(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1および
図2を参照して、符号1は、図面を通じて、上部が開く略平行六面体の形状であり、一枚の巻き付け材料(例えば箔紙)が巻き付けられた一グループのタバコ(図示せず)を収容するように設計されている内側容器2を備えるタバコ・パックを示している。容器2は、その上部に、タバコを取り出すための開口部3を備えている上端壁を有する。容器2は、包装箱1が閉じている場合、二つのシェル(外殻部)4,5によって構成される外側容器2’内に収容される。二つのシェルは、以下に説明する方法で互いに対して移動可能に、それぞれの基礎部において互いに接続される。
【0024】
容器2は、互いに平行であり対向する一ペアの大きい側壁6と、互いに平行であり対向するとともに大きい側壁6と交わる一ペアの小さい側壁7と、底部基礎壁8と、を備える。
【0025】
二つのシェル4,5は、互いに連結される基礎部を除いて略同じである。二つのシェルは、中空であり、上部が開き、底部においてヒンジ9(
図1および
図2に図示)に沿って互いに対して、かつ、容器2に対して外側容器2’の(つまり包装箱1の)離間開位置と閉結合閉位置との間で回動するよう互いにヒンジ状に接続される。
【0026】
それぞれのシェル4,5は、互いに平行であり対向する一ペアの大きい側壁10と、大きい側壁10と交わり、かつ、大きい側壁10を互いに連結するよう配置される小さい側壁11と、上部基礎壁12と、上部基礎壁12に平行であり対向している底部基礎壁13と、を有する。
【0027】
包装箱1が閉じている場合、
図1および
図2において右側に位置するシェル5の底部基礎壁13において、二つのシェル4,5の小さい側壁11に対して垂直な方向に沿って測定した長さが、同じ方向に沿って測定した包装箱1の幅と略同じであり、基礎壁13自体の延設の主方向に対して垂直に底部基礎壁の中央区域で延びているとともに前述のヒンジ9を構成している折り曲げライン14を有している。一方、
図1および
図2において左側に位置するシェル4の底部基礎壁13は、包装箱1の幅の半分と略等しい長さを有する。シェル5の底部基礎壁13の半分は、シェル4の底部基礎壁13の上部に位置して当接しており、その底部基礎壁13に接着されている。
【0028】
底部基礎壁の一の側部に沿って、大きい側壁10が、それぞれの側壁11に接続される直線縁部と対向する円弧状側面の縁部15によって構成されている。
【0029】
内側容器2、およびシェル4,5は、
図3、
図4および
図5に示すそれぞれのブランク16,17,18を折り畳むことにより形成される。
【0030】
以下の説明では、語「縦方向」および「横方向」とは、包装箱1の延設の主方向と平行に、内側容器2内に収容されたタバコの軸方向に対していう。
【0031】
図3を参照して、ブランク16は、二つの縦方向折り曲げライン19と二つの横方向折り曲げライン20を有しており、これらのラインによって、ブランク16において下から上方向に、二つの縦方向折り曲げライン間19に、容器2の一方の大きい側壁6を構成するパネル21と、基礎壁8を構成するパネル22と、他方の大きい側壁6を構成するパネル23と、が構成される。
【0032】
パネル21は、容器2の小さい側壁7の外側部分を構成する一ペアのサイドフラップ24を有する。一ペアのサイドフラップ24は、パネル21の対向する側部に配置されるとともに、縦方向折り曲げライン19を介してパネル21自体から分けられている。パネル23は、小さい側壁7の内側部分を構成する一ペアのサイドフラップ25を有する。一ペアのサイドフラップ25は、パネル23の対向する側部に配置されるとともに、縦方向折り曲げライン19を介してパネル23から分けられている。サイドフラップ24は、その長さの一部のみにおいて、パネル22に近接しているその部分とは反対側の部分がパネル21自体から切り離されていることよって、それぞれの縦方向折り曲げライン19を介してパネル21に接続されている。パネル21から分離されているサイドフラップ24の範囲(ストレッチ)の起点となる区域と略一致している、それぞれのサイドフラップ24の一部は、並んで縦方向折り曲げライン19に対して垂直に延びている一セットの折り曲げライン24’によって折れ曲がりやすくされている。折り曲げライン24’により、包装箱1の最適な取り扱いに有効な特性であるかなりの柔軟性および曲げやすさがフラップ24に与えられる。この特性により、開閉の際にスムーズで規則的な動きが得られるからである。
