(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記閉塞具の前記非線形遠位部の曲率が、移植中に強膜に対する圧力を維持し、前記閉塞具による脈絡膜穿通を防止又は阻止するようになされた請求項3に記載のシステム。
使用時、前記トリガーが、手動で制御され、前方位置に保持され、前記移植片の遠位端が脈絡膜上腔内の所望の場所に前進した後、後方移動で後退して、前記移植片を送達し、前記トリガーと接続された前記閉塞具は、前記トリガーの後方移動に伴って後退することにより前記脈絡膜上腔内の前記移植片の挿入し過ぎを防止する請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
毛様体筋付着部を通り脈絡膜上腔に接近するようになされてはいるものの、強膜の擦過を起こさないように、前記閉塞具の遠位先端部が丸い請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
前記再使用防止構造体が、再滅菌すると溶融して更なる使用に対して前記閉塞具のトリガーをロックするようになされた、前記トリガーの両側に配置されたホットメルト接着剤を備える請求項10に記載のシステム。
前記挿入針の前記非線形露出遠位部、前記推進チューブの前記非線形遠位部及び前記閉塞具の前記非線形遠位部がほぼ一致した曲率を有する請求項13又は14に記載のシステム。
前記再使用防止構造体が、再滅菌すると溶融して更なる使用に対して前記推進チューブトリガーをロックするようになされた、前記推進チューブトリガーの両側に配置されたホットメルト接着剤を備える請求項20に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に記載の本発明の好ましい実施形態は、一般に、眼内圧低下に関し、特に、眼内移植片を眼のぶどう膜強膜路内の脈絡膜上腔、毛様体上腔又は他の解剖学的空間に送達して、緑内障、高眼圧症及び/又は他の眼疾患を治療するシステム、装置及び方法に関する。
【0028】
以下の記述では、様々な実施形態に特有の詳細を述べるものの、その記述は、単なる説明のためのものであって、本発明を限定するものと決して解釈してはならないことを理解されたい。さらに、当業者が想起し得る本発明の様々な応用及びその改変も、本明細書に記載の一般的概念に包含される。
【0029】
図1は、眼10の関連する解剖学的特徴を示す。特徴は、前房32及び強膜38を含む。強膜38は、角膜36で覆われた部分を除いて、眼10全体を覆う厚いこう原組織である。角膜36は、光を眼の中に、瞳孔42を通して水晶体48に、集め、透過させる薄い透明な組織である。瞳孔42は、虹彩44(眼の有色部分)の中央の略円形の穴である。角膜36は、角膜輪部45と称される接合部において強膜38に合流する。毛様体46は、角膜縁領域の虹彩の外縁から脈絡膜40まで強膜38の内部に沿って延在する血管組織である。
【0030】
眼10の前房32は、前側に角膜36が結合し、後側に虹彩44及び水晶体48が結合しており、眼房水又は房水流体(本明細書では単に房水と称する場合もある)で満たされている。房水は、主に毛様体46によって産生され、後側に水晶体48、前側に虹彩44が結合した後眼房に流入する。次いで、眼房水は、一般に虹彩44と角膜36の間に形成される前房隅角50に達するまで、瞳孔42を通って前方に流れ、前房32に流入する。
【0031】
正常な眼においては、眼房水の少なくとも一部は、前房32から小柱網を通りシュレム管に流入し、その後、複数の収集管、及び血液を運ぶ静脈と合流する房水静脈を通り、全身の静脈循環に流入する。眼内圧は、上述したように眼房水の分泌と流出の複雑なバランスによって維持される。緑内障は、ほとんどの場合、眼内圧を増加させる、前房32における眼房水の過剰な蓄積を特徴とする。流体は、比較的非圧縮性であり、したがって、眼内圧は、眼10全体に比較的均一に分布する。
【0032】
脈絡膜40は、強膜38と網膜(
図1には示されていない)の間に位置する眼10の血管層である。視神経(図示せず)は、視覚情報を脳に伝え、緑内障、高眼圧症及び/又は他の眼球若しくは眼の障害によって次第に破壊される解剖構造である。
【0033】
別の既存の房水排液経路は、強膜38と脈絡膜40の間に一般に画定される空間又は領域である脈絡膜上腔34を通過する。脈絡膜上腔34は、前房隅角50を通り前房32に接する。前房32と脈絡膜上腔34の組織接続は、一般に、強膜岬62と虹彩突起64及び/又は毛様体筋66の間に一般にある線維性結合帯60を介する。毛様体筋66は、脈絡膜40の一部である。
【0034】
とりわけ、脈絡膜上移植片、送達装置、関連成分、脈絡膜上移植方法及び処置などのある種の実施形態は、その内容全体を参照により本明細書に援用する2008年9月18日に公表された米国特許出願公開第2008/0228127号に開示されている。
【0035】
<前もって形成された角膜切り込みを通して移植片を前進させる送達装置>
【0036】
図2〜4は、一部の実施形態による眼移植片120が前もって装着された移植片送達装置又はアプリケータ110の様々な図である。送達装置110は、移植片120の少なくとも一部を眼10の脈絡膜上腔34に移植するように構成される。一部の実施形態においては、送達方法は、内部からのアブ・インテルノ(ab interno)挿入処置によって実施される。一部の実施形態においては、移植片送達方法は、白内障手術などの別の眼科手術と組み合わせて実施され、移植片は、別の眼科手術と同時に形成することができる角膜又は角膜輪部における前もって形成された切り込みを通して送達される。切り込みは、縫合を要さずに素早い回復を促進する自己封着性切り込みとすることができる。一部の実施形態においては、眼移植片120は、送達装置110内に前もって装着されない(例えば、出荷時の包装で前もって装着されない)。
【0037】
移植片送達装置110は、使い捨て操作用の無菌包装で提供することができる。例えば、安全な使用を維持しながら、操作者による使用を容易にするブリスター包装と組み合わせて、二重ポリエチレン袋を無菌目的で使用することができる。
【0038】
送達装置110は、一般に、細長い構造であり、一般に、外側ハウジング及びハンドピース122、移植片保持具124(
図2A参照)、挿入スリーブ、チューブ又は針組立品126、トロカール組立品128、トロカールトリガー130、トリガー安全装置132、及び一対の再使用防止構造体134aと134bを備える。
【0039】
外側ハウジング122は、送達装置110の種々の部品を囲い、送達装置110の製作中に取り付けることができる左ハウジング部分136aと右ハウジング部分136bなどの2個のハウジング部分を備えることができる。
【0040】
外側ハウジング及びハンドピース122の選択部分は、外科医、医療操作者又は開業医による手作業を容易にする畝のある表面などを有する握り領域138aなどの人間工学的特徴を有する(同様の握り領域を右ハウジング部分136bにも設けることができる)。外側ハウジング122の様々な内部構造は、更に以下で考察するように、送達装置110の他の部品とかみ合う。
【0041】
外側ハウジング122は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、外側ハウジング122は、ガンマ線に対して安定である医療用ポリカーボネートなどの熱可塑性材料を含む。
【0042】
外側ハウジング122は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、外側ハウジング122は長さが約
142.24mmであるが、例えば、使用者の手の大きさに基づいて、別の長さを有効に利用することもできる(例えば、約
101.6mmから約
203.2mm、又はその間の任意の長さ)。
【0043】
移植片保持具124(
図2A参照)は、一般に、移植片120のほんの遠位のトロカール組立品128の遠位先端部に取り外し可能に装着された円盤形状の構造体である。移植片保持具124は、送達装置110を使用する前に除去される。移植片保持具124は、移植片120の望ましくない動きを防止し、移植片送達装置110の包装、出荷及び移動中に移植片120がトロカール組立品128の遠位先端部から滑り落ちるのを防止することができる。移植片保持具124は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、移植片保持具124は成形シリコーンを含む。
【0044】
挿入スリーブ組立品126は、一般に、挿入スリーブ140、及び挿入スリーブ140と外側ハウジング122にしっかりと取り付けられた支持部材142を備える。挿入スリーブ140は、スリーブ、チューブ又は針を含むことができる。支持部材142は、スリーブを備えることができる。挿入スリーブ140と支持部材142の各遠位部は、送達装置110の遠位先端部を越えて露出し、延在する。挿入スリーブ140と支持部材142の各近位部は、外側ハウジング122に収容される。挿入スリーブ組立品126については、後で更に詳細に考察する。
【0045】
トロカール組立品128は、一般に、閉塞具、すなわちトロカール144、及びそれに取り付けられたトロカール支持部材146を備える。トロカール支持部材146は、始動可能なトロカールトリガー130に機械的に連結され、接続され、又は取り付けられる。一実施形態においては、トロカール支持部材146は、
図2〜4に示したように、クリップである。トロカール144の大部分は、挿入スリーブ140を通って延在することができ、遠位部は、移植片120がその上にある挿入スリーブ140を越えて延在することができる。トロカール144の近位部及びトロカール支持部材146は、外側ハウジング122に収容される。トロカール組立品128については、後で更に詳細に考察する。
【0046】
トロカールトリガー130は、一般に、上部の指又は親指で始動可能な部分148、及び下部の本体部分150を備える。始動可能なトリガー部分148は、一般に、ハウジング122の上に延在し、本体部分150は、一般に、ハウジング122に収容される。トロカールトリガー130は、使用前には前方位置にあり、使用時にはトロカール144を後退させるのに利用される。トリガー本体部分150は、トロカール組立品128に機械的に連結され、接続され、又は取り付けられる。トロカールトリガー130については、後で更に詳細に考察する。
【0047】
トリガー安全装置132は、取外し可能であり、トロカールトリガー130に対して一般に後方に位置し、トロカールトリガー130と機械的に連結又は係合する。トリガー安全装置132は、同様に以下で更に考察するように、移植片送達装置110の包装、出荷及び移動中に、トロカールトリガー130の望ましくない挙動を防止する。一実施形態においては、トリガー安全装置132はクリップである。
【0048】
再使用防止構造体134a及び134bは、トロカールトリガー130の各側面、及び外側ハウジング122内に載置される。再使用防止構造体134a及び134bは、有利には、使い捨ての装置110の不正な再使用による交差汚染を防止するように、送達装置110の再使用を許さない安全機能を提供することができる。以下で更に考察するように、再使用防止構造体134a及び134bは、一実施形態においては、送達装置110の未承認の再滅菌が行われようとしたときに、溶融、溶解又は収縮若しくは消滅して、その動作が妨害されるようにトロカールトリガー130をロック又は動かなくするようになされた隅部材又は予備成形構造体である。一部の実施形態においては、ホットメルト接着剤を使用して、トリガー機構を凍結し、加圧滅菌後の使用を防止する。
【0049】
