(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0012】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/または電気的に接続されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることはいうまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線または有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/またはネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/または電気的に接続されているか接続されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることはいうまでもない。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0019】
図2は電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0020】
図面を参照すると、半導体パッケージは、上述のような種々の電子機器において様々な用途に適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容されており、メインボード1110には種々の部品1120が物理的及び/または電気的に接続されている。また、カメラ1130のように、メインボード1110に物理的及び/または電気的に接続されているか接続されていない他の部品が本体1101内に収容されている。部品1120の一部はチップ関連部品であることができ、半導体パッケージ100は、例えば、そのうちアプリケーションプロセッサであることができるが、これに限定されるものではない。電子機器が必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0021】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップには、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割をすることはできず、外部からの物理的または化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0022】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的接続という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的に、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールより著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま取り付けることは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0023】
このようなパッケージング技術により製造される半導体パッケージは、構造及び用途によって、ファン−イン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファン−アウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)とに区分されることができる。
【0024】
以下では、図面を参照して、ファン−イン半導体パッケージとファン−アウト半導体についてより詳細に説明する。
【0025】
(ファン−イン半導体パッケージ)
図3はファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示した断面図である。
【0026】
図4はファン−イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示した断面図である。
【0027】
図面を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜または窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、電子機器のメインボードなどは勿論、中間レベルの印刷回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0028】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて接続部材2240を形成する。接続部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、配線パターン2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、接続部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、接続部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン−イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0029】
このように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン−イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン−イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0030】
しかしながら、ファン−イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン−イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。これは、再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔を有するわけではないためである。
【0031】
図5はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0032】
図6はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0033】
図面を参照すると、ファン−イン半導体パッケージ2200は、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がインターポーザ基板2301によりさらに再配線され、最終的には、インターポーザ基板2301上にファン−イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装されることができる。この際、半田ボール2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側はモールディング材2290などで覆われることができる。または、ファン−イン半導体パッケージ2200は、別のインターポーザ基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよく、内蔵された状態で、インターポーザ基板2302により半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がさらに再配線され、最終的に電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0034】
