特許第6560902号(P6560902)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560902
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】光源装置及びこれを用いた照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/024 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   H01S5/024
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-106113(P2015-106113)
(22)【出願日】2015年5月26日
(65)【公開番号】特開2016-219723(P2016-219723A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】秋貞 研二
【審査官】 吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−138046(JP,A)
【文献】 特開2010−165834(JP,A)
【文献】 特開2014−179504(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0340653(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を搭載するステムと、
前記半導体発光素子からの光の一部を波長変換し残りの光と混色して出射する波長変換部材と、
前記波長変換部材を支持するキャップと、
前記ステム及び前記キャップに接触して設けられたヒートシンクと
前記ステムに固定され、レンズを支持するホルダと、
前記ホルダの上部を前記キャップの上部に接続する取付部材と
を具備する光源装置。
【請求項2】
前記ホルダは前記ステムの側面に固定された請求項に記載の光源装置。
【請求項3】
前記ホルダは前記ステムの上面に固定された請求項に記載の光源装置。
【請求項4】
前記ステムは前記ヒートシンクに埋込まれている請求項1に記載の光源装置。
【請求項5】
さらに、前記キャップに接触して設けられた冷却部材を具備する請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
請求項1〜のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置の出射光を所定方向に投影する投影光学ユニットと
を具備する照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばレーザ光を利用した光源装置及びこれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザダイオード(LD)素子を利用した光源装置においては、蛍光体を含む波長変換部材を設け、レーザ光の一部を吸収して波長変換し、波長変換された光と波長変換されない光とを混色して混色光たとえば疑似白色光を出射する。特に、LD素子は発光ダイオード(LED)素子に比較して光密度が大きいので、LD素子の発光部のサイズを小さくして高輝度にできる。従って、レンズの小型化もでき、この結果、光源装置も小型化できる。他方、レーザ光の波長変換部材の発熱量も大きくなり、従って、波長変換部材の熱密度が大きくなり、波長変換部材の放熱効率が低下する。波長変換部材の放熱効率が低下すると、波長変換部材の波長変換効率が低下して発光波長が変化し、白色光の色度が変化する。
【0003】
図6は第1の従来の光源装置を示す(参照:特許文献1)。
【0004】
図6においては、LD素子101がステム102に搭載され、窓部103aを有する封止キャップ103によって封止されている。ステム102に設けられたホルダ104はレンズ105と共に波長変換部材106を支持する。この場合、波長変換部材106は保持部材107によってホルダ104の上部に固定される。108は外部リード端子である。図6の光源装置においては、LD素子101からの熱は放熱経路P101に沿ってステム102へ伝播し、他方、波長変換部材106からの熱は放熱経路P102に沿って保持部材107及びホルダ104を介してステム102へ伝播する。
