特許第6560175号(P6560175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560175
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20190805BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20190805BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20190805BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20190805BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   H01L27/04 H
   H01L21/88 S
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-178970(P2016-178970)
(22)【出願日】2016年9月13日
(65)【公開番号】特開2018-46116(P2018-46116A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2018年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】寺口 貴之
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−033837(JP,A)
【文献】 特開2008−218566(JP,A)
【文献】 特開2004−320047(JP,A)
【文献】 特開2003−309130(JP,A)
【文献】 特表2007−537604(JP,A)
【文献】 特開2003−051543(JP,A)
【文献】 特開2003−133421(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/095655(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/522
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層に設けられ、高周波信号を通過または遮断するFET(Field Effect Transistor)と、
前記FETの上方に設けられた信号配線または端子と、
前記FETと前記信号配線または前記端子との間に設けられ、前記半導体層の表面と平行の平面上に配列された複数の導体とを備え、
前記平面上において、前記複数の導体の辺の長さは、前記FETのゲート長方向に対して垂直方向における該FETの幅よりも小さく、
前記複数の導体は、前記半導体層の表面上方から見たときに、前記FETと前記信号配線との重複領域全体に配置されている、半導体装置。
【請求項2】
半導体層に設けられ、高周波信号を通過または遮断するFET(Field Effect Transistor)と、
前記FETの上方に設けられた信号配線または端子と、
前記FETと前記信号配線または前記端子との間に設けられ、前記半導体層の表面と平行の平面上に配列された複数の導体とを備え、
前記平面上において、前記複数の導体の辺の長さは、前記FETのゲート長方向に対して垂直方向における該FETの幅よりも小さく、
前記複数の導体は、前記平面上にマトリクス状に配置されている、半導体装置。
【請求項3】
前記複数の導体は、電気的に浮遊状態である、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数の導体は、
前記半導体層の表面と平行の第1平面上に配列された複数の第1導体と、
前記半導体層の表面と平行でありかつ前記第1平面と前記信号配線または前記端子との間にある第2平面上に配列された複数の第2導体とを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1平面上における前記複数の第1導体間の間隔は、前記第2平面上における前記複数の第2導体間の間隔よりも狭い、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1平面上における前記複数の第1導体の大きさは、前記第2平面上における前記複数の第2導体の大きさよりも小さい、請求項4または請求項5に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末等のような移動体通信機器は、マルチバンド化が進んでおり、キャリアアグリゲーション方式やMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)方式等を用いて複数の高周波信号を同時に送受信可能な場合がある。このような移動体通信機器に用いられる高周波スイッチ回路は、多数の高周波信号を同時にスイッチングするために複雑化しており、尚且つ、小型化することが望まれている。