(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、特に示さない限り、値の範囲の限度は、特に表現「の範囲」においてその範囲内に含まれる。
【0011】
特に断らない限り、次の定義は、本明細書において本発明を説明するために使用される様々な用語の意味及び範囲を例示しかつ定義するために記載する。
【0012】
本明細書で使用するときに、用語「塩」とは、一価又は多価の有機又は無機陰イオン性又は陽イオン性塩をいう。
【0013】
本明細書中で使用するときに、用語「緩衝液」とは、pHの変化に抵抗し、その後組成物のpHを特定の範囲内で安定化させることができるイオン性化合物を含有する溶液をいう。緩衝液は、一般に、pHの変化に抵抗する弱酸又はその塩又は弱塩基及びその塩からなる。
【0014】
注射力を測定することによって決定できる「注射性能」という用語は、シリンジ又は注入器といった注射用の装置を使用した非経口投与のための製剤の適合性を意味する。
【0015】
ここで使用するときに、用語「安定剤」とは、活性物質の分解を防ぎ、その物理的又は化学的安定性を高めるための薬学的に許容される化合物(例えば、抗酸化特性又は界面活性剤を有する化合物)を意味する。
【0016】
ここで使用するときに、用語「界面活性剤」とは、界面活性特性を有する化合物又は賦形剤をいう。本発明の製剤で使用されるときに、界面活性剤は、活性成分の水溶解度を改善し、活性物質を分解から保護するのに役立ち、及び/又は活性成分の沈殿を制限することができる。
【0017】
ここで使用するときに、用語「酸化防止剤」とは、抗酸化特性を有する化合物をいう。本発明の製剤で使用されるときに、酸化防止剤は、活性成分の酸化的分解を阻害若しくは防止し、及び/又は賦形剤の酸化的分解を阻害若しくは防止することができる。
【0018】
用語「(共)重合体」とは、重合体若しくは共重合体又はそれらの混合物を意味する。
【0019】
用語「非水溶性」とは、水に不溶であることを意味すると解される。好ましくは、「非水溶性」(共)重合体又は賦形剤は、25℃で測定された水への溶解度が1mg/mL未満、好ましくは0.1mg/mL未満である。
【0020】
用語「生体適合性」とは、生体組織、生物学的系又は生物学的機能において医学的に有意な毒性応答、有害な応答又は免疫応答を生じさせないことによって生物学的に適合性であることを意味する。
【0021】
「生分解性」という用語は、生物学的因子、生物学的(微)生物によって分解できること又は生物学的流体中に置かれたときに分解できることを意味する。
【0022】
表現「から本質的になる組成物」に関連して使用されるときの用語「本質的に」とは、任意の追加成分が、該組成物の総重量に対してそれぞれ2%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%、0.25%未満、合計では該組成物の総重量に対して3、2、1、0.5%未満のわずかな不純物を構成するにすぎないことを意味する。
【0023】
好ましい実施形態では、「から本質的になる組成物」とは、任意の追加の成分が、該組成物の総重量に対して、それぞれ2%未満、合計で該組成物の総重量に対して3%未満のわずかな不純物を構成するにすぎないことを意味する。別の好ましい実施形態では、「から本質的になる組成物」とは、任意の追加の成分が、該組成物の総重量に対してそれぞれ1%未満、合計で該組成物の総重量に対して2%未満のわずかな不純物を構成するにすぎないことを意味する。さらに好ましい実施形態では、「から本質的になる組成物」とは、任意の追加の成分が、それぞれ該組成物の総重量に対して0.5%未満、合計で該組成物の総重量に対して1%未満のわずかな不純物を構成するにすぎないことを意味する。別のさらに好ましい実施形態では、「から本質的になる組成物」とは、任意の追加の成分が、それぞれ該組成物の総重量に対して0.25%未満、合計で該組成物の総重量に対して0.5%未満のわずかな不純物を構成するにすぎないことを意味する。特に明記しない限り、本発明において言及する全てのパーセンテージは重量/重量(w/w)パーセントである。
【0024】
LHRHアナログは、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリン又はその任意の薬学的に許容される塩から選択できる。活性成分は、塩又は遊離塩基の形態である。
【0025】
好ましくは、LHRHアナログは、トリプトレリン又はその薬学的に許容される塩である。
【0026】
本発明の水性医薬組成物は、活性成分又はその任意の薬学的に許容される塩、塩及び水を本質的に含む。好ましくは、活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水は、該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも97重量%を占める。
【0027】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占める水性医薬組成物である。
【0028】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出のための水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占める水性医薬組成物である。
【0029】
