(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連続搬送路は、前記被処理体に前記レーザ光が照射されつつ前記被処理体が搬送される照射領域搬送路と、前記照射領域搬送路の上流側および下流側に位置する搬出入搬送路とを、有し、
前記搬出入搬送路は、前記照射領域搬送路の搬送速度よりも大きい搬送速度で前記被処理体の搬送が可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザアニール装置。
前記搬出入搬送路は、少なくとも、前記照射領域搬送路と同じ搬送速度と該搬送速度よりも大きい搬送速度とで搬送可能であることを特徴とする請求項4記載のレーザアニール装置。
前記搬入搬送路および前記搬出搬送路における搬送速度を、前記アニール処理搬送路における搬送速度よりも大きくして前記被処理体を搬送可能であることを特徴とする請求項11記載のレーザアニール処理用連続搬送路。
前記搬入搬送工程および前記搬出搬送工程における前記連続搬送路の搬送速度を、前記アニール処理工程における前記連続搬送路の搬送速度よりも大きくして搬送可能であることを特徴とする請求項13記載のレーザアニール処理方法。
【背景技術】
【0002】
被処理体のアニール処理においては、例えば、シリコン基板やガラス基板などに設けられたアモルファス半導体にレーザ光を照射して結晶化したり、多結晶の半導体にレーザ光を照射して単結晶化したり、半導体にレーザ光を照射して改質したり、不純物の活性化や安定化をしたりするアニール処理が行われている。
なお、アニール処理の目的は上記に限定されるものではなく、被処理体にレーザ光を照射して熱処理を行う全ての処理が含まれる。
【0003】
アニール処理を行うレーザアニール装置は、
図10に示すように、処理室30内にステージ31が走査方向に沿って往復移動(X軸方向)可能に配置されている。この例では、窒素ガスによる浮上移動によってステージ31がX方向に移動することができる。また、処理室30内は、プロセスに際し窒素ガス雰囲気に調整され、レーザの照射位置には、酸素濃度をさらに低めた窒素ガスを被処理体周辺に噴出してシールドするシール部34を有している。
【0004】
アニール処理の際には、
図11のフロー図に示すように、処理室30の近傍に、基板上に半導体膜を形成した板状の被処理体100を準備し、処理室30に設けたゲート35側にステージ31を移動させてゲート35を通して処理室30内に被処理体100を搬入し、ステージ31上に被処理体100を載せる。この後、ゲート35は閉じられて処理室30内を窒素ガス雰囲気に維持する。ステージ31の移動に伴って被処理体100を移動させ、その被処理体100の半導体膜にレーザ光42を照射することで、レーザ光42を相対的に走査しつつ被処理体100に照射してアニール処理をする。また、ステージ31をX軸と直交する方向(Y軸方向)や、ステージ31を回転(θ軸回転)させることで、被処理体100の処理性を高めるようにしたものもある。
【0005】
当該被処理体100の全面にアニール処理を行うと、ステージ31を搬入位置にまで戻し、ゲート35を明けて処理室30内からアニール処理した被処理体100を取り出して、所定位置にまで移動させる。次いで、処理室30の近傍に、アニール処理がされていない新たな被処理体100を準備し、上記と同様の処理を繰り返し行う。
【0006】
なお、上記装置では、搬入、搬出のゲートを一つ有するものについて説明したが、処理室の対向壁にそれぞれ搬入用のゲートと、搬出用のゲートとを設けた装置も知られている(例えば特許文献1参照)。この装置では、アニール処理を完了した半導体基板は、搬出用のゲートから取り出すことができる。ただし、次の被処理体を搬入する際には、ステージを搬入側に移動させ、搬入側のゲートから新たな被処理体を搬入している。