一方、高周波スイッチ回路を小型化すると、素子や配線等の容量結合により、高周波数信号の漏洩や劣化が問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−173227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小型化に優れ、かつ、高周波数信号の漏洩や劣化を抑制可能な半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体装置は、半導体層に設けられ、高周波信号を通過または遮断するFETを備える。信号配線または端子は、FETの上方に設けられている。複数の導体は、FETと信号配線または端子との間に設けられ、半導体層の表面と略平行の平面上に配列されている。平面上において、複数の導体の辺の長さは、FETのゲート長方向に対して垂直方向の該FETの幅よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態による高周波送受信回路1の構成例を示す図。
図2】第1実施形態によるRFスイッチ回路5の構成例を示すレイアウト図。
図3】第1実施形態によるRFスイッチ回路5の一部分の構成を示す断面図。
図4】第1実施形態によるRFスイッチ回路5の他の部分の構成を示す断面図。
図5】スルースイッチTHm、導体51、信号配線61の配置関係の一例を示すレイアウト図。
図6図5の一部の拡大図。
図7】FET31の一部を示す平面レイアウト図。
図8】RFスイッチ回路の特性を示すグラフ。
図9】第2実施形態によるRFスイッチ回路5の構成例を示す断面図。
図10】第1および第2導体52、53の配置関係を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による高周波送受信回路1の構成例を示す図である。高周波送受信回路1は、高周波信号を送受信する電気機器に用いることができ、例えば、携帯電話、スマートフォン、無線タブレット、無線ルータなどの移動体通信端末、あるいは、無線基地局、無線アクセスポイントに適用することができる。高周波送受信回路1は、1つの半導体チップとして構成されていてもよく、あるいは、複数の半導体チップで構成されたモジュールとして構成されていてもよい。
【0009】
高周波送受信回路1は、電源回路2と、レギュレータ回路3と、ロジック回路4と、RFスイッチ回路5とを備える。電源回路2は、外部の電源Vddを受けてレギュレータ回路3およびロジック回路4に給電する。レギュレータ回路3は、電源回路2からの電源電圧を所定電圧に制御してロジック回路4に与える。ロジック回路4は、制御信号Vc[n]に基づいて、RFスイッチ回路5のスイッチを制御するために制御信号Con1A〜Con8A、Con1B〜Con8BをRFスイッチ回路5へ送る。RFスイッチ回路5は、制御信号Con1A〜Con8A、Con1B〜Con8Bに従って、ポートRF1〜RF8のいずれかから受け取った高周波信号を共通ポートCOMへスイッチング制御する。あるいは、RFスイッチ回路5は、制御信号Con1A〜Con8A、Con1B〜Con8Bに従って、共通ポートCOMから受け取った高周波信号をポートRF1〜RF8のいずれかから出力する。即ち、RFスイッチ回路5は、所謂、SPnT(Single-Port n-Throw)スイッチである。RFスイッチ回路5は、SPnTスイッチに限定されず、他の構成のスイッチであってもよい。ポートRF1〜RF8は、アンテナ(図示せず)に接続されており、高周波信号を送受信することができる。
【0010】
図2は、第1実施形態によるRFスイッチ回路5の構成例を示すレイアウト図である。本実施形態において、RFスイッチ回路5は、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板上に設けられており、1つの半導体チップとして構成されている。
【0011】
RFスイッチ回路5は、スルースイッチ(スルーFET(Field Effect Transistor))TH1〜TH8と、シャントスイッチ(シャントFET)SH1〜SH5と、電源配線WIRpow、WIR1〜WIR6と、入力バンプBMPin1〜BMPin3と、出力バンプBMPout1〜BMPout4と、グランドバンプBMPgndと、電源バンプBMPpowとを備えている。
【0012】
スルースイッチTH1〜TH8は、入力バンプBMPin1〜BMPin3と出力バンプBMPout1〜BMPout4との間に直列に接続された複数のFETを含む。これにより、スルースイッチTH1〜TH8は、入力バンプBMPin1〜BMPin3と出力バンプBMPout1〜BMPout4との間で高周波信号を伝送または遮断することができる。
【0013】
