(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1方向から見たときに、前記一対の反射ミラーは、前記光照射装置の光軸を対称軸として線対称に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミラーユニット。
前記第1方向から見たときに、前記一対の反射ミラーは、各ミラー面と前記光照射装置の光軸とのなす角が10〜35°となるように配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれか一項に記載のミラーユニット。
前記第1方向から見たときに、前記各反射ミラーは、基端部が前記回転軸に支持された第1反射ミラーと、前記第1反射ミラーの先端部から進退し、前記第1反射ミラーのミラー長を延長する第2反射ミラーと、を有することを特徴とする請求項5に記載のミラーユニット。
前記ミラー調整機構は、前記第1反射ミラーのミラー長をM1とし、前記第2反射ミラーのミラー長をM2とし、前記第1反射ミラーの前記光照射装置の光軸に対する角度をθとしたときに、(M1+M2)cosθ が略一定となるように、前記第2反射ミラーを前記第1反射ミラーの先端部から進退させる
ことを特徴とする請求項6に記載のミラーユニット。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る光照射装置10A、10Bを用いた光照射システム1の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、光照射システム1は、照射対象物Pの表面に塗布された紫外線硬化樹脂を硬化させるシステムであり、照射対象物Pを載せて所定の方向(
図1の矢印の方向)に移動させる搬送ベルト50と、搬送ベルト50を挟んで対向して配置され、照射対象物Pの照射領域S(紫外線硬化樹脂が塗布されている領域)に対して二方向からライン状の紫外光を照射する一対の光照射装置10A、10Bとから構成されている。本実施形態の一対の光照射装置10Aと10Bは、配置される位置及び向きが異なるものの、装置構成自体は同一であるため、以下、代表して光照射装置10Aについて説明する。なお、以下、本明細書においては、光照射装置10Aから出射されるライン状の紫外光の長手(線長)方向をX軸方向、短手方向(つまり、
図1の上下方向)をY軸方向、X軸及びY軸と直交する方向をZ軸方向と定義して説明する。また、
図1に示すように、本実施形態においては、説明の便宜のため、照射対象物Pは、略円柱状の形状を呈しているものとして説明する。
【0021】
図2は、本実施形態の光照射装置10Aの構成を説明する分解斜視図である。また、
図3は、本実施形態の光照射装置10Aの構成を説明するY−Z平面の断面図である。
図2及び
図3に示すように、本実施形態の光照射装置10Aは、光源装置100と、ミラーユニット200とで構成されている。
【0022】
図3に示すように、光源装置100は、ライン状の紫外光を出射する光源ユニット110と、光源ユニット110を収容するケース150とから構成されている。
【0023】
ケース150は、前面に開口152aを有するアルミ製のケース本体部152と、開口152aに嵌め込まれたガラス製の窓部155とから構成されている。
【0024】
本実施形態の光源ユニット110は、複数のLEDユニット120と、ヒートシンク130等を備えている。
【0025】
ヒートシンク130は、LEDユニット120の基板122の裏面に密着するように配置され、各LEDユニット120で発生した熱を放熱する、いわゆる空冷ヒートシンクである。ヒートシンク130は、アルミニウムや銅等の熱伝導性の良好な材料からなり、X軸方向に延びる薄板状のベースプレート132と、基板122が当接する面とは反対側の面に形成された複数の放熱フィン134と、を備えている。各放熱フィン134は、Y−Z平面に平行な薄板状の形状を呈し、X軸方向に所定の間隔をおいて設けられている。なお、本実施形態においては、不図示の冷却ファンによって生成される気流によって、複数の放熱フィン134が一様に冷却されるようになっている。
【0026】
図4は、光源ユニット110の正面図(Z軸の正方向側から見た図)である。また、
図5は、LEDユニット120の拡大平面図である。
図5に示すように、LEDユニット120は、X軸方向及びY軸方向に平行な矩形状の基板122と、基板122上に配置された複数のLED素子124と、を備えており、本実施形態においては、
図4に示すように、4個のLEDユニット120がヒートシンク130の表面上にX軸方向に並べて配置されている。
【0027】
各LEDユニット120の基板122は、熱伝導率の高い材料(例えば、窒化アルミニウム)で形成された矩形状配線基板であり、
図5に示すように、その表面には、32個(X軸方向)×4個(Y軸方向)のLED素子124が、X軸方向ピッチ:3.0mm、Y軸方向ピッチ:3.0mmで、COB(Chip On Board)実装されている。基板122上には、各LED素子124に電力を供給するためのアノードパターン(不図示)及びカソードパターン(不図示)が形成されており、各LED素子124は、アノードパターン及びカソードパターンにそれぞれ電気的に接続されている。また、基板122は、不図示の配線ケーブルによってドライバ回路(不図示)と電気的に接続されており、各LED素子124には、アノードパターン及びカソードパターンを介して、ドライバ回路から駆動電流が供給されるようになっている。各LED素子124に駆動電流が供給されると、各LED素子124からは駆動電流に応じた光量の紫外光(例えば、波長365nm)が出射され、LEDユニット120からはX軸方向に平行なライン状の紫外光が出射される。なお、
