(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561047
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】ターボチャージャ用高速スイッチリラクタンスモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/28 20060101AFI20190805BHJP
F02B 37/04 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
H02K1/28 Z
F02B37/04 C
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-515350(P2016-515350)
(86)(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公表番号】特表2016-520282(P2016-520282A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】US2014037663
(87)【国際公開番号】WO2014189701
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2017年4月18日
(31)【優先権主張番号】61/826,193
(32)【優先日】2013年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】オーガスティン・カヴァグナロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ダブリュ・シェカンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ティー・レース
【審査官】
島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05726516(US,A)
【文献】
特開2003−052156(JP,A)
【文献】
米国特許第06845617(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0315715(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0236951(US,A1)
【文献】
特開2009−213291(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0034295(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0222153(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0061227(US,A1)
【文献】
米国特許第04568903(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/28
F02B 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチドリラクタンスモータ(160)の回転子アセンブリ(164)であって、
軸(142)と、
前記軸(142)上に装着される薄板磁性プレート(3)の積層体(2)と、
前記積層体(2)の一端部で軸(142)上に装着される第1カラー(6)と、
前記積層体(2)の反対側の端部で軸(142)上に装着される第2カラー(8)と、
前記第1カラー(6)と第2カラー(8)を通じて積層体(2)の回転力を軸(142)に伝達するように構成されている非伝導性の非金属ピン(5)とを含む回転子アセンブリであって、
前記ピン(5)は、該ピン(5)の一方端部(5a)が前記第1カラー(6)に連結されるとともに、該ピン(5)の他方端部(5b)が第2カラー(8)に連結されるように、前記薄板磁性プレート(3)の積層体(2)を通って延びており、
前記ピン(5)は前記軸(142)に平行であり、
前記第1カラー(6)は薄板磁性プレート(3)の前記積層体(2)と接触しておらず、前記第2カラー(8)は薄板磁性プレート(3)の積層体と接触している回転子アセンブリ(164)。
【請求項2】
前記第1カラー(6)と薄板磁性プレート(3)の積層体との間に配置されるスプリングワッシャ(7)をさらに含む請求項1に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項3】
2つないし4つのピン(5)を含む請求項2に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項4】