【0033】
パネル21に隣接しているサイドフラップ24は、パネル22に対して反対側の側部において、一ペアの第一舌状部26を有する。第一舌状部26のそれぞれは、横方向折り曲げライン27を介してそれぞれのサイドフラップ24から分けられている。
【0034】
それぞれのサイドフラップ25の、サイドフラップ24に向いている一端縁は、上記横方向折り曲げライン20の一つによってそれぞれのサイドフラップ25から分けられる舌状部29と接続している。
【0035】
図4を参照して、シェル4に関するブランク17は、一つの縦方向折り曲げライン30および複数の横方向折り曲げライン31を有する。これらのラインによって、
図4における縦方向折り曲げラインの右側に下から上方向に、上記大きい側壁10のうちの一方を構成するパネル32と、底部基礎壁13を構成する中間パネル33と、他方の大きい側壁10を構成するパネル34と、が構成される。パネル32,34はそれぞれ、パネル33とは反対側のそれぞれのパネル32,34の側部に配置されるそれぞれの舌状部35と一体的である。それぞれの舌状部35は、横方向折り曲げライン31を介してそれぞれのパネル32,34から分けられている。
【0036】
縦方向折り曲げライン30の左側には(
図4)、パネル32,34のそれぞれの一つの縁部がそれぞれの長方形パネル36,37に接続されている。
図4におけるパネル36の上部の縁部は、パネル37と同じ側で、補強舌状部38の縁部に接続される。補強舌状部38は、上方へ延設されており、横方向折り曲げライン31を介してパネル36に接続される。パネル36の底部(
図4)は、舌状部38とは反対側に配置される補強舌状部39と一体的である。補強舌状部39は、横方向折り曲げライン31によってパネル36自体から分けられている。
【0037】
図5を参照して、シェル5に関するブランク18は、ブランク18がシェル5の底部基礎壁13を構成する中間パネル40を備える差異があるだけで、ブランク17と同じである。シェル5の底部基礎壁13において、縦方向折り曲げライン30に垂直な方向に沿って測定した長さが、ブランク17の中間パネル33の長さの二倍である。パネル40の中央区域には、縦方向折り曲げライン30と平行であり、シェル5から外側に突出するように構成される中間パネル40自体の部分41を定義する折り曲げライン41’が配置されている。
【0038】
容器2を形成するには、舌状部29をブランク16の上部横方向折り曲げライン20回りに90°折り畳み、そして、ブランク16を二つの横方向折り曲げライン20に沿って90°折り畳み、これにより、二つのパネル21,23を対向させるとともに容器2自体の基礎壁8を構成するパネル22に対して垂直となるよう配置する。その後、サイドフラップ25を、パネル23からそれらを分けている縦方向ライン19回りに90°折り畳み、これにより、サイドフラップの下側に舌状部29に配置し、舌状部29をパネル22に重ねて接着する。また、サイドフラップ24を、パネル21からそれらを分けている縦方向ライン19回りに90°折り畳み、サイドフラップの上に配置された接着剤の膜によって、それぞれの先に折り畳まれたサイドフラップ25に接着する。舌状部26を、折り曲げライン27回りに、容器2の外部に向かって略180°折り畳む。この理由は、以降の説明から明らかとなろう。
【0039】
舌状部38を、パネル37に接続する横方向折り曲げライン31回りに90°折り畳むことによって、二つのパネル32,34を二つの横方向折り曲げライン31に沿って90°(一体的なパネルとともに)折り畳むことにより、二つのパネル32,34が互いに対向するとともにシェル4,5自体の底部基礎壁13を構成するパネル33,40に対して垂直となるよう配置し、パネル36を、パネル32からそれを分けている縦方向折り曲げライン30回りに90°折り畳むことにより、シェル4,5の底部基礎壁13を構成するパネル33,40に重ねて接着することにより、パネル36と一体的な舌状部38を形成し、こうして、パネル33,40自体の上の接着剤の膜を用いて、舌状部38をパネル33,40に接続し、パネル37