このように、ファン−イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のインターポーザ基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、またはインターポーザ基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0035】
(ファン−アウト半導体パッケージ)
図7はファン−アウト半導体パッケージの概略的な形態を示した断面図である。
【0036】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が接続部材2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、接続部材2140上にはパッシベーション層2150がさらに形成されることができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160がさらに形成されることができる。アンダーバンプ金属層2160上には半田ボール2170がさらに形成されることができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。接続部材2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に接続するビア2143と、を含むことができる。
【0037】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された接続部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された接続部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、電子機器のメインボードに別のインターポーザ基板がなくても実装されることができる。
【0038】
図8はファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0039】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は半田ボール2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装されることができる。すなわち、上述のように、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン−アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる接続部材2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のインターポーザ基板などがなくても電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0040】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、別のインターポーザ基板がなくても電子機器のメインボードに実装されることができるため、インターポーザ基板を用いるファン−イン半導体パッケージに比べてその厚さを薄く実現することができて、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、印刷回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0041】
一方、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部からの衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものであり、これとはスケール、用途などが異なって、ファン−イン半導体パッケージが内蔵されるインターポーザ基板などの印刷回路基板(PCB)とは異なる概念である。
【0042】
以下では、信頼性が向上したファン−アウト半導体パッケージについて図面を参照して説明する。
【0043】
図9はファン−アウト半導体パッケージの一例を概略的に示した断面図である。
【0044】
図10は
図9のファン−アウト半導体パッケージの概略的なI−I'切断平面図である。
【0045】
図面を参照すると、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、貫通孔110Hを有する第1接続部材110と、第1接続部材110の貫通孔110Hに配置され、接続パッド122が配置された活性面及び活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップ120と、第1接続部材110及び半導体チップ120の非活性面の少なくとも一部を封止する封止材130と、第1接続部材110及び半導体チップ120の活性面上に配置された第2接続部材140と、第2接続部材140上に配置されたパッシベーション層150と、パッシベーション層150の開口部151上に形成されたアンダーバンプ金属層160と、アンダーバンプ金属層160上に形成された接続端子170と、を含む。この際、パッシベーション層150は、第2接続部材140の絶縁層141より弾性係数(elastic modulus)が大きくてもよい。パッシベーション層150及び第2接続部材140の絶縁層141がそれぞれ無機フィラー及び絶縁樹脂を含む場合、パッシベーション層150に含まれた無機フィラーの重量パーセントが、第2接続部材140の絶縁層141に含まれた無機フィラーの重量パーセントより大きくてもよい。
【0046】
近年、半導体パッケージにおける主な課題は、上述のように、パッケージを電子機器のメインボードなどに実装した時に、十分な信頼性を有するか否かということである。すなわち、半導体チップの接続パッドへのビアの整合信頼性、及びそれらと接続された再配線層における接続信頼性を確保するために、多くの努力が払われている。一般に、半導体パッケージは再配線層の外側にパッシベーション層をさらに形成するが、この際、パッシベーション層の材料として、再配線層の絶縁層の材料、すなわち、感光性樹脂と類似の物性を有する半田レジストが用いられている。しかし、この場合、半導体パッケージを電子機器のメインボードなどに実装する場合、メインボードから伝達される応力がそのまま半導体パッケージに伝達されるため、上述の信頼性を確保することが困難である。
【0047】