本発明のために使用できるLHRHアナログの塩は、好ましくは、有機酸の薬学的に許容される塩、例えば酢酸、フェニル酢酸、乳酸、リンゴ酸、パモ酸、アスコルビン酸、コハク酸若しくは安息香酸の塩、又は無機酸の薬学的に許容される塩、例えば塩酸、硫酸若しくはリン酸の塩である。
【0030】
好ましい一実施形態によれば、LHRHアナログは塩の形態である。
【0031】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログの薬学的に許容される塩、
・塩、及び
・水
を含み、該活性成分の薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占める水性医薬組成物である。
【0032】
好ましい実施形態では、LHRHアナログは、酢酸、フェニル酢酸、乳酸、リンゴ酸、パモ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、硫酸及びリン酸から選択される薬学的に許容される塩の形態である。
【0033】
好ましくは、LHRHアナログはパモ酸塩、酢酸塩又はリン酸塩の形態、より好ましくは酢酸塩の形態である。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、LHRHアナログはトリプトレリンであり、その薬学的に許容される塩はパモ酸塩、酢酸塩又はリン酸塩、好ましくは酢酸塩である。
【0035】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリンから選択されるLHRHアナログの薬学的パモ酸塩、酢酸塩又はリン酸塩、
・塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占める水性医薬組成物である。
【0036】
別の好ましい実施形態によれば、トリプトレリンは遊離塩基として存在する。
【0037】
どのようなLHRHアナログ形態、すなわち、塩形態又は遊離塩基であっても、本発明の意味において、例えば濃度又はパーセンテージとして表されるLHRHアナログの量は、遊離塩基としてのLHRHアナログを指す。
【0038】
有利には、LHRHアナログは、組成物の総重量に対して1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは1.5〜22重量%の範囲の濃度で存在する。
【0039】
好ましくは、LHRHアナログはトリプトレリンであり、組成物の総重量に対して1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは1.5〜22重量%の範囲の濃度で存在する。
【0040】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占め、しかもLHRHアナログが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在する、水性医薬組成物である。
【0041】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物は、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占め、しかもLHRHアナログが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在する。
【0042】
本発明に係る組成物は塩を含む。塩は、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩又は塩化物塩から選択できる。塩が硫酸塩である場合には、硫酸ナトリウム又は硫酸アンモニウムから選択できる。
【0043】
好ましい実施形態では、塩は、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩又は塩化物塩から選択される。
【0044】
好ましくは、塩は、リン酸塩又は硫酸塩から選択される。
【0045】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占め、
好ましくは、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占める水性医薬組成物である。
【0046】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占め、
好ましくは、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占める水性医薬組成物である。
【0047】
本発明の一実施形態では、塩は硫酸塩である。
【0048】
別の好ましい実施形態では、塩は硫酸塩であり、硫酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムから選択される。好ましくは、硫酸塩は硫酸ナトリウムである。
【0049】
本発明の別の実施形態では、塩は、リン酸塩である。
【0050】
リン酸塩の特定の場合において、リン酸塩はリン酸塩緩衝液とすることができる。リン酸塩緩衝液は、水にリン酸二水素ナトリウム二水和物を溶解し、pHを水酸化ナトリウムで7.5に調整することによって調製できる。
【0051】
好ましくは、リン酸塩は、リン酸塩緩衝液である。
【0052】
好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分としてトリプトレリン、
・塩、及び
・水
を含み、トリプトレリンが該組成物の総重量に対して少なくとも1〜30重量%の範囲の濃度で存在する水性医薬組成物である。