を、パネル34からそれを分けている縦方向折り曲げライン30回りに90°折り畳むことにより、接着剤の膜を用いてパネル37をパネル36に重ねて接着し、舌状部39を、パネル36に接続する横方向折り曲げライン31回りに90°折り畳むことにより、舌状部39をパネル33,40と平行にかつ対向するよう配置し、パネル32の舌状部35を、パネル39に接続する横方向折り曲げライン31回りに90°折り畳むことにより、接着剤の膜を用いて舌状部35を舌状部39に重ねて接着し、パネル34の舌状部35を、パネル34に接続する横方向折り曲げライン31回りに90°折り畳むことにより、パネル34の舌状部35をパネル32の舌状部35と当接させて、接着剤の膜を用いてそれらを互いに接続することによって、シェル4,5のそれぞれが形成される。
【0040】
包装箱1を形成するために、特に
図1、
図2、
図6および
図7に示す通り、シェル4,5および容器2は以下のように組み立てられる。
【0041】
シート例えば一枚の箔紙に巻き付けられた一グループのタバコを収容する容器2を形成した後、シェル5が、上述した通りそれぞれのブランク18を折り畳むことにより、容器2の周囲に形成される。この折り畳み動作の間に、シェル5の底部基礎壁13を構成する中間パネル40は、容器2自体の基礎壁8を構成するパネル22の下側にかつパネル22と当接するよう配置される。その後、上述した通り、それぞれのブランク17を、既にほぼ形成されたシェル5の周囲とシェル5内に囲繞された容器2の周囲とで折り畳むことにより、シェル4が形成される。シェル4の内側のパネル33の面は、シェル5の外側のパネル40の部分41の面と当接するよう配置され、それ故に、パネル40自体の外側部分41上の接着剤によりパネル33,40が接続される。
【0042】
上述した通り、それぞれの折り曲げライン27回りに容器2の外部に向かって略180°折り畳まれた舌状部26は、こうして、パネル36と当接する舌状部26の面上の接着剤の膜により、シェル4,5の内側のパネル36の面に接着し、パネル36に堅固に接続される。互いに当接し接着するこれらの面によってのみ、内側容器2と外側容器2’との間の接続拘束が形成される。
【0043】
使用時、包装箱1が閉じられている場合、容器2はシェル4,5内に完全に囲繞され、
図1および
図6に示す状態において、シェル4,5は部分的に互いに入り込んで、それらの全体により、形状およびサイズが容器2のものと同じである略平行六面体形状の箱状体が形成される。
【0044】
包装箱1を開くためには、二つのシェル4,5の上部区域を、つまりヒンジ9とは反対の包装箱1の区域を掴み、二つのシェル4,5の上部区域を互いに離間する方向に軽く引っ張る必要がある。
【0045】
このように引っ張ると、二つのシェル4,5がヒンジ9回りに回動し、
図6に示す状態から
図7に示す状態へと移行する。この回動の間に、シェル4,5のパネル36への容器2の舌状部26の接続により、フラップ24を介して容器2に印加される引っ張り作用が働き(
図7における上方に、つまりヒンジ9とは反対側の方向に)、これにより、シェル4,5自体の間の空間から部分的に容器2が引っ張り出される。この状態においては、喫煙者商品を、包装箱1から特に容易に取り出すことができる。
【0046】
ここに説明した構成の結果から、サイドフラップ24(および一体的な舌状部26)を、これ以降では、内側容器2を、外側容器2の二つのシェル4,5のそれぞれの部分に接続する接続手段ともいう。なお、使用時において、内側容器2の一部分を備える接続手段は、ブランク16のサイドフラップ24の一セットの折り曲げライン24’および横方向折り曲げライン27とそれぞれ一致する複数の平行なヒンジを有することを記載しておく。
【0047】
喫煙者商品を取り出した後に、ユーザは再びシェル4,5を互いに向かって移動させて、これにより、シェル4,5間に容器2を戻らせて、包装箱1を閉じる。
【0048】
なお、
図9からよく分かる通り、シェル5のパネル32,34は、シェル5がシェル4へと部分的に挿入可能となるよう、シェル4の対応するパネル32,34の縦方向寸法より多少小さい縦方向寸法を有しており、これにより、折り畳み完了時に、
図1の包装箱1が形成されることを記載しておく。
【0049】
図3aに、
