(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記二流体ノズルの先端から噴射される流体を収容可能な流体収容部を備え、前記二流体ノズルと前記流体収容部の少なくともいずれか一方は、前記二流体ノズルの先端から噴射された流体が前記描画対象面に到達可能な描画位置と、前記二流体ノズルの先端から噴射された流体が前記流体収容部に受け止められる非描画位置と、の間で移動可能に設けられている請求項1または2に記載の自動描画装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。まず、
図1〜
図10を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る自動描画装置1について説明する。
図1は自動描画装置1を示す正面図、
図2は自動描画装置1を示す側面図、
図3は自動描画装置1を示す背面図、
図4は自動描画装置1を示す底面図、
図5は自動描画装置を示すブロック図、
図6は自動描画装置1の自己位置を認識する方法を示す平面図、
図7は自動描画装置1における描画機能を実現するための構成を示す模式図、
図8は自動描画装置1の二流体ノズルを示す模式図、
図9は自動描画装置1において描画機能を実現するための構成を示す模式図、
図10は自動描画装置1において描画機能を実現するための構成の変形例を示す模式図である。
【0019】
自動描画装置1は、描画対象面である平坦な床面を2つの駆動輪2と1つの従動輪3によって走行可能な移動ロボット4を備えており、自律走行機能とユーザーインターフェース機能と描画機能を有している。
【0020】
駆動輪2は、それぞれ、移動ロボット4の左右両側に回転可能に設けられている。駆動輪2は、タイミングベルト5を介して走行用サーボモータ6と接続されており、個別に制御可能となっている。従動輪3は、移動ロボット4の底面の駆動輪2より後側に配置されており、前後左右方向に回転自在に設けられている。これにより、移動ロボット4は、前進、後進、および左右に回転可能となっており、移動ロボット4の移動履歴は駆動輪2の回転角度の履歴に基づきコンピュータ10によって算出されるようになっている。
【0021】
自律走行機能を実現するための構成として、移動ロボット4の頂部に、レーザー距離計7が搭載されており、レーザー距離計回転用サーボモータ8とエンコーダ(図示省略)およびコンピュータ10によって回転角度の計測と制御が可能となっている。
【0022】
図6に示されているように、移動ロボット4は、レーザー距離計7により、現場の基準点に設置された2本以上の基準ポール49までの距離と角度を計測することによって自己位置(フィールドに設定した座標系上の位置)と方向を認識することができるようになっている。レーザー距離計回転用サーボモータ8への電力は移動ロボット4に搭載されたバッテリ(図示省略)から供給される。なお、基準ポール49としては、例えは、特許第5498841号に開示されている誘導標のような公知技術が使用される。
【0023】
また、自律走行機能を実現するための構成として、移動ロボット4の前面の床面に近い位置に、水平方向にレーザーをスキャンして連続的に距離を計測する測域センサ9が搭載されており、床面にある障害物を自動検知することができるようになっている。さらに、移動ロボット4の前面の底部には、鉛直下向きにレーザー距離センサ11が搭載されており、段差や開口部を自動検知することができるようになっている。
【0024】
ユーザーインターフェース機能を実現するための構成として、移動ロボット4の前面の上部傾斜面に操作画面12が設置されており、この操作画面12から移動ロボット4の作業開始を指示することができるようになっている。また、移動ロボット4には、無線LAN通信モデム13とモバイルデータ通信用モデム14が搭載されている。
【0025】
図4に良く示されているように、描画機能を実現するための構成として、移動ロボット4の底面15に、二軸移動機構16が設けられており、この二軸移動機構16により二流体ノズル17の位置制御が行われるようになっている。
【0026】
二軸移動機構16は、描画対象面である床面に平行な移動平面内において少なくとも互いに直交する二方向に二流体ノズル17を移動させる移動機構であり、2つの駆動輪2の間において矩形状に形成される枠体18を備えている。枠体18は、互いに平行を成して前後方向に延出する左右一対のガイドレール19L,19Rと、ガイドレール19L,19Rの前端部および後端部をそれぞれ連結する前後一対の連結部材20F,20Bと、により構成されている。左右一対のガイドレール19L,19Rには、ガイドレール19L,19Rと直交する方向に支持部材21が掛け渡されており、支持部材21はサーボモータ43によりガイドレール19L,19Rに沿って前後方向にスライド可能に設けられている。支持部材21には、二流体ノズル17が支持されており、二流体ノズル17は二軸移動用サーボモータ43により支持部材21に沿って左右方向にスライド可能に設けられている。前側の連結部材20Fには、流体収容部である廃棄・洗浄用ボックス22が支持されている。廃棄・洗浄用ボックス22は、二流体ノズル17の可動範囲内に設置されている。
