(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
設置台を介して設置され、横回転角を検出可能な分度盤と、該分度盤に縦回転を可能とした支持機構を介して取付けられた測量装置本体とを具備し、前記支持機構は、前記分度盤に対して前記測量装置本体が所定の角度状態に設定可能であり、該測量装置本体は、測距光を発する発光素子と、前記測距光を射出する測距光射出部と、反射測距光を受光する受光部と、前記反射測距光を受光し、受光信号を発生する受光素子とを有し、該受光素子からの前記受光信号に基づき測定対象物の測距を行う測距部と、測距作動を制御する制御部と、前記測距光射出部の光軸と前記受光部の光軸上に設けられ、前記光軸の偏向を制御する光軸偏向部と、水平を検出する傾斜検出ユニットと、該傾斜検出ユニットが水平に維持される様、該傾斜検出ユニットを傾動する機構とを有し、前記測量装置本体の傾動量を検出する様構成された姿勢検出部とを有する測量装置。
前記制御部は、前記分度盤に対して前記測量装置本体が所定の角度状態での前記姿勢検出部が検出する傾動量に基づき前記測量装置本体の鉛直に対する傾斜量を演算すると共に前記分度盤の水平に対する傾斜量を演算し、演算結果に基づき前記測定対象物の測定結果を補正する請求項1に記載の測量装置。
前記制御部は、前記分度盤に対して前記測量装置本体が所定の角度状態での前記姿勢検出部が検出する傾動量に基づき前記測量装置本体の鉛直に対する傾斜量を演算し、前記光軸偏向部により前記測距光が鉛直に射出される様、前記光軸を偏向する請求項1又は請求項2に記載の測量装置。
前記設置台は、基準点近傍に設置され、前記制御部は、前記分度盤に対して前記測量装置本体が所定の角度状態での前記姿勢検出部が検出する傾動量に基づき前記測量装置本体の鉛直に対する傾斜量を演算し、前記光軸偏向部を制御して前記測距光を前記基準点に照射し、前記傾斜量、前記光軸偏向部による前記測距光の偏向量、前記基準点迄の測距結果に基づき前記基準点の位置を測定する請求項1〜請求項3のうちいずれか1つに記載の測量装置。
前記制御部は、前記光軸偏向部により前記測距光の照射方向を変更して、該測距光を測定点に照射し、該測定点の測定を行う請求項1〜請求項4のうちいずれか1つに記載の測量装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0017】
先ず、
図1に於いて、本実施例に係る測量装置について概略を説明する。
【0018】
図1中、1は測量装置であり、Oは光軸偏向なし時の測距光軸を示す。前記測量装置1は、設置台を介して設置点(基準点)Rの近傍に設置される。尚、図示では設置台として、三脚2が示されている。前記測量装置1は、測定対象物をプリズムとするプリズム測定モードによる測定、測定対象物が構造物である場合等で、プリズムを使用しないノンプリズム測定モードによる測定が可能である。
【0019】
前記測量装置1は、主に測量装置本体3、操作装置4、分度盤5から構成される。該分度盤5は前記三脚2の上端に取付けられ、前記測量装置1の横回転角を検出する角度検出器であると共に前記測量装置本体3が取付けられる取付け台としても機能する。該測量装置本体3は、前記分度盤5に対して縦回転を可能とした支持機構を介して該分度盤5に取付けられる。
【0021】
前記分度盤5の上面には、下支持片6が上方に突出して設けられている。前記測量装置本体3の下面には、2股形状の上支持片7が下方に突出して設けられている。該上支持片7は前記下支持片6と嵌合し、嵌合した該下支持片6と前記上支持片7とを縦回転軸8が横方向に貫通し、該縦回転軸8を介して前記下支持片6と前記上支持片7とが回転自在に連結される。
【0022】
従って、前記測量装置本体3と前記分度盤5とは、前記下支持片6、前記上支持片7、前記縦回転軸8を介して連結され、該縦回転軸8を中心に縦方向に回転可能となっている。
【0023】
前記上支持片7には横方向に延びるレバー9が設けられる。該レバー9を上下することで、前記測量装置本体3は前記縦回転軸8を中心として縦方向に回転する様になっている。
【0024】
又、前記レバー9は前記上支持片7にネジ込まれており、前記レバー9を該レバー9の軸心を中心に回転し、締込むことで、前記下支持片6と前記上支持片7間の回転が拘束され、緩めることで自在に回転可能となる。
【0025】
尚、前記レバー9の操作で、前記下支持片6と前記上支持片7間の回転を拘束することについては、種々の方法が採用可能である。例えば、前記レバー9を締込むことで、該レバー9の先端が、前記縦回転軸8に押圧される様にしてもよい。
【0026】
前記測量装置本体3は、測距部(後述)、姿勢検出部(後述)を内蔵し、前記測距部は測距光を測定対象物、或は測定範囲に射出し、反射測距光を受光して測距を行う。又、前記姿勢検出部は、前記測量装置本体3の鉛直(又は水平)に対する姿勢を高精度に検出可能である。
【0027】