図5〜8は、一部の実施形態による眼移植片、ステント又は分路120の様々な図である。移植片120は、一般に、細長い移植片本体151及び近位移植スリーブ152を備える。移植片120及び/又は移植片本体151は、流体(例えば、房水)を前房32から脈絡膜上腔34に排出するためにそれを通して延在する管腔、チャネル、経路又は通路154と、脈絡膜上腔34における移植及び保持及び/又は安定性を促進する複数の略環状保持機能若しくは構造、リブ、リング又は固定具156とを備える。図示の実施形態においては、移植片120は、4個の保持機能を備えるが、別の数の保持機能を使用することもできる(例えば、2、3、5、6、7、8以上)。
【0050】
移植片120及び/又は移植片本体151は、さらに、スリーブ152を所定の位置に保持することができるそれぞれの遠位及び近位リブ、フランジ又は停止具158及び160を備える。さらに、近位構造体160は、移植片が挿入スリーブ140の遠位端に対して後方に移動できない寸法である。したがって、挿入スリーブ140は、移植片120を送達装置110から取り外す間、移植片120の近位端
に対して反作用を及ぼす支持チューブとして作用することができる。
【0051】
有利には、移植片120及び/又は移植片本体151は、強膜の曲率にほぼ一致した、及び/又は脈絡膜上腔34への適切な挿入を容易にする、所定の曲率及び/又は柔軟性を有する。一部の実施形態においては、移植片120の曲率は、移植中、強膜への圧力を維持し、「アンダーステア」及び/又は脈絡膜穿通を防止するように設定される。一部の実施形態においては、移植片の曲率は眼の直径よりも大きい(例えば、
25.4mmを超える)。管腔154は、ある実施形態によれば、流体(例えば、房水)を前房32から脈絡膜上腔34に排出又は流すことができる。移植片120の長さは、約1mmから約8mmの範囲にすることができる(例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm)。
【0052】
移植片120は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、移植片本体151は、ポリエーテルスルホン(PES:polyethersulfone)などのプラスチックを含み、スリーブ152は、チタン、チタン合金などの金属又は合金を含む。一部の実施形態においては、スリーブ152は、移植中に適切なステント留置深さを決定する際に視覚補助を果たす(例えば、1個以上の放射線不透過性マーカ)。
【0053】
移植片120は、一部の実施形態においては、治療薬又は薬物を含むこともできる。例えば、移植片120の少なくとも一部が治療薬又は薬物で被覆される。一実施形態においては、少なくとも移植片管腔154がヘパリンなど、ただしそれだけに限定されない治療薬又は薬物で被覆される。
【0054】
移植片120は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、曲率半径R
8は約
25.4mmであり、直径D
8は少なくとも約
0.16002mmであり、直径D
5は少なくとも約340
μmである。一部の実施形態においては、曲率は、移植中に強膜に対する圧力を維持するために、眼の直径よりも大きい(例えば、
25.4mmより大きい)。移植片120は、左眼にも右眼にも使用することができるように、対称的に設計することができる。移植片120に加えて、別の移植片を送達装置110、210によって送達することができる。
【0055】
図9〜11は、一部の実施形態による挿入スリーブ組立品126及び挿入スリーブ140の様々な図である。挿入スリーブ140は、一般に細長い管状構造であり、それを通して延在する管腔162、及び内部からの脈絡膜上移植を望ましく容易にする遠位湾曲又は非線形部164を有する。
【0056】
挿入スリーブ支持体142は、細長い部材であり、挿入スリーブ140の一部がそれを通して延在し、それにしっかりと取り付けられる。挿入スリーブ支持体142は、外側ハウジング122の対応する部分とかみ合ってこれらの構造体をしっかりと取り付ける環状部166を備える。
【0057】
挿入スリーブ140は、スリーブ管腔162を通過するトロカール144の一部を受ける。スリーブ遠位湾曲又は非線形部164は、有利なことには、脈絡膜上移植用トロカール144及び/又は移植片120の適切な湾曲及び配列をもたらす。
【0058】
挿入スリーブ組立品126は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、挿入スリーブ140及びスリーブ支持体142は、成形して組立品を形成するポリカーボネートなどの液晶ポリマー又は熱可塑性物質を含む。別の非限定的一実施形態においては、挿入スリーブ140及びスリーブ支持体142は、ステンレス鋼を含み、(スポット又は連続)溶接されて組立品を形成する。挿入スリーブ140は、必要又は要望に応じて、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30及び31ゲージを含めて、26±5ゲージ皮下チューブを効果的に備えることができる。
【0059】
挿入スリーブ組立品126は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、長さL
91が約
45.72mmであり、長さL
92が約
1.524mmであり、直径D
91が約
0.4572mmであり、直径D
92が約
0.0254mmであり、曲率半径R
9が約
2.794mmであり、角度θ
9が約28°(度)である。
【0060】
図12〜15は、一部の実施形態による、トロカール組立品128の様々な図である。閉塞具、すなわちトロカール144は、眼組織を最適に穿通して脈絡膜上腔34に接近するように構成された最遠位端170を有する湾曲又は非線形遠位部168を備える一般に細長い構造体である。一実施形態においては、最遠位端は、脈絡膜上腔34に非侵襲的に入るために、毛様体筋付着部を切開し、引き離すように作られているものの、強膜を滑らかに滑降するように丸められている。一実施形態においては、最遠位端は、前房隅角において線維帯に穴をあけて、脈絡膜上腔34に入るように作られている。
【0061】
閉塞具、すなわちトロカール144は、トロカール支持部材146を通って延在する。トロカール支持部材146は、トロカールトリガー130に係合し、トロカールトリガー130が作動すると後退できるように構成される。湾曲遠位部168は、眼組織を穿通して、移植片120を移植するために脈絡膜上腔34に入るのに適切な迎え角を可能にする所定の曲率を有することができる。トロカールは、挿入中に眼の解剖学的組織への適合を容易にするわずかな柔軟性を有することができる。一実施形態においては、所定の曲率は、移植中に強膜に対する圧力を維持し、「アンダーステア」又は脈絡膜穿通を防止又は阻止するように調節される。
【0062】
一部の実施形態においては、トロカール支持部材146は、トロカールトリガー130の凹部に機械的に係合する、連結する、接続する、又はしっかりと取り付けられるように構成される。したがって、トロカールトリガー130を作動又は後退させると、閉塞具、すなわちトロカール144を動かし、後退させることができる。
【0063】
トロカール組立品128は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、トロカール144は、所定の柔軟性及び弾性を有するスプリングテンパー304ステンレス鋼などの金属又は合金を含み、トロカール支持部材146は、所定の硬度を有する301ステンレス鋼などの金属又は合金を含む。トロカール144とトロカール支持部材146は、必要又は要望に応じて、溶接スポット172で示されるように溶接することができ、又は別の適切な様式で、例えば、成形などで取り付けることができる。
【0064】
トロカール組立品128は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、トロカール遠位湾曲部168の曲率半径R
13は約
25.4mmであり(移植片の曲率半径にほぼ適合し、移植片のクリープを防止することができる)、直径D
13は約
0.1524mmであり(移植片管腔内の低公差かん合(low tolerance fit)をもたらす)、長さL
13は約
4.318mmであり、トロカール144の曲がっていない全長は約
58.42mmであり、トロカール遠位端先端部170の曲率半径は約
0.0254から約
0.0762mmである。様々な実施形態においては、トロカール遠位湾曲部168の曲率半径R
13を
10.16mmから約
55.88mmの範囲にすることができる。一実施形態においては、遠位湾曲部168の曲率は、移植処置中の強膜に対する圧力を維持するために、眼の直径よりも大きいように構成される(例えば、
25.4mmよりも大きい)。
【0065】
図16は、一部の実施形態による、トロカールトリガー130の異なる図である。人間工学的上部指又は親指接触部148は、操作者によるその作動を容易にするように畝のある表面形状を有する。下部本体部分150は、トロカールトリガー130の操作を可能にする幾つかの特徴を有する。
【0066】
トリガー本体部分150は、トロカール支持部材146の一部(例えば、クリップ)とかみ合い、それに接続し、それによってトロカールトリガー130とトロカール144を効果的に連結及び接続する、溝、空洞、開口又は凹部171を備える。トリガー本体部分150は、その中の左溝及び右溝などの外側ハウジング122の内部構造に摺動可能に係合した一般に対称的に両側に配置された複数のピン174を備えることもできる(溝の一方は、
図3及び4において参照番号178bで示されている)。
【0067】
トリガー本体部分150は、さらに、その中に搭載される再使用防止構造体134a及び134b(例えば、隅部材)をそれぞれ受ける溝176を両側に備える。上述したように、また、更に本明細書に考察するように、隅部材は、溶融、溶解又は収縮若しくは消滅し、トロカールトリガー130をロックして、患者の安全のために未承認の使用を防止するように構成することができる。別の再使用防止機構を使用することもできる。一部の実施形態においては、ホットメルト接着剤を使用して、トリガー機構を凍結し、加圧滅菌後の使用を防止する。
【0068】
トロカールトリガー130は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、トロカールトリガー130は、ポリエチレンなどのプラスチック又は熱可塑性物質を含む。
【0069】
図17は、一部の実施形態による、取外し可能なトリガー安全装置132の異なる図である。上部178は外側ハウジング122の上に露出し、下部180は外側ハウジング122に収容される。示したように、トリガー安全装置132はクリップ機構を備えることができる。
【0070】
前述したように、トリガー安全装置132は、移植片送達装置110の包装、出荷及び移動中にトロカールトリガー130の望ましくない動きを防止又は阻止するように構成される。下部180は、送達装置110の使用前にトロカールトリガー130と係合し、上部178の操作によって、トリガー安全装置132は、外科的処置前に送達装置110から取り除かれる。
【0071】
トリガー安全装置132は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、トリガー安全装置132は、ポリカーボネート、例えば、Makrolon(登録商標)2458などの熱可塑性物質を含む。
【0072】
送達装置110は、一般に、それだけに限定されないが、とりわけ、ステンレス鋼、成形プラスチック及びシリコーンで構成された材料並びにその等価物を含む。
【0073】
<前もって形成された角膜切り込みを通した移植片送達の方法>
【0074】
