(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては、ペットの一例として猫の事例を挙げて詳しく説明する。
【0015】
<システム構成>
(猫用トイレ)
図1は、本実施形態に係る猫用トイレの全体外観を示す図である。
図2は、本実施形態に係る猫用トイレの全体部品構成例を示す図である。同一部位については同一の符号を付してある。
【0016】
猫用トイレ10は、猫用に開発された多層式全自動トイレである。多層式(例えば二層式)の場合、トイレの上層に上層ケース11a、上層トイレ容器11bを設け、上層トイレ容器11bの上にねこ砂(非図示)を被せる。トイレの下層には下層トイレ容器12及び尿回収トレイ13を設け、吸水・防臭効果のある市販品等のペット用シートSをセンサープレート19の上から引き出し可能な尿回収トレイ13の上に敷く。猫が排泄した場合、排糞については上層トイレ容器11bのねこ砂で受け、排尿については上層トイレ容器11bの底に設けられた糞尿分離孔(メッシュ)14を通過して尿回収トレイ13のペット用シートSに落下し吸収される。
【0017】
猫用トイレ10は、例えば家庭内、動物病院、ペットホテル、動物保護施設など、猫用トイレ10の使用が想定される施設において、適切な場所に設置されうる。また、設置台数については、飼い猫が複数飼いの場合は勿論、近年はたとえ一頭飼いの場合でも、猫用トイレ10−1、猫用トイレ10−2といったように、複数のトイレを設置する飼い主が多い。
【0018】
更に、本実施形態に係る猫用トイレ10は、このようなトイレとしての本来機能(猫からすると排泄場所)に加え、カメラ18やセンサープレート19などを備えたIoTデバイスという側面を持ち、猫用トイレの使用状況(猫の体重量や排泄量等)を管理する機能を有している。
【0019】
図3は、本実施形態に係る猫用トイレのセンサープレートの部品構成例を示す図である。センサープレート19は、猫用トイレ10全体として最下層(底面)に設置されるプレートである。
図3に示されるように、センサープレート19の外側四隅には、荷重を計測(計量)する計測器としての重量センサー19a〜19dが各々1個づつ、合計4個設けられている。また、センサープレート19には、尿回収トレイ13をセンサープレート19の上に配置するための架台部19eが設けられている。
【0020】
なお、本実施形態において、1つには負荷分散等の目的から、センサープレート19の外側四隅において、同一種類の重量センサーを4つ設けてあるが、センサープレート19の中央部において、重量センサーを1つのみ設けることも可能である。もしくはそれ以外の他の個数でもよい。但し後述するように、センサープレート19には尿回収トレイ13の荷重がかからない構造である必要があるので、センサープレート19上において重量センサーは、前後にスライドする尿回収トレイ13を挟んで対称となるよう配置するとよい。
【0021】
図4は、本実施形態に係る猫用トイレのX−X断面図及びY−Y断面図を示す図である。
図5は、本実施形態に係る猫用トイレのY−Y断面図の模式図示す図である。
【0022】
(a)X−X断面図及び(b)Y−Y断面図から分かるように、下層トイレ容器12がセンサープレート19上に設置されると、下層トイレ容器12の底面凸部が4個の重量センサー19a〜19dの上にそれぞれ嵌合されて接地する。このとき、重量センサー19a〜19dには、上層ケース11a、上層トイレ容器11b、及び下層トイレ容器12の荷重がのみ作用し、尿回収トレイ13の荷重は作用しない。即ち、尿回収トレイ13の底面がセンサープレート19の架台部19eの上に接地するため、尿回収トレイ13の荷重はセンサープレート19自体には負荷されつつ、重量センサー19a〜19dには荷重が負荷されない構造である。
【0023】
よって、猫が猫用トイレ10に入った場合(上層トイレ容器11bの上に乗った場合)、重量センサー19a〜19dには、上層ケース11a、上層トイレ容器11b、及び下層トイレ容器12に加えて、猫の荷重(体重量)が作用する。その後、猫が上層トイレ容器11b上で排尿行為を行った場合、尿は上層トイレ容器11bの底に設けられた糞尿分離孔14を通過して尿回収トレイ13のペット用シートSに落下し吸収される。このときの重量センサー19a〜19dには、上層ケース11a、上層トイレ容器11b、及び下層トイレ容器12、猫体重の荷重が作用しているが、排尿前と比べると、猫の排尿量分だけ荷重が軽くなる。
【0024】
(ネットワーク構成)
図6は、本実施形態に係る猫用トイレ使用状況管理システムのネットワーク構成例を示す図である。猫用トイレ使用状況管理システム100は、猫用トイレ10と、管理サーバ20と、携帯端末30とを含み、ネットワーク40を介して接続されている。
【0025】
上述したように、本実施形態に係る猫用トイレ10は、猫用トイレとしての本来機能に加え、カメラ18や重量センサー19a〜19dなどを備えたIoTデバイスという側面を持ち、猫用トイレの使用状況(猫の体重量や排泄量等)を管理する機能を有している。
