【文献】
2次側同期整流ドライバ搭載アクティブクランプ方式PWMコントローラ BD8325FVT-M,ROHM Datasheet,2013年11月22日,Pages 1-30,URL,https://www.rohm.co.jp/datasheet/BD8325FVT-M/bd8325fvt-m-j
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体装置は、1次側コントローラによるスイッチングトランジスタのスイッチング動作を停止させるために、前記検出信号のアサートを前記1次側コントローラに送信することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置。
前記半導体装置は、1次側コントローラによるスイッチングトランジスタのスイッチング動作を停止させるために、前記検出信号のアサートを、前記フィードバック用フォトカプラを介して、前記1次側コントローラに送信するとともに、前記フィードバック用フォトカプラを介して、前記スイッチングトランジスタのスイッチング動作に使用されるフィードバック信号を前記1次側コントローラに送信することを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
前記検出信号が所定時間にわたりアサートした状態を持続するとき、前記フェイル回路は前記フェイル通知用フォトカプラを駆動することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
【背景技術】
【0002】
テレビや冷蔵庫をはじめとするさまざまな家電製品は、外部からの商用交流電力を受けて動作する。ラップトップ型コンピュータ、携帯電話端末やタブレット端末をはじめとする電子機器も、商用交流電力によって動作可能であり、あるいは商用交流電力によって、機器に内蔵の電池を充電可能となっている。こうした家電製品や電子機器(以下、電子機器と総称する)には、商用交流電圧をAC/DC(交流/直流)変換する電源装置(AC/DCコンバータ)が内蔵される。あるいはAC/DCコンバータが、電子機器の外部の電源アダプタ(ACアダプタ)に内蔵される場合もある。
【0003】
図1は、本発明者が検討したAC/DCコンバータ100rの基本構成を示すブロック図である。AC/DCコンバータ100rは主としてフィルタ102、整流回路104、平滑キャパシタ106およびDC/DCコンバータ200rを備える。
【0004】
商用交流電圧V
ACは、ヒューズおよび入力キャパシタ(不図示)を介してフィルタ102に入力される。フィルタ102は、商用交流電圧V
ACのノイズを除去する。整流回路104は、商用交流電圧V
ACを全波整流するダイオードブリッジ回路である。整流回路104の出力電圧は、平滑キャパシタ106によって平滑化され、直流電圧V
INに変換される。
【0005】
絶縁型のDC/DCコンバータ200rは、入力端子P1に直流電圧V
INを受け、それを降圧して、目標値に安定化された出力電圧V
OUTを生成し、出力端子P2と接地端子P3の間に接続される負荷(不図示)に供給する。
【0006】
DC/DCコンバータ200rは、1次側コントローラ202、フォトカプラ204、シャントレギュレータ206、出力回路210、2次側コントローラ300r、およびその他の回路部品を備える。出力回路210は、トランスT1、ダイオードD1、出力キャパシタC1、スイッチングトランジスタM1、同期整流トランジスタM2を含む。出力回路210のトポロジーは、一般的な同期整流型のフライバックコンバータのそれであるため、説明を省略する。
【0007】
トランスT1の1次巻線W1と接続されるスイッチングトランジスタM1がスイッチングすることにより、入力電圧V
INが降圧され、出力電圧V
OUTが生成される。そして1次側コントローラ202は、スイッチングトランジスタM1のスイッチングのデューティ比を調節する。
【0008】
DC/DCコンバータ200rの出力電圧V
OUTは、抵抗R1、R2により分圧される。シャントレギュレータ206のカソード(K)端子は、フォトカプラ204の入力側の発光素子(発光ダイオード)と接続され、アノード(A)端子は接地される。シャントレギュレータ206の基準(REF)端子には、分圧された電圧(電圧検出信号)V
OUT_Sが入力される。シャントレギュレータ206は誤差増幅器を含み、電圧検出信号V
OUT_Sと所定の基準電圧V
REF(不図示)の誤差を増幅し、誤差に応じた誤差電流I
ERRを生成し、フォトカプラ204の入力側の発光素子(発光ダイオード)から引き込む(シンク)。
【0009】
フォトカプラ204の出力側の受光素子(フォトトランジスタ)には、2次側の誤差電流I
ERRに応じたフィードバック電流I
FBが流れる。このフィードバック電流I
FBが、抵抗およびキャパシタにより平滑化され、1次側コントローラ202のフィードバック(FB)端子に入力される。1次側コントローラ202は、FB端子の電圧(フィードバック電圧)V
FBにもとづいてスイッチングトランジスタM1のデューティ比を調節する。
【0010】
2次側コントローラ300rは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングと同期して、同期整流トランジスタM2をスイッチングする。2次側コントローラ300rは、同期整流コントローラ304、ドライバ306を備える。同期整流コントローラ304は、スイッチングトランジスタM1のスイッチングと同期したパルス信号S1を生成する。たとえば同期整流コントローラ304は、スイッチングトランジスタM1がターンオフすると、パルス信号S1を、同期整流トランジスタM2のオンを指示する第1状態(たとえばハイレベル)とする。また同期整流コントローラ304は、同期整流トランジスタM2のオン期間に2次巻線W2に流れる2次電流I
Sが実質的にゼロになると、パルス信号S1を同期整流トランジスタM2のオフを指示する第2状態(ローレベル)とする。
【0011】
ドライバ306はパルス信号S1に応じて同期整流トランジスタM2をスイッチングする。以上がAC/DCコンバータ100rの全体構成である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは、2次側コントローラ300rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
【0014】
2次側コントローラ300rは、パルス信号S1を生成するために、時間測定を行う場合が多い。時間測定は、エッジブランキング、同期整流トランジスタM2のターンオンやターンオフのタイミングの制御、オン時間の上限、下限あるいはオフ時間の上限、下限の制御に使用されうる。こうした時間(以下、管理時間という)は、出力回路210の回路素子の時定数に応じて適切に設定すべきであり、したがって2次側コントローラ300rは、管理時間を外部から設定するための端子(以下、SET端子という)を有する場合が多い。
【0015】
SET端子には、外付けの抵抗やキャパシタが接続される場合が多い。たとえば典型的なタイマー回路は、キャパシタと、キャパシタを充電する電流源と、キャパシタの電圧をしきい値電圧と比較する電圧コンパレータの組み合わせで構成される。SET端子に設定抵抗R
SETを外付けする構成では、設定抵抗R
SETに応じて電流源が発生する電流値が調節され、あるいはしきい値電圧が調整されうる。あるいはSET端子にキャパシタを外付けする構成もありうる。
【0016】
