(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付の図面に例を示した本開示の様々な実施形態を、詳細に記載する。全図を通して、同じ、または、類似した部分を参照するには、同じ、または、類似した参照番号および記号を可能な限り用いる。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、当業者であれば、開示の主要な態様を示すために、どこで図面を簡略化したか分かるだろう。
【0012】
示した請求項は、詳細な記載に組み込まれ、その一部を構成する。
【0013】
いくつかの図面は、参照用にデカルト座標を示しているが、方向、または、向きを限定することを意図していない。
【0014】
以下の記載において、「セル状物品」という用語は、焼成セラミック材料に限定されず、例えば、押出成形されたセラミックの未焼成原料体、および、乾燥されたセラミックの未焼成原料体を含みうる。
【0015】
図1は、例示的なセル状セラミック物品10の側面図である。
図2は、
図1の例示的なセル状物品10の拡大前面図である。セル状物品10は、中心軸A1、前端部12、後端部14、および、外面16を有する。セル状物品は、壁部30によって画定されたウェブ18を含み、壁部交差部34が、セル20のアレイを画定している。セル20は、例えば、セル状物品10の形成に用いる押出金型のタイプによっては、三角形、六角形など、正方形以外の形状を有してもよい。外壁部または外皮部40が、外面16だけではなく、セル状物品10の外側形状を画定する。
図2中の拡大挿入図は、完璧に形成されたウェブ18の例示的な一部を示しており、完璧に形成された壁部30が、完璧に形成されたセル20を画定している。
【0016】
図3は、例示的なウェブ18の概略的な一部拡大前面図であり、多数の異なるタイプのウェブ欠陥を示している。1つのタイプのウェブ欠陥は、上記のような非連結箇所31Nであり、セル20の壁部30の1つが、完全には形成されずに、その中に間隙または空間を有する場合に発生する。非連結箇所31Nは、1つのセル壁部より小さい(例えば、2ミル(約0.05mm)未満、または、4ミル(約0.1mm)未満)ので、特定が特に難しい。セラミック、または、セラミック形成組成物の多くが、緑色から濃いグレイ色であり、補助なしの裸眼で、暗い孔の位置を見つけるのは特に難しいということがありうる。しかしながら、非連結ウェブ欠陥31Nは、例えば、微粒子が壁面によって捕獲されずに隣接したセル同士の間を通過する漏れ部を生じうるなど、それが中にあるセル状物品10の性能に悪影響を与えうるので、その位置を見つけて特定することが極めて重要である。
【0017】
他のタイプのウェブ欠陥は、欠損した壁部31Mであり、所定のセルの壁部の実質的に全体が存在しない。そのような欠陥は、1つのセル20の大きさを有するので、非連結箇所より多少は容易に特定される。欠損した壁部30も、セル状物品10の性能に悪影響を与える。
【0018】
他のタイプのウェブ欠陥は、曲がった、または、湾曲壁部31Bであり、そのような欠陥は、必ずしも性能に悪影響を与えない。更に他のタイプのウェブ欠陥は、表面欠け31C、つまり、小さい欠損断片が壁部30から欠損したものであるが、壁部の実際の孔を表すものではない。表面欠け31Cは、非連結箇所31Nと比べて、後者がウェブ内へ深く延伸するのに対し、前者が比較的浅いという点で異なる。湾曲壁部ウェブ欠陥31Bと同様に、ウェブの表面欠け欠陥31Cは、必ずしも性能に悪影響を与えない。
【0019】
欠陥検出方法
セル状物品10の中のウェブ欠陥を検出および特定する例示的な方法は、1)ウェブ画像を撮像する、2)撮像したウェブ画像から、ウェブ構造の特徴を分析する、3)ウェブ欠陥の位置を特定する、4)ウェブ欠陥の位置に、関心領域を画定する、5)各関心領域についてのウェブパラメータを計算する、更に、6)ウェブパラメータに基づいて、ウェブ欠陥のタイプの特徴を分析する、工程または動作を含む。
【0020】
上記各工程は、下記のような1つ以上の部分工程、操作、動作などを含みうる。
【0021】
工程1‐ウェブ画像の撮像
方法の第1の工程は、セル状物品10、および、その中のウェブ18の画像の撮像を含む。
