(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動機構は、前記吸着ユニットを第1方向に移動可能に構成される第1スライド機構と、前記吸着ユニットを前記第1方向と交差する第2方向に移動可能に構成される第2スライド機構と、前記吸着ユニットを回転可能に構成される回転機構と、を備える、請求項5に記載のブレード交換機構。
前記回転機構は、前記吸着ユニットを第1仮想面において回転可能に構成される第1回転機構と、前記吸着ユニットを前記第1仮想面とは異なる第2仮想面において回転可能に構成される第2回転機構と、を備える、請求項6に記載のブレード交換機構。
ブレードを吸着するように構成される第1吸着部と、前記第1吸着部の内側に位置して前記第1吸着部による吸着とは独立してフランジまたはハブを吸着するように構成される第2吸着部と、前記第2吸着部の内側に位置して前記ブレードをスピンドルに脱着可能とする脱着部材を回転可能に構成される脱着部材回転部とを備えるブレード交換機構を用いるブレード交換方法であって、
前記ブレードを前記第1吸着部により吸着するとともに前記第1吸着部による吸着とは独立して前記第2吸着部により前記フランジまたは前記ハブを吸着した状態で前記脱着部材回転部により前記脱着部材を回転させて前記脱着部材を前記スピンドルから取り外す工程と、
前記第1吸着部と前記第2吸着部と前記脱着部材回転部とを含む吸着ユニットを収納部に移動させる工程と、
前記第1吸着部による吸着を解除して前記ブレードを前記収納部に収納する工程と、
前記収納部に収納されている交換用ブレードを前記第1吸着部により吸着する工程と、
前記吸着ユニットを移動させて前記交換用ブレードを前記スピンドルに嵌め込む工程と、
前記脱着部材回転部により前記脱着部材を回転させて前記交換用ブレードを前記スピンドルに固定する工程と、を備える、ブレード交換方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の切断装置の模式的な平面図である。
【
図2】実施形態のブレード交換機構に用いられる吸着アームの一例の模式的な斜視図である。
【
図3】
図2に示す吸着アームを別の角度から見たときの模式的な斜視図である。
【
図4】
図2および
図3に示される吸着ユニットの模式的な平面図である。
【
図5】
図2〜
図4に示される吸着ユニットの模式的な断面図である。
【
図6】実施形態のブレード交換方法の一部の工程を図解する模式的な断面図である。
【
図7】実施形態のブレード交換方法の工程の一部を図解する模式的な断面図である。
【
図8】実施形態のブレード交換方法の工程の一部を図解する模式的な断面図である。
【
図9】実施形態のブレード交換方法の工程の一部を図解する模式的な断面図である。
【
図10】実施形態のブレード交換方法の工程の一部を図解する模式的な断面図である。
【
図11】吸着ユニットが第1動作位置に位置している状態の一例の実施形態の切断装置の模式的な斜視図である。
【
図12】
図11に示される切断装置を別の角度から見たときの模式的な斜視図である。
【
図13】吸着ユニットが第2動作位置に位置している状態の一例の実施形態の切断装置の模式的な斜視図である。
【
図14】吸着ユニットが第1動作位置に位置している状態の他の一例の実施形態の切断装置の模式的な斜視図である。
【
図15】
図14に示される切断装置を別の角度から見たときの模式的な斜視図である。
【
図16】実施形態における第1スライド機構による吸着ユニットのY方向への移動の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図17】実施形態における第1スライド機構による吸着ユニットのY方向への移動の他の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図18】実施形態における第2スライド機構による吸着ユニットのZ方向への移動の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図19】実施形態における第2スライド機構による吸着ユニットのZ方向への移動の他の