図18〜22は、一部の実施形態による移植片送達装置110を使用して、眼10の脈絡膜上腔34に眼移植片120を移植する外科的処置又は方法の幾つかのステップ又は行為を示す。図の詳細を考慮すれば、外科的方法は自明なはずであるが、以下に幾らかの説明を記述する。
【0075】
一部の実施形態においては、隅角プリズムを使用するために、移植片若しくはステントの送達又は別の手術(例えば、白内障手術)のために形成された切り込みを通して、粘着性粘弾性物質を必要に応じて前房に添加して、眼内圧を維持する(外科医は、Healon、Amvisc又はProviscを含めて、ただしそれだけに限定されない好みの粘着性粘弾性物質を選択することができる)。
【0076】
隅角プリズムを可視化に使用する場合、隅角プリズムを角膜上に配置する。手術用顕微鏡及び患者は、隅角プリズムを介して眼の鼻側の小柱網を明瞭に可視化するように配置することができる。患者の頭部を実際的な範囲で外科医から遠方に傾け、顕微鏡を適切な視野角を確保するように外科医の方に傾けることができる。
【0077】
一部の実施形態においては、前房隅角を隅角プリズム又は別の可視化部材を使用して検査して、鼻側の移植場所における良好な可視化を確保する。
【0078】
移植片送達装置110をブリスタートレイから取り出し、移植片の位置をずらさずに、移植片120がトロカール144から滑り落ちないように注意して、移植片保持具124を移植片及びトロカール先端部から(例えば、精巧なピンセットを用いて)除去する。
【0079】
次いで、移植片120がトロカール144から滑り落ちないように、さらに、トロカールトリガー130が操作者によって前方位置に維持され、後方に滑らないように再度注意して、トリガー安全装置132を除去することができる。
【0080】
必要に応じて、追加の粘着性粘弾性物質を前房に注入することによって、前房を深くして、房を維持しやすくすることができる。挿入器先端部を必要に応じて粘弾性物質の小滴で被覆することができる。
【0081】
一部の実施形態によれば、移植処置を白内障手術などの別の眼の処置と併せて実施し、
図18に示したように、移植片120がその遠位部に前もって装着された送達器具110を、既存の又は前もって形成された角膜又は角膜縁の切り込み70を通して、前房32に導入又は挿入する。挿入スリーブ140は、切り込み70を通り前房32中に延在する。トロカールトリガー130は、操作者によって前方位置に維持される。隅角プリズムを眼の上に再配置する前に、送達装置110を乳頭縁(papillary margin)に前進させることができる。一部の実施形態においては、水晶体48、角膜36及び虹彩44に接触しないように注意する。移植片120を送達器具110に前もって装着すると、装着誤りが減り、使いやすさに寄与することができる。
【0082】
図19に示したように、トロカール遠位端170が線維性結合帯60に隣接するまで、移植片120を前房32を横切り強膜岬62に向かって前房隅角50まで前進させることができる。トロカールトリガー130は、操作者によって前方位置に維持される。一部の実施形態によれば、迎え角θ
19は約15°(度)であるが、必要又は要望に応じて、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20°(度)又は別の迎え角を有効に利用することができる。一部の実施形態においては、送達装置110は、移植部位において、又はこの部位に向かって、約15°(±5°〜10°)(度)の一般に下向き角度の一体構成又は設計を有する。
【0083】
次に、
図20に示したように、トロカール遠位先端部又は遠位端170は、線維性結合帯60の組織及び/又は隣接組織を穿通し、移植片120は、その移植位置が脈絡膜上腔34に達し、移植スリーブ152の所定の部分が前房32中に延在するまで、前進する。トロカールトリガー130は、操作者によって前方位置に維持される。一部の実施形態においては、トロカール遠位先端部又は遠位端170は、脈絡膜上腔に非侵襲的に入るために、毛様体筋付着部を切開し、引き離すように作られる。一部の実施形態においては、限られた領域で強膜岬の前部と後部がほぼ完全に見ることができるまで、挿入トロカールの先端部170で虹彩突起を強膜岬から静かに引き離すことによって、一般に狭い通路を脈絡膜上腔中に形成することができ、例えば、約0.5mmから最大約1mm幅の開口を形成することができる。次いで、移植片又はステントの前面が強膜岬の後縁にほぼ正接するまで、移植片又はステント120を前進させることができる。指又は親指がトロカールトリガー130上の前方位置に固定された状態で、移植片近位スリーブ152がちょうど強膜岬を通過し、脈絡膜上腔に入るまで、トロカール/移植片を脈絡膜上腔中に慎重に前進させる。一部の実施形態においては、移植スリーブ152のほぼ半分(又は約0.4mmから約0.7mm)が前房中に残る。
【0084】
幾つかの実施形態によれば、移植片120の移植又は挿入中、閉塞具(例えば、トロカール144)は移植片又はステント管腔154を通って延在して、有利なことには、移植片挿入中の(例えば、トロカール144を移植片管腔154から除去する前の)組織進入及び管腔閉塞を防止する。さらに、有利なことには、幾つかの実施形態によれば、脈絡膜上腔に非侵襲的に入るために、毛様体筋付着部を切開し、引き離すのに十分な鋭利さでありながらも、ほぼ丸く鋭利でないトロカール、すなわち閉塞具の先端部又は遠位端170を利用して、強膜を滑らかに滑降し、望ましくない固着、擦過及び/又は付随する創傷治癒/線維症/被包問題を防止する。
【0085】
一部の非限定的実施形態によれば、ステント又は移植片120の外径は、約300μmから400μmであり(例えば、350μm、360μm、375μm、380μm、390μm)、有利なことには、移植に関連した毛様体解離術の亀裂問題を回避及び/又は軽減することができる。例えば、一部の実施形態においては、送達装置110は、移植片120自体よりもかなり大きい毛様体解離亀裂を形成せず、別の実施形態においては、送達装置110及び移植片120は、前房隅角において強膜から毛様体筋を切るのとは対照的に、毛様体筋の線維組織帯を通して送達され、毛様体解離亀裂を形成しない。
【0086】
次に、
図21に示したように、操作者は、トロカール144を移植片管腔154及び脈絡膜上腔34から後退させるために、トロカールトリガー130を後部、すなわち近位の方向182又は位置に移動させる。一部の実施形態においては、移植片又はステントを適切な深さに置いた後、移植片又はステント120が放出されるまで、トロカールトリガーボタンを後方にスライドさせる。幾つかの実施形態によれば、トロカールトリガー130のかかる後方移動は、ステント又は移植片120が脈絡膜上腔内の深くに配置されるのを阻止又は防止するのに役立つ。(必要又は要望に応じて、同様の構成を移植片220の配置に関連して効果的に採用することができる。)一部の実施形態においては、支持チューブ(例えば、挿入スリーブ140)は、トロカール144の除去中に、移植片120の近位端
に対して反作用を及ぼすように構成される。
【0087】
図22に示したように、次いで、送達装置110を後退させ、挿入スリーブ140を前房32から除去して、移植片120を眼10内に留置し、少なくとも一部を脈絡膜上腔34に移植することができる。
【0088】
一部の実施形態においては、操作者は、移植片が適切な位置にあることを手術用顕微鏡及び隅角プリズムを用いて確認する(例えば、近位端は、入口が遮られていない前房中にある)。前房を平衡塩溶液(BSS:balanced salt solution)で潅注及び吸引して、すべての粘弾性物質を除去することができる。必要に応じて、切り込みの後縁を押し下げて、粘弾性物質のほぼ完全な除去を促進する。次いで、必要に応じて、前房を食塩水で膨張させて、生理的圧力を得ることができる。
【0089】
一部の実施形態においては、移植片120と送達装置110の両方(又は少なくとも一方)を所定の曲率にして、移植中に望ましくは強膜に対する圧力を維持し、「アンダーステア」又は脈絡膜穿通を防止する。送達装置110を湾曲させて、品質保持期間中に移植片120を同じ曲率で維持することができる。これによって、望ましくは、塑性クリープを防止し、移植片又はステントの曲率規格を維持する。非限定的一実施形態においては、曲率は、強膜に対する圧力を維持するために、眼の直径よりも大きい(例えば、
25.4mmより大きい)。
【0090】
<装置によって形成された角膜切り込みを通して移植片を前進させる送達装置>
【0091】
図23及び24は、一部の実施形態による、眼移植片220が前もって装着された移植片送達装置、挿入器又はアプリケータ210の異なる図である。送達装置210は、眼10の脈絡膜上腔34に移植片220を送達及び配置するように構成される。一部の実施形態においては、送達方法は、内部からの処置によって実施される。一部の実施形態においては、送達装置210の角膜穿通針によって形成された自己封着性角膜切り込みを通して(例えば、角膜輪部又はその近くに)移植片を送達する。移植片220は、送達装置210の上又は中(例えば、送達装置210の閉塞具、すなわちトロカールの上)に前もって装着させ、単一包装内のキットとして提供することができる。一部の実施形態においては、移植片220は、送達装置210上に前もって装着されない(例えば、包装出荷前に前もって装着されない)。
【0092】
送達装置210は、使い捨て操作用の無菌包装で提供することができる。例えば、安全な使用を維持しながら、操作者による使用を容易にするブリスター包装と組み合わせて、二重ポリエチレン袋を無菌目的で使用することができる。
【0093】
送達装置210は、一般に細長い構造であり、一般に、外側ハウジング及びハンドピース222、取外し可能な保護チューブ224、角膜穿通針組立品226、トロカール組立品228、トロカールトリガー230、推進チューブ組立品328、推進チューブトリガー330、トリガー安全装置232、及び/又は2組の再使用防止構造体234a、234b及び334a、334bを備える。
【0094】
外側ハウジング222は、外側ハウジング122と同様であり、送達装置210の種々の部品を囲い、送達装置210の製作中に取り付けることができる左ハウジング部分236aと右ハウジング部分236bなどの2個のハウジング部分を備えることができる。
【0095】
外側ハウジング222の選択部分は、外科医、医療操作者又は開業医による手作業を容易にする畝のある表面などを有する握り領域238aなどの人間工学的特徴を有する(同様の握り領域を右ハウジング部分236bにも設ける)。外側ハウジング222の様々な内部構造は、更に以下で考察するように、送達装置210の他の部品とかみ合う。
【0096】
外側ハウジング222は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、外側ハウジング222は、ガンマ線に対して安定である医療用ポリカーボネートなどの熱可塑性材料を含む。
【0097】
外側ハウジング222は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、外側ハウジング222は長さが約
142.24mmであるが、例えば、使用者の手の大きさに基づいて、別の長さを有効に利用することもできる(例えば、約
101.6mmから約
203.2mm、及びその間の任意の長さ)。
【0098】
保護被覆チューブ224は、外側ハウジング222の遠位端を越えて延在する角膜穿通針組立品226の一部の上に取り外し可能に搭載することができる。保護被覆チューブ224は、送達装置210を使用する前に除去することができる。保護被覆チューブ224の一目的は、移植片送達装置210の包装、出荷及び移動中に、角膜穿通針組立品226及びその中の部品を保護することであり得る。
【0099】