例えば、スルースイッチTH1は、入力バンプBMPin1と出力バンプBMPout1との間に接続された複数のFETを含む。これにより、スルースイッチTH1は、入力バンプBMPin1と出力バンプBMPout1との間で高周波信号を伝送または遮断する。同様に、スルースイッチTH2〜TH4は、それぞれ、入力バンプBMPin1と出力バンプBMPout2〜BMPout4との間に接続された複数のFETを含む。これにより、スルースイッチTH2〜TH4は、それぞれ、入力バンプBMPin1と出力バンプBMPout2〜BMPout4との間で高周波信号を伝送または遮断する。さらに、スルースイッチTH5〜TH8は、それぞれ、入力バンプBMPin2と出力バンプBMPout1との間、入力バンプBMPin2と出力バンプBMPout2との間、入力バンプBMPin3と出力バンプBMPout3との間、並びに、入力バンプBMPin2と出力バンプBMPout4との間で高周波信号を伝送または遮断する。
【0014】
シャントスイッチSH1〜SH5は、入力バンプBMPin1〜BMPin3または出力バンプBMPout1〜BMPout2とグランドバンプBMPgndとの間に直列に接続された複数のFETを含む。これにより、シャントスイッチSH1〜SH5は、入力バンプBMPin1〜BMPin3または出力バンプBMPout1〜BMPout2のいずれかをグランドバンプBMPgndに短絡(シャント)することができる。
【0015】
例えば、シャントスイッチSH1は、入力バンプBMPin1とグランドバンプBMPgndとの間に接続された複数のFETを含む。これにより、シャントスイッチSH1は、入力バンプBMPin1をグランドバンプBMPgndにシャントすることができる。同様に、シャントスイッチSH2〜SH5は、それぞれ、入力バンプBMPin2、入力バンプBMPin3、出力バンプBMPout1、出力バンプBMPout2、出力バンプBMPout3とグランドバンプBMPgndとの間に接続された複数のFETを含む。これにより、シャントスイッチSH2〜SH5は、それぞれ、入力バンプBMPin2、入力バンプBMPin3、出力バンプBMPout1、出力バンプBMPout2、出力バンプBMPout3をグランドバンプBMPgndにシャントすることができる。
【0016】
信号配線WIR1は、入力バンプBMPin1とスイッチTH1〜TH4、SH1との間を接続する。信号配線WIR2は、出力バンプBMPout4とスルースイッチTH8との間を接続する。信号配線WIR3は、出力バンプBMPout3、BMPout4とスイッチTH3、TH7との間を接続する。信号配線WIR4は、出力バンプBMPout2とスイッチTH2との間を接続する。信号配線WIR5は、入力バンプBMPin2とスイッチTH5、TH6との間を接続する。信号配線WIR6は、出力バンプBMPout1とスイッチTH5との間を接続する。尚、RFスイッチ回路5はその他の信号配線等も含むが、ここではその説明を省略する。
【0017】
入力バンプBMPin1〜BMPin3または出力バンプBMPout1〜BMPout4のいずれか一方が図1のポートCOM側に接続され、他方がポートRF1〜RF8側に接続される。尚、図2のバンプの個数は図1のポートの個数と適合していないが、図1および図2は便宜的に示した一例であり、バンプの個数とポートの個数とが適合するように任意に設計してよい。
【0018】
図2に示すレイアウトでは、入力バンプBMPin1〜BMPin3、出力バンプBMPout1〜BMPout4、または、それらのバンプを接続する配線は、スルースイッチまたはシャントスイッチの上方に配置されている。例えば、図2の破線円C1において、出力バンプBMPout2は、スルースイッチTH6の一部の上方に設けられている。また、破線円C2において、信号配線WIR2は、スルースイッチTH7の上方に設けられている。
【0019】
このように、バンプや配線等をスルースイッチやシャントスイッチの上方に配置することによって、RFスイッチ回路5全体の大きさを小さくすることができる。しかし、一方で、バンプや配線等をスルースイッチやシャントスイッチの上方に配置すると、バンプまたは配線とスルースイッチまたはシャントスイッチとの間の容量結合が大きくなり、高周波数信号の漏洩や劣化が問題となる。
【0020】
そこで、本実施形態によるRFスイッチ回路5は、スルースイッチTH1〜TH8またはシャントスイッチSH1〜SH5と入力バンプBMPin1〜BMPin3または出力バンプBMPout1〜BMPout4との間、並びに/あるいは、スルースイッチTH1〜TH8またはシャントスイッチSH1〜SH5と信号配線WIR1〜WIR6との間に複数の導体50、51を設けている。導体50、51についは、図3および図4を参照して説明する。
【0021】
図3は、第1実施形態によるRFスイッチ回路5の一部分の構成を示す断面図である。RFスイッチ回路5は、例えば、SOI基板上に設けられている。SOI基板は、基板10と、基板10上に設けられた絶縁膜11と、絶縁膜11上に設けられた半導体層12とを備えている。基板10には、例えば、シリコン基板等の半導体基板を用いている。絶縁膜11には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料を用いている。半導体層12には、例えば、シリコン層等の半導体材料を用いている。
【0022】