【0027】
図7〜
図9に示されているように、二流体ノズル17は、上下方向に細長い円筒形状に形成された胴部23と、胴部23の下端から下方に先細に形成された略円錐形状の吐出部24と、を備えている。二流体ノズル17の胴部22と吐出部24の内部には、上下方向に細長いニードル25が挿入されている。ニードル25の上端はボールねじとクランク機構26を介してニードル昇降用サーボモータ27に接続されており、このサーボモータ27の駆動に伴って昇降可能に設けられている。ニードル25の引き上げ量で吐出部24の先端(下端)からの塗料の供給量を制御することができ、例えば、幅5mm以下の線を描画することもできる。二流体ノズル17の胴部23の周壁下部には、塗料カップ28が接続され、塗料カップ28の上端部に塗料供給口29が設けられている。また、二流体ノズル17の胴部23には、胴部23を挟んで塗料供給口29の反対側の周壁下部に圧縮空気供給口30が設けられている。
【0028】
二流体ノズル17の塗料供給口29には、水性塗料を貯留する水性塗料タンク31と洗浄水を貯留する洗浄水タンク32とがチューブ33を介して接続されている。チューブ33には、各タンク31,32の近接位置にそれぞれ制御バルブ34,35が設置されており、制御バルブ34,35のいずれかを開放することにより二流体ノズル17に水性塗料または洗浄水が供給可能となっている。なお、
図7では、水性塗料タンク31用の制御バルブ34が開放され、洗浄水タンク32用の制御バルブ35が閉鎖されている状態を示している。
【0029】
二流体ノズル17の圧縮空気供給口30には、エアコンプレッサー36がチューブ37を介して接続されている。これにより、
図8に良く示されているように、二流体ノズル17の内部には水性塗料と圧縮空気の少なくとも二つの流体が供給され、二流体ノズル17の先端から床面に向けて供給される圧縮空気に誘引されて水性塗料が噴射されるようになっている。
【0030】
図7および
図9に良く示されているように、廃棄・洗浄用ボックス22は、上面の一部分に開口40を有する扁平な箱形状に形成されており、その内部の開口40に対応する位置にブロック状の閉塞台41が固定されている。廃棄・洗浄用ボックス22は、昇降用サーボモータ42により昇降可能に設けられている。
【0031】
なお、上記した実施の形態の説明では、一つの二流体ノズル17に一色の水性塗料が供給される場合について説明したが、複数の二流体ノズル17に異なる色の水性塗料が供給されるように構成されていても良い。
【0032】
図10は二つの二流体ノズル17,17に異なる二色の水性塗料が供給される自動描画装置の変形例を示している。この変形例では、第1の水性塗料を貯留する第1の水性塗料タンク51と第1の水性塗料と異なる色の第2の水性塗料を貯留する第2の水性塗料タンク52の二つの水性塗料タンクが設けられている。また、洗浄水タンク53とエアコンプレッサー54はそれぞれ一つずつ設けられて共用されており、制御バルブ55,56が切り換えられることでいずれか一方の二流体ノズル17に洗浄水や圧縮空気を供給可能となっている。
図10では、第1の水性塗料タンク用の制御バルブ34とエアコンプレッサー54用の左側の制御バルブ56が開放され、左側の二流体ノズル17から第1の水性塗料を噴射される状態を示している。なお、洗浄水タンク53とエアコンプレッサー54をそれぞれ2セットずつ設けることもでき、その場合、制御バルブ55,56で切り換える必要はない。
【0033】
次に、
図11を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る自動描画装置1における墨出しデータの読み込みから墨出し作業終了までの作業工程の概要について説明する。
図11は自動描画装置1における作業工程を示すフローチャートである。
【0034】
まず、CADで作成された配管やダクトなどの施工図は2次元の単線表示に変換され、汎用のデータフォーマット(例えば、DXF)として出力される。その際、各レイヤーの名称はあらかじめ設定したルールに従って命名され、レイヤー名によって墨出しの要否と精度が判断できるように設定される。例えば、名称の先頭に“1_”と書かれているレイヤーは、機器のアンカーや制気口の位置等の高精度(±5mm以下)な墨出しが求められるものと定義され、“2_”と書かれているものは、配管やダクトのルート等の高い精度を必要としないものと定義され、“3_”と書かれているものは、通り芯や建築部材等の墨出し対象ではないものと定義される。また、データに含まれる文字や記号は床面への描画に適したサイズに自動変換され、適切な位置に自動配置される。
