特許第6561180号(P6561180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6561180血管造影及びかん流の定量化並びに解析手法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561180
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】血管造影及びかん流の定量化並びに解析手法
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20190805BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   A61B10/00 E
   A61B5/026 120
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-129970(P2018-129970)
(22)【出願日】2018年7月9日
(62)【分割の表示】特願2016-203798(P2016-203798)の分割
【原出願日】2013年6月20日
(65)【公開番号】特開2018-183619(P2018-183619A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年8月6日
(31)【優先権主張番号】61/662,885
(32)【優先日】2012年6月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507278214
【氏名又は名称】ノバダック テクノロジーズ ユーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】フォーガンソン, ブルース, ティー., ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チェン
【審査官】 門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−509768(JP,A)
【文献】 特開2006−192280(JP,A)
【文献】 特表2011−519589(JP,A)
【文献】 特表2009−519082(JP,A)
【文献】 特表2003−510121(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0069759(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0183621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
A61B 5/026
A61B 5/00
G01N 21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的な治療介入の前後の組織の血流を可視化するための医療機器の作動方法であって、
受信手段において、前記外科的な治療介入の前に前記組織の複数の蛍光画像を含む第1画像データシーケンスであって、前記組織を通過する血流の、少なくとも1つの全相の血管造影サイクルを網羅する該第1画像データシーケンスをICG−NIR−FAから受信する工程と、
導出手段において、前記第1画像データシーケンスから第1平均強度対時間曲線を導出する工程と、
前記受信手段において、前記外科的な治療介入の後に前記組織の複数の蛍光画像を含む第2画像データシーケンスであって、前記組織を通過する血流の、少なくとも1つの全相の血管造影サイクルを網羅する該第2画像データシーケンスをICG−NIR−FAから受信する工程と、
前記導出手段において、前記第2画像データシーケンスから第2平均強度対時間曲線を導出する工程と、
同期化手段において、前記第1画像データシーケンスの全相の血管造影サイクルの少なくとも一部を、前記第2画像データシーケンスの全相の血管造影サイクルの対応する一部とを合わせるために、ピーク蛍光強度に基づき、前記第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化する工程と、
表示手段において、前記同期化した平均強度対時間曲線をディスプレイにリアルタイムで表示する工程と、
判定手段において、前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定する工程と
を含むことを特徴とする作動方法。
【請求項2】
前記血管は、冠動脈バイパスグラフトであることを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項3】
前記組織は、血行再生中の心筋、再生中の乳房組織、及び吻合中の腸組織を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項4】
血流の前記全相の血管造影サイクルは、動脈相、微小血管相、及び静脈相を含むことを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項5】
前記第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化する工程は、前記同期化手段において、該第1及び第2平均強度対時間曲線間で、前記動脈相、微小血管相、及び静脈相の少なくとも1つを相関する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の作動方法。
【請求項6】
前記第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化する工程は、前記同期化手段において、整列した各時間位置での相関係数を計算し、最大の相関係数に基づいて、前記第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化することを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項7】
前記組織は、血管であることを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項8】