前記操作装置4は、前記測量装置本体3との間で有線、無線等所要の手段を介して通信を行う通信機能を有する。又、前記操作装置4は、表示部4a、操作部4bを有し(
図6参照)、該操作部4bからの操作で、前記測量装置1を作動させることができる。更に、前記測量装置本体3からは、画像、測定状態、測定結果等が前記操作装置4に送信され、該画像、測定状態、測定結果等が、前記操作装置4に記憶され、或は前記表示部4aに表示される様になっている。
【0028】
尚、該表示部4aをタッチパネルとし、該表示部4aを前記操作部4bと共通にしてもよい。
【0029】
前記操作装置4は、例えばスマートフォンであり、アタッチメント10により、前記測量装置本体3に着脱可能としてもよい。
【0030】
前記分度盤5は、固定盤5aと該固定盤5aに対して横回転可能な回転盤5bを有し、前記固定盤5aと前記回転盤5b間の横回転角を検出可能な構造となっている。
【0031】
該横回転角を検出可能な構造としては、例えば、
図2(A)、
図2(B)に示す様に、前記固定盤5aと前記回転盤5b間にエンコーダ12を設ける等が考えられる。
【0032】
前記分度盤5は、前記測量装置1に設定される機械基準線15に対して垂直に設定される。従って、前記分度盤5が水平の状態で、且つ前記測量装置本体3が水平の状態である時に、前記測量装置1は基準姿勢であり、前記測量装置本体3自体が有する副機械基準線15aは鉛直であり、且つ前記機械基準線15に合致する。
【0033】
前記測量装置本体3の前記分度盤5に対する垂直を検出或は設定する方法としては、前記測量装置本体3と前記分度盤5間に、基準位置検出センサ(図示せず)を設け、該基準位置検出センサからの信号に基づき両者間の垂直を設定してもよい。或は、前記縦回転軸8にエンコーダ(図示せず)を設け、前記下支持片6(前記分度盤5)と前記上支持片7(前記測量装置本体3)間の角度を検出し、検出結果に基づき前記分度盤5に対して前記測量装置本体3の垂直を検出或は設定する様にしてもよい。或は、機械的に両者間の垂直を設定する様にしてもよい。
【0034】
図2(A)、
図2(B)は、前記分度盤5と前記測量装置本体3間の垂直姿勢を、機械的に実現する様にした場合を示している。
【0035】
前記上支持片7が前記機械基準線15に対して90゜回転した場合に(
図2(B)参照)、前記上支持片7が前記回転盤5bの所要部位(図示では上面)に当接する様になっている。この状態では、前記副機械基準線15aは前記機械基準線15に対して直交する。即ち、前記上支持片7が前記回転盤5bに当接する迄、前記測量装置本体3を回転させれば、前記機械基準線15に対する前記測量装置本体3の姿勢が規定される。
【0036】
従って、前記分度盤5が水平に設置されていれば、前記副機械基準線15aは水平であり、前記分度盤5が水平に対して傾斜していれば、前記副機械基準線15aは水平に対して前記分度盤5の傾斜分だけ傾斜する。即ち、該分度盤5の傾斜が、正確に前記副機械基準線15aの水平に対する傾斜として反映される。
【0037】
前記測量装置本体3は、該測量装置本体3の鉛直(又は水平)に対する姿勢を高精度に検出する姿勢検出部19を具備している。
【0038】
該姿勢検出部19は、前記測量装置本体3が、
図2(B)で示される様な、垂直姿勢でも、鉛直(又は水平)を検出する。従って、前記姿勢検出部19の検出結果に対して、前記測量装置本体3が傾斜していなければ、該測量装置本体3は正確に90゜回転した姿勢となっている。この時、該測量装置本体3の前記副機械基準線15aは水平であり、前記分度盤5は水平である。
【0039】
従って、測定時に得られる該分度盤5の横回転角は、補正することなく測定値として使用することができる。
【0040】
次に、
図2(B)で示される状態、即ち該分度盤5に対して、前記測量装置本体3が垂直な状態で、前記姿勢検出部19の検出結果(水平)に対して、前記測量装置本体3が傾斜している場合は、前記副機械基準線15aが水平に対して傾斜していることになり、又前記分度盤5がこの傾斜分だけ、水平に対して傾斜していることになる。
【0041】
この場合、測定時に得られる該分度盤5の横回転角は、誤差を含むことになる。然し、前記傾斜分に基づき該分度盤5の横回転角を補正すれば、正確な横回転角を求めることができる。
【0042】
該分度盤5が傾斜した場合の、横回転角の補正について、
図3を参照して略述する。
【0043】
図3中、X軸、Y軸は任意の基準方向(例えば初期設定時の基準方向)であり、例えば該分度盤5がX軸に対してφ傾いたとき、即ちY軸を中心にφ傾いた時に、Y成分は変化しないで、X成分がXcosφとなる。つまり、前記測量装置本体3の方向がX軸に対してθだけ回転していると、
Y=sinθ、X=cosθcosφ
従って、θ′=tan
-1(Y/X)
=tan
-1{sinθ/(cosθcosφ)}
として補正できる。
【0044】
