(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記紫外線光源は、前記ハウジングに枢動可能に装着されて、前記ハウジング上でスクリーンの装填と除去を行うための上位置と、印刷後に前記スクリーンを紫外線に露光させるための下位置とから移動できる、請求項1に記載の装置。
前記スクリーン支持構造体と、前記インクジェットプリントアプリケータ及び前記紫外線光源の双方との間の相対運動の1回の通過中に、スクリーンに印刷でき、前記スクリーンを紫外線に露光させることができるように、前記インクジェットプリントアプリケータと前記紫外線光源とが前記ハウジング上に位置付けられている、請求項1に記載の装置。
前記スクリーン支持構造体上のスクリーンを、前記インクジェットプリントアプリケータと位置揃えするための、前記ハウジング上の見当合わせシステムを更に備える、請求項1に記載の装置。
前記スクリーンが前記スクリーン支持構造体上に存在している時且つ前記紫外線遮断剤が前記紫外線感光乳剤塗布膜に塗布された後に、前記スクリーン支持構造体と前記紫外線光源の間の第2の相対運動を提供するステップを更に含む、請求項15に記載の方法であって、前記第2の相対運動ステップ中に、前記紫外線光源に対する前記紫外線感光塗布膜及び前記紫外線遮断剤の前記露光が発生する、方法。
【背景技術】
【0004】
衣類及び他の布に恒久的に施された表示物の人気が非常に高まっている。現在では、ロゴ、スローガン、大学名、スポーツチーム名、格言等のデザイン性に富む表示物がよく見られる。その結果、スクリーン印刷が大いに普及した。今日では、大型の商業運転によりスクリーン印刷された布が一般に見られる。
【0005】
表示物の色は一色以上にすることができる。一般に、スクリーン印刷機は、使用する色ごとに少なくとも1つのステーションを有する。例えば二色を採用したデザインの場合、少なくとも2つの印刷ステーションを有する(各色に1つのステーション)。8色を使用するデザインの場合、少なくとも8つのステーションを有することになる。一般に、各ステーションは印刷ヘッドを備え、この印刷ヘッドが単一スクリーンと、当該スクリーンで使用するインクと、布にインクを塗布する機構とを支持する。各色は単一のスクリーンに保持される。スクリーン印刷する布を印刷ステーション間で移動するには、チェーン、剛性アーム等の幾つかの方法のいずれかを用いる。通常は、金属パレット、パレット支持体、フラットベッド、又はプラテンで布を保持する。一般的な印刷機には、タレット型、オーバル型、リニア型等がある。印刷ステーションに加えて、布又は被印刷体に置かれたインクを加熱し固定するための硬化ステーションが存在する場合もある。
【0006】
印刷用スクリーンを準備する一般的工程は次の通りである。
【0007】
第一に、図版を用意する。ポジフィルムの形にされた図版をレイアウト盤に固定する。次に、キャリアシート(光学的に透明なポリエステルフィルム)をレイアウト盤に配置する。個人が、手作業で図版を1枚以上のキャリアシートに転写することにより色を分解する。この分解/転写工程において、各キャリアシートが、最終的に網掛けされた布で使われる個々の色を表す。したがって、6色を網掛けする場合は6枚のキャリアシート(分解図版)を完成させることになる。
【0008】
第二に、模様が描かれたスクリーンを(色ごと又はプリントヘッドごとに1つずつ)作成する。従来工程を用いて、スクリーンに表示物又はデザインを形成する。一般に、スクリーンのメッシュを紫外線感光乳剤で覆い、真空露光ユニットに挿入する(真空露光ユニットは、基本的に、光源、真空源、カバー、これらの間に設けられた台を有する)。光源とスクリーンの間にキャリアシートが配置されるように、各キャリアシートと、予め張られ乳剤で覆われたスクリーンとを位置揃えする。カバーを閉じ、スクリーン/キャリアシートの組み合わせを真空に当てて互いに密着させて、UV光に当てる。露光後のスクリーンに化学処理を施すと、印刷用スクリーンが得られる。最新の手法と化学薬剤を使用すれば、水噴霧(多くの場合、高出力水噴霧)を加えることで露光後スクリーンを処理できる。
【0009】
スクリーンのうち(ステンシル等に)覆われた部分即ちメッシュは、紫外(UV)線に露光し(多くの場合、電力水噴霧により)処理されると、開口した(隙間が形成された)状態になり、光、塗料、インクがメッシュを通過できるようになる。ステンシルに覆われていないスクリーンメッシュ部分は、露光して処理されると不透明になり、光、塗料、インクがメッシュを通過するのを阻止する。
【0010】
具体的には、紫外線に露光されていないメッシュ(露光されていないステンシル/デザイン)部分は洗い流されてメッシュにオープニング即ち隙間が出来るので、印刷工程時にインクが通過できるようになる。スクリーンにおける隙間は、特定の色のインクが布その他の被印刷体に堆積する場所を表す。
【0011】
第三に、印刷ヘッドに各印刷用スクリーンを固定する。次に、各印刷ヘッドに一色のインクを配置する。
【0012】
自動化機器を使用すれば、布が一度に1枚ずつ移動パレットにセットされ、各色のインクを有する各印刷ステーションにパレットが移動する。各ステーションで各布にスクリーンを介してインクを塗布する。各布を硬化してインクを固定させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明により、上記ステップの多くが排除される。本発明により改良された工程は次の通りである。
1)機械に付随するコンピュータにデザインを入力し保存する。
2)コンピュータ上で、デザイナー/アーチストがデザインを個々のカラーシルエットに分離する(各シルエットが色及び個別スクリーンを表す)。
