特許第6560519号(P6560519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560519
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】液状油性クレンジング料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20190805BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20190805BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/37
   A61K8/86
   A61K8/39
   A61Q1/14
【請求項の数】11
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-67308(P2015-67308)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-185932(P2016-185932A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2018年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100181272
【弁理士】
【氏名又は名称】神 紘一郎
(72)【発明者】
【氏名】武井 涼
【審査官】 片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−162965(JP,A)
【文献】 特開2013−063967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C);
(A)ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤
(B)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(C)成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油
を含有し、
前記成分(C)の含有量が、10〜40質量%である、
液状油性クレンジング料。
【請求項2】
次の成分(A)〜(C);
(A)ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤
(B)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(C)成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油
(D)炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステル
を含有し、
前記成分(C)と前記成分(D)の含有質量比(C)/(D)が、1〜30の範囲である、
液状油性クレンジング料。
【請求項3】
さらに、成分(D)として、炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステルを含有する、請求項1に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項4】
前記成分(D)の炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステルが、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項2又は3に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項5】
前記成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜4の何れか一項に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項6】
前記成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm2/sである流動パラフィンをゲル化しない、請求項1〜5の何れか一項に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項7】
前記成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルが、40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1000gであるデキストリン脂肪酸エステルである、請求項1〜の何れか一項に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項8】
前記成分(A)のポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤が、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜7の何れか一項に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項9】
前記成分(C)の成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油が、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜8の何れか一項に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項10】
前記成分(A)の含有量が、1〜15質量%である、請求項1〜9の何れか一項に記載の液状油性クレンジング料。
【請求項11】
前記成分(B)の含有量が、1〜5質量%である、請求項1〜10の何れか一項に記載の液状油性クレンジング料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、皮膚に付着した汚れやメーキャップ化粧料を除去するための液状油性クレンジング料に関するものであり、より詳細には、ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤、特定のデキストリン脂肪酸エステル、イソステアリル骨格を有するエステル油を含有することで、使用時の厚みがあり、メイク落ちが良く、容易に洗い流すことができ、かつ、後肌のかさつきを抑制し、うるいおい感を付与できる液状油性クレンジング料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品分野において、化粧落としのためのクレンジング料は形状的にクリーム状、乳液状、液状のものがあり、又、タイプ別には、水性タイプ、エマルションタイプ、油性タイプのものがあって、それぞれ使用性に応じて利用されている。
水性タイプのクレンジング料は洗い上がりの油性成分の残存感のなさ、さっぱり感等の使用感に優れている。このような水性タイプのクレンジング料として、特定のノニオン界面活性剤とアニオン性界面活性剤を組み合わせる検討がなされてきた(特許文献1参照)。
【0003】
一方で、近年好まれている油性の落ちにくいマスカラや口紅、耐水性に優れた日焼け止め料等の持続性に優れた化粧料に対応して、メイク落ち効果の高い油性タイプのクレンジング料が用いられてきている。油性タイプのクレンジング料として、メイク落ち効果やクレンジング後の使用感向上のため、油溶性アニオン界面活性剤の検討や特定のノニオン性界面活性剤とメチルフェニルポリシロキサンの検討がなされてきた(特許文献2、3参照)。