図4Aは、例示的な画像撮像システム100の概略図であり、セル状物品10の前端部12に隣接して操作可能に配列された画像撮像装置120を含んでいる。セル状物品10は、画像撮像装置120を通過するようにセル状物品を搬送する搬送部130によって、支持されている。画像撮像装置120は、画素124を有するイメージセンサ122を含む。画像撮像装置120は、表示部142を有するコンピュータ140に操作可能に(例えば、電気的に)接続されて示している。画像撮像装置120は、セル状物品10の前端部12において、ウェブ18の少なくとも一部の(生の)デジタル画像150Rを撮像するように構成されている。
【0022】
図4Bは、画像撮像システム100の他の例であり、イメージセンサ122が、拡大挿入図でy方向に延びるものとして示した、1列の画素124によって画定されたリニアイメージセンサである。リニアイメージセンサ122は、セル状物品10が画像撮像装置120を通過するように搬送される時に、セル状物品10の前端部12の線画像の撮像に使用される。一例において、リニアイメージセンサ122は、ラインスキャナとして使用され、セル状物品10の前端部12にすぐ隣接して配列されて、走査したデジタル画像を撮像する。
【0023】
図4Cは、画像撮像システム100の例を示し、セル状物品10が、トレイ11によって、セラミック物品の中心軸A1が水平(つまり、y方向)となるように支持されている。リニアイメージセンサ122が、その長軸がz方向になるように配列されて、搬送部130がセル状物品10をリニアイメージセンサに通過させるように移動する時に、前端部12の線画像を撮像する。
【0024】
図4Dは、他の例示的な画像撮像システム100を示し、画像撮像装置120が、従来の平面画像スキャナの形態を有する。セル状物品10を、走査センサ122の上に直接置いて、図示したような前端部12の画像を撮像しうる。セル状物品10を容易に裏返して、後端部14の画像も撮像しうる。
【0025】
図4Dの画像撮像システム100は、焦点深度が、例えば0.1mmと0.5mmの間など、非常に浅く、更に、例えば2400dpiなどの十分な解像度を有するので、望ましい。撮像は、テレセントリックで、歪み、および、収差が比較的ない。浅い焦点深度は、例えば押出処理の調節が必要となりうる、ウェブの中に深く延伸する欠陥(例えば、非連結箇所31N)と、例えば押出処理の調節を必要としないかもしれない、表面に存在する欠陥(例えば、表面欠け31C)とを識別可能にするので、望ましい。
【0026】
一例において、ラインスキャナ122を使用した場合には、コンピュータ140を用いて、ウェブ18のラインスキャン画像を繋ぎ合わせて、より大きい二次元の生の撮像画像150Rを形成する。一例において、生の撮像画像150Rは、ウェブ18全体を含むように、セル状物品10の前端部12全体を含む。
図4Aおよび4Bは、生の撮像画像150Rが、コンピュータ140の表示部142に表示されるのを示している。本明細書に開示した方法を行うには、例えば、セル状物品が押出成形によって形成されて、次に、任意の押出成形に関する欠陥が、セル状物品の軸の長さ方向に沿って実質的に変わらないなら、セル状物品10の1つの端部(例えば、前端部12)を撮像すれば十分でありうる。
【0027】
撮像した生の画像150Rは、画素サイズと撮像画像サイズとの関係によって定まる第1の解像度と関連付けられている。一例において、画像撮像装置120は、イメージセンサ122の各画素124が、ウェブ18の5マイクロメートル×5マイクロメートルの領域を表すように、構成されている。異なる光学解像度を用いて、この画素と領域との関係を変えてもよい。光学解像度は、例えば、異なるセル密度など、測定するセル状物品10の特徴に基づいて、選択しうる。セル状物品10の直径の好適範囲の1つは、4インチ(約10.2cm)から14インチ(約35.6cm)である。例えば、円形または楕円形、矩形、非対称形など、様々な断面形状も適合しうる。したがって、画素あたり5マイクロメートル程度で撮像した生の画像150Rは、例えば、4インチ(約10.2cm)の部分について20,000×20,000画素から、14インチ(約35.6cm)の部分について70,000×70,000画素のサイズの範囲でありうる。
【0028】
一例において、例えば、ノイズを除去するために、生の撮像画像150Rを平滑化する画像処理工程を行いうる。これは、例えば平滑化カーネルを用いて、既知の画像処理技術を用いて行いうる。この方法の態様において、以下のウェブの特徴分析工程は、生の撮像画像ではなく、処理済撮像画像に基づいて行いうる。