従って、前記測量装置1を設置する場合に、整準をすることなく、単に設置するだけで、正確な測定を実行することができる。
【0045】
次に、
図4、
図5を参照して、前記姿勢検出部19について説明する。尚、以下の説明に於いて、上下は図中での上下に対応し、左右は図中での左右に対応する。
【0046】
矩形枠形状の外フレーム51の内部に矩形枠形状の内フレーム53が設けられ、該内フレーム53の内部に傾斜検出ユニット56が設けられる。
【0047】
前記内フレーム53の上面、下面から縦軸54,54が突設され、該縦軸54,54は前記外フレーム51に設けられた軸受52,52と回転自在に嵌合する。前記縦軸54,54は縦軸心を有し、前記内フレーム53は前記縦軸54,54を中心に左右方向に360゜回転自在となっている。
【0048】
前記傾斜検出ユニット56は横軸55に支持され、該横軸55の両端部は、前記内フレーム53に設けられた軸受57,57に回転自在に嵌合する。前記横軸55は前記縦軸心と直交する横軸心を有し、前記傾斜検出ユニット56は前記横軸55を中心に上下方向に360゜回転自在となっている。
【0049】
つまり、前記傾斜検出ユニット56は前記外フレーム51に対して2軸方向に360°回転自在のジンバル機構を介して支持された構成になっている。
【0050】
前記縦軸54,54の一方、例えば下側の縦軸54には第1ギア58が取付けられ、該第1ギア58には第1駆動ギア59が噛合している。又、前記外フレーム51の下面には第1モータ61が設けられ、前記第1駆動ギア59は前記第1モータ61の出力軸に取付けられている。
【0051】
前記縦軸54,54の他方には第1エンコーダ62が取付けられ、該第1エンコーダ62は前記内フレーム53の前記外フレーム51に対する左右方向の回転角を検出する様に構成されている。
【0052】
前記横軸55の一端部には、第2ギア63が取付けられ、該第2ギア63には第2駆動ギア64が噛合している。又、前記内フレーム53の側面(図示では左側面)には第2モータ65が取付けられ、前記第2駆動ギア64は前記第2モータ65の出力軸に取付けられている。
【0053】
前記横軸55の他端部には第2エンコーダ66が取付けられ、該第2エンコーダ66は前記内フレーム53に対する前記傾斜検出ユニット56の上下方向の回転角を検出する様に構成されている。
【0054】
前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66は、第1演算処理部68に電気的に接続されている。
【0055】
前記傾斜検出ユニット56は、第1傾斜センサ71、第2傾斜センサ72を有しており、該第1傾斜センサ71、該第2傾斜センサ72は、前記第1演算処理部68に電気的に接続されている。
【0056】
前記姿勢検出部19について、
図5により更に説明する。
【0057】
該姿勢検出部19は、前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66、前記第1傾斜センサ71、前記第2傾斜センサ72、前記第1演算処理部68、前記第1モータ61、前記第2モータ65の他に、更に記憶部73、入出力制御部74を具備している。
【0058】
前記記憶部73には、姿勢検出の為の演算プログラム等のプログラム、及び演算データ等のデータ類を格納している。
【0059】
前記入出力制御部74は、前記第1演算処理部68から出力される制御指令に基づき前記第1モータ61、前記第2モータ65を駆動し、前記第1演算処理部68で演算した傾斜検出結果を検出信号として出力する。
【0060】
前記第1傾斜センサ71は水平を高精度に検出するものであり、例えば水平液面に検出光を入射させ反射光の反射角度の変化で水平を検出する傾斜検出器、或は封入した気泡の位置変化で傾斜を検出する気泡管である。又、前記第2傾斜センサ72は傾斜変化を高応答性で検出するものであり、例えば加速度センサである。
【0061】
尚、前記第1傾斜センサ71、前記第2傾斜センサ72のいずれも、前記第1エンコーダ62が検出する回転方向(傾斜方向)、前記第2エンコーダ66が検出する回転方向(傾斜方向)の2軸方向の傾斜を個別に検出可能となっている。
【0062】
前記第1演算処理部68は、前記第1傾斜センサ71、前記第2傾斜センサ72からの検出結果に基づき、傾斜角、傾斜方向を演算し、更に該傾斜角、傾斜方向に相当する前記第1エンコーダ62の回転角、前記第2エンコーダ66の回転角により前記測量装置本体3の鉛直に対する傾斜角を演算する。
【0063】
尚、前記姿勢検出部19は、前記外フレーム51が水平に設置された場合に、前記第1傾斜センサ71が水平を検出する様に設定され、更に前記第1エンコーダ62の出力、前記第2エンコーダ66の出力が共に基準位置(回転角0゜)を示す様に設定される。
【0064】
以下、前記姿勢検出部19の作用について説明する。
【0065】
先ず、高精度に傾斜を検出する場合について説明する。
【0066】