【0004】
また、さらに、メイク落ちやさっぱりした使用感を得るために2種のノニオン性界面活性剤を含有したクレンジング料が開発されてきている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−215840号公報
【特許文献2】特開2005−239616公報
【特許文献3】特開2004−256474公報
【特許文献4】特開2014−152108公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の皮膚洗浄料は、すすぎ時に泡立ち、さっぱりとした使用感が得られるものであるが、界面活性剤が多量に含有されているにもかかわらず、油分が含有されない水性系のために、化粧持ちの良い化粧料を除去するのに十分な効果が得られない場合があった。また、特許文献2に記載の油性皮膚洗浄料は、常温液状油分と油溶性アニオン界面活性剤とからなる油性クレンジング料であるが、油溶性のアニオン界面活性剤が多量に含有されていることから、メイク落ち効果は高いが、洗い流し後、さっぱりした使用感になり、後肌のうるおい感を十分に得られない場合があり、また、常温液状油分を主体としているため、クレンジング料を肌に塗布した際の使用感として、厚みが足りなく、満足する使用感を得られない場合があった。さらに、特許文献3に記載の液状透明皮膚洗浄料は、非イオン性界面活性剤とメチルフェニルポリシロキサンとを含有したクレンジング効果、後肌感が良好なクレンジング料であるが、シリコーン油を多量に含有するものであり、洗浄力が十分でない場合や使用時の厚みが足りない場合があった。さらに、特許文献4に記載の透明クレンジング料は、2種のノニオン性界面活性剤や油分と水に相溶可能な両親媒性物質などを含有し、メイク落ち効果に優れ、さっぱりとした使用感を有するものであるが、洗い流し後の、後肌のうるおい感が十分ではない場合があった。
【0007】
このため、使用時の厚みがあり、メイク落ちが良く、容易に洗い流すことができ、かつ、後肌のかさつきを抑制し、うるいおい感を付与できる液状油性クレンジング料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる実情に鑑み、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、液状油性クレンジング料において、メイク落ちが良く、容易に洗い流すことができる界面活性剤として、ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤が有効であり、しかも油性クレンジング料に安定に含有できることを見い出した。しかしながら、課題として、後肌のかさつきを有するため、特定のデキストリン脂肪酸エステルを含有すると、後肌のかさつきが抑制され、うるいおい感を付与できることを見い出した。一方で、油性クレンジング料を肌に塗布してメイクになじませる際に、使用時の厚みが十分でない場合があり、鋭意検討した結果、イソステアリル骨格を有するエステル油を含有することで、使用時の厚みが向上することを見い出した。
このように、ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤、特定のデキストリン脂肪酸エステル及びイソステアリル骨格を有するエステル油を含有することにより、メイク落ち、使用時の厚み、洗い流しやすさ、後肌のうるおい感の全てに優れることを見い出し、本発明品を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤
(B)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(C)成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油
を含有し、
前記成分(C)の含有量が、10〜40質量%である、
液状油性クレンジング料を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤
(B)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(C)成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油
(D)炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステル
を含有し、
前記成分(C)と前記成分(D)の含有質量比(C)/(D)が、1〜30の範囲である、
液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0010】
成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0011】
成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンをゲル化しない液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0012】
成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルが、40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、クスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1000gであるデキストリン脂肪酸エステルである液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0013】
さらに、成分(D)として、炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステルを含有する液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0014】
成分(A)のポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤が、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0015】
成分(C)の成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油が、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2である液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0016】
成分(D)の炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステルが、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニルである液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0017】
成分(A)の含有量が、1〜15質量%である液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0018】
成分(B)の含有量が、1〜5質量%である液状油性クレンジング料を提供するものである。
【0019】