これに対し、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、パッシベーション層150の材料として特定条件を満たす材料を用いることで、上述の信頼性を容易に確保することができる。具体的に、パッシベーション層150は、第2接続部材140の絶縁層141より弾性係数が大きくてもよいため、パッシベーション層150にかかる応力が高くなることができる。絶縁層141でなくパッシベーション層150に応力が集中される場合、絶縁層141内において信頼性の問題が発生し得る領域C、例えば、半導体チップの接続パッドへのビア143の接合部位及び再配線層142の絶縁層141との接合部位などでの信頼性を容易に確保することができる。弾性係数(Elastic Modulus)は、応力と変形との比を意味し、測定方法としては、例えば、JIS C−6481、KS M 3001、KS M 527−3、ASTM D882などに明示された標準引張試験により測定することができる。また、パッシベーション層150及び第2接続部材140の絶縁層141がそれぞれ無機フィラー及び絶縁樹脂を含む場合、パッシベーション層150に含まれた無機フィラーの重量パーセントが、第2接続部材140の絶縁層141に含まれた無機フィラーの重量パーセントより大きくてもよい。この場合にも、パッシベーション層150にかかる応力が高くなることができ、信頼性を容易に確保することができる。
【0048】
一方、パッシベーション層150の厚さt2は、10μm以上、例えば、10〜30μm程度であることができる。メインボードから発生した応力が接続端子170を介して一次的に伝達されるパッシベーション層150の厚さt2が厚いほど、パッシベーション層150にかかる応力を低減することができる。さらに、耐クラック性を増加させることができる。すなわち、パッシベーション層150が厚さt2が10μm以上である場合には、より優れた信頼性を確保することができる。応力集中のために、パッシベーション層150の厚さt2は、第2接続部材140の絶縁層141の厚さt1より厚くてもよい。厚さt2はパッシベーション層150の硬化後の厚さを意味し、通常の厚さ測定装置を用いて測定することができる。
【0049】
また、パッシベーション層150の表面粗さ(Ra)は、1nm以上、例えば、1〜1000nm程度であることができる。最外層に形成される第2接続部材140の再配線層142はパッシベーション層150と接する。この際、パッシベーション層150の表面粗さが少なくとも1nm以上である場合、パッシベーション層150と再配線層142との密着力が十分となって、パッシベーション層150にかかる応力を十分に低減することができる。尚、初期クラック(Initial Crack)の発生を防止することができる。すなわち、パッシベーション層150の表面粗さが少なくとも1nm以上である場合にも、より優れた信頼性を確保することができ、厚さが10μm以上である場合にも、より優れた信頼性を確保することができる。表面粗さは、公知の方法、例えば、CZ(キュービックジルコニア)を用いた表面処理により行うことができるが、パッシベーション層150の全ての表面がこのような表面粗さを有する必要はなく、第2接続部材140の再配線層142と接する面がこのような表面粗さを有すれば十分である。なお、表面粗さも、通常の粗さ測定装置を用いて測定することができる。
【0050】
また、パッシベーション層150の水分吸収率は1.5%以下、例えば、0.5〜1.5%程度であることができる。パッケージ100Aの最外側に形成されたパッシベーション層150の水分吸収率が低いほど、パッケージ100Aの内部に水分などが侵透することを効果的に防止することができ、その結果、パッケージ100Aの内部の構成要素間の密着力の低下を防止することができる。また、絶縁層141やパッシベーション層150などの物性の低下も防止することができる。また、パッケージ100Aの内部の構成要素間の界面蒸気圧の発生も防止することができる。すなわち、パッシベーション層150の水分吸収率が1.5%以下である場合にも、より優れた信頼性を確保することができる。水分吸収率が1.5%以下であるとともに、厚さが10μm以上であって、表面粗さが1nm以上である場合には、さらに優れた信頼性を確保することができる。水分吸収率は公知の方法により測定することができる。
【0051】
また、パッシベーション層150は、弾性係数と熱膨張係数を乗じた値が230GPa・ppm/℃以下、例えば、130〜230GPa・ppm/℃程度であることができる。パッシベーション層150の弾性係数と熱膨張係数を乗じた値が大きくなるほど、パッシベーション層150にかかる応力が高くなることができる。熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion:CTE)は、熱機械分析器(TMA)や動的機械分析器(DMA)などで測定することができる。
【0052】
以下、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0053】
第1接続部材110は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線させる再配線層112a、112bを含むことで、第2接続部材140の層数を減少させることができる。必要に応じて、具体的な材料に応じてパッケージ100Aの剛性を維持させることができ、封止材130の厚さ均一性を確保するなどの役割を担うことができる。場合に応じて、第1接続部材110により、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aがパッケージオンパッケージ(Package on Package)の一部として用いられることができる。第1接続部材110は貫通孔110Hを有する。貫通孔110H内には、半導体チップ120が第1接続部材110と所定距離離隔されるように配置される。半導体チップ120の側面の周囲は第1接続部材110により囲まれることができる。但し、これは一例に過ぎず、他の形態に多様に変形されることができ、その形態に応じて他の機能を担うことができる。
【0054】
第1接続部材110は、第2接続部材140と接する絶縁層111と、第2接続部材140と接して絶縁層111に埋め込まれた第1再配線層112aと、絶縁層111の第1再配線層112aが埋め込まれた側の反対側上に配置された第2再配線層112bと、を含む。第1接続部材110は、絶縁層111を貫通して第1及び第2再配線層112a、112bを電気的に接続するビア113を含む。第1及び第2再配線層112a、112bは接続パッド122と電気的に接続される。第1再配線層112aを絶縁層111内に埋め込む場合、第1再配線層112aの厚さによって発生する段差が最小化されることで、第2接続部材140の絶縁距離が一定になる。すなわち、第2接続部材140の再配線層142から絶縁層111の下面までの距離と、第2接続部材140の再配線層142から接続パッド122までの距離との差は、第1再配線層112aの厚さより小さい。したがって、第2接続部材140の高密度配線設計が容易であるという利点がある。
【0055】
絶縁層111の材料は特に限定されず、例えば、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれら樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などが用いられることができる。必要に応じて、感光性絶縁(Photo Imagable Dielectric:PID)樹脂を用いてもよい。
【0056】