2つないし4つのピン(5)を含む請求項1に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項5】
前記ピン(5)は、ポリエーテルケトン、ポリイミド樹脂、及びフェノール樹脂からなる群より選ばれるいずれか一つの材料で形成される請求項1に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項6】
前記ピン(5)は、ポリエーテルケトン、ポリイミド樹脂、及びフェノール樹脂からなる群より選ばれるいずれか一つの材料で形成される請求項1に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項7】
前記ピン(5)は軸(142)の回転軸線(R)に対して対称に配置される請求項1に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項8】
前記第1カラー(6)と第2カラー(8)とが軸(142)に対して固定されている請求項1に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項9】
前記ピン(5)の一方端部(5a)は、第1カラー(6)にある開口(9)内にきつく嵌合されるとともに、前記ピン(5)の他方端部(5b)は、第2カラー(8)にある開口(9)内にきつく嵌合される請求項1に記載の回転子アセンブリ(164)。
【請求項10】
排気ガスターボチャージャ(100)であって、
圧縮機ホイール(130)を含む圧縮機部(12)と、
タービンホイール(112)を含むタービン部(102)と、
前記圧縮機ホイール(130)をタービンホイール(112)に連結する軸(142)を支持するベアリングハウジング(140)と、
前記ベアリングハウジング(140)内に配置されるスイッチドリラクタンスモータ(160)とを含み、
前記モータ(160)は回転子アセンブリ(164)を含み、
前記回転子アセンブリは、
前記軸(142)上に装着される薄板磁性プレート(3)の積層体(2)と、
前記積層体(2)の一端部で軸(142)上に装着される第1カラー(6)と、
前記積層体(2)の反対側の端部で軸(142)上に装着される第2カラー(8)と、
前記第1カラー(6)と第2カラー(8)を通じて積層体(2)の回転力を軸(142)に伝達するように構成されている非伝導性の非金属ピン(5)とを含む排気ガスターボチャージャであって、
前記ピン(5)は、該ピン(5)の一方端部(5a)が前記第1カラー(6)に連結されるとともに、該ピン(5)の他方端部(5b)が第2カラー(8)に連結されるように前記薄板磁性プレート(3)の積層体(2)を通って延びており、
前記ピン(5)は軸2に平行であり、
前記第1カラー(6)は薄板磁性プレート(3)の積層体(2)と接触しておらず、前記第2カラー(8)は薄板磁性プレート(3)の積層体と接触している排気ガスターボチャージャ(100)。
【請求項11】
前記第1カラー(6)と薄板磁性プレート(3)の積層体との間に配置されるスプリングワッシャ(7)をさらに含む請求項10に記載の排気ガスターボチャージャ(100)。
【請求項12】
前記ピン(5)は軸(142)の回転軸線(R)に対して対称に配置される請求項10に記載の排気ガスターボチャージャ(100)。
【請求項13】
前記第1カラー(6)と第2カラー(8)とが軸(142)に対して固定されている請求項10に記載の排気ガスターボチャージャ(100)。
【請求項14】
前記ピン(5)の一方端部(5a)は、第1カラー(6)にある開口(9)内にきつく嵌合されるとともに、前記ピン(5)の他方端部(5b)は、第2カラー(8)にある開口(9)内にきつく嵌合される請求項10に記載の排気ガスターボチャージャ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年5月22日に「A High Speed Switch Reluctance Motor On A Turbocharger」という名称で出願された米国仮出願第61/826,193号に対する優先権及びその全ての利益を主張し、当該仮出願は本出願に参照として組み込まれている。
【0002】
本発明は内燃機関用ハイブリッドターボチャージャに関する。より具体的には、本発明はハイブリッドターボチャージャに用いられる高速スイッチリラクタンスモータに関する。
【背景技術】
【0003】
ターボチャージャは、内燃機関に用いられる一種の強制誘導システムである。ターボチャージャは圧縮空気をエンジン吸入口に伝達してより多くの燃料が燃焼できるようにし、よってエンジン重量を大きく増加させることなくエンジンの出力を増大させることができる。従って、ターボチャージャは、通常吸気されるより大きなエンジンと同じ量の動力を発生させるより小さなエンジンの使用を可能にする。より小さなエンジンを車両に用いることにより、車両の質量を減少させ、性能を増加させ、かつ燃費を向上させるという望ましい効果が得られる。さらに、ターボチャージャの使用はエンジンに伝達される燃料のより完全な燃焼を可能にするが、これは排出の低減という非常に望ましい目標に寄与する。