成分(C)と成分(D)の含有質量比(C)/(D)が、1〜30の範囲である液状油性クレンジング料を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の液状油性クレンジング料は、使用時の厚みがあり、メイク落ちがよく、容易に洗い流すことができ、後肌にうるいおい感を付与する液状油性クレンジング料を提供することができる。なお、本発明における「使用時の厚み」とは、液状油性クレンジング料を肌上に塗布し、メイクアップ化粧料となじませたときに、指先にかかる応力を抵抗感として感じ、そのときの使用感において、液状油性クレンジング料が肌上で軽く滑らずに、しっかりとメイクアップ化粧料になじみながら、適度な応力を感じる状態のことを指している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書においては、「〜」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
【0022】
本発明の液状油性クレンジング料に用いられる成分(A)ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン鎖を有し、さらに、ポリオキシエチレン鎖以外の親水基として、グリセリン骨格、ソルビタン骨格、ソルビット骨格を有してもよく、また、親油性の構造を有するものとしては、脂肪酸、シロキサン骨格を有するポリマーなどが挙げられる。本発明において、成分(A)ポリオキシエチレン鎖を有するHLB8〜13の非イオン性界面活性剤は、油性製剤に安定に含有でき、良好な洗い流し効果を付与するのに好ましい。成分(A)は、としては、具体的には、ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル、ラウリン酸ポリオキシエチレングリセリル、オレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリルなどの脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル類、ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン類、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどの脂肪酸ポリオキシエチレンソルビット類を挙げられる。これらは、1種または2種以上を組合わせて用いることができる。
【0023】
これらの中でも、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルが、良好な洗い流し効果を得るためにより好ましい。
【0024】
HLB値が、8より低いポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を用いた場合は、油分がW/O型に乳化しやすく、洗い流しやすさが得られないため好ましくない。また、HLB値が、13より高いポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を用いた場合は、油分に対する溶解性が非常に低く、安定な液状油性製剤を得ることがむずかしく、いずれの場合も満足な結果が得られにくい。HLB値が、8〜13であることにより、洗い流しやすさと液状油性製剤の安定性を得ることができる。
【0025】
本発明の液状油性クレンジング料における成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、良好な洗い流しやすさの観点から、概ね0.5〜25.0質量%(以下「質量%」は、単に「%」と略す)が好ましく、1.0〜15.0%がより好ましい。
【0026】
本発明の液状油性クレンジング料に使用される成分(B)デキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が全脂肪酸に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸を50mol%より多く含有するグルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0である物質である。
【0027】
本発明に使用される成分(B)デキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有する。
(1)デキストリン脂肪酸エステルを液状油に混合したときに液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm2/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%(以下単に「%」で示す。)含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
【0028】
(2)デキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲の付着力(タック性)を有する。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
【0029】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリン脂肪酸エステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリン脂肪酸エステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
【0030】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を必須とし、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これら炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸以外の脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)を含有してもよいものである。
【0031】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%以下、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
該炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学工業社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
【0032】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらの中でも、炭素数8〜22のものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
【0033】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
【0034】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸、5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
【0035】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸単独の場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリンイソ酪酸エステル
デキストリンエチルメチル酢酸エステル
デキストリンイソヘプタン酸エステル