【0035】
このように自動変換されたデータは、
図11に示されているように、墨出しデータとして、オペレータが使用するタブレットPCに取り込まれる(S1参照)。タブレットPCには、墨出しデータをロボットの制御コマンドに変換するためのソフトウェアが予めインストールされており、墨出しデータがタブレットPCのディスプレイ上に表示される。
【0036】
オペレータにより、墨出しをするエリアの状況(資機材等障害物の有無、コンクリートの打設状況、段差や開口部の位置など)に応じて、墨出しを行わないエリア(墨出し除外エリア)が指定される(S2参照)。さらに、現場に設置した基準ポール49の位置が入力される(S3参照)。
【0037】
ソフトウェアによって、指定されたエリア以外のエリアにあるデータが墨出し順に並び変えられ、ロボットの制御コマンドデータ(直進、回転、描画など)に変換される(S4参照)。変換後、各要素が墨出しの順序に従って表示(シミュレーション)され(S5参照)、オペレータによって問題なしと判断されたら、制御コマンドデータは無線LAN通信によりコンピュータ10に転送される(S6参照)。
【0038】
一方、移動ロボット4側では、まず、システム起動の準備作業として、移動ロボット4へのバッテリの搭載作業(S11参照)、水性塗料タンク31,51,52および洗浄水タンク32,53における水性塗料および洗浄水の貯留状態の確認作業および補充作業(S12参照)、描画機能を実現するためのその他の準備作業(S13参照)が行われると、オペレータによって移動ロボット4のシステムが起動される(S14参照)。
【0039】
このようにシステム起動の準備作業が完了し、前記ステップS6においてタブレットPCからコンピュータ10に転送された制御コマンドデータの入力がオペレータによって確認されると(S15参照)、移動ロボット4の操作画面12からオペレータにより墨出し開始が指示され(S16参照)、墨出し作業工程が自動で実行される(S17参照)。この時、移動ロボット4は、基準ポール49までの距離と角度をレーザー距離計7で計測することにより自己位置を認識し、指定された墨出しエリアに含まれる墨出しデータについて、移動しながら描画を行う。また、墨出し作業工程中は、測域センサ9によって描画対象である床面上の障害物や段差の有無が監視されると共に、床面計測用レーザー距離計11によって開口部の有無が監視される(S18参照)。
【0040】
その結果、障害物や段差または開口部の存在が検知されずにすべての墨出しが終了すると(S19参照)、オペレータのタブレットPCに作業終了メッセージが電子メールで送信される(S20参照)。一方、前記ステップS18において、墨出し作業中に障害物や段差または開口部の存在が検知されると、墨出し作業が自動で中断、停止され(S21参照)、オペレータのタブレットPCにエラーメッセージが電子メールで送信される(S22参照)。
【0041】
次に、前記ステップS17における墨出し作業工程について、
図1〜
図9に加えて
図12〜15を参照しつつ、より具体的に説明する。
図12は自動描画装置1による墨出し作業工程を示すフローチャート、
図13は自動描画装置1による描画準備工程を示すフローチャート、
図14は自動描画装置1による描画工程を示すフローチャート、
図15は自動描画装置による洗浄工程を示すフローチャートである。
【0042】
図12に示すように、自動描画装置1による墨出し作業工程には、作業順に大別すると、描画準備工程171、描画工程172、洗浄工程174が含まれる。また、自動描画装置1が、例えば、
図10に示されているように、複数の二流体ノズル17に異なる色の水性塗料が供給されるように構成されている場合には、描画工程172と洗浄工程174の間に、予めタブレットPCからコンピュータ10に転送された制御コマンドデータに基づき色の切り替えを行うかどうかをコンピュータ10が判定する色の切り替え判定工程173も含まれる。
【0043】
図13に示すように、描画準備工程171では、まず、二流体ノズル17の下端が廃棄・洗浄用ボックス22の閉塞台41の上方位置(
図7に示す位置)に来るように、2軸移動用サーボモータ43の駆動によって支持部材21および二流体ノズル17がそれぞれ移動される(S1711参照)。その後、コンピュータ10の制御により、水性塗料タンク31の制御バルブ34が開放され(S1712参照)、ニードル25がニードル昇降用サーボモータ27の駆動によりボールねじとクランク機構26を介して持ち上げられる(S1713および