上記のように、従来のレーザアニール装置では、搬入口より1枚の被処理体を装置内に搬入し、アニール処理後、搬出口(たいていの場合、搬入口と同一)から搬出している(バッチ処理)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、被処理体のアニール処理は、被処理体毎のバッチ処理として行われている。これは、被処理体の移動が、被処理体を保持したステージの移動とともに行なわれていることに起因しており、装置の構造により決定されている。この場合、搬入・搬出を含めた被処理体の処理を完了することが、次の被処理体の処理を開始する条件となる。したがって、搬入出にかかる時間、装置内を搬送する時間は、被処理体毎に必要となる。
搬入出時間・搬送時間は、プロセスとは無関係であり、タクトタイム向上の観点から、できるだけ削減することが求められる。この搬入出時間・搬送時間は、装置によって異なるが、数十秒以上となり、プロセス時間に対し、数分の一の時間を要し、生産効率を低下させる原因になっている。
【0009】
本願発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、プロセス処理時間以外の時間をできるだけ少なくして、生産効率を高めることができるレーザアニール装置、レーザアニール処理用連続搬送
路およびレーザアニール処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のレーザアニール装置のうち、第1の本発明は、被処理体にレーザ光を照射してアニール処理をするレーザアニール装置において、
前記被処理体を一つの
所定の搬送方向に、同時期に複数個を
前記搬送方向に平行に並べて連続的に搬送可能な連続搬送路と、
前記連続搬送路で搬送される前記被処理体に、照射プロセス以外でも連続して発振する前記レーザ光を照射するレーザ光照射手段と、を備え、
前記連続搬送路が、前記被処理体を支持する支持手段と、前記支持手段の両側にあって前記支持手段で支持された前記被処理体をさらに支持して搬送方向に沿って移動させるとともに前記両側における支持位置の昇降調整が可能な昇降部を有する移動手段とを有し、
前記支持手段が、ガスの上方吹き出しによって前記被処理体を浮上させて支持するガス浮上手段であることを特徴とする。
【0011】
上記本発明によれば、連続搬送路によって搬送される被処理体に対し、レーザ光を照射してアニール処理を行うことができる。処理された被処理体は、次の被処理体の搬入作業に支障が生ずることなく搬出することができる。
また、上記本発明では、被処理体を支持する手段と被処理体を移動させる手段とを別の構成とすることで、連続搬送時の被処理体の安定支持と平坦性の確保が容易になり、レーザ光を照射した際の焦点深度が適正に維持され、良好なアニール性を確保することができる。
上記本発明によれば、ガスの上方吹き出しによって前記被処理体を浮上させて支持することにより半導体基板の姿勢制御が容易になり、半導体基板の安定保持を損なうことなく移動することができる。
【0012】
第2の本発明のレーザアニール装置は、前記第1の本発明において、前記レーザ光が照射される処理室と、前記連続搬送路の上流側に位置して前記処理室に設けられた搬入口と、前記連続搬送路の下流側に位置して前記処理室に設けられた搬出口と、を備え、前記搬入口から前記搬出口に亘って前記連続搬送路が位置していることを特徴とする。
【0013】
上記本発明では、搬入や搬出と独立した処理室内の連続搬送路によって被処理体を連続搬送することができ、被処理体の安定支持が容易になり、良好なアニール性を確保することができる。
【0014】
第3の本発明のレーザアニール装置は、前記第1または第2の本発明において、前記連続搬送路は、前記被処理体に前記レーザ光が照射されつつ前記被処理体が搬送される照射領域搬送路と、前記照射領域搬送路の上流側および下流側に位置する搬出入搬送路とを、有し、
前記搬出入搬送路は、前記照射領域搬送路の搬送速度よりも大きい搬送速度で前記被処理体の搬送が可能であることを特徴とする。
【0015】
上記本発明によれば、アニールプロセス以外の搬送をより高速で行うことで搬入、搬出作業をプロセス時の搬送速度に制限されることなく実行することができ、作業性が改善される。
【0016】
第4の本発明のレーザアニール装置は、前記第3の本発明において、前記搬出入搬送路は、搬送速度が可変であることを特徴とする
【0017】
上記本発明によれば、搬送時期によって搬送速度を変えることでより効率的な作業が可能になる。
【0018】