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図20】実施形態における第1回転機構による吸着ユニットのX−θ方向への回転の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図21】実施形態における第1回転機構による吸着ユニットのX−θ方向への回転の他の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図22】実施形態における第2回転機構による吸着ユニットのY−θ方向への回転の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図23】実施形態における第2回転機構による吸着ユニットのY−θ方向への回転の他の一例を図解する模式的な斜視図である。
【
図24】実施形態における収納部の模式的な斜視図である。
【
図25】実施形態におけるブレード押さえ部材が上がったときの
図24に示される収納部の模式的な斜視図である。
【
図26】実施形態における検出部の模式的な平面図である。
【
図27】実施形態における検出部によるブレードの摩耗および破損の少なくとも一方の検出方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について説明する。なお、実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
【0011】
図1に、本発明の切断装置の一例である実施形態の切断装置の模式的な平面図を示す。
図1に示されるように、実施形態の切断装置は、切断対象物を切断することによって複数の製品に個片化する装置である。実施形態の切断装置111は、基板供給モジュールAと基板切断モジュールBと検査モジュールCとを、それぞれ構成要素として備えている。各構成要素(各モジュールA〜C)は、それぞれ他の構成要素に対して着脱可能かつ交換可能である。
【0012】
基板供給モジュールAは、たとえば、切断対象物の一例に相当する封止済基板112を供給するように構成されている基板供給機構113と、切断装置111の動作や制御などを行なうように構成されている制御部CTLとを備えている。封止済基板112は、たとえば、プリント基板やリードフレームなどからなる基板(図示せず)と、基板が有する複数の領域に装着された複数の機能素子(半導体素子などのチップ)(図示せず)と、複数の領域が一括して覆われるようにして形成された封止樹脂(図示せず)とを備えている。封止済基板112は、最終的に切断されて個片化される切断対象物である。封止済基板112は、たとえば搬送機構(図示せず)などによって基板切断モジュールBに搬送され得る。
【0013】
基板切断モジュールBは、たとえば、封止済基板112を設置するように構成されている切断用テーブル114と、切断用テーブル114をY方向に移動させるように構成されている移動機構115と、切断用テーブル114をθ方向に回転させるように構成されている回転機構116と、後述するスピンドル21と、後述する実施形態のブレード交換機構120とを備えることができる。切断用テーブル114はたとえば切断用治具(図示せず)を備えていてもよく、切断用テーブル114が切断用治具を備える場合には切断用治具の上に封止済基板112が設置され得る。
【0014】
図1において、実施形態の切断装置111は、説明の便宜の観点から、1個のスピンドル21を有するシングルスピンドル構成の切断装置として示されている。しかしながら、実施形態の切断装置111はシングルスピンドル構成の切断装置には限定されず、たとえば後述するようにスピンドルを2個有するツインスピンドル構成の切断装置としてもよいことは言うまでもない。
【0015】
スピンドル21は、たとえば、独立してX方向とZ方向とに移動可能であるように構成されることができる。スピンドル21の回転軸の先端部には、たとえば円板状のブレード22が取り付けられ得る。ブレード22は、たとえば、回転軸の軸方向(X方向)に対して直交する面(Y軸とZ軸とを含む面)に平行に固定されることができる。また、スピンドル21は、たとえば、高速で回転するブレード22によって発生する摩擦熱を抑えるために、切削水を噴射する切削水用ノズル(図示せず)を備えていてもよい。また、スピンドル21に対して切断用テーブル114を相対的に移動させながら封止済基板112を切断することができる。ブレード22は、たとえば、Y軸とZ軸とを含む面内において回転することによって封止済基板112を切断するように構成することができる。
