(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及び前記ハイブリッド電気自動車の現在の速度に応じて、前記ハイブリッド電気自動車のエンジン及び/又はモータの作動状態を制御する際に、
前記道路が上り坂であって、前記勾配が第3の勾配閾値以上である場合、前記エンジンが始動するように制御し、
前記道路が下り坂であって、前記勾配が第4の勾配閾値以上である場合、前記エンジンが停止するように制御して前記モータがパワーを単独で出力するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動制御方法。
前記ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及び前記ハイブリッド電気自動車の現在の速度に応じて、前記ハイブリッド電気自動車のエンジン及び/又はモータの作動状態を制御する際に、前記道路が上り坂であって、前記勾配が第3の勾配閾値未満であって、前記現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、又は前記道路が下り坂であって、前記勾配が第4の勾配閾値未満であって、前記現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、前記エンジンが始動するように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の駆動制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
例示的実施形態を以下に詳細に説明し、これらの実施例を添付図面に示している。以下の記載で参照される図面全てに亘って、様々な図面における同一の参照番号は、特に述べられていない場合には同一の要素又は同様の要素を示している。以下の例示的な実施形態に述べられている実施は、本開示と一致する実施の全てを表すものではない。代わりに、このような実施は、本開示の複数の態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0017】
本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御方法及び駆動制御装置を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御方法を示すフローチャートである。
【0019】
図1に示されているように、本開示の複数の実施形態に係る駆動制御方法は以下のステップを有する。
【0020】
ステップS101で、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルを得る。
【0021】
現在のギア位置を、ギア信号を得ることによってハイブリッド電気自動車のギアボックスシステムから得てもよい。電力バッテリーの現在の充電レベルを、ハイブリッド電気自動車のBMS (バッテリー管理システム)から得てもよい。
【0022】
具体的には、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルを、ハイブリッド電気自動車の内部通信ネットワーク、例えばCAN (コントローラエリアネットワーク)を介したギアボックスシステム及びBMS との通信によって得てもよい。
【0023】
ステップS102で、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルに応じて、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にあるか否かを判断する。
【0024】
本開示の実施形態では、ハイブリッド電気自動車のギア位置がD位置である場合に限り、駆動制御方法を行ってもよい。
【0025】
モータのパワー出力が制限されているので、特にハイブリッド電気自動車がかなり急な勾配を登っているとき、単独の駆動源としてのモータがハイブリッド電気自動車のパワーの要件を満たすことは難しい。従って、ハイブリッド電気自動車が勾配を登っているとき、エンジンがパワーを出力することが必要とされる。しかしながら、ハイブリッド電気自動車が下り坂を走行しているとき、駆動抵抗は重力慣性によって完全に克服され得るので、必要なトルクは小さい。この場合、エンジンが停止するように制御してもよく、クラッチが完全に外されてもよく、モータのみを使用してパワーを出力してもよい。一方で、エンジンのアイドリング中に必要な燃料が節約され、他方で、ハイブリッド電気自動車がアクセル解放エネルギーフィードバック機能を有する場合、クラッチが完全に外されてエンジンからの抗力がなくなるので、モータによるエネルギーフィードバックが増加し得る。
【0026】
或いは、ハイブリッド電気自動車の現在の作動モード及び電力バッテリーの放電力を更に得てもよく、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び現在の作動モード、並びに電力バッテリーの現在の充電レベル及び放電力に応じて、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にあるか否かを判断してもよい。
【0027】
具体的には、電力バッテリーの電圧及び電流をBMS のデータコレクタを介してリアルタイムに得てもよく、その後、電力バッテリーの現在の充電レベル及び許容放電力を算出してもよい。ハイブリッド電気自動車が低温の場所にある場合、又はハイブリッド電気自動車に欠陥がある場合、電力バッテリーには過放電及び過度な低電圧という危険性がある。従って、電力バッテリーの破損を防いで電力バッテリーの使用寿命を延ばすために、ハイブリッド電気自動車が低温の場所にある場合、又はハイブリッド電気自動車に欠陥がある場合、放電力を制限すべきである。このとき、ハイブリッド電気自動車はパワーを正常に出力することができない。
【0028】