3)予め張られた個々のスクリーンにUV感光乳剤を塗布する。
4)予め張られ乳剤が塗布されたスクリーンを、個別に機械に装填する。
5)スクリーンごとに、機械が当該スクリーンの色と関連するデザインをコンピュータから取り出し、乳剤が塗布された色別スクリーンにデジタル的に印刷する。
6)次に、乳剤が塗布された個々のスクリーンを機械内で露光させる。
7)次に、露光後の各スクリーンを機械から除去する。
8)次に、除去した各露光済みスクリーンを処理する(化学処理又は電力水噴霧)。
9)各スクリーンを機械的、電子的、又は自然に乾燥させる。
【0014】
第2の実施形態では、ステップ番号3(塗布)、8(処理)、9(乾燥)のステップを機械側に追加して以下のようになる。
1)機械に付随するコンピュータにデザインを入力し保存する。
2)コンピュータ上で、デザイナー/アーチストがデザインを個々のカラーシルエットに分離する(各シルエットが色及び個別スクリーンを表す)。
3)予め張られたスクリーンを、個別に機械に装填する。
4)機械が各スクリーンに個別にUV感光乳剤を塗布する。
5)スクリーンごとに、各色を表す各デザインを機械がコンピュータから取り出し、乳剤が塗布された色別スクリーンにデジタル的に印刷する。
6)次に、乳剤が塗布された個々のスクリーンを機械内で露光させる。
7)次に、露光後の各スクリーンを処理する(化学処理又は電力水噴霧)。
8)各スクリーンを機械的、電子的、又は自然に乾燥させる。
9)次に、露光し乾燥した各スクリーンを機械から除去する。
【0015】
本発明の別の態様は、スクリーン印刷機用のスクリーンを作成する方法を対象とするものであり、この方法は、(1)ある供給量の紫外線遮断剤を保持するリザーバと、リザーバと流体連通するアプリケータと、アプリケータと作動的に位置揃えされるスクリーンベッドと、スクリーンベッドと作動的に位置揃えされる紫外線光源と、を備えたデジタル印刷機を提供するステップと、(2)デジタル的に符号化されたデザインをデジタル印刷機で受け取るステップと、(3)予め張られ、表面に紫外光感光乳剤が塗布されたスクリーンを、スクリーンベッド上に装填するステップと、(4)スクリーンがスクリーンベッド上に存在している時、スクリーンベッドとアプリケータ間の第1の相対運動を提供するステップと、(5)上記の第1相対運動の提供ステップ中、紫外線感光乳剤塗布膜に、ある量の紫外線遮断剤を塗布するステップと、(6)紫外線感光塗布膜と紫外線遮断剤とを紫外線光源に露光するステップと、を含む。
【0016】
本発明の上記態様は、下記特徴の1つ以上を単独又は任意の合理的な組み合わせで含んでよい。上記方法は、スクリーンがスクリーンベッド上に存在している時、紫外線感光乳剤塗布膜に紫外線遮断剤を塗布した後、スクリーンベッドと紫外線光源の間の第2の相対運動を提供するステップを更に含んでよい。第2の相対運動ステップ中、露光ステップが発生してよい。露光ステップは、紫外線感光塗布膜の第1部分が実質的に固化し、且つ紫外線遮断剤の下の紫外線感光塗布膜の第2部分と、紫外線遮断剤とが少なくとも実質的に流動可能なまま残る時まで、実施してよい。露光ステップは、予め張られたスクリーンがスクリーンベッド上で横断する間、継続的に実施してよい。紫外線光源は、狭帯域の発光ダイオードを備えてよく、露光ステップは、第2の相対運動中、予め張られたスクリーンの所望の表面領域が露光されるまで、予め張られたスクリーンの狭い部分のみを継続的に露光することを含んでよい。紫外線光源は、ある波長で動作してよく、紫外線光源に露光した時、予め張られたスクリーン上の紫外線感光乳剤層の第1領域は固化し、紫外線ロック剤(ultraviolet light locking agent)でマスクされた紫外線感光乳剤層の第2領域は実質的に流動可能なまま残る。露光ステップは、1分未満実施してよい。紫外線光源と、予め張られたスクリーンの表面との間の隙間は、1インチ(約2.54cm)未満であってよい。紫外線光源の波長は、360〜400ナノメートルであってよい。上記方法は、露光ステップでスクリーンを露光した後、予め張られたスクリーンを加圧流体ですすぎ洗いするステップを更に含んでよく、この場合、紫外線光源に露光された紫外線感光乳剤部分は予め張られたスクリーン上に残り、紫外線遮断剤の下にある紫外線感光乳剤部分は、このすすぎ洗いステップで除去される。紫外線光源は、予め張られたスクリーンに対して独立した動きをすることができる。紫外線光源に対する紫外線感光塗布膜及び紫外線遮断剤の露光は、スクリーンベッドが少なくとも実質的に静止している時に発生してよい。紫外線光源に対する紫外線感光塗布膜及び紫外線遮断剤の露光は、スクリーンベッドが静止している時に発生してよい。紫外線光源を印刷機のハウジングに取り付けてよい。
【0017】
本発明の別の態様は、スクリーン作成印刷装置を対象とする。この装置は、コンピュータから指令を受け取るためのインタフェースと、ハウジングと、ハウジングに取り付けられ、ある供給量の紫外線遮断剤を保持するリザーバと、ハウジングに取り付けられたリザーバと流体連通しているプリントヘッドと、プリントヘッドと位置揃え可能なスクリーンヘッドと、ハウジングに取り付けられた二次元平面に沿ってプリントヘッドとスクリーンベッドの間の相対運動を提供する手段と、スクリーンベッドと位置揃えができ、又は位置揃えされ、ある波長で作動する紫外線光源と、を備え、紫外線光源に露光した時、予め張られ乳剤が塗布されたたスクリーン上の乳剤層の第1領域は固化し、紫外線ロック剤(ultraviolet light locking agent)でマスクされた乳剤層の第2領域は実質的に流動可能なまま残る。
【0018】