【0004】
従来のターボチャージャは、エンジンの排気マニホールドに連結されるタービンハウジング、エンジンの吸気マニホールドに連結される圧縮機ハウジング、及びタービンハウジングと圧縮機ハウジングとを互いに連結するセンターベアリングハウジングを含む。タービンハウジング内のタービンホイールは、排気マニホールドから供給される排気ガスの流入により回転可能に駆動される。センターベアリングハウジング内で回転可能に支持される軸は、タービンホイールを圧縮機ハウジング内の圧縮機インペラに連結し、それによりタービンホイールの回転によって圧縮機インペラが回転する。圧縮機インペラが回転することにより、前記圧縮機インペラはエンジンの吸気マニホールドを通じてエンジンのシリンダに伝達される空気の質量流量、気流密度及び空気圧を増加させるようになる。
【0005】
タービンホイールが軸によって圧縮機ホイールに連結されているターボチャージャは、回転子アセンブリの回転慣性を克服し、その後所望の量の空気を吸気マニホールドに提供するのに要する高い回転速度に到逹するために必要な排気エネルギーが存在するようになるまで性能遅延を有する傾向がある。この性能遅延はターボラグとして知られている。ターボラグの問題に対する一解決方法は、圧縮機ホイールを電気モータに連結して、タービン/圧縮機に動力を供給するのに必要な排気エネルギーが存在するようになるまで圧縮機段を駆動させることである。
【0006】
スイッチドリラクタンスモータは圧縮機の駆動に用いることができる。スイッチドリラクタンスモータ(SRM)は、回転子ではなく固定子にある巻線に電力が伝達される一種のモータである。電流は回転子を固定子極と整列されるように引き寄せる磁場を生成する。電流を固定子の一組の極から次の組の極に切り替えることにより、磁場は常に回転子の前にあるようになり、回転子は前に引き寄せられて回転することになる。電流はモータの固定子部にある極を取り囲む巻線に伝達される。モータの回転子部は巻線を有していないが、その代り一般的に極の形態になっている軟磁性材料のコア(典型的には、薄板軟鋼突出部)を有する。
【発明の概要】
【0007】
ある様態において、スイッチドリラクタンスモータの回転子アセンブリは、軸;前記軸上に装着される磁性薄板プレートの積層体;前記積層体の一端部で軸上に装着される第1カラー;前記積層体の反対側の端部で軸上に装着される第2カラー;及び前記第1カラーと第2カラーを通じて積層体の回転力を軸に伝達するように構成されている非伝導性の非金属ピンを含む。
【0008】
回転子アセンブリは次の特徴的事項のうちの一つ以上を含むことができる。前記ピンは、該ピンのそれぞれの端部が前記第1カラーと第2カラーのそれぞれに連結されるように前記磁性薄板プレートの積層体を通って延びており、前記ピンは軸に平行であり、前記第1カラーは磁性薄板プレートの積層体と接触しておらず、前記第2カラーは磁性薄板プレートの積層体と接触している。前記アセンブリは前記第1カラーと磁性薄板プレートの積層体との間に配置されるスプリングワッシャをさらに含む。前記アセンブリは2つないし4つのピンを含む。前記ピンは、ポリエーテルケトン、ポリイミド樹脂、及びフェノール樹脂からなる群より選ばれる材料で形成される。前記ピンは軸の回転軸線に対して対称に配置される。前記第1カラーと第2カラーとが軸に対して固定されている。ピンのそれぞれの端部は、第1カラーと第2カラーのそれぞれにある開口内にきつく嵌合される。
【0009】
ある様態において、排気ガスターボチャージャは、圧縮機ホイールを含む圧縮機部;タービンホイールを含むタービン部;前記圧縮機ホイールをタービンホイールに連結する軸を支持するベアリングハウジング;及び前記ベアリングハウジング内に配置されるスイッチドリラクタンスモータを含む。前記モータは回転子アセンブリを含み、該回転子アセンブリは、前記軸上に装着される磁性薄板プレートの積層体;前記積層体の一端部で軸上に装着される第1カラー;前記積層体の反対側の端部で軸上に装着される第2カラー;及び前記第1カラーと第2カラーを通じて積層体の回転力を軸に伝達するように構成されている非伝導性の非金属ピンを含む。
【0010】