図4に示すように、本実施形態においては、4個のLEDユニット120がX軸方向に並べて配置されており、各LEDユニット120から出射されるライン状の紫外光がX軸方向に連続するように構成されている。また、本実施形態の各LED素子124は、略一様な光量の紫外光を出射するように各LED素子124に供給される駆動電流が調整されており、4個のLEDユニット120から出射されるライン状の紫外光は、X軸方向において略均一な光量分布を有している。なお、
図3に示すように、本実施形態においては、X軸方向から見たときに、LED素子124の光路をY軸方向から挟むように基板122から窓部155に延び、各LEDユニット120から出射されるライン状の紫外光をミラーユニット200に導光する一対の反射板157、158が設けられている。
【0028】
LEDユニット120に電力が供給され、各LED素子124から紫外光が出射されると、LED素子124の自己発熱により温度が上昇し、発光効率が著しく低下するといった問題が発生するが、本実施形態においては、ヒートシンク130によって各LEDユニット120が一様に冷却されるため、かかる問題の発生が抑制される。
【0029】
図2及び
図3に示すように、本実施形態の光照射装置10Aは、光源装置100の前方(Z軸の正方向側)にミラーユニット200を備えている。ミラーユニット200は、光源装置100から出射される紫外光を照射対象物Pに導光する光学装置であり、照射対象物Pの照射領域S(
図1)に対してY軸方向の光量分布が略均一となるように紫外光を照射する。また、本実施形態のミラーユニット200は、照射対象物Pの高さ(つまり、照射領域SのY軸方向の幅)に応じてY軸方向の照射幅を可変することができるように構成されている。
図6は、ミラーユニット200の構成を説明する図であり、
図6(a)は正面図(Z軸の正方向側から見た図)であり、
図6(b)は上面図(Y軸の正方向側から見た図)であり、
図6(c)は背面図(Z軸の負方向側から見た図)であり、
図6(d)は、右側面図(X軸の正方向側から見た図)であり、
図6(e)は、左側面図(X軸の負方向側から見た図)である。
【0030】
図6、
図3に示すように、ミラーユニット200は、一対の支持板210、220と、右側板230と、左側板240と、一対の可動板250、260、蝶番270、280等を備えている。
【0031】
一対の支持板210、220は、X軸方向に延びる薄板状の金属製の部材である。一対の支持板210、220は、それぞれ、複数のビス挿通孔211、221を有している。光源装置100のケース本体部152前面には、ビス挿通孔211、221に対応するねじ込み孔(不図示)が形成されており、ビス(不図示)をビス挿通孔211、221に挿通してねじ込み孔にねじ止めすることで、ミラーユニット200が光源装置100の前面に取り付けられる(
図3)。また、ミラーユニット200が光源装置100の前面に取り付けられたときに、光源装置100から出射される紫外光が一対の支持板210、220の間を通るように、一対の支持板210、220はY軸方向に所定の距離をおいて配置される。一対の支持板210、220は、X軸の正方向側において右側板230にねじ止めされ、X軸の負方向側において左側板240にねじ止めされている。また、支持板210の裏面(Z軸の負方向側の端面)には、2つの蝶番270の一方の羽根が固定されており、蝶番270を介して可動板250が回動可能に支持されている。また、支持板220の裏面(Z軸の負方向側の端面)には、2つの蝶番280の一方の羽根が固定されており、蝶番280を介して可動板260が回動可能に支持されている。
【0032】
一対の可動板250、260は、右側板230と左側板240の間に挟まるように、X軸方向に延びる薄板状の金属製の部材である。可動板250の裏面には、2つの蝶番270の他方の羽根が固定されている。
図3に示すように、本実施形態においては、蝶番270の軸が支持板210の下側(Y軸の負方向側)端部に位置するように配置されているため、可動板250は支持板210の下側端部を中心に回動可能に支持される。同様に、可動板260の裏面には、2つの蝶番280の他方の羽根が固定されている。
図3に示すように、本実施形態においては、蝶番280の軸が支持板220の上側(Y軸の正方向側)端部に位置するように配置されているため、可動板260は支持板220の上側端部を中心に回動可能に支持される。
【0033】
図3に示すように、一対の可動板250、260の表面には、光源装置100の光軸AXをY軸方向から挟むように、平面のミラー面251、261がそれぞれ形成されている。そして、本実施形態においては、ミラー面251、261は、X軸方向から見たときに、光源装置100の光軸AXを対称軸として線対称であり、前方(Z軸の正方向側)に向かって所定の角度θ1で広がるように配置される。なお、ミラー面251、261の基端側(光源装置100側)の間隔は、光源装置100の一対の反射板157、158によって導光される紫外光が確実にミラー面251、261に入射するように、一対の反射板157、158の間隔よりも十分に広いものとなっている。本実施形態のミラー面251、261は、可動板250、260の表面を蒸着処理することで形成することができるが、別の実施形態としては、既存の反射ミラーを可動板250、260の表面に貼り付けることによって形成することもできる。なお、