RFスイッチ回路5は、配線20、21と、複数のFET30と、コンタクトプラグ40と、複数の導体50と、信号配線60と、バンプ70と、層間絶縁膜ILD1〜ILD5とを備えている。
【0023】
FET30は、半導体層12上に設けられ、高周波信号を通過または遮断する。複数のFET30は、配線20と21との間に直列に接続されており、1つのスルースイッチTHn(nは整数(例えば、n=6))を成している。
【0024】
配線20は、半導体層12上に設けられており、スルースイッチTHnをコンタクトプラグ40に電気的に接続している。配線21は、半導体層12上に設けられており、スルースイッチTHnを他の素子(図示せず)に電気的に接続している。スルースイッチTHnおよび配線20、21は、層間絶縁膜ILD1、ILD2によって被覆されている。配線20、21には、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。
【0025】
コンタクトプラグ40は、層間絶縁膜ILD1〜ILD4内に設けられており、信号配線60と配線20との間を電気的に接続している。コンタクトプラグ40には、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。
【0026】
信号配線60は、層間絶縁膜ILD4上に設けられており、スルースイッチTHnに含まれる少なくとも一部のFET30の上方に設けられている。信号配線60には、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。
【0027】
端子としてのバンプ70は、信号配線60上に設けられており、信号配線60と同様に、スルースイッチTHnに含まれる少なくとも一部のFET30の上方に設けられている。即ち、信号配線60およびバンプ70は、半導体層12の上方から見たときにスルースイッチTHnに重複している。バンプ70には、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。
【0028】
複数の導体50は、FET30と信号配線60またはバンプ70との間に設けられ、半導体層12の表面と略平行の平面上に配列されている。導体50には、信号配線60、バンプ70等と同様に、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。導体50は、電気的に浮遊状態であり、他の素子から電気的に絶縁されている。また、隣接する導体50同士も電気的に絶縁されている。導体50の平面配置および構成については後でより詳細に説明する。
【0029】
層間絶縁膜ILD1〜ILD5は、バンプ70より下層の各構成要素を被覆している。層間絶縁膜ILD1〜ILD5は、例えば、ポリイミド等の絶縁材料を用いている。
【0030】
図3に示す構成では、バンプ70とスルースイッチTHnとは電気的に接続されている。従って、スルースイッチTHnは、バンプ70からの高周波信号あるいはバンプ70への高周波信号を通過または遮断(スイッチング)する。即ち、バンプ70および信号配線60を通過する高周波信号は、スルースイッチTHnを通過する高周波信号と同じ信号である。例えば、図2の破線円C1の構成は、図3に示す構成に類似する。
【0031】
図4は、第1実施形態によるRFスイッチ回路5の他の部分の構成を示す断面図である。RFスイッチ回路5は、配線22、23と、複数のFET31と、複数の導体51と、信号配線61と、層間絶縁膜ILD1〜ILD5とを備えている。
【0032】
FET31は、FET30と同様の構成を有する。複数のFET31は、配線22と23との間に直列に接続されており、1つのスルースイッチTHm(mは整数(例えば、m=7))を成している。
【0033】
配線22、23は、半導体層12上に設けられており、スルースイッチTHmを他の素子(図示せず)に電気的に接続している。スルースイッチTHmおよび配線22、23は、層間絶縁膜ILD1、ILD2によって被覆されている。配線22、23は、配線20、21と同様に、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。
【0034】
信号配線61は、層間絶縁膜ILD4上に設けられており、スルースイッチTHmに含まれる少なくとも一部のFET31の上方に設けられている。即ち、信号配線61は、半導体層12の上方から見たときに、スルースイッチTHmと重複している。信号配線61には、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。
【0035】
複数の導体51は、FET31と信号配線61との間に設けられ、半導体層12の表面と略平行の平面上に配列されている。導体51には、信号配線61、バンプ70等と同様に、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。導体51は、電気的に浮遊状態であり、他の素子から電気的に絶縁されている。また、隣接する導体51同士も電気的に絶縁されている。導体51の構成については後でより詳細に説明する。
【0036】