第5の本発明のレーザアニール装置は、前記第4の本発明において、前記搬出入搬送路は、少なくとも、前記照射領域搬送路と同じ搬送速度と該搬送速度よりも大きい搬送速度とで搬送可能であることを特徴とする
【0019】
上記本発明によれば、プロセス時の搬送速度に合わせる必要がある時期ではこの搬送速度での搬送を可能にし、その他の時期の搬送では高速の搬送をすることができる。
【0024】
第
6の本発明のレーザアニール装置は、
前記第1〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記ガス浮上手段が、前記ガスとして不活性ガスを用いることを特徴とする。
【0025】
上記本発明によれば、被処理体のガス浮上とともに、吹き出された不活性ガスによって被処理体の照射領域を不活性な雰囲気に維持する効果を増長させることができる。
【0026】
第
7の本発明のレーザアニール装置は、前記第
1〜第6の本発明のいずれかにおいて、 前記移動手段は、前記被処理体を前記連続搬送路の下流側に搬送した後、前記連続搬送路の上流側に復帰移動が可能であることを特徴とする。
【0027】
上記本発明によれば、移動手段が復帰移動することで、被処理体の連続搬送を可能にする。この際に、移動手段の復帰移動を被処理体の搬送速度よりも大きくすることで、被処理体間の間隔を小さくして生産効率を向上させることができる。
なお、移動手段の復帰移動は、環状に移動させて復帰させるものでもよく、また、往復動によって移動させるものであってもよく、移動形態は特に限定されるものではない。
【0028】
第
8の本発明のレーザアニール装置は、前記第1〜第
7の本発明のいずれかにおいて、前記連続搬送路にあって前記レーザ光が照射される前記被処理体の表面領域を少なくとも覆う局所ガスを噴射する局所ガスシール部を有することを特徴とする。
【0029】
第
9の本発明のレーザアニール装置は、前記第
8の本発明において、前記局所ガスが不活性ガスであることを特徴とする。
【0030】
上記各本発明によれば、レーザ光が照射される領域またはその周囲を清浄な環境に置くことができ、処理室全体に対する環境制御を容易にする。
【0031】
第
10の本発明のレーザアニール装置は、前記第
8または第9の本発明において、前記局所ガスを除く雰囲気が空気であることを特徴とする。
【0032】
上記本発明によれば、雰囲気を容易かつ安価に調整することができる
。
【0033】
第11の本発明のレーザアニール処理用連続搬送路は、被処理体を一つの
所定の搬送方向に、同時期に複数個を
前記搬送方向に平行に並べて連続的に搬送可能なレーザアニール処理を行う連続搬送路であって、
前記連続搬送路の一部であって連続搬送路の上流側に被処理体を搬入して搬送する搬入搬送路と、
前記連続搬送路の一部であって、前記搬入搬送路の下流側で前記搬入搬送路を経た複数個の前記被処理体を搬送しつつ前記被処理体に、照射プロセス以外でも連続して発振するレーザ光を照射してアニール処理を行う照射領域搬送路と、
前記連続搬送路の一部であって、前記照射領域搬送路の下流側で前記アニール処理を経た前記被処理体を搬送しつつ搬出する搬出搬送路と、を有し、
前記連続搬送路は、少なくとも照射領域搬送路において、支持手段によるガスの上方吹き出しによって前記被処理体を浮上させつつ前記支持手段の両側にあって前記支持手段で支持された前記被処理体をさらに支持して、前記両側における支持位置の昇降調整が可能な昇降部を有する移動手段によって搬送方向に沿って移動させることを特徴とする。
【0034】
第
12の本発明のレーザアニール処理用連続搬送路は、前記第
11の本発明において、前記搬入搬送路および前記搬出搬送路における搬送速度を、前記アニール処理搬送路における搬送速度よりも大きくして前記被処理体を搬送可能であることを特徴とする。
【0037】
第
13の本発明のレーザアニール処理方法は、複数個の被処理体を一つの
所定の搬送方向に同時期に
前記搬送方向に平行に並べて連続的に搬送する連続搬送路によって被処理体搬送しつつ前記被処理体にレーザ光を照射してアニール処理を行うレーザアニール処理方法であって、
前記連続搬送路の一部であって連続搬送路の上流側に被処理体を搬入して搬送する搬入搬送工程と、