【0053】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその任意の薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、LHRHアナログが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在する水性医薬組成物である。
【0054】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物は、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその任意の薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、LHRHアナログが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在する水性医薬組成物である。
【0055】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、LHRHアナログが該組成物の総重量に対して1〜22重量%の範囲の濃度で存在する水性医薬組成物である。
【0056】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物は、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、LHRHアナログが該組成物の総重量に対して1〜22重量%の範囲の濃度で存在する水性医薬組成物である。
【0057】
特定の好ましい実施形態では、最終組成物のpHは、4〜9の範囲である。
【0058】
別の実施形態では、塩は硫酸塩、好ましくは硫酸アンモニウムである。好ましくは、塩は硫酸アンモニウムであり、硫酸アンモニウム溶液のpHは4〜8、より好ましくは、5〜8の範囲である。
【0059】
好ましい実施形態では、塩は硫酸塩、好ましくは硫酸ナトリウムである。好ましくは、塩は硫酸ナトリウムであり、硫酸ナトリウム溶液のpHは4〜8、より好ましくは4〜7の範囲である。
【0060】
別の好ましい実施形態では、塩は、リン酸塩である。好ましくは、塩はリン酸塩であり、リン酸塩溶液のpHは4〜8、より好ましくは6〜8の範囲である。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、塩対LHRHアナログのモル比は、約0.1:1(0.1±0.01を意味する)〜約2:1(2±0.2を意味する)の範囲である。
【0062】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログの薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、塩対LHRHアナログのモル比が約0.1:1〜約2:1の範囲である水性医薬組成物である。
【0063】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログの薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、塩対LHRHアナログのモル比が約0.1:1〜約2:1の範囲である水性医薬組成物である。
【0064】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、塩対LHRHアナログのモル比が約0.1:1〜約2:1の範囲である水性医薬組成物である。
【0065】
本発明のより好ましい実施形態では、活性成分は、トリプトレリン又はその薬学的に許容される塩であり、塩はリン酸塩であり、リン酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.1:1〜1(0.1±0.01を意味する)〜約2:1(2±0.2を意味する)である。
【0066】
好ましくは、リン酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.15:1(0.15±0.015を意味する)〜約1.5:1(1.5±0.15を意味する)の範囲である。
【0067】
本発明の主題の一つは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として1〜30%(w/w)のトリプトレリン、
・リン酸塩、及び
・水
を含み、リン酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.1:1〜1(0.1±0.01)〜約2:1(2±0.2)、好ましくは約0.15:1(0.15±0.015)〜約1.5:1(1.5±0.15)の範囲である水性医薬組成物である。
【0068】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物は、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、トリプトレリンが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在し、リン酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.15:1〜約1.5:1の範囲である水性医薬組成物である。
【0069】
