(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561084
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/57 20170101AFI20190805BHJP
A47B 88/493 20170101ALI20190805BHJP
【FI】
A47B88/16 E
A47B88/10 A
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-60337(P2017-60337)
(22)【出願日】2017年3月27日
(65)【公開番号】特開2018-47220(P2018-47220A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2017年3月27日
(31)【優先権主張番号】105131172
(32)【優先日】2016年9月24日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】
下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−154032(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3191407(JP,U)
【文献】
実開昭62−139341(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第102009014894(DE,A1)
【文献】
米国特許第05895101(US,A)
【文献】
実公昭46−001173(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00〜88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の壁部、第2の壁部及び該第1の壁部と該第2の壁部との間で延在するように連結される第1の側壁とを含む第1のレールであって、該第1の壁部、該第2の壁部及び該第1の側壁によって第1の通路が定義される、第1のレールと、
前記第1の通路内で前記第1のレールに対して可動な第2のレールであって、該第2のレールは、第3の壁部、第4の壁部及び該第3の壁部と該第4の壁部との間で延在するように連結される第2の側壁を含み、該第3の壁部、該第4の壁部及び該第2の側壁によって第2の通路が定義され、前記第3の壁部は第1の屈曲部、第2の屈曲部及び第3の屈曲部をさらに含み、前記第4の壁部は第4の屈曲部、第5の屈曲部及び第6の屈曲部を含み、前記第1の屈曲部の内側で第1の接触面が形成され、前記第2の屈曲部の外側で第2の接触面が形成され、前記第3の屈曲部の端部は前記第1の屈曲部の方に延び、前記第4の屈曲部の内側で第3の接触面が形成され、前記第5の屈曲部の外側で第4の接触面が形成され、前記第6の屈曲部の端部は前記第4の屈曲部の方に延びている、第2のレールと、
前記第2の通路内で前記第2のレールに対して可動な第3のレールであって、該第3のレールは、第5の壁部、第6の壁部及び該第5の壁部と該第6の壁部との間で延在するように連結される第3の側壁を含み、前記第5の壁部は前記第2のレールの第1の接触面に対応する第5の接触面を有し、前記第6の壁部は前記第2のレールの第3の接触面に対応する第6の接触面を有する、第3のレールと、
前記第1のレールの第1の長手方向位置に配置される第1の支持アセンブリであって、該第1の支持アセンブリは、前記第1のレールの第1の壁部及び第2の壁部のそれぞれに固定配置されるとともに前記第2のレールを支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を含み、該第1の支持アセンブリの第1の支持部材は前記第2のレールの第2の接触面に対応する第1の支持部を有し、該第1の支持アセンブリの第2の支持部材は前記第2のレールの第4の接触面に対応する第2の支持部を有する、第1の支持アセンブリと、
前記第2のレールに配置される摺動補助アセンブリであって、該摺動補助アセンブリは前記第3のレールを前記第2のレールに対して動かすのを支援するように構成された複数のボールを含む、摺動補助アセンブリと、
を含み、
前記第2の接触面及び前記第4の接触面は円弧状で凹状の接触面であり、前記第1の支持部及び前記第2の支持部はそれぞれ前記第1の壁及び前記第2の壁の上で前記第1のレールの長手方向に沿って延在する、前記第2の接触面及び前記第4の接触面の形状に対応する細長い円弧状の突起である、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のレールの第1の壁部は第1の屈曲部及び第2の屈曲部を含み、
前記第1の屈曲部は前記第1の側壁の上端から実質的に垂直に延び、前記第2の屈曲部は前記第1の屈曲部から実質的に垂直に延びており、
前記第2の壁部は第3の屈曲部及び第4の屈曲部を含み、
