特許第6560904号(P6560904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560904
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】両軸受リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/0155 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   A01K89/0155
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-107019(P2015-107019)
(22)【出願日】2015年5月27日
(65)【公開番号】特開2016-220549(P2016-220549A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】新妻 翔
(72)【発明者】
【氏名】生田 剛
(72)【発明者】
【氏名】武智 邦生
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 卓司
(72)【発明者】
【氏名】平岡 宏一
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−242676(JP,A)
【文献】 特開2001−224286(JP,A)
【文献】 特開昭57−022637(JP,A)
【文献】 実開昭61−022474(JP,U)
【文献】 特開2009−124942(JP,A)
【文献】 特開2003−339283(JP,A)
【文献】 特開2016−077174(JP,A)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2009−0011532(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/00−89/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リール本体部及び第2リール本体部を有するリール本体と、
前記第1リール本体部に取り付けられるハンドルと、
前記第1リール本体部と前記第2リール本体部との間に配置されるスプールと、
前記スプールと一体的に回転するスプール軸と、
前記スプール軸の軸方向から押圧され、当該押圧によって生じる摩擦力によって前記スプール軸の回転を制動する摩擦材と、
前記第2リール本体部内において前記スプール軸周りに回転可能に配置され、前記第2リール本体部の径方向の外周面から一部が露出する操作部材と、
を備え、
前記スプール軸の軸方向から押圧され、当該押圧によって生じる前記摩擦材による制動力は、前記操作部材を回転させることによって調整される、
両軸受リール。
【請求項2】
前記操作部材は、
外周面に歯車部を有し、前記スプール軸周りに回転可能に配置された回転部材と、
前記回転部材の歯車部と噛み合い、前記第2リール本体部外周面から一部が露出する歯車部材と、
を有する、
請求項1に記載の両軸受リール。
【請求項3】
前記回転部材は、軸方向において第2リール本体部と螺合する、
請求項2に記載の両軸受リール。
【請求項4】
前記操作部材は、
前記スプール軸周りに回転可能に配置される回転部と、
前記回転部から径方向外側に延び、前記第2リール本体部の外周面から一部が露出するレバー部と、
を有する、
請求項1に記載の両軸受リール。
【請求項5】
前記回転部は、軸方向において、第2リール本体部と螺合する、
請求項4に記載の両軸受リール。
【請求項6】
前記摩擦材によって制動される外輪、及び前記スプール軸の糸繰り出し方向の回転を前記外輪に伝達する転動体、を有するワンウェイクラッチをさらに備える、
請求項1から5のいずれかに記載の両軸受リール。
【請求項7】
前記摩擦材は、軸方向において、前記外輪と前記操作部材とによって挟持される、
請求項6に記載の両軸受リール。
【請求項8】
第1リール本体部及び第2リール本体部を有するリール本体と、
前記第1リール本体部に取り付けられるハンドルと、
前記第1リール本体部と前記第2リール本体部との間に配置されるスプールと、
前記スプールと一体的に回転するスプール軸と、
摩擦力によって前記スプール軸の回転を制動する摩擦材と、
前記第2リール本体部内において前記スプール軸周りに回転可能に配置され、前記第2リール本体部の外周面から一部が露出する操作部材と、
前記摩擦材によって制動される外輪、及び前記スプール軸の糸繰り出し方向の回転を前記外輪に伝達する転動体、を有するワンウェイクラッチと、
を備え、
前記摩擦材による制動力は、前記操作部材を回転させることによって調整される、
両軸受リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両軸受リールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