高精度に傾斜を検出する場合としては、例えば、前記姿勢検出部19が、
図1に示される様な、設置式の測量装置に設けられた場合である。
【0067】
前記姿勢検出部19が傾斜すると、前記第1傾斜センサ71が傾斜に応じた信号を出力する。
【0068】
前記第1演算処理部68は、前記第1傾斜センサ71からの信号に基づき、傾斜角、傾斜方向を演算し、更に演算結果に基づき傾斜角、傾斜方向を0にする為の、前記第1モータ61、前記第2モータ65の回転量を演算し、前記入出力制御部74を介して前記第1モータ61、前記第2モータ65を前記回転量駆動する駆動指令を発する。
【0069】
前記第1モータ61、前記第2モータ65の駆動により、演算された傾斜角、傾斜方向の逆に傾斜する様、前記第1モータ61、前記第2モータ65が駆動され、モータの回転量(回転角)は前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66によって検出され、回転角が前記演算結果となったところで前記第1モータ61、前記第2モータ65の駆動が停止される。
【0070】
この状態では、前記外フレーム51が傾斜した状態で、前記傾斜検出ユニット56が水平に制御される。
【0071】
従って、該傾斜検出ユニット56を水平とする為に、前記第1モータ61、前記第2モータ65により、前記内フレーム53、前記傾斜検出ユニット56を傾斜させた傾斜角、傾斜方向は、前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66で検出した回転角に基づき求められる。
【0072】
前記第1演算処理部68は、前記第1傾斜センサ71が水平を検出した時の、前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66の検出結果に基づき前記姿勢検出部19の傾斜角、傾斜方向を演算する。この演算結果が、該姿勢検出部19の傾斜後の姿勢を示す。
【0073】
前記第1演算処理部68は、演算された傾斜角、傾斜方向を前記姿勢検出部19の検出信号として前記入出力制御部74を介して外部に出力する。
【0074】
前記姿勢検出部19では、
図4に示される構造の通り、前記傾斜検出ユニット56、前記内フレーム53の回転を制約するものがなく、前記傾斜検出ユニット56、前記内フレーム53は共に360゜以上の回転が可能である。即ち、前記姿勢検出部19がどの様な姿勢となろうとも(例えば、前記姿勢検出部19の天地が逆になった場合でも)、全方向での姿勢検出が可能である。
【0075】
図2(B)に示される様に、前記測量装置本体3が90゜回転した場合、内部に収納されている前記姿勢検出部19も90゜回転するが、前記第1モータ61、前記第2モータ65は、前記傾斜検出ユニット56が水平を維持する様に駆動される。
【0076】
従って、
図2(B)に示される状態では、該傾斜検出ユニット56は水平を検出し、前記第2エンコーダ66は90゜を検出している。
【0077】
高応答性を要求する場合は、前記第2傾斜センサ72の検出結果に基づき姿勢検出と姿勢制御が行われるが、該第2傾斜センサ72は前記第1傾斜センサ71に比べ検出精度が悪いのが一般的である。
【0078】
本実施例では、高精度の該第1傾斜センサ71と高応答性の前記第2傾斜センサ72を具備することで、該第2傾斜センサ72の検出結果に基づき姿勢制御を行い、前記第1傾斜センサ71により高精度の姿勢検出を可能とする。
【0079】
つまり、該第2傾斜センサ72が検出した傾斜角に基づき、該傾斜角が0°になる様に前記第1モータ61、前記第2モータ65を駆動し、更に前記第1傾斜センサ71が水平を検出する迄前記第1モータ61、前記第2モータ65の駆動を継続することにより、高精度に姿勢を検出することが可能となる。前記第1傾斜センサ71が水平を検出した時の前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66の値、即ち実際の傾斜角と前記第2傾斜センサ72が検出した傾斜角との間で偏差を生じれば、該偏差に基づき前記第2傾斜センサ72の傾斜角を較正することができる。
【0080】
従って、予め、該第2傾斜センサ72の検出傾斜角と、前記第1傾斜センサ71による水平検出と前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66の検出結果に基づき求めた傾斜角との関係を取得しておけば、前記第2傾斜センサ72に検出された傾斜角の較正(キャリブレーション)をすることができ、該第2傾斜センサ72による高応答性での姿勢検出の精度を向上させることができる。
【0081】
前記姿勢検出部19は種々の装置に適用できる。特に、装置の姿勢が安定していない携帯タイプの装置に用いても、高応答性、高精度で水平を検出することができる。
【0082】
次に、前記測量装置本体3について、
図6、
図7を参照して、説明する。
【0083】