保護被覆チューブ224は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、保護被覆チューブ224は、低密度ポリエチレン(LDPE:low density polyethylene)などの熱可塑性物質を含む。
【0100】
角膜穿通針組立品226は、一般に、角膜穿通針240、及びそれと外側ハウジング222とにしっかりと取り付けられた支持部材242(例えば、スリーブ)を備える。場合によっては、送達装置210の内部部品を望ましくない流体流入から更に保護する封止部243が設けられる。角膜穿通針240と支持部材242の各遠位部は、送達装置210の遠位先端部を越えて露出し、延在することができる。角膜穿通針240と支持部材242の各近位部は、外側ハウジング222に収容することができる。針240の一部は、親水性又は疎水性コーティングを含むことができる。角膜穿通針組立品226については、後で更に詳細に考察する。
【0101】
トロカール組立品228は、一般に、閉塞具、すなわちトロカール244、及びそれにしっかりと取り付けられたトロカール支持部材246(例えば、環状部)を備える。トロカール支持部材246は、始動可能なトロカールトリガー230に機械的に連結され、接続され、又は取り付けられる。トロカール244の実質的な遠位部は、角膜穿通針240(及び推進チューブ)を通って延在し、遠位端部は、移植片220も通って延在する。トロカール244の近位部及びトロカール支持部材246は、外側ハウジング222に収容される。トロカール組立品228については、後で更に詳細に考察する。
【0102】
トロカールトリガー230は、一般に、上部の指又は親指で始動可能な部分248、及び下部の本体部分250を備える。始動可能なトリガー部分248は、一般に、外側ハウジング222の外側に延在し、本体部分250は、一般に、外側ハウジング222に収容される。トロカールトリガー230は、使用前には後方位置にあり、使用時にはトロカール244をまず前進させ、次いで後退させるのに利用される。トリガー本体部分250は、トロカール組立品228に機械的に連結され、接続され、又は取り付けられる。トロカールトリガー230も、推進チューブトリガー330に機械的に及び/又は操作可能に連結される。トロカールトリガー230については、後で更に詳細に考察する。
【0103】
推進チューブ組立品328は、一般に、推進チューブ344、及びそれにしっかりと取り付けられた推進チューブ環状部346を備える。推進チューブ環状部346は、始動可能な(actuable)推進チューブトリガー330に機械的に連結され、接続され、又は取り付けられる。推進チューブ344の遠位部のかなりの部分は挿入針340を通って延在し、遠位端は移植片220の近位に配置される。推進チューブ344の近位部及び推進チューブ環状部346は、外側ハウジング222に収容される。推進チューブ組立品328については、後で更に詳細に考察する。
【0104】
推進チューブトリガー330は、一般に、上部の指又は親指で始動可能なトロカールトリガー部分248に末端が近接した上部348と、下部の本体部分350とを備える。上部348は、一般に、ハウジング222の外側に延在し、本体部分350は、一般に、ハウジング222に収容される。推進チューブトリガー330は、使用前には後方位置にあり、使用時には推進チューブ344(及び移植片220)を前進させるのに利用される。トリガー本体部分350は、推進チューブ装置328に機械的に連結され、接続され、又は取り付けられる。推進チューブトリガー330も、トロカールトリガー230に機械的に及び/又は操作可能に連結される。推進チューブトリガー330については、後で更に詳細に考察する。
【0105】
トリガー安全部材232(例えば、クリップ)は、取外し可能であり、推進チューブトリガー330に対して一般に前方に配置することができる。トリガー安全部材232は、推進チューブトリガー330に機械的に連結又は係合する。一部の実施形態においては、トリガー安全部材232は、移植片送達装置210の包装、出荷及び移動中に、推進チューブトリガー330及びトロカールトリガー230の望ましくない動きを阻止する。トリガー安全部材232は、上で考察したトリガー安全装置132と実質的に同じ構造にすることができる。
【0106】
再使用防止構造体234a、234b及び334a、334bは、それぞれ、トロカールトリガー230及び推進チューブトリガー330の両側に搭載され、外側ハウジング222内に搭載される。再使用防止構造体234a、234b及び334a、334bは、有利なことには、使い捨ての装置210の不正な再使用による交差汚染を防止するように、送達装置210の再使用を許さない安全機能を提供する。一部の実施形態においては、再使用防止構造体234a、234b及び334a、334bは、送達装置210の未承認の再滅菌が行われようとしたときに、溶融又は溶解して、その動作が妨害されるようにトロカールトリガー230及び推進チューブトリガー330をロック又は動かなくするように作られた隅部材又は予備成形体を備える。一部の実施形態においては、ホットメルト接着剤を使用して、トリガー機構を凍結し、加圧滅菌後の使用を防止する。
【0107】
移植片220は、近位スリーブ252を備える移植片本体251を有し、包装及び貯蔵前に、又は使用前に、送達装置210に移植片を装着するときに、挿入針240の遠位端部内に位置する。移植片220は、上で考察した移植片120と実質的に同じ構造である。
【0108】
図25〜40は、一部の実施形態による挿入又は角膜穿通針組立品226及び挿入又は角膜穿通針240の様々な図である。挿入針240は、一般に細長い管状構造であり、それを通して延在する管腔262、及び内部からの脈絡膜上移植を望ましく容易にする遠位湾曲又は非線形部264を有する。挿入針240は、装置による角膜の穿通を可能にして、自己封着性切り込みを(例えば、角膜輪部における又はそれに隣接する)角膜に望ましく形成する遠位端切断先端部265を有する。切断先端部265は、有利には、かかる自己封着性切り込みを形成するサイズ、形状及び寸法である。
【0109】
挿入針支持体242は、細長い部材であり、針240の一部がそれを通して延在し、それに取り付けられる。挿入針支持体242は、外側ハウジング222の対応する部分とかみ合ってこれらの構造体をしっかりと取り付ける環状部266を備えることができる。
【0110】
封止部243は、挿入針240の近位端部分に搭載される。封止部243は、有利には、送達装置210の内部部品を望ましくない流体流入から保護し、送達装置210及び/又はハウジング222の内部構造と係合することができる。挿入又は角膜穿通針240は、その長さの少なくとも一部に沿って親水性又は疎水性コーティングを含むことができる。
【0111】
挿入針240は、針管腔262を通過する推進チューブ344の一部を受け、推進チューブ344の遠位の前もって装着された移植片220を含む。推進チューブ344は、トロカール244の一部を受ける。針遠位湾曲又は非線形部264は、有利なことには、脈絡膜上移植用トロカール244及び移植片220の適切な湾曲及び配列をもたらす。
【0112】
挿入針組立品226は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、挿入スリーブ240及び支持部材242は、ステンレス鋼を含み、(スポット又は連続)溶接されて組立品を形成し、封止部243はシリコーンなどを含むことができる。挿入又は角膜穿通針240は、必要又は要望に応じて、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29及び30ゲージを含めて、25±5ゲージ皮下チューブを効果的に備えることができる。
【0113】
挿入針組立品226は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、長さL
251は約
30.988mmであり、湾曲長さL
252は約
7.62mmであり、直径D
25は約
0.508mmであり、曲率半径R
25は約
25.4mmであり、幅W
26は約
0.7874mmである。曲率半径R
25は、トロカール244と同じ又は実質的に同じ曲率半径にすることができる。一部の実施形態においては、挿入針組立品226の曲率を、例えば、送達又は移植処置中の強膜に対する圧力を維持するために、眼の直径よりも大きくする(例えば、
25.4mmよりも大きい)。
【0114】
図31及び32は、一部の実施形態による、トロカール装置又は組立品228の異なる図である。閉塞具、すなわちトロカール244は、眼組織を最適に穿通して脈絡膜上腔34に接近するように構成された最遠位端270を有する湾曲又は非線形遠位部268を備える一般に細長い構造体である。
【0115】
トロカール244は、トロカール支持部材246を通って延在する。トロカール支持部材246は、トロカールトリガー230に係合し、トリガー230が作動すると前進及び後退できるように構成される。湾曲遠位部268は、眼組織を穿通して、移植片220を移植するために脈絡膜上腔34に入るのに適切な迎え角を可能にする所定の曲率を有する。
【0116】
より具体的には、トロカール支持部材246の環状部247をトロカールトリガー230の凹部に機械的に係合する、連結する、接続する、又はしっかりと取り付ける。したがって、トロカールトリガー230を作動、前進又は後退させると、トロカール244が移動、前進及び後退する。
【0117】
トロカール組立品228は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、トロカール244は、所定の柔軟性及び弾性を有するスプリングテンパー304ステンレス鋼などの金属又は合金を含み、トロカール支持部材246は、所定の性質を有する303ステンレス鋼などの金属又は合金を含む。トロカール244とトロカール支持部材246(例えば、環状部)は、必要又は要望に応じて、溶接することができ(スポット又は連続溶接)、又は別の適切な様式で、例えば、成形などで取り付けることができる。
【0118】
トロカール組立品228は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、トロカール遠位湾曲部268の曲率半径R
32は約
25.4mmであり(針、推進チューブ及び移植片の曲率半径にほぼ適合し、移植片のクリープ及び配置ずれ(disorientation)を防止することができる)、直径D
32は約
0.1524mmであり(移植片管腔内の低公差かん合をもたらす)、湾曲長さL
321は約
17.018mmであり、長さL
322は約
53.34mmであり、トロカール244の曲がっていない全長は約
80.01mmであり、トロカール遠位端先端部270の曲率半径は約
0.0254から約
0.0762mmの範囲であり、寸法H
32は約
5.588mmである。様々な実施形態においては、トロカール遠位湾曲部268の曲率半径R
32を
10.16mmから約
55.88mmの範囲にすることができる。一部の実施形態においては、遠位湾曲部268の曲率を、例えば、送達又は移植処置中の強膜に対する圧力を維持するために、眼の直径よりもわずかに大きくする(例えば、
25.4mmよりも大きい)。上記非限定的寸法は、少なくともトロカール寸法H
32、R
32及び/又はL
321(又は他の関連した寸法)が、トロカール244に対して実施又は実行された事後の「曲げ」製造又は製作のプロセス又はステップを反映し得ることを含み得ることを理解すべきである。
【0119】
図33は、一部の実施形態による、トロカールトリガー230の異なる図である。人間工学的上部指又は親指接触部248は、操作者によるその作動を容易にするように畝のある表面形状を有する。下部本体部分250は、トロカールトリガー230の操作を可能にする幾つかの特徴を有する。
【0120】