モータ制御部が、モード切替信号に応じてハイブリッド電気自動車のモードを判断し、その後、様々な駆動方法を選んでもよい。一般に、ハイブリッド電気自動車は2つの動作モード(電気モード及びハイブリッドモード、つまりEVモード及びHEV モード)並びに2つの駆動モード(エコノミーモード及びスポーツモード、つまりECO モード及びスポーツモード)を有している。従って、ハイブリッド電気自動車は、EV-ECOモード、EVスポーツモード、HEV-ECO モード及びHEV スポーツモードのような4種類の作動モードを有してもよい。EVモードでは、ハイブリッド電気自動車は純粋な電気エネルギー消費モードであり、モータはパワーを単独で出力する。HEV モードでは、ハイブリッド電気自動車はハイブリッドエネルギー消費モードであり、エンジンによるパワー出力に対するモータによるパワー出力の比率が、所定の方法に応じて決定される。ECO モードでは、節約が主要な制御目標であるので、モータ及びエンジンからのパワー出力は制限されており、スポーツモードでは、パワー性能が主要な制御目標であるので、モータ及びエンジンからのパワー出力は制限されておらず、特にハイブリッドスポーツモード(HEV スポーツモード)では、エンジンは作動し続ける。
【0029】
具体的には、
図2は、本開示の実施形態に従ってハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔又はタキシング始動停止間隔の範囲内にあるか否かを判断する方法を示すフローチャートである。
図2に示されているように、以下のステップを行う。
【0030】
ステップS201で、現在のギア位置がD位置であって、現在の作動モードがハイブリッドエコノミーモード(HEV-ECO モード)である場合、電力バッテリーの現在の充電レベルが第1の充電レベル閾値より大きいか否か、及び電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値より大きいか否かを判断する。
【0031】
第1の充電レベル閾値及び第1の電力閾値を、電力バッテリーが電力を正常に供給し得る最小限の充電レベル及び最小限の放電力に応じて決定してもよい。電力バッテリーの充電レベルが第1の充電レベル閾値以下である場合、又は電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値以下である場合、電力バッテリーには過放電及び低電圧の警告という危険性があり得る。従って、電力バッテリーの破損を防いで電力バッテリーの作動寿命を確保するために、第1の充電レベル閾値及び第1の電力閾値を設定すべきである。
【0032】
ステップS202で、電力バッテリーの現在の充電レベルが第1の充電レベル閾値より大きく、電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値より大きい場合、現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値以上であるか否か、及び現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下であるか否かを更に判断する。
【0033】
充電レベルの目標状態は、HEV モードで充電するか又は放電するときに電力バッテリーが最終的に達する充電レベルである。
【0034】
従って、現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下である場合、電力バッテリーの現在の充電レベルは比較的高く、現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差がより小さく、電力バッテリーは平衡状態にある。この場合、電力バッテリーは現在の駆動要件を満たし得るだけでなく、安定した放電状態でもあり得るため、ハイブリッド電気自動車が小負荷制御機能を実行するときに過放電を効果的に回避することができ、その結果、電力バッテリーを保護して電力バッテリーの作動寿命を延ばし、ハイブリッド電気自動車のパワー性能及び安定性を良好に保つ。
【0035】
小負荷制御機能は、電力バッテリーの充電レベルが十分高く(例えば、充電レベルが第2の充電レベル閾値より高く)、電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値より大きく、道路の勾配が、道路が上り坂であって勾配が第1の勾配閾値未満である条件又は道路が下り坂であって勾配が第2の勾配閾値以上である条件を満たすときに使用される駆動制御機能を指す。
【0036】
タキシング始動停止制御が行われるときに充電した電力の一部が低速で純粋な電気モードで駆動するために蓄えられるように、第2の充電レベル閾値は低速で純粋な電気モードで駆動する要件を満たし得る充電レベルであり、従って、ハイブリッド電気自動車のパワー性能及び安定性が良好に保たれる。第1の充電レベル閾値及び第2の充電レベル閾値は、ユーザの運転の癖及びハイブリッド電気自動車のパワー消費に応じて設定されてもよい。
【0037】
ステップS205で、現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値未満である場合、又は現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値より大きい場合、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内であると判断する。
【0038】
本開示のある実施形態では、ステップS203及びステップS204を更に有する。
【0039】
ステップS203で、現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値以上であって、現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下である場合、道路の勾配が所定の条件を満たすか否かを判断する。
【0040】
所定の条件として、道路が上り坂である場合に道路の勾配が第1の勾配閾値未満であること、又は道路が下り坂である場合に勾配が第2の勾配閾値以上であることが含まれてもよい。
【0041】
ステップS204で、道路の勾配が所定の条件を満たす場合、ハイブリッド電気自動車がタキシング始動停止間隔の範囲内にあると判断する。
【0042】