本発明の上記態様は、下記特徴の1つ以上を単独又は任意の合理的な組み合わせで含んでよい。上記装置は、コンピュータから受け取る指令に応答して二次元平面上でプリントヘッドを動かすことのできる、プリントヘッドキャリアを更に備えてよい。上記装置は、スクリーンベッド上の予め張られたスクリーンとプリントヘッドとを位置揃えするための、見当合わせシステムを更に備えてよい。紫外線光源の波長は、360〜400ナノメートルであってよい。上記装置は、リザーバに格納された紫外線遮断剤を更に備えてよく、この紫外線遮断剤は、紫外線に露光した後、少なくとも実質的に流動可能なまま残る。露光時間は、1分未満であってよい。紫外線光源を、ハウジングの固定位置に取り付けてよい。紫外線光源は、予め張られたスクリーンを支持するスクリーンベッド部分全体の領域を露光させるに足る充分大きい露光面積を備えてよい。紫外線光源は、スクリーンベッドに対して独立した動きをすることができる。紫外線光源は、幅がスクリーンベッドの幅と少なくとも同じであり、長さは、スクリーンベッドの長さよりも実質的に小さくてよい。紫外線光源をハウジングに取り付けてよい。
【0019】
下記図面と併せて下記詳述を解釈することで、本発明の他の特徴と利点が明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は多くの様々な形態の実施形態が可能であり、以下、本明細書において、図面及び本発明の好適な実施形態が示されるが、本開示は、本発明の原則を例示するものであって、本発明の広範な態様を、下記に例示される実施形態に限定する意図はないことを理解するものとする。
【0023】
システム又は機械10の主な構成要素を以下に挙げる。
【0024】
ハウジング(制御、印刷、及び露光)
ハウジングシステム14は、M&R Printingのコンピュータ・トゥ・スクリーン(computer-to-screen)イメージングシステムのi−IMAGE製品系列をベースにしている。上記ハウジングシステムは、枠組み、支持体、コネクタ、アタッチメント、カバー、遮蔽物等を備え、全体装置10内で装置10の構成要素を保護し支持する。上記ハウジングシステムは2つの部分(制御機構を保持する部分と、印刷・露光アセンブリを保持する部分)を含む。
【0025】
制御機構ハウジング
制御機構ハウジング18は、システムの主要エレクトロニクス(コントローラ、ソフトウェア)と、印刷ジョブを制御するための制御機構及びボタン類(キーパッド、マウス等)とを収容し、電源及びモニタ(操作者の作業及び/又は選択内容を画面を通じて視覚的に表示するためのモニタ)に接続されている。
【0026】
システムの電気的要件は、208/230V、1ph、5A、50/60Hz、1.15kWである。無停電電源装置(UPS)を使用することが好ましい。110V電気構成を組み込むこともできる。
【0027】
プリンタハウジング
プリンタハウジング22は、制御機構ハウジングと一体化することが可能であり、1つ以上のプリンタヘッド26を搬送する可動キャリッジ24と、プリント対象のスクリーン34を水平に支持するための可動スクリーンベッド30とを支持するプリンタアセンブリを収容する。プリンタハウジングは更に、スクリーン34の付いたスクリーンベッド30を受け入れてハウジングの表面及び中に位置付け、スクリーンベッド30とスクリーン34を元の位置に排出するための、正面開口部をハウジング内に有する。別の一実施形態では、スクリーン34を排出し、且つ/又はスクリーン34が紫外線下を通過できるようにするための、第2開口部及び後部ハウジングを追加してよい。
【0028】
注意すべきことは、プリンタハウジング22は感光性環境であること、即ちプリンタハウジングの内部チャンバに進入する光量が最小限にされることである。後部ハウジング(採用する場合)も、感光性環境を維持するように同様に構成される。
【0029】
プリンタ
上記システムは、ある供給量の紫外線遮断剤38を保持するリザーバと流体連通している1つ又は複数のアプリケータを使用する。アプリケータとは、概してプリントヘッド26であり、プリントヘッドは、好ましくは1〜3個であり、スクリーンベッド26が長手方向に移動する時に横方向に前進・後退する。具体的には、スクリーンベッド30とスクリーン34がY−Y方向に移動する間、プリンタヘッド26はX−X(横断)方向に移動する。先進の高解像度インクジェット技術を使用することにより、乳剤を塗布したスクリーン34に迅速に不透明イメージが生成される。
【0030】
プリンタヘッド26とスクリーン34の間は、非常に狭い状態に維持される。その距離は約1
と1/2ミリメートルである。
【0031】
化学薬剤を配置する時、プリンタヘッド26は一方向又は双方向に移動できる。一方向運動の方がインク配置速度が遅いが、多くの場合、ディテールの細かいデザイン又はサイズの小さいメッシュで効果が高い。
【0032】
好ましくは、プリンタヘッド26は、ある量の紫外線遮断剤38(好ましくは一種のインク)を、乳剤が塗布され予め張られたスクリーンに送達する。紫外線遮断剤38はフォトレジストであるため、乳剤42のうち紫外線遮断剤38で印刷された領域には、紫外線露光光100は到達できない。紫外線遮断剤38は、遮断剤38より下層の乳剤42の架橋プロセスを阻止し、インク下の乳剤42を水溶性の状態に保つので、水洗浄プロセス中に簡単に洗い流されて、後にスクリーン印刷される所望のイメージの形をした印刷ステンシルが作成される。
【0033】
或いは、プリンタヘッド26はインクを格納していなくてもよい。この場合、プリンタヘッドは、紫外線に露光した時にスクリーン上の乳剤42と反応する化学薬剤を支持する。
【0034】