前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定する工程は、前記判定手段において、
前記同期化した第1及び第2画像データシーケンス間の相対的な蛍光強度を比較する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項9】
前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定する工程は、前記判定手段において、
前記同期化した第1及び第2画像データシーケンス上におけるベースラインの蛍光強度の差異の変化を評価する工程と、
ベースラインの蛍光強度の前記変化に基づき、前記同期化した第1及び第2画像データシーケンスを調整する工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項10】
前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定する工程は、前記判定手段において、
閾値を超える平均蛍光強度に基づいて前記かん流を評価する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項11】
前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定する工程は、さらに、前記判定手段において、
前記閾値を超える蛍光強度を有する画素数を評価する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の作動方法。
【請求項12】
外科的な治療介入の前後の組織の血流を可視化するためのシステムであって、
前記外科的な治療介入の前に前記組織の複数の蛍光画像を含む第1画像データシーケンスであって、前記組織を通過する血流の、少なくとも1つの全相の血管造影サイクルを網羅する該第1画像データシーケンスをICG−NIR−FAから受信し、
前記第1画像データシーケンスから第1平均強度対時間曲線を導出し、
前記外科的な治療介入の後に前記組織の複数の蛍光画像を含む第2画像データシーケンスであって、前記組織を通過する血流の、少なくとも1つの全相の血管造影サイクルを網羅する該第2画像データシーケンスをICG−NIR−FAから受信し、
前記第2画像データシーケンスから第2平均強度対時間曲線を導出し、
前記第1画像データシーケンスの全相の血管造影サイクルの少なくとも一部を、前記第2画像データシーケンスの全相の血管造影サイクルの対応する一部とを合わせるために、ピーク蛍光強度に基づき、前記第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化する、
プロセッサと、
前記同期化した平均強度対時間曲線をリアルタイムで表示するディスプレイと、
を備え、
前記プロセッサは、前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定することを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記全相の血管造影サイクルは、動脈相、微小血管相、及び静脈相を含み、
前記プロセッサは、前記第1及び第2平均強度対時間曲線間で、前記動脈相、微小血管相、及び静脈相の少なくとも1つを相関することによって、該第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、整列した各時間位置での相関係数を計算し、最大の相関係数に基づいて、前記第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化することによって、前記第1及び第2平均強度対時間曲線を同期化することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記組織は、血管であり、
前記プロセッサは、
前記同期化した第1及び第2平均強度対時間曲線間の相対的な蛍光強度を比較することによって、前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、
閾値を超える平均蛍光強度に基づいて、かん流を少なくとも部分的に評価することによって、前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記閾値を超える蛍光強度を有する画素数を少なくとも部分的に評価することによって、前記同期化した平均強度対時間曲線に基づき前記組織内のかん流量の変化をリアルタイムで判定することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管造影及びかん流の定量化並びに解析手法に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
組織内かん流の変化は、医療のあらゆる場面で非常に重要な帰結を有する。かん流が組織の活動を維持するために十分でない場合や、組織への流れを遮断する急性事象の後に組織へのかん流が回復する場合、病変血管によって供給される組織内へのかん流を増加すべく、バイパス手術などの追加的な血流源が生成された場合を明らかにしうるものである。
【0003】
組織内かん流の変化には、血行再生及び脈管切除の2つの一般的な分類がある。
【0004】
血行再生は、組織内への血流が増加又は回復するように、薬理的な治療、カテーテルによる治療、又は、外科的な治療の何れかによる医療介入が行われた場合に発生する。成功した血行再生の生理結果は、血管造影法による血管開通だけでなく、当該血管内の流れによって供給される組織における組織内かん流の明らかな増大として現れる。双方の状況において、血管造影法による開通(血管又は移植片)は、成功を知る上で、従来からの1つのマーカーである。最近の論文での新たな考察によれば、移植された血管によって供給される組織へのかん流の増大の指標となる、血行再生の機能的又は生理学的な成功が挙げられている。
【0005】
脈管切除は、人工的に又は疾患経過を通じて、十分な血流や、組織の生存を危うくするかん流が組織内で奪われた場合に発生する。これは、再構成組織片が生成された場合、腸腫瘍が取り除かれた場合や吻合が行われた場合などの、外科手術の広範囲において発生しうる。このような場合、組織内への全ての部分へのかん流における通常の閾値のメンテナンスは、全体的な臨床診断の成功や困難な事態の回避にとって重要なものである。