図3のブランク16の異なる実施形態を示す。この異なる実施形態において、ブランク53のサイドフラップ24は両方とも、互いから間隔を空けて配置されるとともに縦方向折り曲げライン19に対して垂直である一ペアの折り曲げライン24’,24”を有する。折り曲げライン24’は、パネル21から切り離されているサイドフラップ24のストレッチの起点となる区域に配置される。また、中間折り曲げライン24”は、折り曲げライン24’,27の間の中間区域に配置される。
【0050】
図7aは、
図3aのブランク53を折り畳むことによって内側容器2が得られる、離間開位置にある包装箱1を断面で示す。
【0051】
なお、使用時において、接続手段(ブランク53のサイドフラップ24によって構成される)は、三つの折り曲げライン24’,24”,27のそれぞれに一致する三つの平行なヒンジを有しており、それぞれにより、外側容器2’の二つのシェル4,5の回動運動をより規則的かつ対称的にすることができることを記載しておく。より具体的には、ブランク53のサイドフラップ24の中間折り曲げライン24”に対応する接続手段の中間ヒンジは、ブランク16のサイドフラップ24の一セットの折り曲げライン24’と同様、内側容器2の移動をスムーズかつ容易とすることができる。中間ヒンジが回動の外部中心として機能するからである。実際には、サイドフラップ24に二つのヒンジ24’,27だけを有する場合には、二つのシェル4,5の回動の間に弾性降伏(elastic yielding)を受けることになり、心地よい感覚がなく、不規則な動きが生じる虞があるであろう。
【0052】
さらに、サイドフラップ24に折り曲げライン24’および/または中間折り曲げライン24”のセットを有する接続手段により、包装箱1の組み立ての不正確さに対する許容範囲を大きくすることができる。
【0053】
図8に、
図4および
図5のブランク17,18の異なる実施形態を示す。この異なる実施形態においては、ブランク17,18の代わりに、接続パネル43によって互いに連結される二つのブランク17,18の形状および構成要素(同じ参照符号を付す)を有する単一のブランク42を用いることができる。接続パネル43は、寸法がブランク17の中間パネル33の寸法と略同じであり、パネル38に面するパネル33,40の縁部とは反対側のパネル33,40の縁部にある、すなわち、パネル43は、それぞれの縦方向折り曲げライン30とは反対側のパネル33,40の縁部の間に配置されている。
【0054】
ブランク17,18のパネル33,40は、ブランク42を形作るためにそれぞれの折り曲げライン44を介して接続パネル43に連結される。
【0055】
シェル4,5を形成するために折り畳む前に、ブランク42は、折り曲げライン41’,44において
図9および
図10(後者は
図9のブランクの断面X−Xを示している)に示す形に応じて予め二つに折り畳まれ(この動作は、包装箱1を生産する包装機械、または直接的にブランクの製造会社によって実行される)、これにより、一方のブランク18のパネルに対応するパネル32,34と、他方のブランク17のパネルに対応するパネル32,34と、がペアとなって部分的に重ねられる。
【0056】
図10に示す折り畳んだ形において、パネル40の部分41は、折り曲げライン41’回りに一方向に180°、かつ、その部分41自体を接続パネル43に連結している折り曲げライン44回りに反対方向に180°折り畳まれる。折り畳み後、部分41は、接続パネル43とパネル40の他の部分との間に配置されて、接着剤を用いて、パネル43,40に堅固に固定される。
【0057】
他の折り畳みの形(図示せず)では、接続パネル43は、両方の折り曲げライン44回りに互いに反対方向に180°折り畳まれ、折り畳みの後、パネル43は、中間パネル33とパネル40の部分41との間に配置されて、接着剤を用いてパネル33および部分41に固定される。
【0058】
このように予め折り畳まれたブランク42は、非常に安定した形状を持ち、包装機械で容易に取り扱うことができる。
【0059】
ブランク42を用いて包装箱1を製造するために、一つの大きい壁6が
図9および
図10に示す態様のブランク42のパネル32に接する状態で、シートに巻き付けられた一グループのタバコを収容する容器2が配置される。その後、舌状部38が、それぞれのパネル36に接続される横方向折り曲げライン31回りに90°折り畳まれる。