コンピュータ・トゥ・スクリーンイメージの方が、従来のポジフィルムより優れており、より細かなディテールと滑らかなハーフトーンを転写できることが既に知られている。イメージが直接スクリーンに作成されるので、露光工程中の真空固定の必要がない。更に、紫外線がフィルム層及びガラス層を貫通する必要がないという事実が加わって、露光時間を最大で半分に短縮することができる。高コストなポジフィルムが不要であるだけでなく、ポジフィルムの保管と取り出しに要する労力も不要になる。イメージ情報はデジタルであるため、容易に保存でき迅速に取り出すことができる。
【0035】
ソフトウェア
コンピュータ上の制御機構を使用して、手動又は別の手段(ディスク、USBドライブ、インターネット接続等)によりシステムのコンピュータ46にデザインを入力する。次に、デザイナー/アーチストがデザインを個々のカラーシルエット50に分離する(各シルエット50が色及び個々のスクリーン34を表す)。これを実現するため、システムは、モニタが接続されたコンピュータ46やラスタイメージ処理(RIP)ソフトウェア等のインタフェースを備える。実質上、RIPソフトウェアが型、ベクタグラフィックス、連続階調画像、スクリーンその他の全てのコンテンツを高解像度グリッド状の二値ピクセルに変換し、プリンタ(例えばレーザー、インクジェット、ドットマトリクス等)がこの二値ピクセルを印刷版上に描画する。RIPソフトウェアは、解釈、ラスタ化、及び色/スクリーン分解の機能を果たす。RIPソフトウェアは、Adobe PostScript、PDF等の定様式コードで表されたコマンドを解釈して、ベクタグラフィックスとしてのオブジェクトとエレメントを再描画する。ラスタ化の際に、個々のベクタ形状がピクセル(ビットマップ)に変換される。次に、ラスタ画像が分解されて個々のスクリーンが形成される。例えば、40”×30”(約101.6cm×76.2cm)サイズで5080ドット/インチ(約2.54cm)のグリッドにおいて様々なピクセルがオン又はオフにされる。これが印刷版である。印刷版は連続階調を印刷できないので、このような小さなドットが連続階調のような錯覚を起こさせる。
【0036】
印刷パラメータを完全に制御することにより、RIPソフトウェアはプロダクションレベルの速度で確実に高品質イメージを実現する。RIPソフトウェアは、イメージの縮小・拡大と配置を完全に処理し、一般的アプリケーション用のプリセット値を有し、特定のアートタイプや種々のメッシュ数に応じてユーザーがカスタマイズできる。
【0037】
印刷装置10は、デジタル的に符号化されたデザイン又はカラーシルエット50を受信又は使用して、プリントヘッド26により紫外線遮断剤38を予め張られたスクリーン34に転写する。
【0038】
スクリーンベッド
スクリーン34の処理は、乳剤42が上を向き(即ち、予め張られたスクリーン34の上面に塗布され)、脇に光源(下記)とプリンタヘッド26が存在する状態で行われる。スクリーンベッド30のサイズは、最大フレーム輪郭4.1×4.1cm(1.625”×1.625”)、最大フレームサイズ66×91cm(26”×36”)、最大イメージ領域51×53cm(20”×21”)を支持するように決定される。スクリーンベッド30は、概ねアプリケータと作動的に位置合揃えされて、ハウジングの内外へと長手方向のY−Y方向に移動する。移動中、プリントヘッド26は、乳剤が塗布されたスクリーン34に印刷しながらX−X方向に移動する。スクリーンベッド30は付勢機構(biasing mechanism)を内蔵しているので、異なるサイズのスクリーンを処理でき、各処理対象スクリーンの均一な見当合わせを保証できる。
【0039】
スクリーンベッド30とアプリケータの間の相対運動を提供する手段により、アプリケータとスクリーンベッド30のいずれか一方又は両方を移動させることができる。好ましくは、アプリケータはX−X方向に移動し、スクリーンベッドはY−Y方向に横断する。この動きは、この業界の大部分のプリンタが提供する典型的な相対運動である。但し、本明細書に記載の好ましい操作の代わりとして、所望の相対運動を提供する任意のタイプ又は機構を使用してもよいことを理解すべきである。
【0040】
紫外線遮断剤
紫外線遮断剤38は単一又は複数のアプリケータから送達される。好ましくは、スクリーン34とアプリケータ間の相対運動中に、予め張られたスクリーン34に紫外線遮断剤38が塗布される。好ましくは、遮断剤38はインク(例えば、特別に調合された水性紫外線遮断インクi−Pak)である。使用する具体的な遮断剤38の種類にかかわらず、紫外線遮断剤38は、事前に選択又は決定された露光時間以上の時間に渡って、紫外線光源54への露光の影響を実質的に受けない。これについては、下記でより詳細に説明する。
【0041】
見当合わせシステム
スクリーンベッド30の上に3点見当合わせシステムが組み込まれている。したがって、多色刷りジョブ用スクリーン34が完璧な見当合わせで迅速に作成される。採用したシステムは、M&Rの米国特許第5,921,176号明細書、第5,943,953号明細書、及び第5,953,987号明細書に記載され主張されている、適切なサイズにされたTRI−LOCパレットシステムであり、これらの明細書の内容は、本明細書に完全に明記されているかの如く参照により本明細書に援用される。TRI−LOCパレットシステムを使用すれば、ベッド上及び印刷機上でスクリーンを迅速且つ正確に見当合わせすることができる。この工程と手順により、見当合わせの時間が大幅に短縮されるので、スクリーンの画像処理から初回印刷物完了までのプロセス全体が劇的に短縮される。
【0042】