該測量装置本体3は、測距光射出部21、受光部22、測距部23、第2演算処理部24、射出方向検出部25、通信部26、撮像装置27、前記姿勢検出部19を有する。
【0084】
前記測距光射出部21は、測距光を射出する。該測距光射出部21は、射出光軸31を有し、該射出光軸31上に発光素子32、例えばレーザダイオード(LD)が設けられ、更に、前記射出光軸31上に投光レンズ33が設けられる。
【0085】
又、前記射出光軸31上には、偏向光学部材としての第1反射鏡34を設ける。更に、該第1反射鏡34に対峙させ、且つ受光光軸37(後述)上に偏向光学部材としての第2反射鏡35を配設する。
【0086】
前記第1反射鏡34、前記第2反射鏡35によって、前記射出光軸31は、前記測距光軸Oと合致される。該測距光軸O上に、光軸偏向ユニット36が配設される。
【0087】
前記受光部22は、測定対象物からの反射測距光を受光する。該受光部22は、前記射出光軸31と平行な前記受光光軸37を有し、該受光光軸37は前記測距光軸Oと共通となっている。
【0088】
前記受光光軸37上に受光素子38、例えばフォトダイオード(PD)が設けられ、又結像レンズ39が配設されてる。該結像レンズ39は、反射測距光を前記受光素子38に結像する。該受光素子38は反射測距光を受光し、受光信号を発生する。該受光信号は、前記測距部23に入力される。
【0089】
更に、前記受光光軸37上で、前記結像レンズ39の対物側には、前記光軸偏向ユニット36が配置されている。
【0090】
該光軸偏向ユニット36について説明する。
【0091】
該光軸偏向ユニット36には、一対の光学プリズム41a,41bが配設される。該光学プリズム41a,41bは、それぞれ円板状であり、前記受光光軸37に直交して配置され、重なり合い、平行に配置されている。前記光学プリズム41a,41bとしては、それぞれフレネルプリズムが用いられることが、装置を小型化する為に好ましい。
【0092】
前記光軸偏向ユニット36の中央部は、測距光が透過する測距光偏向部36aとなっており、中央部を除く部分は反射測距光偏向部36bとなっている。
【0093】
前記光学プリズム41a,41bとして用いられるフレネルプリズムは、それぞれ平行に形成されたプリズム要素42a,42bと多数のプリズム要素43a,43bによって構成され、板形状を有する。前記光学プリズム41a,41b及び各プリズム要素42a,42b及びプリズム要素43a,43bは同一の光学特性を有する。
【0094】
前記プリズム要素42a,42bは、前記測距光偏向部36aを構成し、前記プリズム要素43a,43bは前記反射測距光偏向部36bを構成する。
【0095】
前記フレネルプリズムは光学ガラスから製作してもよいが、光学プラスチック材料でモールド成形したものでもよい。光学プラスチック材料でモールド成形することで、安価なフレネルプリズムを製作できる。
【0096】
前記光学プリズム41a,41bはそれぞれ前記受光光軸37を中心に個別に回転可能に配設されている。前記光学プリズム41a,41bは、回転方向、回転量、回転速度を独立して制御されることで、射出される測距光の測距光軸を任意の方向に偏向し、受光される反射測距光の受光光軸を前記測距光軸と平行に偏向する。
【0097】
前記光学プリズム41a,41bの外形形状は、それぞれ前記受光光軸37を中心とする円板状であり、反射測距光の広がりを考慮し、充分な光量を取得できる様、前記光学プリズム41a,41bの直径が設定されている。
【0098】
前記光学プリズム41aの外周にはリングギア44aが嵌設され、前記光学プリズム41bの外周にはリングギア44bが嵌設されている。
【0099】
前記リングギア44aには駆動ギア46aが噛合し、該駆動ギア46aはモータ47aの出力軸に固着されている。前記リングギア44bには、駆動ギア46bが噛合し、該駆動ギア46bはモータ47bの出力軸に固着されている。前記モータ47a,47bは前記第2演算処理部24に電気的に接続されている。
【0100】
前記モータ47a,47bは、回転角を検出することができるもの、或は駆動入力値に対応した回転をするもの、例えばパルスモータが用いられる。或は、モータの回転量(回転角)を検出する回転検出器、例えばエンコーダ(図示せず)等を用いて、モータの回転量を検出してもよい。前記モータ47a,47bの回転量がそれぞれ検出され、前記第2演算処理部24により前記モータ47a,47bが個別に制御される。
【0101】
前記駆動ギア46a,46b、前記モータ47a,47bは前記測距光射出部21と干渉しない位置、例えば前記リングギア44a,44bの下側に設けられている。
【0102】
前記投光レンズ33、前記測距光偏向部36a等は、投光光学系を構成し、前記反射測距光偏向部36b、前記結像レンズ39等は受光光学系を構成する。
【0103】