本発明の別のより好ましい実施形態では、活性成分はトリプトレリン又はその薬学的に許容される塩であり、塩は硫酸ナトリウムであり、硫酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.1:1(0.1±0.01を意味する)〜約2:1(2±0.2を意味する)の範囲である。
【0070】
好ましくは、硫酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.15:1(0.15±0.015を意味する)〜約1.5:1(1.5±0.15を意味する)の範囲である。
【0071】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として1〜30%(w/w)のトリプトレリン、
・硫酸ナトリウム、及び
・水
を含み、硫酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.1:1(0.1±0.01)〜約2:1(2±0.2)、好ましくは約0.15:1(0.15±0.015)〜約1.5:1(1.5±0.15)の範囲である水性医薬組成物である。
【0072】
本発明の別のより好ましい実施形態では、活性成分はトリプトレリン又はその薬学的に許容される塩であり、塩は硫酸アンモニウムであり、硫酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.1:1(0.1±0.01)〜約2:1(2±0.2)の範囲である。
【0073】
好ましくは、硫酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.15:1(0.15±0.015)〜約1.5:1(1.5±0.15)の範囲である。
【0074】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、
・活性成分として1〜30%(w/w)のトリプトレリン、
・硫酸アンモニウム、及び
・水
を含み、硫酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.1:1(0.1±0.01)〜約2:1(2±0.2)、好ましくは約0.15:1(0.15±0.015)〜約1.5:1(1.5±0.15)の範囲である水性医薬組成物である。
【0075】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物は、
・活性成分として、トリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・硫酸ナトリウム塩及び硫酸アンモニウム塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、トリプトレリンが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在し、硫酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.15:1〜約1.5:1の範囲である水性医薬組成物である。
【0076】
別の好ましい実施形態では、本発明に係る医薬組成物は、任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体又は賦形剤又はその混合物を含まない。これは、該組成物中における任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体又は賦形剤の含有量が0.1重量%(w/w)未満であることを意味する。
【0077】
投与後の活性医薬成分の持続放出を医薬組成物に与えるための従来のよく説明された方法は、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PLG)、ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ−ε−カプロラクトン及びこれらの生体適合性(共)重合体の組み合わせ又は変性によって得られる任意の(共)重合体剤などの生体適合性(共)重合体を使用することである。水溶性形態ではないこのような(共)重合体は、体内に投与されたときに徐々に侵食される微粒子又は固体インプラントの生分解性マトリックスを形成する。
【0078】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、該組成物は、任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体を含まず、かつ、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも95重量%を占め、
好ましくは、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占める水性医薬組成物である。
【0079】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、該組成物は、任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体を含まず、かつ、
・活性成分として、トリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、LHRHアナログが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在する水性医薬組成物である。
【0080】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体を含まず、かつ、
