特許第6560963号(P6560963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6560963水素気泡体形成方法及び水素気泡体形成具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6560963
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】水素気泡体形成方法及び水素気泡体形成具
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20060101AFI20190805BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20190805BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20190805BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   C02F1/68 520B
   C02F1/68 510A
   C02F1/68 520G
   B01F3/04 Z
   A61K8/19
   A61Q19/10
   C01B3/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-220233(P2015-220233)
(22)【出願日】2015年11月10日
(65)【公開番号】特開2017-87133(P2017-87133A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】512179429
【氏名又は名称】株式会社光未来
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】張 文士
(72)【発明者】
【氏名】羅 景珍
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−113331(JP,A)
【文献】 特開2004−330011(JP,A)
【文献】 特開2005−161209(JP,A)
【文献】 特開2007−314463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0121399(US,A1)
【文献】 特開2008−100945(JP,A)
【文献】 特開2011−036750(JP,A)
【文献】 特開2015−205791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/68
A61K 8/19
A61Q 19/10
B01F 3/04
C01B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤水溶液の膜内に水素ガスを内包させた水素気泡体の形成方法であって、
水素発生剤と、
アクリレーツコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、キサンタンガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される1種または2種以上である高分子化合物及び界面活性剤からなる発泡と、
複数の貫通孔を有する水素気泡体形成容器内に配置させ前記貫通孔を上面になるように水中に投入し、前記水素気泡体形成容器内に前記発泡剤の成分の濃縮部を形成させ、この内部を前記水素発生剤で発生させた水素ガス泡を通過させて前記水素ガス泡の水界面に沿って前記発泡の成分を与えることを特徴とする水素気泡体形成方法。
【請求項2】
前記発泡は水溶性セル内に収容されて水中に配置されることを特徴とする請求項1記載の水素気泡体形成方法。
【請求項3】
前記水溶性セルは水中で破膜するまでの時間の異なる複数の膜厚を有する水溶性セルからなることを特徴とする請求項2記載の水素気泡体形成方法。
【請求項4】
前記水素発生剤は水素ガス泡を水中に分散生成させるメッシュ体内に収容されて水中に配置されることを特徴とする請求項2記載の水素気泡体形成方法。
【請求項5】
界面活性剤水溶液の膜内に水素ガスを内包させた水素気泡体を形成させる水素気泡体形成具であって、
水素発生剤を収容したメッシュ体と、
アクリレーツコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、キサンタンガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される1種または2種以上である高分子化合物及び界面活性剤からなる発泡を収容した水溶性セルと、
複数の貫通孔を有する水素気泡体形成容器内に配置させ
前記貫通孔を上面になるように水中に投入したときに、前記水素気泡体形成容器内に前記発泡剤の成分の濃縮部を形成させ、この内部を前記水素発生剤で発生させた水素ガス泡を通過させて前記水素ガス泡の水界面に沿って前記発泡の成分を与え水素気泡体を形成させることを特徴とする水素気泡体形成具。
【請求項6】
前記水溶性セルは水中で破膜するまでの時間の異なる複数の膜厚を有する水溶性セルからなることを特徴とする請求項5記載の水素気泡体形成具。
【請求項7】
前記水溶性セルの下部に前記メッシュ体を配置することを特徴とする請求項5記載の水素気泡体形成具。
【請求項8】
前記水素気泡体形成容器はカバー部材を含み、記複数の貫通孔は前記カバー部材に形成されていることを特徴とする請求項5乃至7のうちの1つに記載の水素気泡体形成具。
【請求項9】
前記水素発生剤は、マグネシウム、カルシウム、黒曜石、トルマリン、抗菌砂及び風化サンゴからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項5記載の水素気泡体形成具。