再配線層112a、112bは、半導体チップ120の接続パッド122を再配線する役割を担うものであって、形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。再配線層112a、112bは、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を担うことができる。例えば、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、接続端子パッドなどを含む。制限されない一例として、再配線層112a、112bの全てがグランドパターンを含むことができ、この場合、第2接続部材140の再配線層142にグランドパターンを最小化して形成することができるため、配線の設計自由度が向上することができる。
【0057】
再配線層112a、112bのうち、封止材130に形成された開口部131を介して露出した一部の再配線層112bには、必要に応じて表面処理層(不図示)がさらに形成されることができる。表面処理層(不図示)は、公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASLなどにより形成されることができる。
【0058】
ビア113は、互いに異なる層に形成された再配線層112a、112bを電気的に接続させ、その結果、第1接続部材110内に電気的経路を形成する。ビア113の形成物質としても導電性物質を用いることができる。ビア113は、
図10に示したように、導電性物質で完全に充填されていてもよく、または導電性物質がビアホールの壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、テーパ状だけでなく、円筒状など公知の全ての形状が適用されることができる。一方、後述の工程から分かるように、ビア113のための孔を形成する時に、第1再配線層112aの一部のパッドがストッパー(stopper)の役割を担うことができるため、ビア113は、上面の幅が下面の幅より大きいテーパ状を有することが工程上有利である。この場合、ビア113は第2再配線層112bの一部と一体化されることができる。
【0059】
半導体チップ120は、数百〜数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化されている集積回路(Intergrated Circuit:IC)であることができる。集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップであることができるが、これに限定されるものではない。半導体チップ120は、活性ウェハーをベースとして形成されることができ、この場合、本体121をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。本体121には様々な回路が形成されていることができる。接続パッド122は、半導体チップ120を他の構成要素と電気的に接続させるためのものであって、その形成物質としては、アルミニウム(Al)などの導電性物質を特に制限せずに用いることができる。本体121上には接続パッド122を露出させるパッシベーション膜123が形成されることができる。パッシベーション膜123は、酸化膜または窒化膜などであってもよく、または酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。パッシベーション膜123により、接続パッド122の下面は封止材130の下面と段差を有することができ、その結果、封止材130が接続パッド122の下面へブリードすることをある程度防止することができる。その他の必要な位置に、絶縁膜(不図示)などがさらに配置されてもよい。
【0060】
半導体チップ120の非活性面は、第1接続部材110の第2再配線層112bの上面より下方に位置することができる。例えば、半導体チップ120の非活性面は、第1接続部材110の絶縁層111の上面より下方に位置することができる。半導体チップ120の非活性面と第1接続部材110の第2再配線層112bの上面との高さの差は2μm以上、例えば、5μm以上であることができる。この場合、半導体チップ120の非活性面の角で発生するクラックを効果的に防止することができる。また、封止材130を適用する場合における、半導体チップ120の非活性面上の絶縁距離のばらつきを最小化することができる。
【0061】
封止材130は第1接続部材110及び/または半導体チップ120を保護することができる。封止形態は特に制限されず、第1接続部材110及び/または半導体チップ120の少なくとも一部を囲む形態であればよい。例えば、封止材130は第1接続部材110及び半導体チップ120の非活性面を覆うことができ、貫通孔110Hの壁面と半導体チップ120の側面との間の空間を満たすことができる。また、封止材130は、半導体チップ120のパッシベーション膜123と第2接続部材140との間の空間の少なくとも一部を満たすこともできる。一方、封止材130が貫通孔110Hを満たすことで、具体的な物質に応じて、接着剤の役割を担うとともに、バックリングを減少させることができる。
【0062】
封止材130の具体的な物質としては特に限定されず、例えば、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む材料、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらに無機フィラーなどの補強材が含まれた樹脂、具体的には、ABF、FR−4、BT、PID樹脂などが用いられることができる。また、EMCなどの公知のモールディング物質を用いてもよいことはいうまでもない。必要に応じて、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された材料を用いてもよい。
【0063】
封止材130は、複数の物質からなる複数の層で構成されることができる。例えば、貫通孔110H内の空間を第1封止材で満たし、その後、第1接続部材110及び半導体チップ120を第2封止材で覆うことができる。または、第1封止材を用いて貫通孔110H内の空間を満たすとともに、所定の厚さで第1接続部材110及び半導体チップ120を覆って、その後、第1封止材上を第2封止材を用いて所定の厚さでさらに覆う形態でもよい。この他にも、様々な形態に応用されることができる。
【0064】
封止材130には、電磁波遮断のために、必要に応じて導電性粒子が含まれることができる。導電性粒子としては、電磁波遮断が可能なものであればいかなるものでも用いることができ、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pd)、チタン(Ti)、半田(solder)などで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、特にこれに限定されるものではない。
【0065】
第2接続部材140は半導体チップ120の接続パッド122を再配線するための構成である。第2接続部材140により、様々な機能を有する数十〜数百個の接続パッド122が再配線されることができ、後述する接続端子170を介して、その機能に応じて外部に物理的及び/または電気的に接続されることができる。第2接続部材140は、絶縁層141と、絶縁層141上に配置された再配線層142と、絶縁層141を貫通して再配線層142を接続するビア143と、を含む。一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aでは第2接続部材140が単層で構成されているが、複数の層で構成されてもよい。
【0066】