トリガー本体部分250は、トロカール環状部247の一部とかみ合い、それに接続し、それによってトリガー230とトロカール244を効果的に連結及び接続する、溝、空洞、開口又は凹部271を備える。トリガー本体部分250は、その中の左溝及び右溝などのハウジング222の内部構造に摺動可能に係合した一般に対称的に両側に配置された複数のピン274を備えることもでき、溝の一方は、
図24において参照番号278bで示されている。
【0121】
トリガー本体部分250は、さらに、それぞれその中に搭載された再使用防止構造体234a及び234bを受ける溝276を両側に含むことができる。再使用防止構造体(例えば、隅部材又は予備成形体)は、溶融、溶解又は分解し、トロカールトリガー230をロックして、患者の安全のために未承認の使用を防止するように構成することができる。一部の実施形態においては、ホットメルト接着剤を使用して、トリガー機構を凍結し、加圧滅菌後の使用を防止する。
【0122】
トロカールトリガー230は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、トロカールトリガー230は、ポリエチレンなどのプラスチック又は熱可塑性物質を含む。
【0123】
図34及び35は、一部の実施形態による、推進チューブ組立品328の異なる図である。推進チューブ344は、湾曲又は非線形遠位部368を有する一般に細長い構造である。
【0124】
推進チューブ344は、一部の実施形態においては、推進チューブ支持部材346から延在する。推進チューブ支持部材346は、推進チューブトリガー330に係合し、トリガー330が作動すると前進することができ、望ましくはその後ロックできるように構成される。湾曲遠位部368は、トロカール244が眼組織を穿通して、移植片220を移植するために脈絡膜上腔34に入るのに適切な迎え角を可能にする所定の曲率を有することができる。所定の曲率は、強膜の曲率に一致するように構成することができる。
【0125】
より具体的には、推進チューブ環状部346の環状部347は、推進チューブトリガー330の凹部に機械的に係合する、連結する、接続する、又はしっかりと結合する。したがって、推進チューブトリガー330が作動及び前進すると、推進チューブ344が移動及び前進する。
【0126】
推進チューブ組立品328は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、推進チューブ344は、ニチノールチューブを含み、推進チューブ環状部346は、ニチノール棒材を含む。推進チューブ344及び環状部346は、必要又は要望に応じて、溶接することができ(スポット又は連続溶接)、又は別の適切な様式で、例えば、成形などで取り付けることができる。
【0127】
推進チューブ組立品328は、必要又は要望に応じて、種々の適切な様式で効果的に寸法を決定することができる。非限定的一実施形態においては、推進チューブ遠位湾曲部368の曲率半径R
35は約
25.4mmであり(針、トロカール及び移植片の曲率半径にほぼ適合し、移植片のクリープ及び配置ずれを防止する)、直径D
35は約
0.3556mmであり(針管腔内の低公差かん合をもたらす)、湾曲長さL
351は約
12.7mmであり、長さL
352は約
53.34mmであり、推進チューブ344の曲がっていない全長は約
65.278mmである。様々な実施形態においては、推進チューブ遠位湾曲部368の曲率半径R
35を
10.16mmから約
55.88mmの範囲にすることができる。一部の実施形態においては、推進チューブ遠位湾曲部368の曲率を、例えば、送達又は移植処置中の強膜に対する圧力を維持するために、眼の直径よりもわずかに大きくする(例えば、
25.4mmよりも大きい)。上記非限定的寸法は、少なくとも推進チューブ寸法L
351及び/又はR
35(又は他の関連した寸法)が、推進チューブ344に対して実施又は実行された事後の「曲げ」製造又は製作のプロセス又はステップを反映し得ることを含み得ることを理解すべきである。
【0128】
図36は、一部の実施形態による、推進チューブトリガー330の異なる図である。上部トリガー部分348は、トロカールトリガー部分248の遠位にあり、その移動によって始動可能である。下部本体部分350は、推進チューブトリガー330の操作を可能にする幾つかの特徴を有する。
【0129】
トリガー本体部分350は、推進チューブ環状部347の一部とかみ合い、それに接続し、それによってトリガー330と推進チューブ344を効果的に連結及び接続する、溝、空洞、開口又は凹部371を備えることができる。トリガー本体部分350は、その中の左溝及び右溝などのハウジング222の内部構造に摺動可能に係合した一般に対称的に両側に配置された複数のピン374を備えることもできる(溝の一方は、
図24において参照番号278bで示されている)。
【0130】
トリガー本体部分350は、さらに、それぞれその中に搭載された再使用防止構造体334a及び334bを受ける溝376を両側に含むことができる。再使用防止構造体334a及び334bは、患者の安全のために未承認の使用を防止するように作られる。
【0131】
推進チューブトリガー330は、必要又は要望に応じて、種々の適切な材料から効果的に製作することができる。非限定的一実施形態においては、推進チューブトリガー330は、ポリエチレンなどのプラスチック又は熱可塑性物質を含む。
【0132】
図37は、トロカール組立品228とトロカールトリガー230の連結又は接合、及び推進チューブ装置328と推進チューブトリガー330の連結又は接合を示す詳細図である。特に、トロカール装置環状部247は、トロカールトリガー凹部271に係合し、その中に収容され、推進チューブ環状部347は、推進チューブトリガー凹部371に係合し、その中に収容され、それによってトロカール244をそのトリガー230に操作可能に連結し、推進チューブ344をそのトリガー330に操作可能に連結する。
【0133】
図38A及び38Bは、一部の実施形態においては眼移植片220に接続された、トロカールトリガー230及び推進チューブトリガー330の位置に基づく特定の非限定的寸法を示す。装着された移植片220を同様に示した
図38Aにおいては、トロカールと推進チューブトリガーの両方が前方位置にあり、非限定的一実施形態においては、長さL
381は約
0.0508mmである。
図38Bにおいては、推進チューブトリガー330は、一般に十分前方位置にあり、一部の実施形態においては、必要又は要望に応じてロックされ、トロカールトリガー230が後退し、非限定的一実施形態においては、長さL
382は約
1.6256mmである。
【0134】
送達装置210は、一般に、それだけに限定されないが、とりわけ、ステンレス鋼、成形プラスチック及びニチノールで構成された材料並びにその等価物を含む。
【0135】
<装置によって形成された角膜切り込みを通した移植片送達の方法>
【0136】
図39〜44は、一部の実施形態による移植片送達又は挿入器のシステム又は装置210を使用して、眼10の脈絡膜上腔34に眼移植片220を移植する外科的処置又は方法のステップ又は行為を示す。図の詳細を考慮すれば、外科的方法は自明なはずであるが、以下に幾らかの説明を記述する。(手短に述べると、一部の実施形態によれば、
図39においては、トリガー230と330の両方は後方位置にあり、
図40においてはトリガー230と330の両方は前方位置にあり、
図41においてはトリガー230と330の両方は一般に前方位置に静止し、又は維持され、
図42においてはトリガー230と330の両方は一般に前方位置に静止し、又は維持され、
図43においてはトロカールトリガー230が後退し、及び/又は後方位置にあり、推進チューブトリガー330がロック位置にあり、
図44においてはトロカールトリガー230がその後方位置に残る。)
【0137】
一部の実施形態においては、手術用顕微鏡及び患者は、隅角プリズムを介して眼の鼻側の小柱網を実質的に明瞭に可視化するように配置される。患者の頭部を実際的な範囲で外科医側から傾け、顕微鏡を適切な視野角を確保するように外科医の方に傾けることができる。
【0138】
送達装置210をそのパッケージから取り出す。操作者は、保護被覆チューブ224を挿入針から慎重に除去し、トリガー230及び330が後方位置に維持されるように注意しながら、トリガーを保持する安全部材232を除去する。
【0139】
隅角プリズムを使用する場合、隅角プリズムを角膜上に配置し、前房隅角を隅角プリズムを用いて検査して、鼻側の移植場所における良好な可視化を確保する。次いで、隅角プリズムを除去する。別の可視化装置を使用することができ、又は可視化装置を使用せずに処置を実施することができる。
【0140】
図39は、針240の一部が前房32中に延在するように、挿入又は角膜穿通針240、より具体的には、送達装置210の針240の切断遠位端先端部265による自己封着性切り込み370の形成を示す。この段階で、トロカールトリガー230と推進チューブトリガー330の両方は、操作者によって後方位置に維持される。一部の実施形態においては、側頭部の明瞭な角膜切り込みは、装置の鋭利な切断先端部を用いて形成される。明瞭な角膜切り込みが既に形成されている場合、粘着性粘弾性物質を使用して、針240を切り込みに通す前に前房を維持することができる。
【0141】
図40は、移植片220が露出し、トロカール遠位端先端部270が移植片220を越えて所定の距離だけ延在するように、移植片220が前房32内でトロカール244と一緒に前進するような、トリガーの前方展開を示す。一部の実施形態においては、挿入針が眼に入り、瞳孔縁を通過すると、トロカールトリガー(したがって、推進チューブトリガー330)が十分前方位置に前進し、それによって移植片又はステント220及びトロカール先端部270が露出する。)
【0142】
図41に示したように、移植片220は前房32を横切って前進して、移植部位に位置し、トロカール遠位端270が線維性結合帯60に隣接する。この段階で、両方のトリガーは、操作者によって前方位置に維持され、推進チューブトリガー330は、望ましくは、移植片220が近位にずれないように適所にロックされる。迎え角θ41は約15°(度)であるが、必要又は要望に応じて、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20°(度)又は別の迎え角を有効に利用することができる。一部の実施形態においては、隅角プリズムを角膜上に配置し、トロカール/移植片を前房を横切って鼻角(nasal angle)に導く。水晶体、角膜及び虹彩に接触しないように注意する。トロカール/移植片を強膜岬のちょうど後方の前房隅角に前進させることができる。一部の実施形態においては、送達装置210は、移植部位において、又は移植部位に向かって、約15°(±5°〜10°)(度)の一般に下向き角度の一体構成又は設計を有する。
【0143】
次に、
図42に示したように、トロカール遠位先端部又は遠位端270は、線維性結合帯60の組織及び/又は隣接組織を穿通し、移植片220は、その移植位置が脈絡膜上腔34に達し、移植スリーブ252の所定の部分が前房32中に延在するまで、前進する。トロカールトリガー230は、操作者によってこの段階で前方位置に維持される。一部の実施形態においては、限られた領域で強膜岬の前部及び後部がほぼ完全に見ることができるまで、挿入トロカールの先端部で虹彩突起を強膜岬から静かに引き離すことによって、一般に狭い通路を脈絡膜上腔中に形成し、例えば、約0.5mmから最大約1mm幅の開口を形成する。トロカール/移植片を強膜岬の後縁に沿って連続して前進させる。指又は親指が後部/トロカールトリガーを前方位置に保持した状態で、移植片近位スリーブがちょうど強膜岬を通過し、脈絡膜上腔に入るまで、トロカール/移植片を脈絡膜上腔中に慎重に前進させる。一部の実施形態においては、移植スリーブのほぼ半分(又は約0.4mmから約0.7mm)が前房中に残る。