【0016】
検査モジュールCは、たとえば、検査用テーブル110と、トレイ122とを備えることができる。検査用テーブル110は、たとえば、封止済基板112を切断して個片化された複数の製品Pからなる集合体である切断済基板121を設置可能なように構成することができる。複数の製品Pは、たとえば、検査用のカメラ(図示せず)によって検査されて、良品と不良品とに選別されることができる。トレイ122は、たとえば、良品に選別された製品Pを収容可能なように構成することができる。
【0017】
図2に、実施形態のブレード交換機構に用いられる吸着アームの一例の模式的な斜視図を示す。吸着アーム1は、吸着ユニット2と、吸着ユニット2に取り付けられたアーム部3とを備えている。吸着ユニット2は、アーム部3の一端に取り付けられている。
【0018】
図3に、
図2に示す吸着アーム1を別の角度から見たときの模式的な斜視図を示す。吸着ユニット2は、円筒状の第1吸着部4と、円筒状の第2吸着部5と、環状の脱着部材回転部6とを備えている。
図2において、脱着部材回転部6、第2吸着部5および第1吸着部4は、吸着ユニット2の吸着側(遠位側)から吸着ユニット2のアーム部3側(近位側)にかけて、第1吸着部4、第2吸着部5および脱着部材回転部6の順にそれぞれの遠位側の表面が見えるように示されている。なお、吸着ユニット2の説明において、近位側はアーム部3側を意味し、遠位側は吸着ユニット2の吸着側を意味する。
【0019】
図4に、
図2および
図3に示される吸着ユニット2の模式的な平面図を示す。第1吸着部4の内側に第2吸着部5が位置しており、第2吸着部5の内側に脱着部材回転部6が位置している。第1吸着部4は、後述のブレードを吸着するように構成されている複数の第1吸着口4xと、複数の第1吸着口4xに通じる環状の第1吸着溝4yとを備えている。第2吸着部5は、後述のフランジまたはハブを吸着するように構成されている複数の第2吸着口5xと、複数の第2吸着口5xに通じる環状の第2吸着溝5yとを備えている。脱着部材回転部6は、互いに間隔を空けて環状に配置された複数の突出部6aを備えている。脱着部材回転部6は回転可能に構成されており、たとえば
図4の矢印の方向に回転可能であるが、脱着部材回転部6の回転方向は特に限定されないことは言うまでもない。
【0020】
図5に、
図2〜
図4に示される吸着ユニット2の模式的な断面図を示す。第1吸着部4は中空であり、第1吸着部4の中空の内側に中空の第2吸着部5が位置している。第1吸着部4の中空を取り囲む外壁には、第1吸着口4xを介して第1吸着溝4yに通じて、後述のブレードを吸引するように構成されているガス流路14が設けられている。ガス流路14は、第1吸着口4xに通じるガス流路4zに接続されている。第1吸着部4は、第1吸着部4の近位側の外壁の一部から内側に突出する突出部4aを備えている。突出部4aは、突出部4aの近位側に、突出部近位面4bを備えている。第1吸着部4は、第1吸着部4の遠位側の表面として、第1吸着部遠位面4cを備えている。
【0021】
第2吸着部5の中空を取り囲む外壁には、第2吸着口5xを介して第2吸着溝5yに通じて、フランジまたはハブを吸着するように構成されているガス流路13が設けられている。ガス流路13の一端には、ガス流路13中のガスを吸引するように構成されているガス吸引口12が取り付けられている。ガス流路13の他端には、第2吸着口5xに通じるガス流路5zが接続されている。第2吸着部5は、第2吸着部5の近位側の端部に、内側に張り出した鉤状部5aを備えている。鉤状部5aは、遠位側の表面として鉤状部遠位面5bを備えるとともに、近位側の表面として鉤状部近位面5cを備えている。第2吸着部5は、第2吸着部5の遠位側の表面として、第2吸着部遠位面5dを備えている。
【0022】