デキストリン2−エチルヘキサン酸エステル
デキストリンイソノナン酸エステル
デキストリンイソデカン酸エステル
デキストリンイソパルミチン酸エステル
デキストリンイソステアリン酸エステル
デキストリンイソアラキン酸エステル
デキストリンイソヘキサコサン酸エステル
デキストリン(イソ吉草酸/イソステアリン酸)エステル
【0036】
本発明において、成分(B)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸とその他の脂肪酸との混合脂肪酸を用いた場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリン(イソ酪酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(エチルメチル酢酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(イソヘプタン酸/ラウリン酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(イソヘキサコサン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/イソ吉草酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/パルミチン酸/カプロン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソデカン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチル酪酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/アラキドン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ステアリン酸/オレイン酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/パルミチン酸/ショールムーグリン酸)エステル
【0037】
成分(B)デキストリン脂肪酸エステルのデキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
【0038】
(デキストリン脂肪酸エステルの製造方法)
次に、本発明に使用される成分(B)デキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
【0039】
(1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
【0040】
(2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
【0041】
本発明において、上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
【0042】
製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶剤を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。
【0043】
本発明の液状油性クレンジング料における成分(B)は、後肌のかさつきを抑制し、うるいおい感を付与し、併せてメイク落ちを向上させる効果有するものである。本発明における成分(B)は、後述する製造実施例に基づいて製造されるものであるが、市販例としては、例えば、ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)等を用いることもできる。
【0044】
本発明の液状油性クレンジング料における成分(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、後肌のかさつきを抑制し、うるいおい感を付与する効果の点から、概ね0.5〜10.0%が好ましく、1.0〜5.0%がより好ましい。
【0045】
本発明の液状油性クレンジング料に用いられる成分(C)の成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油は、イソステアリルアルコールとカルボン酸基を有する成分とのエステル、または、イソステアリン酸と水酸基を有する成分とのエステルである。本発明の成分(C)は、使用時の厚みを付与するとともに、成分(B)と併用することで肌上のメイクアップ化粧料とのなじみを向上させる効果を有するものである。成分(C)は、成分(B)を除くイソステアリル骨格を有するエステル油であれば、特に限定されず、用いることができる。具体的には、イソノナン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オクタン酸イソステアリル、ラウリン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、リノール酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソステアリル、リンゴ酸イソステアリル、クエン酸イソステアリル、乳酸イソステアリル、アジピン酸イソステアリル、セバシン酸イソステアリル、ラウロイルグルタミン酸ジイソステアリル、ラウロイルグルタミン酸(フィトステイル/ベヘニル/オクチルドデシル/イソステアリル)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソスアリン酸ポリグリセリル−2などが挙げられる。これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0046】
これらの中でも、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2が、使用時の厚み、メイクアップ化粧料とのなじみを著しく向上させる観点から、より好ましい。
【0047】
本発明の液状油性クレンジング料における成分(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、使用時の厚み、メイクアップ化粧料とのなじみを著しく向上させる観点から、概ね2.0〜40.0%が好ましく、10.0〜30.0%がより好ましい。
【0048】
本発明の液状油性クレンジング料は、さらに、成分(D)として、炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステルを含有することも可能である。成分(D)を併用することで、メイク落ち効果を相乗的に向上させることができる。成分(D)は、炭素数8〜16の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールのエステルであれば、特に限定されず、用いることができる。具体的には、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0049】
これらの中でも、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニルが、メイク落ち効果を相乗的に向上させる観点から、より好ましい。
【0050】
本発明の液状油性クレンジング料における成分(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、メイク落ち効果を相乗的に向上させる観点から、概ね0.5〜20.0%が好ましく、1.0〜10.0%がより好ましい。
【0051】