層間絶縁膜ILD1〜ILD5は、上記構成要素を被覆している。層間絶縁膜ILD1〜ILD5には、例えば、ポリイミド等の絶縁材料を用いている。
【0037】
図4に示す構成では、バンプ70およびコンタクトプラグ40が設けられていない。従って、スルースイッチTHmは、信号配線61を通過する高周波信号とは異なる高周波信号を通過または遮断(スイッチング)する。即ち、スルースイッチTHmと信号配線61とは、異なる周波数の信号を異なるタイミングで通過させる場合がある。例えば、図2の破線円C2の構成は、図4に示す構成に類似する。
【0038】
次に、導体50の構成について説明する。
【0039】
図5は、スルースイッチTHm、導体51、信号配線61の配置関係の一例を示すレイアウト図である。尚、図5は、図4に示す導体51の配置を示しているが、図3に示す導体50についても同様である。この場合、信号配線61に代えて、信号配線60またはバンプ70が導体51上に設けられているものと考えればよい。
【0040】
スルースイッチTHmは、直列に接続された複数のFET31を備える。図5では、スルースイッチTHmは4個のFET31を含むが、スルースイッチTHmは3個以下、または5個以上のFET31を含んでいてもよい。
【0041】
複数の導体51は、図5の破線枠内にマトリクス状に二次元配置されている。導体51は、半導体層12の表面上方から見た平面レイアウトにおいて、FET31と信号配線61との重複領域全体に配置されている。即ち、FET31と信号配線61とが導体51無しに直接対向している領域は小さく、FET31と信号配線61との対向領域のほとんどは、導体51を介して対向している。勿論、導体51は、FET31と信号配線61との重複領域以外の領域にも配置してよい。例えば、導体51は、スルースイッチTHm全体の上方に配置されていてもよい。
【0042】
図6は、図5の一部の拡大図である。尚、図6では、信号配線61の表示を省略している。
【0043】
図6に示すように、各導体51は、半導体層12の表面と略平行な平面において略四角形、長方形、多角形等の形状を有する。複数の導体51は、該平面上において第1方向D1に略直線状に配列され、該第1方向に直交する第2方向D2において曲線状あるいは第2方向D2に対して傾斜方向に配列されている。これにより、高周波信号が、隣接する導体51間を第2方向D2に通過するような、所謂、導波管効果を抑制することができる。
【0044】
また、導体51の一辺の長さD51は、FET31のD1方向の幅Dfetよりも小さい。ここで、幅Dfetについて説明する。図7は、FET31の一部を示す平面レイアウト図である。FET31は、D2方向に延伸するソース電極Sおよびドレイン電極Dを備える。また、FET31は、ソース電極SからD1方向に延伸する複数のソース層(以下、ソースフィンガーともいう)Fsと、ドレイン電極DからD1方向に延伸する複数のドレイン層(以下、ドレインフィンガーともいう)Fdとをさらに備えている。ソースフィンガーFsおよびドレインフィンガーFdは、それぞれソース電極Sおよびドレイン電極Dから互いに対向する方向に延伸している。即ち、ソース電極SおよびソースフィンガーFsは櫛状に形成され、ドレイン電極DおよびドレインフィンガーFdも櫛状に形成されている。ソース側の櫛とドレイン側の櫛は、向き合って互い違いに配置されている。FET31は、さらに、ソースフィンガーFsとドレインフィンガーFdとの間に配置されたゲート電極Gを備えている。ゲート電極Gは、共通に制御され、FET31を1つのスイッチとして機能させる。従って、FET31のゲート長(チャネル長)方向は、D2方向となる。また、幅Dfetは、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間の距離、ソースフィンガーFsのD1方向の長さ、ドレインフィンガーFdのD1方向の長さ、あるいは、ゲート電極GのD1方向の長さのいずれかにほぼ等しい。導体51の一辺の長さD51は、FET31の幅Dfetより小さいので、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間の距離、ソースフィンガーFsのD1方向の長さ、ドレインフィンガーFdのD1方向の長さ、あるいは、ゲート電極GのD1方向の長さよりも小さいと言うことができる。より好ましくは、導体51の一辺の長さD51は、信号配線61のD1方向の幅の1/5以下である。
【0045】
一方、導体51の平面レイアウト上の大きさの下限は特にない。従って、導体51の一辺の長さD51は、FET31の幅Dfetより小さければよい。図4に示す導体51の構成だけでなく、図3に示す導体50の構成についても同様のことが言える。また、導体50、51は、スルースイッチだけでなく、シャントスイッチにも適用してもよい。尚、導体50、51の平面形状は、四角形、長方形、多角形等でもよく、また、円形、楕円形等であってもよい。導体50、51の平面形状は、それぞれ同一形状および同一面積を有してもよいが、必ずしも、同一形状および同一面積を有している必要は無い。また、導体50、51は、平面レイアウトにおいて規則的に配列しているが、必ずしも規則的に配列している必要は無く、ランダムに配列していてもよい。