・活性成分としてトリプトレリン、
・塩、及び
・水
を含み、トリプトレリンが該組成物の総重量に対して1〜30重量%の範囲の濃度で存在する水性医薬組成物である。
【0081】
好ましくは、トリプトレリンは、該組成物の総重量に対し1〜25重量%、より好ましくは1.5〜22重量%の範囲の濃度で存在する。
【0082】
特定の実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体を含まず、かつ、
・活性成分として1〜30%(w/w)のトリプトレリン、
・リン酸塩、及び
・水
を含み、リン酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.1:1(0.1±0.01)〜約2:1(2±0.2)の範囲である。
【0083】
好ましくは、リン酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.15:1(0.15±0.015)〜約1.5:1(1.5±0.15)の範囲である。
【0084】
別の特定の実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体を含まず、かつ、
・活性成分として1〜30%(w/w)のトリプトレリン、
・硫酸ナトリウム、及び
・水
を含み、硫酸酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.1:1(0.1±0.01)〜約2:1(2±0.2)の範囲である。
【0085】
好ましくは、硫酸酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.15:1(0.15±0.015)〜約1.5:1(1.5±0.15)の範囲である。
【0086】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物は、
・活性成分としてトリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、トリプトレリンが該組成物の総重量に対して少なくとも1〜25重量%の範囲の濃度で存在し、リン酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.15:1〜1〜約1.5:1の範囲である。
【0087】
別の特定の実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、任意の非水溶性の生体適合性及び/又は生分解性(共)重合体を含まず、かつ、
・活性成分として1〜30%(w/w)のトリプトレリン、
・硫酸アンモニウム、及び
・水
を含み、硫酸酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.1:1(0.1±0.01)〜約2:1(2±0.2)の範囲である。
【0088】
好ましくは、硫酸酸塩対トリプトレリンのモル比は、約0.15:1(0.15±0.015)〜約1.5:1(1.5±0.15)の範囲である。
【0089】
好ましくは、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物は、
・活性成分としてトリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・硫酸塩から選択される塩、及び
・水
を含み、該活性成分又はその薬学的に許容される塩、塩及び水が該組成物の総重量に対して少なくとも97重量%を占め、トリプトレリンが該組成物の総重量に対して1〜25重量%の範囲の濃度で存在し、硫酸酸塩対トリプトレリンのモル比が約0.15:1〜1〜約1.5:1の範囲である。
【0090】
また、本発明に係る組成物は、このような医薬組成物に通常使用される他の水溶性添加剤、例えば、安定剤、酸化防止剤又は界面活性剤などを含有することもできる。
【0091】
安定剤又は界面活性剤は、金属イオン類、脂肪酸類及びそれらの塩、脂肪アルコール類、ポリオキシエーテル類、ポロキサマー類、ポリオール類、例えばトレハロース、マンニトール、サッカロース及びデキストロース、ポリソルベート類並びにポリオキシエチレン脂肪酸エステル類から選択できる。
【0092】
本発明に係る組成物は、安定剤などの1種以上の多価金属イオンを含有することができる。
【0093】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、1種以上の多価金属イオン、好ましくは1種以上の二価金属陽イオンを含む。
【0094】
好ましい実施形態においては、多価金属イオンは、Zn
2+、Cu
2+、Mg
2+、Fe
2+及びCa
2+から選択される。
【0095】
酸化防止剤は、メチオニン、ヒスチジン、トリプトファンなどのアミノ酸;グルタチオンなどのポリアミノ酸;エデト酸二ナトリウム(EDTA)及びクエン酸などのキレート剤;アスコルビン酸;メタ重亜硫酸ナトリウム;モノチオグリセロール;ブチルヒドロキシトルエン(BHT);ブチルヒドロキシアニソール;並びにそれらの混合物から選択できる。
【0096】
好ましい実施形態では、本発明の水性医薬組成物は、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤及びこれらの混合物から選択される添加剤を含む。
【0097】