このようなSET端子を有する2次側コントローラ300rにおいて、SET端子が実装不良や埃などによりショート(天絡、地絡を含む)、オープンとなると、管理時間が正確に測定できず、結果として同期整流トランジスタM2が誤動作する。
【0017】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、誤動作を防止可能な2次側コントローラの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のある態様は、絶縁同期整流型のDC/DCコンバータの2次側に配置され、同期整流トランジスタを制御する2次側コントローラに関する。2次側コントローラは、使用において外付けの回路素子が接続される設定端子と、設定端子の状態に応じて定まる管理時間にもとづいて、パルス信号を生成する同期整流コントローラと、パルス信号に応じて同期整流トランジスタをスイッチングするドライバと、設定端子のオープン状態および/またはショート状態を検出可能であり、オープン状態および/またはショート状態を検出すると検出信号をアサートする異常検出回路と、を備える。2次側コントローラは、検出信号がアサートされると、DC/DCコンバータの1次側に設けられた1次側コントローラにスイッチングトランジスタのスイッチング停止を指示する。
【0019】
この態様によると、設定端子がオープン状態あるいはショート状態となり、管理時間の測定に異常が生ずる場合に、1次側コントローラにそれを通知してスイッチングを停止することで誤動作を防止でき、信頼性を高めることができる。
【0020】
2次側コントローラは、使用においてフェイル通知用フォトカプラの入力側と接続されるフェイル端子と、検出信号がアサートされると、フェイル端子に接続されるフェイル通知用フォトカプラを駆動するフェイル回路と、をさらに備えてもよい。1次側コントローラは、フェイル通知用フォトカプラの出力側の状態に応じて、スイッチングトランジスタのスイッチングを停止してもよい。
【0021】
2次側コントローラは、使用においてフィードバック用フォトカプラの入力側と接続されるシャントレギュレータ出力端子と、DC/DCコンバータの出力電圧に応じた誤差電流を発生し、シャントレギュレータ出力端子に接続されるフィードバック用フォトカプラに供給するシャントレギュレータと、検出信号がアサートされると、シャントレギュレータ出力端子に接続されるフィードバック用フォトカプラを駆動するフェイル回路と、をさらに備えてもよい。
この場合、フィードバック用フォトカプラを、フェイル通知用フォトカプラとして流用し、部品点数を減らすことができる。
【0022】
設定端子には、使用において抵抗が外付けされ、異常検出回路は、第1キャパシタと、抵抗の抵抗値に反比例する第1電流で第1キャパシタを充電する充電回路と、第1キャパシタを所定の第2電流で放電する放電回路と、第1キャパシタの電圧をオープン検出用のしきい値電圧と比較するオープン検出コンパレータと、含む。
設定端子がオープンとなると、第1電流はゼロとなり、第1キャパシタが第2電流で放電されて、第1キャパシタの電圧が低下する。したがって第1キャパシタの電圧にもとづいてオープン異常を検出できる。
【0023】
異常検出回路は、設定端子の電圧をショート検出用のしきい値電圧と比較するショート検出コンパレータをさらに含んでもよい。
設定端子がショート(地絡)すると、設定端子の電圧は、0V付近まで低下する。あるいは、設定端子がショート(天絡)すると、設定端子の電圧は、電源電圧付近まで上昇する。したがって設定端子の電圧にもとづいて、地絡あるいは天絡を含むショート異常を検出できる。
【0024】
フェイル回路は、検出信号がアサートされる状態が、所定時間持続すると、駆動対象のフォトカプラを駆動してもよい。これにより、極短い時間の検出信号のアサートをマスクでき、ショート状態・オープン状態の誤検出を防止できる。
【0025】
フェイル回路は、第2キャパシタと、第2キャパシタを充電する電流源と、第2キャパシタと並列に設けられ、検出信号がネゲートのときオンとなる放電トランジスタと、第2キャパシタの電圧がしきい値電圧を超えると、フェイル信号をアサートする電圧コンパレータと、を含み、フェイル信号のアサートに応答して、駆動対象のフォトカプラを駆動してもよい。
【0026】
フェイル回路は、フェイル信号が所定回数、連続してアサートされると、駆動対象のフォトカプラを駆動してもよい。
【0027】
同期整流コントローラは、同期整流トランジスタの両端間電圧にもとづいてパルス信号を生成するパルス発生器であって、DC/DCコンバータの1次側のスイッチングトランジスタのターンオフを検出するとパルス信号を同期整流トランジスタのオンを指示するオンレベルとし、トランスの2次巻線の電流が実質的にゼロになったことを検出すると、パルス信号を同期整流トランジスタのオフを指示するオフレベルとするパルス発生器と、パルス信号に応じて同期整流トランジスタをスイッチングするドライバと、スイッチングトランジスタのターンオンが検出されてから所定のタイムアップ期間の経過後に、同期整流トランジスタを強制的にオフする強制オフ回路と、を含んでもよい。管理時間は、タイムアップ期間であってもよい。
【0028】
タイムアップ期間は、スイッチングトランジスタのスイッチング周期よりも短く設定されてもよい。スイッチング周波数が可変である場合には、最大周波数に対応する周期より短く設定されてもよい。
あるサイクルにおいてスイッチングトランジスタがターンオン、ターンオフし、続いて同期整流トランジスタがターンオンする。この態様によれば、次のサイクルにおいてスイッチングトランジスタがターンオンする前に同期整流トランジスタがオフしていることが保証され、連続モードにおいて生じうる問題を解決できる。
【0029】
強制オフ回路は、スイッチングトランジスタのターンオンが検出されてからタイムアップ期間の経過後に、パルス信号をオフレベルに遷移させてもよい。
これにより同期整流トランジスタを強制的にオフできる。
【0030】
パルス発生器は、スイッチングトランジスタのターンオフを検出するとアサートされるセット信号を生成するセット信号生成部と、トランスの2次巻線の電流が実質的にゼロになったことを検出すると、アサートされるリセット信号を生成するリセット信号生成部と、セット信号がアサートされるとオンレベルに遷移し、リセット信号がアサートされるとオフレベルに遷移するパルス信号を生成するフリップフロップと、を含んでもよい。
【0031】
強制オフ回路は、スイッチングトランジスタのターンオンが検出されてからタイムアップ期間の経過後にアサートされる強制オフ信号を生成してもよい。フリップフロップは、リセット信号および強制オフ信号の少なくとも一方がアサートされると、パルス信号をオフレベルに遷移させてもよい。
【0032】
強制オフ回路は、リセット信号がアサートされると、計時を開始してもよい。
連続モードにおいては、スイッチングトランジスタのターンオンに起因して2次電流がゼロとなる。したがってこの態様によれば、リセット信号のアサートにもとづいて、スイッチングトランジスタのターンオンを検出できる。
【0033】
セット信号生成部は、同期整流トランジスタの両端間電圧を第1しきい値電圧と比較し、比較結果に応じたセット信号を出力する第1コンパレータを含んでもよい。リセット信号生成部は、同期整流トランジスタの両端間電圧を第2しきい値電圧と比較し、比較結果に応じたリセット信号を出力する第2コンパレータを含んでもよい。
【0034】
ある態様の2次側コントローラは、同期整流トランジスタの両端間電圧を所定の正の第3しきい値電圧と比較する第3コンパレータをさらに備えてもよい。強制オフ回路は、同期整流トランジスタの両端間電圧が第3しきい値電圧とクロスすると、計時がリセットされてもよい。