上記した成分(C)、成分(D)の含有量は、任意に選択可能であり、含有する比も特に限定されるものではないが、これらの含有量の質量比を特定の範囲とすることにより、さらに本発明の効果を高めることが可能となり好ましい。成分(C)と成分(D)の含有質量比は、特に限定されるものではないが、使用時の厚みを付与する効果と成分(D)によるメイク落ち効果を相乗的に向上させる効果の点から、含有質量比(C)/(D)が、概ね0.1〜50が好ましく、1〜30がより好ましい。
【0052】
本発明の液状油性クレンジング料には、更に目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内において、上記した成分の他に、通常の化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、例えば精製水、温泉水、深層水等の水、アルコール類、高級アルコール、感触調整あるいは着色用等の粉体、成分(a)以外の界面活性剤等の汎用成分や、高分子、皮膜形成剤、油性ゲル化剤、樹脂、包接化合物、保湿剤、抗菌・防腐剤、消臭剤、塩類、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、退色防止剤、消泡剤、清涼剤、本発明の成分(B)、(C)、(D)以外の油性成分、噴射剤、香料、色素等を含有することができる。
【0053】
なお、本発明の液状油性クレンジング料でいう「液状」とは、30℃の粘度がブルックフィールド型回転粘度計による測定値で1〜2000mPa・sであるものを指す。
【0054】
本発明の液状油性クレンジング料の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、成分(A)〜(D)を均一に混合溶解することで、調製することができる。
【実施例】
【0055】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0056】
《本発明のデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例》
以下に本発明に用いるデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
【0057】
(置換度、構成脂肪酸のmol%の測定方法)
参考製造例のデキストリン脂肪酸エステルのIRスペクトルを測定し、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度と、構成脂肪酸のmol%を求めた。
【0058】
(粘度の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)を5質量%含有する流動パラフィンを100℃で溶解し、室温(25℃)まで冷却する。25℃の恒温槽で24時間保温し、以下の測定機器を用いて粘度を測定した。
尚、流動パラフィンはASTM D445測定方法による40℃の動粘度が8mm2/sのものを使用した。
[測定機器]Yamco DIGITAL VISCOMATE MODEL VM−100A(山一電機社製)
【0059】
(タック性の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)をIPクリーンLX(軽質流動イソパラフィン)に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、その皮膜を室温24時間乾燥後、70℃で12時間保存した後、室温25℃におけるタック性を、以下に示す機器および条件で評価した。
[測定機器]テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)
[プローブ]1/2 Cyl.Delrin(ポリアセタール樹脂(POM))P/0.5)、直径12.5mm円柱状
[測定条件]Test Speed:0.5mm/sec, Applied Force:100g, Contact Time:10sec
【0060】
[参考製造例1:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。本原料の脂肪酸組成は分岐飽和脂肪酸が60mol%、その他の脂肪酸が40mol%(パルミチン酸10mol%を含む)のものを用いた。(以下同様)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
【0061】
[参考製造例2〜4:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
参考製造例1記載の原料・方法に準じ、
参考製造例2は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.172mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.0、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は35gであった。
参考製造例3は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.224mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.4、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
参考製造例4は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.502mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度2.6、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は750gであった。
【0062】
[参考製造例5:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(ガーベット反応型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質80gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、ガーベット反応型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸−Nを用いた。
置換度は1.8、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は173gであった。
【0063】
[参考製造例6:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(アルドール縮合型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質60gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、アルドール縮合型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸を用いた。
置換度は1.2、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は61gであった。
【0064】