【0026】
管理サーバ20は、飼い猫による猫用トイレ10の使用状況を管理するサーバ装置である。管理サーバ20は、ネットワーク40を介して猫用トイレ10から猫用トイレ10の使用情報を受信し、これを管理する。また、ユーザの携帯端末30に猫用トイレ10の使用情報を送信(通知)する。なお、管理サーバ20は、猫用トイレ10及び管理サーバ20と通信可能なネットワーク40上に配置されればよく、例えば、インターネット上のデータセンター等に設置されうる。
【0027】
携帯端末30は、管理サーバ20から受信した猫用トイレ10の使用情報を飼い主等が閲覧するためのユーザ端末である。例えば、スマートフォンやタブレット端末が挙げられるが、その他PC(Personal Computer)などを含む各種の情報処理装置であればよい。
【0028】
ネットワーク40は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク40は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)、近距離無線などを含む。
【0029】
<ハードウェア構成>
図7は、本実施形態に係る猫用トイレ及び管理サーバの制御系ハードウェア構成例を示す図である。
【0030】
(猫用トイレ)
猫用トイレ10は、CPU(Central Processing Unit)10a、メモリ10b、通信装置10c、カメラ18、及び重量センサー19a〜19dを有する。
【0031】
CPU10aは、カメラ18及び重量センサー19a〜19dなどの検知デバイスを制御するコントローラー・プロセッサである。また、後述する各種機能部を実行し実現する。メモリ10bは、猫用トイレ10の制御プログラムや各種情報を記憶する記憶装置である。通信装置10cは、ネットワーク40を介して管理サーバ20との通信を行う。なお、CPU10a、メモリ10b及び通信装置10cは、猫用トイレ10に内蔵されうる。
【0032】
カメラ18は、猫用トイレ10に入った猫を画像認識するための画像を撮影する撮像装置である。重量センサー19a〜19dは、猫の体重量や排泄量を計測する計量装置である。カメラ18の撮像レンズは上層ケース11aに設けられた開口を通じて、猫用トイレ10の奥から入口方向に向けて設置される。
【0033】
(管理サーバ)
管理サーバ20は、CPU20a、ROM(Read Only Memory)20b、RAM(Random Access Memory)20c、HDD(Hard Disk Drive)20d、及び通信装置20eを有する。
【0034】
CPU20aは、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM20bは、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM20cは、CPU20aでの処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD20dは、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置20eは、ネットワーク40を介して他装置との通信を行う。
【0035】
<ソフトウェア構成>
図8は、本実施形態に係る猫用トイレ及び管理サーバのソフトウェア構成例を示す図である。
【0036】
(猫用トイレ)
猫用トイレ10は、主な機能部として、登録部101、猫特定処理部102、重量値取得部103、重量値送信部104、及び記憶部107を有する。
【0037】
登録部101は、猫用トイレ10の初回使用開始時、飼い猫の登録情報をユーザの携帯端末30から受け付ける。猫ID、登録猫の名前、写真画像(顔写真、全身写真等)などの登録情報は、管理サーバ20に送信される。
【0038】
猫特定処理部102は、猫用トイレ10に猫が入った場合、カメラ18により撮像された画像に基づいて、画像内に写っている一の猫の識別子(例えば、猫ID)を特定する。なお、多頭飼いではなく一頭飼いの場合は登録猫が一頭(一匹)のため猫用トイレ10に入った猫を特定するまでもなく、猫特定処理部102の猫特定処理の実行は省略することが可能である。
【0039】
重量値取得部103は、重量センサー19a〜19dからの重量値(センシング情報)の取得を開始する。猫の入室から退出する迄の間において取得した重量値データ(重量の推移変化データ)は、記憶部107によりメモリ10bに保存される。
【0040】
重量値送信部104は、管理サーバ20に、猫の識別子(例えば、猫ID)及び取得した当該猫の重量値データを送信する。この重量値データは、猫が猫用トイレ10に入室してから退出する迄の間に計測された重量(値)の推移変化データである。
【0041】
記憶部107は、重量値取得部103により取得した重量値をメモリ10bに逐次保存する。
【0042】
猫DB107aは、猫用トイレ10を使用する飼い猫の猫ID、猫画像、特徴量データ等を個々の猫ごとに記憶したデータベースである。猫DB107aは後述する猫特定処理に用いられる。