【0006】
当該原理を説明する血行再生の一例としては、冠動脈バイパス移植(CABG)の施術がある。ここで、血管の狭まった狭窄領域がバイパスされた場合には、バイパスした組織片と元々ある血管とを伝わって流れる組合せの結果として、組織内へのかん流の増大がもたらされる。
【0007】
当該原理を説明する脈管切除の一例としては、がんにより乳房の全て又は一部を切除した場合における、乳腺切除後の乳房再生がある。残った皮膚とその下の組織は、新たな乳房を作成するために引き伸ばされる(広げられる)必要があり、それらの皮膚や組織の端部は、当該処置で脈管切除され、結果として、傷つき、瘢痕組織を形成する。
【0008】
それらの双方の例において、手術中に直接かん流を評価する能力は、意思決定のための新たな、かつ、重要な情報を生成する機会を与える。例示は、1)極めて典型的な方法でのCABGによる血行再生の生理結果と、単独での血管造影グラフトの開存性へ追加した生理結果との測定と、2)当該外科手術での困難な事態の発生を低下させる、組織領域における脈管切除の回避に繋がる測定とを含む。
【0009】
したがって、血管造影、かん流、及び、インドシアニン・グリーン(ICG)の近赤外線(NIR)蛍光血管造影技術(ICG−NIR−FA)によって画像化された組織内のリアルタイムでの血管造影やかん流の変化を、手術中に視覚化、表示、解析、定量化する解析プラットフォームが必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、画像技術の複数の臨床適用(Clinical Application)にわたって、単純な及び複雑な血管造影やかん流、並びにそれらの組み合わせを表現するICG−NIR−FAからの固有の解析データの導出について説明する。
【0011】
全ての実施形態において、用語「全相血管造影(FPA:Full Phase Angiography)」を3つの相、1)動脈相と、2)微小血管相と、及び3)静脈相とを含むものとして定義する。より具体的には、1)動脈相は動脈造影の流入相であり、2)微小血管相は相1、3の間の組織内かん流相であり、3)静脈相は静脈への流出相である。
【0012】
いくつかの実施形態において、全相血管造影は、適切に捕捉されれば、任意のICG−NIR−FA動画から取り出される。ここで適切に捕捉された動画とは、時刻、用量及び画像パラメータに関して標準化されたプロトコルに従って捕捉されたものである。
【0013】
他の実施形態において、今までに臨床的に研究されたICG−NIR−FAの基本的な全ての利用(アプリケーション)において、それらの3つの相が、捕捉され、解明されうることを判定し、血管造影で組織内かん流を評価する技術の全てのアプリケーションに提示されるべきである。NIR−FAシステムによって生成されるリアルタイム動画の特性は、長さや画像捕捉特性に関して、臨床適用によって変わるものであるが、全ての適用領域におけるそれら3つの相に対するデータが各画像ビデオに含まれる。重要なことに、当該利用で正確に後続の解析プラットフォームのために3つ全ての相からデータを捕捉するために、画像捕捉特性が最適化される必要がある。つまり、特定の画像捕捉特性は、後続の解析に繋がるものである。当該手法は、かん流及び開存性に関して、外科医に主観的に判断させる必要性を実質的に低減する。
【0014】
さらに他の実施形態において、蛍光血管造影における全相血管造影特性の我々の発見を用いて、それらの発見と以下で説明する他の実施形態を用いて、合成した血管造影とかん流解析のためのコア解析プラットフォームが提供される。コア解析プラットフォームは、外科専門の範囲における、かん流についての全ての評価の根拠となる。
【0015】
さらに他の実施形態において、コアプラットフォームは、これまで研究された臨床適用領域にわたって利用可能に拡張され、かつ拡張することができ、血管造影及びかん流が手術中の経験的な意思決定に重要となる新たな臨床適用領域に拡張すべく設計される。臨床適用領域の一例としては、本発明を限定する意図はないが、形成外科手術、傷の手当、血管手術、及びGl手術がある。
【0016】
さらに他の実施形態において、当該コア解析プラットフォーム及びその臨床適用領域−特定コンポーネント二次的利用は以下の原理に基づくものである。
【0017】
1)いくつかの実施形態において、動脈相を解析することによって、血管造影の流入が(従来の血管造影と同様に)評価されうる。しかしながら、従来の血管造影の検証とは異なり、実際の生理条件の下で、当該流入のリアルタイム特性がすばやく画像化され、評価され、診断される。解析種別の一例として、CABGの関連で競合フローの手術中のリアルタイムでの画像化がある。
【0018】
2)いくつかの実施形態において、動脈相及び微小血管相の両方を解析することによって、組織かん流が画像化され、評価され、定量化される。本例の例示としては、血管手術の四肢かん流の画像化がある。
【0019】
3)いくつかの実施形態において、静脈相を解析することによって、静脈性鬱血及び組織からの流出の問題が画像化され、評価され、定量化される。本例の例示としては、乳房再生手術の静脈性鬱血の可能性の評価がある。
【0020】
4)いくつかの実施形態において、適切な画像取得プロトコルで全3相を捕捉することによって、臨床適用の状況に適用される、血管造影及びかん流の合成の完全な表現がリアルタイムで取得され、解析されうる。解析の当該種別には、食道又はGl手術に関連して実行される可能性がある。
【0021】
5)いくつかの実施形態において、適切な画像取得プロトコルで全3相を捕捉することによって、血管造影及びかん流の合成の完全な表現が、血管造影とかん流の比較結果に影響する、血行及び他の条件の少なくとも1つにおける重要な生理変化に対して診断されうる。
【0022】
6)いくつかの実施形態において、当該NIR画像化技術がリアルタイムでの生理現象を捕捉でき、時間に従って変化するため、動的解析プラットフォームは、時間に従った変化を十分に表現し、生理現象を正確に反映する必要がある。静的で単一の”スナップショット”解析アプローチは、それらの生理変化を正確に表現することはできず、全相血管造影の解析によって捕捉される生理変化を表現することができない。
【0023】
さらに他の実施形態において、当該各臨床適用領域及び当該臨床適用領域における手術は、FPAから導出された相情報の所定の合成に依存し、この合成は、当該手術に対して相対的に特定されうる。しかしながら、全ての臨床適用領域及び手術は、動的解析アプローチにおける必要事項を強調する、少なくとも2つの相からの情報を最低でも必要とする。
【0024】
他の実施形態において、それらの臨床適用領域を超えて生体や生理が変化するため、コア解析プラットフォームは全ての適用にわたり利用可能な特性で開発され、さらに、当該コア解析プラットフォームは臨床適用領域のそれぞれで使用される特定の解析ツールキットを作成する。
【0025】
さらに他の実施形態において、当該蛍光技術が近赤外(NIR)スペクトルの情報を捕捉するため、標準的なディスプレイは白黒の255グレイスケールである。解析プラットフォームの開発では、全相血管造影の要素に基づく、新たなカラー手法は、同一のNIR画像に基づいて、動脈相、微小血管相(かん流)及び静脈相を区別して強調表示するように開発されている。基本生理現象の正確な表現が白黒画像表示よりも必要である。
【0026】
さらに他の実施形態において、いくつかの臨床適用領域においては同一の手術の場で複数の生体領域へのかん流を診断する必要があるため、個々の解析のそれぞれに埋め込まれたメタデータの捕捉と、2−D及び3−D表現へのそれらのデータの合成とは、重要な要素であり、解析プラットフォームの特性である。それらの順の表現は、動的表示として提示されることが最適である。単に例示の方法で、心臓手術の例では、NIR蛍光画像化は、複数の冠動脈グラフトで実行され、複数のグラフトの全てと、心筋のかん流の結果的な変化とを図示する心臓の動的3D画像を生成するとともに当該データが収集される。
【0027】
いくつかの実施形態について説明する本発明の態様が、特に明示的に説明する場合を除き、異なる実施形態に取り込まれうることに注意されたい。つまり、全ての実施形態及び任意の実施形態の特徴の少なくとも1つは、任意の方法及び合成手法の少なくとも一方で合成されうる。本発明の目的及び態様、その他の目的及びその他の態様が以下の明細書で詳細に説明される。本発明の他の特徴、利点、及び詳細が、以下の実施形態及び図面を参照することによって、当業者には理解されるであろうし、以下の説明は単に本発明の例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書は、少なくとも1つの図面を参照する。図面とともに本明細書の開示の複製は、要求及び必要な手数料の支払に応じて庁により提供される。
図1図1は、本発明の種々の実施形態に係る、画像データ取得プロトコル(IDAP)と画像データシーケンス(IDS)とが全相血管造影(FPA)にどのように関連付けられるかを示すフローチャートである。
図2図2は、本発明の種々の実施形態に係る、ICG蛍光画像化した心臓利用の全相血管造影(FPA)を示す図である。
図3図3は、本発明の種々の実施形態に係る、Gl手術利用での全相血管造影(FPA)を示す図である。
図4図4は、本発明の種々の実施形態に係る、食道手術利用での全相血管造影(FPA)を示す図である。
図5図5は、本発明の種々の実施形態に係る、乳房再生手術での全相血管造影(FPA)を示す図である。
図6図6は、本発明の種々の実施形態に係る、平均強度対時間曲線を用いたFPAの定義を示し、3つの相(動脈、微小血管、静脈)を決定する必要なパラメータを示す理想のFPA曲線を示す図である。
図7図7は、本発明の種々の実施形態に係る、種々のCAAが、同様に合成された血管造影及びかん流解析(CAPA)コアプラットフォームにどのように依存するかを示すブロック図である。
図8図8は、本発明の種々の実施形態に係る、CAPAコアプラットフォームの一部である合成された解析コンポーネント(基準補正、同期精度チェック、血管造影特性評価、及び動的かん流比較)を示す図である。
図9図9は、本発明の種々の実施形態に係る、心臓利用における、上行大動脈に接続するバイパス移植片内の気泡を識別する”大動脈基部ショット”を示す図である。
図10図10は、本発明の種々の実施形態に係る、冠動脈バイパス移植片画像プロトコル(CBGIP)を示す図である。
図11図11は、本発明の種々の実施形態に係る、これまでに識別されたCAAの変化に適用した、CAW(臨床適用ウィンドウ)及びCAWT(CAWターゲット)を説明する図である。
図12図12は、本発明の種々の実施形態に係る、飽和補正の方法を示す図である。
図13A】、
図13B図13は、本発明の種々の実施形態に係る、静的対動的解析アプローチを示す図である。
図14図14は、本発明の種々の実施形態に係る、腸の一部の手術前後に適用した、かん流の比較画像を形成する方法を示す図である。
図15図15は、本発明の種々の実施形態に係る、ピーク蛍光強度に従った同期方法を示す図である。
図16図16は、本発明の種々の実施形態に係る、蛍光基準補正の方法を示す図である。
図17図17は、本発明の種々の実施形態に係る、合成した血管造影解析、即ち、1つのタイプの競合フローを示す図である。
図18A】、
図18B図18は、本発明の種々の実施形態に係る、合成した血管造影解析、即ち、他のタイプの追加(二次的な)フローを示す図である。
図19図19は、本発明の種々の実施形態に係る、NIR B&Wでのかん流視覚化(左図)、標準RGB(中図)、及び、CAPAコア解析プラットフォームの一部として使用されるかん流視覚化手法(右図)を比較する図である。
図20図20は、本発明の種々の実施形態に係る、心臓利用で使用される概要表示を示す図である。
図21A図21A乃至図21Dは、本発明の種々の実施形態に係る、CAPAコアプラットフォームレポートのフォーマットを示す図である。図21Aは、本発明の種々の実施形態に係る、標準カラーディスプレイにおける同期したIDSの概要表示を示す図である。
図21B図21Bは、本発明の種々の実施形態に係る、全ての解析結果を示す図である。
図21C図21Cは、本発明の種々の実施形態に係る、データ及び解析における品質レポートを示す図である。