【請求項10】
前記界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項5記載の水素気泡体形成具。
【請求項11】
前記サポニンは、ムクロジ、サピンヅストリホリアツス、サイカチ、アンマロク、アカシアコンシナ、桔梗、ジャノヒゲ、ヒロハセネガ及びキラヤからなる群から選択される1種または2種以上であるであることを特徴とする請求項10記載の水素気泡体形成具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤水溶液の膜内に水素ガスを内包させた水素気泡体の形成方法及びこのための水素気泡体形成具に関し、特に、水素の発生と同時又は直後に水素をこれに内包化して安定的に保持できる水素気泡体の形成方法及びこのための水素気泡体形成具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水やお茶といった飲料に水素(水素ガス)を充填した清涼飲料水などが販売されている。これは、液体に充填させた水素を摂取することにより、人間の体内に存在する活性酸素を還元させることを目的としている。
【0003】
活性酸素は、クエン酸サイクルでATP(アデノシン三リン酸)を作り出す時に重要な役割を果たすなど、生命維持に必須であるとともに、体内へ侵入してきた異物を排除する役割も担っていることが判ってきている。また、生体内の反応などで用いられなかった活性酸素は、通常、細胞内に存在する酵素によって分解される。しかしながら、すべての活性酸素が酵素によって分解されるわけではなく、余剰の活性酸素が分解されずに存在することになる。その結果、余剰の活性酸素により細胞が損傷され、癌や生活習慣病等の疾病、及び老化などを招来する原因となり、余剰の活性酸素を排除することが健康維持のために求められている。
【0004】
そこで、近年、かかる余剰の活性酸素を排除する物質として水素が用いられている。水素は、その分子量がきわめて小さいために身体内に吸収されやすく、さらに水素が活性酸素と反応すると水に変化するもので、安全性が高いなどの理由を有するからである。また、数多い活性酸素の中でも特にヒドロキシラジカルのみを選んで還元し、身体に有用な活性酸素に影響を与えないからである。
【0005】
上記のとおり、水素の摂取は、病気予防や健康増進といった有用な効果を奏する。そのため、水素を発生させて飲料や入浴剤等に活用する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、飲料水とマグネシウム粒を反応させて水素ガスを発生させ飲料水に水素を豊富に含む水素豊富水に変えるようにした水素豊富水生成方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、区画された部屋を有するマグネシウム、又はステンレス製等の金属素材で形成された多数の透孔を有する容器本体と、この容器本体に嵌合されるマグネシウム、又はステンレス製等の金属素材で形成された蓋体と、マグネシウム、黒曜石、トルマリン、抗菌砂、風化サンゴ等の粒状素材の少なくとも一種又は数種を混合した粒子を不織布の袋に充填して構成した前記容器本体の部屋に収められる水素水発生体とで構成した風呂用の水素水発生装置が開示されている。
【0007】
また、溶存水素の劣化防止技術として、例えば、特許文献3には、液体を収容可能な容器、前記容器の内部に配置された、下方から上昇してくる気体の上昇を規制する部材、前記容器の内部又は近傍に配置された反応槽、前記反応槽の内部に配置された水素発生手段、及び、前記反応槽の内部上方と前記容器の内部下方とを連通する連通管、を有する、水素水製造装置が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−41949号公報
【特許文献2】特開2004−330011号公報
【特許文献3】特開2013−128882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1及び2記載の技術は、マグネシウム等と反応させることで水素を発生することはできるが、水素分子が非常に小さいために水中に比較的容易に溶ける反面、すぐに揮発してしまい、高濃度の水素を保持することは難しいものであった。また、特許文献3記載の技術は、大掛かりな部品や装置を必要とするため、日常生活で飲料や入浴剤として気軽に水素を発生・保持させることはできないものであった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決し、水素の発生と同時又は直後に水素を内包化して安定的に保持できる水素気泡の内包方法及び水素気泡内包剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水素を発生直後に特定の物質に内包することによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明による水素気泡体の形成方法は、界面活性剤水溶液の膜内に水素ガスを内包させた水素気泡体の形成方法であって、水素発生剤と、高分子化合物及び界面活性剤からなる発泡材と、を水中に投入し、前記水素発生剤で発生させた水素ガス泡の水界面に沿って前記発泡材の成分を与えることを特徴とする。
【0013】
かかる発明によれば、水素を発生直後に界面活性剤水溶液の膜内に内包させて安定的に保持できるのである。
【0014】
上記した発明において、前記発泡材は水溶性セル内に収容されて水中に配置され、水中に前記発泡剤の成分の濃縮部を形成させるとともにこれに前記水素ガス泡を与えることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素を発生直後に界面活性剤水溶液の膜内に内包させてより安定的に保持できるのである。