【0029】
工程2‐ウェブ構造の特徴分析
ウェブ18のデジタル画像を撮像すると、次の工程では、強度値を用いて、撮像したデジタル画像からウェブ構造の特徴を分析する。撮像したデジタル画像150Rの各画素は、0から255のグレイスケール値でありうる、関連付けられた強度値を有する。上記のように、ウェブ18は、壁部30によって画定され、次に、壁部30は、セル20を画定する。したがって、セル20、特に、セルを画定する壁部30の選択された特徴を決定することによって、ウェブ構造の特徴を分析しうる。
【0030】
一例において、選択された特徴は、セルの質量中心または重心C、ウェブ交差部34の交差位置IL、および、ウェブの壁部30の形状(厚さ)を含む。存在しうる任意のウェブ欠陥の位置を見つけるには、撮像したデジタル画像150Rの中の強度値を用いて、ウェブ18の壁部30の特徴を分析し、次に、ウェブ欠陥を、壁部の強度値の中でのサインとして見つけ出してもよい。
【0031】
一例において、最初に、ウェブの撮像画像の強度について、基本強度閾値I
THを確定することによって、ウェブ18の特徴を分析しうる。一例において、基本強度閾値は、任意の所定の直線状行の中のグレイスケール値のピーク強度I
Pの1/2と定められ、その行は、各セルの重心で始まり、隣接するセルの重心へ延伸している。
【0032】
図5Aは、ウェブ18の例示的な一部拡大前面図であり、隣接したセル20の重心C1、C2を、壁部交差位置ILと共に示している。
図5Bは、点線DLに沿った隣接したセルの重心C1、C2間の距離xに対する、強度I(x)の概略的プロットであり、ピーク強度I
P、および、基本強度閾値I
TH=1/2・I
Pを示している。
【0033】
基本強度閾値I
THを確定すると、それを、各セル20について、壁縁部30E、および、壁縁部における縁部強度勾配S
Eを画定するのに用いる。壁縁部30Eを画定することによって、ウェブ構造の特徴を分析する。
図5Bの拡大挿入図は、強度閾値I
TH=1/2・I
Pで画定される、壁縁部30Eにおける強度曲線の縁部強度勾配S
Eを示している。縁部強度勾配S
Eは、位置x(または、y)に対する強度Iの変化の比、例えば、S
E=ΔI/Δxであり、壁縁部30Eの位置は「暗い」セル20から「明るい」壁部30への転換を示すので、この位置で比較的急峻であると予想される。
【0034】
非連結欠陥31Nは、例えば、いくつかの実施形態では20%以内まで、または、他の実施形態では10%以内まで、または、他の実施形態では5%以内など、壁縁部30Eによって形成された強度勾配と実質的に同じ大きさを有する壁部強度勾配S
Wを生成するはずなので、後で、壁縁部30Eにおける縁部強度勾配S
Eの大きさ|S
E|(または、平均縁部強度勾配の大きさ|<S
E>|)を、壁部の長さに沿って測定した壁部強度勾配S
wの大きさ|S
w|と比較して、非連結形態のウェブ欠陥を特定しうる。
【0035】
工程3‐ウェブ欠陥の位置特定
次に、特徴を分析したウェブ18の中で、所定のウェブ壁部30の長さに沿って、壁部勾配の大きさ|S
W|が比較的大きい値として現れる暗い点を探すことによって、特徴を分析したウェブ18の中でウェブ欠陥の位置を特定する。暗い点は、非連結欠陥31N、または、表面欠け欠陥31Cである可能性があり、この時点では、その違いを正確に決定するのに十分な情報がない。
【0036】
上記のように、一例において、暗い点として現れるウェブ欠陥は、壁部強度勾配の大きさ|S
W|が、縁部強度勾配の大きさ|S
E|と実質的に同じであるという条件を満たす。一例において,この条件は、α・|S
E|≦|S
W|と表しうるものであり、αは、0.75から1の範囲である。
【0037】
ウェブ欠陥の位置を特定する処理は、いくつかの壁部30は湾曲しうるという事実によって、複雑になりうる。隣接した交差位置IL間の湾曲壁部を横切ってまっすぐに探索すると、セル20の一部の広い暗い領域を、非連結欠陥31Nの位置として、誤って特定しうる。この状況を、
図6Aに示す。
【0038】