両軸受リールは、一般的に、キャスティングコントロール機構を備えている。キャスティングコントロール機構は、スプール軸に摩擦力を掛けることによってスプール軸の回転を制動する機構である。これによって、糸繰り出し時のスプール軸の回転速度を抑え、バックラッシュを防止する。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の両軸受リールでは、ハンドルが取り付けられた第1リール本体部に操作レバーも取り付けられている。この操作レバーを揺動させることによって、スプール軸の回転に対する制動力を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−275861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような両軸受リールでは、パーミングしながら操作レバーを操作することができない。そこで、本発明の課題は、パーミングしながら操作部材を操作することのできる両軸受リールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある側面に係る両軸受リールは、リール本体と、ハンドルと、スプールと、スプール軸と、摩擦材と、操作部材とを備える。リール本体は、第1リール本体部及び第2リール本体部を有する。ハンドルは、第1リール本体部に取り付けられる。スプールは、第1リール本体部と第2リール本体部との間に配置される。スプール軸は、スプールと一体的に回転する。摩擦材は、摩擦力によってスプール軸の回転を制動する。操作部材は、第2リール本体部内においてスプール軸周りに回転可能に配置される。また、操作部材は、第2リール本体部の外周面から一部が露出する。摩擦材による制動力は、操作部材を回転させることによって調整される。
【0007】
この構成によれば、操作部材は第2リール本体部の外周面から一部が露出しているため、パーミングしながらこの露出した操作部材を操作することができる。
【0008】
好ましくは、操作部材は、回転部材と、歯車部材とを有する。回転部材は、スプール軸周りに回転可能に配置されている。また、回転部材は、外周面に歯車部を有する。歯車部材は、回転部材の歯車部と噛み合い、第2リール本体部外周面から一部が露出する。
【0009】
好ましくは、回転部材は、軸方向において第2リール本体部と螺合する。
【0010】
好ましくは、操作部材は、回転部と、レバー部とを有する。回転部は、スプール軸周りに回転可能に配置される。レバー部は、回転部から径方向外側に延びる。また、レバー部は、第2リール本体部の外周面から一部が露出する。
【0011】
好ましくは、回転部は、軸方向において、第2リール本体部と螺合する。
【0012】
好ましくは、両軸受リールは、第2リール本体部内においてスプール軸に取り付けられるワンウェイクラッチをさらに備える。ワンウェイクラッチは、外輪、及び転動体を有する。外輪は、摩擦材によって制動される。転動体は、スプール軸の糸繰り出し方向の回転を外輪に伝達する。摩擦材は、摩擦力によって外輪の回転を制動する。
【0013】
この構成によれば、スプール軸が糸繰り出し方向に回転すると、スプール軸の回転が転動体を介して外輪に伝達される。すなわち、スプール軸と外輪とが連動して回転する。外輪は摩擦材によって制動されているため、スプール軸も制動される。この結果、糸繰り出し時のスプール軸の回転速度が抑えられ、バックラッシュが防止される。一方、スプール軸が糸巻き取り方向に回転すると、スプール軸の回転は外輪に伝達されない。すなわち、スプール軸と外輪とは互いに連動して回転しないため、スプール軸は制動されない。このため、糸巻取り時においてスプール軸に回転抵抗が発生することを抑制することができ、スプール軸はスムーズに回転することができる。
【0014】
好ましくは、摩擦材は、軸方向において、外輪と操作部材とによって挟持される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、パーミングしながら操作部材を操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】両軸受リールの正面図。
図2】両軸受リールの断面図。
図3】両軸受リールの側面図。
図4】変形例に係る両軸受リールの側面図。
図5】変形例に係る両軸受リールの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る両軸受リールの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、軸方向とは、スプール軸の延びる方向を示す。また、径方向とはスプール軸を中心とした円の径方向を示し、周方向とはスプール軸を中心とした円の周方向を示す。
【0018】
図1及び図2に示すように、両軸受リール100は、リール本体2、スプール3、スプール軸4、ワンウェイクラッチ5、及び操作部材7を備えている。また、両軸受リール100は、第1摩擦材8、第2摩擦材9、及びハンドル10をさらに備えている。
【0019】
図1に示すように、リール本体2は、第1リール本体部21と第2リール本体部22とを備えている。第1リール本体部21と第2リール本体部22とは、軸方向に互いに間隔をあけて配置されている。第1リール本体部21と第2リール本体部22とは、複数の連結部23を介して互いに連結されている。
【0020】