タキシング始動停止間隔内では、エンジンが始動、停止又はストールするように制御される一方、アクセルペダルが離される。速度始動停止間隔内では、エンジンが始動、停止又はストールするように制御される一方、アクセルペダルが押し下げられる。タキシング始動停止間隔のための制御方法は、速度、エンジンの作動状態及びアクセルの深さのような要因を考慮する必要がある一方、速度始動停止間隔のための制御方法は、速度及び道路の勾配のような要因を考慮する必要がある。言い換えれば、速度始動停止間隔では、速度及び道路の勾配に応じてエンジンを制御する。
【0043】
ある実施形態では、ハイブリッド電気自動車がタキシング始動停止間隔の範囲内にあると判断する場合、ハイブリッド電気自動車に小負荷停止機能又は小負荷ストール機能を実行させる。ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配が所定の条件を満たさないと判断する場合、例えば、道路が上り坂であって、道路の勾配が第1の勾配閾値以上である場合、エンジンの始動停止制御を解除してもよく、又は道路が下り坂であって、勾配が第2の勾配閾値未満である場合、エンジンが停止するように制御して、モータがパワーを単独で出力するように制御する。
【0044】
ステップS103で、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にある場合、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及びハイブリッド電気自動車の現在の速度を得る。
【0045】
具体的にある実施形態では、ハイブリッド電気自動車の縦加速度を、ハイブリッド電気自動車の縦加速度センサによって得てもよく、その後、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配を、ハイブリッド電気自動車の縦加速度に応じて算出してもよい。ハイブリッド電気自動車の現在の速度を、ESC (電気速度コントローラ)からハイブリッド電気自動車の通信ネットワークを介して得てもよい。
【0046】
ステップS104で、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及びハイブリッド電気自動車の現在の速度に応じて、ハイブリッド電気自動車のエンジン及び/又はモータの作動状態を制御する。
【0047】
具体的に一実施形態では、ステップS104で、道路が上り坂であって、勾配が第3の勾配閾値以上である場合、エンジンを始動させ、道路が下り坂であって、勾配が第4の勾配閾値以上である場合、エンジンが停止するように制御し、つまり、エンジンの燃料供給を止めて、クラッチが開いているように制御し(このとき、エンジンは作動を停止し)、モータがパワーを単独で出力するように制御し、道が上り坂であって、勾配が第3の勾配閾値未満であって、現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、エンジンを始動させ、道路が下り坂であって、勾配が第4の勾配閾値未満であって、現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、エンジンを始動させる。エンジンを始動させた後、ハイブリッド電気自動車の現在の速度を得て、エンジンを始動させた後のハイブリッド電気自動車の現在の速度が第2の速度閾値未満である場合、エンジンが停止するように制御して、モータがパワーを単独で出力するように制御し、エンジンを始動させた後のハイブリッド電気自動車の現在の速度が第2の速度閾値以上である場合、ステップS101を実行する。
【0048】
本開示の実施形態では、エンジンを停止するように制御するとは、エンジンの燃料供給を止めてクラッチを外している状態を指し、エンジンをストールするように制御するとは、エンジンの燃料供給を止めてクラッチが結合状態である状態を指す。
【0049】
本開示の実施形態では、第1の勾配閾値、第2の勾配閾値、第3の勾配閾値及び第4の勾配閾値は、ユーザの運転の癖及びハイブリッド電気自動車のパワー消費に応じて設定されてもよい。
【0050】
ある実施形態では、ハイブリッド電気自動車がタキシング始動停止間隔の範囲内にあると判断する場合、ハイブリッド電気自動車に小負荷停止機能又は小負荷ストール機能を実行させてもよい。
【0051】
具体的には、
図3に示されているように、ハイブリッド電気自動車が小負荷停止機能又は小負荷ストール機能を実行する際に以下のステップを行う。
【0052】
ステップS301で、現在の速度が第3の速度閾値未満である場合、エンジンが停止するように制御してモータがパワーを単独で出力するように制御する。
【0053】
ステップS302で、現在の速度が第3の速度閾値以上であって、第4の速度閾値未満である場合、ハイブリッド電気自動車に小負荷停止機能を実行させる。
【0054】
具体的には、エンジンが作動状態にあるか否かをまず判断する。エンジンが作動状態にない場合、アクセルの深さ(d)が第1のアクセル閾値(n)以上であるか否かを更に判断する。アクセルの深さが第1のアクセル閾値(n)以上である場合、エンジンを始動させ、アクセルの深さが第1のアクセル閾値(n)未満である場合、エンジンの状態を維持する。
【0055】
エンジンが作動状態にある場合、アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)未満であるか否かを更に判断する。アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)未満である場合、エンジンが停止するように制御し、アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)以上である場合、エンジンの状態を維持する。
【0056】
第1のアクセル閾値及び第2のアクセル閾値は、ユーザの運転の癖及びハイブリッド電気自動車のパワー消費に応じて設定されてもよい。第2のアクセル閾値は第1のアクセル閾値未満であるため、不明瞭なアクセル閾値によって引き起こされる頻繁なエンジンの始動停止が回避される。
【0057】
ステップS303で、現在の速度が第4の速度閾値以上であって、第5の速度閾値未満である場合、ハイブリッド電気自動車に小負荷ストール機能を実行させる。
【0058】
具体的には、エンジンが作動状態にあるか否かをまず判断する。
【0059】
エンジンが作動状態にない場合、アクセルの深さが第1のアクセル閾値以上であるか否かを更に判断し、アクセルの深さが第1のアクセル閾値以上である場合、エンジンが始動するように制御し、アクセルの深さが第1のアクセル閾値未満である場合、エンジンの状態を維持する。