【0015】
上記した発明において、前記水溶性セルは水中で破膜するまでの時間の異なる複数の膜厚を有する水溶性セルからなることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素を発生直後に界面活性剤水溶液の膜内に確実に内包させてより安定的に保持できるのである。
【0016】
上記した発明において、前記水素発生剤は水素ガス泡を水中に分散生成させるメッシュ体内に収容されて水中に配置されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素を発生直後により細かい水素ガス泡にしつつ界面活性剤水溶液の膜内に内包させてより安定的に保持できるのである。
【0017】
更に、本発明の水素気泡体形成具によれば、界面活性剤水溶液の膜内に水素ガスを内包させた水素気泡体を形成させる水素気泡体形成具であって、水素発生剤を収容したメッシュ体と、高分子化合物及び界面活性剤からなる発泡材を収容した水溶性セルと、を含み、水中に投入し前記水素発生剤で発生させた水素ガス泡の水界面に沿って前記発泡材の成分を与え水素気泡体を形成させることを特徴とする。
【0018】
かかる発明によれば、水素を発生直後に界面活性剤水溶液の膜内に内包させて安定的に保持できるのである。
【0019】
上記した発明において、前記水溶性セルは水中で破膜するまでの時間の異なる複数の膜厚を有する水溶性セルからなることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素を発生直後に界面活性剤水溶液の膜内に確実に内包させてより安定的に保持できるのである。
【0020】
上記した発明において、前記水溶性セルの下部に前記メッシュ体を配置することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素を発生直後に界面活性剤水溶液の膜内に確実に内包させてより安定的に保持できるのである。
【0021】
上記した発明において、前記水溶性セル及び前記メッシュ体は、複数の貫通孔を有するカバー部材の下部に配置されていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素を発生直後に界面活性剤水溶液の膜内に確実に内包させるとともに、水素気泡体の気泡径を一定化し、水中でより安定的に保持できるのである。
【0022】
上記した発明において、前記水素発生剤は、マグネシウム、カルシウム、黒曜石、トルマリン、抗菌砂及び風化サンゴからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴としてもよい。
【0023】
上記した発明において、前記界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴としてもよい。
【0024】
上記した発明において、前記サポニンは、ムクロジ、サピンヅストリホリアツス、サイカチ、アンマロク、アカシアコンシナ、桔梗、ジャノヒゲ、ヒロハセネガ及びキラヤからなる群から選択される1種または2種以上であるであることを特徴としてもよい。
【0025】
上記した発明において、前記高分子化合物は、アクリレーツコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、キサンタンガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による水素気泡体形成方法を示す図である。
図2】本発明による水素気泡体形成方法における水素ガス泡を示す図である。
図3】本発明による水素気泡体形成方法に用いられる発泡材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の1つの実施例としての水素気泡体形成方法及び水素気泡体形成具について図1乃至3を用いて詳細に説明する。
【0028】
図1に示すように、水槽10に水12が貯留されている。ここで、水槽10は、例えば浴槽とし得て、他の目的においては適時、容器として変更し得る。水12内には、水素気泡体形成具が配置される。水素気泡体形成具は、複数の貫通孔を有するカバー部材21を上面に備える水素気泡体形成容器20とその内部に配置される水素発生剤5及び発泡剤6からなる。
【0029】
水素発生剤5は、発生する水素ガスが充満しないようにメッシュ体としての不織布袋5a内に収容されている。このように、水素発生剤5を不織布袋5aなどのメッシュ体内に収容させることで発生した水素ガス泡1をより細かくできる。また、発泡剤6は、後述する界面活性剤及び高分子化合物からなる群から選択される1種または2種以上の成分を有し、不織布袋5aの上部に配置されている。発泡剤6は、適宜、香料や色素などを含み得る。なお、発泡剤6は必ずしも不織布袋5aの上部に収容されている必要はなく、例えば不織布袋5aの内部に水素発生剤5とともに収容させることもできる。
【0030】
水素気泡体形成具を水12内に沈降させて水槽10内に配置すると、水素発生剤5から水素ガス泡1が発生し、発泡剤6によって、水素気泡体形成容器20内に発泡剤濃縮域6aが形成される。発泡剤濃縮域6aは、不織布袋5aの上部に形成され、水中を上昇してくる水素ガス泡1をその内部に通過させる。
【0031】