湾曲壁部である可能性を明らかにするには、隣接した交差位置34間に線を延伸させる。次に、補間を行って、ウェブ壁部30の中央のY位置YLを決定する。Y位置YLが、隣接したウェブ交差部34同士を結ぶ直線から、ある値より大きく(例えば、ウェブの幅の半分より大きく)ずれていれば、その場合には、壁部30が「湾曲している」と考える。この場合には、
図6Bに示すように、湾曲壁部を、2つの壁部分域30A、30Bによって形成されているものとして近似する。次に、2つの壁部分域30A、30Bの中で、ウェブ欠陥の位置を探す。これにより、湾曲壁部30を、不注意に非連結欠陥31Nとして特定することが避けられる。
【0039】
工程4‐関心領域(ROI)の画定
1つ以上のウェブ欠陥の位置を見つけると、次の工程では、ウェブ欠陥の位置を用いて、対応する関心領域(ROI)を、ウェブ欠陥の1つを含む各壁部30上に画定する。
【0040】
図7は
図5Aと同様であり、この時点ではウェブ欠陥の位置を見つけたと考えられているが、必ずしも非連結箇所31Nではないものを含む、壁部30上に形成した関心領域ROIを示している。例示的な関心領域ROIは、特徴を分析したウェブの名目または平均壁幅と等しい幅を有し、長さLは、特徴を分析したウェブの交差位置IL間の名目または平均距離である。尚、
図6Bにおいては、壁部分域30A、30Bに対応する2つの関心領域ROIを採用するだろう。関心領域は、評価すべきウェブ欠陥を含む壁部30の実質的に全体を含むように構成される。
【0041】
各関心領域ROIは、グレイスケールの強度値を各々が有する画素の行列を示す。強度値は、行列の行RWおよび列CLの中の位置毎に示しうる。
【0042】
工程5‐ウェブパラメータの計算
次の工程において、存在するウェブ欠陥のタイプの決定を可能にする多数のウェブパラメータを計算する。ウェブパラメータを、ここで記載する多数の工程を用いて計算する。
【0043】
各関心領域ROI内で、各列CLについて、行から行へ下るように強度値を調べ、各列中の最大強度値Imax
nを決定する。各列CLの平均強度値Iavg
nも決定する。次に、各関心領域ROIについて、最大強度値Imax
nを、例えば、関心領域ROIの代表的な強度値の1つの行と考えうるアレイ変数MAXに記憶する。平均(グレイスケール)強度値Iavg
nも、例えば、アレイAVGに記憶する。
【0044】
次に、方法は、これらの最大強度値Imax
nの最小値MIN{Imax
n}を見つけ、その値を、例えば変数MINに記憶する。
【0045】
次に、方法は、1)MINから、<MIN{Imax
n}>と示される、MIN{Imax
n}についての平均値を導出する工程、2)AVGから、ウェブ中の<AVG>=((ΣAvg
N)/N)を計算することによって、グレイスケール値の総平均強度<AVG>を導出する工程、および、3)<AVG>から、グレイスケール強度値の標準偏差σ
GSを導出する工程を含む。
【0046】
工程6‐ウェブパラメータを用いたウェブ欠陥の特徴分析
最大強度値Imax
nを用いて、所定の関心領域ROIの中のウェブ欠陥の特徴を分析しうる。
【0047】
一例において、方法は、最大強度値Imax
nを用いて、関心領域の中で、Imax
nの値が所定の閾値強度値未満である連続した点(つまり、隣接した位置)の最大数を見つける。所定の閾値強度値は、<MIN{Imax
n}>、<AVG>、または、σ
GSについての値に等しいか、または、それに基づきうるか、若しくは、これらの値の組合せに基づきうる。この連続した点の最大数の閾値に基づく計算の結果得られた値を、局所変数「カウント閾値未満」CBTでソートする。
【0048】
更に、方法は、(位置、例えば、xまたはyについて、)MAX値の一次導関数を計算する工程を含み、所定の関心領域についての、この一次導関数の最大値を、変数dMaxに記憶し、一方、一次導関数の最小値を、変数dMinに記憶する。最大微分係数dMaxの位置と最小微分係数dMinの位置の間の距離を、画素数NPとして測定しうる。尚、dMaxは、最大強度値Imax
nの最も大きい、または、最大の勾配を表し、一方、dMinは、最大強度値Imax
nの最も小さい、または、最小の勾配を表す。したがって、dMaxおよびdMinは、Imax
n値の上記壁部強度勾配Sから選択された値である。
【0049】
介在する画素数NPで表されたdMaxとdMin間の距離は、最大強度Imax