図3に示すように、本実施形態のミラー面251、261のミラー長は、それぞれ70mmに設定されている。また、以下、本実施形態においては、各ミラー面251、261と光軸AXとのなす角を「ミラー角θ1」という。
【0034】
また、一対の可動板250、260の右側端部は、右側板230と平行になるように、それぞれミラー面251、261と反対の方向に折り返され、固定部252、262が形成されている。固定部252、262には、それぞれ、ねじ穴253、263が形成されている。また、右側板230には、可動板250、260が回動したときのねじ穴253、263の軌跡に対応して、円弧上のスリット232、234が形成されている。そして、不図示のビスを右側板230に形成されたスリット232、234を通してねじ穴253、263にねじ込むことで、固定部252、262が右側板230に固定されるようになっている。また、一対の可動板250、260の左側端部は、左側板240と平行になるように、それぞれミラー面251、261と反対の方向に折り返され、固定部254、264が形成されている。固定部254、264には、それぞれ、ねじ穴255、265が形成されている。また、左側板240には、可動板250、260が回動したときのねじ穴255、265の軌跡に対応して、円弧上のスリット242、244が形成されている。そして、不図示のビスを左側板240に形成された円弧上のスリット242、244を通してねじ穴255、265にねじ込むことで、固定部254、264が左側板240に固定されるようになっている。なお、
図6(d)に示すように、スリット232には、ねじ穴253の位置とミラー面251のミラー角θ1との対応関係を示す角度目盛Mが付され、スリット234には、ねじ穴263の位置とミラー面261のミラー角θ1との対応関係を示す角度目盛Mが付されている。同様に、
図6(e)に示すように、スリット242には、ねじ穴255の位置とミラー面251のミラー角θ1との対応関係を示す角度目盛Mが付され、スリット244には、ねじ穴265の位置とミラー面261のミラー角θ1との対応関係を示す角度目盛Mが付されている。
【0035】
図3に示すように、ミラーユニット200が光源装置100の前方(Z軸の正方向側)に取り付けられると、光源装置100から出射される紫外光は、一対の可動板250、260のミラー面251、261によって反射されながら、照射対象物Pに導光され、照射領域S(
図1)に照射される。LED素子124から出射される紫外光は、一般に、広がり角の大きなものであるが、本実施形態の構成によれば、ミラー角θ1で広がるミラー面251、261によって反射されながら導光されるため、角度成分の大きな紫外光は、ミラー面251、261に反射される度に角度成分の小さなものに変換される。そして、その結果、照射領域SのY軸方向においても略均一な光量分布となるように構成されている。また、本実施形態においては、照射対象物Pのサイズや照射領域Sのサイズが変更となった場合に、可動板250、260を回動させることによって、紫外光のY軸方向の照射幅を変更することができるように構成されている。
【0036】
図7、8、9は、ミラーユニット200の可動板250、260を回動させた様子を説明する図であり、
図7(a)、
図8(a)、
図9(a)は、右側面図(X軸の正方向側から見た図)であり、
図7(b)、
図8(b)、
図9(b)は、可動板250、260の角度を示す図であり、それぞれ、
図7(a)、
図8(a)、
図9(a)から右側板230を取り除いた状態を示している。
【0037】
図7(a)は、ねじ穴253、263が、それぞれスリット232、234の角度目盛Mの「35°」に位置するように可動板250、260を右側板230に固定した状態を示している。なお、この状態においては、左側板240においても同様に、ねじ穴255、265が、それぞれスリット242、244の角度目盛Mの「35°」に位置するように可動板250、260が固定されている(
図6(e))。
図7(a)に示す位置で可動板250、260を固定すると、
図7(b)に示すように、ミラー面251と光軸AXとのなす角は「35°」となり、またミラー面261と光軸AXとのなす角は「35°」となる。
【0038】
図8(a)は、ねじ穴253、263が、それぞれスリット232、234の角度目盛Mの「25°」に位置するように可動板250、260を右側板230に固定した状態を示している。なお、この状態においては、左側板240においても同様に、ねじ穴255、265が、それぞれスリット242、244の角度目盛Mの「25°」に位置するように可動板250、260が固定されている。
図8(a)に示す位置で可動板250、260を固定すると、
図8(b)に示すように、ミラー面251と光軸AXとのなす角は「25°」となり、またミラー面261と光軸AXとのなす角は「25°」となる。
【0039】
図9(a)は、ねじ穴253、263が、それぞれスリット232、234の角度目盛Mの「15°」に位置するように可動板250、260を右側板230に固定した状態を示している。なお、この状態においては、左側板240においても同様に、ねじ穴255、265が、それぞれスリット242、244の角度目盛Mの「15°」に位置するように可動板250、260が固定されている。
図9(a)に示す位置で可動板250、260を固定すると、
図9(b)に示すように、ミラー面251と光軸AXとのなす角は「15°」となり、またミラー面261と光軸AXとのなす角は「15°」となる。
【0040】