図21D図21Dは、本発明の種々の実施形態に係る、図21Bに示す、異なるかん流の比較結果の一例を示す図である。
図22図22は、本発明の種々の実施形態に係る、CAPA解析及び表示の累積的かつ追加的な提示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の最良の実施形態である種々の実施形態についてより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定するように解釈されるべきでない。
【0030】
特定の実施形態のみを説明する目的で使用される用語については、本発明を限定する意図はない。以下で使用するように、単数形式の”a”、”an”及び”the”は、特に言及している場合を除き、複数形式を同様に含むものである。さらに、本明細書で使用される用語”含む”及び”含んでいる”の少なくとも一方は、言及した”機能”、”整数”、”ステップ”、”動作”、”要素”、及び”コンポーネント”の少なくとも1つの存在を特定することが理解されるであろうが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及びそれらのグループの少なくとも1つの存在や追加を除外するものではない。本明細書で使用するように、用語”及び/又は”は、関連して挙げられた項目の1つ以上の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含むものである。本明細書で使用するように、”XとYとの間”などのフレーズは、”ほぼXとほぼYの間”であることを意味する。本明細書で使用されるように、”XからYまで”などのフレーズは、”ほぼXからほぼYまで”であることを意味する。
【0031】
特に定義されていない場合は、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的な用語を含む)は、本発明の分野に属する当業者によって通常理解されるものと同様の意味を有するものである。さらに、一般的な辞書で定義されるような用語は、本明細書や関連技術で使用される意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、ここで明確に定義されない限り、理想的な感覚又は過度に正式な感覚で解釈されるべきではない。周知的な機能又は構成は、簡潔にかつ明瞭にするため、説明を省略する。
【0032】
要素が、他の要素”上”、他の要素へ”取り付けられる”、他の要素へ”接続される”、他の要素と”結合される”、他の要素に”接触する”など、と記載される場合、直接的に他の要素と、”上”、”取り付けられる”、”接続される”、”結合される”、”接触する”ことを意味するか、又は、中間的な要素が介在することをも意味する。一方、要素が、他の要素”直接上”、他の要素へ”直接取り付けられる”、他の要素へ”直接接続される”、他の要素と”直接結合される”、又は、他の要素に”直接接触する”と記載される場合、中間的な要素は介在しない。当業者は、他の機能に隣接して配置された構造又は機能が、隣接する機能の上に覆った又は下に入り込んだ部分が存在しうることを理解するであろう。
【0033】
用語”第1”、”第2”などが、異なるいくつかの要素、コンポーネント、領域、レイヤ及びセクションの少なくとも一方や、同等のいくつかの要素、コンポーネント、領域、レイヤ及びセクションの少なくとも一方を説明するために本明細書で使用されうるが、それらの用語に限定して解釈されるべきでないことが理解されるであろう。それらの用語は、他の要素、コンポーネント、領域、レイヤ又はセクションからある要素、コンポーネント、領域、レイヤ、又はセクションを区別するためだけに使用されるものである。したがって、以下で説明する第1の要素、コンポーネント、領域、レイヤ又はセクションは、本発明の開示の範囲から逸脱することなしに、第2の要素、コンポーネント、領域、レイヤ又はセクションと称することもできる。動作(又はステップ)のシーケンスは、特に言及する場合を除き、特許請求の範囲又は図面で提示した順序に限定されるものではない。
【0034】
当業者によって理解されるように、本発明の実施形態は、方法、システム、データ処理装置、又はコンピュータプログラム(製品)として具現化されうる。従って、本発明は、ソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施の形態もとりうる。さらに、本発明は、媒体に具現化されたコンピュータで利用可能なプログラムコードを含むコンピュータで利用可能な一時的でない記憶媒体としてのコンピュータプログラム(製品)の形態もとりうる。任意の適切なコンピュータで読取可能な媒体は、ハードディスク、CD ROM、光学記憶装置、又は他の電子的な記憶装置を含みうる。
【0035】
本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Matlab、Mathematica、Java(登録商標)、Smalltalk、C、又はC++などのオブジェクト指向型のプログラミング言語で書かれてもよい。しかしながら、本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードはまた、”C”プログラミング言語などの従来手続きのプログラミング環境、又は、Visual Basicなどの視覚指向であるプログラミング環境で書かれてもよい。
【0036】
所定のプログラムコードは、1以上のユーザコンピュータで完全に実行されるか、ユーザコンピュータで部分的に実行されるか、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザコンピュータで部分的に実行されるか、又は、リモードコンピュータで、部分的に若しくは完全に実行されてもよい。後者において、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域エリアネットワーク(WAN)を通じてユーザコンピュータに接続され、或いは、当該接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いたインターネットを通じて)へ行われてもよい。
【0037】