前記第3の屈曲部は前記第1の側壁の下端から実質的に垂直に延びるとともに前記第1の屈曲部に対応し、前記第4の屈曲部は前記第3の屈曲部から実質的に垂直に延びるとともに前記第2の屈曲部に対応する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の接触面、前記第3の接触面、前記第5の接触面及び前記第6の接触面は円弧状の接触面である、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
第1の取り付け孔及び第2の取り付け孔が前記第1のレールの第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ配置されるとともに、前記第1の支持アセンブリの第1の支持部材及び第2の支持部材をそれぞれ固定するように構成されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のレールの第2の長手方向位置に配置される第2の支持アセンブリをさらに含み、該第2の支持アセンブリは前記第2のレールを支持するように構成された第3の支持部材及び第4の支持部材を含む、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記摺動補助アセンブリのボールを前記第2のレール及び前記第3のレールに回転接触させるために前記第2のレールの第3の壁部と前記第3のレールの第4の壁部との間で第1の幅が定義され、前記第1のレールの第1の壁部と前記第2のレールの第3の壁部との間で第2の幅が定義され、該第2の幅は該第1の幅よりも小さい、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
第1の壁部、第2の壁部及び該第1の壁部と該第2の壁部との間で延在するように連結される第1の側壁とを含む第1のレールであって、該第1の壁部、該第2の壁部及び該第1の側壁によって第1の通路が定義される、第1のレールと、
前記第1の通路内で前記第1のレールに対して可動な第2のレールであって、該第2のレールは、第3の壁部、第4の壁部及び該第3の壁部と該第4の壁部との間で延在するように連結される第2の側壁を含み、該第3の壁部、該第4の壁部及び該第2の側壁によって第2の通路が定義され、前記第2のレールの第3の壁部は第1の屈曲部、第2の屈曲部及び第3の屈曲部を含み、前記第1の屈曲部の内側で第1の接触面が形成され、前記第2の屈曲部の外側で第2の接触面が形成され、前記第3の屈曲部の端部は前記第1の屈曲部の方に延び、前記第4の壁部は第4の屈曲部、第5の屈曲部及び第6の屈曲部を含み、前記第4の屈曲部の内側で第3の接触面が形成され、前記第5の屈曲部の外側で第4の接触面が形成され、前記第6の屈曲部の端部は前記第4の屈曲部の方に延びる、第2のレールと、
前記第2の通路内で前記第2のレールに対して可動な第3のレールと、
前記第1のレールの第1の長手方向位置に配置される第1の支持アセンブリであって、該第1の支持アセンブリは、前記第1のレールの第1の壁部及び第2の壁部のそれぞれに固定配置される第1の支持部材及び第2の支持部材を含み、該第1の支持アセンブリの第1の支持部材は前記第2のレールの第2の接触面に対応する第1の支持部を有し、該第1の支持アセンブリの第2の支持部材は前記第2のレールの第4の接触面に対応する第2の支持部を有する、第1の支持アセンブリと、
前記第2のレールに配置される摺動補助アセンブリであって、該摺動補助アセンブリは前記第3のレールを前記第2のレールに対して動かすのを支援するように構成された複数のボールを含む、摺動補助アセンブリと、
前記第2のレールの第3の壁部及び第4の壁部のうちの一方に固定配置されるとともに、前記第2のレールの後端に隣接して位置するストッパと、
を含むスライドレールアセンブリであって、
当該スライドレールアセンブリの第3のレールを格納された位置から前記第2のレールに対してある方向に沿って引っ張り出した場合、前記第1のレールの第1の支持アセンブリは前記第2のレールを支持し、前記摺動補助アセンブリは前記第3のレールを支持し、
当該スライドレールアセンブリの第2のレールを前記第1のレールに対してある方向に沿って引っ張って所定の位置に移動させた場合、前記第2のレールのストッパは、前記第2のレールを前記所定の位置で止めるために前記第1のレールの第1の支持アセンブリの第1の支持部材及び第2の支持部材のうちの一方と当接し、
前記第2の接触面及び前記第4の接触面は円弧状で凹状の接触面であり、前記第1の支持部及び前記第2の支持部はそれぞれ前記第1の壁及び前記第2の壁の上で前記第1のレールの長手方向に沿って延在する、前記第2の接触面及び前記第4の接触面の形状に対応する細長い円弧状の突起である、スライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のレールの第1の壁部は第1の屈曲部及び第2の屈曲部を含み、
前記第1の屈曲部は前記第1の側壁の上端から実質的に垂直に延び、前記第2の屈曲部は前記第1の屈曲部から実質的に垂直に延びており、