【0144】
幾つかの実施形態によれば、移植片220の移植又は挿入中、トロカール、すなわち閉塞具244は移植片又はステント管腔154を通って延在して、有利なことには、移植片挿入中の(トロカール、すなわち閉塞具244を移植片管腔154から除去する前の)組織進入及び管腔閉塞を防止する。
【0145】
次に、
図43に示したように、操作者は、トロカール244を移植片管腔及び脈絡膜上腔34から後退させるために、トロカールトリガー230を後部、すなわち近位方向282に移動させる。一部の実施形態においては、移植片又はステント220を適切な深さに置いた後、移植片又はステント220が放出されるまで、トロカールトリガーボタンを後方にスライドさせる。トロカールトリガー230を後方に移動すると、有利には、移植片220の挿入し過ぎを防止又は阻止することができる。一部の実施形態においては、支持チューブは、トロカール244の除去中に、移植片220の近位端
に対して反作用を及ぼすように構成される。
【0146】
図44に示したように、送達装置210を後退させ、挿入針240を前房32から除去して、移植片220を眼10内に留置し、脈絡膜上腔34に移植する。一部の実施形態においては、切り込み270は、望ましくは、自己封着して、縫合を要さずに素早い回復を促進する。
【0147】
一部の実施形態においては、操作者は、移植片が適切な位置にあることを手術用顕微鏡及び隅角プリズムを用いて確認する(例えば、近位端は、入口が遮られていない前房中にある)。前房を平衡塩溶液(BSS)で潅注及び吸引して、すべての粘弾性物質(使用する場合)を除去することができる。必要に応じて、切り込みの後縁を押し下げて、粘弾性物質(使用する場合)のほぼ完全な除去を促進する。次いで、必要に応じて、前房を食塩水で膨張させて、生理的圧力を得ることができる。
【0148】
一部の実施形態においては、移植片又はステント220と送達装置210の両方(又は少なくとも一方)を所定の曲率にして、移植中に望ましくは強膜に対する圧力を維持し、「アンダーステア」又は脈絡膜穿通を防止する。送達装置210を湾曲させて、品質保持期間中に移植片又はステント220を同じ曲率で維持することができる。これによって、望ましくは、塑性クリープを防止し、移植片又はステントの曲率規格を維持する。非限定的一実施形態においては、曲率は、強膜に対する圧力を維持するために、眼の直径よりも大きい(例えば、直径
25.4mmより大きい)。
【0149】
一部の実施形態においては、推進チューブ344は、トロカール、すなわち閉塞具の除去中に、移植片又はステント220の近位端
に対して反作用を及ぼすように構成される。有利には、針240及び/又は実質的にシステム210全体の「たるんだ」曲線又は湾曲(例えば、
図39から44参照)は、一部の実施形態によれば、移植部位において約15°の角度を維持するが、必要又は要望に応じて、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20°(度)又は別の角度を有効に利用することができる。
【0150】
さらに、一部の実施形態によれば、針240は、有利なことには、虹彩にも角膜にも接触せずに、眼を横切る(有限の高さの前房クリアランス)。一部の実施形態においては、移植片又はステント220を、実質的にその品質保持期間を通して、例えば、塑性クリープを防止するために、その指定の、所定の、又は必要若しくは所望の曲率に維持する。
【0152】
一部の実施形態においては、本明細書に開示した移植片は、治療薬又は薬物を送達するのに提供することができる。治療薬は、例えば、眼内圧降下剤とすることができる。一部の実施形態においては、分路を眼に送達するのと同時に治療薬又は薬物を導入する。治療薬又は薬物は、移植片自体の一部とすることができる。例えば、治療薬又は薬物は、分路の材料に包埋することができ、又は移植片の少なくとも一部を被覆することができる。治療薬又は薬物は、移植片の様々な部分に存在することができる。例えば、治療薬又は薬物は、移植片の遠位端、又は移植片の近位端に存在することができる。移植片は、治療薬又は薬物の組合せを含むことができる。異なる治療薬又は薬物を分けることも組み合わせることもできる。1種類の治療薬又は薬物が移植片の近位端に存在することができ、異なる種類の治療薬又は薬物が移植片の遠位端に存在することができる。例えば、抗増殖剤が移植片の遠位端に存在して増殖を防止することができ、成長促進剤を移植片の近位端に適用して成長を促進することができる。
【0153】
薬物の例としては、種々の分泌抑制薬;有糸分裂阻害薬及び他の抗増殖剤、例えば、とりわけ、血管新生抑制剤、例えば、アンジオスタチン、酢酸アネコルタブ、トロンボスポンジン、VEGF(vascular endothelial growth factor:血管内皮増殖因子)受容体チロシンキナーゼ阻害剤及び抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)薬、例えば、ラニビズマブ(LUCENTIS(登録商標))及びベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、ペガプタニブ(MACUGEN(登録商標))、スニチニブ及びソラフェニブ、並びに血管新生抑制作用を有する種々の公知の小分子及び転写阻害剤のいずれか(かかる抗VEGF化合物の追加の非限定的例は、本明細書に添付され、本願の一部を成す付録Aに記載されている);種々のクラスの公知の眼用薬剤、例えば、緑内障薬、例えば、アドレナリン拮抗薬、例えば、ベータ遮断薬、例えば、アテノロール、プロプラノロール、メチプラノロール、ベタキソロール、カルテオロール、レボベタキソロール、レボブノロール及びチモロール;アドレナリン作動薬又は交感神経作動薬、例えばエピネフリン、ジピベフリン、クロニジン、アプラクロニジン(aparclonidine)及びブリモニジン;副交感神経作動薬又はコリン作動性(cholingeric)作動物質、例えば、ピロカルピン、カルバコール、ホスホリンヨウ素及びフィゾスチグミン、サリチラート、塩化アセチルコリン、エゼリン、フルオロリン酸ジイソプロピル、臭化デメカリウム);ムスカリン作用薬;炭酸脱水酵素阻害薬、例えば、局所薬及び/又は全身薬、例えば、アセトゾラミド(acetozolamide)、ブリンゾラミド、ドルゾラミド及びメタゾラミド、エトキシゾラミド、ダイアモックス並びにジクロフェナミド;散瞳薬−毛様体筋麻ひ薬、例えば、アトロピン、シクロペントレート、サクシニルコリン、ホマトロピン、フェニレフリン、スコポラミン及びトロピカミド;プロスタグランジン、例えば、プロスタグランジンF2アルファ、抗プロスタグランジン、プロスタグランジン前駆体、又はプロスタグランジン類似薬、例えば、ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト及びウノプロストンが挙げられる。
【0154】
薬物の他の例としては、抗炎症剤、例えば、グルココルチコイド及びコルチコステロイド、例えば、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21−ホスファート、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21−ホスファート、酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、フルオロメトロン、ロテプレドノール、メドリゾン、フルオシノロンアセトニド、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、リメキソロン、並びに非ステロイド性抗炎症薬、例えば、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ブロムフェナク、ネパフェナク及びケトロラック、サリチラート、インドメタシン、イブプロフェン、ナキソプレン(naxopren)、ピロキシカム及びナブメトン;感染症治療薬又は抗菌剤、例えば、抗生物質、例えば、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、セファレキシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、リファンピシン、シプロフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、スルホンアミド、スルファジアジン、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルフィソキサゾール、ニトロフラゾン、プロピオン酸ナトリウム、アミノ配糖体、例えば、ゲンタマイシン及びトブラマイシン;フルオロキノロン、例えば、シプロフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン;バシトラシン、エリスロマイシン、フシジン酸、ネオマイシン、ポリミキシンB、グラミシジン、トリメトプリム及びスルファセタミド;抗真菌薬、例えば、アムホテリシンB及びミコナゾール;抗ウイルス剤、例えば、イドクスウリジン トリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、インターフェロン;抗真菌剤(antimicotics);免疫調節剤、例えば、抗アレルギー薬、例えば、クロモグリク酸ナトリウム、アンタゾリン、メタピリレン(methapyriline)、クロルフェニラミン、セチリジン(cetrizine)、ピリラミン、プロフェンピリダミン;抗ヒスタミン剤、例えばアゼラスチン、エメダスチン及びレボカバスチン;免疫薬(ワクチン、免疫刺激薬など);肥満細胞安定剤、例えば、クロモリンナトリウム、ケトチフェン、ロドキサミド、ネドクロミル(nedocrimil)、オロパタジン及びペミロラスト毛様体切除剤、例えば、ゲンタマイシン(gentimicin)及びシドフォビル;並びに他の眼用薬剤、例えばベルテポルフィン、プロパラカイン、テトラカイン、シクロスポリン及びピロカルピン;細胞表面糖タンパク質受容体の阻害剤;うっ血除去薬、例えば、フェニレフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン(tetrahydrazoline);脂質又は降圧脂質;ドパミン作動性作動物質及び/又は拮抗物質、例えば、キンピロール、フェノルドパム及びイボパミン;血管れん縮阻害剤;血管拡張剤;降圧剤;アンジオテンシン変換酵素(ACE:angiotensin converting enzyme)阻害剤;アンジオテンシン−1受容体拮抗物質、例えばオルメサルタン;微小管阻害剤;分子モーター(ダイニン及び/又はキネシン)阻害剤;アクチン細胞骨格制御因子、例えば、サイトカラシン(cyctchalasin)、ラトランクリン、スウィンホリドA、エタクリン酸、H−7及びRho−キナーゼ(ROCK)阻害剤;リモデリング阻害剤;細胞外基質の調節物質、例えば、tert−ブチルヒドロ−キノロン及びAL−3037A;アデノシン受容体作動物質及び/又は拮抗物質、例えばN−6−シクロヘキシルアデノシン(N-6-cylclophexyladenosine)及び(R)−フェニルイソプロピルアデノシン;セロトニン作動薬;ホルモン薬、例えば、エストロゲン、エストラジオール、黄体ホルモン、プロゲステロン、インスリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、ペプチド及びバソプレシン視床下部放出因子;成長因子拮抗物質又は成長因子、例えば、上皮成長因子、線維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子又はその拮抗物質、トランスフォーミング増殖因子ベータ、ソマトトロピン(somatotrapin)、フィブロネクチン、結合組織成長因子、骨形成タンパク質(BMP:bone morphogenic protein);サイトカイン、例えば、インターロイキン、CD44、コクリン(cochlin)及び血清アミロイド、例えば血清アミロイドAも挙げられる。