このように、本実施形態においては、X軸方向から見たときに、ミラー面251、261は、光源装置100の光軸AXを対称軸として線対称であり、前方(Z軸の正方向側)に向かって所定のミラー角θ1で広がるように配置されるが、可動板250、260を回動させることによって、ミラー面251、261のミラー角θ1を変更することができ、これによって紫外光のY軸方向の照射幅を変更することができるように構成されている。
【0041】
図10、11、12は、本実施形態の光照射装置10Aから出射される紫外光の照射強度分布を、ミラー角θ1:10〜35°の範囲で求めたシミュレーション結果である。
図10は、ミラーユニット200の先端からZ軸方向に10mm離れた位置(すなわち、ワーキングディスタンス10mmの位置(以下、「WD10」と示す))での紫外光の照射強度分布を示し、
図11はWD30の位置での紫外光の照射強度分布を示し、
図12はWD50の位置での紫外光の照射強度分布を示している。また、
図10(a)、
図11(a)、
図12(a)は、X軸方向の照射強度分布であり、横軸は光照射装置10Aから出射される紫外光のX軸方向の線長の1/2の位置を「0mm」としたときの位置を示し、縦軸は単位面積当たりの紫外光の照射強度(mW/cm
2)である。また、
図10(b)、
図11(b)、
図12(b)は、
図10(a)、
図11(a)、
図12(a)の「0mm」の位置(つまり、光照射装置10Aから出射される紫外光のX軸方向の線長の1/2の位置)でのY軸方向の照射強度分布であり、横軸は光源装置100の光軸AX(
図3)を「0mm」としたときの位置であり、縦軸は単位面積当たりの紫外光の照射強度(mW/cm
2)である。また、表1は、
図10(b)、
図11(b)、
図12(b)の各照射強度分布における(つまり、各ミラー角θ1における)有効照射幅(最大照射光度の80%の幅)をまとめた表である。
【0043】
図10(a)に示すように、WD10の位置では、ミラー角θ1を大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー角θ1を10〜35°の範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±150mm(つまり、線長300mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図10(b)及び表1に示すように、ミラー角θ1を10〜35°の範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を50〜110mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0044】
図11(a)に示すように、WD30の位置では、ミラー角θ1を大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー角θ1を10〜35°の範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±120mm(つまり、線長240mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図11(b)及び表1に示すように、ミラー角θ1を10〜35°の範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を50〜130mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0045】
図12(a)に示すように、WD50の位置では、ミラー角θ1を大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー角θ1を10〜35°の範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±100mm(つまり、線長200mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図12(b)及び表1に示すように、ミラー角θ1を10〜35°の範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を50〜150mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0046】
このように、本実施形態においては、可動板250、260を回動させることによって、ミラー面251、261のミラー角θ1を変更することができ、これによって紫外光のY軸方向の有効照射幅を変更することができるように構成されている。従って、照射対象物Pのサイズや照射領域Sのサイズが変更となった場合であっても、可動板250、260を回動させるだけで容易に対応することができる。つまり、本実施形態の構成によれば、従来のような、照射対象物Pのサイズに応じて光照射装置自体や内部のランプを取り替えるといった組み替え作業(つまり、段取り時間)が不要となる。
【0047】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。
【0048】
例えば、本実施形態においては、光源装置100と、ミラーユニット200とは別体のものとして説明したが、ミラーユニット200を光源装置100のケース150の一部として構成し、光源装置100とミラーユニット200を一体化して構成することも可能である。
【0049】
また、本実施形態のミラーユニット200においては、一対の可動板250、260が、一対の支持板210、220に対して回動可能に支持され、右側板230及び左側板240に固定されるものとして説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、一対の可動板250、260のミラー面251、261が光源装置100の前方において回動可能に支持され、所定のミラー角θ1で固定されるように構成されればよい。