前記第2の壁部は第3の屈曲部及び第4の屈曲部を含み、
前記第3の屈曲部は前記第1の側壁の下端から実質的に垂直に延びるとともに前記第1の屈曲部に対応し、前記第4の屈曲部は前記第3の屈曲部から実質的に垂直に延びるとともに前記第2の屈曲部に対応する、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
前記第3のレールは第5の壁部及び第6の壁部を含み、該第5の壁部は前記第2のレールの第1の接触面に対応する第5の接触面を有し、該第6の壁部は前記第2のレールの第3の接触面に対応する第6の接触面を有する、請求項8に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の接触面、前記第3の接触面、前記第5の接触面及び前記第6の接触面は円弧状の接触面である、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項11】
第1の取り付け孔及び第2の取り付け孔が前記第1のレールの第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ配置されるとともに、前記第1の支持アセンブリの第1の支持部材及び第2の支持部材をそれぞれ固定するように構成されている、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のレールの第2の長手方向位置に配置される第2の支持アセンブリをさらに含み、該第2の支持アセンブリは前記第2のレールを支持するように構成された第3の支持部材及び第4の支持部材を含む、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項13】
前記摺動補助アセンブリのボールを前記第2のレール及び前記第3のレールに回転接触させるために前記第2のレールの第3の壁部と前記第3のレールの第4の壁部との間で第1の幅が定義され、前記第1のレールの第1の壁部と前記第2のレールの第3の壁部との間で第2の幅が定義され、該第2の幅は該第1の幅よりも小さい、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的には限られたスペースで摺動の滑らかさ及び支持安定性を改善することが可能なスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライドレールアセンブリには、ボールベアリングスライドレールアセンブリ(ball bearing slide rail assembly)及び一体軸受(摩擦)スライドレールアセンブリ(solid bearing slide rail assembly)の2種類がある。
【0003】
特許文献1には、レール間の摺動の滑らかさを改善するためにボールベアリングを備えたボールベアリングスライドレールアセンブリが開示されている。係るボールベアリングスライドレールアセンブリをシャーシの保持のためにラックシステムに適用すると、メンテナンスのためにシャーシをラックの外に容易に引き出すことができるか又はスペースを節約するために、ボールベアリングスライドレールアセンブリを通じてシャーシをラック内へと押し込んで引っ込めることができる。しかしながら、シャーシの寸法が大きくなってきているため、ボールベアリングスライドレールアセンブリを設置するためのスペースが少なくなっている。
【0004】
特許文献2には、一体軸受スライドレールアセンブリが開示されている。ボールベアリングスライドレールアセンブリとは対照的に、一体軸受スライドレールアセンブリの設置に必要なスペースは小さくて済む。しかしながら、ボールベアリングの構成を欠いているため、一体軸受スライドレールの摺動の滑らかさが低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6820954号明細書
【特許文献2】米国特許第6834923号明細書
【特許文献3】米国特許第5895101号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、特定の市場の要求を満たすために様々なスライドレールアセンブリを開発することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、限られたスペースで摺動の滑らかさ及び支持安定性を改善することが可能なスライドレールアセンブリを提供する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、第3のレール、第1の支持アセンブリ及び摺動補助アセンブリを含む。第1のレールは第1の壁部、第2の壁部及び該第1の壁部と該第2の壁部との間で延在するように連結される(extendedly connected)第1の側壁とを含む。第1の壁部、第2の壁部及び第1の側壁によって第1の通路が定義される。第2のレールは第1の通路内で第1のレールに対して可動である。第2のレールは、第3の壁部、第4の壁部及び該第3の壁部と該第4の壁部との間で延在するように連結される第2の側壁を含む。