前記測距部23は、前記発光素子32を制御し、測距光としてレーザ光線を発光させる。前記光軸偏向ユニット36(前記測距光偏向部36a)により、測定点に向う様、前記測距光軸Oが偏向される。
【0104】
測定対象物から反射された反射測距光は前記光学プリズム41a,41b(前記反射測距光偏向部36b)、前記結像レンズ39を介して入射し、前記受光素子38に受光される。該受光素子38は受光信号を前記測距部23に送出し、該測距部23は、前記受光素子38からの受光信号に基づき測定点(測距光が照射された点)の測距を行う。
【0105】
前記第2演算処理部24は、入出力制御部、演算器(CPU)、記憶部等から構成され、該記憶部には測距作動を制御する測距プログラム、前記モータ47a,47bの駆動を制御する制御プログラム、前記操作装置4との、画像、データの送受信を行う通信プログラム、前記射出方向検出部25からの射出方向の演算結果、前記分度盤5からの横回転角検出結果に基づき前記測距光軸Oの方向角(水平角、鉛直角)を演算する方向角演算プログラム等のプログラムが格納され、更に前記記憶部には測距データ、画像データ等の測定結果が格納される。
【0106】
前記測量装置本体3に於いて、前記姿勢検出部19は、前記測距部23の前記射出光軸31に対する姿勢、及び前記分度盤5の水平に対する姿勢(傾斜角、傾斜方向)を検出する。検出結果は、前記第2演算処理部24に入力される。
【0107】
前記射出方向検出部25は、前記モータ47a,47bに入力する駆動パルスをカウントすることで該モータ47a,47bの回転角を検出し、或はエンコーダからの信号に基づき該モータ47a,47bの回転角を検出する。更に、前記射出方向検出部25は、前記モータ47a,47bの回転角に基づき、前記光学プリズム41a,41bの回転位置を演算し、前記測距光偏向部36a(即ち、前記プリズム要素42a,42b)の屈折率と回転位置に基づき測距光の偏角、射出方向を演算し、演算結果は前記第2演算処理部24に入力される。
【0108】
前記通信部26は、前記操作装置4から送信される測定に関するコマンドを受信し、前記第2演算処理部24に入力すると共に測定データ、取得した画像を前記操作装置4に送信する。
【0109】
前記撮像装置27は、広角カメラ48、狭角カメラ49を有しており、前記広角カメラ48は広画角、例えば30゜を有し、前記狭角カメラ49は前記広角カメラ48より狭い画角、例えば5゜を有している。又、前記狭角カメラ49の画角は、前記第2演算処理部24によるデータ取得範囲(後述)、即ち前記光軸偏向ユニット36により光軸を偏向可能な範囲と同等、又は若干大きいことが好ましい。
【0110】
又、前記広角カメラ48、前記狭角カメラ49の撮像素子48a,49aは、画素の集合体である、CCD或はCMOSセンサであり、各画素は画像素子上での位置が特定できる様になっている。例えば、各画素は、各カメラの光軸を原点とした座標系で位置が特定される。
【0111】
前記広角カメラ48の光軸、前記狭角カメラ49の光軸は共に前記射出光軸31と平行であり、更に前記広角カメラ48の光軸、前記狭角カメラ49の光軸と前記射出光軸31とは既知の関係となっている。
【0112】
先ず、前記測量装置1による測定作動について、
図8(A)、
図8(B)、
図8(C)を参照して説明する。尚、
図8(A)では説明を簡略化する為、前記光学プリズム41a,41bについて、前記プリズム要素42a,42b、前記プリズム要素43a,43bを分離して示している。又、
図8(A)で示される前記プリズム要素42a,42b、前記プリズム要素43a,43bは最大の偏角が得られる状態となっている。又、最小の偏角は、前記光学プリズム41a,41bのいずれか一方が180゜回転した位置であり、偏角は0゜となり、射出されるレーザ光線の光軸(前記測距光軸O)は前記射出光軸31と平行となる。
【0113】
前記発光素子32から測距光が発せられ、測距光は前記投光レンズ33で平行光束とされ、前記測距光偏向部36a(前記プリズム要素42a,42b)を透過して測定対象物或は測定対象エリアに向けて射出される。ここで、前記測距光偏向部36aを透過することで、測距光は前記プリズム要素42a,42bによって所要の方向に偏向されて射出される。
【0114】
測定対象物或は測定対象エリアで反射された反射測距光は、前記反射測距光偏向部36bを透過して入射され、前記結像レンズ39により前記受光素子38に集光される。
【0115】
前記反射測距光が前記反射測距光偏向部36bを透過することで、前記反射測距光の光軸は、前記受光光軸37と合致する様に前記プリズム要素43a,43bによって偏向される(
図8(A))。
【0116】
前記光学プリズム41aと前記光学プリズム41bとの回転位置の組合わせにより、射出する測距光の偏向方向、偏角を任意に偏向することができる。
【0117】