【0050】
また、本実施形態のミラーユニット200においては、一対の可動板250、260が、右側板230及び左側板240に固定されるものとして説明したが、所定のミラー角θ1が維持されればよく、少なくとも一方に固定されればよい。
【0051】
また、本実施形態のミラーユニット200においては、一対の可動板250、260の表面にミラー面251、261が形成されているとしたが、例えば、右側板230及び左側板240の内側の面(固定部252、262、254、264に対向する面)にミラー面を形成することもできる。このような構成によれば、X軸の正方向及び負方向に広がる紫外光を右側板230及び左側板240によって折り返し、有効に活用することができる。
【0052】
(第1の変形例)
図13、14は、本実施形態の光照射装置10Aを構成するミラーユニット200の第1の変形例を示す図である。
図13は、本変形例のミラーユニット200Aの斜視図であり、
図14(a)は正面図(Z軸の正方向側から見た図)であり、
図14(b)は上面図(Y軸の正方向側から見た図)であり、
図14(c)は背面図(Z軸の負方向側から見た図)である。
図15、16、17は、ミラーユニット200Aの可動板250A、260Aを回動させた様子を説明する図であり、
図15(a)、
図16(a)、
図17(a)は、右側面図(X軸の正方向側から見た図)であり、
図15(b)、
図16(b)、
図17(b)は、可動板250A、260Aの角度を示す図であり、それぞれ、
図15(a)、
図16(a)、
図17(a)から右側板230Aを取り除いた状態を示している。
【0053】
図13、14に示すように、本変形例のミラーユニット200Aは、可動板250Aが、第1プレート256と第2プレート258で構成され、可動板260Aが、第1プレート266と第2プレート268で構成されている点で、本実施形態のミラーユニット200と異なる。また、
図15に示すように、右側板230Aのスリット232A、234Aの位置及び形状、左側板240Aのスリット242A、244A(不図示)の位置及び形状が本実施形態のミラーユニット200と異なる。
【0054】
可動板250A、260Aの第1プレート256、266は、右側板230Aと左側板240Aの間に挟まるように、X軸方向に延びる薄板状の金属製の部材である。可動板250Aの第1プレート256の裏面には、2つの蝶番270の他方の羽根が固定されており、支持板210の下側端部を中心に回動可能に支持される。同様に、可動板260Aの第1プレート266の裏面には、2つの蝶番280の他方の羽根が固定されており、支持板220の上側端部を中心に回動可能に支持される。
図15、16、17に示すように、可動板250Aの第1プレート256と可動板260Aの第1プレート266の表面には、光源装置100の光軸AXをY軸方向から挟むように、ミラー面257、267がそれぞれ形成されている。つまり、本実施形態においては、ミラー面257、267は、X軸方向から見たときに、光源装置100の光軸AXを対称軸として線対称であり、前方(Z軸の正方向側)に向かって所定のミラー角θ2で広がるように配置される。可動板250Aの第1プレート256と可動板260Aの第1プレート266の裏面には、それぞれ、第2プレート258、268の長孔258a、268a(不図示)と係合する突出部256a、266a(不図示)が形成されている。
【0055】
可動板250A、260Aの第2プレート258、268は、それぞれ、第1プレート256、266の裏面側に摺動可能に接続された薄板状の金属製の部材である。可動板250Aの第2プレート258は、第1プレート256の突出部256aと係合する4つの長孔258a(
図14(b))を有している。また、同様に、可動板260Aの第2プレート268は、第1プレート266の突出部266a(不図示)と係合する4つの長孔268a(不図示)を有している。また、第2プレート258、268の表面には、ミラー面259、269がそれぞれ形成されている(
図14(a))。第2プレート258、268の右側端部は、右側板230Aと平行になるように、それぞれミラー面259、269と反対の方向に折り返され、固定部252、262が形成されている。固定部252、262には、それぞれ、ねじ穴253、263が形成されている(
図15、16、17)。また、右側板230Aには、円弧上のスリット232A、234Aが形成されている。そして、不図示のビスを右側板230Aに形成されたスリット232A、234Aを通してねじ穴253、263にねじ込むことで、固定部252、262が右側板230Aに固定されるようになっている。また、第2プレート258、268の左側端部は、左側板240Aと平行になるように、それぞれミラー面259、269と反対の方向に折り返され、固定部254、264が形成されている。固定部254、264には、それぞれ、ねじ穴255、265(不図示)が形成されている。また、左側板240Aには、スリット232A、234Aと同様の、円弧上のスリット242A、244A(不図示)が形成されている。そして、不図示のビスを左側板240Aに形成されたスリット242A、244Aを通してねじ穴255、265にねじ込むことで、固定部254、264が左側板240Aに固定されるようになっている。
【0056】