【0060】
エンジンが作動状態にある場合、アクセルの深さが第2のアクセル閾値未満であるか否かを更に判断し、アクセルの深さが第2のアクセル閾値未満である場合、エンジンがストールするように制御し、クラッチが結合状態のままであり、エンジンの燃料供給を止め、アクセルの深さが第2のアクセル閾値以上である場合、エンジンの状態を維持する。
【0061】
ステップS304で、現在の速度が第5の速度閾値以上である場合、エンジンの状態を維持する。
【0062】
本開示の実施形態では、第5の速度閾値は第4の速度閾値より大きく、第4の速度閾値は第3の速度閾値より大きい。第3の速度閾値、第4の速度閾値及び第5の速度閾値は、ユーザの運転の癖及びハイブリッド電気自動車のパワー消費に応じて設定されてもよい。
【0063】
本開示の実施形態では、ハイブリッド電気自動車はアクセル解放エネルギーフィードバック機能を有し、アクセルが離されている間、失われた運動エネルギーは、モータのエネルギーフィードバックによって電気エネルギーに変換され、電力バッテリーに蓄えられる。この場合、エンジンが停止すると、クラッチは完全に外されて、エンジンからの抗力はなくなり、従って、モータによるエネルギーフィードバックが増加する。
【0064】
本開示の実施形態に係る駆動制御方法では、ハイブリッド電気自動車の速度が比較的高いとき、ハイブリッド電気自動車に小負荷ストール機能を実行させる。その理由は、速度が比較的高いとき、ハイブリッド電気自動車の運動慣性が大きく、エンジンからの抗力が比較的小さく、従って電力バッテリーのフィードバック充電に僅かな影響しか及ぼさないからである。更に、クラッチを再度結合する必要がないようにクラッチは結合状態を維持するので、クラッチの摩擦損失が減少する。更に、ハイブリッド電気自動車の速度が比較的低いとき、ハイブリッド電気自動車に小負荷停止機能を実行させ、ハイブリッド電気自動車の速度がより低いとき、電力バッテリーの充電への影響を避けるべくクラッチを外すように制御する。その理由は、速度が比較的低いとき、ハイブリッド電気自動車の運動慣性が小さく、エンジンからの抗力が比較的大きく、このため、電力バッテリーのフィードバック充電に大きな影響を及ぼすからである。
【0065】
エンジンを制御した後(エンジンが始動、停止若しくはストールするように制御した後、又はエンジンの状態を維持した後)、ハイブリッド電気自動車が小負荷停止機能又は小負荷ストール機能を実行すると、次の駆動制御を実行するか否かを判断するために、計時を開始する。そのため、エンジンの状態を変えた後、所定の時間を超過した後のみ再度エンジンの状態を変えてもよく、従って、エンジンの頻繁な始動停止が回避される。
【0066】
具体的に、
図4は、本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御工程におけるエネルギー伝達を示す概略図である。
図4に示されているように、ハイブリッド電気自動車のモードがハイブリッドエコノミーモードであり、電力バッテリーの現在の充電レベル(高電圧鉄バッテリーの充電レベル)が第2の充電レベル閾値より大きく、放電力が第1の電力閾値以下であり、道路の勾配、速度及びアクセルの深さが低速、小さなスロットル及び低パワー駆動の条件を満たすとき、ハイブリッド電気自動車はモータによって単独で駆動される。このエネルギー伝達は
図4のルート(1) として示されている。ハイブリッド電気自動車の放電力が第2の電力閾値より大きい(つまり、大きなパワー駆動を必要としている)場合、エンジンが始動してパワーを出力し、このとき、パワーはDCT (デュアルクラッチトランスミッション)ギアボックス及び減速機を介して車輪に伝えられる。これは
図4のルート(2) として示されている。更に、ハイブリッド電気自動車の現在の充電レベルが(第2の充電レベル閾値以下の)ある充電レベルに低下すると、エンジンのパワーの一部が出力されて高電圧鉄バッテリーを充電する。このエネルギー伝達は
図4のルート(7) として示されている。更に、ブレーキペダルが運転中に押し下げられるとき、又はエンジンがアイドリング中に自動的にストールして作動を停止するとき、モータは、電力バッテリーに蓄えるためにハイブリッド電気自動車全体の運動エネルギーを電気エネルギーに変える。このエネルギー伝達は
図4のルート(7) として示されている。
【0067】
本開示の実施形態では、ハイブリッド電気自動車は、電力バッテリーとして使用される高電圧鉄バッテリーと、蓄電池として使用される低電圧鉄バッテリーとを備えてもよい。
【0068】
低電圧鉄バッテリーの充電レベルを補うための方法が2つある。第1の方法では、低電圧鉄バッテリーを充電するために、エンジンが作動を開始すると発電機を駆動して電気を発生させる。このエネルギー伝達は
図4のルート(5) として示されている。もう一方の方法では、低電圧鉄バッテリーを充電するために、DC−DCコンバータによって高電圧鉄バッテリーの高電圧を低電圧に変換する。このエネルギー伝達は
図4のルート(6) として示されている。
【0069】
本開示の実施形態では、エンジンを始動させるための方法が2つあることが理解され得る。第1の方法では、エンジンを始動機によって直接始動させる。このエネルギー伝達は
図4のルート(4) として示されている。もう一方の方法では、速度が要件(つまり、速度が慣性反抗力の要件に達するように、電力バッテリーの充電レベルが十分に大きい)を満たすとき、エンジンをハイブリッド電気自動車全体の慣性反抗力によって始動させる。このエネルギー伝達は
図4のルート(3) として示されている。従って、速度がある要件に達する場合、始動機の作動周波数が増加しなくてもよいように始動機は作動する必要がなく、従って要素の作動寿命が保証される。
【0070】
図5は、本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御工程における制御情報相互作用を示す概略図である。
図5に示されているように、速度信号が、(
図5にESC として示されている)電子安定性制御部から(
図5にECN として示されている)モータ制御部に送信され、(
図5にSCU として示されている)ギア制御部を使用して、ギア信号を集めて集めたギア信号をECN に送信し、(