【0046】
導体50、51は、次のように形成される。まず、半導体層12上にFET30、31を形成し、層間絶縁膜ILD1、ILD2を形成する。次に、導体50、51の材料層(例えば、アルミニウムまたは銅等)を堆積する。次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、導体50、51の材料層を加工する。これにより、導体50、51が所望の平面レイアウトにパターニングされる。次に、層間絶縁膜ILD3を導体50、51上に堆積することによって、導体50、51が層間絶縁膜ILD3内に埋め込まれる。その後、層間絶縁膜ILD4,コンタクトプラグ40、層間絶縁膜ILD5、配線60、61、バンプ70を形成する。これにより、RFスイッチ回路5が完成する。
【0047】
以上のように、本実施形態によるRFスイッチ回路5は、スルースイッチTHn、THmのFET30、31と信号配線60、61との間に配置された複数の導体50、51を備える。
【0048】
もし、導体50、51が設けられていない場合、FET30、31と信号配線60,61との容量結合が局所的に強くなる。このため、信号配線60、61を通過する高周波信号がFET30、31に漏洩するおそれがある。また、FET30、31のオフ容量が増大してしまうおそれがある。この場合、RFスイッチ回路5のアイソレーション特性、耐圧特性あるいは歪特性が劣化するおそれがある。
【0049】
これに対し、本実施形態によるRFスイッチ回路5は、FET30、31と信号配線60、61とは、複数の導体50、51を介して容量結合される。即ち、FET30、31と信号配線60、61とは、直接に容量結合されず、導体50、51を介して間接的に容量結合される。FET30、31と信号配線60、61との間の容量結合は、FETの幅Dfetよりも小さい一辺を有する複数の導体50、51によって、半導体層12の表面方向に均等に分散される。例えば、信号配線60、61を通過する高周波信号の影響は、複数の導体50、51によってより均等に分散される。このように、導体50、51は、FET30、31と信号配線60、61との容量結合を半導体層12の表面方向により均等に分散(緩和)し、高周波信号の影響がFET30、31の一部に局所的に与えられることを抑制することができる。
【0050】
なお、複数の導体50、51の各々は電気的に浮遊状態である。導体50、51は、FET30、31と信号配線60、61との対向領域全体に分散配置されている(ちりばめられている)。これにより、FET30、31と信号配線60、61との容量結合の分散効果が向上し、かつ、FET同士あるいは信号配線同士の容量結合を抑制することができる。
【0051】
例えば、もし、複数の導体50、51が互いに電気的に接続されており1つの導体層を構成する場合、スルースイッチTHn、THm内の隣接する複数のFET30、31が導体層を介して容量結合してしまう。この場合、スルースイッチTHn、THmの耐圧が低下するおそれがある。
【0052】
これに対し、本実施形態によるRFスイッチ回路5は、比較的小さな浮遊状態 の導体50、51を、FET30、31と信号配線60、61との対向領域全体に分散配置している。これにより、隣接する複数のFET同士の容量結合を抑制することができ、スルースイッチTHn、THmの耐圧の低下を抑制することができる。
【0053】
図8は、RFスイッチ回路の特性を示すグラフである。縦軸は、3次高調波の大きさ(dBm)を示す。横軸は、入力信号の電力(dBm)を示す。ラインL0が従来のRFスイッチ回路のアイソレーション特性および耐圧特性を示す。ラインL1が本実施形態によるRFスイッチ回路5のアイソレーション特性および耐圧特性を示す。
【0054】
ラインL0とL1を比較して分かるように、本実施形態によるRFスイッチ回路5では、信号配線60、61とオフ状態のFET30、31との容量結合が半導体層12の表面方向に分散されることによって、複数段のFET30、31の一部に集中していた対地寄生容量が複数段のFET30、31の全体に平均化される。複数段のFET30、31において対地寄生容量の偏りは高調波発生の原因となるため、該対地寄生容量平均化によりスルースイッチTHn、THmに進入する3次高調波が減少する。これにより、本実施形態によるRFスイッチ回路5では、歪特性が改善している。また、従来のRFスイッチ回路の耐圧特性Pin0に対して、本実施形態によるRFスイッチ回路5の耐圧特性Pin1が高くなっている。即ち、本実施形態によるRFスイッチ回路5では、耐圧特性も向上している。
【0055】
以上のように、本実施形態によるRFスイッチ回路5は、信号配線60、61およびバンプ70をスルースイッチやシャントスイッチの上方に配置しても、RFスイッチ回路5の特性劣化を抑制することができる。その結果、本実施形態によるRFスイッチ回路5は、小型化に優れ、かつ、高周波数信号の漏洩や劣化を抑制することができる。