前記ターボチャージャは次のような特徴的事項のうちの一つ以上を含むことができる。前記ピンは、該ピンのそれぞれの端部が前記第1カラーと第2カラーのそれぞれに連結されるように前記磁性薄板プレートの積層体を通って延びており、前記ピンは軸に平行であり、前記第1カラーは磁性薄板プレートの積層体と接触しておらず、前記第2カラーは磁性薄板プレートの積層体と接触している。前記ターボチャージャは前記第1カラーと磁性薄板プレートの積層体との間に配置されるスプリングワッシャをさらに含む。前記ピンは軸の回転軸線に対して対称に配置される。前記第1カラーと第2カラーとが軸に対して固定されている。前記ピンは、ポリエーテルケトン、ポリイミド樹脂、及びフェノール樹脂からなる群より選ばれる材料で形成される。前記ピンのそれぞれの端部は、第1カラーと第2カラーのそれぞれにある開口内にきつく嵌合される。
【0011】
ターボチャージャは、ターボラグに対処するためにスイッチドリラクタンスモータを含む。要求される高速(例えば、100,000rpm)及びターボチャージャ用として設計されたスイッチドリラクタンスモータで用いられる低強度電気用鋼のために、回転子をターボチャージャの軸上に保持し、かつ回転子を所望の配向に保持することは非常に難しい。このような懸念に対処するため、ターボチャージャはスイッチドリラクタンスモータを含む。該モータは、軸上に装着される磁性薄板要素を有する回転子アセンブリを含み、該磁性薄板要素は非金属の非伝導性ピンによって所定の位置に保持される。また、ピンは薄板要素の運動を軸に伝達する。軸の両側にピンを配置することにより、モータトルクが軸に伝達され、軸に対する薄板要素の配向が固定され、回転子アセンブリの均衡は最小限の影響を受けるようになり、そして薄板要素の組はターボチャージャの作動中に、必要に応じて軸方向に自由に大きくなることができる。また、回転子アセンブリをターボチャージャの内に設置する前に前記回転子アセンブリの均衡をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照して本発明をより良く理解することにより、本発明の利点が容易に分かるであろう。
【
図1】
図1はタービン部と圧縮機部との間で軸上に配置されているスイッチドリラクタンスモータを含むターボチャージャの側断面図である。
【
図2】
図2はターボチャージャから分離されているモータ回転子アセンブリの側断面図である。
【
図3】
図3は2つの非金属の非伝導性ピン及びターボチャージャの軸を有するモータ回転子アセンブリの側断面図である。
【
図4】
図4は2つの非金属の非伝導性ピンを示すモータ回転子アセンブリの端部図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、排気ガスターボチャージャ100は、タービン部102、圧縮機部120、及び圧縮機部120とタービン部102との間に配置されて圧縮機部をタービン部に連結するセンターベアリングハウジング140を含む。タービン部102はタービンハウジング(図示せず)を含み、該タービンハウジングは、排気ガス入口、排気ガス出口、及び前記排気ガス入口と排気ガス出口との間で流体経路に配置されるタービンボリュートを有する。タービンホイール112がタービンボリュートと排気ガス出口との間で前記タービンハウジング内に配置されている。
【0014】
圧縮機部120は圧縮機ハウジング(図示せず)を含み、該圧縮機ハウジングは、空気入口、空気出口、及び圧縮機ボリュートを有する。圧縮機ホイール130が前記空気入口と圧縮機ボリュートとの間で前記圧縮機ハウジング内に配置されている。
【0015】
軸142がタービンホイール112を圧縮機ホイール130に連結する。前記軸142は、軸方向に互いに離れている一対のジャーナルベアリング146、148を通じてベアリングハウジング140内にあるボア144の内部で回転軸線Rの周りを回転するように支持される。例えば、圧縮機側ジャーナルベアリング146は、圧縮機部120に隣接して軸142を支持し、タービン側ジャーナルベアリング148は、タービン部102に隣接して軸142を支持する。圧縮機側ジャーナルベアリング146とタービン側ジャーナルベアリング148との間の軸方向間隔は、これらベアリングの間に配置されるスイッチドリラクタンスモータ160によって維持される。さらに、軸142に対する軸方向支持を提供するためにスラストベアリングアセンブリ150がベアリングハウジング140内に配置されている。
【0016】
使用の際、タービンハウジング内のタービンホイール112はエンジン(図示せず)の排気マニホールドから供給される排気ガスの流入によって回転可能に駆動される。軸142はベアリングハウジング140内で回転可能に支持され、かつタービンホイール112を圧縮機ハウジング内の圧縮機ホイール130に連結するので、タービンホイール112の回転によって圧縮機ホイール130が回転される。圧縮機ホイール130が回転することにより、前記圧縮機ホイールは、圧縮機空気出口126からの流出を通じてエンジンのシリンダに伝達される空気の質量流量、気流密度及び空気圧を増加させるようになり、前記圧縮機空気出口はエンジンの吸気マニホールドに連結されている。