【0155】
他の治療薬としては、神経保護薬、例えば、ルベゾール(lubezole)、ニモジピン及び関連化合物、例えば、血流改善剤、例えば、ドルゾラミド又はベタキソロール;血液酸素化を促進する化合物、例えば、エリスロポイエチン(erythropoeitin);ナトリウムチャネル遮断薬;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニルバジピン又はロメリジン;グルタミン酸阻害剤、例えばメマンチン ニトロメマンチン、リルゾール、デキストロメトルファン又はアグマチン;アセチルコリンエステラーゼ(acetylcholinsterase)阻害剤、例えば、ガランタミン;ヒドロキシルアミン又はその誘導体、例えば、水溶性ヒドロキシルアミン誘導体OT−440;シナプス調節物質、例えば、硫化水素化合物を含むフラボノイド配糖体及び/又はテルペノイド、例えば、イチョウ;神経栄養因子、例えば、グリア細胞系由来の神経栄養(neutrophic)因子、脳由来の神経栄養因子;タンパク質のIL−6ファミリーのサイトカイン、例えば、毛様体神経栄養因子又は白血病抑制因子;一酸化窒素レベルに影響する化合物又は因子、例えば、一酸化窒素、ニトログリセリン又は一酸化窒素シンターゼ阻害剤;カンナビノイド受容体作動薬、例えば、WIN55−212−2;遊離基捕捉剤、例えば、メトキシポリエチレングリコールチオエステル(MPDTE:methoxypolyethylene glycol thioester)、又はEDTAメチルトリエステルと結合したメトキシポリエチレングリコールチオール(MPSEDE:methoxypolyethlene glycol thiol couples with EDTA methyl triester);抗酸化剤、例えば、アスタキサンチン(astaxathin)、ジチオールチオン、ビタミンE又はメタロコロール(例えば、鉄、マンガン又はガリウムコロール);酸素ホメオスタシスに関与する化合物又は因子、例えば、ニューログロビン又はサイトグロビン;ミトコンドリア分割又は分裂に影響する阻害剤又は因子、例えば、Mdivi−1(ダイナミン関連タンパク質1(Drp1:dynamin related protein 1)の選択的阻害剤);キナーゼ阻害剤又は調節物質、例えば、Rhoキナーゼ阻害剤H−1152又はチロシンキナーゼ阻害剤AG1478;インテグリン機能に影響する化合物又は因子、例えば、ベータ1−インテグリン活性化抗体HUTS−21;N−アシル−エタノールアミン(ethanaolamines)及びその前駆体、N−アシル−エタノールアミンリン脂質;グルカゴン様ペプチド1受容体の刺激物質(例えば、グルカゴン様ペプチド1);ポリフェノール含有化合物、例えば、レスベラトロール;キレート化合物;アポトーシス関連プロテアーゼ阻害剤;新たなタンパク質合成を抑制する化合物;放射線治療薬;光線力学的治療薬;遺伝子治療薬;遺伝子調節因子;神経又は神経の一部の損傷(例えば、脱髄)を防止する自己免疫調節物質、例えば、グラチミル(glatimir);ミエリン阻害剤、例えば、抗NgR遮断タンパク質、NgR(310)エクトFc;他の免疫調節物質、例えば、FK506結合タンパク質(例えば、FKBP51);並びにドライアイ薬、例えば、シクロスポリンA、粘滑剤(delmulcents)、及びヒアルロン酸ナトリウムを挙げることができる。
【0156】
使用することができる他の治療薬としては、他のベータ遮断薬、例えば、アセブトロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、エスモロール(asmolol)、ラベタロール、ナドロール、ペンブトロール及びピンドロール;他のコルチコステロイド及び非ステロイド性抗炎症薬、例えば、アスピリン、ベタメタゾン、コルチゾン、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルドロコルチゾン、フルルビプロフェン、ヒドロコルチゾン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メチルプレドニゾロン、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、プレドニゾロン、ピロキシカム(prioxicam)、サルサラート、スリンダク及びトルメチン;COX−2阻害剤、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ及びバルデコキシブ;他の免疫調節薬、例えば、アルデスロイキン、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標))、アザチオプリン、バシリキシマブ、ダクリズマブ、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、ヒドロキシクロロキン、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標))、レフルノミド、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル及びスルファサラジン;他の抗ヒスタミン剤、例えば、ロラタジン、デスロラタジン、セチリジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン及びプロメタジン;他の抗感染薬、例えば、アミノ配糖体、例えば、アミカシン及びストレプトマイシン;抗真菌薬、例えば、アムホテリシンB、カスポファンギン、クロトリマゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ボリコナゾール、テルビナフィン及びナイスタチン;抗マラリア薬、例えば、クロロキン、アトバコン、メフロキン、プリマキン、キニジン及びキニーネ;抗マイコバクテリウム薬、例えば、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピン及びリファブチン;抗寄生虫剤、例えば、アルベンダゾール、メベンダゾール、チオベンダゾール(thiobendazole)、メトロニダゾール、ピランテル、アトバコン、ヨードキノール(iodoquinaol)、イベルメクチン、パロマイシン(paromycin)、プラジカンテル及びトリメトレキサート(trimatrexate);他の抗ウイルス薬、例えば、抗CMV又は抗ヘルペス薬、例えば、アシクロビル、シドフォビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル(gangciclovir)、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビダラビン、トリフルリジン及びホスカルネット;プロテアーゼ阻害剤、例えば、リトナビル、サキナビル、ロピナビル、インジナビル、アタザナビル、アンプレナビル及びネルフィナビル;ヌクレオチド/ヌクレオシド/非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば、アバカビル、ddI、3TC、d4T、ddC、テノホビル及びエムトリシタビン、デラビルジン、エファビレンツ及びネビラピン;他の抗ウイルス薬、例えば、インターフェロン、リバビリン及びトリフルリジエン(trifluridiene);他の抗菌薬、例えば、カルバペネム(cabapenems)、例えば、エルタペネム、イミペネム及びメロペネム;セファロスポリン、例えば、セファドロキシル、セファゾリン、セフジニル、セフジトレン、セファレキシン、セファクロル、セフェピム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォテタン、セフォキシチン、セフポドキシム、セフプロジル、セフタジジム(ceftaxidime)、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム及びロラカルベフ;他のマクロライド及びケトライド、例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン及びテリスロマイシン;(クラブラン酸を含む、及び含まない)ペニシリン、例えば、アモキシシリン、アンピシリン、ピバンピシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、オキサシリン、ピペラシリン及びチカルシリン;テトラサイクリン、例えば、ドキシサイクリン、ミノサイクリン及びテトラサイクリン;他の抗菌剤、例えば、アズトレオナム、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リネゾリド、ニトロフラントイン及びバンコマイシン;アルファ遮断薬、例えば、ドキサゾシン、プラゾシン及びテラゾシン;カルシウム−チャネル遮断薬、例えば、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン及びベラパミル;他の降圧薬、例えば、クロニジン、ジアゾキシド、フェノルドパム(fenoldopan)、ヒドララジン、ミノキシジル、ニトロプルシド、フェノキシベンザミン、エポプロステノール、トラゾリン、トレプロスチニル及びニトラート系薬剤;抗凝固薬、例えば、ヘパリン及びヘパリノイド、例えば、ヘパリン、ダルテパリン、エノキサパリン、チンザパリン及びフォンダパリヌクス;他の抗凝固薬、例えば、ヒルジン、アプロチニン、アルガトロバン、ビバリルジン、デシルジン、レピルジン、ワルファリン及びキシメラガトラン;抗血小板薬、例えば、アブシキシマブ、クロピドグレル、ジピリダモール、エプチフィバチド(optifibatide)、チクロピジン及びチロフィバン;プロスタグランジンPDE−5阻害剤及び他のプロスタグランジン剤、例えば、アルプロスタジル、カルボプロスト、シルデナフィル、タダラフィル及びバルデナフィル;トロンビン阻害剤;抗血栓薬;抗血小板凝集剤;血栓溶解剤及び/又は線維素溶解剤、例えば、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、レテプラーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ及びウロキナーゼ;抗増殖剤、例えば、シロリムス、タクロリムス、エベロリムス、ゾタロリムス、パクリタキセル及びミコフェノール酸;ホルモン関連薬、例えば、レボチロキシン、フルオキシメストロン(fluoxymestrone)、メチルテストステロン、ナンドロロン、オキサンドロロン、テストステロン、エストラジオール、エストロン、エストロピペート、クロミフェン、ゴナドトロピン、ヒドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、ミフェプリストン、ノルエチンドロン、オキシトシン、プロゲステロン、ラロキシフェン及びタモキシフェン;抗腫よう薬、例えば、アルキル化剤、例えば、カルムスチン ロムスチン、メルファラン、シスプラチン、フルオロウラシル3、及びプロカルバジン抗生物質様薬剤、例えば、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、マイトマイシン及びプリカマイシン;抗増殖薬(例えば、1,3−シスレチノイン酸、5−フルオロウラシル、タキソール、ラパマイシン、マイトマイシンC及びシスプラチンなど);代謝拮抗薬、例えば、シタラビン、フルダラビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン及び5−フルオロウラシル(5−FU:fluorouracil);免疫調節薬、例えば、アルデスロイキン、イマチニブ、リツキシマブ及びトシツモマブ;有糸分裂阻害剤ドセタキセル、エトポシド、ビンブラスチン及びビンクリスチン;放射性薬剤、例えば、ストロンチウム89;並びに他の抗腫よう薬、例えば、イリノテカン、トポテカン及びミトタンが挙げられる。