不連続モードで、同期整流トランジスタがターンオフすると、同期整流トランジスタの両端間電圧は跳ね上がり、その後、共振により振動する。この態様によれば、両端間電圧を第3しきい値電圧と比較することにより、不連続モードにおける電圧の跳ね上がりを検出でき、不連続モードにおいては計時をリセットすることで、強制オフを無効化できる。
【0035】
第3しきい値電圧は、DC/DCコンバータの出力電圧、または出力電圧をオフセットさせた電圧であってもよい。
不連続モードで、同期整流トランジスタがターンオフすると、同期整流トランジスタの両端間電圧は跳ね上がり、その後、出力電圧の電圧レベルに収束していく。そこで、第3しきい値電圧を出力電圧にもとづいて設定することで、不連続モードを確実に検出できる。
【0036】
本発明の別の態様もまた、2次側コントローラに関する。2次側コントローラは、同期整流トランジスタの両端間電圧を第1しきい値電圧と比較し、両端間電圧が第1しきい値電圧より低くなるとセット信号をアサートする第1コンパレータと、同期整流トランジスタの両端間電圧を第2しきい値電圧と比較し、両端間電圧が第2しきい値電圧より高くなるとリセット信号をアサートする第2コンパレータと、セット信号がアサートされるとオンレベルに、リセット信号がアサートされるとオフレベルに遷移するパルス信号を生成するフリップフロップと、リセット信号がアサートされてから所定のタイムアップ期間の経過後に、同期整流トランジスタを強制的にオフする強制オフ回路と、使用において外付けの回路素子が接続され、回路素子の回路定数にもとづいてタイムアップ期間が規定される、設定端子と、設定端子のオープン状態および/またはショート状態を検出可能であり、オープン状態および/またはショート状態を検出すると検出信号をアサートする異常検出回路と、を備える。検出信号がアサートされると、DC/DCコンバータの1次側に設けられた1次側コントローラにスイッチングトランジスタのスイッチング停止を指示する。
【0037】
強制オフ回路は、リセット信号がアサートされてからタイムアップ期間の経過後にアサートされる強制オフ信号を生成し、フリップフロップは、リセット信号および強制オフ信号の少なくとも一方がアサートされると、パルス信号をオフレベルに遷移させてもよい。
【0038】
2次側コントローラは、同期整流トランジスタの両端間電圧を所定の正の第3しきい値電圧と比較する第3コンパレータをさらに備えてもよい。強制オフ回路は、同期整流トランジスタの両端間電圧が第3しきい値電圧とクロスすると、計時がリセットされてもよい。
【0039】
2次側コントローラは、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
【0040】
本発明の別の態様は、絶縁同期整流型のDC/DCコンバータに関する。DC/DCコンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、トランスの1次巻線と接続されるスイッチングトランジスタと、トランスの2次巻線と接続される同期整流トランジスタと、フィードバック用フォトカプラと、フィードバック用フォトカプラの入力側と接続され、DC/DCコンバータの出力電圧に応じた誤差電流を発生するシャントレギュレータと、フィードバック用フォトカプラの出力側と接続され、フィードバック用フォトカプラからのフィードバック信号に応じてスイッチングトランジスタをスイッチングする1次側コントローラと、同期整流トランジスタを制御する上述のいずれかの2次側コントローラと、を備える。
【0041】
DC/DCコンバータは、フライバック型であってもよいし、フォワード型であってもよい。
【0042】
本発明の別の態様は、電源装置(AC/DCコンバータ)に関する。電源装置は、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0043】
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、負荷と、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0044】
本発明の別の態様は、ACアダプタに関する。ACアダプタは、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、直流出力電圧を生成する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0045】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0046】
本発明のある態様によれば、誤動作を防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0049】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0050】
(第1の実施の形態)
図2は、第1の実施の形態に係る2次側コントローラ300を備えるDC/DCコンバータ200の回路図である。このDC/DCコンバータ200は、
図1のDC/DCコンバータ200rと同様に、AC/DCコンバータに使用可能である。またDC/DCコンバータ200の基本構成は
図1のDC/DCコンバータ200rの構成と同様である。
【0051】
2次側コントローラ300は、電源(VCC)端子、スイッチング出力(OUT)端子、ドレイン電圧(VD)端子、接地(GND)端子を有し、ひとつの半導体基板に集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。2次側コントローラ300は、同期整流トランジスタM2と同一のパッケージに収容され、一体不可分な単一のモジュールを構成してもよい。
【0052】
2次側コントローラ300のVCC端子には、DC/DCコンバータ200の2次側において生成される直流電圧(ここでは出力電圧V
OUT)が供給される。2次側コントローラ300は、VCC端子の電圧を主たる電源として動作する。VD端子は、同期整流トランジスタM2のドレインと接続される。OUT端子は、同期整流トランジスタM2のゲートと接続される。GND端子は、2次側コントローラ300が基準とすべき電位と接続され、本実施の形態では2次側の基準電位、すなわち接地電圧V
GNDが供給される。
【0053】
また2次側コントローラ300は、設定(SET)端子を備える。SET端子には、使用において外付けの回路素子が接続される。本実施の形態においてこの回路素子は抵抗R
SETであり、抵抗R
SETの抵抗値に応じて、同期整流トランジスタM2の駆動に利用される少なくとも一つの時間(管理時間)の長さが設定される。
【0054】
2次側コントローラ300は、同期整流コントローラ304、ドライバ306、異常検出回路320、フェイル回路322を備える。
【0055】
同期整流コントローラ304は、SET端子の状態、すなわち抵抗R
SETの抵抗値に応じて定まる管理時間にもとづいて、パルス信号S1を生成する。管理時間は、(1)エッジブランキング、(2)同期整流トランジスタM2のターンオンやターンオフのタイミングの制御、(3)オン時間の上限、下限あるいはオフ時間の上限、下限の制御、などに使用されうる。本発明では、管理時間の種類は特に限定されない。
【0056】
たとえば同期整流コントローラ304は、同期整流トランジスタM2のドレイン電圧V