【0056】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態によるRFスイッチ回路5の構成例を示す断面図である。第2実施形態は、図3および図4に示す構成(C1、C2)の両方に適用可能である。しかし、ここでは、第2実施形態を図4に示す構成(C2)に適用した場合を説明し、図3に示す構成(C1)に適用した場合の説明を省略する。
【0057】
第2実施形態によるRFスイッチ回路5は、複数の第1導体52と、複数の第2導体53とをさらに備えている。即ち、RFスイッチ回路5は、導体52、53を複数の層として有する。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。
【0058】
複数の第1導体52は、FET31と信号配線61との間に設けられ、半導体層12の表面と略平行の第1平面P52内に配列されている。第1導体52には、信号配線61、バンプ70等と同様に、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。第1導体52は、電気的に浮遊状態であり、他の素子から電気的に絶縁されている。また、隣接する第1導体52同士も電気的に絶縁されている。
【0059】
複数の第2導体53は、第1導体52と信号配線61との間に設けられ、半導体層12の表面と略平行の第2平面P53内に配列されている。第2導体53には、第1導体52と同様に、例えば、アルミニウム、銅等の低抵抗金属材料を用いている。第2導体53は、電気的に浮遊状態であり、他の素子から電気的に絶縁されている。また、隣接する第2導体53同士も電気的に絶縁されている。
【0060】
このように、第2実施形態では、複数の第1導体52の設けられた平面とは異なる平面に複数の第2導体53が設けられている。即ち、FET31と信号配線61との間の容量結合は、複数の第1導体52と複数の第2導体53とによって、半導体層12の表面方向により均一に分散される。これにより、信号配線61の高周波信号の影響がFET31の一部に局所的に与えられることを抑制することができる。
【0061】
尚、第1および第2導体52、53の構成および平面レイアウトは、第1実施形態の導体50、51と同じでよい。即ち、導体52、53の平面形状は、四角形、長方形、多角形、円形、楕円形等でよい。導体52、53の平面形状は、それぞれ同一形状および同一面積を有してもよいが、必ずしも、同一形状および同一面積を有している必要は無い。しかし、第1平面P52内における第1導体52の大きさは、第2平面P53内における第2導体53の大きさよりも小さい方が好ましい。FET31に近い第1導体52の大きさを小さくすることによって、隣接するFET31間における第1導体52を介した容量結合をさらに抑制することができるからである。また、導体52、53は、平面レイアウトにおいて規則的に配列しているが、必ずしも規則的に配列している必要は無く、ランダムに配列していてもよい。
【0062】
例えば、図10は、第1および第2導体52、53の配置関係を示す平面図である。第1導体52は、第1平面P52内において第1方向D1に略直線状に配列され、第2方向D2において曲線状または該第2方向D2に対して傾斜方向に配列されている。また、第2導体53は、第2平面P53内において第1方向D1に略直線状に配列され、第2方向D2において曲線状または該第2方向D2に対して傾斜方向に配列されている。
【0063】
ここで、第1導体52の第1平面P52内における大きさは、第2平面P53内における第2導体53の大きさよりも小さい。これにより、隣接するFET31間における容量結合を抑制することができる。
【0064】
さらに、第1平面P52内における複数の第1導体52間の間隔は、第2平面P53内における複数の第2導体53間の間隔よりも狭い。例えば、図10では、第1導体52の配列ピッチは、第2導体53の配列ピッチよりも狭い。このように、比較的小さな第1導体52を狭ピッチで配置することによって、FET31と信号配線61との容量結合の分散効果をさらに向上させることができる。
【0065】
第2実施形態は、第1および第2導体52、53からなる2つの導体層(シールド層)を備えている。しかし、導体層の数は、特に限定せず、3層以上であってもよい。これにより、FET31と信号配線61との容量結合の分散効果をさらに向上させることができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
1・・・高周波送受信回路、5・・・RFスイッチ回路、TH1〜TH8・・・スルースイッチ、SH1〜SH5・・・シャントスイッチ、10・・・基板、11・・・絶縁膜、12・・・半導体層、20、21・・・配線、30、31・・・FET、40・・・コンタクトプラグ、50〜53・・・導体、60、61・・・信号配線、70・・・バンプ、ILD1〜ILD5・・・層間絶縁膜
図1
図2
図3
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図8
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図10