【0157】
一部の実施形態においては、治療薬は、移植片を介してぶどう膜強膜路の脈絡膜上腔などの眼の所望の場所に送達される。一部の実施形態においては、治療薬は、経扁平部硝子体切除術によって送達される治療薬と組み合わせて、ぶどう膜強膜路の脈絡膜上腔に送達され、それによって治療薬を網膜の両側に送達する。一部の実施形態においては、移植片は、後部ブドウ膜への局所薬物の到達を改善することができる。一部の実施形態においては、移植片を使用して、局所薬物を送達して、脈絡網膜疾患を治療する。
【0158】
一部の実施形態においては、送達装置110は、前もって形成された又は事前の角膜切り込みを通して移植されるが、送達装置210は、「密閉房(closed chamber)」操作が実施されるように、自己形成された切り込み及び自己封着性切り込みを通して移植される。
【0159】
送達装置110は、一部の実施形態においては、移植片がトロカールワイヤ又は閉塞具上に露出した形態で支持されるように構成される。一部の実施形態においては、送達装置210は、挿入又は角膜穿通針内のトロカールワイヤ又は閉塞具上の移植片を支持する。
【0160】
一部の実施形態においては、送達装置110は、移動中に移植片を所定の位置に保持するシリコーン保持具を備える。送達装置210は、一部の実施形態においては、移動及び出荷中に移植片を所定の位置に保持する十分な側面荷重及び摩擦を与える湾曲送達システムを内蔵する。
【0161】
送達装置110は、ある実施形態においては、移植片を放出する単一のトリガー操作を採用する。送達装置210は、一部の実施形態によれば、移植片を曝露及び放出する二重トリガー操作、すなわちトロカール及び移植片推進チューブトリガーを利用する。挿入針が角膜を穿通すると、両方のトリガーが前進して、移植片又はステントとトロカール及び閉塞具が露出する。前方推進チューブトリガーは、推進チューブを前方位置でロックして、移植片又はステントが針の中に後退して戻るのを防止する。移植片又はステントの移植後、後方トロカールトリガーを後退させて、トロカールを後退させ、移植片又はステントを放出する。
【0162】
一部の実施形態によれば、開示された移植片は、有利には送達装置構成に基づいて後方移動が防止されることが理解されるはずである。例えば、移植片120は、挿入スリーブの遠位端相対寸法のために後方移動が防止され、移植片220は、推進チューブの遠位端相対寸法のために後方移動が防止される。
【0163】
さらに、開示されたトロカールの材料特性のために、品質保持期間中のクリープは、有利なことには、懸念される問題にはならないはずである。さらに、一部の実施形態によれば、移植片及びトロカールが非対称に湾曲していることを考慮すると、包装された配置によって、使用時でも、トロカールに対して移植片の望ましくない回転が防止される。さらに、一部の実施形態によれば、少なくとも移植片及びトロカールは、その選択された柔軟性のために、それらが挿入される、又は前進する、特定の空間又は眼の場所に適合することができる所定の曲率を有する。
【0164】
一部の実施形態においては、送達装置110は、白内障手術などの別の眼科手術と組み合わせた使用のために構成される。送達装置110は、前もって装着された移植片120を備え、前もって曲げられた先端部を有することができる。装置110は、有利には、人間工学的ハンドピースを有することができる。
【0165】
一部の実施形態においては、送達装置210は、他の眼科手術(例えば、白内障手術)と併せて実施されずに、独立型の院内(in-office)手術用に構成される。送達装置210は、前もって装着された移植片220を備え、前もって曲げられた先端部を有することができる。さらに、一部の実施形態においては、装置210は、自己封着性切り込みを通した処置を実施するために、統合された角膜穿通と密閉房の能力を有する。装置210は、有利には、人間工学的ハンドピースを備えることができる。移植片220を送達器具210に前もって装着すると、装着誤りが減り、使いやすさに寄与することができる。
【0166】
ある実施形態では、移植片、トロカール及び/又は推進チューブが曲がり、移植片が脈絡膜上腔の解剖学的組織に適合することができる。
【0167】
迎え角、曲率などに関する送達装置の形状によって、有利には、脈絡膜上腔、毛様体上腔又は別の解剖学的空間における移植片の適切な配置を確実にすることができる。
【0168】
一部の実施形態においては、低摩擦(例えば、ポリカーボネート上のポリエチレン)トリガー操作は、一部の実施形態によれば、有利なことには、送達処置中の平滑な操作を可能にする。安全部材(例えば、安全クリップ)は、有利には、送達装置の出荷及び輸送中の望ましくないトリガー動作を防止することができる。
【0169】
トロカール、すなわち閉塞具の材料及び先端部形状の実施形態は、以下を含む幾つかの利点を有する:高テンパーステンレスばね鋼の使用;毛様体筋付着部を貫通するのに十分鋭い先端部;強膜/脈絡膜の脈絡膜上腔における刺激/組織損傷を防止するのに十分丸い先端部;移植片を脈絡膜上腔内に確実に適切に配置するために、前進中に強膜に対して一定の力を加える材料及び形状;並びにトロカール曲率は、移植片又はステントの形状にほぼ一致して、品質保持期間中の塑性クリープを防止する。さらに、有利なことには、一部の実施形態によれば、脈絡膜上腔に非侵襲的に入るために、毛様体筋付着部を切開し、引き離すのに十分な鋭利さでありながらも、ほぼ丸く鋭利でないトロカール、すなわち閉塞具の先端部又は遠位端、例えば、170又は270を利用して、強膜を滑らかに滑降し、望ましくない固着、擦過及び付随する創傷治癒/線維症/被包問題を防止する。
【0170】
さらに、一部の非限定的実施形態によれば、ステント又は移植片220の外径は、約300μmから400μmであり(例えば、350μm、360μm、375μm、380μm、390μm)、有利には、移植に関連した毛様体解離術の亀裂問題を回避及び/又は軽減することができる。例えば、一部の実施形態においては、送達装置210は、移植片220自体よりもかなり大きい毛様体解離亀裂を形成せず、別の実施形態においては、送達装置210及び移植片220は、前房隅角において強膜から毛様体筋を切るのとは対照的に、毛様体筋の線維組織帯を通して送達され、毛様体解離亀裂を形成しない。
【0171】
送達装置210の実施形態に関して、湾曲し、張り出した(flared)被覆ステンレス鋼の挿入又は角膜穿通針は、有利には、解剖学的に眼の中に適した形状であり、虹彩と接触しない。さらに、狭い角膜切り込みは、実質的に閉じた房の自己封着入口を形成することによって眼からの体液喪失を最少にすることができる。さらに、いったん眼に入ると針軸のすべり摩擦が低いことによって、有利には、この繊細な手術中の移動を防止することができ、隅角検査操作中に生じる視界の減少を防止することができる。
【0172】
一部の実施形態においては、さらに、やはり送達装置210の実施形態に関しても、超弾性ニチノール推進チューブは、移植中に移植片又はステントを支援し、トリガー操作中の滑り力(sliding force)を最小にすることができる。さらに、一部の実施形態によれば、ポリエチレン保護チューブは、出荷中の針の先端への損傷を防止する。
【0173】
送達装置210は、一部の実施形態によれば、有利なことには、以下の利点の1つ以上を有し得る「密閉房」処置に使用することができる。前房を膨張させる粘弾性物質が不要である。前房からの流体損失が最小である(これは、低眼圧の確率を低下させる)。角膜切り込みを形成する別のブレードが不要である。手術が速くなる。眼への侵入が1回で済む。有害事象(例えば、眼内炎)の確率又は可能性が低い、より安全な処置。及びより安価で費用効果がより高い。
【0174】
送達装置210の湾曲挿入針、トロカール、すなわち閉塞具、及び推進チューブは、さらに、ある実施形態においては、(出荷中を含めた)その全品質保持期間中、移植片又はステントの形状を保持して、(移植片又はステントの湾曲の減少などの)クリープを防止することができる。さらに、密閉房処置は、角膜の曲率にほぼ一致し、内部からの処置において眼の横断を可能にすることによって、深くされていない前房における外科的安全性を高めることができる。
【0176】
条件を表す言語、例えば、とりわけ、「できる(can)」、「できた(could)」、「してもよい(might)」又は「してもよい(may)」は、別段の記載がない限り、又は使用状況の範囲内で理解されるように、一般に、ある特徴、要素及び/又はステップを含む実施形態もあれば、含まない実施形態もあることを示唆するものである。
【0178】
本明細書に記述及び図示した方法は、記述した行為の順序に限定されず、記述した行為のすべての実行に必ずしも限定されない。別の順序の行為、又は行為のすべてではない一部、又は同時に行われる行為を、本発明(単数又は複数)の実施形態の実行に利用することができる。本明細書に開示した方法は、開業医によってとられるある種の行動を含むが、明確に、又は暗黙に、これらの行動の第三者の指示を含むこともできる。例えば、「切り込みの形成」などの行動は、「切り込みの形成の指示」を含む。
【0180】
本明細書に開示した範囲は、その範囲内の個々の数値のみならず、その任意及びすべての重複、部分範囲及び組合せも包含する。例えば、約5から約30度などの範囲の記述は、その範囲内の個々の数、例えば、5、10、15、20、25、12、15.5、及びその間の任意の全部の増分と部分的な増分のみならず、5から10度、10から20度、5から25度、15から30度などの具体的に開示される部分範囲も含むと考えるべきである。「まで(up to)」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「間」などの言語は、列挙された数を含む。「約(about)」、「約(approximately)」などの用語が前に付いた数は、列挙された数を含む。例えば、「約10%」は「10%」を含む。例えば、本明細書では「約(approximately)」、「約(about)」及び「実質的に」という用語は、所望の機能を果たし、又は所望の結果をもたらす、表示量に近い量を表す。
【0182】
上記のことから、新規の眼内圧制御手法が開示されたことを理解されたい。本発明の実施形態の成分、技術及び態様をある程度詳細に記述したが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記述した具体的設計、構成及び方法に多数の変更を成し得ることが明らかである。
【0183】
本発明の幾つかの好ましい実施形態及びその変形形態を詳述したが、同一形態に対する別の改変、別の使用方法、並びに別の医学上、診断上、研究上及び治療上の応用が当業者には明らかになるであろう。したがって、等価な様々な応用、改変及び置換が、本発明の実施形態の精神、又は特許請求の範囲から逸脱することなく成し得ることを理解すべきである。
【0184】
本発明の実施形態の様々な改変及び応用が、本発明の実施形態の真の精神又は範囲から逸脱することなく当業者に想起され得る。本発明(単数又は複数)は、例示目的で本明細書に記載された実施形態に限定されず、その各要素のあらゆる種類の均等物を含めて、添付の特許請求の範囲を正しく読むことによってのみ定義されるべきものであることを理解すべきである。