D_Sにもとづいてパルス信号S1を生成する。2次側コントローラ300は、そのGND端子が同期整流トランジスタM2のソースと共通の接地ラインに接続され、ソース電圧V
GNDを基準として動作することから、VD端子のドレイン電圧V
D_Sは、同期整流トランジスタM2の両端間電圧(ドレインソース間電圧V
DS)に他ならない。
【0057】
同期整流コントローラ304の構成、動作は特に限定されず、公知の、あるいは将来利用可能な技術を用いればよい。たとえば同期整流コントローラ304は、DC/DCコンバータ200の1次側のスイッチングトランジスタM1のターンオフを検出するとパルス信号S1を同期整流トランジスタM2のオンを指示するオンレベル(たとえばハイレベル)とし、トランスT1の2次巻線W2の電流I
Sが実質的にゼロになったことを検出すると、パルス信号S1を同期整流トランジスタM2のオフを指示するオフレベル(たとえばローレベル)とする。ドライバ306は、パルス信号S1に応じて同期整流トランジスタM2をスイッチングする。
【0058】
スイッチングトランジスタM1のオン期間において、2次巻線W2の両端間電圧は、−V
IN×N
S/N
Pであるから、同期整流トランジスタM2のドレイン電圧V
D_S(つまりドレインソース間電圧V
DS)は、V
D_S=V
OUT+V
IN×N
S/N
Pとなる。N
P,N
Sは、1次巻線W1、2次巻線W2の巻数である。
【0059】
スイッチングトランジスタM1がオフすると、同期整流トランジスタM2のソースからドレインに向かって2次電流I
Sが流れるため、ドレインソース間電圧は負電圧となる。連続モードでは、スイッチングトランジスタM1がターンオンすることにより、2次電流I
Sがゼロとなり、ドレイン電圧が再びV
D=V
OUT+V
IN×N
S/N
Pに跳ね上がる。不連続モードでは、同期整流トランジスタM2のオン状態においてトランスT1に蓄えられたエネルギーの減少にともない2次電流I
Sが減少していくと、ドレインソース間電圧V
DSの絶対値は小さくなり、やがて2次電流I
Sが実質的にゼロになると、ドレインソース間電圧V
DSも実質的にゼロとなり、ドレイン電圧V
D_Sはリンギングする。
【0060】
これらの性質を利用して同期整流コントローラ304は、同期整流トランジスタM2のドレイン電圧(ドレインソース間電圧)にもとづいて、パルス信号S1を生成してもよい。
【0061】
ドライバ306は、パルス信号S1に応じて同期整流トランジスタM2をスイッチングする。
【0062】
異常検出回路320は、SET端子のオープン状態および/またはショート状態を検出可能である。異常検出回路320は、オープン状態、ショート状態のいずれかを検出すると検出信号S11をアサート(たとえばハイレベル)する。オープン状態、ショート状態のいずれも検出されない場合、検出信号S11はネゲート(ローレベル)される。
【0063】
2次側コントローラ300は、検出信号S11がアサートされると、DC/DCコンバータ200の1次側に設けられた1次側コントローラ202に、スイッチングトランジスタM1のスイッチング停止を指示する。また同期整流コントローラ304は、検出信号S11がアサートされると同期整流トランジスタM2をオフする。
【0064】
具体的には、2次側コントローラ300にはフェイル(FAIL)端子が設けられる。使用においてFAIL端子には、フェイル通知用フォトカプラ205の入力側と接続される。フェイル回路322は、検出信号S11がアサートされると、FAIL端子に接続されるフェイル通知用フォトカプラ205を駆動する。
【0065】
1次側コントローラ202は、フェイル通知用フォトカプラ205の出力側の状態に応じて、スイッチングトランジスタM1のスイッチングを停止する。フェイル回路322がフェイル通知用フォトカプラ205を駆動すると、フェイル通知用フォトカプラ205の入力側にフェイル電流I
FAIL_INが流れ、出力側にはフェイル電流I
FAIL_OUTが流れる。1次側コントローラ202は、フェイル電流I
FAIL_OUTにもとづいて、2次側コントローラ300におけるSET端子の異常を知ることができる。
【0066】
図2のDC/DCコンバータ200において、フェイル通知用フォトカプラ205の出力側は、フィードバック用フォトカプラ204の出力側と共通に、1次側コントローラ202のFB端子と接続される。
【0067】
以上が実施の形態に係る2次側コントローラ300およびそれを用いたDC/DCコンバータ200の構成である。続いてその動作を説明する。
【0068】
(正常時)
SET端子に抵抗R
SETが正常に接続されるとき、検出信号S11はネゲートである。このときフェイル回路322はフェイル通知用フォトカプラ205を駆動しないから、フェイル通知用フォトカプラ205の発光素子は発光せず、フェイル電流I
FAIL_OUTは流れない。このとき1次側コントローラ202のFB端子のフィードバック電圧V
FBは、シャントレギュレータ206およびフィードバック用フォトカプラ204により、電圧検出信号V
OUT_Sが目標値V
REFに近づくように調節される。
【0069】
(異常時)
SET端子がオープンまたはショートとなると、検出信号S11がアサートされる。これに応答してフェイル回路322はフェイル通知用フォトカプラ205を駆動し、フェイル通知用フォトカプラ205の発光素子は発光し、フェイル電流I
FAIL_OUTが流れる。フェイル電流I
FAIL_OUTが流れることで、FB端子に接続されるキャパシタが放電され、フィードバック電圧V
FBが接地電圧(0V)付近まで低下し、スイッチングトランジスタM1のデューティ比がゼロとなり、スイッチングトランジスタM1のスイッチングが停止する。また検出信号S11のアサートに応答してドライバ306は同期整流トランジスタM2をオフし、スイッチングを停止する。
【0070】
以上が2次側コントローラ300の動作である。SET端子がオープンまたはショートとなると、同期整流コントローラ304が参照する管理時間が著しく長く、もしくは著しく短くなる。したがって同期整流トランジスタM2がオンすべき期間に同期整流トランジスタM2がオンせず、あるいは同期整流トランジスタM2がオフすべき期間に同期整流トランジスタM2がオンする状況が生じうる。たとえばスイッチングトランジスタM1のオン期間中は、同期整流トランジスタM2はオフすべきであるが、同期整流トランジスタM2が誤ってターンオンすると、同期整流トランジスタM2の両端間に過電圧が印加され、その信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。あるいは同期整流トランジスタM2の誤ったターンオンあるいはターンオフにより、2次巻線W2の電流が急峻に変化すると、1次巻線W1に過電圧が発生してスイッチングトランジスタM1に印加され、その信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0071】
実施の形態に係る2次側コントローラ300によれば、SET端子のオープンおよび/またはショート(つまり少なくとも一方)を検出し、異常時にはDC/DCコンバータ200の動作を停止させることにより、誤動作を防止し、信頼性を高めることができる。
【0072】
続いて2次側コントローラ300を用いたDC/DCコンバータ200の変形例を説明する。
【0073】
図3は、第1の変形例に係るDC/DCコンバータ200aの回路図である。この変形例において1次側コントローラ202は、2次側コントローラ300からのフェイル通知を示す信号を受けるためのフェイル(FAIL)端子を備える。フェイル通知用フォトカプラ205の出力側は、FAIL端子に接続される。1次側コントローラ202は、そのFAIL端子の状態にもとづいて、フェイル電流I