例示する実施形態では、見当合わせシステムは、スクリーン34との3つの接点を含む。スクリーン34は、スロット58を通ってY−Y方向に導かれて、ばね付きバリア62と係合する。ばね付きバリア62は、プリントヘッド26及びプリンタの内部機構に対して外向きに付勢される。スクリーン34は、ばね付きバリア62の力に逆らうように前方に押し付けられ、スクリーン34の反対側の端は、プリンタ上に垂直の向きに取り付けられたリテーナ64、68の内側にスナップ式にはめ込まれる(一方のリテーナ64はスクリーン34の後端と平行に並び、もう一方のリテーナ68はスクリーン34の後端に対して垂直に並ぶ)。この時点で、ばね付きバリア62は、スクリーン34の後端と平行に並ぶリテーナ68に対してスクリーン34を押し付ける力を提供する。これにより、スクリーン34がプリントヘッド26と見当合わせ又は位置揃えされる。
【0043】
スクリーン
スクリーン34は予め張られており、且つ当技術分野で周知のものである。このようなスクリーンストレッチャーの一例が、M&Rの提供するMAX NEWTONである。MAX NEWTONは、事実上あらゆるメッシュ/フレームの組み合わせで高張力ストレッチを提供する、低コストの空気圧式スクリーンストレッチャーである。MAX NEWTONのエアシリンダがメッシュ弾性の差異を補正し、張力をかけた後で完全に伸張する。縦糸と横糸で別個に張力印加と制御が行われ、PVCが塗布された耐久性ロッキングバーが、メッシュを引き裂くことなくしっかりと把持する。
【0044】
予め張られたスクリーン34は、装置に配置される前に紫外線感光乳剤42が塗布される。この乳剤がUV光源に露光されると、架橋結合と呼ばれる化学反応が発生する。架橋結合とは、分子鎖が絡み合う結合プロセスである。架橋結合を、ある材料が皮膜を形成する能力と表現することもできる。溶液が架橋結合を起こすには、触媒が必要とされる。乳剤に対して直接架橋結合を起こす触媒は、UV光が供給するエネルギーによってもたらされる。乳剤の中でUVに反応する部分が感作物質である。
【0045】
使用する乳剤の一例は、110 Third Avenue, Brooklyn, NY 11217 (USA)のUlano Corporation (www.ulano.com)が製造する多目的ジアゾ感光樹脂乳剤ULANO RLXである。RLXは、多目的、高速のジアゾ感光樹脂ダイレクト乳剤である。RLXは固形成分が非常に多いため、塗布1回で良好なステンシルが形成され、粗いメッシュに対するブリッジングに優れ、より高速に乾燥する。RLXは極めて優れた塗布性と耐久性を有し、多種多様な溶剤系及び水性のインクシステムに対して耐性がある。シースルーの容易な見当合わせができるように、RLX−CLは透明な状態で供給される。RLXの推奨用途は、スポーツウェアへの印刷、POP、特殊印刷広告である。
【0046】
更に注意すべきことは、スクリーン34のメッシュサイズが約86TPI(1インチ(約2.54cm)当たり糸数)〜約305TPIの範囲に及ぶことである。305TPIの場合、スクリーンに載る乳剤が比較的少ないので、露光を少なくする必要がある。
【0047】
また、露光前に、スクリーン34に塗布した乳剤42を乾燥させる必要があることも注意すべきである。常に水平位置を保ったまま乾燥させて、乳剤塗布膜を重力によりスクリーンの外被側へと「引っぱる」のが通例のやり方である。加えて、露光後にスクリーン34に噴霧する時は、スクリーン34を垂直の向きにするのが慣例である。
【0048】
ライトバンク
ハウジング22に紫外線光源54が取り付けられている。ハウジング内には一バンク又は複数バンクの紫外線が提供される。このようにして、予め張られたスクリーン34に紫外線遮断剤38で印刷した後、所定時間(通常は1分未満)、紫外線光源54から発せられる紫外線にスクリーンを露光する。ライトバンクは、紫外線蛍光管のような単一光源であってよく、或いは一列又は配列状のライトであってもよい。
【0049】
一実施形態では、光源54はハウジング22の前面にあり、概してスクリーンベッド30と作動的に位置揃えされる。当然ながら、後部ハウジングを使用する場合はハウジングの後方に光源が位置してよい。一実施形態は、幅(X−X方向)が36インチ(約91.4cm)、深さが7インチ(約17.8cm)であり、発光ダイオード(LED)を備える。光源53は、LED光に限定されず、紫外線周波数CFL電球、多スペクトルメタルハライド光源、蛍光光源、白熱光源であってもよい。スクリーン34と光源54の間の距離は多様であってよいが、スクリーン34との距離が短いほど、電球及びスクリーン34から発生する熱が増加することを理解するものとする。
【0050】
別の一実施形態では、光源54は、プリントヘッド26に対してハウジングの前方にある。この実施形態では、光源54は幅(X−X方向)が29.63インチ(約75.2cm)、深さが2.07インチ(約5.3cm)であり、複数のLED72を備える。光源54は、LED光72に限定されず、紫外線周波数CFL電球、多スペクトルメタルハライド光源、蛍光光源、白熱光源であってもよい。LED72は複数の横列と複数の斜めの縦列の形に配列して、通過するスクリーンに対する適切な範囲の紫外線露光を提供し、好ましくは、横1列のLEDから次の横列のLEDの間に約30%の重なりがある)。この配列により、露光時の紫外線ギャップの排除が促進され、露光後に生じる不均一な乳剤露光である「ストライピング」が減少又は解消する。スクリーンと光源54の間の距離は多様であってよいが、スクリーン34との距離が短いほど、電球及びスクリーン34から発生する熱が増加することを理解するものとする。好ましくは、紫外線光源54と、予め張られ、紫外線感光乳剤42及び紫外線遮断剤38が塗布されたスクリーン34の表面との間に、1インチ(約2.54cm)未満の隙間を設ける。より好ましくは、この隙間は、1インチ(約2.54cm)の約8分の1の大きさである。この実施形態では、紫外線光源54は、好ましくは、幅がスクリーンベッド30のX−X方向の幅と少なくとも同じであり、Y−Y方向の長さは、スクリーンベッド30の長さよりも実質的に小さい。