第1リール本体部21は、第1側板21a及び第1カバー21bを有している。第1リール本体部21は、内部に収容空間を有している。この収容空間内に、ハンドル10の回転をスプール軸4に伝達するように構成された回転伝達機構(図示省略)などが収容されている。第2リール本体部22は、第2側板22a及び第2カバー22bを有している。第1側板21aと第2側板22aとは、連結部23を介して、互いに連結されている。この第1側板21aと第2側板22aと連結部23とは、一体的に形成されており、リール本体2のフレームを構成している。
【0021】
図2に示すように、第2リール本体部22は、その内部に取付部24をさらに有する。取付部24は、円筒状であって、軸方向に延びている。詳細には、取付部24は、第2カバー22bから軸方向内側に延びている。取付部24の外周面には雄ネジ部が形成されている。後述する回転部材71が、この取付部24と螺合する。取付部24は、軸受部材12を収容している。取付部24は、軸受部材12を介して、スプール軸4を回転可能に支持している。
【0022】
図1に示すように、リール本体2は、釣竿装着部25をさらに有している。釣竿装着部25は、装着面25aを有する。両軸受リール100が釣竿に装着されたときに、装着面25aは釣竿と接触する。この装着面25aが向く方向を、以下、「下方」という。また、装着面25aが向く方向と反対の方向を「上方」と言う。
【0023】
スプール3は、第1リール本体部21と第2リール本体部22との間に配置されている。詳細には、スプール3は、略円筒状であって軸方向に延びている。スプール3は、リール本体2に対して回転可能である。スプール3は、スプール軸4を介してリール本体2に回転可能に支持されている。
【0024】
スプール軸4は、スプール3と一体的に回転する。スプール軸4は、第1リール本体部21と第2リール本体部22とによって回転可能に支持されている。なお、スプール軸4は、軸受部材12を介して、第1リール本体部21及び第2リール本体部22に回転可能に支持されている。
【0025】
図2に示すように、ワンウェイクラッチ5は、第2リール本体部22内において、スプール軸4に取り付けられる。ワンウェイクラッチ5は、外輪51、及び複数の転動体52を有している。外輪51は、リール本体2に対して回転可能である。詳細には、外輪51は、取付部24及び回転部材71に対して回転可能である。外輪51は、回転部材71の内周面と隙間をあけて配置される。
【0026】
外輪51は、第1摩擦材8及び第2摩擦材9によって制動されている。詳細には、外輪51は、軸方向において、第1摩擦材8と第2摩擦材9とによって挟持されている。すなわち、第1及び第2摩擦材8,9の摩擦力によって、外輪51の回転が制動されている。
【0027】
転動体52は、スプール軸4と外輪51との間に配置されている。転動体52は、スプール軸4の糸繰り出し方向の回転を外輪51に伝達する。一方、転動体52は、スプール軸4の糸巻き取り方向の回転を外輪51に伝達しない。
【0028】
第1及び第2摩擦材8,9は、摩擦力によってスプール軸4の回転を制動する。詳細には、第1及び第2摩擦材8,9は、摩擦力によって外輪51の回転を制動することによって、スプール軸4の糸繰り出し方向の回転を間接的に制動する。第1及び第2摩擦材8,9は、軸方向において外輪51を挟持している。
【0029】
第1摩擦材8は環状であり、スプール軸4が第1摩擦材8を貫通している。第1摩擦材8は、軸方向において、ワンウェイクラッチ5の外輪51と操作部材7とによって挟持されている。詳細には、第1摩擦材8の一方面は、ワンウェイクラッチ5の外輪51と接触している。なお、第1摩擦材8は、ワンウェイクラッチ5の転動体52とは接触していない。また、第1摩擦材8の他方面は、操作部材7における回転部材71の円板部71bと接触している。第1摩擦材8は、例えば、カーボンクロス製である。
【0030】
第2摩擦材9は環状であり、スプール軸4が第2摩擦材9を貫通している。第2摩擦材9は、軸方向において、取付部24とワンウェイクラッチ5の外輪51とによって挟持されている。詳細には、第2摩擦材9の一方面は、取付部24に接触している。また、第2摩擦材9の他方面は、ワンウェイクラッチ5の外輪51と接触している。なお、第摩擦材は、ワンウェイクラッチ5の転動体52とは接触していない。第2摩擦材9は、例えば、カーボンクロス製である。
【0031】
操作部材7は、第2リール本体部22内に配置されている。操作部材7の一部は、第2リール本体部22の外周面から露出している。操作部材7は、スプール軸4を中心に回転可能である。この操作部材7を回転させると、第1及び第2摩擦材8,9による外輪51に対する制動力が調整される。
【0032】
詳細には、操作部材7は、回転部材71と、歯車部材72とを有している。回転部材71は、スプール軸4周りに回転可能に取り付けられている。なお、回転部材71は、スプール軸4と相対的に回転する。また、回転部材71は、ワンウェイクラッチ5の外輪51と相対的に回転する。
【0033】
回転部材71は、外周面に歯車部71aを有している。また、回転部材71は、略円筒状であり、円板部71bと円筒部71cとを有している。円板部71bは、中央に貫通孔を有しており、この貫通孔を介してスプール軸4が円板部71bを貫通している。
【0034】