そして、本変形例においては、可動板250A、260Aの回動角度に応じて第2プレート258、268が第1プレート256、266に対して摺動し、可動板250A、260Aの回動角度に拘わらず、ミラー高さ(Z軸方向のミラー長):70mmを維持するように構成されている。具体的には、
図17に示すように、ミラー角θ2が15°の状態においては、第2プレート258、268の先端が第1プレート256、266の先端と略一致し、第2プレート258、268のミラー面259、269が露出することはないが、
図16、
図15に示すように、ミラー角θ2が、25°、35°と大きくなるにつれて、第2プレート258、268の先端が第1プレート256、266の先端よりもせり出し、第2プレート258、268のミラー面259、269が露出し、可動板250A、260Aの回動角度に拘わらず(つまり、ミラー角θ2に拘わらず)、ミラー高さ(Z軸方向のミラー長):70mmを維持するようになっている。つまり、
図15(b)に示すように、X軸方向から見たときの、第1プレート256、266のミラー長をM1とし、第2プレート258、268の先端が第1プレート256、266の先端からせり出す量(つまり、第2プレート258、268の実質的なミラー長)をM2とし、可動板250A、260Aの回動角度(つまり、ミラー角θ2)をθとすると、可動板250A、260Aの回動角度に拘わらず、(M1+M2)cosθ=70mm(一定) の関係が維持されていることになる。
【0057】
図18、19、20は、本変形例のミラーユニット200Aを備えた光照射装置10Aから出射される紫外光の照射強度分布を、ミラー角θ2:10〜35°の範囲で求めたシミュレーション結果である。
図18はWD10の位置での紫外光の照射強度分布を示し、
図19はWD30の位置での紫外光の照射強度分布を示し、
図20はWD50の位置での紫外光の照射強度分布を示している。また、
図18(a)、
図19(a)、
図20(a)は、X軸方向の照射強度分布であり、横軸は光照射装置10Aから出射される紫外光のX軸方向の線長の1/2の位置を「0mm」としたときの位置を示し、縦軸は単位面積当たりの紫外光の照射強度(mW/cm
2)である。また、
図18(b)、
図19(b)、
図20(b)は、
図18(a)、
図19(a)、
図20(a)の「0mm」の位置(つまり、光照射装置10Aから出射される紫外光のX軸方向の線長の1/2の位置)でのY軸方向の照射強度分布であり、横軸は光源装置100の光軸AXを「0mm」としたときの位置であり、縦軸は単位面積当たりの紫外光の照射強度(mW/cm
2)である。また、表2は、
図18(b)、
図19(b)、
図20(b)の各照射強度分布における(つまり、各ミラー角θ2における)有効照射幅(最大照射光度の80%の幅)をまとめた表である。
【0059】
図18(a)に示すように、WD10の位置では、ミラー角θ2を大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー角θ2を10〜35°の範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±150mm(つまり、線長300mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図18(b)及び表2に示すように、ミラー角θ2を10〜35°の範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を50〜120mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0060】
図19(a)に示すように、WD30の位置では、ミラー角θ2を大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー角θ2を10〜35°の範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±120mm(つまり、線長240mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図19(b)及び表2に示すように、ミラー角θ2を10〜35°の範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を45〜140mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0061】
図20(a)に示すように、WD50の位置では、ミラー角θ2を大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー角θ2を10〜35°の範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±100mm(つまり、線長200mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図20(b)及び表2に示すように、ミラー角θ2を10〜35°の範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を50〜155mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0062】