絶縁層141の物質としては絶縁物質を用いることができる。この際、絶縁物質としては、上述のような絶縁物質の他にも、PID樹脂などの感光性絶縁物質を用いることもできる。すなわち、絶縁層141は感光性絶縁層であることができる。絶縁層141が感光性の性質を有する場合、絶縁層141をより薄く形成することができ、ビア143のファインピッチをより容易に達成することができる。絶縁層141は、絶縁樹脂及び無機フィラーを含む感光性絶縁層であることができる。絶縁層141が多層で構成される場合、これらの物質は互いに同一であってもよく、必要に応じては互いに異なってもよい。絶縁層141が多層で構成される場合、これらは工程によって一体化され、その境界が不明確であってもよい。
【0067】
再配線層142は、実質的に接続パッド122を再配線する役割を担うものであって、形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。再配線層142は、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を担うことができる。例えば、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含む。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、接続端子パッドなどを含む。
【0068】
露出した再配線層142には、必要に応じて表面処理層(不図示)が形成されることができる。表面処理層(不図示)は、当該技術分野において公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASLなどにより形成されることができる。
【0069】
ビア143は、互いに異なる層に形成された再配線層142、接続パッド122などを電気的に接続させ、その結果、パッケージ100A内に電気的経路を形成する。ビア143の形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。ビア143は、導電性物質で完全に充填されていてもよく、または導電性物質がビアの壁に沿って形成されたものであってもよい。また、その形状としては、テーパ状、円筒状など当該技術分野において公知の全ての形状が適用されることができる。
【0070】
第1接続部材110の再配線層112a、112bの厚さは、第2接続部材140の再配線層142の厚さより厚くてもよい。第1接続部材110は、半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、これに形成される再配線層112a、112bも、そのスケールに応じてより大きいサイズに形成することができる。これに対し、第2接続部材140の薄型化のために、第2接続部材140の再配線層142は第1接続部材110の再配線層112a、112bに比べて相対的に小さく形成することができる。
【0071】
パッシベーション層150は、第2接続部材140を外部からの物理的、化学的損傷などから保護するための構成である。パッシベーション層150は、第2接続部材140の再配線層142の少なくとも一部を露出させる複数の孔で構成された開口部151を有する。この開口部は、パッシベーション層150に数十〜数千個形成されることができる。
【0072】
パッシベーション層150の材料としては、第2接続部材140の絶縁層141より弾性係数が大きい物質を用いる。例えば、ガラス繊維(Glass Cloth、Glass Fabric)は含まないが、無機フィラー及び絶縁樹脂を含むABF(Ajinomoto Build−up Film)などを用いることができる。ABFなどを用いる場合、パッシベーション層150に含まれた無機フィラーの重量パーセントは、第2接続部材140の絶縁層141に含まれた無機フィラーの重量パーセントより大きくてもよい。このような条件とする際に、信頼性を向上させることができる。パッシベーション層150としてABFなどを用いる場合、パッシベーション層150は無機フィラーを含む非感光性絶縁層であることができ、信頼性の向上に効果的であるが、これに限定されるものではない。
【0073】
アンダーバンプ金属層160は付加的な構成であって、接続端子170の接続信頼性を向上させ、その結果、パッケージ100Aのボードレベル信頼性を改善させる。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部151を介して露出した第2接続部材140の再配線層142と接続される。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部151に、公知の導電性物質、すなわち、金属を用いて公知のメタル化(Metallization)方法により形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0074】
接続端子170は、ファン−アウト半導体パッケージ100Aを外部と物理的及び/または電気的に接続させるための付加的な構成である。例えば、ファン−アウト半導体パッケージ100Aは接続端子170を介して電子機器のメインボードに実装されることができる。接続端子170は、導電性物質、例えば、半田(solder)などで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。接続端子170は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などであることができる。接続端子170は多重層または単一層からなることができる。多重層からなる場合には、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層からなる場合には、スズ−銀半田や銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0075】
接続端子170の数、間隔、配置形態などは特に限定されず、通常の技術者であれば、設計事項に応じて十分に変形可能である。例えば、接続端子170の数は、半導体チップ120の接続パッド122の数に応じて数十〜数千個であることができ、それ以上またはそれ以下の数を有してもよい。接続端子170が半田ボールである場合、接続端子170はアンダーバンプ金属層160のパッシベーション層150の一面上に延びて形成された側面を覆うことができ、さらに優れた接続信頼性を有することができる。
【0076】
接続端子170の少なくとも一つはファン−アウト領域に配置される。ファン−アウト領域とは、半導体チップ120が配置されている領域を外れた領域を意味する。すなわち、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aはファン−アウトパッケージである。ファン−アウト(fan−out)パッケージは、ファン−イン(fan−in)パッケージに比べて優れた信頼性を有し、多数のI/O端子が実現可能であって、3D接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージなどに比べて、別の基板なしに電子機器に実装可能であるため、パッケージの厚さを薄く製造することができ、価格競争力に優れる。
【0077】