【0043】
(管理サーバ)
管理サーバ20は、主な機能部として、重量値受信部201、静止判定部202、体重量算出部203、排泄量算出部204、排泄回数算出部205、及び記憶部207を有する。
【0044】
重量値受信部201は、猫用トイレ10から、猫の識別子(例えば、猫ID)と、当該猫の入室から退出する迄の間において取得した重量値データ(重量の推移変化データ)とを受信する。
【0045】
静止判定部202は、重量値データに基づいて猫用トイレ10に入室した猫が静止した静止時点を判定する。
【0046】
体重量算出部203は、重量値データに基づいて猫の体重量を算出する。
【0047】
排泄量算出部204は、重量値データに基づいて猫の排泄量(排尿量及び排糞量)を算出する。
【0048】
排泄回数算出部205は、猫の排尿回数及び排糞回数を算出する。
【0049】
記憶部207は、算出された体重量、排泄量(排尿量及び排糞量)、及び排泄回数(排尿回数及び排糞回数)を、使用状況管理DB207a上で更新する。
【0050】
使用状況管理DB207aは、猫用トイレ10の使用情報・ステータスを猫ごとに記憶したデータベースである。
【0051】
なお、上記各機能部は、猫用トイレ10又は管理サーバ20を構成するコンピュータのハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。
【0052】
また、管理サーバ20の有する静止判定部202、体重量算出部203、排泄量算出部204、排泄回数算出部205、及び記憶部207(使用状況管理DB207a)の一部又は全部を、猫用トイレ10側で備えてもよい。この場合、管理サーバ10やネットワーク環境の有無に関わらず、猫用トイレ10側単独で体重量、排泄量などを算出することができる。
【0053】
(管理DB)
図9は、本実施形態に係る使用状況管理DB207aのデータ例を示す図である。使用状況管理DB207aは、例えば、「ユーザID」、「猫ID」、「名前」、「種類」、「生年月日」、「性別」、「体重量」、「排泄量」(「排尿量」及び「排糞量」)、「排泄回数」(「排尿回数」及び「排糞回数」)などのデータ項目を有する。
【0054】
「ユーザID」は、ユーザ毎に付番される固有の識別子を示す。「猫ID」は、猫毎に付番される固有の識別子を示す。1ユーザ(1家庭)でも猫の多頭飼いに対応するためである。「名前」は、猫の名前を示す。「種類」は、猫の種類を示す。「生年月日」は、猫の生年月日を示す。「性別」は、猫の性別を示す。
【0055】
「ユーザID」及び「猫ID」は、初回使用時等に自動発番されるか、固有であればユーザが任意に事前登録することも可能である。「名前」、「種類」、「生年月日」、及び「性別」などは、初回使用時等にユーザが事前登録する。
【0056】
「体重量」は、最新(直近)における猫の体重を示す。「排尿量」は、所定期間における当該猫の行なった排尿量(累積値)を示す。「排糞量」は、所定期間における当該猫の行なった排糞量(累積値)を示す。「排尿回数」は、所定期間における当該猫の行なった排尿の回数(累積値)を示す。「排糞回数」は、所定期間における当該猫の行なった排糞の回数(累積値)を示す。
【0057】
なお、「排泄量」及び「排尿回数」は、所定期間(例えば1日)における累積値である。このため、所定期間(例えば1日)が経過する毎に、0にリセットされる。但し、リセットされた過去の履歴は記録される。また、上記データ項目はあくまで一例である。必要に応じてその他のデータがあってもよい。「排泄量」の単位mgは、所定の係数を乗算することで単位mlに変換することも可能である。また、「排泄量」(「排尿量」及び「排糞量」)並びに「排泄回数」(「排尿回数」及び「排糞回数」)をまとめて排泄情報という。
【0058】
<使用開始時の猫登録画面>
図10は、本実施形態に係る猫登録画面の一例を示す図である。使用開始時にユーザは携帯端末30等を用いて、猫用トイレ10の猫登録画面1000にアクセスし、必要情報を入力の上、飼い猫の登録を行なう。多頭飼いの場合には全頭分の猫について登録を行なう。なお、猫用トイレ10の猫登録画面1000のみならず、例えば予め提供される専用アプリの猫登録画面1000から猫用トイレ10にアクセスすることも可能である。
【0059】
「ユーザID」1001は、ユーザのユーザIDを示す欄である。「猫ID」1002は、猫毎に付番される固有の識別子を入力する欄である。ユーザが任意に入力してもよいし、自動付番されてもよい。「名前」1003は、ユーザが猫の名前を入力する欄である。「種類」1004は、猫の種類を入力する欄である。「生年月日」1005は、猫の生年月日を入力する欄である。「性別」1006は、猫の性別を入力する欄である。
【0060】
「猫写真」1007は、猫特定処理(猫認識)に用いられるための、猫の写真を入力する欄である。ユーザは携帯端末30のカメラを用いて、猫の顔が中心に来るようにガイド線1007aに合わせて猫画像を撮影入力するか、「画像参照」1007bから既存の猫画像をアップロードする。なお、精度向上のため、顔写真の他にも複数部位の猫画像(後姿、立ち姿、座姿勢、排尿姿勢等)を入力してもよい。