【0017】
前記ターボチャージャは、車両の起動中に及び/又は低いエンジン速度でターボラグに対処するためにスイッチドリラクタンスモータ160を含む。該モータ160は、巻回されたフィールドコイルで形成された固定子162、及び固定子162の内部に配置されて該固定子に対して回転するように構成された回転子アセンブリ164を含む。回転子アセンブリ164は、各ジャーナルベアリング146、148間で軸142上で回転可能に支持され、かつ以下においてさらに説明するように、モータトルクを軸142に伝達するように構成されている。
【0018】
図2〜4を参照すると、回転子アセンブリ164は薄板磁性プレート3の積層体2を含む。例えば、プレート3は鋼で形成されても良い。個々の薄板プレート3は電気的絶縁を提供する結合剤によって結合される。積層体2の形状は個々の磁性薄板要素(例えば、プレート3)の形状によって定められる。プレート3はモータ極1を形成する外向突出部を含む略円形の周縁形状を有する。例えば、4つの極1を有する回転子アセンブリ164は、4つの突出部を有する磁性薄板プレート3を積層して形成される。2つないし8つの極1がスイッチドリラクタンスモータでの使用に適切であることが明らかになった。示されている実施形態は4つの極1を含むが(
図4)、回転子アセンブリ164は4つの極を有するものに限定されない。
【0019】
それぞれの磁性薄板プレート3は中心開口14を含み、プレート3は、プレート3が共に積層されると、それぞれの中心開口14が軸方向に整列されて、積層体2を貫通する中空の管形中心通路4を形成するように配置される。
【0020】
また、それぞれの磁性薄板プレート3は、ピン5を収容可能な大きさでなる2つ以上の非中心孔16を有し、プレート3は、磁性薄板金属要素が共に積層されると前記非中心孔16が軸方向に整列されて、積層体2を貫通する中空の管形ピン通路18を形成するように配置される。ピン通路18を形成する各プレート3にある孔16の数は偶数であっても奇数であっても良く、回転子アセンブリ164にある極1の数よりも少なくても多くても良い。2つないし8つの孔が効果的であることが明らかになった。孔16は回転軸線Rに対して対称になるようにプレート3の周囲に配置されても良いが、このような配置に限定されない。さらに、孔16は極1と整列されても良いが(例えば、半径方向の軸線上で)、必ずしも極1と整列する必要はない。例えば、4極の回転子アセンブリ164は対称に配置される2つ又は3つの孔16を有することができる。
【0021】
回転子アセンブリ164は非金属の非伝導性ピン5を含む。ピン5は積層された磁性薄板プレート3によって形成される各ピン通路18内に配置され、該ピン通路を通って延びている。それぞれのピン5は薄板プレート3の積層体2の軸方向長さよりも大きな軸方向長さを有し、その結果ピン5の対向する端部5a、5bが積層体2の各端部から突出するようになる。
【0022】
回転子アセンブリ164は軸142上に配置される一対のカラー6、8をさらに含む。磁性薄板プレート3は該一対のカラー6、8によって非金属の非伝導性ピン5上に保持される。特に、第1カラー6は積層体2の第1端部2aに配置され、第2カラー8は積層体2の第2反対側の端部2bに配置される。各カラー6、8が磁性薄板プレート3の全体断面領域を覆うことが好ましい。しかし、カラー6、8は磁性薄板プレート3の正確な形状を有する必要はない。例えば、円形のカラーが4つの突出部を有する磁性薄板プレート3を覆っても良い。
【0023】
各カラー6、8は対応するピン端部5a、5bを収容するピン孔9を有するが、該ピン孔はピン端部5a、5bのためのきつい嵌合を提供し、それによりピン5がカラー6、8に固定される。また、各カラー6、8は軸142が貫通する中心開口11を含む。該中心開口11の大きさは、カラー6、8が軸142にきつく嵌合されるようになっている。従って、プレート3によって発生されたトルクは非金属の非伝導性ピン5を通じてカラー6、8に伝達され、それによりカラー6、8を通じて軸142に伝達される。一方のカラー(例えば、カラー8)は磁性薄板プレート3と接触している。他方のカラー(例えば、カラー6)は磁性薄板プレート3の積層体2から少し離れている。選択的に、スプリングワッシャ7がカラー6と磁性薄板プレート3の積層体2との間に装着される。スプリングワッシャ7は、モータ160が低温のときに磁性薄板プレート3の積層体2に対する圧力を保持する。モータ160の温度が高くなるにつれ、スプリングワッシャ7は積層体2に対する適切な圧力を保持しながら、磁性薄板プレート3の積層体2が膨脹できるようにする。
【0024】