第3の壁部、第4の壁部及び該第2の側壁によって第2の通路が定義される。第3の壁部は第1の屈曲部、第2の屈曲部及び第3の屈曲部をさらに含む。第4の壁部は第4の屈曲部、第5の屈曲部及び第6の屈曲部を含む。第1の屈曲部の内側で第1の接触面が形成され、第2の屈曲部の外側で第2の接触面が形成され、第3の屈曲部の端部は第1の屈曲部の方に延び、第4の屈曲部の内側で第3の接触面が形成され、第5の屈曲部の外側で第4の接触面が形成され、第6の屈曲部の端部は第4の屈曲部の方に延びている。第3のレールは第2の通路内で第2のレールに対して可動である。第3のレールは、第5の壁部、第6の壁部及び該第5の壁部と該第6の壁部との間で延在するように連結される第3の側壁を含む。第5の壁部は第2のレールの第1の接触面に対応する第5の接触面を有する。第6の壁部は第2のレールの第3の接触面に対応する第6の接触面を有する。第1の支持アセンブリは第1のレールの第1の長手方向位置に配置される。第1の支持アセンブリは、第1のレールの第1の壁部及び第2の壁部のそれぞれに固定配置される第1の支持部材及び第2の支持部材を含む。第1の支持アセンブリの第1の支持部材は第2のレールの第2の接触面に対応する第1の支持部を有し、第1の支持アセンブリの第2の支持部材は第2のレールの第4の接触面に対応する第2の支持部を有する。摺動補助アセンブリは第2のレールに配置される。摺動補助アセンブリは第3のレールを第2のレールに対して動かすのを支援するように構成された複数のボールを含む。
【0009】
第1のレールの第1の壁部は第1の屈曲部及び第2の屈曲部を含むことが好ましい。第1の屈曲部は第1の側壁の上端から実質的に垂直に延びている。第2の屈曲部は第1の屈曲部から実質的に垂直に延びている。第2の壁部は第3の屈曲部及び第4の屈曲部を含む。第3の屈曲部は第1の側壁の下端から実質的に垂直に延びるとともに第1の屈曲部に対応する。第4の屈曲部は第3の屈曲部から実質的に垂直に延びるとともに第2の屈曲部に対応する。
【0010】
第1の接触面、第2の接触面、第3の接触面、第4の接触面、第5の接触面及び第6の接触面は円弧状の接触面であることが好ましい。
【0011】
第1の取り付け孔及び第2の取り付け孔が第1のレールの第1の壁部及び第2の壁部にそれぞれ配置されるとともに、第1の支持アセンブリの第1の支持部材及び第2の支持部材をそれぞれ固定するように構成されていることが好ましい。
【0012】
上記のスライドレールアセンブリは第1のレールの第2の長手方向位置に配置される第2の支持アセンブリをさらに含むことが好ましい。第2の支持アセンブリは第2のレールを支持するように構成された第3の支持部材及び第4の支持部材を含む。
【0013】
摺動補助アセンブリのボールを第2のレール及び第3のレールに回転接触させるために第2のレールの第3の壁部と第3のレールの第4の壁部との間で第1の幅が定義されることが好ましい。第1のレールの第1の壁部と第2のレールの第3の壁部との間で第2の幅が定義される。第2の幅は第1の幅よりも小さい。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、第3のレール、第1の支持アセンブリ、摺動補助アセンブリ及びストッパを含む。第1のレールは第1の壁部、第2の壁部及び該第1の壁部と該第2の壁部との間で延在するように連結される第1の側壁とを含む。第1の壁部、第2の壁部及び第1の側壁によって第1の通路が定義される。第2のレールは第1の通路内で第1のレールに対して可動である。第2のレールは、第3の壁部、第4の壁部及び該第3の壁部と該第4の壁部との間で延在するように連結される第2の側壁を含む。第3の壁部、第4の壁部及び該第2の側壁によって第2の通路が定義される。第3のレールは第2の通路内で第2のレールに対して可動である。第1の支持アセンブリは第1のレールの第1の長手方向位置に配置される。第1の支持アセンブリは、第1のレールの第1の壁部及び第2の壁部のそれぞれに固定配置される第1の支持部材及び第2の支持部材を含む。摺動補助アセンブリは第2のレールに配置される。摺動補助アセンブリは第3のレールを第2のレールに対して動かすのを支援するように構成された複数のボールを含む。ストッパは第2のレールの第3の壁部及び第4の壁部のうちの一方に固定配置されるとともに第2のレールの後端に隣接して位置する。当該スライドレールアセンブリの第3のレールを格納された位置(retracted position)から第2のレールに対してある方向に沿って引っ張り出した場合、第1のレールの第1の支持アセンブリは第2のレールを支持し、摺動補助アセンブリは第3のレールを支持する。スライドレールアセンブリの第2のレールを第1のレールに対してある方向に沿って引っ張って所定の位置に移動させた場合、第2のレールのストッパは、第2のレールを所定の位置で止めるために第1のレールの第1の支持アセンブリの第1の支持部材及び第2の支持部材のうちの一方と当接する。
【0015】