図5にBMS として示されている)バッテリー管理システムを使用して、現在の出力電力及び現在の充電レベルのような信号を集めて、集めた信号をECN に送信し、モータ制御部ECN を使用して、(EV/HEV/ECO /スポーツモードのような)自動車モード信号、アクセル信号又はブレーキペダル信号のような受信信号を確認し、エンジンの目標トルク、自動車モード及びエンジンの始動停止識別のような信号をエンジン制御モジュールECM に送信し、エネルギー伝達状態及び自動車モードのような信号を組合せ機器に送信し、BMS はバッテリーの監視・管理方法を行い、ECM は始動停止制御方法を行い、組合せ機器はエネルギー状態及び自動車モードの表示方法を行う。
【0071】
図6A及び
図6Bは、本開示の例示的実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御方法を示すフローチャートである。
図6A及び
図6Bに示されているように、ハイブリッド電気自動車の駆動制御方法は以下のステップを有する。
【0072】
ステップS601で、ハイブリッド電気自動車のギアが所定の位置にあるか否かを判断し、ハイブリッド電気自動車のギアが所定の位置にある場合、ステップS602を実行し、ハイブリッド電気自動車のギアが所定の位置にない場合、ステップS605を実行する。
【0073】
所定の位置はDギア位置であってもよい。
【0074】
ステップS602で、ハイブリッド電気自動車が所定の作動モードにあるか否かを判断し、ハイブリッド電気自動車が所定の作動モードにある場合、ステップS603を実行し、ハイブリッド電気自動車が所定の作動モードにない場合、ステップS605を実行する。
【0075】
所定の作動モードはハイブリッドエコノミーモードであってもよい。
【0076】
ステップS603で、電力バッテリーの現在の充電レベルが第1の充電レベル閾値より大きいか否か、及び電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値より大きいか否かを判断し、電力バッテリーの現在の充電レベルが第1の充電レベル閾値より大きく、電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値より大きい場合、ステップS604を実行し、電力バッテリーの現在の充電レベルが第1の充電レベル閾値以下であり、電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値以下である場合、ステップS605を実行する。
【0077】
ステップS604で、ハイブリッド電気自動車の現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値以上であるか否か、及び現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下であるか否かを判断し、ハイブリッド電気自動車の現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値以上であって、現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下である場合、ステップS607を実行し、ハイブリッド電気自動車の現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値未満であって、現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値を超える場合、ステップS606を実行する。
【0078】
ステップS605で、ハイブリッド電気自動車はエンジン始動停止制御を停止する。
【0079】
ステップS606で、ハイブリッド電気自動車は速度始動停止制御を行う。
【0080】
具体的には、道路が上り坂であって、道路の勾配が第3の勾配閾値(p3)以上である場合、エンジンを始動させて、ハイブリッド電気自動車のパワーを出力するようにエンジンを制御し、道路が下り坂であって、勾配が第4の勾配閾値(p4)以上である場合、エンジンが停止するように制御して、モータがパワーを単独で出力するように制御し、道路が上り坂であって、道路の勾配が第3の勾配閾値(p3)未満であって、現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、エンジンを始動させて、道路が下り坂であって、勾配が第4の勾配閾値(p4)未満であって、現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、エンジンを始動させる。エンジンを始動させた後、ハイブリッド電気自動車の現在の速度が第2の速度閾値未満であるか否かを更に判断してもよく、現在の速度が第2の速度閾値未満である場合、エンジンが停止するように制御して、モータがパワーを単独で出力するように制御し、現在の速度が第2の速度閾値以上である場合、ステップS601に戻って、エンジン始動停止制御の手順を再度行う。
【0081】
ステップS607で、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配を得て、ステップS608及びステップS609を行う。
【0082】
ステップS608で、道路が上り坂であるか否か、及び道路の勾配が第1の勾配閾値(p1)未満であるか否かを判断し、道路が上り坂であって、道路の勾配が第1の勾配閾値(p1)未満である場合、ステップS610を実行し、道路が上り坂ではなく、道路の勾配が第1の勾配閾値(p1)以上である場合、ステップS605を実行する。
【0083】
ステップS609で、道路が下り坂であるか否か、及び勾配が第2の勾配閾値(p2)未満であるか否かを判断し、道路が下り坂であって、勾配が第2の勾配閾値(p2)未満である場合、ステップS611を実行し、道路が下り坂ではなく、勾配が第2の勾配閾値(p2)以上である場合、ステップS610を実行する。
【0084】
ステップS610で、ハイブリッド電気自動車の現在の速度を得る。
【0085】
ステップS611で、エンジンが停止するように制御して、モータがパワーを単独で出力するように制御する。
【0086】
ステップS612で、現在の速度が第3の速度閾値未満である場合、エンジンが停止するように制御して、モータがパワーを単独で出力するように制御する。