図7参照)。これにより、二流体ノズル17の吐出部24に水性塗料が供給される。
【0044】
この状態で、コンピュータ10の制御によりエアコンプレッサー36が一定時間起動されると、
図8に示されているように圧縮空気によって水性塗料が誘引されて二流体ノズル17の先端(下端)から廃棄・洗浄用ボックス22に向かって試射される(
図7および
図13のS1714参照)。
【0045】
その後、レーザー距離計7により見通し可能な2本の基準ポール49までの距離と角度が計測され(S1715参照)、コンピュータ10によって移動ロボット4の位置が算出される(S1716参照)。そして、二流体ノズル17は2軸移動用サーボモータ43の駆動により描画開始位置に移動され(S1717参照)、描画準備工程171が終了する。
【0046】
図14に示すように、描画工程172では、タブレットPCからコンピュータ10に転送された制御コマンドデータに基づき、コンピュータ10の制御によって、移動ロボット4が走行すると共に二軸移動機構16により二流体ノズル17が移動しながら、コンピュータ10によりエアコンプレッサー36がオン・オフされることで、
図8に示されているように圧縮空気によって水性塗料が誘引されて二流体ノズル17の先端(下端)から床面に噴射され、描画される(S1721参照)。その後、所定エリアの描画が終了したかどうかがコンピュータ10によって判断され(S1722参照)、終了したと判断された場合に描画工程172は終了となる。
【0047】
一方、前記ステップS1722において描画が終了していないと判断された場合には、移動ロボット4の位置の確認が必要かどうかがコンピュータ10によって判断され(S1723)、その必要がないと判断された場合には所定エリアの描画が終了するまで上記した作業が継続される。
【0048】
一方、前記ステップS1723において移動ロボット4の位置の確認が必要であると判断された場合には、コンピュータ10により移動ロボット4が停止され、描画作業が中断される(S1724参照)。その後、レーザー距離計7により見通し可能な2本の基準ポール49までの距離と角度が計測され(S1725参照)、コンピュータ10により移動ロボット4の位置が算出される(S1726参照)。そして、コンピュータ10の制御により二流体ノズル17の位置が補正された(S1727参照)後、前記ステップS1721に戻り、以降、描画工程172が終了する迄、上記した描画作業が繰り返される。
【0049】
図15に示すように、洗浄工程174では、まず、洗浄する二流体ノズル17の先端(下端)が廃棄・洗浄用ボックス22の閉塞台41の上方位置(
図7に示す位置)に来るように、2軸移動用サーボモータ43の駆動により支持部材21および二流体ノズル17が移動される(S1741参照)。コンピュータ10の制御によって、水性塗料タンク31の制御バルブ34が閉鎖された(S1742参照)後、エアコンプレッサー36が起動され、二流体ノズル17内に残っているすべての水性塗料が廃棄・洗浄用ボックス22内に排出される(S1743参照)。
【0050】
次いで、コンピュータ10の制御によって、洗浄水タンク32の制御バルブ35が開放された(S1744参照)後、エアコンプレッサー36が起動され、二流体ノズル17内の洗浄水が廃棄・洗浄用ボックス22内に排出され、二流体ノズル17の内部が洗浄される(S1745参照)。
【0051】
その後、コンピュータ10の制御により、エアコンプレッサー36が停止されると共に(S1746参照)、サーボモータ42の駆動により廃棄・洗浄用ボックス22が上昇され、二流体ノズル17の先端(下端)に閉塞台41が押し当てられる(S1747および
図9参照)。この状態で、コンピュータ10の制御によりエアコンプレッサー36が起動されることで、二流体ノズル17の内部がバブリング洗浄される(S1748参照)。
【0052】
次いで、コンピュータ10の制御により、エアコンプレッサー36が停止され(S1749参照)、洗浄水タンク32の制御バルブ35が閉鎖される(S1750参照)。また、サーボモータ42の駆動により廃棄・洗浄用ボックス22が下降される(S1751および
図7参照)。そして、この状態で、コンピュータ10の制御によりエアコンプレッサー36が起動されることで、二流体ノズル17内に残っている洗浄水が廃棄・洗浄用ボックス22に排出された(S1752参照)後、ニードル25がニードル昇降用サーボモータ27の駆動によりボールねじとクランク機構26を介して下降される(S1753参照)。
【0053】
