本実施例では、保守員等に分かりやすく通知を行うためのLED(Light emitting diode)や、保守員等により簡便に作業を行うためのボタンを、その外部(例えば、装置前面)に有している。まずこれらのLEDやボタンについて説明を行う。
まず、ローカル装置100は、POWER LED101及びALARM LED102を有する。
【0067】
POWER LED101は、ローカル装置100の電源が投入されてローカル装置100が起動している状態であるときに点灯し、ローカル装置100に電源が投入されておらずローカル装置100が起動していない状態であるときに消灯する。
【0068】
ALARM LED102は、ローカル装置100が正常に動作している状態であるときに点灯し、異常が発生してローカル装置100が正常に動作していない状態であるときに消灯する。
【0069】
また、ローカル装置100は、SELECT LED103a、103b、103c及び103dを有する。これらは、末尾のアルファベットが共通するIFユニットに対応している。そして、CPU11は、稼動系として運用中のIFユニットに対応するSELECT LEDを点灯し、待機系として待機中のIFユニットに対応するSELECT LEDを消灯する。
【0070】
またローカル装置100は、HW CHECKボタン104a、104b、104c及び104dと、HW SELECTボタン103a、103b、103c及び103dを有する。これらは、末尾のアルファベットが共通するIFユニットに対応している。
【0071】
そして、何れかのHW CHECKボタンが保守員等に押下されたならば、CPU11は、
図4を参照して説明をしたIFユニットのHWチェックを実施する。つまり、本HW CHECKボタンは、保守員等が所望のタイミングでIFユニットのHWチェックを実施することを可能とするボタンである。
【0072】
また、何れかのHW SELECTボタンが保守員等に押下されたならば、CPU11は、稼動系として運用中のIFユニットを、他の待機系のIFユニットに変更する。すなわち、現在稼動系のIFユニットを新たに待機系に切り替えると共に、現在待機系のIFユニットを新たに運用系に切り替える。つまり、本HW SELECTボタンは、保守員等が所望のタイミングで、稼動系として運用中のIFユニットを変更することを可能とするボタンである。
【0073】
切り替えは
図3に記載のステップS104及びステップS105と同じ処理を行うことにより実現できる。なお、本例では、待機系のIFユニットが3つ存在することとなるので、この3つのIFユニットのなかで正常に動作しているものの何れかに切り替える。正常に動作しているIFユニットであるか否かは、
図4を参照して説明したIFユニットのHWチェックにより確認することができる。
【0074】
一方で、各IFユニットのそれぞれは、NORMAL LED51a、51b、51c及び51dと、BUSY LED52a、52b、52c及び52dを有する。これらは、末尾のアルファベットが共通するIFユニットに対応している。
【0075】
CPU11は、IFユニットが正常に動作しているならば、このIFユニットに対応するNORMAL LEDを点灯させる。一方で、CPU11は、IFユニットが異常もしくはHWチェック中ならば、このIFユニットに対応するNORMAL LEDを消灯させる。
【0076】
また、IFユニットがHWチェック中ならば、このIFユニットに対応するBUSY LEDを点灯させる。一方で、IFユニットがHWチェック中ではないならば、このIFユニットに対応するBUSY LEDを消灯させる。
【0077】
HWチェック中とは、そのIFユニットに対して
図4を参照して説明したIFユニットのHWチェック実行中ということである。また、正常に動作しているIFユニットであるか否かは、
図4を参照して説明したIFユニットのHWチェックにより確認することができる。
【0078】
以上のNORMAL LED及びBUSY LEDの点灯条件により、これらのLEDを参照した保守員等は、現在IFユニットが、通常/異常/HWチェック中、の3つの状態の内の何れの状態であるのかを認識することができる。
【0079】
また、各IFユニットのそれぞれは、STATUS LED53a、53b、53c及び53dを有する。これらは、末尾のアルファベットが共通するIFユニットに対応している。
【0080】