前記連続搬送路の一部であって、前記搬入搬送工程が行われた連続搬送路の下流側で、前記被処理体を搬送しつつ、照射プロセス以外でも連続して発振する前記レーザ光を照射してアニール処理を行うアニール処理工程と、
前記連続搬送路の一部であって、前記アニール処理が行われた連続搬送路の下流側で、前記被処理体を搬送しつつ搬出する搬出搬送工程と、を有し、
前記連続搬送路は、前記各工程のうち、少なくとも前記アニール処理工程で、支持手段によるガスの上方吹き出しによって前記被処理体を浮上させつつ前記支持手段の両側にあって前記支持手段で支持された前記被処理体をさらに支持しつつ前記両側における支持位置の昇降調整が可能な昇降部を有する移動手段によって搬送方向に沿って移動させることを特徴とする。
【0038】
第
14の本発明のレーザアニール処理方法は、前記第18の本発明において、前記搬入搬送工程および前記搬出搬送工程における前記連続搬送路の搬送速度を、前記アニール処理工程における前記連続搬送路の搬送速度よりも大きくして搬送可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
上記本発明によれば、被処理体のアニール処理プロセス以外の時間を極力小さくして、生産性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、レーザアニール装置の概略を示すものであり、(A)図では、処理室を拡大して示し、(B)図では、システム全体の概略を示している。この実施形態では、被処理体100として、ガラス基板上に半導体膜が形成されたものを処理対象とする。
【0043】
処理室1は、
図1に示すように、直方体形状の壁部を有し、長尺方向の対向壁に搬入口1a(図示左側)と搬出口1b(図示右側)とがそれぞれ設けられている。搬入口1a、搬出口1bは、開放したものでもよく、また、開閉可能な構成とすることができる。開閉可能な構成としては簡易な封止構造とすることも可能である。なお、搬入口と搬出口は、連続搬送路の一定の搬送方向に沿って有するものであればよく、設置位置が特定のものに限定されるものではない。
【0044】
処理室1内には、搬入口1a内側から搬出1b内側にかけて連続搬送路2が設けられている。連続搬送路2にはガス浮上装置20が配置されている。ガス浮上装置20は、下方から上方に向けてガスを噴出し、上方の被処理体100を浮上支持するものであり、本発明のガス浮上手段、すなわち支持手段に相当する。
なお、ガス浮上装置20は、図示しない噴出位置を複数有することで被処理体100の姿勢、たわみなどを調整することができる。
【0045】
また、ガス浮上装置20の両側には、
図2に示すように、長手方向に沿ってガイド28、29が配置されており、ガイド28、29には、ガイドに沿ってそれぞれ移動可能なスライド部21、25が設けられている。スライド部21、25は、その位置に応じて移動速度を変更することができる。スライド部21、25上には、長手方向に位置を変えて上下に位置調整が可能な複数の昇降部22、26が設けられている。この例では、各スライド部21、25にそれぞれ2つの昇降部22、22および昇降部26、26を有している。複数の昇降部22、22または昇降部26、26では、互いの上昇位置を変えて被処理体100の支持状態を調整できるようにしてもよい。
【0046】
昇降部22、26上には吸着部23、27を有しており、ガス浮上装置20で浮上している被処理体100を吸着する。ガイド28、スライド部21、昇降部22、吸着部23およびガイド29、スライド部25、昇降部26、吸着部27は、これらが協働して本発明の移動手段を構成する。
上記におけるガス浮上装置20と、ガイド28、スライド部21、昇降部22、吸着部23およびガイド29、スライド部25、昇降部26、吸着部27は、本発明の連続搬送路2を構成している。
【0047】
なお、この実施形態では、連続搬送路2が処理室1内に亘って設けられているものとして説明したが、処理室1外に連続搬送路2が伸長しているものであってもよい。また、処理室1が本発明として必須とされるものではない。
【0048】
処理室1の外部には、