又、前記光学プリズム41aと前記光学プリズム41bとの位置関係を固定した状態で(前記光学プリズム41aと前記光学プリズム41bとで得られる偏角を固定した状態で)、前記モータ47a,47bにより、前記光学プリズム41aと前記光学プリズム41bとを一体に回転することで、前記測距光偏向部36aを透過した測距光が描く軌跡は前記測距光軸Oを中心とした円となる。
【0118】
従って、前記発光素子32よりレーザ光線を発光させつつ、前記光軸偏向ユニット36を回転させれば、測距光を円の軌跡で走査させることができる。
【0119】
尚、前記反射測距光偏向部36bは、前記測距光偏向部36aと一体に回転していることは言う迄もない。
【0120】
次に、
図8(B)は前記光学プリズム41aと前記光学プリズム41bとを相対回転させた場合を示している。前記光学プリズム41aにより偏向された光軸の偏向方向を偏向Aとし、前記光学プリズム41bにより偏向された光軸の偏向方向を偏向Bとすると、前記光学プリズム41a,41bによる光軸の偏向は、該光学プリズム41a,41b間の角度差θとして、合成偏向Cとなる。
【0121】
従って、角度差θを変化させる度に、前記光軸偏向ユニット36を1回転させれば、直線状に測距光を走査させることができる。
【0122】
更に、
図8(C)に示される様に、前記光学プリズム41aの回転速度に対して遅い回転速度で前記光学プリズム41bを回転させれば、角度差θは漸次増大しつつ測距光が回転されるので、測距光の走査軌跡は、スパイラル状となる。
【0123】
更に又、前記光学プリズム41a、前記光学プリズム41bの回転方向、回転速度を個々に制御することで、測距光の走査軌跡を前記射出光軸31を中心とした照射方向(半径方向の走査)とし、或は水平、垂直方向とする等、種々の走査状態が得られる。
【0124】
測定の態様としては、前記光軸偏向ユニット36(前記光学プリズム41a,41b)を所要偏角毎に固定して測距を行うことで、特定の測定点についての測距を行うことができる。更に、前記光軸偏向ユニット36の偏角を偏向しつつ、測距を実行することで、即ち測距光を走査しつつ測距を実行することで走査軌跡上の測定点についての測距データを取得することができる。
【0125】
又、各測距光の射出方向角は、前記モータ47a,47bの回転角により検出でき、射出方向角と測距データとを関連付けることで、3次元の測距データを取得することができる。
【0126】
更に、前記射出光軸31の水平に対する傾きは、前記姿勢検出部19によって検出することができ、該姿勢検出部19が検出した傾きに基づき前記測距データを補正し、高精度の測距データとすることができる。従って、前記分度盤5が整準機能を具備してなく、水平に設置できない場合でも、高精度の測距データを取得することができる。
【0127】
次に、3次元の測距データを取得すると共に画像データを取得することもできる。
【0128】
上記した様に、前記撮像装置27は前記広角カメラ48と前記狭角カメラ49とを具備している。
【0129】
前記広角カメラ48は、主に観察用として使用され、前記広角カメラ48で取得された広角画像は、前記表示部4aに表示される。
【0130】
測定者は、前記表示部4aに表示された画像から、測定対象物を探し、或は測定対象物を選択する。
【0131】
測定対象物が選択されると、該測定対象物が前記狭角カメラ49によって捕捉される様、前記測量装置本体3を測定対象物へ向ける。前記狭角カメラ49で取得された狭角画像は、前記表示部4aに表示される。表示方法としては、前記広角カメラ48による広角画像の表示と前記狭角カメラ49による狭角画像の表示とを切替えてもよく、或は前記表示部4aを分割し分割部分に前記狭角カメラ49による狭角画像を表示し、或はウインドウを設け該ウインドウに表示してもよい。
【0132】
前記狭角カメラ49で取得された狭角画像は、前記測量装置1の測定範囲と一致、又は略一致しているので、測定者は視覚によって容易に測定範囲を特定できる。
【0133】
又、前記射出光軸31と前記狭角カメラ49の光軸は、平行であり、且つ両光軸は既知の関係であるので、前記第2演算処理部24は前記狭角カメラ49による狭角画像上で画像中心と前記射出光軸31とを一致させることができる。更に、前記第2演算処理部24は、測距光の射出方向角を検出することで、該射出方向角に基づき画像上に測定点を特定できる。従って、測定点の3次元データと狭角画像の関連付けを容易に行え、前記狭角カメラ49で取得した狭角画像を3次元データ付きの画像とすることができる。
【0134】
図9(A)、
図9(B)は、前記狭角カメラ49で取得した画像と、測定点の取得軌跡との関係を示している。尚、
図9(A)では、測距光が同心多重円状に走査された場合を示しており、
図9(B)では、測距光が直線状に往復走査された場合を示している。図中、17は走査軌跡を示しており、測定点は該走査軌跡17上に位置する。
【0135】
更に、広範囲の測定を実行する場合は、前記広角カメラ48で取得した広角画像を測定範囲とし、該広角画像に前記狭角カメラ49により取得した狭角画像をパッチワークの様に填め込んでいくことで、無駄なく、或は未測定部分を残すことなく測定を実行することができる。