前記第1のレールの第1の壁部は第1の屈曲部及び第2の屈曲部を含むことが好ましい。第1の屈曲部は第1の側壁の上端から実質的に垂直に延びている。第2の屈曲部は第1の屈曲部から実質的に垂直に延びている。第2の壁部は第3の屈曲部及び第4の屈曲部を含む。第3の屈曲部は第1の側壁の下端から実質的に垂直に延びている。第4の屈曲部は第3の屈曲部から実質的に垂直に延びるとともに第2の屈曲部に対応する。
【0016】
第2のレールの第3の壁部は第1の屈曲部、第2の屈曲部及び第3の屈曲部を含むことが好ましい。第1の屈曲部の内側で第1の接触面が形成され、第2の屈曲部の外側で第2の接触面が形成され、第3の屈曲部の端部は第1の屈曲部の方に延びる。第4の壁部は第4の屈曲部、第5の屈曲部及び第6の屈曲を含む。第4の屈曲部の内側で第3の接触面が形成され、第5の屈曲部の外側で第4の接触面が形成され、第6の屈曲部の端部は第4の屈曲部の方に延びる。
【0017】
第3のレールの第5の壁部は第2のレールの第1の接触面に対応する第5の接触面を有し、第6の壁部は第2のレールの第3の接触面に対応する第6の接触面を有することが好ましい。
【0018】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る、ある方向に沿って動かすために引っ張られたスライドレールアセンブリのレールを示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る、ある方向に沿って所定の位置に動かすために引っ張られたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜
図3に示すように、本発明のスライドレールアセンブリ10は第1のレール12、第2のレール14、第3のレール16、第1の支持アセンブリ18及び摺動補助アセンブリ20を含む。
【0021】
第1のレール12は第1の壁部22、第2の壁部24及び第1の壁部22と第2の壁部24との間で延在するように連結される第1の側壁26を含む。第1の壁部22、第2の壁部24及び第1の側壁26によって第1の通路28が定義される。第1の壁部22は第1の屈曲部30a及び第2の屈曲部30bを含む。第1の屈曲部30aは第1の側壁26の上端から実質的に垂直に延びている。第2の屈曲部30bは第1の屈曲部30aから実質的に垂直に延びている。第2の壁部24は第3の屈曲部30c及び第4の屈曲部30dを含む。第3の屈曲部30cは第1の側壁26の下端から実質的に垂直に延びるとともに第1の屈曲部30aに対応する。第4の屈曲部30dは第3の屈曲部30cから実質的に垂直に延びるとともに第2の屈曲部30bに対応する。第1の側壁26は前端32a及び後端32bを有する。第1のレール12は、第1のレール12の第1の側壁26に配置されるとともに、第1の側壁26の後端32bに隣接して位置する停止部34をさらに含むことが好ましい。
【0022】
第2のレール14は第1の通路28内で第1のレール12に対して可動である。第2のレール14は第3の壁部36、第4の壁部38及び第3の壁部36と第4の壁部38との間で延在するように連結される第2の側壁40を含む。第3の壁部36、第4の壁部38及び第2の側壁40によって第2の通路42が定義される。第3の壁部36は第1の屈曲部44a、第2の屈曲部44b及び第3の屈曲部44cを含む。第1の屈曲部44aの内側で第1の接触面46aが形成され、第2の屈曲部44bの外側で第2の接触面46bが形成され、第3の屈曲部44cの端部は第1の屈曲部44aの方に延びるか又は第1の屈曲部44aと当接する。第4の壁部38は第4の屈曲部44d、第5の屈曲部44e及び第6の屈曲部44fを含む。第4の屈曲部44dの内側で第3の接触面46cが形成され、第5の屈曲部44eの外側で第4の接触面46dが形成され、第6の屈曲部44fの端部は第4の屈曲部44dの方に延びるか又は第4の屈曲部44dと当接する。第2のレール14は前端48a及び後端48bを有する。本実施形態では、スライドレールアセンブリ10は第2のレール14の第3の壁部36及び第4の壁部38にそれぞれ固定配置されるとともに、第2のレール14の後端48bに隣接して位置する2つのストッパ50をさらに含む。
【0023】
第3のレール16は第2の通路42内で第2のレール14に対して可動である。第3のレール16は第5の壁部52、第6の壁部54及び第5の壁部52と第6の壁部54との間で延在するように連結される第3の側壁56を含む。第5の壁部52は、第2のレール14の第1の接触面46aに対応する第5の接触面46eを有する。第6の壁部54は、第2のレール14の第3の接触面46cに対応する第6の接触面46fを有する。第1の接触面46a、第2の接触面46b、第3の接触面46c、第4の接触面46d、第5の接触面46e及び第6の接触面46fは円弧状の接触面であることが好ましい。
【0024】