図1に示すように、レーザ光を出力するレーザ光源40を有している。本発明としてはレーザ光の種別は特に限定されるものではなく、また、連続波、パルス波のいずれであってもよい。レーザ光の光路には、ミラー、レンズなどにより構成される光学系部材41が配置されており、この例ではラインビーム形状としたレーザ光42が処理室1内に導入されて連続搬送路2上の被処理体100に照射される。レーザ光源40、光学系部材41は、本発明のレーザ光照射手段を構成する。
【0049】
なお、連続搬送路2では、搬送に際し、被処理体100の搬送方向先端がレーザ光42の照射位置に至る位置から、被処理体の100の搬送方向後端がレーザ光42の照射位置から抜ける直前の位置までが照射領域になっており、
図1に示すように、この間の連続搬送路2の一部が照射領域搬送路2bを構成する。照射領域搬送路2bの上流側にある連続搬送路2の一部が搬入搬送路2aを構成し、照射領域搬送路2bの下流側にある連続搬送路2の一部が搬出搬送路2cを構成している。なお
図1では、図示左側の境界線は、被処理体100の後端側が基準になり、図示右側の境界線は、被処理体100の先端側が基準になる。なお、照射領域搬送路は、上記の搬送路の範囲を少なくとも含むものとし、これよりも広い搬送路の範囲を照射領域搬送路としてもよい。
【0050】
照射領域搬送路2bでは、プロセス処理における搬送速度で被処理体100が移動する必要があり、前記した移動手段は、プロセス処理における走査速度に応じた搬送速度で移動する。なお、レーザ光42の照射位置を変更できる構成の場合、移動手段による搬送速度は、レーザ光42の照射位置を含めてレーザ光42が相対的に走査速度で移動するように搬送速度を決定する。
搬入搬送路2aおよび搬出搬送路2cでは、照射領域搬送路2bよりも高速に被処理体100が移動することができ、この間で前記移動手段を相対的に高速で移動させることができる。なお、搬入搬送路2aおよび搬出搬送路2cでは、照射領域搬送路2bに近接する範囲では、搬送間隔の調整またはレーザ光の照射に備えるなどのために、照射領域搬送路2bと同じ速度で被処理体100を搬送するようにしてもよい。
【0051】
さらに、レーザアニール装置1には、
図1Bに示すように、処理室1の搬入口1a側に連通するように搬入室10が隣接されており、搬入室10の室内は、密閉可能になっている。搬入室10では、アニール処理前の複数の被処理体100が収容される収容室11と、収容室11から取り出された被処理体100を洗浄する洗浄部12と、洗浄部12で洗浄された被処理体100を搬入口1aを通して処理室1に所定間隔を置いて連続して搬入可能な搬入装置13とを有している。被処理体100を搬入する際の所定間隔は、先行する被処理体100と重ならず、搬入に際し干渉しないものであればよく、特定の範囲に限定されるものではない。また、半導体基板同士で所定間隔を異なるものにしてもよい。
上記収容室11の収容方法は特に限定されるものではなく、縦置き、横置き等適宜の方法で被処理体100を収容できればよい。洗浄部は、バッチ式、枚葉式のいずれでもよく、洗浄方法はウェット洗浄、ドライ洗浄またはこれらの複合したいずれでもよい。
【0052】
さらに、処理室1の搬出口1b側に搬出室15が隣接されており、搬出室15の室内は、搬出口1bに連通して密閉可能になっている。
搬出室15内には、処理室1の連続搬送路からアニール処理済みの被処理体100を連続して取り出す搬出装置14が設置されている。
【0053】
また、処理室1内には、処理室1外部から空気を取り入れて処理室1内に空気を吹き出す空気送出部4、5がそれぞれ搬入口1a、搬出口1bに近接して設けられている。
さらに、レーザ光42が照射される領域の上方には、レーザ光照射領域及びその周囲を覆う局所ガスを下方に噴射する局所ガスシール部3を有している。なお、局所ガスの噴射領域は、少なくともレーザ光が照射される領域を含むことを前提にして、適宜の範囲を定めることができる。
【0054】
なお、この例では、局所ガスとして不活性ガス、例えば窒素ガスが用いられている。また、レーザ光42は、局所ガスシール部3内を通過して被処理体100に照射される。