存在する場合には、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤及びこれらの混合物から選択されるこれらの添加剤の重量で表す量(w/w)は、医薬組成物の5.0%未満であり、好ましくは1.0%未満である。
【0098】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、該組成物は、
・活性成分として、該組成物の総重量に対して1〜30重量%の濃度のトリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、
・安定剤、酸化防止剤、界面活性剤及びこれらの混合物から選択される添加剤0〜5%及び
・水(qsp100%)
から本質的になり又はこれらからなり、
好ましくは、
・活性成分として、該組成物の総重量に対して1〜30重量%の濃度のトリプトレリン、デスロレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン及びリュープロレリンから選択されるLHRHアナログ又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、
・安定剤、酸化防止剤、界面活性剤及びこれらの混合物から選択される添加剤及び
・水(qsp100%)
から本質的になる又はこれらからなる水性医薬組成物である。
【0099】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、該組成物は、
・活性成分として、該組成物の総重量に対して1〜22重量%の濃度のトリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、炭酸塩及び塩化物塩から選択される塩、
・安定剤、酸化防止剤、界面活性剤及びこれらの混合物から選択される添加剤0〜5%及び
・水(qsp100%)
から本質的になり又はこれらからなり、該水性医薬組成物のpHが4〜8の間である水性医薬組成物である。
【0100】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、該組成物は、
・活性成分として、該組成物の総重量に対して1〜22重量%の濃度のトリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、
・安定剤、酸化防止剤、界面活性剤及びこれらの混合物から選択される添加剤であって、Zn
2+、Cu
2+、Mg
2+、Fe
2+及びCa
2+から選択される少なくとも1種の多価金属陽イオンを含むもの0〜1%及び
・水(qsp100%)
から本質的になり又はこれらからなり、該水性医薬組成物のpHが6〜8の間であり、より好ましくは、活性成分としてトリプトレリン又はパモ酸塩、酢酸塩及びリン酸塩から選択される任意の薬学的に許容される塩である水性医薬組成物である。
【0101】
本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、該組成物は、
・活性成分として、該組成物の総重量に対して1〜22重量%の濃度のトリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩から選択される塩、
・安定剤、酸化防止剤、界面活性剤及びこれらの混合物から選択される添加剤0〜1%及び
・水(qsp100%)
から本質的になり又はこれらからなり、該水性医薬組成物のpHが6〜8の間であり、より好ましくは、活性成分としてトリプトレリン又はパモ酸塩、酢酸塩及びリン酸塩から選択される薬学的に許容される塩である水性医薬組成物である。本発明の別の主題は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物であって、該組成物は、
・活性成分として、該組成物の総重量に対して1〜22重量%の濃度のトリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・硫酸塩から選択される塩、
・安定剤、酸化防止剤、界面活性剤及びこれらの混合物から選択される添加剤0〜1%及び
・水(qsp100%)
から本質的になり又はこれらからなり、該水性医薬組成物のpHが6〜8の間であり、より好ましくは、活性成分としてトリプトレリン又はパモ酸塩、酢酸塩及びリン酸塩から選択される薬学的に許容される塩である水性医薬組成物である。
【0102】
また、本発明の組成物はpH緩衝剤を含有することもできる。
【0103】
好ましい実施形態では、上記実施形態のいずれかで定義した医薬組成物は、水溶液である。
【0104】
本発明に係る組成物は、活性成分と、塩と、水とを混合させることにより調製できる。活性成分を予め水に溶解させ、その後、塩を注射用の水溶液(WFI)として添加する。他の添加剤を使用する場合には、これらのものをそれらの混合前にペプチド溶液又は塩溶液のいずれかに溶解させる。
【0105】
本発明による医薬組成物は、シリンジ型の装置に密閉されたすぐに使用できる組成物である。
【0106】
本発明に係る医薬組成物は、非経口経路によって投与される。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、皮下、筋肉内又は深皮下注射、より好ましくは皮下注射によって投与される。
【0107】