STATUS LEDは対応するIFユニットの外部出力がON状態であるのかOFF状態であるのかを表示するものである。例えば、IFユニットの外部出力がON状態であれば、このIFユニットに対応するSTATUS LEDを点灯させる。一方で、IFユニットの外部出力がOFF状態であれば、このIFユニットに対応するSTATUS LEDを消灯させる。つまり、STATUS LEDは、現在の外部出力状態を装置前面からも確認出来るようにするためのものである。なお、図示しているように、STATUS LEDの横には、ST1やST2といった名称が印刷されているが、この名称については運用状況に合わせてラベルを貼る等の方法で、他の名称に変更し、管理しやすいものとするとよい。
【0081】
また、各IFユニットのそれぞれは、HW異常が発生し、RL−A側、B側両方ともCLOSE状態となってしまっている場合の緊急処置としてOPEN状態にする為のDIP SW54a、54b、54c及び54dを有する。これらは、末尾のアルファベットが共通するIFユニットに対応している。かかるDIP SWは、
図2のDIP SW23a、26a、23b及び26b等に相当するものであり、
図4のステップS212のように手動設定を受け付けるためのものである。或るIFユニットに対応するNORMAL LEDが消灯しており、且つ、この或るIFユニットに対応する外部出力確認用 LED53a、53b、53c及び53dが点灯している場合、これを参照した保守員等は、HW異常が発生し、RL−A側、B側両方ともCLOSE状態であることを認識することができる。そのため、保守員等はこの或るIFユニットに対応するDIP SWをOFF側に切り替えることで、OFF設定とし、この或るIFの外部出力への影響を強制的にOFFとすることができる。
次に、
図6のフローチャートを参照して、本実施例が現地保守員による保守作業を受け付ける際の動作について説明をする。
【0082】
まず、装置前面のPOWER LED101が点灯しており、且つ、ALARM LED102が消灯しているかを保守員に確認される。すなわち、ローカル装置100自体に異常が無いことを確認される(ステップS301)。
【0083】
仮にPOWER LED101が点灯しており、且つ、ALARM LED102が消灯している状態にない場合は(ステップS301においてNo)、ローカル装置100自体に異常が発生しているので、IFユニットの交換を行うのではなく、ローカル装置100自体の検査を別途実施する必要があるが、これは
図6に説明するIFユニットに関する保守作業とは別途の作業となる。そのため、今回の説明では、詳細な説明を省略する(ステップS302)
【0084】
一方で、POWER LED101が点灯しており、且つ、ALARM LED102が消灯している場合(ステップS301においてYes)、ローカル装置100自体には異常が発生していないので、次のステップS303に進む。
【0085】
そして、SELECT LEDが消灯している(すなわち、現在待機系である)IFユニットであって、更に、NORMAL LEDが消灯しており、且つ、BUSY LED消灯しているIFユニットがあるか否かを確認する(ステップS303)。
【0086】
ステップS303の条件を満たすIFユニットがあった場合(ステップS303においてYes)、このIFユニットはHWチェック中でないにも関わらず通常状態にないIFユニットとなる。すなわち、このIFユニットは故障品なので、このIFユニットの保守員による交換を受け付ける(ステップS304)。なお、このIFユニットは待機系なので、HW SELECTボタンによる待機系と運用系の切り替えを行うことなく交換することができる。
【0087】
ただし、このIFユニットのSTATUS LEDが点灯している場合は、待機系にも関わらずRLがCLOSE状態であり、接点信号が出力されている状態なので、保守員により、取り急ぎDIP SWでOPEN状態とされてからIFユニットを交換されるようにするとよい。これは、以下の説明においてステップS304の処理を行う場合も同様である。
ステップS304でIFユニット交換を受け付けると、ステップS303に戻り保守員による確認を受ける。
ステップS303の条件を満たすIFユニットがなかった場合(ステップS303においてNo)、次にステップS305に進む。
【0088】
そして、SELECT LED消灯中のIFユニット(すなわち、待機系のIFユニット)のそれぞれについて、保守員からのHW CHECKボタンの押下を受け付ける。すると、これに応じて
図4を参照して説明したIFユニットのHWチェックを行う。そして、異常判定となった場合には(ステップS211)、このIFユニットに対応するNORMAL LEDを消灯する(ステップS305においてNORMAL LED消灯)。この場合、このIFユニットは、故障品なので、このIFユニットの保守員による交換を受け付ける(ステップS304)。なお、このIFユニットは待機系なので、HW SELECTボタンによる待機系と運用系の切り替えを行うことなく交換することができる。
【0089】