本発明は、本発明に実施形態に係る方法、装置、システム、コンピュータプログラム(製品)及びデータ、並びにシステムアーキテクチャ構成の、フローチャート及びブロック図の少なくとも一方、を参照して以下で説明される。図示した各ブロック及びブロックの結合はコンピュータプログラム命令によって実現されうることが理解されるであろう。それらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特定用途のコンピュータ、又はマシンを生成する他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され、当該命令は、当該コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行され、1以上のブロックで特定される機能/動作を実行するための手段を生成する。
【0038】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置を特有の方法で機能させるように、コンピュータで読取可能なメモリ又は記憶装置に格納されてもよく、これにより、コンピュータで読取可能なメモリ又は記憶装置に格納された命令は、1以上のブロックで特定される機能/動作を実行する命令手段を含む製品を生産する。
【0039】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータで実行される処理を生成するために、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置上で一連の動作ステップを実行させるべく、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされてもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置で実行する命令は、1以上のブロックで特定される機能/動作を実行するためのステップを生成する。
【0040】
図1は、FPAと既存のICG−NIR−FA技術との関係を示す。IDAP及びIDSがFPAに関連付けられることに加えて、図1は、動脈相、微小血管相(かん流)及び静脈相のFPA相コンポーネントを示す。既知の臨床適用領域(CAA:Clinical Application Area)の各々は、血管造影及びかん流の両方を評価するFPAの動的解析の必要性を示す、それらの相の少なくとも2つを必要とする。さらに、FPAの特徴は、解析用に捕捉されたIDSビデオループに対する”フィルタ”としてCAAが動作することに対して特異的なことである。
【0041】
IDSは、画像化技術の臨床適用に応じた、可変期間のDICOM又はAVIビデオループとして生成される。本発明は、血管造影及びかん流の少なくとも一方の評価が重要となる、画像化技術のICG−NIR−FA臨床適用及び非臨床の研究利用で生成されるIDSに適用可能である。
【0042】
図2は、心臓病患者を例とした、34秒の蛍光血管造影画像データシーケンス(IDS)ビデオループの平均強度対時間曲線(1つのFPAサイクル)の実例を示す。これらのデータは、合成された血管造影及びかん流解析(CAPA)コア解析プラットフォームにとって重要なものである。ビデオループの計1020フレームにおける5つの個別のフレームが複数の相(1=基準(ベースライン)、2=動脈相、3=微小血管相、4=静脈相、5=残留蛍光色素)を示すように図示されている。連続26心臓サイクルからのECG(緑トレース)及びBP(赤トレース)が図示されている。
【0043】
図3は、Gl手術の例示におけるFPAを示す。ここで、3つのFPA相が示され、パネルA−Dは基準バックグラウンド蛍光を示し、パネルE−Gは動脈相を示し、パネルHは微小血管相を示し、パネルI−Lは静脈相を示す。それらのデータは、合成された血管造影及びかん流解析(CAPA)コア解析プラットフォームにとって重要なものである。図示するものは、近赤外255グレイスケール白黒での概要表示形式における、手術の時に画像化される大腸の断片である。当該臨床適用ウィンドウ(CAW)における平均蛍光強度のピークはパネルHである。なお、この場合のIDSは45秒である。
【0044】
図4は、食道手術に適用した際のFPAを示す。図3と同様に、図4では、当該CAWにおける平均蛍光強度のピークはパネルHである。これらのデータは、合成された血管造影及びかん流解析(CAPA)コア解析プラットフォームにとって重要なものである。これらの概略表示は、強調表示されたかん流に設計されるカラー手法を用いるIDSからの画像データは、カラー手法での表示の提示であるかにかかわらず、同一である。なお、この場合のIDSは16秒である。
【0045】
図5は、形成外科での乳房再生に適用した際のFPAを示す。図4と同様に、図5では、概略表示は、強調表示されたかん流に設計されるカラー手法を用い、同様に当該CAWにおける平均蛍光強度のピークはパネルHである。これらのデータは、合成された血管造影及びかん流解析(CAPA)コア解析プラットフォームにとって重要なものである。なお、図2乃至図4と比較して、FPAの静脈相が、乳房再生の静脈性鬱血を示唆するように、低下していない。なお、この場合のIDSは35秒である。
【0046】
一般的なFPAのモデル、及び特定のCAAへのその利用における変更について以下に記載する。時間曲線上の平均強度を用いるFPAの定義の詳細を図6に示す。
【0047】
ここで、B1は動脈相前の平均基準強度を示し、Pはピーク強度を示し、B2は静脈後の平均基準強度を示す。動脈相の開始時刻は平均強度が最初に増加する、
B1+(P−B1)×k1・・・数式1
で定義され、動脈相の終了時刻は平均強度が最初に増加する、
B1+(P−B2)×k2・・・数式2
で定義される。ここで、k1は動脈相の開始を定義する割合(例えば、5%)を示し、k2は動脈相の終了を定義する割合(例えば、95%)を示す。
【0048】
静脈相の開始時刻は平均強度が最初に低下する、
B2+(P−B2)×k3・・・数式3
で定義され、静脈相の終了時刻は平均強度が最初に低下する、
B2+(P−B2)×k4・・・数式4
で定義される。ここで、k3は静脈相の開始を定義する割合(例えば、95%)を示し、k4は静脈相の終了を定義する割合(例えば、5%)を示す。
【0049】