このように、本変形例の構成によっても、可動板250A、260Aを回動させることによって、紫外光のY軸方向の照射幅を変更することができる。なお、表1と表2を比較すると、本変形例のミラーユニット200Aによって変更できる有効照射幅の範囲の方が、本実施形態のミラーユニット200によって変更できる有効照射幅の範囲よりも広いことが分かる。これは、第2プレート258、268のミラー面259、269が第1プレート256、266の先端からせり出すことによって、第1プレート256、266の先端からY軸の正方向及び負方向に広がろうとする紫外光(つまり、本実施形態のミラーユニット200では利用できなかった光)も照射対象物Pに対して照射できる(反射できる)ためである。
【0063】
(第2の変形例)
図21、22は、本実施形態の光照射装置10Aを構成するミラーユニット200の第2の変形例を示す図である。
図21は、本変形例のミラーユニット200Bの斜視図であり、
図22(a)は正面図(Z軸の正方向側から見た図)であり、
図22(b)は上面図(Y軸の正方向側から見た図)であり、
図22(c)は右側面図(X軸の正方向側から見た図)である。
図23は、ミラーユニット200Bの可動板250B、260Bを移動させた様子を説明する右側面図(X軸の正方向側から見た図)である。なお、
図23においては、説明の便宜のため、右側板230Bを省略して示している。
【0064】
図21、22、23に示すように、本変形例のミラーユニット200Bは、一対の支持板210B、220Bと、右側板230Bと、左側板240Bと、一対の可動板250B、260B等を備え、可動板250B、260Bが、Y軸方向に平行移動するように構成されている点で、本実施形態のミラーユニット200及び第1の変形例のミラーユニット200Aと異なる。
【0065】
一対の支持板210B、220Bは、X軸方向に延びる薄板状の金属製の部材である。一対の支持板210B、220Bは、それぞれ、複数のビス挿通孔(不図示)を有しており、本実施形態のミラーユニット200と同様、ビス挿通孔に挿通されるビス(不図示)によって光源装置100の前面に取り付けられるようになっている。また、ミラーユニット200Bが光源装置100の前面に取り付けられたときに、光源装置100から出射される紫外光が一対の支持板210B、220Bの間を通るように、一対の支持板210B、220BはY軸方向に所定の距離をおいて配置される。一対の支持板210B、220Bは、X軸の正方向側において右側板230Bにねじ止めされ、X軸の負方向側において左側板240Bにねじ止めされている。また、支持板210B、220Bの表面(Z軸の正方向側の端面)には、可動板250Bの長孔251Ba、可動板260Bの長孔261Baと係合する係合ピン210Ba、220Baが取り付けられている。
【0066】
一対の可動板250B、260Bは、右側板230Bと左側板240Bの間に挟まるように、X軸方向に延びる部材であり、金属の板材を折り曲げることによって形成される。
可動板250Bは、支持板210Bの表面に摺動可能に支持される摺動部251Bと、摺動部251Bから前方(Z軸方向)に折り曲げられて形成されたミラー部252Bと、ミラー部252Bから上方(Y軸方向)に折り曲げられて形成された先端部253Bと、右側板230Bと平行になるように折り返されて形成された固定部254Bと、左側板240Bと平行になるように折り返されて形成された固定部255Bと、を有している。摺動部251Bには、係合ピン210Baと係合する4つの長孔251BaがY軸方向に延びるように形成されており、可動板250Bが支持板210Bの表面に摺動可能に支持される。ミラー部252Bの表面には蒸着処理等によって反射ミラーが形成されている。また、固定部254Bには、ねじ穴254Ba、254Bbが形成され、固定部255Bには、ねじ穴255Ba、255Bbが形成されている。可動板250Bと同様、可動板260Bは、支持板220Bの表面に摺動可能に支持される摺動部261Bと、摺動部261Bから前方(Z軸方向)に折り曲げられて形成されたミラー部262Bと、ミラー部262Bから下方(Y軸の負方向)に折り曲げられて形成された先端部263Bと、右側板230Bと平行になるように折り返されて形成された固定部264Bと、左側板240bと平行になるように折り返されて形成された固定部265Bとを有している。摺動部261Bには、係合ピン220Baと係合する4つの長孔261BaがY軸方向に延びるように形成されており、可動板260Bが支持板220Bの表面に摺動可能に支持される。ミラー部262Bの表面には蒸着処理等によって反射ミラーが形成されている。また、固定部264Bには、ねじ穴264Ba、264Bbが形成され、固定部265Bには、ねじ穴265Ba、265Bb(不図示)が形成されている。右側板230Bには、可動板250B、260Bが移動したときのねじ穴254Ba、254Bb、264Ba、264Bbの位置に対応して、複数のねじ穴232B、232Ba、234B、234Baが形成されている。そして、不図示のビスを右側板230Bに形成されたねじ穴232B、232Ba、234B、234Baを通してねじ穴254Ba、254Bb、264Ba、264Bbにねじ込むことで、固定部254B、264Bが右側板230Bに固定されるようになっている。また、左側板240Bには、可動板250B、260Bが移動したときのねじ穴255Ba、255Bb、265Ba、265Bbの位置に対応して、複数のねじ穴242B、242Ba、244B(不図示)、244Baが形成されている。そして、不図示のビスを左側板240Bに形成されたねじ穴242B、242Ba、244B、244Baを通して255Ba、255Bb、265Ba、265Bbにねじ込むことで、固定部255B、265Bが左側板240Bに固定されるようになっている。
【0067】
なお、