【0005】
図7は第2の従来の光源装置を示す(参照:特許文献2)。
【0006】
図7においては、LD素子201がステム202に搭載され、封止キャップ203によって封止されている。ステム202に設けられたホルダ204はレンズ205を支持する。他方、ステム202のホルダ204の外側に設けられたキャップ207は波長変換部材206を支持する。208は外部リード端子である。図7の光源装置においては、LD素子201からの熱は放熱経路P201に沿ってステム202へ伝播し、他方、波長変換部材206からの熱は放熱経路P202に沿ってキャップ207を介してステム202へ伝播する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−165834号公報
【特許文献2】特許5233172号公報(特開2008−305936号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の図6に示す第1の従来の光源装置においては、ホルダ104は、ニッケル、コバルト、鉄、真鍮、ステンレス、ニッケル/鉄合金、鉄/ニッケル/コバルト合金(コバール)等よりなり、その熱伝導率が比較的低い。たとえば、ステム102のSPCと溶接可能、波長変換部材106との熱膨張係数差が小さい等の理由から、ホルダ104の材料としてコバールが選択される。この場合、ホルダ104のコバールの熱伝導率は17W/m・Kと低く、従って、放熱経路P102の熱抵抗が大きくなる。また、ステム102は、SPC、銅、真鍮、タングステン、アルミニウム、銅/タングステン合金等よりなり、たとえば、SPCの熱伝導率は50W/m・K程度と小さい。しかも、封止キャップ103がステム102の上面の大部分を占有しているので、ステム102とホルダ104との接触面積も小さい。この結果、たとえば、空冷放熱の場合、熱伝導率97〜200W/m・K程度のアルミニウム合金よりなるヒートシンクをステム102の底部に接続すると、ホルダ104とヒートシンクとの間のステム102の熱抵抗は大きくなる。このように、ホルダ104の放熱経路P101の熱抵抗及びステム102の熱抵抗が大きいので、波長変換部材106の温度が上昇し、従って、波長変換効率が低下して白色光の色度が変化するという課題がある。
【0009】
さらに、上述の図6に示す第1の従来の光源装置においては、LD素子101のステム102までの放熱経路P101と波長変換部材106のステム102までの放熱経路P102とは別経路であるが、放熱経路P101と放熱経路P102とはステム102によって間接的に繋がっている。従って、LD素子101を高出力とした場合、波長変換部材106で発生する熱量が増大し、その熱は放熱経路P102及びステム102内の放熱経路P103を経てLD素子101に向い、LD素子101の放熱経路P101の熱と干渉し合い、LD素子101の放熱効果を低下させるという課題もある。
【0010】
他方、上述の図7に示す第2の従来の光源装置においても、キャップ207の熱伝導率が比較的小さい。従って、放熱経路P202の熱抵抗が大きくなる。また、ステム202の熱伝導率も小さい。しかも、ステム202の上面は広くなっているもののキャップ207との接触面積も小さい。この結果、たとえば、空冷放熱の場合、熱伝導率97〜200W/m・K程度のアルミニウム合金よりなるヒートシンクをステム202の底部に接続すると、キャップ207とヒートシンクとの間のステム202の熱抵抗は大きくなる。このように、キャップ207の放熱経路P202の熱抵抗及びステム202の熱抵抗が大きいので、波長変換部材206の温度が上昇し、従って、波長変換効率が低下して白色光の色度が変化するという課題がある。
【0011】
さらに、上述の図7に示す第2の従来の光源装置においても、LD素子201のステム202までの放熱経路P201と波長変換部材206のステム202までの放熱経路P202とは別経路であるが、放熱経路P201と放熱経路P202とはステム202によって間接的に繋がっている。