円筒部71cは、円板部71bの外周縁から軸方向に延びている。詳細には、円筒部71cは、取付部24に向かって延びている。円筒部71cは、大径部と小径部とを有しているが特にこの形状に限定されない。この円筒部71cの外周面に、歯車部71aが形成されている。円筒部71c内には、ワンウェイクラッチ5が配置されている。また、円筒部71cの内周面には雌ネジ部が形成されている。この円筒部71cの雌ネジ部が、取付部24の雄ネジ部と螺合する。このため、回転部材71は回転すると軸方向に移動する。
【0035】
歯車部材72は、回転部材71の歯車部71aと噛み合う。歯車部材72の一部が、第2リール本体部22の外周面から露出している。詳細には、図3に示すように、歯車部材72の一部が、第2リール本体部22の外周面から、前方且つ下方向に向かって露出している。歯車部材72は、第2リール本体部22に回転可能に取り付けられている。なお、前方とは、釣糸を繰り出す方向を言う。また、後方とは、釣糸を繰り出す方向と反対の方向を言う。
【0036】
図2に示すように、歯車部材72の露出した部分を操作して歯車部材72を回転させると、回転部材71も回転する。回転部材71は取付部24と螺合しているため、回転部材71が回転すると軸方向に移動する。回転部材71が軸方向に移動することによって第1摩擦材8を外輪51へと押圧する力を調節することができる。すなわち、第1摩擦材8による制動力は、操作部材7を回転させることによって調整される。
【0037】
図1に示すように、ハンドル10は、第1リール本体部21に取り付けられている。ハンドル10が回転すると、回転伝達機構を介してスプール軸4が回転する。
【0038】
次に、両軸受リール100の動作について説明する。釣り糸をスプール3から繰り出すキャスティング時には、スプール軸4は糸繰り出し方向に回転する。このスプール軸4の糸繰り出し方向の回転は、ワンウェイクラッチ5の転動体52を介して外輪51に伝達され、外輪51が回転する。外輪51の回転は第1摩擦材8の摩擦力によって制動されているため、外輪51の回転速度が抑えられる。外輪51とスプール軸4とは連動しているため、糸繰り出し時のスプール軸4も制動されて回転速度が抑えられ、バックラッシュが防止される。
【0039】
このスプール軸4に対する制動力は、操作部材7を回転させることによって調整される。詳細には、歯車部材72を回転させると、回転部材71が軸方向に移動する。この回転部材71の移動によって、第1摩擦材8が外輪51を押圧する力が調整される。この結果、第1摩擦材8と外輪51との間の摩擦力が調整され、ひいては、第1摩擦材8によるスプール軸4に対する制動力が調整される。このように、操作部材7を回転させることによって、第1摩擦材8によるスプール軸4に対する制動力を調整することができる。また、操作部材7の一部、すなわち歯車部材72の一部が第2リール本体部22の外周面から露出しているため、パーミングしながら操作部材7を操作することができる。
【0040】
釣り糸を巻き取るとき、スプール軸4は糸巻き取り方向に回転する。転動体52は、このスプール軸4の糸巻き取り方向の回転を外輪51に伝達しない。すなわち、スプール軸4と外輪51とは連動せず、第1摩擦材8による制動力がスプール軸4に作用しない。したがって、糸巻き取り時には、第1摩擦材8による回転抵抗がスプール軸4に生じず、スプール軸4はスムーズに回転することができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0042】
変形例1
操作部材7の一部が第2リール本体部22の外周面から露出する位置を変更することができる。例えば、図4に示すように、操作部材7の一部は、後方且つ上方向を向くように、第2リール本体部22の外周面から露出していてもよい。
【0043】
変形例2
第1摩擦材8は、ワンウェイクラッチ5を介してスプール軸4の回転を制動していたが、ワンウェイクラッチ5を省略してスプール軸4の回転を直接制動してもよい。
【0044】
変形例3
上記実施形態では、操作部材7は、回転部材71と歯車部材72とを有していたが、操作部材7の構成はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、操作部材7は、回転部73とレバー部74とを有している。回転部73は、上記実施形態の回転部材71と異なり外周面に歯車部71aを有していないが、それ以外は上記実施形態の回転部材71と実質的に同じ構成である。具体的には、回転部73は、スプール軸4周りに回転可能に配置されている。また、回転部73は、取付部24と螺合している。回転部73は、第1摩擦材8を介して、外輪51を押圧している。
【0045】
レバー部74は、回転部73から径方向に延びている。そして、レバー部74の一部が、第2リール本体部22の外周面から露出している。レバー部74は、回転部73と一体的に形成されている。レバー部74を揺動させることによって、回転部73がスプール軸4周りに回転する。この結果、回転部73が軸方向に移動し、第1摩擦材8によるスプール軸4に対する制動力が調整される。
【符号の説明】
【0046】
2 リール本体
21 第1リール本体部
22 第2リール本体部
3 スプール
4 スプール軸
5 ワンウェイクラッチ
51 外輪
52 転動体
7 操作部材
71 回転部材
72 歯車部材
73 回転部
74 レバー部
8 第1摩擦材
10 ハンドル
100 両軸受リール
図1
図2
図3
図4
図5