FAIL_OUTの有無を検出し、フェイル電流I
FAIL_OUTが流れているとき、スイッチングトランジスタM1のスイッチングを停止する。
【0074】
図4は、第2の変形例に係るDC/DCコンバータ200bの回路図である。この変形例では、2次側コントローラ300のFAIL端子は、フィードバック用フォトカプラ204の入力側と接続される。検出信号S11がアサートされ、誤差電流I
ERRよりも大きなフェイル電流I
FAIL_INが流れると、フィードバック用フォトカプラ204の出力側の電流I
FBが増大し、FB端子に接続されるキャパシタが放電され、フィードバック電圧V
FBが接地電圧(0V)付近まで低下し、スイッチングトランジスタM1のデューティ比がゼロとなり、スイッチングトランジスタM1のスイッチングが停止する。
【0075】
つまり第2の変形例では、フィードバック用フォトカプラ204がフェイル通知用フォトカプラ205を兼用しており、フィードバック用フォトカプラ204の出力電流I
FBが、フェイル電流I
FAIL_OUTを兼ねている。
【0076】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係る2次側コントローラ300cを備えるDC/DCコンバータ200cの回路図である。この2次側コントローラ300cは、シャントレギュレータ206を内蔵しており、その他については
図2の2次側コントローラ300と同様である。シャントレギュレータ206は、トランジスタM3およびエラーアンプ207を含む。シャントレギュレータ206の入力端子(SH_IN)には、電圧検出信号V
OUT_Sが入力される。エラーアンプ207は、電圧検出信号V
OUT_Sと基準電圧V
REFの誤差を増幅する。トランジスタM3はシャントレギュレータ206の出力端子(SH_OUT)と接続され、そのゲートには、エラーアンプ207の出力V
ERRが入力される。トランジスタM3としてPチャンネルMOSFETあるいはPNP型バイポーラトランジスタを用いる場合、エラーアンプ207の反転入力端子と非反転入力端子とを入れ替えればよい。
【0077】
この2次側コントローラ300cによっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また2次側コントローラ300cは、
図3、
図4のDC/DCコンバータ200a、200bに使用してもよい。
【0078】
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態に係る2次側コントローラ300dを備えるDC/DCコンバータ200dの回路図である。この2次側コントローラ300dは、
図5と同様にシャントレギュレータ206を内蔵している。フェイル回路322dは、検出信号S11がアサートされると、SH_OUT端子に接続されるフィードバック用フォトカプラ204を駆動する。
【0079】
この2次側コントローラ300dでは、SH_OUT端子がFAIL端子を兼ねており、フィードバック用フォトカプラ204がフェイル通知用フォトカプラ205を兼ねているものと把握できる。
【0080】
続いて2次側コントローラ300の具体的な構成例を説明する。なお本発明は、第1から第3の実施の形態から把握されるさまざまな形態に及ぶものであり、以下で説明する具体的な構成には限定されない。
【0081】
図7は、異常検出回路320の構成例の回路図である。
SET端子には、使用において抵抗R
SETが外付けされる。異常検出回路320は、第1キャパシタC11、充電回路360、放電回路362、オープン検出コンパレータ364を含む。充電回路360は、抵抗R
SETの抵抗値に反比例する第1電流I1で第1キャパシタC11を充電する。
【0082】
充電回路360は、定電流回路(V/I変換回路)368と、カレントミラー回路370を含んでもよい。定電流回路368は、エラーアンプ372およびトランジスタ374を含む。定電流回路368は、SET端子に基準電圧V
REFを印加する。トランジスタ374および抵抗R
SETには、I
SET=V
REF/R
SETの電流が流れる。カレントミラー回路370は、この電流I
SETを折り返し、第1電流I1を出力する。
【0083】
放電回路362は、第1キャパシタC11を所定の第2電流I2で放電する。オープン検出コンパレータ364は、第1キャパシタC11の電圧V
C11をオープン検出用のしきい値電圧V
OPENと比較する。オープン検出コンパレータ364の出力は、オープン異常を示す検出信号OPEN_DETとなる。
【0084】
さらに異常検出回路320は、ショート検出コンパレータ366を含む。充電回路360は、SET端子の電圧V
SETをショート検出用のしきい値電圧V
SHORTと比較する。ショート検出コンパレータ366の出力は、オープン異常を示す検出信号SHORT_DETとなる。
【0085】
続いて異常検出回路320の動作を説明する。
(オープン検出)
SET端子がオープンとなると、電流I
SETおよび第1電流I1はゼロとなり、第1キャパシタC11が第2電流I2で放電されて、第1キャパシタC11の電圧V
C11が低下する。電圧V
C11がしきい値電圧V
OPENを下回ると、オープン検出コンパレータ364の出力OPEN_DETがアサート(ハイレベル)される。
【0086】
(ショート検出)
正常時にはSET端子の電圧V
SETは、基準電圧V
REFと等しい。ところがSET端子がショート(地絡)すると、SET端子の電圧V
SETは、0V付近まで低下する。したがってしきい値電圧V
SHORTを接地電圧の近傍(たとえば0.2V)とすれば、地絡を検出できる。あるいは、SET端子がショート(天絡)すると、SET端子の電圧V
SETは、電源電圧付近まで上昇する。したがってしきい値電圧V
SHORTを電源電圧の近傍とすれば、天絡を検出できる。なお、異常検出回路320の構成は、
図7のそれには限定されず、公知の技術を用いてもよい。
【0087】
図8は、フェイル回路322の構成例の回路図である。フェイル回路322は、検出信号S11(すなわちOPEN_DETあるいはSHORT_DET)がアサートされる状態が、所定時間持続すると、駆動対象のフォトカプラ(フィードバック用フォトカプラ204もしくはフェイル通知用フォトカプラ205)を駆動する。これにより、極短い時間の検出信号S11のアサートをマスクでき、ショート状態・オープン状態の誤検出を防止できる。
【0088】
フェイル回路322は、主として第2キャパシタC12、電流源380、放電トランジスタ382、コンパレータ384を備える。電流源380は、第2キャパシタC12を充電する。放電トランジスタ382は、第2キャパシタC12と並列に設けられ、検出信号S11がネゲート(ローレベル)のときオンとなる。コンパレータ384は、第2キャパシタC12の電圧V
C12がしきい値電圧V
TIMEを超えると、フェイル信号S12をアサートする。
【0089】
フェイル回路322は、フェイル信号S12のアサートに応答して、駆動対象のフォトカプラ205(204)を駆動する。具体的にはフェイル回路322は、FAIL端子(SH_OUT端子)と接続され、フェイル信号S12のアサートに応答してターンオンする駆動トランジスタ386を含んでもよい。フリップフロップ388は、フェイル信号S12のアサートをラッチし、駆動トランジスタ386をオン状態で固定する。
【0090】