第2吸着部5も中空であり、第2吸着部5の中空の内側に脱着部材回転部6が位置している。脱着部材回転部6の突出部6aは、脱着部材回転部6が遠位側に向かって部分的に突出した部材となっている。脱着部材回転部6の近位側には、回転可能な回転駆動部材9が取り付けられている。回転駆動部材9が軸10を中心として回転することにより、脱着部材回転部6も回転することが可能となる。脱着部材回転部6の遠位側の一部は回転駆動部材9よりも外側に張り出している。脱着部材回転部6の外側に張り出した部分は、近位側の表面として回転部近位面6bを備えている。回転駆動部材9の近位側も部分的に外側に張り出している。回転駆動部材9の外側に張り出した部分は、遠位側の表面として近位側張出部遠位面9aを備えている。
【0023】
脱着部材回転部6、回転駆動部材9および軸10の周りを取り囲むように筒状のスリーブ15が位置している。スリーブ15は、脱着部材回転部6を収容できるように構成されている収容部15aと、収容部15aを支持するように構成されている支持部15bとを備えている。収容部15aは支持部15bよりも外側に張り出している。収容部15aは、近位側の表面として、収容部近位面15cを備えている。収容部近位面15cは、鉤状部遠位面5bと向かい合っている。支持部15bは、遠位側の表面として、支持部遠位面15dを備えている。
【0024】
スリーブ15の近位側には、吸着ユニット2とアーム部3とを連結可能なように構成されている連結部11が取り付けられている。連結部11は、連結部11の遠位側の突出部11aがスリーブ15の近位側の中空に嵌め込まれることによって、スリーブ15に取り付けられている。連結部11は、鉤状部近位面5cと向かい合う連結部内側近位面11bと、突出部近位面4bに向かい合う連結部外側近位面11cとを備えている。連結部外側近位面11cは、連結部内側近位面11bよりも
近位かつ外側に位置している。
【0025】
回転部近位面6bと
近位側張出部遠位面9aとの間で回転駆動部材9の周囲を取り囲むように第1バネ16が位置している。第1バネ16は、回転部近位面6bと近位側張出部遠位面9aとの間の距離が変化することによって伸縮可能である。
【0026】
鉤状部近位面5cと連結部内側近位面11bとの間で支持部15bの周囲を取り囲むように第2バネ8が位置している。第2バネ8は、鉤状部近位面5cと連結部内側近位面11bとの間の距離が変化することによって伸縮可能である。
【0027】
突出部近位面4bと連結部外側近位面11cとの間で第2バネ8の周囲を取り囲むように第3バネ7が位置している。第3バネ7は、突出部近位面4bと連結部外側近位面11cとの間の距離が変化することによって伸縮可能である。
【0028】
以下、上述の吸着アームを備えた実施形態のブレード交換機構を用いた実施形態のブレード交換方法について説明する。本実施形態では、ブレード22がハブを有しないハブレスブレードである場合について説明するが、本実施形態はハブレスブレードに限定されるものではなく、ブレード22がハブを有するハブ付きブレードにも適用できることは言うまでもない。
【0029】
まず、
図6の模式的断面図に示すように、吸着ユニット2を使用済みのブレード22に近づける。ここで、交換の対象となる使用済みのブレード22は、スピンドル21の近位側フランジ20と遠位側フランジ23との間に挟み込まれている。そして、たとえばナットなどの脱着部材24によって遠位側フランジ23が近位側フランジ20に締め付けられ、これによりブレード22は、スピンドル21の近位側フランジ20と遠位側フランジ23との間で固定されている。なお、近位側フランジ20の近位側とはスピンドル21に対する近位側を意味し、遠位側フランジ23の遠位側とはスピンドル21に対する遠位側を意味する。
【0030】
次に、
図7の模式的断面図に示すように、第1吸着部4の第1吸着部遠位面4cがブレード22の近位側(アーム部3側)の表面に接触するまで、吸着ユニット2をさらに遠位側(スピンドル21側)に移動させる。
【0031】
次に、
図8の模式的断面図に示すように、吸着ユニット2をさらに遠位側(スピンドル21側)に移動させるように、アーム部3を遠位側(スピンドル21側)に移動させる。このとき、ブレード22によって第1吸着部4は遠位側(スピンドル21側)から近位側(アーム部3側)に力を受けるが、第3バネ7が突出部近位面4bに接触して縮むため、第1吸着部4の移動は抑制され、ブレード22に対する過度の荷重が抑制される。そして、第1吸着部4の移動が抑制された状態で第2吸着部5が遠位側(