[参考製造例7:デキストリンイソアラキン酸/パルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度150のデキストリン51.28gをジメチルホルムアミド150g、ピリジン60gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソアラキン酸クロライド132gとパルミチン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質145gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は1.1、イソアラキン酸85mol%、パルミチン酸15mol%、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
【0065】
[参考製造例8:デキストリンイソ酪酸/カプリン酸エステル]
平均グルコース重合度5のデキストリン34.19gを3−メチルピリジン215gに70℃で分散させ、イソ酪酸クロライド50g及びカプリン酸クロライド60gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をエタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質98gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度は2.9、イソ酪酸63mol%、カプリン酸37mol%、粘度は0mPa・s、タック性は255gであった。
【0066】
[参考製造例9:デキストリンイソパルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度100のデキストリン23.62gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド100gを30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質90gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
置換度は2.0、イソパルミチン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は204gであった。
【0067】
[参考製造例10:デキストリンイソノナン酸/ステアリン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン36.34gをジメチルホルムアミド120g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソノナン酸クロライド41g及びステアリン酸クロライド58gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸55mol%)
置換度は1.6、イソノナン酸51mol%、ステアリン酸49mol%、粘度は0mPa・s、タック性は64gであった。
【0068】
[参考製造例11:デキストリン2−エチルヘキサン酸/ベヘン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン54.56gをジメチルホルムアミド150g、3−メチルピリジン130gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、2−エチルヘキサン酸クロライド147g、次いでベヘン酸クロライド36gを計30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は2.3、2−エチルヘキサン酸95mol%、ベヘン酸5mol%、粘度は0mPa・s、タック性は138gであった。
【0069】
[参考製造例12:デキストリンイソパルミチン酸/酢酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン22.56gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン70gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド110g及び無水酢酸10gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質96gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸80mol%)
置換度は2.8、イソパルミチン酸79mol%、酢酸21mol%、粘度は0mPa・s、タック性は430gであった。
【0070】
[参考製造例13:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)/オレイン酸エステル]
平均グルコース重合度40のデキストリン19.99gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)108gとオレイン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質88gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸54mol%)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸54mol%、その他の脂肪酸46mol%(内オレイン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は350gであった。
【0071】
以下、成分(B)を含有した液状油性クレンジング料を製造し、評価を行った。
実施例1〜18、20、21、参考例1、及び比較例1〜6;液状油性クレンジング料
表1〜表4に示す組成及び下記製法にて液状油性クレンジング料を調製し、以下に示す方法により、<1>メイク落ち、<2>使用時の厚み、<3>洗い流しやすさ、<4>後肌のうるおい感の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定した。結果を併せて表1〜表4に示した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
(製造方法)
A:No.1〜14を均一に混合溶解し、液状油性クレンジング料を得た。
【0077】
〔評価方法〕:メイク落ち、使用時の厚み、洗い流しやすさ、後肌のうるおい感
化粧品専門パネル20名に、下記処方及び製造方法で調製された油中水型リキッドファンデーションを使用してもらい、塗布1時間後に、各試料を使用して、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、洗い流した後の「メイク落ち」、使用後の「後肌のうるおい感」の各項目について、下記の(イ)評価基準に従って5段階評価してもらった。その後、全パネルの評点の平均点を、下記(ロ)判定基準に従って判定した。
【0078】
油中水型リキッドファンデーション(クレンジング対象)の処方
(成分) (%)
1.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレン
オレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(注2) 2
2.PEG−3ジメチコン(注3) 1
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
4.シリコーン処理タルク(注4) 5
5.シリコーン処理赤酸化鉄(注4) 0.5
6.シリコーン処理黄酸化鉄(注4) 0.5
7.シリコーン処理黒酸化鉄(注4) 0.5
8.シリコーン処理酸化チタン(注4) 10