【0087】
ステップS613で、現在の速度が第3の速度閾値以上であって、第4の速度閾値未満である場合、ハイブリッド電気自動車に小負荷停止機能を実行させる。
【0088】
具体的には、エンジンが作動状態にあるか否かをまず判断する。エンジンが作動状態にない場合、アクセルの深さ(d)が第1のアクセル閾値(n)以上であるか否かを更に判断する。アクセルの深さが第1のアクセル閾値(n)以上である場合、エンジンを始動させ、アクセルの深さが第1のアクセル閾値(n)未満である場合、エンジンの状態を維持する。
【0089】
エンジンが作動状態にある場合、アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)未満であるか否かを更に判断する。アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)未満である場合、エンジンが停止するように制御し、アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)以上である場合、エンジンの状態を維持する。
【0090】
第1のアクセル閾値及び第2のアクセル閾値は、ユーザの運転の癖及びハイブリッド電気自動車の性能に応じて設定されてもよい。
【0091】
ステップS614で、現在の速度が第4の速度閾値以上であって、第5の速度閾値未満である場合、ハイブリッド電気自動車に小負荷ストール機能を実行させる。
【0092】
具体的には、エンジンが作動状態にあるか否かをまず判断する。エンジンが作動状態にない場合、アクセルの深さ(d)が第1のアクセル閾値(n)以上であるか否かを更に判断する。アクセルの深さが第1のアクセル閾値(n)以上である場合、エンジンを始動させ、アクセルの深さが第1のアクセル閾値(n)未満である場合、エンジンの状態を維持する。
【0093】
エンジンが作動状態にある場合、アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)未満であるか否かを更に判断する。アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)未満である場合、エンジンがストールするように制御して、クラッチを結合状態のままにし、エンジンの燃料供給を止め、アクセルの深さが第2のアクセル閾値(m)以上である場合、エンジンの状態を維持する。
【0094】
第1のアクセル閾値及び第2のアクセル閾値は、ユーザの運転の癖及びハイブリッド電気自動車の性能に応じて設定されてもよい。第2のアクセル閾値は第1のアクセル閾値未満であるため、不明瞭なアクセル閾値によって引き起こされる頻繁なエンジンの始動停止が回避される。
【0095】
ステップS615で、現在の速度が第5の速度閾値より大きい場合、エンジンの状態を維持する。
【0096】
上記の工程では、エンジンを制御する際、モータがエンジンの様々な作動状態に応じてハイブリッド電気自動車にパワーを単独で供給するか、又はエンジンと共にハイブリッド電気自動車にパワーを供給するように、モータは作動状態にある。
【0097】
本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御方法では、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルに応じて、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にあるか否かを判断し、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にある場合、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及びハイブリッド電気自動車の現在の速度に応じて、ハイブリッド電気自動車のエンジン及び/又はモータの作動状態を制御する。そのため、ハイブリッド電気自動車が、高速で走行している、登っている等の負荷が大きい作動状態にあるとき、又は放電力が高いとき、エンジンがパワーを出力するために含まれてもよく、更に、ハイブリッド電気自動車が、低速で走行している、下り坂を下っている等の負荷が小さい作動状態にあるとき、又は放電力が低いとき、エンジンが停止するように制御してもよく、モータがパワーを単独で出力するように制御する。このように、始動機の作動周波数を増加させることなく、ハイブリッド電気自動車の走行距離を延ばすことが可能になり、経済性を向上させることができ、燃料消費及び排出を低減することが可能であるため、要素の作動寿命が保証される。更に、ハイブリッド電気自動車がアクセル解放エネルギーフィードバック機能を有する場合、無駄な運動エネルギーがエネルギーフィードバックを介してモータによって電気エネルギーに変換されて電力バッテリーに蓄えられ得るため、エネルギー回収率が上昇する。更にハイブリッド電気自動車では、エンジンの頻繁な始動停止によって引き起こされる不快な乗り心地及び不十分なパワー性能の問題が効率的に解決され得る。
【0098】
本開示では、ハイブリッド電気自動車の駆動制御装置が更に提供される。
【0099】
図7は、本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御装置を示すブロック図である。
【0100】
図7に示されているように、本開示の実施形態に係る駆動制御装置は、第1の取得モジュール10、第1の判断モジュール20、第2の取得モジュール30及び第1の制御モジュール40を備えている。
【0101】
具体的には、第1の取得モジュール10は、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルを得るように構成されている。
【0102】
第1の判断モジュール20は、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルに応じて、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にあるか否かを判断するように構成されている。
【0103】