【0051】
紫外線光源54は、好ましくは、360〜400ナノメートルの波長で動作又は発光する。紫外線遮断剤38の層を塗布した後のスクリーン34を露光する時、望ましい波長は、予め張られたスクリーン34に塗布された紫外線感光乳剤42の層の第1領域76を実質的に固化させる効果があり、他方、紫外線遮断剤38でマスクされた紫外線感光乳剤42の層の第2領域80は実質的に流動可能なまま残る。
【0052】
一般に、紫外線光源54とスクリーンベッド30の間の相対運動を提供する手段が提供される。例示している実施形態では、印刷ステップで説明されているモードと同一モードを用いてスクリーンベッド30にY−Y方向の動きを提供する。即ち、インタフェースを介して受信する指令に基づき、モータがスクリーンベッド30をY−Y方向に駆動する。
【0053】
しかしながら、乳剤の種々の種類やブランドによって、紫外線露光に対して示す反応が異なることから、装置は、固定若しくは静置型の紫外線光源54(例えば
図3と
図14、好ましくはLEDバンク)、スクリーンベッド30に対して独立して移動できる紫外線光源154(例えば
図15、好ましくはLEDバンク)、静置型の紫外線光源54と、スクリーンベッド30に対して独立して移動できる紫外線光源154とを組み合わせたもの(例えば
図16)を有してよく、又は、紫外線光源の静置的側面と可動型紫外線光源とを組み合わせて、単一バンクの紫外線光源にしてもよい。予め張られ乳剤が塗布されたスクリーンに、プリントヘッドで紫外線遮断剤を堆積させた後、上記の組み合わせを使用して、予め張られたスクリーンに塗布された乳剤の走査型露光、静置型露光の一方又は両方による露光を行うことができる。走査型露光とは、例えば
図17に示すように、スクリーンベッド30及び/又は予め張られたスクリーン34と紫外線光源との間の相対運動中に、乳剤を露光させることを表すことが意図されている。静置型露光とは、
図18、
図19に示すように、紫外線光源354とスクリーンベッド30及び/又は予め張られたスクリーン34とが固定位置にあり、互いに相対的に移動も横断もしていない時、或いは最低でも実質的に静置した状態を示す時に、乳剤を露光させることを表すことが意図されている。実質的に静置とは、スクリーンベッド30がプリントハウジング22に入って、予め張られたスクリーン34への紫外線マスク剤の堆積を開始する時の、スクリーンベッド30の相対速度率が10%以下であることと定義される。
【0054】
図15、16が示すように、紫外線光源154は、スクリーンベッド30及び/又は予め張られたスクリーン34に対して独立に移動でき、例えば、キャリッジ24に動きを与える電気機械式システムと同一のシステムを用いてX−X方向(矢印の方向)に移動する。但し、紫外線光源154は、
図17の概略図が示すように、Y−Y方向(矢印の方向)に移動することもできる。或いは、
図17の概略図に示す紫外線光源254は、プロッターペンと同様にX−X方向、Y−Y方向の両方向に移動することもできる。
【0055】
したがって、予め張られ、紫外線感光乳剤42が塗布され、紫外線遮断剤38でマスク又は遮断された乳剤部分を有するスクリーン34の表面の露光を、予め張られたスクリーン34がスクリーンベッド30上で横断する時に継続的に行うことができる。紫外線光源54が狭帯域LED 72を備える場合、露光工程は、第2の相対運動中、予め張られたスクリーン34の表面の所望の領域が露光されるまで、予め張られたスクリーン34の狭い部分のみを継続的に露光することを含む。好ましくは、この露光は1分以下で実施され、より好ましくは30秒で実施される。
【0056】
特に
図14、18、19を参照すると、静置型の紫外線光源354が設けられている。これらの実施形態では、予め張られたスクリーン34が紫外線遮断剤38でマスクされた後、予め張られたスクリーン34がスクリーンベッド30上で静止しているか実質的に静止している時に、紫外線感光乳剤42が静置型紫外線光源354に露光される(
図18、19の概略図を参照)。この場合、予め張られたスクリーン34のうちシルクスクリーン印刷するイメージを保持している部分の上面と少なくとも同じ面積を露光できるようにするため、ライトバンク(例えば、適切に配列した
図5に示す複数の光源を備えるLEDバンク)が比較的大型になっている。別の言い方をすれば、予め張られたスクリーン34が静置型紫外線光源354の下で静止している時に、露光ステップが行われる。
図18、19の実施形態には第2の紫外線光源454が含まれ、この光源は上述の走査型光源、静置型光源のどちらでもよい。
【0057】
特に
図14、19の実施形態を参照すると、静置型の紫外線光源354は、予め張られたスクリーン34を装填する場所である装置10の入口端部84の反対側に位置する。この実施形態は、予め張られたスクリーンがY−Y方向に通過する際に乳剤38を処理する第2の紫外線光源54を、装備していても装備していなくてもよい。このように、スクリーン印刷用スクリーンを作成する方法において、予め張られたスクリーン34は、紫外線遮断剤の層で処理されるか部分的に印刷された後、引き続きY−Y方向に進み、紫外線光源並びに予め張られたスクリーン34及び/又はスクリーンベッド30が静止しているか少なくとも実質的に静止している時に、静置型紫外線光源354から発せられる紫外線に露光するために、プリンタハウジング22に進入した側とは反対側へと退出する。露光ステップが完了すると、スクリーンベッド30及び予め張られたスクリーン34は、装置10において予め張られたスクリーン34をスクリーンベッド30に装填した側へと横断して戻る。しかしながら、装置10の設置面積を小さくするため、又は他の電気若しくは機械上の理由で、