【0061】
「登録」1008は、入力された登録情報の登録ボタンである。ユーザにより「登録」1008が押下されると、入力された登録情報が携帯端末30から猫用トイレ10へ送信される。
【0062】
猫用トイレ10は、携帯端末30から受信した登録情報のうち猫画像から特徴量を抽出し、特徴量と当該猫の猫IDと対応付けて猫DB107aに保存する。また、この登録情報は更に猫用トイレ10から管理サーバ20へ送信される。なお、登録情報は携帯端末30からネットワーク40を介して管理サーバ20へ送信され、管理サーバ20から猫用トイレ10へ送信される順序でもよい。また、上記登録情報はあくまで一例である。必要に応じてその他情報が登録されてもよい。
【0063】
<情報処理>
本実施形態に係る猫用トイレ使用状況管理システム100の情報処理について説明する。
【0064】
(猫用トイレ)
図11は、本実施形態に係る猫用トイレが実行する情報処理を示すフローチャート図である。
【0065】
S1:猫特定処理部102は、猫が猫用トイレ10に入室(入場)したか否かを判定する。判定方法としては、猫特定処理部102がカメラ18により撮像された画像内に猫を画像認識した場合に、猫が猫用トイレ10に入室したと判定することができる。また、重量センサー19a〜19dにより重量値(重量値)が検知された場合に、猫が猫用トイレ10に入室したと判定することが可能である。なお、猫を画像認識した場合且つ重量値を検知した場合に、猫が猫用トイレ10に入室したと判定するようにしてもよい。これにより、例えば飼い主が砂を交換する際を入室として検知するなどの誤検知を防止できる。
【0066】
S2:猫特定処理部102は、猫用トイレ10に猫が入った場合、カメラ18により撮像された複数の画像に基づいて、その複数の画像内に写っている一の猫の識別子(例えば、猫ID)を特定する猫特定処理を実行する。複数の飼い猫のうち入室した猫の猫IDを特定することで、多頭飼いに対応することが可能である。特に本実施形態においては、カメラ18が上層ケース11aの開口から撮像するので、猫の体高よりも高い上層ケース11aの上から撮像するのに比較して、猫の体高位置及び正面位置にカメラ18の撮像レンズが配置できる。このため、猫の顔や体模様等を含む画像が取れやすいため、当該画像から猫の特徴点を抽出するのに好適である。
【0067】
猫は多頭飼いの場合、猫用トイレ10に入った猫が多頭のうち何れの猫であるかを特定する必要がある。一般的な猫特定方法として、例えば、RFID(radio frequency identifier)タグやBluetooth(登録商標)タグを搭載した首輪を猫に付けることで、猫を個体識別する方法がある。しかしながら、首輪を嫌がる猫もいるため、無理に首輪を付けるとそれが元となってストレス、ひいては病気を引き起こしてしまう場合がある。このため本実施形態に係る猫特定処理においては、猫用トイレ10に猫が入った場合、カメラ18の猫画像から猫を個体識別することで、飼い猫にストレスを与えることなく、猫用トイレ10に入った一匹の猫を精度よく特定する。
【0068】
上述したように、猫特定処理部102は、猫用トイレ10の初回使用開始時に入力された飼い猫の登録情報のうち猫画像から画像の特徴量を抽出し、特徴量と当該猫の猫IDと対応付けて猫DB107aに保存している。なお、運用開始後に撮像されて蓄積された猫画像データからは一層数々の特徴量が自動的に抽出され、猫の特徴がより深く学習される(ディープラーニングモデル)。
【0069】
猫用トイレ10の使用開始後に、猫用トイレ10に猫が入室した場合、カメラ18により入室した猫の猫画像が撮像される。猫画像は1枚で常に精度の高い正面顔画像が撮像できるとは限らないため、カメラ18は所定枚数以上の複数の猫画像を撮像する。なお、連続して撮像しても同様・同質な猫画像が撮影される可能性もあるため、所定時間以上や所定時間間隔毎に猫画像を撮影することで、多方向や多姿勢といった多様な複数の猫画像を撮像することができる。
【0070】
猫特定処理部102は、撮像された多枚数の猫画像の中から、猫特定処理に用いるための写り具合のよい適切な猫画像を選択する。選択基準としては、例えば、被写体のブレやボケ量を算出してブレやボケの小さい猫画像を選択したり、猫の顔検出処理を行って猫の顔が検出された猫画像を選択することができる。なお、適切な猫画像は一枚のみではなく複数枚が選択されるものとする。
【0071】
猫特定処理部102は、選択された猫画像から各々の特徴量を抽出する。そして抽出した特徴量と、猫DB107aに保存された猫画像の各々の特徴量とを比較し、猫DB107aから特徴量の一致度合いが高い猫画像に対応する猫IDを取得することで、今回猫用トイレ10に入室した猫を猫IDにより一意に特定する。再び
図11に戻る。
【0072】