また、ガス浮上装置20では、少なくとも局所ガスシール部3と同等の範囲では、浮上ガスとして不活性ガス、例えば窒素ガスを用いるのが望ましい。この範囲以外では、浮上ガスして安価な空気などを用いるようにしてもよい。
【0055】
次に、上記レーザアニール装置を用いたレーザアニール処理について
図1〜4を参照しつつ説明する。
収容室11内には複数の被処理体100が収容されて供給可能になっている。なお、収容室11には、レーザアニール処理中に新たな被処理体100を補充できるようにしてもよい。なお、
図3、4では、処理室に順次搬入される被処理体を区別するため、搬入順に被処理体100a、100b、100cで表示している。
【0056】
収容室11内の被処理体100は、洗浄部12においてバッチ式または枚葉式によってウェットまたはドライでの洗浄が行われる。処理室1では、連続搬送路2において、ガス浮上装置20でガス噴射またはガス噴射の準備が行われ、スライド部21、スライド部25の少なくとも一方をガイド28またはガイド29に沿って搬入口1a側に移動させておく。
一方、レーザ光源40では、レーザ光を出力し、光学系部材41によってラインビームを生成する。待機状態では、レーザ光42は、光学系部材41内の一部部材によって処理室1内にビームを照射しないで、処理室外の適宜箇所に退避させる。
【0057】
先ず、
図3で、被処理体100a、100bの移動を簡略に説明する。
【0058】
搬入室10では、洗浄部12で洗浄された被処理体100aを搬入口1aから処理室1内に搬入し、連続搬送路2の搬入搬送路2aによって相対的に高速に搬送する。被処理体100がレーザ光42の照射領域に達すると、連続搬送路2の照射領域搬送路2bによって被処理体100が所定の搬送速度(比較的低速)で搬送されつつ処理室1内に導入されたレーザ光42が表面に照射される。被処理体100aが照射領域を通過することで、被処理体100aに対しレーザ光42が相対的に走査されて、被処理体100aの所定の領域がアニール処理される。アニール処理された被処理体100は、照射領域搬送路2bを抜けて連続搬送路2の搬出搬送路2cによって相対的に高速で搬出口1b近傍にまで搬送され、搬出装置14によって直ちに処理室1から搬出室15に搬出される。
【0059】
また、上記プロセスに際し、次の被処理体100bが被処理体100aのアニール処理中に処理室1内に搬入されて搬入搬送路2aで高速に搬送され、被処理体100aと所定の間隔を有して照射領域搬送路2bに至る。被処理体100bは、照射領域搬送路2bで前記と同様に所定の速度で搬送されつつアニール処理される。アニール処理が終了すると、上記と同様に、搬出搬送路2cを通して相対的に高速に搬送され、搬出装置14によって処理室1から搬出室15に搬出される。図には示していないが、以降同様にして新たな半導体基板を処理室1内に搬入して連続した処理を行うことが可能になる。
【0060】
次に、連続搬送路2における動作を
図2および
図4に基づいて説明する。
初期状態では、ガイド28、29に沿ってスライド部21、25は、搬入口1a側の初期位置に位置している。被処理体100aに対しては、ガイド28側の移動手段が動作するものとして説明する。
【0061】
被処理体100aが処理室1に搬入されると、昇降部22が適宜位置に上昇し、吸着部23によって被処理体100aの裏面側を吸着する。スライド部21では、吸着部23によって被処理体100aの吸着がなされると、予め定めた速度で搬出口1b側に移動する。これにより被処理体100aが連続搬送路2に沿って移動する。移動速度は、搬入搬送路2aおよび搬出搬送路2cでは比較的高速に移動し、照射領域搬送路2bでは、プロセス時の走査速度に応じて比較的低速に移動する。
【0062】
被処理体100aは、照射領域搬送路2bでレーザ光42が相対的に走査されつつ照射され、被処理体100aの必要領域がアニール処理される。アニール処理された後の被処理体100aは、連続搬送路2によって搬出口1b近傍にまで搬送されると、吸着部23による吸着を解除し、昇降部22を下降させる。被処理体100aは、上記したように搬出装置14によって直ちに処理室1から搬出室15に搬出される。
【0063】