図18の概略図に示すように、静置型紫外線光源354の配置場所を、予め張られたスクリーン34をプリンタハウジング22に装填する領域と同じ側にすることは、上記実施形態の明白な変形であると考えられる。
【0058】
更に、
図20に示す一実施形態では、紫外線光源554がピボット560に装着されている。この場合、紫外線光源は、スクリーン34を装填及び除去する時の「上」位置(
図20に示す位置)と、スクリーン34を露光する時の「下」位置(
図18と同様の位置)との間で枢動することができる。
【0059】
紫外線光源54(好ましくは
図5のLED配列)への動力は、アジャスタブル電源から供給される。光センサがLEDの紫外線出力を監視し、DC信号を生成するかDC信号に変換し、このDC信号がPLCにループバックされる。PLCは、LED 72からの紫外線出力を制御する。
【0060】
紫外線光源54は、予め張られたスクリーン34の有無によって制御される。したがって、スクリーン34が存在しない限り、紫外線光源54は「オン」にならない。上記装置は、紫外線光源への動力供給を近接スイッチを使って制御する。これにより漏れが最小化される。
【0061】
プロセス
上記の通り、予め張られ乳剤が塗布されたスクリーン34を、プリンタ装置/印刷機に個別に装填し、装置10の入口端部84位置においてベッド30上で見当合わせする。各スクリーン34に対し、ソフトウェアが色別(及び印刷機のプリントヘッド別)に生成した個々のシルエット50が、乳剤を塗布された各スクリーン34にデジタル的に印刷される。次に、印刷機に装着された、又は本明細書に記載のように別の方法で印刷機と関連付けられた1つ以上の紫外線光源に対して、乳剤を塗布したスクリーン34を露光させる。次に、露光後の各スクリーン34を印刷機から取り外し、電力噴霧又は化学反応により処理する。このように、露光ステップの後、予め張られたスクリーン34を加圧流体ですすぎ洗いしてよく、この場合、紫外線光源から発せられた光100に露光された紫外線感光乳剤42部分は、予め張られたスクリーン34上に残り、紫外線遮断剤38の下にある紫外線感光乳剤42部分は、このすすぎ洗いステップで除去される。最後に各スクリーン42を機械的、電子的、又は自然に乾燥させる。乾燥後は、スクリーン42を印刷機にセットして使用できる。
【0062】
本開発は、これら二製品の教示事項と他の教示事項を組み合わせて「オールインワン」システムを実現したものである。
【0063】
本発明の譲受人であるM&R Printing Equipment, Inc.は、i−IMAGE(商標)という商標に基づくコンピュータ・トゥ・スクリーンイメージングシステム製品系列、即ちi−IMAGE STと、TRI−LIGHT(商標)という商標に基づく多スペクトルスクリーン露光システム製品系列、即ちTRI−LIGHT、TRI−LIGHT CTS、TRI−LIGHT STを製造し販売している。i−IMAGE STについては、現在、以下の3モデルを提供している。産業用プリントヘッド1個を有し8時間シフト当たり最大150個のスクリーンを処理できるi−IMAGE ST 1、産業用プリントヘッド2個を有し8時間シフト当たり最大250個のスクリーンを処理できるi−IMAGE ST 2、産業用プリントヘッド3個を有し8時間シフト当たり最大350個のスクリーンを処理できるi−IMAGE ST 3。実際、i−IMAGE ST 3であればフルサイズイメージをわずか30秒で作成できる。どのi−IMAGE STモデルも、最大面積51×53cm(20”×21”)を処理し、最大サイズ66×91cm(26”×36”)の大部分のスタティックスクリーン枠及びリテンショナブルスクリーン枠を受容できる。
【0064】
M&R Printing SystemのNuArc部門が提供するTRI−LIGHT CTSは、コンピュータ・トゥ・スクリーン(CTS)システムで生成されたスクリーンを露光する。露光に電源供給するのがNuArcの多スペクトルメタルハライドSystem 631(商標)であり、このシステムは1kWでアイドリングし、ユーザー選択設定による6kW、3kW、1kWで運転する。3kWと1kW設定では、操作者は必要に応じて露光を低速にできる。また、乳剤の将来の配合に適応するTRI−LIGHTの能力にも対応する。このシステムは、NuArcの独占的な比例温度制御(PTC:Proportional Temperature Control)も特徴として備える。PTCは、ランプ温度を継続的に監視し、冷却ファンをオン/オフしてランプを最適な作動温度に維持する。光源と真空フレームは密閉されているので、このシステムは未露光のスクリーンを収容する領域に設置でき、また、ブランケットフレームが開いている間は露光ランプはオンになることができない。
【0065】
一実施形態では、コンピュータ46にデザインを入力する。入力したデザインは、所望される個々のカラーシルエット50に分解される。各カラーシルエット50が個別の異なる色と、紫外線遮断剤38で印刷される個別のスクリーン34を表す。予め張られたスクリーン34の表面に乳剤42を塗布し、このスクリーン34をデジタル印刷機10に装填する。次に、デジタルスクリーン印刷機10によりデジタル的に印刷される。即ち、乳剤塗布スクリーン34に紫外線遮断剤38がカラーシルエット50の模様で塗布される。乳剤が塗布されデジタル的に印刷されたスクリーン34は、次に、紫外線光源から発せられる紫外線に露光される。デジタル印刷機10からスクリーン34又は紫外線に提供される動きにより、スクリーン34の一部分の露光を制御するように、紫外線光源がデジタル印刷機10と関連付けられていることが好ましい。次に、スクリーン34をデジタル印刷機10から取り出し、スクリーンを流体ですすぐ処理をする。