S3:重量値取得部103は、重量センサー19a〜19dからの重量値(センシング情報)の取得を開始する。取得した重量値は、記憶部107によりメモリ10bに保存される。
【0073】
S4:猫特定処理部102は、猫が猫用トイレ10から退出(退場)したか否かを判定する。判定方法としては、猫特定処理部102がカメラ18により撮像された画像内に猫が認識されなくなった場合に、猫が猫用トイレ10に入室したと判定することができる。また、重量センサー19a〜19dにより重量値が検知されなくなった場合に、猫が猫用トイレ10から退出したと判定することが可能である。
【0074】
S5:重量値取得部103は、重量センサー19a〜19dからの重量値(センシング情報)の取得を停止する。
【0075】
S6:重量値送信部104は、管理サーバ20に、猫の識別子(例えば、猫ID)及び取得した重量値データ(メモリ10bに保存した全重量値)を送信する。この重量値データは、猫が猫用トイレ10に入室してから退出する迄の間に計測された重量(値)の推移変化データである。
【0076】
なお、重量センサー19a〜19dのように重量センサーが複数備える場合には、各々からの重量値を取得し、管理サーバ20には各々の重量値データを送信する。
【0077】
(管理サーバ)
図12は、本実施形態に係る管理サーバが実行する情報処理を示すフローチャート図である。
【0078】
S21:重量値受信部201は、猫用トイレ10から猫の識別子(例えば、猫ID)及び重量値データを受信したか否かを判定する。
【0079】
S22:静止判定部202は、重量値データに基づいて静止判定処理を実行する。静止判定処理は、計測された重量値の推移変化(波形)から猫が静止した静止時点(静止ポイント)を判定する処理である。詳しくは後述する。
【0080】
S23:重量値データから静止時点(静止ポイント)が判定されたか否かで処理を分岐する。静止時点が有ると判定された場合は、S24へ進む。静止時点が有ると判定されない場合は、猫の排泄は無かったものとみなし、ENDへ進む。猫は排尿及び排糞を含め排泄行為時には一定秒数(例えば10秒)以上の静止状態を取るためである。詳しくは後述の量推移変化のパターン例に基づいて説明する。
【0081】
S24:体重量算出部203は、重量値データに基づいて体重量算出処理を実行する。体重量算出処理は、重量値データから猫の体重量を算出する処理である。詳しくは後述の量推移変化のパターン例に基づいて説明する。
【0082】
S25:排泄量算出部204は、重量値データに基づいて排泄量算出処理を実行する。排泄量算出処理は、重量値データから猫の排泄量(排尿量及び排糞量)を算出する処理である。詳しくは後述の量推移変化のパターン例に基づいて説明する。
【0083】
S26:排泄回数算出部205は、排尿回数及び排糞回数を算出(カウント)する。具体的には、S25で猫の排尿量が算出された場合は排尿回数を1と算出し、猫の排糞量が算出された場合は排糞回数を1と算出することができる。
【0084】
S27:記憶部207は、使用状況管理DB207aを更新する。具体的には、S24で算出された「体重量(体重)」、S25で算出された「排泄量」(「排尿量」及び「排糞量」)、及びS26で算出された「排泄回数」(「排尿回数」及び「排糞回数」)を、使用状況管理DB207a上で更新する(
図9)。使用状況管理DB207aが例えば1日毎の累積値管理の場合には、「体重量」、「排尿量」、「排糞量」、「排尿回数」及び「排糞回数」のそれぞれの更新前の値に、算出された値を加算する。
【0085】
<重量推移変化のパターン例>
ここで、重量値データについていくつかのパターンを挙げて説明する。上述したように重量値データは、猫が猫用トイレ10に入室してから退出する迄の間に重量センサー19a〜19dにより計測された重量(値)の推移変化を示すものである。
【0086】
図13は、本実施形態に係る排尿時の重量推移変化パターン例を示す。
図14は、本実施形態に係る排糞時の重量推移変化パターン例を示す。
図15は、本実施形態に係る非排泄時の重量推移変化パターン例(静止状態あり)を示す。
図16は、本実施形態に係る非排泄時の重量推移変化パターン例(静止状態なし)を示す。また各図中の重量推移変化パターングラフにおいて、縦軸は重量(計測値)、横軸は時間を示す。時間t1〜t4はそれぞれ以下の時点を示す。
【0087】
入室開始時点t1:猫が猫用トイレ10に入室を開始した時点を示す。猫の体重が荷重されるため重量(計測値)が一気に上昇する。なお、入室開始時点t1(及びそれ以前)における重量は、上層ケース11a、上層トイレ容器11b、及び下層トイレ容器12の総重量である。但し、
図13〜16ではこれらの重量がかかった状態を0として示している。
【0088】
入室完了時点(静止開始時点)t2:猫が猫用トイレ10に入室を完了した時点を示す。猫が入室した直後時点t2’は猫が大きく動作しているため重量の振れ幅(計測ブレ)が大きく、この時点の重量値は正確度が低い。このため、猫が入室した後しばらくして猫の動作が穏やかになり重量の振れ幅が一定水準以下になった時点(静止開始時点又は静止開始ポイントという)を実質的な入室完了時点とする。