スピンドル21側)に移動し、第2吸着部5の遠位側の第2吸着部遠位面5dが遠位側フランジ23と接触する。
【0032】
第2吸着部5の第2吸着部遠位面5dが遠位側フランジ23と接触した後に、脱着部材回転部6の突出部6aが脱着部材24の貫通孔24aに嵌っていない場合には、第1バネ16が縮んで、矢印31の方向に脱着部材回転部6が近位側(アーム部3側)に移動する。このとき、遠位側フランジ23によって第2吸着部5は遠位側(スピンドル21側)から近位側(アーム部3側)に力を受けるが、第2バネ8が鉤状部近位面5cに接触して縮むため、第2吸着部5の移動は抑制される。
【0033】
次に、
図9の模式的断面図に示すように、脱着部材回転部6の突出部6aが脱着部材24の貫通孔24aに嵌っていない場合には、脱着部材回転部6をたとえば矢印32の方向に回転させる。脱着部材回転部6の回転により、脱着部材回転部6の突出部6aが脱着部材24の貫通孔24aの位置に到達したときに第1バネ16が伸びて、突出部6aが貫通孔24aに嵌まる。
【0034】
次に、脱着部材回転部6が回転することによって脱着部材24を回転させる。これにより、近位側フランジ20に対する脱着部材24による遠位側フランジ23の締め付けが解除される。その後、第1吸着部4がブレード22を吸着し、第2吸着部5が遠位側フランジ23を吸着する。その後、吸着ユニット2を近位側(アーム部3側)に移動させることによって、たとえば
図10の模式的断面図に示すように、スピンドル21から、脱着部材24とともにブレード22および遠位側フランジ23が取り外される。
【0035】
その後、吸着ユニット2は、
図11および
図12の模式的斜視図に示されるブレード22を脱着可能な第1動作位置から
図13の模式的斜視図に示される収納部51から交換用ブレードを取り出しおよび収納可能な第2動作位置に移動させられる。なお、
図11および
図12は、吸着ユニット2が第1動作位置に位置している状態の一例の実施形態の切断装置の模式的な斜視図を示しており、
図13は吸着ユニット2が第2動作位置に位置している状態の一例の実施形態の切断装置の模式的な斜視図を示している。
【0036】
図11〜
図13に示される実施形態の切断装置は、スピンドル21と向かい合う位置に第2のスピンドル25を備えている。たとえば
図14および
図15の模式的斜視図に示されるように、実施形態のブレード交換機構の吸着ユニット2は、スピンドル21におけるブレード22の脱着を可能とするだけでなく、第2のスピンドル25におけるブレード22の脱着も可能とする。なお、
図14および
図15は、吸着ユニット2が第1動作位置に位置しているときの他の一例の実施形態の切断装置の模式的な斜視図を示している。
【0037】
図11〜
図15の模式的斜視図に示されるように、実施形態のブレード交換機構は、第1スライド機構41と、第2スライド機構42とを備える移動機構40を備えている。第1スライド機構41は、たとえば
図16および
図17の模式的斜視図に示すように、吸着ユニット2を矢印61,62で示されるY方向へのスライドによる移動を可能にしている。吸着ユニット2のY方向への移動は、たとえば、吸着ユニット2の第1動作位置への移動および第2動作位置への移動などに利用することができる。
【0038】
第2スライド機構42は、たとえば
図18および
図19の模式的斜視図に示すように、吸着ユニット2を矢印71,72で示されるZ方向へのスライドによる移動を可能にしている。吸着ユニット2のZ方向への移動は、たとえば、第1動作位置から第2動作位置への移動のための1つのステップおよび第2動作位置から第1動作位置への移動のための1つのステップなどに利用することができる。なお、
図18および
図19の矢印71,72で示されるZ方向は
図16および
図17の矢印61,62で示されるY方向と交差している。
【0039】
実施形態のブレード交換機構は、
図20および
図21の模式的斜視図に示される第1回転機構43と、
図22および
図23の模式的斜視図に示される第2回転機構44とを備えている。
【0040】