微小血管相は、ピーク付近の
B1+(P−B1)×k2・・・数式5と、
B2+(P−B2)×k3・・・数式6と
の間の平均強度の範囲で定義される。
【0050】
当該割合は、種々のCAAにわたって少しずつ異なるであろう。臨床データの収集及び解析はそれらの割合を有効にし、FPA”フィルタ”の各CAAでの適用に際してそれらの割合の値の特異度を増加させるために使用される。
【0051】
図7は、コアプラットフォームと、FPA、CAW/CAWT、同期化、並びに解析及び結果報告を含む全てのそのコンポーネント部分とを示す。図7において、左側では、逐次IDSが取得され、同一のFPA強度対時間曲線を通じて”フィルタにかけられ”、同期化され、同一の臨床適用ウィンドウ(CAW)に従って整合される。当該処理は、かん流変化を定量化するために、2つのIDS間の前後の比較を許容する。右側では、種々のCAAでの単一のIDSがFPAで”フィルタにかけられ”、同期後に同一のCAW内で、2つの異なるターゲット(CAWTs)が(通常は異なる領域)同一のコアプラットフォームを用いて比較されうる。CAPAプラットフォーム解析からの出力結果は、その後適切なCAA用に特異的にフォーマットされる。
【0052】
図7は、FPAが特定のCAAでIDSデータに対してどのように”フィルタ”として動作するかを示す。同一のCAAでは、血管造影及びかん流の比較は、例えば、冠動脈バイパス移植の前後のように、2つ(以上)の逐次IDSを比較することによって行われる(図の左側)。それらの2つのIDSは同一の画像データ取得プロトコル(IDAP)を用いて取得され、同一のCAA特有のFPAで”フィルタにかけられる”ことが重要である。さらに、両方の臨床適用ウィンドウ(CAW)が同一であることが必要であり、つまり、カメラウィンドウと、カメラの位置(CAW)とが2つのIDS間で一致していることが必要である。これは、詳細かつ特定のIDAPの必要性を示し、したがって、当該CAWは、IDAPが異なるCAW情報で2つのIDSを生成した場合には正確性を担保することができない。より重要なことは、次のステップで、コアCAPA解析が確実に実行されず、当該CAWがIDS+FPA両方のデータセットに同等に適用できなければ、定量化解析の比較を実行できないということである。
【0053】
図7はまた、右側に、比較対象の血管造影及びかん流情報が単一のIDSから導出された(Gl CAAなどの)異なるCAAを示す。この場合、CAAの特定FPAにおける”フィルタ”情報は、2つ以上の臨床適用ウィンドウターゲットに適用され、当該ターゲットはCAWの特定のエリア又は領域でありえ(図11参照)、FPAによって手動で又は自動的に選択されえ、その後プラットフォームで解析される。
【0054】
重要なことは、IDS同期化ステップが、解析に不十分なデータの比較を避けるために、CAW/CAWTステップの前に発生することである。
【0055】
解析の結果は、手術室でより良い意志決定を行わせ、困難な事態を低減する新たなリアルタイム情報により外科医を支援するために、特定のCAAに最も適用可能な形式で報告される。
【0056】
図8は、当該解析プラットフォームの固有の特性を示す。それらは、1)基準(ベースライン)補正アルゴリズム、2)同期化検証、3)飽和補正、4)(複数の)CAW/CAWTコンポーネントアプリケーション、5)血管造影解析(利用可能な)、及び6)(複数の)動的及び定量的かん流比較を含む。重要なことは、当該CAPAが静的とは対照的な動的な解析プラットフォームであり、FPA構造で捉えられるような基本生理機能を正確に反映するものである。さらに、以下の特性、1)同一構造における血管造影及びかん流の両方の動的解析、2)ICG蛍光システムで捕捉した修正していない画像データに基づく、リアルタイムでの手術中画像解析機能、3)解析結果を構成する組み込み型画像データ品質チェック及び評価処理、4)手術処理中に観察及び評価される基本生理機能を理解し可視化するために必要な、基礎的FPAの概念及び原理を反映する画像及び解析結果表示、及び5)動画などの形式で解析結果の視覚ベースでの資料を迅速に表示する、解析データリアルタイム2−D及び3−D表示を含む。さらに、CAPA解析及び表示は、新たな技術的に高度な情報資料として医療関係で使用されうる。これは、動的に視覚化した手術中の血行再生状態及び脈管切除状態の少なくとも一方が表示されるものであり、医療関係の専門家の間、両親や家族と共有する情報を含む。さらに、当該CAPAの基礎構造は、解析情報を含むメタデータの縦断的解析の機会を作成する。
【0057】
図8において、それらの合成された解析コンポーネント(基準(ベースライン)補正、同期化精度チェック、血管造影特性評価、及び動的かん流比較)のいくつかが全てのCAAにわたって使用され、他のコンポーネントは、画像化された基本生理機能のために他のCAAに対して特別に強調される。データの取得に続いて生成される解析結果のない位置に外科医を置かないように、IDS品質チェックが次の解析に用いられていたが、IDAPが確実に実行され、さらに他の生理条件を満足していたことを保証する、データ品質チェックをIDSが満たさない場合には、当該報告は、その後の画像品質の測定が満足に行えないことを示すエラー警告をさらに含むであろう。
【0058】
蛍光血管造影では、ICG赤外吸収帯及び発光スペクトルに基づく蛍光強度の捕捉とともに、血管及びかん流組織におけるICGのNIRレーザー励起を、低電力で行う。重要なことは、さらに、画像化とその解釈がいくつかの生理状況及び病態生理状況の少なくとも一方によって影響を受けることである。画像化データは、30fpsでの標準AVI及びDICOMの少なくとも一方のビデオループとして捕捉され、コア解析プラットフォームに直接取り込まれうる。それらの標準画像フォーマットは、技術的な観点から、解析プラットフォームに広く利用される。フレームレートは、画像解析の忠実度を制限するように、CAPAコアプラットフォームの開発で解説されている。この例が図21Aに示され、ディスプレイ上の画像の”動き(movement)”がIDSビデオの当該ポイントでカメラのフレームレートを超える心臓の動きに起因する。
【0059】