【0066】
別の実施形態では、デジタル印刷機10は、ある量の紫外線遮断剤38を保持できるリザーバ88を有する。アプリケータ(例えば1つ以上のプリントヘッド26)はリザーバ88と流体連通している。スクリーンベッド30はアプリケータと作動的に位置揃えされる。紫外線光源は、スクリーンベッド30と作動的に位置揃えされる。デジタル印刷機10は、デジタル的に符号化された、所望のデザインに対応するデータ(例えばカラーシルエット50)を、典型的には、メモリを搭載しソフトウェアが読み込まれたコンピュータ46と電子的に連通するインタフェースを通じて受け取る。このインタフェースとコンピュータ46を、デジタル印刷機10の構成要素として提供してもよい。予め張られ、表面に紫外線感光乳剤塗布膜42を有するスクリーン34を、上記のようにスクリーンベッド30に装填できる。スクリーン34がスクリーンベッド30上にある時、スクリーン30とアプリケータとの間の第1の相対運動が提供される。第1の相対運動が動作している時、デジタル印刷機10は、ある量の紫外線遮断剤38をアプリケータを介して紫外線感光乳剤塗布膜42に塗布する。第1の相対運動に続いて、スクリーン30がスクリーンベッド34上にある時、紫外線遮断剤38が紫外線感光乳剤塗布膜42に塗布された後、スクリーンベッド30と紫外線光源との間の第2の相対運動が作動する。第2の相対運動の間、紫外線感光乳剤塗布膜42と紫外線遮断剤38は、紫外線光源から発せられる光に露光される。
【0067】
別の実施形態では、スクリーン印刷機用スクリーン34を作成する装置は、コンピュータ46から電子指令を受け取るためのインタフェースを備える。この指令は、目的のスクリーン34を作成するためのカラーシルエット50に関するものである。上記装置はハウジング14を有し、ハウジング14は、フレームと、支持体と、装置の内部機構を支持、遮蔽、保護するための囲いとを含む。
【0068】
ある供給量の紫外線遮断剤38を保持するリザーバ88が提供され、ハウジング14に取り付けられている。リザーバ88は、アプリケータ(例えばプリントヘッド26)への紫外線遮断剤38の供給に使われる流体管とみなすことができる。したがって、プリントヘッド26はリザーバ88と流体連通し、直接的又は間接的にハウジング14に接続していることになる。
【0069】
スクリーンベッド30は、概して、印刷対象のスクリーン34を保持し見当合わせするものであり、プリントヘッド26と位置揃えすることができる。
【0070】
上記装置は、ハウジング14に取り付けられた二次元平面に沿って動く、プリントヘッド26とスクリーンベッド30の間の相対運動を提供する手段を備える。相対運動を提供する手段とは、スクリーンベッド30を駆動するモータ及び付属のギア、ベルト等であり得る。或いは、プリントヘッド26を駆動するモータであってもよい。しかしながら、好ましくは、相対運動を提供する上記手段は、スクリーンベッド30をY−Y方向に駆動し、プリントヘッド26をX−X方向に駆動する。この場合、スクリーンベッド30とプリントヘッド26の動きが調和して、紫外線遮断剤38がスクリーン34上の所望される位置に堆積することを可能にする。
【0071】
紫外線光源54、154、254、354、454はハウジング14に取り付けられている。紫外線光源は、固定位置にあってもよく、独立して移動可能であってもよい。紫外線光源は、何らかの好適な波長で動作する。プリントヘッド26が堆積させた流体(即ち紫外線遮断剤38)を露光して硬化させるのでなく、ここでは、紫外線光源は、ある特定の波長で動作するか特定の波長を示し、紫外線に曝された時、乳剤が塗布され予め張られたスクリーン34に堆積している乳剤層42の第1領域が実質的に固化し、紫外線遮断剤38でマスクされている乳剤層42の第2領域は、少なくとも実質的に流動可能なまま残る。これにより、紫外線遮断剤38及び実質的に流動可能な乳剤42を、通常又は典型的なスクリーン作成手法を用いてすすぎ洗いし、洗浄し、又は動力洗浄によりスクリーンから除去することができる。
【0072】
「第1」「第2」「上」「下」「上部」「下部」等の用語は、単に他の要素との相対関係を例示する目的で使われているものであり、実施形態を限定することは何ら意図されていない。本明細書で使用する「複数の」という用語は、必要に応じて離接的又は連結的に、1より大きく最大で無限数までの任意の数を表すことが意図されている。本明細書で使用する「連結した」「取り付けられた」「接続した」という用語は、2つの要素をまとめるか一緒にして単一体を形成することが意図され、「直接」という用語を使用した別段の明記があるか図面で裏付けされない限り、連結又は接続した要素間に任意の数の要素、デバイス、留め具等が設けられてよい。「実質的に流動可能」という語句及びその変形は、予め張られたスクリーンの表面を、圧力下の流体又は他の化学的手段を用いてすすぎ洗いすることができることを表すことが意図されている。「実質的に固化した」という語句は、予め張られたスクリーンの表面を、圧力下の流体を用いてすずき洗いすることができないことを表すことが意図されている。
【0073】
上記の教示事項を踏まえて、本発明の多くの修正及び変形が可能である。したがって、添付の請求項の範囲内で、具体的に記載されているもの以外の方法で本発明が保護され得ることを理解すべきである。