従って、LD素子201を高出力とした場合、波長変換部材206で発生する熱量が増大し、その熱は放熱経路P202及びステム202内の放熱経路P203を経てLD素子201へ伝播し、LD素子201の放熱経路P201の熱と干渉し合い、LD素子201の放熱効果を低下させるという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明に係る光源装置は、半導体発光素子と、半導体発光素子を搭載するステムと、半導体発光素子からの光の一部を波長変換し残りの光と混色して出射する波長変換部材と、波長変換部材を支持するキャップと、ステム及びキャップに接触して設けられたヒートシンクと、ステムに固定され、レンズを支持するホルダと、ホルダの上部をキャップの上部に接続する取付部材とを具備するものである。これにより、半導体発光素子からステムを介してヒートシンクへ到る放熱経路と波長変換部材からキャップを介してヒートシンクへ到る放熱経路とはほとんど干渉しない。また、波長変換部材から発生した熱は、熱伝導率の高い部材から構成されかつ一体で成形されたキャップによりヒートシンクへ到るので、放熱経路の熱抵抗が小さい。
【0013】
また、本発明に係る照明装置は、上述の光源装置と、光源装置の出射光を所定方向に投影する投影光学ユニットとを具備するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、半導体発光素子の放熱経路と波長変換部材の放熱経路とはほとんど干渉しないので、波長変換部材の放熱効率を向上できる。また、波長変換部材の放熱経路の熱抵抗を小さくすることができ、放熱性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る光源装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。
図2図1の光源装置の断面図である。
図3図2の波長変換部材及び保持部材の詳細を示す断面図である。
図4A図2の光源装置の第1の変更例を示す断面図である。
図4B図2の光源装置の第2の変更例を示す断面図である。
図4C図2の光源装置の第3の変更例を示す断面図である。
図5】本発明に係る光源装置の第2の実施の形態を示す断面図である。
図6】第1の従来の光源装置を示す断面図である。
図7】第2の従来の光源装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明に係る光源装置の第1の実施の形態を示す斜視図、図2図1の光源装置の断面図である。
【0017】
図1図2においては、LD素子1がステム2に搭載され、ステム2の側面に接触して設けられたホルダ3はレンズ4を支持する。ステム2はヒートシンク5のプレート部51に接触している。ヒートシンク5は、プレート部51に加えて、ザグリ部52aを設けたベース部52及びフィン部53よりなる。他方、ヒートシンク5のプレート部51に設けられたキャップ6は保持部材8を介して波長変換部材7を支持する。キャップ6は上部61、脚部62及び土台部63を一体に構成しており、この場合、土台部63を広くしてキャップ6とヒートシンク5との接触面積を大きくする。また、図1に示すごとく、キャップ6は円形の一部を切り落とした形成をなしている。これは、光源装置を複数個近接して配置した場合に、波長変換部材7の間の距離を小さくするためである。しかし、キャップ6はホルダ3の軸回りを360°囲む形状にしてもよい。ホルダ3とキャップ6の上部61との間は取付部材9によって接着剤または圧入を用いて固定される。取付部材9はホルダ3の中心とキャップ6の中心とを合致させる調整機構を果たしている。
【0018】
ヒートシンク5のベース部52のザグリ部52aには、給電基板10が収容され、給電基板10とステム2との間には、リード端子11が接続される。
【0019】
ステム2は、SPC(熱伝導率は50W/m・K)、銅、真鍮、タングステン、アルミニウム、銅/タングステン合金等よりなり、ステム2の熱伝導率は小さい。
【0020】
ホルダ3及び取付部材9は、ニッケル、コバルト、鉄、真鍮、ステンレス(SUS)(熱伝導率16W/m・K)、ニッケル/鉄合金、鉄/ニッケル/コバルト合金(コバール)(熱伝導率17W/m・K)等よりなり、やはり、ホルダ3及び取付部材9の熱伝導率は小さい。
【0021】
ヒートシンク5及びキャップ6は、アルミニウム(熱伝導率140W/m・K)、銅(熱伝導率390W/m・K)等よりなり、ヒートシンク5及びキャップ6の熱伝導率は大きい。
【0022】
図3図2の波長変換部材7及び保持部材8の詳細を示す断面図である。
【0023】