【0060】
その後、パネル36は、パネル36をパネル32から分ける縦方向折り曲げライン30回りに90°折り畳まれ、これにより、パネル36が内側容器2の対応する小さい壁7と接するとともに、当該パネル36と一体的な舌状部38が内側容器2の底部基礎壁8と接することになる。
【0061】
その後、二つのパネル34は、パネル33,40,43と曲がらない状態で一緒に、パネル33,40をパネル32に連結している横方向折り曲げライン31回りに90°に折り畳まれ、パネル34は、パネル34をパネル33,40に連結している横方向折り曲げライン31回りに90°折り畳まれて、これにより、当該パネル34が、パネル32にすでに接している大きい壁とは反対側の容器2の大きい壁6と接することになる。次に、パネル37は、パネル37をパネル34から分けている縦方向折り曲げライン30回りに90°折り畳まれ、そして、接着剤の適当な膜を用いてそれぞれのパネル36にしっかりと接続される。
【0062】
次に、舌状部39が、舌状部39をそれぞれのパネル36に連結している横方向折り曲げライン31回りに90°折り畳まれる。その後、パネル32に接続された舌状部35が、それぞれの横方向折り曲げライン31回りに容器2の上端壁に向かって90°折り畳まれ、最後に、パネル34に接続された舌状部35が、ここで折り畳まれた舌状部35上へとそれぞれの折り曲げライン31回りに90°折り畳まれるとともに、接着剤の膜を用いてしっかりと連結される。
【0063】
図11の単一ブランク45は、
図8〜
図10の単一ブランク42と構造的および機能的な点で同様である。ブランク45においては、ブランク17,18の中間パネル33,40は、パネル43によって互いに連結されておらず、ブランク17の舌状部35が、パネル43と略同じであり互いに隣接しているそれぞれのペアの接続パネル46,47によって、ブランク18のそれぞれの舌状部35に連結される。接続パネル46,47は、折り曲げライン48を介して互いに、かつ、舌状部35自体に連結される。
【0064】
包装箱1が形成されると、二ペアのパネル35間の中央折り曲げライン48、好ましくはパネル46,47間の折り曲げライン48を切断して、二つのシェル4,5の上部区域を互いから分離する必要があるという差異があるだけで、単一ブランク45を用いて包装箱1を組み立てるステップは、ブランク42に関して説明したステップと同様である。
【0065】
図12に、ブランク17,18が単一のブランク49の代わりに用いられる、上述したブランクのさらに異なる実施形態を示す。ブランク49は、横方向ライン51’に沿って延設される。横方向ライン51’に沿って、ブランク49自体が、以下の説明において横方向折り曲げライン51と呼ぶ複数の折り曲げストレッチを有する。ブランク49は、横方向ライン51’に垂直な複数の縦方向折り曲げライン52を有し、縦方向折り曲げライン52と平行な中央縦方向基準線52’に対して略対称的な構造を有する。
【0066】
単一ブランク49は、
図11における、パネル34,37の下方に配置されたブランク45の部分と同じである、右手部分を有する。この右手部分のパーツには、
図11のブランクの対応するパーツに用いたものと同じ参照符号を付している。
図12を参照して、ブランク49の右手部分の左手縁部は、右手部分自体の縦方向折り曲げライン52と平行な折り曲げライン50を介して、左手部分に接続される。左手部分の形状は、
図11において、パネル32,36の上方に配置されておりパネル38がなくかつパネル37の一方がないブランク45の部分の形状と同じであるが、鉛直にひっくり返した形状である。
【0067】