ステップS304でIFユニット交換を受け付けると、ステップS303に戻り保守員による確認を受ける、このようにして処理を繰り返すことにより順次待機系のIFユニットを交換していく。
【0090】
そして、待機系のIFユニットについて故障品が全て無くなったならば(ステップS305においてNORMAL LEDにおいて点灯が継続)、保守員からのHW SELECTボタンの押下を受け付ける(ステップS306)。すると、これに応じてIFユニットの運用状態を切り替える。具体的には、現在稼動系のIFユニットを新たに待機系とすると共に、現在待機系のIFユニットの何れかを新たに稼動系とする。
【0091】
次に、S307における切り替え前に稼動系として運用中であったIFユニットについて、保守員からのHW CHECKボタンの押下を受け付ける。すると、これに応じて
図4を参照して説明したIFユニットのHWチェックを行う。そして、異常判定となった場合には(ステップS211)、このIFユニットに対応するNORMAL LEDを消灯する(ステップS307においてNORMAL LED消灯)。この場合、このIFユニットは、故障品なので、このIFユニットの保守員による交換を受け付ける(ステップS304)。なお、このIFユニットは待機系なので、HW SELECTボタンによる待機系と運用系の切り替えを行うことなく交換することができる。
【0092】
上述の処理を行うことにより。全てのIFユニットについてNORMAL LEDとなれば(ステップS307においてNORMAL LED点灯が継続)保守作業の受け付けは完了となる。
【0093】
以上説明した本実施例によれば、各LEDによる通知を行うことから、ローカル装置付近での、保守員によるIFユニット状態管理・保守を容易とすることが可能となる、という効果を奏する。
【0094】
以上説明した本実施形態や本実施例は、信頼性を向上させることができ、更に保守性を向上させることもできる。以下、この二点について説明をする。
【0095】
<信頼性向上>
接点信号を出力する出力部分はメカである為いずれ故障が発生するが、システムとして装置を長期間保守する必要性があり信頼性の向上は必須となる。
【0096】
この点、以上説明した本実施形態や本実施例は、装置の出力部分を冗長化することにより故障発生時の切り替えが容易となる。また通常運用時に、運用に影響せずにHWチェックが可能な為、信頼性の向上に繋がる。
【0097】
<保守性向上>
保守の際にも運用を極力止めないもしくは短い時間で対応できるよう考慮する必要が有る。
【0098】
この点、以上説明した本実施形態や本実施例は、出力部分のみを冗長化し装置の電源を落として交換する等の対応を必要としない為運用に影響せず取り外し可能な構成となる。その為運用中でも上位システムに対する外部出力信号に影響することなく交換が可能となる。
【0099】
更に、以上説明した本実施形態や本実施例は、上述した信頼性や保守性の向上に加えて、以下のような効果も奏する。
【0100】
第1の効果は、運用に影響せず不良IFユニットの交換が出来ることである。
その理由は、IFユニットの冗長化並びにIFユニット内の各接点信号を2段構成としている為、稼動系以外の交換対象のIFユニットを容易に交換出来る為である。
【0101】
第2の効果は、運用中にIFユニットの動作チェックが外部出力に影響せず出来ることである。
その理由は、各接点信号を2段構成としている為、片側の接点CLOSE/OPENを確認する際にもう片側をOPEN状態とすることで外部出力信号に影響を与えずHWチェックを実施することが出来る為である。
【0102】
なお、上記のローカル装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のローカル装置により行われる接点管理方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0103】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0104】
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0105】
例えば、上述した説明では、1つの信号について2段のRLを設けるようにしていたが、これを更に増加してM段(Mは任意の自然数)のRLを設けるようにしてもよい。
また、上位監視端末に通知を行うローカル装置以外の装置により本実施形態を実現するようにしてもよい。
【0106】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0107】
(付記1) 接点信号を出力するために複数段に接続された複数の接点を備えた接点信号出力手段と、