第2の取得モジュール30は、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にある場合、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及びハイブリッド電気自動車の現在の速度を得るように構成されている。
【0104】
第1の制御モジュール40は、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及びハイブリッド電気自動車の現在の速度に応じて、ハイブリッド電気自動車のエンジン及び/又はモータの作動状態を制御するように構成されている。
【0105】
具体的には、第1の制御モジュール40は、道路が上り坂であって、勾配が第3の勾配閾値以上である場合、エンジンが始動すべく制御し、道路が下り坂であって、勾配が第4の勾配閾値より大きい場合、エンジンが停止すべく制御してモータがパワーを単独で出力すべく制御し、道路が上り坂であって、勾配が第3の勾配閾値未満であって、現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、又は道路が下り坂であって、勾配が第4の勾配閾値未満であって、現在の速度が第1の速度閾値より大きい場合、エンジンが始動すべく制御するように構成されている。エンジンが始動した後、現在の速度が第2の速度閾値未満であるか否かを更に判断する。現在の速度が第2の速度閾値未満である場合、エンジンが停止するように制御し、モータがパワーを単独で出力するように制御する。現在の速度が第2の速度閾値以上である場合、駆動制御工程を繰り返す。
【0106】
ある実施形態では、
図8に示されているように、駆動制御装置は第3の取得モジュール50を更に備えている。
【0107】
第3の取得モジュール50は、ハイブリッド電気自動車の現在の作動モード及び電力バッテリーの放電力を得るように構成されている。
【0108】
第1の判断モジュール20は、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び現在の作動モード、並びに電力バッテリーの現在の充電レベル及び放電力に応じて、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にあるか否かを判断するように構成されている。
【0109】
具体的には、第1の判断モジュール20は、第1の判断部21、第2の判断部22及び第3の判断部23を更に有している。
【0110】
第1の判断部21は、現在のギア位置がD位置であって、現在の作動モードがハイブリッドエコノミーモードである場合、電力バッテリーの現在の充電レベルが第1の充電レベル閾値より大きいか否か、及び電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値より大きいか否かを判断するように構成されている。
【0111】
第2の判断部22は、電力バッテリーの現在の充電レベルが第1の充電レベル閾値より大きく、電力バッテリーの放電力が第1の電力閾値より大きい場合、現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値以上であるか否か、及び現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下であるか否かを判断するように構成されている。
【0112】
第3の判断部23は、現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値以上であって、現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下である場合、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にあると判断するように構成されている。
【0113】
或いは、第1の判断モジュール20は、第4の判断部24及び第5の判断部25を更に有してもよい。
【0114】
第4の判断部24は、現在の充電レベルが第2の充電レベル閾値以上であって、現在の充電レベルと充電レベルの目標状態との差が所定の値以下である場合、道路の勾配が所定の条件を満たすか否かを判断するように構成されている。所定の条件として、道路が上り坂である場合に道路の勾配が第1の勾配閾値未満であること、又は道路が下り坂である場合に道路の勾配が第2の勾配閾値以上であることが含まれている。
【0115】
第5の判断部25は、道路の勾配が所定の条件を満たす場合、ハイブリッド電気自動車がタキシング始動停止間隔の範囲内にあると判断するように構成されている。
【0116】
本開示に係るある実施形態では、
図9に示されているように、駆動制御装置は第2の制御モジュール60を更に備えている。
【0117】
第2の制御モジュール60は、現在の速度に応じてハイブリッド電気自動車に小負荷停止機能又は小負荷ストール機能を実行させるように構成されている。
【0118】
本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御工程におけるエネルギー伝達は
図4に示されており、本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御工程における情報相互作用は
図5に示されている。
【0119】
本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車の駆動制御装置では、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルに応じて、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にあるか否かを判断し、ハイブリッド電気自動車が速度始動停止間隔の範囲内にある場合、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配及びハイブリッド電気自動車の現在の速度に応じて、ハイブリッド電気自動車のエンジン及び/又はモータの作動状態を制御する。そのため、ハイブリッド電気自動車が、高速で走行している、登っている等の負荷が大きい作動状態にあるとき、又は放電力が高いとき、エンジンがパワーを出力するために含まれてもよく、更に、ハイブリッド電気自動車が、低速で走行している、下り坂を下っている等の負荷が小さい作動状態にあるとき、又は放電力が低いとき、エンジンが停止するように制御してもよく、モータがパワーを単独で出力するように制御する。このように、始動機の作動周波数を増加させることなく、ハイブリッド電気自動車の走行距離を延ばすことが可能になり、経済性を向上させることができ、燃料消費及び排出を低減することが可能であるため、要素の作動寿命が保証される。更に、ハイブリッド電気自動車がアクセル解放エネルギーフィードバック機能を有する場合、無駄な運動エネルギーがエネルギーフィードバックを介してモータによって電気エネルギーに変換されて電力バッテリーに蓄えられ得るため、エネルギー回収率が上昇する。更にハイブリッド電気自動車では、エンジンの頻繁な始動停止によって引き起こされる不快な乗り心地及び不十分なパワー性能の問題が効率的に解決され得る。