言い換えれば、ブランク49は横方向ライン51’に沿って延設され、横方向ライン51’に垂直な複数の縦方向折り曲げライン52を備え、縦方向折り曲げライン52と平行な中央縦方向基準線52’に対して略対称的な構造を有する。中央縦方向基準線52’において、ブランク49は、二つの折り曲げライン50,52によって二つの両側部が規定される中央パネル36を有する。中央パネル36から横方向ライン51’に沿って二つの対向する方向に、一方のシェル4,5の第一の大きい側壁10を構成する第一拡張パネル32,34が、互いに繋がっている。それぞれの第一舌状部33,35が、それぞれの横方向折り曲げライン31’,51を介して横方向ライン51’と平行な第一パネル32,34の二つの対向する縁部に接続される。さらなる舌状部35が、二つのさらなるパネル46,47によって一方の第一舌状部35に接続される。二つのさらなるパネル46,47は、横方向ライン51’の方向に沿って互いに繋がっているとともに、折り曲げライン48によって互いから分けられている。横方向ライン51’と平行なさらなる舌状部35の一つの縁部は、横方向折り曲げライン51を介して、シェル4,5の第二の大きい側壁10を構成する第二拡張パネル32,34の一つの縁部に接続される。さらなる舌状部35に接続された縁部とは反対側の第二拡張パネル32,34のさらなる縁部は、折り曲げライン31’を介して舌状部40に接続される。シェル4,5の小さい側壁11を構成するエンドパネル36,37は、縦方向基準線52’と平行な縦方向折り曲げライン52を介して第二拡張パネル32,34の一つの側部に接続される。エンドパネル36(また、代替的にパネル37)および中央パネル36の二つの対向する縁部は、縦方向基準線52’に対して垂直なそれぞれの横方向折り曲げライン31’,51を介してそれぞれの舌状部38,39に接続される。
【0068】
シェル4,5を形成するために折り畳む前に、ブランク49は、折り曲げライン50に対して二つの最も左側の折り曲げライン48および二つの最も右側の折り曲げライン48において
図13および
図14に示す形に応じて予め折り畳まれ(この動作は、包装箱1を生産する包装機械、または直接的にブランクの製造会社によって実行される)、これにより、一方のブランク18のパネルに対応するパネル32,34と、他方のブランク17のパネルに対応するパネル32,34とがペアとなって部分的に重ねられる。ブランク45に関して上で説明したのと同様に、折り曲げライン48回りに折り畳まれたパネル46,47は、接着剤の膜によって、互いに、かつ、第一舌状部35、または隣接しているさらなる舌状部35に、しっかりと接続される。
【0069】
ブランク49を用いて包装箱1を製造するために、一つの大きい壁6が
図13および
図14(後者は、
図13のブランクの断面XIV−XIVを示している)に示す態様のブランク49のパネル32に接する状態で、シートに巻き付けられた一グループのタバコを収容する容器2が配置される。その後、パネル36は、パネル36をパネル32から分けている縦方向折り曲げライン52回りに90°折り畳まれ、そして次に、パネル34は折り曲げライン50回りに90°折り畳まれて、そして、パネル37は、パネル37を規定する長手方向折り曲げライン52の回りに90°折り畳まれて、ブランク49のエンドパネル36に接着剤で接着される。
【0070】
その後、舌状部38,39はすべて、舌状部38,39をそれぞれのパネル36に(また、代替的にパネル37に)連結する横方向折り曲げライン31’,51回りに、容器2の上端壁に向かってそして底部基礎壁8に向かって90°それぞれ折り畳まれ、そして最後に、舌状部33,40,35はすべて、舌状部33,40,35をそれぞれのパネル32,34に連結する横方向折り曲げライン31’,51回りに、容器2の上端壁に向かってそして底部基礎壁8に向かって90°それぞれ折り畳まれる。
【0071】
図3のブランク16を用いて容器2が形成される場合、包装箱1が開かれて、容器2がシェル4,5から部分的に引き出されると、パネル21の上部とフラップ24との間は接続されておらず、したがって、パネル21と折り畳まれたフラップ25との間に隙間が残されて、包装箱1の外観が変化する(
図7)。
【0072】
この欠点を克服するために、図面を通じて参照符号54を付した
図15に示すブランク16の第一の異なる実施形態においては、それぞれのフラップ24に、引っ込み部28(直角を有する台形状で例示する)を、パネル21に隣接しているとともに舌状部26を規定している横方向折り曲げライン27から上述した通り一セットの折り曲げライン24’によって折れ曲がりやすくされた区域まで延設されているフラップ24の部分に、形成することができる。フラップ24のそれぞれの引っ込み部28においては、パネル21は、横方向に突出するタブ28’を有する、好ましくは、タブ28’は、引っ込み部28と同じ形状およびサイズであり、引っ込み部28自体の内側に収容されている。タブ28’はそれぞれ、上記縦方向折り曲げライン19の一部を介してパネル21に連結される。