本発明による医薬組成物は、少なくとも2ヶ月間にわたるヒトでのトリプトレリンの持続放出を可能にする。このような放出は、組成物において(共)重合体マトリックスなしで、特に、持続放出組成物に通常使用される任意の非水溶性の生体適合性及び/生分解性(共)重合体剤、例えば、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PLG)、ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ−ε−カプロラクトン及びこれらの生体適合性(共)重合体の組み合わせ又は変性によって得られる任意の(共)重合体剤なしで得られる。
【0108】
好ましい実施形態では、LHRHアナログの持続放出は、ヒトにおいて少なくとも2〜6週間である。
【0109】
好ましい実施形態では、LHRHアナログの持続放出は、ヒトにおいて少なくとも1ヶ月である。
【0110】
本発明に係る組成物は、少なくとも14日、21日、28日、35日又は42日にわたる持続放出を可能にする。
【0111】
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、少なくとも14日間の持続放出を可能にする。別の好ましい実施形態では、本発明による組成物は、少なくとも21日間の持続放出を可能にする。別の好ましい実施形態では、本発明による組成物は、少なくとも28日間の持続放出を可能にする。より好ましい実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも35日間の持続放出を可能にする。別のより好ましい実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも42日間の持続放出を可能にする。
【0112】
本発明のLHRHアゴニスト及びアンタゴニスト化合物は、思春期早発症、前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、乳癌、にきび、月経前症候群、多嚢胞性卵巣症候群及びいずれかの性における過剰性腺ホルモン産生に起因する疾患の治療に有用である。また、LHRHアゴニスト及びアンタゴニストは、女性及び男性の両方の生殖を制御するためにも有用である。LHRHアゴニストは、パルス的に投与されたときに、受精促進剤として有用である。また、本発明のLHRHアゴニスト化合物は、雌の動物の成長促進及び魚類の産卵促進のためにも有用な場合がある。
【0113】
本発明に係る医薬組成物は、思春期早発症、前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、乳癌、にきび、月経前症候群、多嚢胞性卵巣症候群及びいずれかの性における過剰な性腺ホルモン産生に起因する疾患の治療に有用であり得る。好ましい態様では、本発明に係る医薬組成物は、前立腺癌の治療に有用である。
【0114】
したがって、本発明は、思春期早発症、前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、乳癌、にきび、月経前症候群、多嚢胞性卵巣症候群及びいずれかの性における過剰な性腺ホルモン産生に起因する疾患を患う患者を、上記実施形態のいずれかに記載の医薬組成物の治療上活性な量を投与することによって治療する方法に関する。
【0115】
別の実施形態では、医薬組成物は、単回注射により投与される。
【0116】
実施形態では、本発明の医薬組成物は、思春期早発症、前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、乳癌、にきび、月経前症候群、多嚢胞性卵巣症候群及びいずれかの性における過剰な性腺ホルモン産生に起因する疾患の治療又は予防に使用するためのものである。
【0117】
別の好ましい実施形態では、本発明は、上記実施形態のいずれかに記載の水性医薬組成物を含有するプレフィルドシリンジに関するものでもある。
【0118】
別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも2週間にわたる活性成分の持続放出用の水性医薬組成物を含有するプレフィルドシリンジであって、該組成物が
・1〜22%(w/w)のトリプトレリン又はその任意の薬学的に許容される塩、
・リン酸塩及び硫酸塩から選択される塩、
・安定剤、酸化防止剤、界面活性剤及びこれらの混合物から選択される添加剤0〜1%及び
・注射用の水qsp100%
からなり、該組成物のpHが4〜8の間であるプレフィルドシリンジに関する。
【0119】
特に断らない限り、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明に関連した領域の専門家によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0120】
次の実施例は、上記の手順を説明するために提示されるものであり、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【実施例】
【0121】
実験の部
例1.製造方法
本発明に係る様々な組成物を、次の方法に従って、活性成分としてLHRHアナログを用いて製造する。
【0122】
1:媒体の調製
プロトタイプを製造するために使用される異なる媒体を次のように調製した:
【0123】
1.1:リン酸塩緩衝液200mM pH7.5
1.560gのNaH
2PO
4・2H
2Oを50mLのフラスコ中で秤量し、磁気撹拌下で45mLの注射用水に溶解させる。その後、pHを10NのNaOHで約7.5の値に調整する。次いで、この溶液をWFIで50mLにし、pHを測定する。
【0124】
1.2:200mMの硫酸ナトリウム溶液
1.420gのNa
2SO