第1回転機構43は、たとえば
図20および
図21に示されるように、吸着ユニット2を第1仮想面82内において矢印81で示されるX−θ方向に回転可能に構成されている。吸着ユニット2のX−θ方向における回転は、たとえば、第1動作位置から第2動作位置への移動のための1つのステップおよび第2動作位置から第1動作位置への移動のための1つのステップなどに利用することができる。
【0041】
第2回転機構44は、たとえば
図22および
図23に示されるように、吸着ユニット2を第2仮想面93内において矢印91,92で示されるY−θ方向に回転可能に構成されている。吸着ユニット2のY−θ方向における回転は、たとえば、吸着ユニット2のスピンドル21から第2のスピンドル25への移動および吸着ユニット2の第2のスピンドル25からスピンドル21への移動などに利用することができる。なお、第2仮想面93は、第1仮想面82とは異なる仮想面であり、第1仮想面82と第2仮想面93とは互いに交差する。
【0042】
図24に、実施形態のブレード交換機構の収納部51の模式的な斜視図を示す。収納部51は、最上段から最下段にかけて順に、第1のブレードマガジン53a、第2のブレードマガジン53b、および第3のブレードマガジン53cを備えている。収納部51は、また、第1のブレード押さえ部材54a、第2のブレード押さえ部材54b、および第3のブレード押さえ部材54cを備えている。第1のブレード押さえ部材54a、第2のブレード押さえ部材54b、および第3のブレード押さえ部材54cは、それぞれ、第1のブレードマガジン53a、第2のブレードマガジン53b、および第3のブレードマガジン53cに収納されるブレードをそれぞれのブレードマガジンの周りで押さえるように構成されている。これにより、ブレードマガジンからのブレードの落下を抑制することができる。
【0043】
実施形態のブレード交換機構の吸着ユニット2は、スピンドル21または第2のスピンドル25から使用済みのブレードを上述のようにして取り外した後、吸着ユニット2に吸着された使用済みのブレードとともに
図13に示される第2動作位置に移動させられる。このとき、たとえば
図25の模式的斜視図に示すように、第1のブレード押さえ部材54a、第2のブレード押さえ部材54bおよび第3のブレード押さえ部材54cの少なくとも1つが上に起き上がってブレードの押さえを解除する。
【0044】
そして、使用済みのブレードを吸着した吸着ユニット2が、ブレードが収容されていない空のブレードマガジンに接近し、使用済みのブレードの中央の開口部を空のブレードマガジンに嵌め込む。その後、吸着ユニット2は、第1吸着部4による使用済みのブレードの吸着のみを停止し、当該ブレードマガジンから離れる。これにより、使用済みのブレードを空のブレードマガジンに収納することができる。
【0045】
その後、吸着ユニット2は、交換用のブレードが収納されている別のブレードマガジンに移動する。そして、交換用のブレードを押さえているブレード押さえ部材が上に起き上がって交換用のブレードの押さえを解除する。その後、吸着ユニット2を交換用のブレードに接近させて、交換用のブレードの表面に吸着ユニット2の第1吸着部4の第1吸着部遠位面4cを接触させる。そして、第1吸着部4のガス流路13を通じてガス吸引口12から吸引することにより、第1吸着部遠位面4cに交換用のブレードを吸着させる。
【0046】
交換用のブレードを吸着した吸着ユニット2は、
図13に示される第2動作位置から、
図11および
図12に示される第1動作位置に移動させられる。そして、
図10に示されるように、吸着ユニット2の遠位側への移動により、吸着ユニット2をスピンドル21に接近させる。
【0047】
次に、
図9に示すように、吸着ユニット2をさらに遠位側(スピンドル21側)に移動させる。これにより、遠位側フランジ23がスピンドル21の近位側フランジ20に接触し、近位側フランジ20と遠位側フランジ23との間に交換用のブレード22を挟み込む。次に、脱着部材回転部6を矢印32の方向とは逆方向に回転させることによって脱着部材24を回転させ、脱着部材24により遠位側フランジ23を近位側フランジ20に締め付ける。これにより、近位側フランジ20と遠位側フランジ23との間に交換用のブレード22を固定することができる。その後、第1吸着部4による交換用のブレード22の吸着を停止するとともに、第2吸着部5による遠位側フランジ23の吸着を停止する。