【0089】
静止状態t2〜最長t3迄の間:猫は排尿及び排糞を含め排泄行為時には一定秒数(例えば経験則上10秒)以上の静止状態を取る。但し排泄行為を行わない場合でも5秒程度であれば静止状態を取ることはある。
【0090】
退出開始時点t3:猫が猫用トイレ10から退出を開始した時点を示す。猫の体重から開放されるため重量(計測値)が一気に下降する。
【0091】
退出完了時点t4:猫が猫用トイレ10から退出を完了した時点を示す。
【0092】
(静止判定)
入室開始時点t1以降において、猫が静止状態にある時点範囲を判定する処理である。入室開始時点t1〜退出完了時点t4の全時点に対し、判定評価を行う。
【0093】
判定評価としては、例えば、判定対象となる基準時点aと次の時点bとの差分重量値がプラスマイナスxの範囲内に収まっているかをみる。次に時点bと次の時点cとの差分重量値がプラスマイナスxの範囲内に収まっているかをみる。そうして次の時点の差分重量値がプラスマイナスxの範囲内に連続して収まっている時点範囲を取得し、取得した時点範囲のうち、最も長い範囲の時点範囲を静止状態と判定することができる。また、カメラ18の撮像した複数の画像の差分が一定以下となった時点でも静止状態と判定できる。またこれらを2以上組み合わせて判定してもよい。
【0094】
また例えば、判定対象となる基準時点aから何点先の時点まで差分重量値がプラスマイナスxの範囲内に連続して収まっているかをみる。最も長い範囲の時点範囲を静止状態と判定することができる。なおxの値が大きすぎるとまだ静止していないのに静止状態と判定しうるし、小さすぎると静止状態と判定されないかされにくくなる。このため、xの値は、プラスマイナス1%〜15%の間が適切であり、より好ましくはプラスマイナス2%〜8%の間である。
【0095】
(体重量算出及び排泄量算出)
図13の排尿時の重量推移変化パターン例において、t2の入室完了時点(静止開始時点)から最長t3の退出開始時点までの間において時間が経過するにつれて、重量が少しづつ減少している。これはこの間に猫が排尿を行っていることを示している。猫用トイレ10に入った猫が上層トイレ容器11b上で排尿行為を行った場合、尿は上層トイレ容器11bの底に設けられた糞尿分離孔14を通過して尿回収トレイ13のペット用シートSに落下し吸収される。このときの重量センサー19a〜19dには、上層ケース11a、上層トイレ容器11b、及び下層トイレ容器12、猫体重の荷重が作用するが、尿回収トレイ13の荷重はセンサープレート19の架台部19eに作用し、重量センサー19a〜19dには作用しない。このため、排尿前と比べると、尿回収トレイ13のペット用シートSに落下した排尿量分だけ重量センサー19a〜19dに作用する総荷重が軽くなる(
図5)。
【0096】
ゆえに、排泄量算出部204は、重量値データの重量推移変化パターンにおいて、
・t2から最長t3の間において時間が経過するにつれて重量が少しづつ減少している、
・t3の重量がt2の重量よりも減少している、
という特徴が出現した場合、当該減少した差分重量(「t2の重量」−「t3の重量」)を、「排尿量」と算出する。
【0097】
また、体重量算出部203は、t3の重量とt4の重量との差分重量(「t3の重量」−「t4の重量」)を、「体重量」と算出することができる。このように、差分重量で尿や糞の重量を算出することで、トレイに前回の尿や糞が残っていたとしても、今回の尿や糞の重量が正しく算出できる。
【0098】
次に、
図14の排糞時の重量推移変化パターン例において、t2の入室完了時点(静止開始時点)から最長t3の退出開始時点までの間において重量は変わらないものの、その間に糞が落下した衝撃により前後と比べ比較的大きな振れ幅(猫の排糞に伴う計測ブレ)が計測されている。これはこの間に猫が排糞を行っていることを示している。従って、静止判定中にパルス的な計測ブレが生じた後に再び静止となる場合、静止判定を継続する。
また、t4の退出完了時点の重量がt1の入室開始時点の重量よりも増加している。これは猫が上層トイレ容器11b上で排糞行為を行った場合、糞は上層トイレ容器11bの底に設けられた糞尿分離孔14を通過しない。このため、t4の退出完了時点において、重量センサー19a〜19dには、上層ケース11a、上層トイレ容器11b、下層トイレ容器12、及び排糞量の総荷重が作用する(
図5)。
【0099】
ゆえに、排泄量算出部204は、重量値データの重量推移変化パターンにおいて、
・t2から最長t3の間において比較的大きな振れ幅が計測されている、
・t4の重量がt1の重量よりも増加している、
という特徴が出現した場合、当該増加した差分重量(「t4の重量」−「t1の重量」)を、「排糞量」と算出することができる。
【0100】
また、体重量算出部203は、t3の重量とt4の重量との差分重量(「t3の重量」−「t4の重量」)を、「体重量」と算出することができる。
【0101】