4を50mLのフラスコ中で秤量し、磁気撹拌下でWFIに溶解させる。次いで、この溶液を50mLにする。
【0125】
1.3:200mMの硫酸アンモニウム溶液
1.321gの(NH
4)
2SO
4を50mLのフラスコ中で秤量し、磁気撹拌下でWFIに溶解させる。次いで、この溶液を50mLにする。
【0126】
2:プロトタイプの製造
手動プッシュプルシリンジ装置を使用して、調製物の均質化を確実にする。
【0127】
ペプチドを第1シリンジ中で秤量する。115.8mg又は34.7mgのいずれかのペプチドを第1シリンジに導入して、それぞれ10%(w/w)又は3%(w/w)の最終トリプトレリン濃度を得る。
【0128】
このペプチドを含有する第1シリンジを、注射用の水500μLを含む第2シリンジに接続する。水へのペプチドの可溶化を、最低5回の移動を確保することによって得る。そして、空のシリンジを取り外し、媒体の一つの500μLで充填する。ペプチド溶液を含むシリンジと接続した後に、媒体との均質化を最低10回の移動を確保することによって得る。
【0129】
プロトタイプを、光から保護された室温で保存する。
【0130】
最低10回の移動を製造後1時間、24時間及び48時間目に行う。
【0131】
処方組成物の例を表1に報告する。
【0132】
表1
【表1】
(1)原料中における純粋なペプチドの含有量:86.4%
(2)リン酸塩緩衝液100mMで組成物1を希釈
ND:決定されず
【0133】
LHRHアナログの含有量は、組成物の総重量に対する物質の重量パーセントで表される。
【0134】
組成物4は、希釈された組成物1に相当する。
【0135】
3:他のプロトタイプの製造
3.1:0.6のリン酸塩/ペプチド比での20%w/wのプロトタイプの製造
1,744gのトリプトレリンアセテートを25mLのガラス瓶中で秤量し、磁気撹拌しながら5.625mLのリン酸塩緩衝液に溶解させる。追加の1.875mLのリン酸塩緩衝液を、磁気攪拌しながらゆっくりと添加してプロトタイプの十分な均質化を確保する。最終組成物のpHは5.7である。その後、白色で稠密の半固体製剤を、18G針を取り付けた1.2mLプラスチックシリンジに充填する。この本発明の組成物は、200mm/分の速度で12NのSIFによって決定される最大注射力を示す。
【0136】
リン酸塩緩衝液を、1.43gのリン酸二水素ナトリウム二水和物を80mLのWFIに溶解させ、5Nの水酸化ナトリウムでpHを7.5に調整し、そして最終容量を100mLに調節することによって調製する。
【0137】
3.2:0.6の硫酸塩/ペプチド比での20%w/wのプロトタイプの製造
1,744gのトリプトレリンアセテートを25mLのガラス瓶中で秤量し、磁気撹拌しながら5.625mLの硫酸ナトリウム溶液に溶解させる。追加の1.875mLの硫酸ナトリウム溶液を、磁気攪拌しながらゆっくりと添加してプロトタイプの十分な均質化を確保する。最終組成物のpHは5.4である。白色で稠密の半固体が得られる。
【0138】
硫酸ナトリウム溶液を1.30gの硫酸ナトリウムを100mLのWFIに溶解させることによって調製する。
【0139】
3.3:0.2のリン酸塩/ペプチド比での10%w/wのプロトタイプの製造
0.873gのトリプトレリンアセテートを10mLのビーカー中で秤量し、磁気撹拌しながら3.75mLのWFIに溶解させる。3.75mLのリン酸塩緩衝液を、磁気攪拌しながらゆっくりと添加してプロトタイプの十分な均質化を確保する。白色の半固体が得られる。
【0140】
リン酸塩緩衝液を、0.536gのリン酸二水素ナトリウム二水和物を80mLのWFIに溶解させ、5Nの水酸化ナトリウムでpHを7.5に調整し、そして最終容量を100mLに調節することによって調製する。
【0141】
3.4:0.2の硫酸塩/ペプチド比での10%w/wのプロトタイプの製造
0.873gのトリプトレリンアセテートを25mLのガラス瓶中で秤量し、磁気撹拌しながら3.75mLのWFIに溶解させる。3.75mLの硫酸ナトリウム溶液を、磁気攪拌しながらゆっくりと添加してプロトタイプの十分な均質化を確保する。最終組成物のpHは5.2である。クリーム状で粘稠な半固体が得られる。
【0142】
硫酸ナトリウム溶液を0.2175gの硫酸ナトリウムを50mLのWFIに溶解させることによって調製する。
【0143】
例2:安定性試験
プロトタイプを遮光した室温で保存し、その後、生体内試験前に様々な時点でHPLCによって分析する。
【0144】
安定性データを表2及び3に示す。
【0145】
表2
【表2】
【0146】
不純物の量は、室温では38日間増加しない。
【0147】
表3
【表3】
【0148】
例3:薬物動態(PK)研究
表1で示される医薬組成物を、様々なトリプトレリン塩用量でラットに注射する。単回筋肉内投与量を表4に報告する。
【0149】
表4
【表4】
【0150】
製剤当たり合計6匹の雄のWistarラットをこの研究の開始時に使用する。
【0151】
血液サンプルを非麻酔動物から頚静脈からの直接静脈穿刺によって注射前(時間0)、投与後2、5、9、15及び22日目に得る。
【0152】
テストステロンレベルを各組成物についてラットで決定し、得られた平均値を
図1に示す。
【0153】
結果を1ng/mLの閾値と比較し、これ未満では化学的去勢が効率的である。
【0154】
全ての組成物は、本発明の組成物の単回筋肉内投与後5〜15日目に1ng/mL閾値未満のテストステロン濃度を有する。この薬物動態学的研究は、これらの組成物の有効性を実証するものである。