フェイル回路322は、フェイル信号S12が所定回数、連続してアサートされたときに、フォトカプラ205(204)を駆動してもよい。このためにフェイル回路322はさらに、放電トランジスタ390、ワンショット回路392、カウンタ394を備える。
【0091】
放電トランジスタ390は、第2キャパシタC12と並列に設けられる。ワンショット回路392は、フェイル信号S12のエッジから所定時間ハイレベルとなる信号S13を生成する。信号S13がハイレベルの期間、放電トランジスタ390がオンとなり、第2キャパシタC12の電圧がリセットされる。カウンタ394は、ワンショット回路392の出力S13がハイレベルとなる回数をカウントし、カウント値が所定数に達すると、駆動トランジスタ386をオン状態でラッチする。カウンタ394のカウント値は、検出信号S11がネゲートされると、リセットされる。以上がフェイル回路322の構成例である。なおフェイル回路322の構成は、
図8のそれには限定されない。
【0092】
続いて同期整流コントローラ304の構成例を説明する。
図9は、2次側コントローラ300eの構成例を示す回路図である。同期整流コントローラ304eは、パルス発生器328および強制オフ回路330を備える。その他の構成は
図2と同様である。この同期整流コントローラ304eは、
図5や
図6の2次側コントローラ300c、300dにも適用可能である。
【0093】
パルス発生器328は、同期整流トランジスタM2の両端間電圧V
DSにもとづいてパルス信号S1を生成する。パルス発生器328は、スイッチングトランジスタM1のターンオフを検出するとパルス信号S1を、同期整流トランジスタM2のオンを指示するオンレベルとし、2次巻線W2の電流I
Sが実質的にゼロになったことを検出すると、パルス信号S1を、同期整流トランジスタM2のオフを指示するオフレベルとする。
【0094】
強制オフ回路330は、スイッチングトランジスタM1のターンオンが検出されてから所定のタイムアップ期間T
UPの経過後(強制オフタイミングという)に、同期整流トランジスタM2がオンであれば強制的にオフする。本実施の形態では、強制オフ回路330は、強制オフタイミングにおいて強制オフ信号S2をアサートする。そして強制オフ信号S2を利用して、パルス信号S1をオフレベル(ローレベル)に遷移させる。
【0095】
タイムアップ期間T
UPは、スイッチングトランジスタM1のスイッチング周期T
SWよりも短く設定される。スイッチング周波数f
SWが負荷に応じて可変である場合には、最大周波数f
MAXに対応する周期1/T
SWMAXより短く設定するとよい。
【0096】
なお、同期整流トランジスタM2を強制オフする方式は特に限定されず、別の実施の形態においては、たとえば同期整流コントローラ304eとドライバ306の間に論理ゲートを追加し、パルス信号S1をマスクしてもよいし、ドライバ306のプッシュプル出力段のローサイドトランジスタ(不図示)を、強制的にオンしてもよい。
【0097】
上述の管理時間は、タイムアップ期間T
UPであり、SET端子は、タイムアップ期間T
UPの長さを設定するために使用される。
【0098】
以上が
図9の2次側コントローラ300eの構成である。
図9の2次側コントローラ300の動作を説明する前に、強制オフ回路330を設けない場合に生じるうる問題点を説明する。
【0099】
本発明者らは、
図1のように強制オフ回路330を備えないDC/DCコンバータ200rを連続モードで動作させる際に、以下の問題が生ずることを認識するに至った。
【0100】
図10は、強制オフ回路330を備えないDC/DCコンバータ200rの連続モードにおける動作波形図である。時刻t1より前、スイッチングトランジスタM1はオン状態であり、同期整流トランジスタM2のドレイン電圧V
Dは、V
OUT+V
IN×N
S/N
Pである。時刻t1にスイッチングトランジスタM1がターンオフすると、2次巻線W2に2次電流I
Sが流れ始め、ドレイン電圧V
Dは負となる。同期整流コントローラ304は、ドレイン電圧V
Dが、上から下に、第1しきい値電圧V
TH1とクロスしたことを検出し、パルス信号S1を第1状態とする。その結果、同期整流トランジスタM2がターンオンする。
【0101】
同期整流トランジスタM2のオン期間、ドレイン電圧V
Dの絶対値は、2次電流I
Sの減少とともに小さくなる。時刻t2にスイッチングトランジスタM1がターンオンすると、2次電流I
Sがゼロとなり、ドレイン電圧V
Dは再び、V
OUT+V
IN×N
S/N
Pに跳ね上がる。同期整流コントローラ304は、ドレイン電圧V
Dが、下から上に第2しきい値電圧V
TH2とクロスすると、パルス信号S1を第2状態とする。これにより同期整流トランジスタM2がターンオフする。
【0102】
ここで、時刻t2にドレイン電圧V
Dがしきい値電圧V
TH2とクロスしてから、パルス信号S1が第2状態に遷移して同期整流トランジスタM2がターンオフする時刻t3までには、ある遅延τ
Dが存在する。この遅延τ
Dの間、同期整流トランジスタM2がオンであり、そのインピーダンスが非常に小さいにも関わらず、その両端間には大きな電圧V
Dが発生しているため、同期整流トランジスタM2に大電流(破線I
S’)が流れるおそれがある。
【0103】
またこの遅延時間τ
Dの間、同期整流トランジスタM2に流れる大電流I
S’は、2次巻線W2を経由する。時刻t3に同期整流トランジスタM2がオフすると、2次巻線W2に流れていた電流I
S’が遮断されるため、その両端間に高電圧Vx=dI
s’/dtが発生する。この高電圧Vxは、1次巻線W1の両端間にVy=−Vx×N
P/N
Sを誘起する。この電圧VyがスイッチングトランジスタM1に印加されると、スイッチングトランジスタM1の信頼性に影響を及ぼすおそれがある。
【0104】
これらの問題を解決するために、1次側コントローラ202から2次側コントローラ300に対して、スイッチングトランジスタM1のターンオンを示すタイミング信号を供給し、2次側コントローラ300が、スイッチングトランジスタM1のターンオンに先立ち、同期整流トランジスタM2をオフするアプローチが考えられる。
【0105】
ところが、絶縁型のコンバータでは、1次側と2次側を絶縁する必要があるため、このタイミング信号を1次側から2次側に伝送するために、追加のフォトカプラやキャパシタが必要となり、回路コストが高くなるという問題がある。
【0106】
以上が連続モードで生じうる問題点である。続いて、
図9の2次側コントローラ300によって、どのようにこの問題点が解決されるかを説明する。
【0107】
図11は、
図9のDC/DCコンバータ200の連続モードの動作波形図である。時刻t1に、スイッチングトランジスタM1がターンオンする。このターンオンを契機として強制オフ回路330は計時を開始し、タイムアップ期間T
UPが経過すると、強制オフ信号S2がアサートされる。ここでT
UP<T
SWであるため、次のサイクルにおいてスイッチングトランジスタM1がターンオンする時刻t4より前に、パルス信号S1がオフレベルとなり、同期整流トランジスタM2をオフさせることができる。
【0108】
図12は、
図9のDC/DCコンバータ200の不連続モードの動作波形図である。不連続モードでは、強制オフ信号S2のアサートより前に、2次電流I
Sが実質的にゼロとなる。したがって強制オフ信号S2による強制オフは発生せずに、同期整流トランジスタM2がスイッチングする。
【0109】
以上がDC/DCコンバータ200の動作である。
このDC/DCコンバータ200によれば、