波長変換部材7は、蛍光体層71、拡散板72及び金属反射層73を有する。蛍光体層71はたとえばYAG蛍光体を酸化アルミニウムに分散したYAGセラミック焼結体である。拡散板72はアルミナ等の光散乱粒子を含む透光性材料(ガラス)等よりなる。金属反射層73は高反射率のアルミニウム等よりなる。レーザ光Lは金属反射層73の開口から入射し、拡散板72によって拡散され、蛍光体層71の全体に亘って入射する。この場合、拡散板72によって拡散されて蛍光体層71と反対方向に向かった光は金属反射層73によって反射されて蛍光体層71に再び向かうことになる。
【0024】
他方、保持部材8は、サブマウント81、内側スリーブ82、外側スリーブ83及び内側スリーブ82と外側スリーブ83との間に充填された白色樹脂層84を有する。波長変換部材7と保持部材8のサブマウント81との接合はバンブ85またはAuSn接合等の金属接合によって行われる。サブマウント81は波長変換部材7を直接支持するもので、たとえばセラミックよりなる。内側スリーブ82、外側スリーブ83は白色樹脂層84を堰き止めるためのものであり、チクリ性樹脂またはガラスよりなる。白色樹脂層84はレーザ光Lの外部への漏れを防止して発光部と非発光部との輝度差を大きくする。
【0025】
波長変換部材7の蛍光体層71内で発生した熱は、放熱経路P2に沿って拡散板72から金属反射層73、バンプ85、サブマウント81、キャップ6の上部61へ伝播する。
【0026】
図2に戻ると、LD素子1からの熱は、放熱経路P1に沿ってステム2を介してヒートシンク5のプレート部51に伝播し、さらにヒートシンク5のベース部52を介してフィン部53に伝播し、対流、放射によって周囲雰囲気に放熱される。他方、波長変換部材7からの熱は、放熱経路P2を介してキャップ6の上部61に入射する。キャップ6の上部61の放熱経路P2は、2つの放熱経路P21、P22に分けられる。
放熱経路P21:キャップ6の上部61→キャップ6の脚部62→キャップ6の土台部63→ヒートシンク5のプレート部51
放熱経路P22:キャップ6の上部61→取付部材9→ホルダ3→ステム2→ヒートシンク5のプレート部51
いずれの放熱経路P21、P22の熱もヒートシンク5のベース52を介してフィン部53に伝播し、対流、放射によって周囲雰囲気に放熱される。
【0027】
放熱経路P21はステム2を介さずにヒートシンク5に通じているので、放熱経路P21の熱はステム2を介する放熱経路P1の熱とほとんど干渉しない。従って、放熱経路P21の熱はLD素子1へほとんど伝播しない。この結果、放熱経路P21の熱はLD素子1の放熱効果を低下させない。
【0028】
他方、放熱経路P22の熱は取付部材9、ホルダ3及びステム2を介してヒートシンク5に伝播する。従って、放熱経路P22の熱はLD素子1の放熱経路P1の熱と干渉してLD素子1の放熱効果を低下させる。この点から、放熱経路P22の熱抵抗はできるだけ大きい方がよい。このため、取付部材9の熱抵抗は、大きく、たとえば、上述のごとく、コバール等よりなる。この場合、放熱経路P21の熱抵抗と放熱経路P22の熱抵抗との比は多くとも0.5以下、好ましくは0.3以下である。理想的には、取付部材9は断熱部材で構成することが好ましい。
【0029】
たとえば、キャップ6の材料としてアルミニウム(熱伝導率140W/m・K)または銅(熱伝導率390W/m・K)を選択すると、サイズ、形状にも依存するが、波長変換部材7直下のキャップ6の上部61からヒートシンク5のプレート部51上部までつまり放熱経路P21の熱抵抗は約3〜6℃/Wである。これに対し、ホルダ3及び取付部材9の材料を、レンズ4と溶接可能、熱膨張率差が小さいという理由からSUS(熱伝導率16W/m・K)またはコバール(熱伝導率17W/m・K)を選択すると、サイズ、形状にも依存するが、波長変換部材7直下のキャップ6の上部61から取付部材9及びホルダ3を介してヒートシンク5のプレート部51の上部までつまり放熱経路P22の熱抵抗は約20〜30℃/Wである。この場合、放熱経路P21の熱抵抗/放熱経路P22の熱抵抗は0.1〜0.3となる。このように、熱抵抗が小さい放熱経路P21によって波長変換部材7の温度を著しく低くすることができる。
【0030】