図面に示していないが、必要に応じて、第1接続部材110の貫通孔110Hの内壁に金属層がさらに配置されることができる。すなわち、半導体チップ120の側面の周囲が金属層により囲まれることもできる。金属層により、半導体チップ120から発生する熱をパッケージ100Aの上部及び/または下部に効果的に放出させることができ、効果的な電磁波遮蔽が可能である。また、必要に応じて、第1接続部材110の貫通孔110H内に複数の半導体チップが配置されもよく、第1接続部材110の貫通孔110Hが複数個であって、それぞれの貫通孔内に半導体チップが配置されてもよい。また、半導体チップの他に、別の受動部品、例えば、コンデンサー、インダクタなどがともに貫通孔110H内に封止されることができる。また、パッシベーション層150上に、接続端子170と実質的に同一レベルに位置するように表面実装部品が実装されてもよい。
【0078】
図11は
図9のファン−アウト半導体パッケージのパッシベーション層の開口部及びアンダーバンプ金属層の変形例を概略的に示した断面図である。
【0079】
図面を参照すると、パッシベーション層150の開口部151が複数の孔で構成されることができる。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150上に形成された外部接続パッド162と、パッシベーション層150の複数の孔で構成された開口部151に形成され、外部接続パッド162と第2接続部材140の再配線層142とを接続する複数のビア161a、161b、161c、161dと、を含むことができる。この場合、複数のビア161a、161b、161c、161dにより応力を分散させることができる。さらに、複数のビア161a、161b、161c、161dにより金属部分(Metal Portion)が高くなることで、応力に対する十分な耐性を確保することができる。その結果、上述のボードレベル信頼性の問題が改善されることができる。複数のビア161a、161b、161c、161dはパッシベーション層150の開口部を構成する複数の孔を完全に満たしてもよく、場合に応じて、それぞれの孔の壁面に沿って一部のみを満たしてもよい。外部接続パッド162は、複数のビア161a、161b、161c、161d上に形成され、パッシベーション層150の表面に延びることができる。
【0080】
アンダーバンプ金属層160は、材料の観点から、露出した再配線層142、開口部を構成する複数の孔の壁面、及びパッシベーション層の表面に形成された第1導体層160aと、第1導体層160a上に形成された第2導体層160bと、を含むことができる。第1導体層160aはシード層の役割を担うことができ、第2導体層160bは実質的なアンダーバンプ金属層160の役割を担うことができる。第1及び第2導体層160a、160bは公知の導電性物質を含むことができ、好ましくは、それぞれ無電解銅及び電解銅を含むことができる。第1導体層160aはシード層の役割を担うため、厚さが非常に薄くてもよい。したがって、第2導体層160bより厚さが薄くてもよい。
【0081】
外部接続パッド162の表面には、複数のビア161a、161b、161c、161dにそれぞれ対応して形成された複数のディンプルが、複数のビア161a、161b、161c、161dの内部にまで至るように形成されることができる。その結果、信頼性をさらに向上させることができる。
【0082】
図12は
図9のファン−アウト半導体パッケージのパッシベーション層の開口部及びアンダーバンプ金属層の他の変形例を概略的に示した断面図である。
【0083】
図面を参照すると、パッシベーション層150の開口部151がさらに多くの複数の孔で構成されることができる。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150上に形成された外部接続パッド162と、パッシベーション層150のさらに多くの複数の孔で構成された開口部151に形成され、外部接続パッド162と第2接続部材140の再配線層142とを接続するさらに多くの複数のビア161a〜161iを含むことができる。すなわち、ビアの数は特に限定されない。その他の説明は上述の説明と実質的に同一である。
【0084】
図13はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0085】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Bは、封止材130上に配置された補強層181をさらに含む。補強層181は、例えば、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む、例えば、ABFであることができるが、これに限定されるものではない。場合に応じて、補強層181の組成はパッシベーション層150の組成と同一であることができる。この場合、対称効果により、反りの制御がさらに有利である。補強層181は封止材130より弾性係数が大きくてもよい。補強層181に含まれた無機フィラーの重量パーセントは、封止材130に含まれた無機フィラーの重量パーセントより大きくてもよい。この場合、補強層181は封止材130より熱膨張係数が小さくてもよい。また、半導体チップ120の非活性面を基準点としたときに、補強層181の厚さは封止材130の厚さより大きくてもよい。この補強層181を導入することで、ファン−アウト半導体パッケージ100Bの反りを改善することができる。補強層181は硬化された状態で封止材130に付着されることができ、したがって、封止材130と接する面が平らであることができる。補強層181には、第1接続部材110の第2再配線層112bの少なくとも一部を露出させる開口部182が形成されることができ、開口部182はマーキング(Marking)などとして用いられることができる。その他の構成については、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0086】
図14はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0087】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Cは、封止材130上に配置された補強層183をさらに含み、この際、補強層183は、芯材、無機フィラー及び絶縁樹脂を含むことができる。この補強層183は、例えば、アンクラッド銅張積層板(Unclad CCL)であることができる。硬化収縮のないアンクラッド銅張積層板は、封止材130の硬化収縮時にパッケージ100Cを保持することができる。この際、補強層183は芯材を含むため、弾性係数が相対的に大きい。すなわち、補強層183は封止材130より弾性係数が大きくてもよい。したがって、硬化収縮時に発生する半導体パッケージ100Cの反りが改善可能である。補強層183は、硬化状態で封止材130に付着されることができ、したがって、封止材130と接する面が平らであることができる。
【0088】
補強層183上には樹脂層184がさらに配置されることができる。樹脂層184は封止材130と同一または類似の組成からなることができる。例えば、無機フィラー及び絶縁樹脂を含むが、芯材は含まなくてもよい。すなわち、封止材130と同一または類似の物性のABFであることができるが、これに限定されるものではない。樹脂層184は開口部185を容易に形成するために配置される。補強層183が最外側に配置された場合には開口部185を形成しにくいが、補強層183上に樹脂層184を配置すると、開口部185を容易に形成することができる。開口部185はマーキング(Marking)などに活用されることができる。また、樹脂層184をさらに配置する場合、反りをさらに効果的に改善することができる。樹脂層184は硬化された状態で補強層183に付着されることができ、したがって、補強層183と接する面が平らであることができる。その他の構成については、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0089】