図11に示すように、連続モードにおいて、スイッチングトランジスタM1がターンオンする前に、同期整流トランジスタM2がターンオフするため、連続モードにおいて生じうる問題を解決することができる。この制御のために、1次側コントローラ202から2次側コントローラ300に対して、スイッチングトランジスタM1のターンオンを示すタイミング信号を供給する必要がないため、タイミング信号の伝送のために必要なフォトカプラやキャパシタなど追加の部品が不要であり、コストの観点からも有利である。
【0110】
2次側コントローラ300eにおいて、SET端子がオープンとなると、タイムアップ期間T
UPが非常に長くなり、強制オフ回路330が存在しないのと等価になるため、連続モードにおいて、上述した問題が発生する。反対に2次側コントローラ300eにおいて、SET端子がショート(地絡)となると、タイムアップ期間T
UPが非常に短くなり、同期整流トランジスタM2のオン時間が短くなり、異常発熱の要因となる。
【0111】
図9の2次側コントローラ300eによれば、SET端子のオープン、ショート異常を検出することで、信頼性を高めることができる。
【0112】
図13は、第1構成例に係る2次側コントローラ300eの回路図である。
パルス発生器328は、セット信号生成部308、リセット信号生成部310、DフリップフロップFF1を含む。2次側コントローラ300aのGND端子は、同期整流トランジスタM2のソースと接続される。したがって2次側コントローラ300eにおいて、VD端子の電圧V
Dは、同期整流トランジスタM2のドレインソース間電圧に相当する。
【0113】
上述のようにパルス発生器328は、(i)スイッチングトランジスタM1がターンオフすると、パルス信号S1を第1状態(ハイレベル)とし、(ii)同期整流トランジスタM2のオン期間に2次巻線W2に流れる電流I
Sが実質的にゼロになると、パルス信号S1を第2状態(ローレベル)とする。
【0114】
セット信号生成部308は、第1コンパレータCMP1を含み、(i)スイッチングトランジスタM1のターンオフを検出するために設けられる。第1コンパレータCMP1は、VD端子のドレイン電圧(ドレインソース間電圧)V
Dを負の所定の第1しきい値電圧V
TH1(たとえば−150mV)と比較し、それらがクロスすると、セット信号(セット信号)S
ONをアサート(ハイレベル)する。具体的には、ドレイン電圧V
DがV
TH1より低くなると、言い換えれば、ドレインソース間電圧V
DSが負電圧となると、セット信号S
ONがハイレベルとなる。セット信号S
ONは、DフリップフロップFF1のクロック端子に入力され、セット信号S
ONのポジティブエッジに応答して、パルス信号S1がハイレベルとなる。DフリップフロップFF1に変えて、RSフリップフロップを用いてもよい。
【0115】
リセット信号生成部310は第2コンパレータCMP2を含み、(ii)同期整流トランジスタM2のオン期間に2次巻線W2に流れる2次電流I
Sが実質的にゼロになったことを検出するために設けられる。スイッチングトランジスタM1のオフ期間、同期整流トランジスタM2のソースからドレインに向かって電流I
Sが流れ、ドレインソース間電圧V
DSは負電圧となり、その絶対値は電流I
Sの電流量に応じている。そこで第2コンパレータCMP2は、ドレイン電圧V
Dをゼロ付近に設定された負のしきい値電圧V
TH2(たとえば−10mV)と比較し、ドレイン電圧V
Dがしきい値電圧V
TH2より高くなると、リセット信号(リセット信号)S
OFFをアサート(ローレベル)とする。リセット信号S
OFFは、フリップフロップFF1のリセット端子(反転論理)に入力され、リセット信号S
OFFのネガティブエッジに応答して、パルス信号S1がローレベルとなる。
【0116】
フリップフロップFF1は、リセット信号S
ONと強制オフ信号S2の少なくとも一方がアサート(ローレベル)されると、パルス信号S1をオフレベル(ローレベル)に遷移させる。このために、論理回路332が設けられる。論理回路332は、強制オフ信号S2とリセット信号S
OFFを論理演算し、フリップフロップFF1のリセット端子(反転論理)に出力する。ここでは論理回路332はANDゲートが用いられるが、その構成は各信号の論理値に応じて適宜変更しうる。
【0117】
図11に示すように、連続モードにおいてはスイッチングトランジスタM1のターンオンに起因して2次電流I
Sがゼロとなり、ドレイン電圧V
Dが跳ね上がる。したがって第2コンパレータCMP2が検出するゼロ電流のタイミングは、スイッチングトランジスタM1のターンオンのタイミングと実質的に一致する。そこで強制オフ回路330は、リセット信号S
OFFがアサートされると、スイッチングトランジスタM1がターンオンしたものとして、計時を開始する。
【0118】
図13の2次側コントローラ300eによれば、連続モードにおいて発生するさまざまな問題を解決することができる。
【0119】
図14は、第2の構成例に係る2次側コントローラ300fの回路図である。
2次側コントローラ300fは、
図13の2次側コントローラ300eに加えて、第3コンパレータCMP3をさらに備える。第3コンパレータCMP3は、同期整流トランジスタのドレインソース間電圧V
DSを所定の正の第3しきい値電圧V
TH3と比較する。第3コンパレータCMP3の出力S3が、ドレインソース間電圧V
DSと第3しきい値電圧V
TH3のクロスを示すと、強制オフ回路330の計時はリセットされる。
【0120】
第3しきい値電圧V
TH3は、出力電圧V
OUTにもとづいて生成することが望ましい。具体的には、第3しきい値電圧V
TH3は、出力電圧V
OUTまたはその近傍に設定される。第3しきい値電圧V
TH3は、出力電圧V
OUTをオフセットして生成してもよい。
【0121】
図14の2次側コントローラ300fによれば、
図13の2次側コントローラ300eにおいて生ずる問題点を解決できる。はじめに問題点を説明する。
図15は、
図13の2次側コントローラ300eの問題点を説明する図である。DC/DCコンバータ200の1次側コントローラ202は、負荷電流I
OUTが減少するにしたがいスイッチング周波数f
SWを低減させ、スイッチング損失を減らして効率改善を図る場合がある。このような1次側コントローラ202と組み合わせて、
図13の2次側コントローラ300eを使用すると、スイッチング周波数f
SWが低い領域において、言い換えればスイッチング周期が長い状態において、DC/DCコンバータ200が不連続モードで動作する際に、同期整流トランジスタM2をターンオンさせることができず、ダイオード整流モードで動作することとなる。
【0122】
図13の2次側コントローラ300eにおいては、スイッチングトランジスタM1のターンオンを検出するために第2コンパレータCMP2の出力S
OFFが利用される。連続モードにおいては、スイッチングトランジスタM1のターンオンの結果、2次電流I
Sがゼロとなるため、リセット信号S
OFFの変化点は、スイッチングトランジスタM1のターンオンを示すこととなる。ところが、不連続モードにおいては、スイッチングトランジスタM1がターンオンするより前に、2次電流I
Sがゼロとなるため、リセット信号S
OFFのアサートと、同期整流トランジスタM2のアサートは一致しない。
【0123】
リセット信号S
OFFのアサートから、タイムアップ期間T
UPの経過後に、同期整流トランジスタM2が強制オフとなる。この強制オフは、次のリセット信号S
OFFのアサートにおいて解除される。したがってセット信号S