nが、通常は壁縁部に関連付けられる急激な変化の位置から、通常は壁部が隙間なく詰まった部分に関連付けられる変化の小さい位置へと、いかに急速に転換するかを示す。しかしながら、強度の急激な変化は、壁縁部30Eによるものではなく、少なくとも1つのウェブ欠陥によるものである。これは、関心領域ROIは、壁縁部を越える転換位置を含まずに、壁部の長さに沿って捉えた強度値を見ているからである。実際、強度値は、上記のように列CLを処理して最大強度値Imax
n、および、平均強度値Iavg
nを取得することによって、所定の壁部30の「幅」方向で圧縮されている。
【0050】
この時点で、考慮した各関心領域ROIについて、良好なウェブ壁部と、非連結欠陥31Nと、表面欠け欠陥31Cとを、正確に識別するのに十分な情報がある。このために、例示的な範囲または閾値を、1つ以上の計算した値CBT、dMax、dMin、NPに適用する。上記のように、これらの値についての例示的な範囲、または、TH
CBT、TH
Max、TH
Min、および、TH
NPとそれぞれ示される閾値は、<MIN{Imax
n}>、<AVG>、または、σ
GSについての値に等しいか、または、基づきうるか、若しくは、これらの値の組合せに基づきうる。
【0051】
「良好なウェブ」、つまり、ウェブ欠陥を実質的に有さない関心領域ROIの中の壁部30について、一例において、CBT=TH
CBT=0という条件を満たす一方、他の例において、CBT≦TH
CBTという条件を満たし、TH
CBTは、2または3などの小さい数である。
【0052】
非連結ウェブ欠陥31Nについて、一例において、CBT>0と、dMax>TH
Maxと、dMin<TH
Minと、NP>TH
NPという条件を満たし、TH
Maxは35から50の範囲(例示的な値は40)であり、TH
Minは−35から−50の範囲(例示的な値は−40)であり、TH
NPは1から3の範囲(例示的な値は2)でありうる。
【0053】
表面欠けウェブ欠陥31Cについて、一例において、CBT>0と、dMax>TH
Maxと、dMin<TH
Minと、NP>TH
NPという条件を満たし、TH
Maxは20から30の範囲(例示的な値は25)であり、TH
Minは−20から−30の範囲(例示的な値は−25)であり、TH
NPは1から3の範囲(例示的な値は2)でありうる。
【0054】
図8Aは、
図7または
図3などに示した例示的な非連結欠陥31Nについて、正規化したx座標に対するグレイスケールの強度Imax
n(x)(左の縦軸)、および、強度勾配S(右の縦軸)のプロットである。強度Imax
nの比較的劇的な変化、および、強度勾配Sの比較的急峻な変化が、非連結欠陥31Nのサインであり、CBT、dMax、および、dMinについての上記判断基準によって特定される。
【0055】
図8Bは
図8Aと同様だが、正規化したy座標について、ウェブ18の中の垂直壁部30の1つの中における
図3に示したような例示的な表面欠け欠陥31Cについてのものである。尚、強度Imax
n(y)の変化は、非連結欠陥31Nほど急峻ではない。同様に、強度勾配は、非連結欠陥31Nと比べて、距離yの関数としての大きい変化を含まない。CBT、dMax、および、dMinについての上記判断基準を、
図8Bのデータに適用して、ウェブ欠陥が表面欠け欠陥31Cであることを確認しうる。
【0056】
代わりの方法
ウェブ欠陥の特徴分析方法の代わりの実施形態は、以下の工程または動作を含む:1)ウェブ画像を撮像する、2)動的閾値処理を用いて処理済画像を形成する、3)非適合セル領域を特定する、および、4)非適合セル領域の中の関心ウェブ壁部を再構成して、ウェブ壁部の中のウェブ欠陥を特定する工程。
【0057】
代わりの方法の第1の工程は、セラミック物品10の画像150Rを撮像する工程を含む。
図9Aは、例示的なセラミック物品10のウェブ18の撮像画像の一部を、1700dpiの平面スキャナを備えた
図4Dの画像撮像システム100を用いて取得した実際の撮像画像に基づいて、概略的に示している。
【0058】
次の工程は、動的閾値処理を撮像画像150Rに適用して、処理済画像150Pを取得する工程を含む。一例において、動的閾値処理は、例えば、150×150画素から500×500画素の範囲の大きさを有するカーネルを用いて行われる。
図9Bに示した、結果として取得した処理済画像は、287×287画素のカーネルを用いたものである。次に、処理済画像150Pを用いて、下記のように局所動的閾値を決定しうる。