前記接点信号出力手段の備える複数の接点の内の、少なくとも何れか1つの接点を切り替えて、該接点からは接点信号が出力されない状態としてから、他の接点について正常であるか否かの判定を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする接点管理装置。
【0108】
(付記2) 前記接点信号出力手段を複数備えると共に、
前記複数の接点信号出力手段それぞれが出力する接点信号を入力し、該入力した複数の接点信号を重畳して外部に出力する前記外部出力手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記複数の接点信号出力手段の内の、何れかの接点信号出力手段に前記外部出力手段への接点信号の出力を行わせる一方で、他の接点信号出力手段には前記外部出力手段への接点信号の出力を中止させた上で、前記他の接点信号出力手段を対象として前記判定を行うことを特徴とする付記1に記載の接点管理装置。
【0109】
(付記3) 前記制御手段は、前記接点信号出力手段の使用に伴い増加する値が閾値を超えたか否かを周期的に確認し、前記接点信号出力手段の使用に伴い増加する値が閾値を超えたのであれば、該接点信号出力手段に前記外部出力手段への接点信号の出力を中止させる一方で、該接点信号出力手段以外の接点信号出力手段に前記外部出力手段への接点信号の出力を行わせることを特徴とする付記2に記載の接点管理装置。
【0110】
(付記4) 前記接点信号出力手段のそれぞれは、接点信号を出力するために複数段に接続された複数の接点として、前記外部出力手段に直接接点信号を出力する第1接点と、前記第1接点に接点信号を出力する第2接点とを備えており、
前記制御手段は、前記判定を行う対象とした接点信号出力手段の前記第1接点及び前記第2接点の双方を切り替えて、該双方の接点から接点信号が出力されない状態とすることを試みたが、前記第1接点及び前記第2接点の内の少なくとも何れかの接点について、接点信号が出力されない状態とならなかった場合に該接点信号出力手段が正常ではないと判定することを特徴とする付記1乃至3の何れか1に記載の接点管理装置。
【0111】
(付記5) 前記制御手段は、前記判定の対象とした接点信号出力手段の前記第1接点及び前記第2接点の双方を切り替えて、該双方の接点から接点信号が出力されない状態とすることを試みた場合に、該双方の接点から接点信号が出力されない状態となったのならば、一方の接点について前記判定を行い、その後該一方の接点から接点信号が出力されない状態としてから他方の接点について前記判定を行うことを特徴とする付記4に記載の接点管理装置。
【0112】
(付記6) 前記接点信号出力手段は、前記判定の結果に基づいて、当該接点管理装置から脱着可能であることを特徴とする付記1乃至5の何れか1に記載の接点管理装置。
【0113】
(付記7) 前記接点信号出力手段が正常に動作できる状態であるか否かを外部に通知する第1通知手段と、
前記接点信号出力手段が前記判定の対象となっており判定中であるため正常に動作できない状態であるか否かを外部に通知する第2通知手段と、
を更に備えることを特徴とする付記1乃至6の何れか1に記載の接点管理装置。
【0114】
(付記8) 前記接点信号出力手段が接点信号を出力している状態であるか否かを外部に通知する第3通知手段と、
前記接点信号出力手段による接点信号の出力を禁止するための手動設定手段と、
を更に備えることを特徴とする付記1乃至7の何れか1に記載の接点管理装置。
【0115】
(付記9) 付記1乃至8の何れか1に記載の接点管理装置を備えた通知装置であって、
前記判定の対象となっており判定中である接点信号出力手段以外の接点信号出力手段が出力する接点信号により、所定の情報を外部装置に通知することを特徴とする通知装置。
【0116】
(付記10) 接点信号を出力するために複数段に接続された複数の接点を備えた接点信号出力手段を備えたコンピュータを接点管理装置として機能させる接点管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記接点信号出力手段の備える複数の接点の内の、少なくとも何れか1つの接点を切り替えて、該接点からは接点信号が出力されない状態としてから、他の接点について正常であるか否かの判定を行う接点管理装置として機能させることを特徴とする接点管理プログラム。
【0117】
(付記11) 接点状態で出力するステータス・異常信号を高い信頼性で監視システムに提供するローカル装置。
【0118】
(付記12) 運用に影響せずに外部出力部であるIFユニットの自己診断が出来るローカル装置。
【0119】
(付記13) HW不良を発生しやすい外部出力部であるIFユニットを運用に影響を及ぼさず容易に交換することが出来るローカル装置。