なお、
図13と
図14を合わせたケース、即ち猫が1回の入出で排尿及び排糞を行った場合、重量値データの重量推移変化パターンにおいて、
・t2から最長t3の間において時間が経過するにつれて重量が少しづつ減少している、
・t3の重量がt2の重量よりも減少している、
・t2から最長t3の間において比較的大きな振れ幅が計測されている、
・t4の重量がt1の重量よりも増加している、
という特徴が出現する。この場合、排泄量算出部204は、差分重量(「t2の重量」−「t3の重量」)を「排尿量」と算出し、差分重量(「t4の重量」−「t1の重量」)を「排糞量」と算出することができる。なお、排糞行為のみの際はt2の重量とt3の重量とが同一であるという違いも見られる。
【0102】
次に、
図15の非排泄時の重量推移変化パターン例を参照する。即ち
図13及び
図14の重量推移変化パターン例に当てはまらない場合は、静止状態があっても動物の排泄は無い。飼い猫が猫用トイレ10に入ったものの、例えば猫の様子伺いのような行動が見られたにだけで、実際の排泄行為(排尿及び排糞行為)には至らなかったものである。但し、体重量は算出可能であるため、体重量算出部203は、t3の重量とt4の重量との差分重量を「体重量」と算出する。
【0103】
次に、
図16の非排泄時の重量推移変化パターン例を参照する。静止状態がない場合には、動物の排泄は無い。猫は排尿及び排糞を含め排泄行為時には一定秒数以上の静止状態を取るためである。体重量は算出可能であるため、体重量算出部203は、t3の重量とt4の重量との差分重量を「体重量」と算出する。但し
図16のケースは静止状態がないため、t3で計測された重量の計測ブレに起因して、算出された「体重量」は正しい「体重量」との誤差が大きくなる可能性がある。このため、体重量算出部203は、静止状態がない場合に「体重量」を算出しないものとしてもよい。
【0104】
図17は、本実施形態に係る排尿時の重量推移変化パターン(実測値)を示す。上記各図中の重量推移変化パターングラフはあくまで模式的に示したものであり、実際に重量センサー19a〜19dにより実測された重量の推移変化の実測値は、同図のとおり滑らかな実線とはならず、重量の推移変化は猫用トイレ10内で猫が動作するにつれて計測される振れ幅(計測ブレ)を有している。これは猫が猫トイレ10内で移動したり砂をかいたりする動作に伴う振動に起因しており(横軸のt2’が60付近〜t2が95付近)、合成値は約7000〜9000の間を大きく上下している。その後、排泄のために猫が動作を止め静止状態(横軸のt2が95過ぎ付近〜t3が130過ぎ付近)になると、振動が殆どなくなっていることが分かる。また排尿に伴い、例えば1秒間に50mg程度の緩やかな重量減少も観察されている(横軸のt2が95過ぎ付近〜t3が130過ぎ付近)。
【0105】
また、本実施形態に係る猫用トイレ10は、重量センサー19a〜19dという同種のセンサーを4つ備えるため、4つ各々からの重量値データを合計(合成)することで、猫用トイレ全体として一つの重量(値)の推移変化を生成することができる。また、当該一つの重量(値)は、複数の重量センサー19a〜19dにより実測された近傍測定値の平均値や中央値、もしくは近似曲線の値でもよい。
【0106】
また、本実施形態に係る重量センサー19a〜19dは、単位時間あたりの検知機能は一定以上要求され、少なくとも1秒に1回の検知が必要である。逆に、検知回数を0.1秒に一回よりも増やしたとしても、検知データの量が増大するほどには検知精度は向上せず、むしろわずかな振動を必要以上に検知してしまう。したがって、検知機能の時間分解能は0.3乃至0.6秒に一度とするのがよい。本実施例においては、0.5秒毎に1回の重量検知としており、このため
図17の横軸の1目盛り単位は0.5秒となっている。なお、上記特許文献1に記載される発明の場合、猫の排泄行為を終えてから重量を検知すればよいため、重量センサーの単位時間あたりの検知機能はそれほど高くなくともよい。
【0107】
(補足)
・各々の差分重量がそれぞれ「体重量」、「排尿量」及び「排糞量」として妥当な値であるかどうかを更に判定することができる。例えば、事前登録される当該猫、当該猫種、又は猫一般の有する標準的な「体重量」に基づき妥当とする上限値及び下限値を予め定めて、当該差分重量が上限値及び下限値の範囲内である場合に、当該差分重量を「体重量」と算出する。一方、範囲外である場合には、当該差分重量を猫動作に伴う計測ブレとみなし「体重量」として算出しない。また、事前登録される当該猫、当該猫種、又は猫一般の有する標準的な「排尿量」及び「排糞量」に基づき妥当とする上限値及び下限値を予め定めて、当該差分重量が上限値及び下限値の範囲内である場合に、当該差分重量を「排尿量」及び「排糞量」と算出する。一方、範囲外である場合には、当該減差分重量を猫動作に伴う計測ブレとみなし「排尿量」及び「排糞量」として算出しない。これにより、体重量算出部203及び排泄量算出部204による「体重量」、「排尿量」及び「排糞量」の算出精度をより向上させることができる。但しこの場合でも