図2及び3は2つの非金属の非伝導性ピン5を有する回転子アセンブリ164の長手方向断面を示す。回転子アセンブリ164は、磁性薄板プレート3の積層体2(該積層体2は中心通路4を有し、ターボチャージャの軸142が該中心通路を通って延びていても良い)、2つの非金属の非伝導性ピン5、磁性薄板プレート3の積層体2と接触していない第1カラー6、該カラー6と積層体2との間に配置されるスプリングワッシャ7、及び磁性薄板プレート3の積層体2と接触している第2カラーを有する。前記第1カラー6と第2カラー8はいずれも中心孔11を有する円形リングである。
図3で、ターボチャージャの軸142は回転子アセンブリ164を通って延びている。
【0025】
図4には、プレート3にある2つの非金属の非伝導性ピン5が示されている。プレート3はプレート中心孔14を含み、軸142がそのプレート中心孔を通って延びていても良い。ピン5は中心孔14の対向する側で対称に配置され、それによりピン5は回転子アセンブリ164の均衡に最小の影響を与えるか又は全く与えない。
【0026】
回転子アセンブリ146に用いられる磁性薄板プレート3は永久に磁化しない強磁性材料で形成される。プレート3の積層体2はこの強磁性特性のため、固定子162の巻線に流れる電流によって発生する磁場側に引き寄せられるようになる。様々な種類の強磁性合金が知られており、回転子アセンブリ164を製作することに用いることができる。しかし、有効性及びコストの理由により、軟鋼がプレート3を形成するのに有用であることが明らかになった。
【0027】
回転子アセンブリ164にある非金属の非伝導性ピン5の数は、ある程度モータ160の大きさに依存する。より大きな動力を有するより大きなモータの場合、各ピン5によって伝達される力を適切なレベルに保持するために非金属の非伝導性ピン5の数はさらに多くても良い。回転子アセンブリ164にある非金属の非伝導性ピン5の数は2〜8つであっても良い。回転子アセンブリ164にある2〜4つの非金属の非伝導性ピン5が非常に効果的である。非金属の非伝導性ピン5はモータ160内部に形成された磁場と干渉しない。非金属の非伝導性ピン5の大きさ(例えば、長さ及び断面寸法)はモータの大きさによって変更できる。より大きな動力を有するより大きなモータの場合、非金属の非伝導性ピン5の大きさ(例えば、断面寸法)は、各ピン5が伝達しなければならないより高いトルクに耐えられるように、さらに大きくても良い。1.5〜3mmの直径を有する非金属の非伝導性ピンが回転子アセンブリ164で有用であることが明らかになった。
【0028】
積層体2にある個々の磁性薄板プレートは必ずしも軸142にきつく嵌合される必要はない。このような場合、回転子アセンブリ164の要素に加えられる回転力は非金属の非伝導性ピン5を通じてカラー6、8に伝達される。非金属の非伝導性ピン5は回転力を伝達するので、硬質材料で製作されても良い。回転子アセンブリ164にある非金属の非伝導性ピン5として用いるのに適した硬質材料には、Victrex Corporation製のPEEK 450FC30等のポリエーテルケトン、E.I.duPont de Nemours and company製のVespel
R等のポリイミド樹脂、及びフェノール樹脂を含む。
【0029】
カラー6、8は軸142及び非金属の非伝導性ピン5にきつく嵌合され、かつ回転力を軸142に伝達することができる。一方のカラー8は磁性薄板プレート3の積層体2と直接接触している。他方のカラー6は軸142にきつく嵌合されるが、磁性薄板プレート3の積層体2と直接接触していない。選択的に、スプリングワッシャ7が一方のカラー6と磁性薄板プレート3の積層体2との間に配置されても良い。ターボチャージャ100とモータ160の温度が増加するにつれ、磁性薄板プレート3の積層体2が膨脹し得る。モータ160が低温のとき、そしてターボチャージャ100及びモータ160の温度が増加するときに前記選択的なスプリングワッシャ7はカラー6、8と磁性薄板プレート3の積層体2との間の接触を保持することができる。また、選択的なスプリングワッシャ7は、磁性薄板プレート3の積層体2が膨脹するときに非金属の非伝導性ピン5に加えられる力によって該非金属の非伝導性ピン5が伸長したり変形したりすることのないように保障する。様々なスプリングワッシャ7が本発明への使用に適合する。例えば、弓形スプリングワッシャ、ベレヴィルワッシャ、ウェーブワッシャ、及びスロットが形成されているディスクワッシャは全て回転子アセンブリ164への使用に適合する。スプリングワッシャ7はいくつかの利点を提供するが、このスプリングワッシャは必須ではない。端部のカラー6と回転子薄板プレート3の積層体2との間の間隔が小さい場合、スプリングワッシャ7がなくても動いてしまう可能性はほぼない。
【0030】
本発明を特定の実施形態に対して図示及び説明したが、当業者であれば以下の請求の範囲に規定されているような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が可能であることを理解するであろう。