この際に、スライド部21は、ガイド28に沿って搬入口1a側の初期位置に往復動によって復帰移動し、後の半導体基板の保持に用いられる。復帰移動に際しての移動速度は、被処理体を搬送する際の速度よりも高速に移動させて次の被処理体に備える。
【0064】
なお、これら一連の動作の際に、次の被処理体100bが処理室1内に搬入されると、ガス浮上装置20で空気浮上されるとともに、スライド部25上の昇降部26を適宜高さに昇降させ、吸着部27によって、被処理体100bを裏面側から吸着し、片持ち状態にする。スライド部25では、吸着部27によって被処理体100bの吸着がなされると、上記と同様に予め定めた速度で搬出口1b側に移動させる。これにより被処理体100bが連続搬送路2に沿って移動し、レーザ光42によってアニール処理される。アニール処理された被処理体100bは、連続搬送路2によって搬出口1b近傍にまで搬送され、吸着部27による吸着を解除し、昇降部26を下降させてて搬出装置14によって直ちに処理室1から搬出室15に搬出される。
スライド部25は、ガイド29に沿って搬入口1a側の初期位置に往復動によって復帰移動し、後の被処理体の保持に用いられる。復帰移動に際しての移動速度は、被処理体を搬送する際の速度よりも高速に移動させて次の被処理体に備える。
【0065】
次の被処理体は、処理室1内に搬入された後、スライド部21側の吸着部23で吸着されて搬出口1b側に搬送される。上記手順を繰り返すことで、
図5に示すように、被処理体100a、100bを連続的に処理室内に搬入して、アニール処理、搬出処理を行うことができる。
上記各動作は、図示しない制御部によって制御することができ、搬入装置、搬出装置と移動手段とを同期させつつ制御部によって動作を制御することができる。制御部は、CPUとこれに所定動作を実行させるプログラム、動作パラメータを記憶した記憶部などによって構成することができる。
従来、アニール処理に対し、半導体基板の搬入、搬出に要する時間はアニール処理の時間の約1/4である。本件実施形態では、搬入、搬出に要する時間をほぼゼロにすることで生産性は約25%向上することになる。
上記のように、移動手段を複数設け、それぞれが時期を異にして移動動作することで、複数の被処理体を待機させることなく効率的に搬送することが可能になる。
【0066】
本願発明では、上記のように効率的な処理が可能になるが、レーザ光の発振動作においても効率が向上する効果がある。
図6は、従来の装置におけるレーザ光源の発振動作を示すものである。照射プロセスの間には、処理室内への半導体基板の搬入処理および搬出処理を要している。
レーザ発振では安定的に運用するために、連続した発振状態を維持させる必要がある。したがって、搬送時間など生産に寄与しない時間にもレーザは発振しつづけなければならない。このため、レーザアニール装置では、レーザ発振を継続し、必要時に光学系部材を通してレーザ光42を処理室1内に導入している。一方で、エキシマレーザなどに内封されたガスは、レーザの発振回数によって劣化するため、ガスは定期的に交換しなくてはならない。
【0067】
図6の従来例では、照射プロセス間に搬入、搬出の時間を要し、その間にもレーザ光源の発振が継続されるため、無駄な発振が多くなり、生産性が悪い。
【0068】
図7は、本実施形態のタイムチャートを示すものであり、3つの基板を処理する例を示しているが、半導体基板の搬出、搬入を、他の半導体基板の照射プロセス中に殆ど行うことができ、むだな発振時間を極力小さくして生産性を高めることができる。
【0069】
なお、上記各実施形態では、レーザ光の長尺幅が基板1辺長ある場合について説明した。したがって、半導体基板を一つの方向の移動させることで、レーザ光を相対的に走査してアニール処理を完了することができる。しかし、レーザ光長尺幅が基板の一辺長に達っしない場合もある。
以下では、レーザ光長尺幅が基板の1/2辺長である場合について
図8に基づいて説明する。
【0070】