図4A図2の光源装置の第1の変更例を示す。図4Aにおいては、ホルダ3をステム2の上面に設けてある。図2のホルダ3とステム2の側面との接合部の機械的強度に比較して図4Aのホルダ3とステム2の上面との接合部の機械的強度は劣る。しかし、ホルダ3は取付部材9によってキャップ6の上部61に固定されているので、図4Aのホルダ3とステム2の上面との接合部の機械的強度で十分である。さらに、図4Aの光源装置においては、キャップ6の直径DAは図2のキャップ6の直径Dより小さくなり、従って、図4Aの放熱経路P21は図2の放熱経路P21より短くなり、図4Aの放熱経路P22は図2の放熱経路P22より短くなる。この結果、図4Aの放熱経路P21の熱抵抗は小さくなり、従って、波長変換部材7の温度をさらに低下させることができる。さらに、光源装置を小型化できる。
【0031】
図4B図2の光源装置の第2の変更例を示す。図4Bにおいては、図4Aのステム2をヒートシンク5のプレート部51の段差51aに埋込んである。これにより、図4Bのキャップ6の高さHBは図4Aのキャップ6の高さHAより小さくなる。従って、図4Bの放熱経路P21は図4Aの放熱経路P21より短くなる。この結果、図4Bの放熱経路P21の熱抵抗はさらに小さくなり、従って、波長変換部材7の温度をさらに低下させることができる。さらに、光源装置を小型化できる。さらにまた、ステム2とヒートシンク5のプレート部51との接触面積が増大するので、LD素子1の放熱効率を大きくできる。
【0032】
図4C図2の光源装置の第3の変更例を示す。図4Cにおいては、図4Aのステム2をヒートシンク5のプレート部51の開口51bに埋込んである。プレート部51の開口51bの場合、ステム2とプレート部51との接触面積が減少するが、プレート部51の段差51aより開口51bの方が加工し易い。図4Bの場合と同様に、図4Cのキャップ6の高さHCは図4Aのキャップ6の高さHAより小さくなる。従って、図4Cの放熱経路P21は図4Aの放熱経路P21より短くなる。この結果、図4Cの放熱経路P21の熱抵抗はさらに小さくなり、従って、波長変換部材7の温度をさらに低下させることができる。さらに、光源装置を小型化できる。
【0033】
図5は本発明に係る光源装置の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0034】
図5においては、図2の構成要素に、冷却部材13をキャップ6の上部61に付加してある。これにより、波長変換部材7からの熱は放熱経路P21を伝播する際に、その一部は冷却部材13にも伝播する。従って、波長変換部材7の温度をさらに低下させることができる。尚、冷却部材13はキャップ6の上部61の形状に合わせて脚部61の全周または一部に設けられる。
【0035】
尚、上述の光源装置を投影光学ユニットと組合わせることにより種々の照明装置を構成することができる。たとえば、プロジェクタ型、リフレクタ型の車両用前照灯を構成することができる。
【0036】
また、本発明はLD素子以外の半導体発光素子たとえば高輝度のLED素子にも適用できる。
【0037】
さらに、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲内のいかなる変更にも適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は車両用前照灯以外の車両用灯具及び一般照明の照明装置に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
1:LD素子
2:ステム
3:ホルダ
4:レンズ
5:ヒートシンク
51:プレート部
51a:段差
51b:開口
52:ベース部
52a:ザグリ部
53:フィン部
6:キャップ
61:上部
62:脚部
63:土台部
7:波長変換部材
71:蛍光体層
72:拡散板
73:金属反射層
8:保持部材
81:サブマウント
82:内側スリーブ
83:外側スリーブ
84:白色樹脂層
9:取付部材
10:給電基板
11:リード端子
13:冷却部材
P1、P2、P21、P22:放熱経路
101:LD素子
102:ステム
103:封止キャップ
103a:窓部
104:ホルダ
105:レンズ
106:波長変換部材
107:保持部材
108:外部リード端子
P11、P12、P13:放熱経路
201:LD素子
202:ステム
203:封止キャップ
204:ホルダ
205:レンズ
206:波長変換部材
207:キャップ
208:外部リード端子
P21、P22、P23:放熱経路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7