【0073】
ブランク54を用いて形成された容器2が組み立てられる場合、タブ28’はそれぞれ、タブ28’をパネル21に連結している縦方向折り曲げライン19回りに90°折り畳まれ、容器2の内側において隣接する折り畳まれたフラップ25の一部に接着される。これにより、パネル21とフラップ25との間の隙間がなくなり、包装箱1の外観をかなり改良できる。
【0074】
パネル21とフラップ25との間の隙間による上述の欠点はまた、図面を通じて参照符号55を付した
図16および
図16aに示すブランクを用いて克服することができる。
【0075】
ブランク55は、パネル23を規定する縁部とは反対側のフラップ25の縁部が、それぞれの折り曲げライン56によって、フラップ25自体の側部に延設されるそれぞれのフラップ57に連結されている点で、
図3のブランク16とは異なる。
【0076】
ブランク55を用いて形成された容器2が組み立てられる場合、タブ57(
図16aに示す)はそれぞれ、タブ57をフラップ25に連結している折り曲げライン56回りに90°折り畳まれ、容器2の内側においてパネル21の対応する部分に接着される。この場合もまた、パネル21とフラップ25との間に上述した隙間は形成されない。
【0077】
パネル21とフラップ25との間の隙間による上述の欠点はまた、図面を通じて参照符号58を付した
図17および
図17aに示すブランクを用いて克服することができる。
【0078】
ブランク58は、
図3のブランク16と同様であるが、舌状部26を有しておらず、パネル21を規定する縁部とは反対側のフラップ24の縁部が、縦方向折り曲げライン19と平行なそれぞれの折り曲げライン59を介して、フラップ24自体の側部に延設されるそれぞれのフラップ60に部分的に連結されている。サイドフラップ60は、その長さの一部のみにおいて、パネル22に近接しているその部分とは反対側の部分がフラップ24自体から切り離されていることよって、それぞれの折り曲げライン59を介してフラップ24に接続されている。それぞれのフラップ60は、
図3のブランク16において参照符号24が付されたフラップとほぼ同じであり、パネル22から最も離れた端部において横方向折り曲げライン61を介して上記舌状部26と等しい舌状部62に接続されており、並んで縦方向折り曲げライン59に対して垂直に延びている同じセットの折り曲げライン24’が配置されている。
【0079】
ブランク58を用いて形成された容器2が組み立てられる場合、タブ24(
図17aに示す)はそれぞれ、タブ24をパネル21に連結している縦方向折り曲げライン19回りに90°折り畳まれ、パネル25の対応する部分に接着される。そして次に、フラップ60はそれぞれ、隣接しているフラップ24に対して折り曲げライン59回りに180°折り畳まれて、これにより、フラップ24自体に対向して配置される。
【0080】
その結果、ブランク58を用いて包装箱1を組み立てながら、フラップ60の舌状部62はそれぞれ、ブランク16の舌状部26と同じように、シェル4,5の一方に接続されるが、この場合、パネル16におけるパネル21とフラップ25との間の隙間が形成されることに起因する問題は生じない。
【0081】
図示しない異なる実施形態において、折り曲げライン24’のセットの代わりに、ブランク54,55,58は、単一の折り曲げライン24’と、パネル21から分離されたサイドフラップ24のストレッチの(ブランク54,55において)、またはサイドフラップ24から分離されたフラップ60のストレッチの(ブランク58において)中間区域に配置されるさらなる中間折り曲げライン24”と、を有することができる。
【0082】
したがって、本発明の包装箱1は、従来技術のスイング・オープンの堅い包装箱の欠点がなく、製造が容易であり、連続的でスムーズかつ容易な動きで外側容器2’を開閉することができる。
【0083】
さらに、外側容器2’の二つのシェル4,5の回転は、内側容器2に対して対称的であり、開く際に、内側容器2はシェル4および/または5の一方に詰まることがなく、タバコを取り出すための開口部3は外側容器2’から完全に出てくることができ、そして、包装箱1が離間開位置にあるとき、中央に位置することができる。