【0048】
次に、
図6に示すように、吸着ユニット2を近位側(アーム部3側)に移動させ、吸着ユニット2をスピンドル21から引き離す。これにより、交換用のブレード22のスピンドル21への取り付けが完了する。
【0049】
以上のように、実施形態においては、ブレード22の自動交換を実現することができる。
【0050】
図26に、実施形態のブレード交換機構に用いられる検出部100の模式的な平面図を示す。実施形態において、検出部100は、レーザセンサ101と、モータ103とを備えている。検出部100は、モータ103の駆動によって、レーザセンサ101の矢印102方向への移動が可能となるように構成されている。
【0051】
図27に、検出部100によるブレード22の摩耗および破損の少なくとも一方の検出方法の一例のフローチャートを示す。まず、ステップ1(S1)において、位置調整レーザ光遮光率Aの測定が行なわれる。S1は、たとえば以下のように行なうことができる。
【0052】
まず、レーザセンサ101の位置調整を行なう。ここで、レーザセンサ101は、たとえば、レーザ光の出射部(図示せず)とレーザ光の検知部(図示せず)との間に切断開始前のブレード22の刃先が位置するように位置調整が行われる。次に、レーザセンサ101が位置調整された状態でレーザセンサ101の出射部からレーザ光を出射して検知部で検知する。その後、その状態でのレーザ光の遮光率(位置調整レーザ光遮光率A)を測定する。位置調整レーザ光遮光率Aは、上記のレーザセンサ101の位置調整後かつ切断開始前の状態でのレーザ光の出射量に対するレーザ光の検知部で検知されるレーザ光の検知量の割合である。切断開始前のブレード22の刃先によってレーザ光の検知部への入射が遮られる傾向にあるため、位置調整レーザ光遮光率Aは高くなり得る。
【0053】
次に、ステップ2(S2)において、摩耗または破損検出レーザ光遮光率A’の測定が行なわれる。S2は、たとえば以下のように行なうことができる。
【0054】
まず、スピンドル21を回転させることによってブレード22を回転させる。次に、回転したブレード22によって切断対象物が切断される。次に、回転したブレード22によって切断対象物を切断している状態でレーザセンサ101の出射部からレーザ光を出射して検知部で検知する。その後、その状態でのレーザ光の遮光率(摩耗または破損検出レーザ光遮光率A’)を測定する。切断によってブレード22が摩耗または破損した場合には切断開始前と比べてブレード22の刃先によってレーザ光の検知部への入射が遮られにくくなるため、摩耗または破損検出レーザ光遮光率A’は位置調整レーザ光遮光率Aよりも低くなり得る。
【0055】
次に、ステップ3(S3)において、S1で測定されたレーザ光の遮光率Aと、S2で測定されたレーザ光の遮光率A’との対比が行われる。このとき、レーザ光の遮光率Aとレーザ光の遮光率A’とが等しい場合には、ブレード22の回転による切断対象物の切断は停止せず、再度S2に戻って摩耗または破損検出レーザ光遮光率A’の測定が行なわれる。
【0056】
一方、S3においてレーザ光の遮光率Aとレーザ光の遮光率A’とが等しくないと判断されると、ステップ4(S4)において、ブレード22の回転を停止されて上述したブレード22の自動交換が実施される。
【0057】
上述のように、実施形態のブレード交換機構がブレード22の摩耗および破損の少なくとも一方が検出可能なように構成される検出部100を備えている場合には、ブレード22の摩耗および破損の少なくとも一方を検出した後にブレード22の回転による切断が自動停止して、実施形態におけるブレード22の自動交換を行なうことできる。これによりブレード22の交換のさらなる自動化の実現が可能となる。
【0058】
以上のように実施形態について説明を行なったが、上述の各実施形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0059】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。