処理室1内では、一つの方向に半導体基板を搬送する連続搬送路200aと、これと反対の方向に半導体基板を搬送する連続搬送路200bとが並設されている。この例では、連続搬送路200aの搬送方向上流側に、搬入口1aを有している。連続搬送路200aの搬送方向下流側に、連続搬送路200bの搬送方向上流側が位置しており、連続搬送路200bの搬送方向下流側に搬出口1bが位置している。連続搬送路200aの搬送方向下流側と連続搬送路200bの搬送方向上流側との間には、両搬送路を掛け渡して被処理体を搬送する連続搬送路を有している。なお、この実施形態では、処理室1に搬入される被処理体100を区別するため、その順に被処理体100a、100b、100c、100dと表示している。
【0071】
連続搬送路200a上には、搬入された被処理体100の搬送方向を基準にして左側にレーザ光42aが照射される。レーザ光42aの照射領域上方には、レーザ光42aの照射領域およびその周囲に窒素ガスなどを噴射してシールする局所ガスシール部3aが設けられている。
連続搬送路200b上には、搬入された被処理体100の搬送方向を基準にして右側にレーザ光42bが照射される。レーザ光42bの照射領域上方には、レーザ光42bの照射領域およびその周囲に窒素ガスなどを噴射してシールする局所ガスシール部3bが設けられている。
【0072】
図中で、図示しない搬入装置によって搬入口1aに最初に搬入された被処理体100aは、図中の被処理体100dと同様に、連続搬送路200aで搬送され、局所ガスシール部3aで局所ガスが噴射されてシールされつつレーザ光42aが照射され、搬送方向左側がアニール処理される。被処理体100aは、図中の被処理体100cと同様に搬送路2aの搬送方向下流端に達し、図中の被処理体100bと同様に、連続搬送路200bの搬送方向上流側に搬送され、連続搬送路200bによって下流側に搬送される。
【0073】
連続搬送路200bを搬送される被処理体100aは、局所ガスシール部3bで局所ガスが噴射されてレーザ光照射領域およびその周辺がシールされつつ被処理体100aにレーザ光42bが照射され、搬送方向右側がアニール処理される。連続搬送路200a上でのアニール処理と連続搬送路200b上でのアニール処理とによって、被処理体100aの必要な領域がアニール処理されたことになる。
被処理体100aは、
図8に示すように、連続搬送路200bの搬送方向下流端に達し、図示しない搬出装置で搬出口1bを通して処理室1外に搬出される。
【0074】
上記手順により、被処理体100b、100c、100dが順次搬入、搬送されて連続してアニール処理が行われる。レーザ光長尺幅が半導体基板の一辺長に達っしない場合にも、基板の横幅全般に亘りアニール処理を行うことができる。
なお、連続搬送路が二つの搬送路で基板の一辺長を処理しきれない場合は、連続搬送路の並走数を増やして同様に対応することができる。
なお、上記実施形態では、被処理体の向きを変えることなく連続搬送路200aを連続搬送路200bに渡すようにしたが、被処理体の向きを変えて搬送するようにしてもよい。
【0075】
上記各実施形態では、連続搬送路が全長に亘ってガス浮上装置を備えるものについて説明したが、本発明としてはガス浮上装置を備えることが必須とされるものではなく、また、連続搬送路の一部、例えば、照射領域搬送路2bでのみガス浮上を行うようにしてもよい。
【0076】
図9は、この実施形態の連続搬送路2dを示すものである。搬入搬送路2aおよび搬出搬送路2cでは、例えば、搬送方向と直交する方向に回転軸を有する遊動状態の回転ローラ20aを搬送方向に間隔を置いて配置し、被処理体の支持を可能にする。したがって、回転ローラ20aは、本発明の支持手段を構成する。回転ローラ20aは、回転駆動されるものとすることも可能であるが、前記した移動手段を別途有するのが望ましい。
搬入搬送路2aに搬入された被処理体は、回転ローラ20aで支持され、移動手段によって搬送方向に移動する。被処理体は、照射領域搬送路2bに至るとガス浮上装置20によって支持され、その後、搬出搬送路2cに至ると、搬入搬送路2aと同様に、回転ローラ20aで支持されつつ、移動手段によって搬送される。
【0077】
被処理体の支持は、照射領域搬送路2b以外では、照射領域搬送路2b程には安定した支持や平坦性が要求されないので、照射領域搬送路2bにおける被処理体の支持とは異なる構成で被処理体を支持するようにしてもよい。
【0078】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。