図15はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0090】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Dは、封止材130上に配置された補強層191をさらに含み、この際、補強層191は無機フィラー及び絶縁樹脂を含むことができる。但し、補強層191が未硬化状態で封止材130に付着されてから硬化されることができる。すなわち、未硬化状態のABFなどが補強層191として用いられることができる。この場合、互いに接する異種材料間の混合または境界面の移動によって、貫通孔110H内に熱膨張係数の小さい補強層191の材料が侵透することができる。したがって、封止材130のうち、第1接続部材110と半導体チップ120との間の空間を満たす領域は、補強層191で満たされたディンプル191Pを有することができる。この場合、補強層191と封止材130との密着力がさらに向上することができる。すなわち、補強層191の封止材130と接する面は平らでなくてもよい。補強層191に含まれた無機フィラーの重量パーセントは、封止材130に含まれた無機フィラーの重量パーセントより大きくてもよい。したがって、補強層191は封止材130より熱膨張係数が小さくてもよい。また、半導体チップ120の非活性面を基準点としたときに、補強層191の厚さは封止材130の厚さより大きくてもよい。この補強層191を導入することで、ファン−アウト半導体パッケージ100Dの反り(Warpage)を改善することができる。その他の構成については、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0091】
図16はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0092】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Eは、封止材130上に配置された補強層192をさらに含み、この際、補強層192は、芯材、無機フィラー及び絶縁樹脂を含むことができる。但し、補強層192が未硬化状態で封止材130に付着されてから硬化されることができる。すなわち、未硬化状態のプリプレグなどが補強層192として用いられることができる。この場合、互いに接する異種材料間の混合または境界面の移動によって、貫通孔110H内に熱膨張係数の小さい補強層192の材料が侵透することができる。すなわち、封止材130のうち、第1接続部材110と半導体チップ120との間の空間を満たす領域は、補強層192で満たされたディンプル192Pを有することができる。この場合、補強層192と封止材130との密着力がさらに向上することができる。すなわち、補強層192の封止材130と接する面は平らでない。場合に応じては、補強層192として、芯材を基準として両側に、無機フィラーの量が異なる非対称材料を用いてもよい。すなわち、未硬化状態の非対称プリプレグを用いてもよい。この際、無機フィラーの重量パーセントは、封止材130、補強層192の封止材130の側、及び補強層の封止材130の反対側の順に多くてもよい。その他の構成については、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
図17はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0094】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Fは、封止材130上に配置されたバックサイド再配線層132と、封止材130を貫通してバックサイド再配線層132と第1接続部材110の第2再配線層112bとを接続させるバックサイドビア133と、をさらに含む。また、封止材130上に配置され、バックサイド再配線層132を覆う補強層181をさらに含む。補強層181は、バックサイド再配線層132の少なくとも一部を露出させる開口部182を有することができる。バックサイド再配線層132は様々な再配線パターンとして活用されることができ、接続端子パッドなどとして活用されることもできる。場合に応じては、放熱パターン及びEMI遮蔽パターンとして活用されることもできる。バックサイド再配線層132及びバックサイドビア133は公知の導電性物質を含むことができる。補強層181は、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む、例えば、ABFであることができるが、これに限定されるものではない。補強層181に代わり、他の材料の補強層183、191、192が配置されてもよいことはいうまでもない。その他の構成については、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
図18はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0096】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Gは、第1接続部材110が、第2接続部材140と接する第1絶縁層111aと、第2接続部材140と接して第1絶縁層111aに埋め込まれた第1再配線層112aと、第1絶縁層111aの第1再配線層112aが埋め込まれた側の反対側上に配置された第2再配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第2再配線層112bを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3再配線層112cと、を含む。第1〜第3再配線層112a、112b、112cは接続パッド122と電気的に接続される。一方、図面には示していないが、第1及び第2再配線層112a、112bと第2及び第3再配線層112b、112cはそれぞれ第1及び第2絶縁層111a、111bを貫通する第1及び第2ビアを介して電気的に接続されることができる。
【0097】
第1再配線層112aが埋め込まれているため、上述のように、第2接続部材140の絶縁層141の絶縁距離が実質的に一定であることができる。第1接続部材110が多数の再配線層112a、112b、112cを含むことで、第2接続部材140をさらに簡素化することができる。したがって、第2接続部材140の形成過程で発生する不良による収率低下を改善することができる。第1再配線層112aが第1絶縁層の内部に入り込むことで、第1絶縁層111aの下面と第1再配線層112aの下面が段差を有する。その結果、封止材130を形成する時に封止材130の形成物質がブリードして第1再配線層112aを汚染させることを防止することができる。
【0098】