また、二流体ノズル17が複数設けられている場合には、すべての二流体ノズル17の洗浄が終了したかがコンピュータ10によって判断され(S1754参照)、すべての二流体ノズル17の洗浄が終了したと判断される迄、上記した洗浄作業が繰り返される。
【0054】
次に、
図16および
図17を参照しつつ、自動描画装置において描画機能を実現するための構成の別の変形例について説明する。
図16は自動描画装置において描画機能を実現するための構成の別の変形例を示す模式図、
図17は塗料の切り替えを行う場合のフローチャートである。なお、以下の説明では、便宜上、
図16において
図7に示す構成と同等の構成については同一符号を付し、説明を省略する。また、墨出し作業工程についても、上記した実施の形態に係る自動描画装置1の場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0055】
図16に示されているように、この変形例では、一つの二流体ノズル17と、それぞれ異なる色の水性塗料を貯留する3つの水性塗料タンク61,62,63と、洗浄水を貯留する洗浄水タンク64と、水性塗料の廃液を貯留する廃液タンク65と、各タンク61,62,63,64,65と二流体ノズル17との間に設けられる選択切替機構としてのルートセレクタ66と、ルートセレクタ66と二流体ノズル17との間に設けられるポンプ67と、を備えている。
【0056】
各タンク61,62,63,64,65とルートセレクタ66、ルートセレクタ66とポンプ67、およびポンプ67と二流体ノズル17の塗料供給口29との間はチューブ68によりそれぞれ接続されている。二流体ノズル17の塗料カップ28には、液面の上限位置と下限位置にそれぞれ上限レベル計69と下限レベル計70が設置されており、下限レベル計70で下限を検出した時にポンプ67で二流体ノズル17に選択された塗料を供給し、上限レベル計69で上限を検出した時にポンプ67を停止するように制御される。
【0057】
ルートセレクタ66は、モータにより内部でルートを切り替えるための機構であり、3つの水性塗料タンク61,62,63から選択された一つの水性塗料タンクと二流体ノズル17とが接続されるように切り替えられるようになっている。また、ポンプ67は正逆回転可能な双方向ポンプであり、ルートセレクタ66により二流体ノズル17と水性塗料タンク61,62,63または洗浄水タンク63とが接続された場合に正回転し、二流体ノズル17と廃液タンク65とが接続された場合に逆回転することができるようになっている。
【0058】
このように
図16に示す変形例において塗料の切り替えを行う場合のフローは、
図17に示すようにコンピュータによって実行される。まず、洗浄する二流体ノズル17の先端(下端)が廃棄・洗浄用ボックス22の閉塞台41の上方位置に来るように、二流体ノズル17が移動される(S101参照)。ルートセレクタ66が制御され、二流体ノズル17と廃液タンク65とが接続されると(S102参照)、双方向ポンプ67が逆回転され、二流体ノズル17内の塗料が吸い上げられて廃液タンク65に捨てられる(S103参照)。
【0059】
次いで、ルートセレクタ66により二流体ノズル17と洗浄水タンク64とが接続されると(S104参照)、双方向ポンプ67が正回転され、洗浄水タンク64内の洗浄水が二流体ノズル17に供給される(105参照)。その後、再び、ルートセレクタ66により二流体ノズル17と廃液タンク65とが接続されると(S106参照)、双方向ポンプ67が逆回転され、二流体ノズル17内に残っている塗料と洗浄水が吸い上げられて廃液タンク65に捨てられる(S107参照)。
【0060】
次いで、エアコンプレッサー36が起動され、二流体ノズル17内に残っている水性塗料が廃棄・洗浄用ボックス22内に噴射され、排出される(S108参照)。その後、ルートセレクタ66により、再度、二流体ノズル17と洗浄水タンク64とが接続されると、双方向ポンプ67が正回転され、洗浄水タンク64内の洗浄水が二流体ノズル17に供給され、塗料カップ28の上限レベルまで溜められる(S109参照)。
【0061】
次いで、エアコンプレッサー36が起動され、二流体ノズル17から少量の水が廃棄・洗浄用ボックス22に噴射された(S110参照)後、廃棄・洗浄用ボックス22が上昇され、二流体ノズル17の先端(下端)に閉塞台41が押し当てられる(S111参照)。この状態で、エアコンプレッサー36が起動されることで、二流体ノズル17の内部がバブリング洗浄される(S112参照)。
【0062】
その後、エアコンプレッサー36が停止され、ルートセレクタ66により二流体ノズル17と廃液タンク65とが接続されると(S113参照)、双方向ポンプ67が逆回転され、二流体ノズル17内の塗料が吸い上げられて廃液タンク65に捨てられる(S114参照)。
【0063】