【0120】
ある実施形態では、ハイブリッド電気自動車が本開示において更に提供される。ハイブリッド電気自動車は、上記の実施形態のいずれかに述べられている駆動制御装置を備えている。
【0121】
本開示の実施形態に係るハイブリッド電気自動車では、ハイブリッド電気自動車の現在のギア位置及び電力バッテリーの現在の充電レベルが所定の要件を満たす場合、ハイブリッド電気自動車は、ハイブリッド電気自動車が走行している道路の勾配に応じて小負荷停止機能又は小負荷ストール機能を実行するように構成されている。このように、始動機の作動周波数を増加させることなく、ハイブリッド電気自動車の走行距離を延ばすことが可能になり、経済性を向上させることができ、燃料消費及び排出を低減することが可能であるため、要素の作動寿命が保証される。更に、ハイブリッド電気自動車がアクセル解放エネルギーフィードバック機能を有する場合、無駄な運動エネルギーがエネルギーフィードバックを介してモータによって電気エネルギーに変換されて電力バッテリーに蓄えられ得るため、エネルギー回収率が上昇する。更にハイブリッド電気自動車では、エンジンの頻繁な始動停止によって引き起こされる不快な乗り心地及び不十分なパワー性能の問題が効率的に解決され得る。
【0122】
明細書では、「中央の」、「縦の」、「横の」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上の」、「下の」、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「垂直の」、「水平の」、「最上部」、「底部」、「内部の」、「外部の」、「時計回りの」及び「反時計回りの」のような用語は、記載されているように又は図面に示されているように向きを指すと解釈されるべきであると理解される。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、本発明が特定の向きに構築されるか又は作動されることを必要とするものではない。
【0123】
更に、「第1の」及び「第2の」のような用語は、説明のために本明細書に使用されており、相対的重要性若しくは相対的意義を示すか意味すること、又は示された技術的特徴の数を意味することを意図するものではない。従って、「第1の」及び「第2の」を用いて定義された特徴は、この特徴の一又は複数を包含してもよい。
【0124】
本開示では、特に指定されていないか又は制限されていない場合、「取り付けられ」、「接続され」、「結合され」、「固定され」などの用語は広義に使用されており、例えば固定接続、着脱可能な接続又は一体化接続であってもよく、更に機械的な接続又は電気的な接続であってもよく、更に直接接続又は介在する構造を介した間接接続であってもよく、更に2つの要素の内部連通であってもよく、これらは特定の状況に応じて当業者によって理解され得る。
【0125】
本開示では、特に指定されていないか又は制限されていない場合、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にある構造は、第1の特徴が第2の特徴に直接接している実施形態を含んでもよく、第1の特徴及び第2の特徴が互いに直接接していないが、第1の特徴及び第2の特徴の間に形成された更なる特徴を介して接する実施形態を更に含んでもよい。更に、第2の特徴の「上」、「上方」又は「最上部」にある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴のすぐ「上」、「上方」若しくは「最上部」にあるか、又は第1の特徴が第2の特徴の斜め「上」、「上方」若しくは「最上部」にある実施形態を含んでもよく、つまり第1の特徴の高さが第2の特徴の高さより高いことを意味する一方、第2の特徴の「下」、「下方」又は「底部」にある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴のすぐ「下」、「下方」若しくは「底部」にあるか、又は第1の特徴が第2の特徴の斜め「下」、「下方」若しくは「底部」にある実施形態を含んでもよく、つまり第1の特徴の高さが第2の特徴の高さより低いことを意味する。
【0126】
本明細書全体に亘る「実施形態」、「ある実施形態」、「一実施形態」、「別の実施例」、「実施例」、「特定の実施例」又は「ある実施例」の参照は、実施形態又は実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態又は実施例に含まれていることを意味する。従って、本明細書に亘る様々な箇所における「ある実施形態では」、「一実施形態では」、「実施形態では」、「別の実施例では」、「実施例では」、「特定の実施例では」又は「ある実施例では」のような表現は、本開示の同一の実施形態又は実施例を必ずしも参照するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料又は特徴は、一又は複数の実施形態又は実施例にあらゆる適切な方法で組み合わせられてもよい。
【0127】
例示的な実施形態が示され説明されているが、上記の実施形態は本開示を制限すると解釈され得ず、本開示の趣旨、原理及び範囲を逸脱することなく、変更、選択及び調整が本実施形態になされ得ることが当業者によって理解される。
【0128】
本出願は、中華人民共和国の知識産権局に2015年3月25日付で出願された中国特許出願第201510134355.4号明細書の優先権及び利得を主張しており、その内容全体が参照して本明細書に組み込まれる。