第1の支持アセンブリ18は第1のレール12の第1の長手方向位置に配置されている。具体的には、第1の支持アセンブリ18は対応構造を有する2つの部品を含む。例えば、第1の支持アセンブリ18は、第1のレール12の第1の壁部22及び第2の壁部24にそれぞれ固定配置される第1の支持部材58a及び第2の支持部材58bを含む。本実施形態では、少なくとも1つの第1の取り付け構造が第1のレール12に配置されている。例えば、第1の取り付け孔60a及び第2の取り付け孔60bが第1のレール12の第1の壁部22及び第2の壁部24にそれぞれ配置されるとともに、第1の支持アセンブリ18の第1の支持部材58a及び第2の支持部材58bをそれぞれ固定するように構成されている。第1の支持アセンブリ18の第1の支持部材58aは、第2のレール14の第2の接触面46bに対応する円弧状の突起である第1の支持部62aを有し、第1の支持アセンブリ18の第2の支持部材58bは、第2のレール14の第4の接触面46dに対応する円弧状の突起である第2の支持部62bを有する。スライドレールアセンブリ10は第1のレール12の第2の長手方向位置に配置される第2の支持アセンブリ64をさらに含むことが好ましい。第2の支持アセンブリ64は、第2のレール14を支持するように構成された第3の支持部材58c及び第4の支持部材58dを含む。第2の支持アセンブリ64の構成は第1の支持アセンブリ18の構成と同一であるため、第2の支持アセンブリ64の構成についてのさらなる説明は省略する。
【0025】
摺動補助アセンブリ20は第2のレール14に配置されている。摺動補助アセンブリ20は第3のレール16を支持するとともに、滑らかさを改善するために第2のレール14に対して第3のレール16を動かすのを支援するよう構成された複数のボール66を含む。
【0026】
好ましい実施形態では、摺動補助アセンブリ20のボール66を第2のレール14及び第3のレール16と回転接触させるために、第2のレール14の第3の壁部36と第3のレール16の第5の壁部52との間で第1の幅w1が定義されている。同様に、摺動補助アセンブリ20のボール66を第2のレール14及び第3のレール16と回転接触させるために、第2のレール14の第4の壁部38と第3のレール16の第3の壁部36との間で第1の幅w1が定義されている。第1のレール12の第1の壁部22と第2のレール14の第3の壁部36との間で第2の幅w2が定義されている。第2の幅w2は第1の幅w1よりも小さく、前述のボール66を収容することができない。同様に、第1のレール12の第2の壁部24と第2のレール14の第4の壁部38との間で第2の幅w2が定義されている。第2の幅w2は第1の幅w1よりも小さく、前述のボール66を収容できない。第2の幅w2は第1の支持アセンブリ18及び第2の支持アセンブリ64を収容するように構成されている。第1の支持アセンブリ18及び第2の支持アセンブリ64は第1のレール12と第2のレール14との間で摺動の滑らかさを改善できる。さらに、第1の支持アセンブリ18及び第2の支持アセンブリ64が占めるスペースは摺動補助アセンブリ20よりも小さい。そのため、本発明のスライドレールアセンブリ10は限られたスペースで用いられるように小さい体積を有することができる。
【0027】
図4及び
図5に示すように、スライドレールアセンブリ10の第3のレール16が引っ込め位置P0から第2のレール14に対して方向Dに沿って引き出された場合、第1のレール12の第1の支持アセンブリ18及び第2の支持アセンブリ64は第2のレール14を支持するように構成されており、摺動補助アセンブリ20は第3のレール16を支持するように構成されている。さらに、第2のレール14も方向Dに沿って引き出される。
【0028】
図6〜
図8に示すように、スライドレールアセンブリ10の第2のレール14が、第1のレール12に対して方向Dに沿ってさらに引き出されて所定の位置P1に移動した場合、第2のレール14のストッパ50は、第2のレール14を所定の位置P1で止めて第2のレール14が第1のレール12に対して方向Dに沿ってさらに動くのを防止するために第1のレール12の第1の支持アセンブリ18と当接する。
【0029】
したがって、本発明は上記の構成を通じて限られたスペースで摺動の滑らかさ及び支持安定性を改善する3つのレールの(three-section)スライドアセンブリを提供する。
【0030】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0031】
10 スライドレールアセンブリ
12 第1のレール
14 第2のレール
16 第3のレール
18 第1の支持アセンブリ
20 摺動補助アセンブリ
22 第1の壁部
24 第2の壁部
26 第1の側壁
28 第1の通路
30a、30b、30c、30d 屈曲部
32a 前端
32b 後端
34 停止部
36 第3の壁部
38 第4の壁部
40 第2の側壁
42 第2の通路
44a、44b、44c、44d 屈曲部
46a、46b、46c、46d 接触面
48a 前端
48b 後端
50 ストッパ
52 第5の壁部
54 第6の壁部
56 第3の側壁
58a、58b 支持部材
60a、60b 取り付け孔
62a、62b 支持部
64 第2の支持アセンブリ
66 ボール