図23に示すように、本変形例においては、可動板250B、260Bのミラー部252B、262Bの開き角(ミラー角θ3)は40°に固定されており、ミラー長は70mmに設定されている。そして、ミラー部252B、262Bが、光源装置100の光軸AXをY軸方向から挟むように配置される。つまり、本変形例においても、ミラー部252B、262Bは、X軸方向から見たときに、光源装置100の光軸AXを対称軸として線対称であり、前方(Z軸の正方向側)に向かって所定のミラー角θ3:40°で広がるように配置される。そして、
図23に示すように、本変形例においては、可動板250B、260BをY軸方向に平行に移動させると、可動板250B、260Bの位置に応じてミラー部252B、262B間の最小距離(以下、「ミラー部252B、262B間の最小距離」を単に「ミラー間距離d」という。)が異なるように構成されている。
【0068】
図24、25、26は、本変形例のミラーユニット200Bを備えた光照射装置10Aから出射される紫外光の照射強度分布を、ミラー間距離d:20〜100mmの範囲で求めたシミュレーション結果である。
図24はWD10の位置での紫外光の照射強度分布を示し、
図25はWD30の位置での紫外光の照射強度分布を示し、
図26はWD50の位置での紫外光の照射強度分布を示している。また、
図24(a)、
図25(a)、
図26(a)は、X軸方向の照射強度分布であり、横軸は光照射装置10Aから出射される紫外光のX軸方向の線長の1/2の位置を「0mm」としたときの位置を示し、縦軸は単位面積当たりの紫外光の照射強度(mW/cm
2)である。また、
図24(b)、
図25(b)、
図26(b)は、
図24(a)、
図25(a)、
図26(a)の「0mm」の位置(つまり、光照射装置10Aから出射される紫外光のX軸方向の線長の1/2の位置)でのY軸方向の照射強度分布であり、横軸は光源装置100の光軸AXを「0mm」としたときの位置であり、縦軸は単位面積当たりの紫外光の照射強度(mW/cm
2)である。また、表3は、
図24(b)、
図25(b)、
図26(b)の各照射強度分布における(つまり、各ミラー間距離dにおける)有効照射幅(最大照射光度の80%の幅)をまとめた表である。
【0070】
図24(a)に示すように、WD10の位置では、ミラー間距離dを大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー間距離d:20〜100mmの範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±150mm(つまり、線長300mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図24(b)及び表3に示すように、ミラー間距離d:20〜100mmの範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を70〜100mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0071】
図25(a)に示すように、WD30の位置では、ミラー間距離dを大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー間距離d:20〜100mmの範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±120mm(つまり、線長240mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図25(b)及び表3に示すように、ミラー間距離d:20〜100mmの範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を80〜120mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0072】
図26(a)に示すように、WD50の位置では、ミラー間距離dを大きくすることによって照射強度が低下するが、ミラー間距離d:20〜100mmの範囲で変更したとしても、X軸方向に沿って±100mm(つまり、線長200mm)の範囲で略均一な強度の紫外光が照射されるのが分かる。また、
図26(b)及び表3に示すように、ミラー間距離d:20〜100mmの範囲で変更すると、Y軸方向において略均一な照射強度分布を維持しながら、Y軸方向の有効照射幅を80〜125mmの範囲で変更できるのが分かる。
【0073】
このように、所定のミラー角θ3に設定されたミラー部252B、262BをY軸方向に平行移動させる構成によっても、紫外光のY軸方向の照射幅を変更することができる。そして、本実施形態のミラーユニット200の構成、第1の変形例のミラーユニット200Aの構成と第2の変形例のミラーユニット200Bの構成とを比較すると、ミラー部252B、262B間の最小距離(つまり、ミラー部252B、262Bの基端間距離(ミラー間距離d))が異なることは何ら結果に影響されないことから、ミラー部252B、262Bの先端間距離が異なるように構成すれば、紫外光のY軸方向の照射幅を変更することができることがわかる。
【0074】
なお、本変形例においては、可動板250B、260Bのミラー部252B、262Bのミラー角θ3は40°としたが、この角度に限定されるものではない。また、本実施形態のミラーユニット200の構成、第1の変形例のミラーユニット200Aの構成と同様、ミラー部252B、262Bが回動するように構成することもできる。
【0075】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。