図13に示したt2〜t3の重量差やt1とt4の重量差が有意なものである場合は、それぞれ排尿回数、排糞回数としてカウントしてもよい。
【0108】
・猫は排尿及び排糞を含め排泄行為時には一定秒数(例えば経験則上10秒)以上の静止状態を取る。但し排泄行為を行わない場合でも5秒程度であれば静止状態を取ることはある。このため、静止状態t2〜の継続秒数が閾値秒数(例えば、8秒)以上でない場合には、当該差分重量を「排尿量」及び「排糞量」と算出しない。排泄回数もカウントしない。これにより、体重量算出部203及び排泄量算出部204による「体重量」、「排尿量」及び「排糞量」の算出精度をより向上させることができる。
【0109】
・排糞の有無は、カメラ18の画像で確認してもよい。猫が退出した後に、画像において猫砂の色と糞の色を判別することで排糞の有無の判定が可能である。ここで、カメラ18は上層ケース11aの開口を通じて撮像しているので、従来よりも低い位置から糞の画像を撮像できる。排尿についても、糞尿分離孔14からの水滴の有無や、シートSの色変化から、排尿の有無の判定が可能である。
【0110】
・猫用トイレ10が重量センサーから取得する重量値データ(生データ)にはノイズが乗ってしまうことが多い。従来例(例えば特許文献1)のように、2つの重量計、即ち排泄物受けの重量を計測する第1重量計と、動物が載る計測台の重量を計測する第2重量計との2つ(2種類)の重量計とを用いている場合、第1重量と第2重量計とはセンシング度合い、センシング精度が異なる重量計である。つまり第1重量計は排泄物を計量するため計量オーダーはmg単位レベルとすると、第2重量計は体重を計量するため計量オーダーはg又はkg単位レベルである。ゆえに前者は後者よりもセンシング度合い・センシング精度が高いゆえ、重量推移変化において振れ幅(計測ブレ)も大きく且つ頻繁に発生する。本実施形態に係る同種の重量センサー19a〜19dは、1センサー(1種のセンサー0)で体重量及び排泄量を計測算出するため、前者のセンシング度合い・センシング精度が高いタイプのセンサーである。
【0111】
・管理サーバ20は体重量算出処理及び排泄量算出処理等の実行前に、使用される計測データに対して所定のノイズフィルタリング処理を実行することができる。また本実施形態に係る猫用トイレ10においては、センサープレート19の外側四隅に重量センサー19a〜19dが各々1個づつの設けられている(
図3)。この特徴を利用し、ある時点において突然大きく重量値が変動している場合には、それが1つのセンサーだけなのか、4つのセンサー共になのかを確認することでノイズかどうかを判定するができる。例えば、
図16のような重量値データ(実測値)において、1つのセンサーだけが大きい値が出ている場合、当時点における大きな重量値はノイズと判定し、当時点の前後時点の重量値に基づいて当時点の重量値を平準的に補正できる。これにより、体重量算出部203及び排泄量算出部204による「体重量」、「排尿量」及び「排糞量」の算出精度をより向上させることができる。
【0112】
<総括>
以上のように、本実施形態に係る猫用トイレ10は、猫の体重量と排尿量を計測するための重量センサーを1つ(1種)備えており、尿回数トレイ13の荷重を計測する重量センサーは備えていない。これにより、猫用トイレ10を構造上の簡素化を図るとともにコストも削減することが可能である。
【0113】
また、猫用トイレ10の構造上、重量センサーは、上層ケース11a、上層トイレ容器11b、及び下層トイレ容器12、猫体重の荷重が作用するが、尿回収トレイ13の荷重は作用しないよう構成される。このような構造の下、1つ(1種)の重量センサーで計測した荷重の重量推移変化に基づいて、猫の体重量と排尿量とをそれぞれ且つ同時に精度よく計測することができる。
【0114】
即ち、1つ(又は1種)の重量計を用いて、動物の体重量及び排泄量を精度よく計測する動物用トイレ等を提供することが可能となる。
【0115】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0116】
また、本発明は猫のみに限られず、例えばその他の動物やペット(犬等)にも適用することができる。
【0117】
なお、本実施形態に係る猫用トイレ使用状況管理システム100においては、猫疾患の早期発見という観点から、体重量、排泄量、又は排泄回数等に異常が見られた場合、管理サーバ20から飼い主又は獣医師等の携帯端末30に猫用トイレ10の使用情報及び注意を喚起するアラート等を通知することも可能である。
【解決手段】本発明は、動物用トイレ使用状況管理システムであって、動物用トイレと、管理サーバとを含む動物用トイレ使用状況管理システムであって、動物用トイレは、上下方向に貫通する孔が底部に形成された上容器と、孔を通過した排尿を受ける下容器と、上容器の重量を計測する重量計測手段と、を備え、管理サーバは、計測された上容器の重量推移変化に基づいて、動物の体重量及び排泄情報を算出する算出手段と、を備える。