【0136】
尚、上記説明では、前記測距光偏向部36aと前記反射測距光偏向部36bとを同一の光学プリズム上に形成し、一体としたが、前記射出光軸31と前記受光光軸37とを分離し、前記射出光軸31と前記受光光軸37にそれぞれ個別に前記測距光偏向部36aと前記反射測距光偏向部36bとを設け、前記測距光偏向部36aと前記反射測距光偏向部36bとを同期回転する様にしてもよい。
【0137】
以下、
図10〜
図12を参照して、前記測量装置本体3、前記姿勢検出部19を具備した前記測量装置1について説明する。
【0138】
図10は、前記測量装置1の設置した状態を示している。尚、前記操作装置4は、前記測量装置本体3から外して、該測量装置本体3を遠隔操作してもよい。
【0139】
前記基準点Rの近傍に前記三脚2を設置する。該三脚2は、前記基準点Rから外れた位置とする。
【0140】
前記測量装置本体3を90゜回転させる(
図10参照)。
【0141】
この状態で、前記姿勢検出部19が水平を検出し、前記測量装置本体3の水平(又は鉛直)に対する傾斜角、傾斜方向を検出する。この傾斜角、傾斜方向は、前記第1エンコーダ62、前記第2エンコーダ66の検出結果から求められる(
図5参照)。検出された傾斜角、傾斜方向は、前記分度盤5の水平に対する傾斜角、傾斜方向に等しい。
【0142】
前記測量装置本体3から測距光80を下方に射出する。通常、該測距光80の照射点(測定点)は、前記基準点Rから外れている。
【0143】
前記操作装置4から、前記光軸偏向ユニット36を駆動させる様指令し、前記測距光80の照射方向を調整する。この調整の状態は、前記撮像装置27で取得した画像が、前記表示部4aに表示されることで、確認することができる。
【0144】
前記測距光80の照射点を前記基準点Rに合致させ、その時の、該基準点R迄の測距を行うと共に、前記受光光軸37に対する偏角を求める。偏角は、前記モータ47a,47bの回転量によって測定することができる。
【0145】
前記基準点R迄の測距結果と、偏角の測定で前記機械基準線15が前記基準点Rからどの方向に、どれだけずれているか(ずれ量D)を演算することができる(
図11参照)。
【0146】
前記分度盤5の水平に対する傾斜角が検出され、前記機械基準線15が前記基準点Rからどの方向に、どれだけずれているか(ずれ量D)を求めることで、測定値の補正が可能となる。
【0147】
従って、前記測量装置1を前記基準点Rの近傍に設置し、整準を行うことなく直ちに測定が可能となる。
【0148】
図12は通常の測定状態を示しており、測定対象物に測距光軸Oを向けた状態である。測定を行う場合、測定点が前記狭角カメラ49の画像の範囲内にある場合、前記光軸偏向ユニット36による光軸の偏向で、測定点を決定する。
【0149】
前記狭角カメラ49の画像の範囲内の測定では、測定点を画像で確認しながら、実行できるので作業性がよい。
【0150】
更に、画像の範囲を超え広範囲の測定を実行する場合は、前記広角カメラ48で取得した広角画像を測定範囲とし、該広角画像に前記狭角カメラ49により取得した狭角画像をパッチワークの様に填め込んでいくことで、無駄なく、或は未測定部分を残すことなく測定を実行することができる。
【0151】
又、測定を実行する場合、測定点が前記狭角カメラ49の画像の範囲内に捉えられれば、前記光軸偏向ユニット36によって前記測距光軸Oを正確に測定点に視準できる。又、視準状態は画像で確認できる。従って、作業者による視準作業は必要なく、測定作業が簡単に且つ迅速に行える。
【0152】
更に、前記測量装置本体3を高精度に横回転、縦回転させる駆動機構が、不要になり、装置コストの低減が図れる。
【0153】
図13は、測量装置本体3を縦回転可能に支持する他の支持機構が用いられた他の実施例を示している。
【0154】
尚、
図13中、
図1中に示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0155】
分度盤5には縦回転支持基盤76が立設され、該縦回転支持基盤76に横軸(図示せず)を介して測量装置本体3が前記横軸を中心として回転可能に支持されている。
【0156】
前記縦回転支持基盤76には、回転ノブ77が設けられ、該回転ノブ77を回転することで前記測量装置本体3が回転する様になっている。又、前記回転ノブ77内には、角度検出器が設けられてもよい。
【0157】
又、前記測量装置本体3を90゜回転し、測距光軸Oを下方に向けたとき、該測距光軸Oが前記分度盤5と干渉しない様に、前記測量装置本体3の回転中心は、前記分度盤5の中心からずれた構成となっている。
【0158】
他の実施例に於いても、該分度盤5に対して前記測量装置本体3を90゜回転した位置を検出できるよう、角度検出器が設けられ、或は、機械的に90゜の位置が決定できる機構が設けられる。