9.トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 10
10.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
11.精製水 残量
12.塩化ナトリウム 0.5
13.1,3−ブチレングリコール 10
14.アルコール 5
15.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.1
16.香料 0.2
(注2)KF−6026(信越化学工業社製)
(注3)KF−6015(信越化学工業社製)
(注4)ジメチルポリシロキサン2%処理
【0079】
油中水型リキッドファンデーション(クレンジング対象)の製造方法
(1)成分1〜3を均一に混合する。
(2)成分4〜10をローラーにて均一に分散する。
(3)上記(1)に(2)を添加し、均一混合する。
(4)上記(3)に成分11〜16を添加、乳化し、油中水型リキッドファンデーションを得た。
【0080】
(イ)[評価基準]
5段階評価基準:
[評点]:[評価結果]
5点 :非常に良好
4点 :良好
3点 :普通
2点 :やや不良
1点 :不良
(ロ)判定基準
[判定]:[評点の平均点]
◎ :4.5以上
○ :3.5以上〜4.5未満
△ :1.5以上〜3.5未満
× :1.5未満
【0081】
表1〜表4の結果から明らかなように、実施例1〜18、20、21、参考例1の液状油性クレンジング料は、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、洗い流した後の「メイク落ち」、使用後の「後肌のうるおい感」の各項目について良好であった。成分(A)を含有しない比較例1は、「洗い流しやすさ」が非常に劣り、「メイク落ち」、「後肌のうるおい感」も不足していた。成分(A)にHLBは該当するが、構造が外れる成分を含有した比較例2は、「使用時の厚み」、「メイク落ち」、「後肌のうるおい感」が不足しているものだった。成分(B)を含有しない比較例3は、「後肌のうるおい感」が非常に劣るものであった。成分(B)の代わりに、パルミチン酸デキストリンを含有したものは、「洗い流しやすさ」、「後肌のうるおい感」が非常に劣るものであった。成分(C)を含有しない比較例5は、「使用時の厚み」が非常に劣るものであった。成分(C)の代わりに、重質流動イソパラフィンを含有した比較例6は、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、「後肌のうるおい感」に劣るものであった。
また、実施例1と6及び7の比較により、成分(D)を含有することで、「メイク落ち」の効果が向上していた。
【0082】
実施例22:液状油性クレンジング料
(成分) (%)
1.テトラオレイン酸ソルベス−30 9
2.イソステアリン酸デキストリン(参考製造例2) 3
3.リンゴ酸ジイソステアリル 25
4.流動パラフィン 31.6
5.トリエチルヘキサノイン 19
6.ミリスチン酸イソプロピル 5
7.イソノサン酸イソトリデシル 5
8.香料 0.6
9.フェノキシエタノール 0.8
10.グリセリン 0.5
11.精製水 0.5
(製造方法)
A:No.1〜11を均一に混合溶解し、液状油性クレンジング料を得た。
【0083】
以上のようにして得られた実施例22の液状油性クレンジング料は、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、洗い流した後の「メイク落ち」、使用後の「後肌のうるおい感」の各項目について良好であった。
【0084】
実施例23:液状油性クレンジング料
(組成) (%)
1.テトラオレイン酸ソルベス−30 8
2.イソステアリン酸デキストリン(参考製造例2) 3
3.リンゴ酸ジイソステアリル 12
4.流動パラフィン 27.9
5.コメヌカ油 40
6.ミリスチン酸イソプロピル 3
7.シクロメチコン 5
8.オレンジオイル 0.1
9.フェノキシエタノール 0.5
10.グリセリン 0.2
11.精製水 0.2
12.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
(製造方法)
A:No.1〜12を均一に混合溶解し、液状油性クレンジング料を得た。
【0085】
以上のようにして得られた実施例23の液状油性クレンジング料は、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、洗い流した後の「メイク落ち」、使用後の「後肌のうるおい感」の各項目について良好であった。
【0086】
実施例24:液状油性クレンジング料
(組成) (%)
1.トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル 8.5
2.イソステアリン酸デキストリン(参考製造例4) 3
3.リンゴ酸ジイソステアリル 10
4.流動パラフィン 19.4
5.トリエチルヘキサノイン 40
6.ミリスチン酸イソプロピル 2
7.エチルヘキサン酸セチル 15
8.1,3−ブチレングリコール 1
9.フェノキシエタノール 0.5
10.エタノール 0.1
11.精製水 0.2
12.香料 0.3
(製造方法)
A:No.1〜12を均一に混合溶解し、液状油性クレンジング料を得た。
【0087】
以上のようにして得られた実施例24の液状油性クレンジング料は、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、洗い流した後の「メイク落ち」、使用後の「後肌のうるおい感」の各項目について良好であった。
【0088】
実施例25:液状油性クレンジング料
(組成) (%)
1.トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル 7.5
2.イソステアリン酸デキストリン(参考製造例5) 3
3.トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2 8
4.流動パラフィン 12.3
5.エチルヘキサン酸セチル 60
6.ミリスチン酸イソプロピル 2
7.ジメチコン(6mPa・s) 1
8.1,3−ブチレングリコール 1
9.フェノキシエタノール 0.5
10.香料 0.2
(製造方法)
A:No.1〜10を均一に混合溶解し、液状油性クレンジング料を得た。
【0089】
以上のようにして得られた実施例25の液状油性クレンジング料は、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、洗い流した後の「メイク落ち」、使用後の「後肌のうるおい感」の各項目について良好であった。
【0090】
実施例26:液状油性クレンジング料
(組成) (%)
1.イソステアリン酸PEG−8グリセリル 20
2.イソステアリン酸デキストリン(参考製造例6) 2
3.ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 20
4.流動パラフィン 33.1
5.エチルヘキサン酸セチル 15
6.ミリスチン酸イソプロピル 2
7.シクロメチコン 5
8.精製水 2
9.グリセリン 0.5
10.香料 0.2
11.フェノキシエタノール 0.2
(製造方法)
A:No.1〜11を均一に混合溶解し、液状油性クレンジング料を得た。
【0091】
以上のようにして得られた実施例26の液状油性クレンジング料は、「使用時の厚み」、「洗い流しやすさ」、洗い流した後の「メイク落ち」、使用後の「後肌のうるおい感」の各項目について良好であった。