第1接続部材110の第1再配線層112aの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面より上側に位置することができる。また、第2接続部材140の再配線層142aと第1接続部材110の再配線層112aとの間の距離は、第2接続部材140の再配線層142aと半導体チップ120の接続パッド122との間の距離より大きくてもよい。これは、第1再配線層112aが絶縁層111の内部に入り込むことができるためである。第1接続部材110の第2再配線層112bは半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。第1接続部材110は半導体チップ120の厚さに対応する厚さに形成することができる。したがって、第1接続部材110の内部に形成された第2再配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0099】
第1接続部材110の再配線層112a、112b、112cの厚さは、第2接続部材140の再配線層142a、142bの厚さより厚くてもよい。第1接続部材110は半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、再配線層112a、112b、112cも、そのスケールに応じて大きいサイズに形成することができる。これに対し、第2接続部材140の再配線層142a、142bは、薄型化のために相対的に小さいサイズに形成することができる。
【0100】
その他の構成については、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。一方、上述の他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100B〜100Fについての説明が、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Gにも適用されることができることはいうまでもない。
【0101】
図19はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0102】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Hは、第1接続部材110が、第1絶縁層111aと、第1絶縁層111aの両面に配置された第1再配線層112a及び第2再配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第1再配線層112aを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3再配線層112cと、第1絶縁層111a上に配置され、第2再配線層112bを覆う第3絶縁層111cと、第3絶縁層111c上に配置された第4再配線層112dと、を含む。第1〜第4再配線層112a、112b、112c、112dは接続パッド122と電気的に接続される。第1接続部材110がさらに多数の再配線層112a、112b、112c、112dを含むことで、第2接続部材140をさらに簡素化することができる。したがって、第2接続部材140の形成過程で発生する不良による収率低下を改善することができる。一方、図面には示していないが、第1〜第4再配線層112a、112b、112c、112dは、第1〜第3絶縁層111a、111b、111cを貫通する第1〜第3ビアを介して電気的に接続されることができる。
【0103】
第1絶縁層111aは第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cより厚さが厚くてもよい。第1絶縁層111aは、基本的に剛性を維持するために相対的に厚いことができ、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、より多数の再配線層112c、112dを形成するために導入したものであることができる。第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cと異なる絶縁物質を含むことができる。例えば、第1絶縁層111aは、芯材、無機フィラー、及び絶縁樹脂を含む、例えば、プリプレグであり、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、無機フィラー及び絶縁樹脂を含むABFまたは感光性絶縁フィルムであることができるが、これに限定されるものではない。
【0104】
第1接続部材110の第3再配線層112cの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面より下側に位置することができる。また、第2接続部材140の再配線層142aと第1接続部材110の第3再配線層112cとの間の距離は、第2接続部材140の再配線層142aと半導体チップ120の接続パッド122との間の距離より小さくてもよい。これは、第3再配線層112cが第2絶縁層111b上に突出した形態で配置されることができ、その結果、第2接続部材140と接することができるためである。第1接続部材110の第1再配線層112a及び第2再配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。第1接続部材110は半導体チップ120の厚さに対応する厚さに形成することができ、これにより、第1接続部材110の内部に形成された第1再配線層112a及び第2再配線層112bが、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0105】
第1接続部材110の再配線層112a、112b、112c、112dの厚さは、第2接続部材140の再配線層142a、142bの厚さより厚くてもよい。第1接続部材110は半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、再配線層112a、112b、112c、112dもより大きいサイズに形成することができる。これに対し、第2接続部材140の再配線層142a、142bは、薄型化のために相対的に小さいサイズに形成することができる。
【0106】
その他の構成については、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。一方、上述の他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100B〜100Fについての説明が他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Hにも適用されることができることはいうまでもない。
【0107】
本発明において「接続される」というのは、直接的に接続された場合だけでなく、間接的に接続された場合を含む概念である。また、「電気的に接続される」というのは、物理的に接続された場合と、接続されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2等の表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/または重要度等を限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0108】
本発明で用いられた「一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例または変更例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0109】
本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。