図2を併せて参照すると、水中に発生した水素ガス泡1を発泡剤濃縮域6aに通過させることで、水素ガス泡1の水界面に沿って発泡剤6の成分を与えて、水素気泡2を形成させる。つまり、水素ガス泡1の発生と同時又は直後に水素気泡2を形成させる。水素気泡2は、水中を上昇しつつカバー部材21の貫通孔を通過し、かかる貫通孔によりその気泡径を一定化されてさらに上昇する。水面に到達した水素気泡2は、水素ガスを発泡剤6の成分に内包させたシャボン玉様の水素気泡体2aとなり、発泡剤6の界面活性剤により表面張力を低下させて安定的に水面上に保持できる。これにより、水素気泡体2aを安定的に保持できるだけでなく、水素ガスの揮発を防止して水12内により多くの水素を溶解させ得る。
【0032】
なお、「内包」とは、水素ガスを界面活性剤及び高分子化合物からなる発泡剤6の成分で被って中に閉じこめる状態である。
【0033】
以上のようにすることで、大掛かりな部材や装置が必要なく、水素発生剤5と、発泡剤6をいっしょに水に添加や配合することで、発生直後の水素ガス泡1の水界面に沿って発泡剤6の成分を与えることができる。
【0034】
さらに、発泡剤6の成分で水素ガス泡1を内包することにより、水素ガスを簡単に安定に内包し水への水素の見かけの溶解量を増大させるだけでなく、飲料等の食品や入浴剤等の化粧料等として、容易に水素を放出できる。また、香料や色素を含ませることで、水素ガスの効果に併せ、他の精神的及び視覚的効果を与えることも出来て好ましい。
【0035】
ここで、上記した界面活性剤としては本発明の効果が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレート等)、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等)、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(プロピレングリコールモノステアレート等)、サポニン、レシチン(レシチン、酵素分解レシチン(フォスファチジン酸)、リゾレシチン、ダイズレシチン(ダイズリン脂質)、卵黄レシチン等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20、Tween20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80、Tween80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60、Tween60)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(ポリソルベート65、Tween65)等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、有機酸モノグリセライド(酢酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、乳酸モノグリセリド)、モノ・ジグリセリド)、ポリグリセリン縮合(ポリ)リシノール酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム及びステアロイル乳酸カルシウム等を挙げることができるが、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
【0036】
なお、上記したサポニンとしてはその由来は特に限定されないが、ムクロジ、サピンヅストリホリアツス、サイカチ、アンマロク、アカシアコンシナ、桔梗、ジャノヒゲ、ヒロハセネガ及びキラヤからなる群から選択される1種または2種以上の植物を起源とすることが好ましい。また、ムクロジ、サピンヅストリホリアツス、サイカチ、アンマロク、アカシアコンシナ、桔梗、ジャノヒゲ、ヒロハセネガ及びキラヤからなる群から選択される1種または2種以上の植物について、サポニンを含有する状態の抽出液等で使用してもよい。
【0037】
また、上記した高分子化合物としては本発明の効果が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、アクリレーツコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸(昆布類粘質物)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン(カラゲニン、カラゲナン)、キサンタンガム(ザンサンガム)、熱処理キサンタンガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム(カロブビーンガム、イナゴマメガム)、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストラン、カードラン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、マクロホモプシスガム、納豆菌ガム(納豆菌粘質物)、スクレロガム(スクレログルカン)、ラムザンガム、ウェランガム(ウェラン多糖類)、レバン、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アゾトバクタービネランジーガム(アゾトバクタービネランジー多糖類)、アウレオバシジウム培養液、酵母細胞壁(酵母細胞膜)、β−グルカン(β1,3−グルカン、β1,3/1,6グルカン)、グァーガム(グァーフラワー、グァルガム)、グァーガム酵素分解物(グァーフラワー酵素分解物、グァルガム酵素分解物)、熱処理ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム(タマリンドガム、タマリンド種子多糖類)、セスバニアガム、カシアガム(カッシャガム)、アマシードガム、ダンマル樹脂、サバクヨモギシードガム(アルテミシアシードガム、サバクヨモギ種子多糖類)、トリアカンソスガム、サイリウムシードガム(サイリウムハスク)、アラビアガム(アカシアガム)、アラビノガラクタン、ガティガム(インディアンガム)、トラガントガム、カラヤガム、アーモンドガム(セドウガム)、エレミ樹脂、モモ樹脂、ファーセレラン、加工ユーケマ藻類、寒天、易溶化寒天、寒天部分分解物、アガロース、褐藻抽出物(褐藻粘質物)、フコイダン、フクロノリ抽出物(フクロノリ多糖類、フクロフノリ多糖類、フクロフノリ抽出物)、LMペクチン、HMペクチン、シュガービートペクチン、熱処理シュガービートペクチン、ポリガラクツロン酸、アロエベラ抽出物、オクラ抽出物、キダチアロエ抽出物、トロロアオイ、ダイズ多糖類(ダイズヘミセルロース)、キチン、キトサン、オリゴグルコサミン(キトサンオリゴ糖)、グルコサミン、コンニャク粉、グルコマンナン(コンニャクイモ抽出物)、セルロース、海藻セルロース、サツマイモセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(繊維素グリコール酸カルシウム)、発酵セルロース(醸造セルロース、ナタデココ)、微小繊維状セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンカルボキシメチルデンプン、カチオンデンプン、酢酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、リン酸デンプン、リン酸ジデンプン、グリセロールジデンプン、グラフト化デンプン、ブリティッシュガム、可溶性デンプン、未変性アルファ化デンプン、変性アルファ化デンプン、滅菌乾燥デンプン、粒状デンプン、吸油性デンプン、デキストリン、白色デキストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グリコーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、ムチン、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸等を挙げることができるが、アクリレーツコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、キサンタンガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
【0038】
また、上記した水素発生剤5としては、水素を発生する薬剤等であれば特に限定されないが、水と反応して水素を発生することが好ましく、特に、水と金属等と反応させて発生するものが好ましい。かかる金属等としては、ナトリウムやカリウム等もあるが、使用時の安全性を考慮すると、マグネシウム、カルシウム、黒曜石、トルマリン、抗菌砂及び風化サンゴからなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
【0039】
また、水素発生剤5と発泡剤6の配合量としては、本発明の効果を得られれば特に限定されないが、水素発生剤5と発泡剤6の質量比が、0.1:10〜10:0.1であることが好ましく、0.5:2〜2:0.5であることがより好ましい。質量比をかかる範囲とすることで、より安定に水素を内包することができる。
【0040】
さらに、水素発生剤5と、発泡剤6の剤型としては、本発明の効果が得られれば限定されないが、常温で、水素発生剤5と、発泡剤がともに固形剤、または水素発生剤5が固形剤で発泡剤6が液剤であることが好ましい。両成分を固形剤とすることで、水素発生剤5と、発泡剤6を、水等に容易にいっしょに添加でき、水素発生剤5による水素の発生と同時にその水素ガス泡1の水界面に沿って発泡剤6の成分を与えて、本発明の効果を確実に得ることができる。また、発泡剤6を液剤とすることで、水素の発生直後に添加することで、水素発生剤による水素の発生の直後にその水素ガス泡1の水界面に沿って発泡剤6の成分を与えて、本発明の効果を確実に得ることができる。
【0041】
特に、図3に示すように、発泡剤6をゼラチンなどのタンパク質由来の水溶性セル7内に収容しておくと、発泡剤6の成分を水12内に放出させるまでの時間を調整できて好ましい。すなわち、水12内に発泡剤6を配置してから破膜して水12内に拡散するまでの時間を調整できる。さらに、水溶性セル7の膜厚を変えて複数用意し、破膜するまでの時間を異ならせるようにし、これによって水素発生剤5から水素ガス泡1の発生する時間に合わせて同じ時間帯に発泡剤濃縮域6aを形成させるようにすることが好ましい。長時間に亘り発泡剤濃縮域6aを形成できて、より長時間に亘る使用が出来る。
【0042】
また、本発明において、用途としては、水素の効能効果が得られるものであれば特に限定されないが、飲料等の食品、入浴剤等の化粧料、医薬部外品、医薬品等を対象とすることができ、特に、飲料や入浴剤であることが好ましい。
【0043】
さらに、本発明において、飲料等の食品、化粧料、医薬部外品、医薬品等の添加対象物にあわせて、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。例えば、化粧品に添加する場合は、質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、化粧料に通常配合される成分、例えば、油性成分、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、各種ビタミン剤、キレート剤、着色剤、紫外線吸収剤、薬効成分、無機塩類等を配合することができる。
【0044】
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0045】
1 水素ガス泡
2 水素気泡
2a 水素気泡体
5 水素発生剤
5a 不織布袋
6 発泡剤
6a 発泡剤濃縮域
7 水溶性セル
10 水槽
12 水
20 水素気泡体形成容器
21 カバー部材

図1
図2
図3