ONのアサートは、強制オフ区間中に発生し、パルス信号S1がローレベルを維持し、同期整流トランジスタM2がターンオンしない。
【0124】
つまり2次側コントローラ300eを用いると、不連続モードにおいて同期整流トランジスタM2がスイッチングせず、ダイオード整流モードで動作する状況が生じうる。
【0125】
図14の2次側コントローラ300fでは、この問題が解決される。
図16は、
図14の2次側コントローラ300fの不連続モードの動作波形図である。不連続モードにおいて同期整流トランジスタM2がターンオフすると、ドレイン電圧V
Dが跳ね上がり、その後出力電圧V
OUTを中心として減衰振動する。この間、ドレイン電圧V
Dとしきい値電圧V
TH3のクロスが繰り返し発生し、クロスのたびに強制オフ回路330の計時がリセットされるため、強制オフ信号S2はアサートされない。これにより、不連続モードにおいても同期整流トランジスタM2がスイッチングする同期整流動作を維持することができる。
【0126】
図17(a)は、強制オフ回路330の構成例を示す回路図である。この強制オフ回路330はアナログタイマー回路であり、キャパシタC41、電流源CS41、放電回路M41、第4コンパレータCMP4、ワンショット回路334を含む。電流源CS41は、キャパシタC41に電流I
Cを供給する。放電回路M41は、リセット信号S
OFFに応答してキャパシタC41を放電し、計時をリセットする。たとえば放電回路M41は、トランジスタで構成できる。第4コンパレータCMP4は、キャパシタC41の電圧V
C41を所定の第4しきい値電圧V
TH4と比較する。ワンショット回路334は、キャパシタC41の電圧V
C41が第4しきい値電圧V
TH4を超えると、所定時間ローレベル(アサート)となる強制オフ信号S2を出力する。
【0127】
図14の2次側コントローラ300fにおいては、放電回路M41は、リセット信号S
OFFと第3コンパレータCMP3の出力S3のいずれかがアサートされると、キャパシタC41を放電し、計時をリセットするよう構成される。このために、ORゲート336を設けてもよい。
【0128】
図17(b)は、
図17(a)の電流源CS41の回路図である。電流源CS41は、トランジスタM42、オペアンプ340、SET端子に外付けされる抵抗R
SET、カレントミラー回路342を含む。トランジスタM42には、外付け抵抗R
SETに応じた電流V
REF/R
SETが流れ、カレントミラー回路342はこの電流を折り返し、キャパシタC41に供給する。この構成により、抵抗R
SETの抵抗値に応じて、強制オフ回路330のタイムアップ期間T
UPを設定できる。上述の異常検出回路320は、このSET端子のオープン、ショートを監視する。
【0129】
強制オフ回路330は、アナログタイマーに代えて、カウンタを用いたデジタルタイマであってもよい。
【0130】
(用途)
続いて、実施の形態で説明したDC/DCコンバータ200の用途を説明する。
図18は、AC/DCコンバータ100を備えるACアダプタ800を示す図である。ACアダプタ800は、プラグ802、筐体804、コネクタ806を備える。プラグ802は、図示しないコンセントから商用交流電圧V
ACを受ける。AC/DCコンバータ100は、筐体804内に実装される。AC/DCコンバータ100により生成された直流出力電圧V
OUTは、コネクタ806から電子機器810に供給される。電子機器810は、ノートPC、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、携帯オーディオプレイヤなどが例示される。
【0131】
図19(a)、(b)は、AC/DCコンバータ100を備える電子機器900を示す図である。
図19(a)、(b)の電子機器900はディスプレイ装置であるが、電子機器900の種類は特に限定されず、オーディオ機器、冷蔵庫、洗濯機、掃除機など、電源装置を内蔵する機器であればよい。
プラグ902は、図示しないコンセントから商用交流電圧V
ACを受ける。AC/DCコンバータ100は、筐体804内に実装される。AC/DCコンバータ100により生成された直流出力電圧V
OUTは、同じ筐体904内に搭載される、マイコン、DSP(Digital Signal Processor)、電源回路、照明機器、アナログ回路、デジタル回路などの負荷に供給される。
【0132】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0133】
(第1変形例)
いくつかの実施の形態では、同期整流トランジスタM2が1次巻線W1より低電位側に配置される場合を説明したが、同期整流トランジスタM2より出力端子P2側に配置してもよい。
図20は、DC/DCコンバータ200gの回路図である。なおSET端子やFAIL端子は省略する。
【0134】
トランスT1の補助巻線W4、ダイオードD4およびキャパシタC4は、補助コンバータを形成しており、出力電圧V
OUTよりも高い直流電圧V
CC1を発生する。この直流電圧V
CC1はVCC端子に供給される。2次側コントローラ300のGND端子は、同期整流トランジスタM2のソースと接続される。2次側コントローラ300の構成は、実施の形態と同様である。この変形例においても、実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0135】
(第2変形例)
図21は、第2変形例に係る2次側コントローラ300hの回路図である。2次側コントローラ300hは、スイッチングトランジスタM1のターンオンを検出するターンオン検出回路350を備える。ターンオン検出回路350は、同期整流トランジスタM5の両端間電圧V
DSを第5しきい値電圧V
TH5と比較する第5コンパレータCMP5を含む。ターンオン検出回路350は、両端間電圧V
DSが第5しきい値電圧V
TH5とクロスすると、スイッチングトランジスタM1のターンオンを示すターンオン検出信号S5をアサートする。
【0136】
しきい値電圧V
TH5は、第3しきい値電圧V
TH3と同様に、出力電圧V
OUTの近傍に定めることが望ましい。これにより、スイッチングトランジスタM1のターンオンにともなうドレイン電圧V
Dの跳ね上がりを検出でき、スイッチングトランジスタM1のターンオンを検出できる。なお、第5しきい値電圧V
TH5を、第2しきい値電圧V
TH2と同じレベルとした場合、2次側コントローラ300hの動作は
図13のそれと同じである。
【0137】
(第3変形例)
実施の形態では、フライバックコンバータを説明したが、本発明はフォワードコンバータにも適用可能である。この場合にはトランスT1の2次側に、複数の同期整流用のトランジスタが配置されることとなる。2次側コントローラは、複数の同期整流トランジスタをスイッチングするよう構成されてもよい。またコンバータは疑似共振型であってもよい。
【0138】
(第4変形例)
実施の形態では、SET端子に抵抗R
SETを接続する場合を説明したが、キャパシタなどの別の回路素子が接続されてもよい。
【0139】
(第5変形例)
実施の形態では、異常検出回路320が、SET端子のオープン異常、ショート異常の両方を検出したが、オープン異常が問題とならない場合、ショート異常のみを検出してもよいし、ショート異常が問題とならない場合、オープン異常のみを検出してもよい。
【0140】
(第6変形例)
スイッチングトランジスタや同期整流トランジスタの少なくとも一方は、バイポーラトランジスタやIGBTであってもよい。
【0141】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。