【0059】
次に、処理済画像を分析して、壁部30に関連付けられる明るい強度と比べて、暗い背景強度を示すセル領域20Rを特定する。各セル領域20Rの面積を決定し、この情報を、セルピッチp
c(例えば、隣接したセルの中心から中心への間隔)と共にフィルタとして用いて、適合セル領域20Rと、予想より大きい面積およびセルピッチを有する非適合セル領域とを識別する。
【0060】
次に、非適合セルの壁部を調べて、壁部のいずれかが、欠損した部分、つまり、非連結欠陥31Cを有するかを決定する。そのような非適合セル領域20Rを、
図9Cに、白の破線の楕円形で示している。セル20の推定重心Cを用いて、非適合セル領域の壁部30がどこに位置するかを確定する。
【0061】
非適合セル領域において、欠損した部分を有する特定の壁部30を特定すると、
図9Dに示すように、非適合セルの輪郭を矩形Rで囲む。
【0062】
ここで
図9Eを参照すると、セルの重心情報、および、
図9Dで画定した矩形Rを用いて、切り取り領域CRを画定する。但し、r1=対象セルの重心y位置、r2=隣接底側セルの重心y位置であり、一方、c1およびc2は、矩形Rのx位置である。
【0063】
図9Fを参照すると、分離された壁部の両側のセル20の背景部分を画定し、次に、残りの領域を埋めることによって、切り取り領域を変形して、示した例においては非連結欠陥31Nであることが明らかになる壁部分域を、画定する。
【0064】
この処理を用いて、4つの主な結果がありうる。第1の結果は、非適合セル20Rの壁部30の全体が欠損して、非適合セル20Rが、適合セルの本質的に2倍の大きさである。第2の結果は、壁部30の1つの部分だけを見つけることであり、ウェブ壁部のその片側の部分は見つかるが、他方側の全体は、ウェブ交差部34まで欠損していることを意味する。第3の結果は、精密検査中のウェブ壁部30の2つの部分を見つけ、それらが、中に間隙が形成された壁部の各側を示す。第4の結果は、壁部分を画定する場合に、多数の部分域を見つける。この場合、一例において、大きい方から2つの部分域を、破損した壁部30の各側を示すものとみなす。
【0065】
上記各結果において、必要に応じて、欠損した壁部分の大きさを決定しうる。一例において、全ての方法は、ウェブ欠陥が非連結欠陥31Nであるか、および、それが、ある最小の大きさより大きいかを伝達する必要がある。
【0066】
当業者には、添付の請求項に示した本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載したような、本開示の好適な実施形態に様々な変更を行いうることが明らかであろう。したがって、本開示は、変更および変形も、添付の請求項の範囲、および、その等価物の範囲である限りは、網羅するものである。
【0067】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0068】
実施形態1
セル状物品のウェブの検査方法において、
前記ウェブは、幅および長さを各々が有する壁部によって画定されて、次に、前記壁部は、セルのアレイを画定し、
前記方法は、
a)前記ウェブのデジタル画像から、強度値によって、ウェブ構造の特徴を分析する工程であって、該ウェブの前記各壁部についての縁部位置、および、前記各縁部位置についての縁部強度勾配S
Eを確定する処理を含む工程と、
b)特徴を分析した前記ウェブ構造の前記ウェブ壁部の1つの中で、壁部強度勾配S
Wを探して、前記ウェブ内にウェブ欠陥が存在する場合には、前記ウェブ欠陥の位置を決定する工程と、
を有し、
α・|S
E|≦|S
W|という条件を満たし、αは、0.75から1の範囲である方法。
【0069】
実施形態2
前記強度値が、ピーク値I
Pを含み、前記縁部位置を、1/2・I
Pと見なすものである、実施形態1に記載の方法。
【0070】
実施形態3
前記デジタル画像を撮像する工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0071】
実施形態4
前記デジタル画像を撮像する工程が、前記セル状物品の前端部または後端部のいずれかを、ラインスキャナで走査する処理を含むものである、実施形態3に記載の方法。
【0072】
実施形態5