次いで、サーボモータ42の駆動により廃棄・洗浄用ボックス22が下降される(S115参照)。そして、この状態で、エアコンプレッサー36が起動されることで、二流体ノズル17内に残っている洗浄水が廃棄・洗浄用ボックス22に排出される(S116参照)。
【0064】
その後、ルートセレクタ66により切り替える所望な色の水性塗料を貯留する水性塗料タンク61または62または63と二流体ノズル17とが接続され、双方向ポンプ67が正回転され、二流体ノズル17に所望な塗料が供給され(S117参照)、塗料の切り替えが終了する。
【0065】
上記したように本発明の実施の形態に係る自動描画装置1によれば、墨出しを開始する前に廃棄・洗浄用ボックス22の上に二流体ノズル17が移動し、二流体ノズル17から水性塗料の噴射(試射)を行うことができるため、床面に対する塗料の噴射を確実に行うことができる。
【0066】
また、墨出し終了後、二流体ノズル17を廃棄・洗浄用ボックス22の上に移動して塗料を噴射することにより、ノズルおよびチューブ内に残った水性塗料を排出することで、二流体ノズル17内の洗浄を行うことができる。さらに、廃棄・洗浄ボックス22を上昇させ、閉塞台41に二流体ノズル17の先端を押し当てた状態でエアコンプレッサー36を起動させることで、二流体ノズル17内をバブリング洗浄することができる。このような洗浄工程を墨出し作業後に自動で行うことにより、二流体ノズル17内における水性塗料の固化を防止することができ、作業後のメンテナンスが不要となる。
【0067】
また、本発明の実施の形態に係る自動描画装置1、圧縮空気と水性塗料を用いた二流体ノズル17で描画する装置であるため、塗料が少量で済み、床面に描画後速やかに乾燥する。
【0068】
また、複数の異なる色の塗料を二流体ノズル17に供給可能な構成を採用した場合には、床面に複数の色を使用して描画することができるため、空調・衛生・電気など工事の種類ごとに異なる色を使用したり、或いは図面の変更箇所を異なる色で描画したりするなど、作業者に分かり易く表示することが可能となる。
【0069】
また、二流体ノズル17に水性塗料と圧縮空気が供給され、移動ロボット4の走行および二軸移動機構16の作用により、床面に任意の線や文字、記号などを描画することができる。
【0070】
また、建築工事においてコンクリート打設後の床面に線などを描画する時に油性の塗料を使用すると、その塗料が経年によって床仕上げ材を浸透し、仕上げ面に浮き上がることが明らかとなっているが、本発明の実施の形態では、水性塗料(カーボンブラック、有機顔料等の着色顔料と分散剤を含む水性インク組成物)を使用しているため、そのような心配はない。
【0071】
また、二流体ノズル17により床面に非接触で描画することができるため、摩耗したりすることがなく、耐久性を高めることができる。さらに、床面の状況によらず墨出しすることができるため、汎用性を高めることもできる。
【0072】
また、二流体ノズル17に圧縮空気を供給することで塗料を誘引して噴射しているため、二流体ノズル17の先端からの吐出量の制御を容易に行うことでき、微量な噴射も可能となる。
【0073】
また、CADで描かれている施工に必要な情報(配管ダクトのルート、サイズ、接続位置機器型番など)がすべてデータ化されて床面に描画されるため、施工図と現場との間での計測作業が不要になると共に、施工後の確認も容易となる。したがって、作業の効率化を図ることができる。
【0074】
なお、上記した実施の形態では、二軸移動機構16により二流体ノズル17が直交する二方向に移動可能となっているが、それ以外の方向に移動可能なように設けられていても良い。また、上記した実施の形態では、二流体ノズル17が廃棄・洗浄用ボックス22の方向に移動可能となっているが、二流体ノズル17の先端から噴射された流体が描画対象面に到達可能な描画位置と廃棄・洗浄用ボックス22に受け止められる非描画位置との間において、二流体ノズル17と廃棄・洗浄用ボックス22の少なくともいずれか一方が移動可能なように設けられていても良い。
【0075】
また、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係る自動描画装置における好適な実施の形態を説明しているため、数量や形状、材質などにおいて技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
【解決手段】本発明は、描画対象面上を移動しながら該描画対象面に描画するための自動描画装置であって、水性塗料と圧縮空気の少なくとも二つの流体が供給される二流体ノズル17を備え、二流体ノズル17の先端から前記描画対象面に向けて供給される圧縮空気に誘引されて水性塗料が噴射されるように構成されていることを特徴とする。