撮像した前記デジタル画像を、平滑化カーネルを用いて処理する工程と、
処理した前記撮像デジタル画像に、前記b)工程を行う工程と、
を更に含む、実施形態3に記載の方法。
【0073】
実施形態6
前記方法が、
d)前記ウェブ欠陥を探すべき前記壁部について、該壁部の幅および長さに各々が沿った向きの行および列を用いて、強度値の行および列によって画定される関心領域を画定し、
e)前記関心領域について、以下の4つのウェブ構造パラメータ:i)各列について、最大強度値Imax
nの行を生成するための、最大強度値、ii)前記最大強度値の一次導関数d(Imax
n)、iii)前記一次導関数の最大値dMax、iv)該一次導関数の最小値dMin、および、v)最大値dMaxと最小値dMin間の距離NPを、計算し、
f)任意のウェブ欠陥を、前記4つのウェブ構造パラメータImax
n、dMax、dMin、および、NPを用いて特定することによって、前記ウェブ欠陥を特定する工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0074】
実施形態7
強度値Imax
nの行の中で、選択された強度閾値未満の連続した強度値の最大数CBTを、決定する工程を、
更に含む、実施形態6に記載の方法。
【0075】
実施形態8
CBT>0、dMax>TH
Max、dMin<TH
Min、および、NP>TH
NPという条件を満たし、TH
Maxが35から50の範囲であり、TH
Minが−35から−50の範囲であり、TH
NPが1から3の範囲である場合には、前記ウェブ欠陥を、非連結箇所として特定する工程を、
更に含む、実施形態7に記載の方法。
【0076】
実施形態9
CBT>0、dMax>TH
Max、dMin<TH
Min、および、NP>TH
NPという条件を満たし、TH
Maxが20から30の範囲であり、TH
Minが−20から−30の範囲であり、TH
NPが1から3の範囲である場合には、前記ウェブ欠陥を、表面欠けとして特定する工程を、
更に含む、実施形態7に記載の方法。
【0077】
実施形態10
前記b)工程の前記ウェブ欠陥が、湾曲した、または、曲がった前記ウェブ壁部である、実施形態1に記載の方法。
【0078】
実施形態11
押出成形されたセル状セラミック物品のウェブ中の欠陥の位置を見つける方法において、
前記ウェブは、幅および長さを各々が有する壁部によって画定されて、次に、前記壁部は、セルのアレイを画定し、
前記方法は、
a)撮像されたデジタル画像を、動的閾値処理を用いて処理して、処理済画像を形成する工程と、
b)適合セルを画定する少なくとも1つの特徴を決定する工程と、
c)前記適合セルを画定する少なくとも1つの前記特徴に基づいて、前記処理済画像の中の非適合セル領域を特定する工程と、
d)前記非適合セル領域の中の前記壁部を調べて、該非適合セル領域の中の該壁部の1つの中で、前記欠陥の位置を見つける工程と、
を含む方法。
【0079】
実施形態12
前記適合セルを画定する少なくとも1つの前記特徴が、平均セル面積およびセルピッチを含むものである、実施形態11に記載の方法。
【0080】
実施形態13
前記非適合セルは、前記非適合セルの面積を前記平均セル面積の約2倍にする非連結箇所により、前記平均セル面積を超える面積を有するものである、実施形態12に記載の方法。
【0081】
実施形態14
前記デジタル画像を撮像する工程を、
更に含む、実施形態11に記載の方法。
【0082】
実施形態15
前記デジタル画像を撮像する工程は、前記セラミック物品の端部を、ラインスキャナで走査する処理を含むものである、実施形態14に記載の方法。
【0083】
実施形態16
前記デジタル画像を撮像する工程は、
前記セラミック物品の端部を、平面スキャナ上に支持する処理と、前記平面スキャナで、該デジタル画像を撮像する処理を含むものである、実施形態14に記載の方法。
【0084】
実施形態17
前記欠陥は、湾曲したウェブ壁部、または、曲がったウェブ壁部である、実施形態11に記載の方法。
【0085】
実施形態18
前記欠陥は、非連結箇所である、実施形態11に記載の方法。
【0086】
実施形態19
前記ウェブ中の前記欠陥の位置を決定する工程を、
含む、実施形態11に記載の方法。
【0087】
実施形態20
前記ウェブ中の前記欠陥の大きさを決定する工程を、
含む、実施形態11に記載の方法。