血液におけるICG染料の既知の作用は、心臓を最初に通過する際の蛍光強度がICGの濃度に比例し、つまり、注入した量に直接関連する。これは、当該分野での特定の臨床適用領域及び手続におけるICGの投与量/注入量の調整を可能にする。重要なことは、当該作用がまた、定量化した強度が0−255のスケールを超える、蛍光飽和の可能性を作り出すことである。これは、実際の蛍光強度が255よりどのくらい大きいかを定量化できない問題を生み、特に、他のICG−NIR−FA解析アプローチで問題である。上述したように、そのような問題が発生した場合にCAPA解析は飽和補正を行うことができる。
【0060】
生理食塩水洗浄の有無にかかわらず、ボーラス注入法でのICG染料の既知の作用は、画像品質を最適化するために、どのくらいの量のICGが投与されるべきかを詳細に特定することができる。この理解は、血管造影の解析が特有の関連性を有する複数のCAAで特別な重要性を有する。ICGボーラス投与は、中心的な心臓の血流を通過する際には比較的拡散されず、最終的に周辺組織の微小血管系に流れる。心臓から物理的に極端に離れた当該解剖場所でさえ、ICG−NIR−FA IDSシーケンスでは、FPA及びその相コンポーネントがすばやく特定されうる。本実施形態によれば、血管造影及びかん流を含む全てのICG−NIR−FA利用にわたって利用可能な独立した発明として、CPAコアプラットフォームを確立する機会を作り出すことができる。今後、既存のCAA又は新たなCAAに特定される追加の解析コンポーネントが、従属した発明として開発されうるであろう。
【0061】
血液や血流でのICG染料の既知の作用は、当該画像化技術及び解析において重要なものである。ICGは、血清内の循環するタンパク質に凝固し、動脈や静脈の血管の内表面にくっついた内皮タンパク質に凝固する。人体内でのICGの半減期は約3分であり、染料は肝臓によって代謝され、腎臓に老廃物として排出される。体循環の静脈側の表面領域は動脈側よりも非常に大きいため、残留蛍光を作り出す、静脈側での内皮結合がより多いものとなり、通常、注入後4−5分で”色あせて(washed out)”しまう。しかしながら、上述したように、本実施形態及びFPAの解析によれば、複雑な手術中の外科医によって、臨床的に適合され使用される画像化技術における時間フレームに合う生理的に正確な方法で、残留するバックグラウンド蛍光をどのように扱うかの理解を導いた。
【0062】
任意の画像化技術と同様に、画像データの取得は、複数の背景での複数の提供者において成果を上げた解析を維持することが鍵である。各臨床適用領域におけるそれらの画像取得パラメータの標準化は、適切に使用すべき発明の解析部にとって、かつ、臨床背景において正確に使用すべき成果にとって重要なものである。本発明に関して、上述したように、当該CAA及び外科手術において、血管造影及びかん流のCAPAプラットフォーム解析における主要な要素である、各CAAにおける画像取得処理がFPA情報の完全な捕捉を可能にすることが非常に重要である。
【0063】
全て埋め込みメタデータで、捕捉したビデオループとして、画像データシーケンス(IDS)という用語を定義した。当該IDSは、アプリケーションに依存して、可変の時間であってもよい。図7に示すように、IDSの使用及び管理は各CAAに対して特異的なものである。
【0064】
画像データ取得プロトコル(IDAP)という用語、特に、IDSの調整した捕捉である段階的な処理として定義した。これは、1)適用箇所(アプリケーション)及び手続に特有である機械設定や視野の位置取り、2)ICG蛍光機械上のデータ捕捉ソフトウェアの管理と連動して、ICG蛍光染料の投与量、投与ルート及び投与のタイミング、3)IDAPの最適化に必要な、任意の特定の技術的、臨床的又は血行力学的な管理プロセスを含む。
【0065】
さらに、特有のCAA及び外科手術アプリケーションでの動脈相、微小血管相及び静脈相の相対的な優位性に依存した、IDAPの特定のサブセットアプリケーションがある。それらのケースにおいて、IDAPは、必要なFPAスペクトルを取り込むデータ捕捉の時間フレームを保証するように設計され、実行される必要がある。例えば、動脈相に依存するCAAにおいて、安定基準のないデータ捕捉の開始は、比較解析を不可能なものにしてしまう。同様に、必要な静脈相情報を捕捉する前の、ビデオ捕捉の短縮、又は機械の移動、又は外科医のヘッドライトの当該フィールドへの写り込みは、解析問題を生む。特定のIDAPは、FPA、その原理、及びCAPAプラットフォームの本当の理解を反映しなければならない。
【0066】
所定のCAAにおいて、特定のIDAPは、血管造影及びかん流のいずれかに特化した画像化の目的に対して開発される。例えば、血行再生手続きの終わりに、縦隔の解剖位置の心臓での心臓適用において、グラフト管を伝って流れる、流れと主な流量を図示するために、かつ、上行大動脈に構成された吻合を評価するために、かつ、微小な技術的問題(気泡、他のグラフトに対して少ない流量)を特定するために、”大動脈のルート画像”が取得される(図9)。
【0067】
図9に示すように、当該気泡は、ICG−NIR−FAの画像化なしには認識することはできず、バイパスグラフトを伝って心臓へ伝わり、塞栓を起こして心臓障害を引き起こす前に吸引された。
【0068】
また、所定のCAAにおいて、連続した解析を可能にするフレームワークでのIDS捕捉を特に容易にする術中技術を開発している。例えば、心臓適用において、血管造影及びかん流解析に一貫して最も信頼できるアプローチが後述する冠動脈バイパスグラフト画像プロトコル(CBGIP)であることがわかった(図10)。図10には、CBGIPシーケンスは、a)グラフト吻合構築、b)ネイティブの血流が吻合によって遮断していないこと、吻合の開通性の指標としてバイパス管の逆流、及び他の技術的問題(気泡、心外膜冠動脈での切開組織片)を確認すべく、ネイティブの冠動脈流及びかん流を視覚的に評価するために、バイパス管に甘噛みでクランプを固定した(”dog on”)第1のIDS取得、c)バイパス管から甘噛みで固定したクランプを取り除いての第1のIDS画像の保存、d)冠動脈流とグラフト流の両方での第2のIDS取得から成る。当該方法で、後述のFPA由来の関連する重要情報の全ては、IDAPを忠実に実行することによって捕捉されうる。当該CAA特有のプロトコルは、1)管を伝って適切に流れる証拠の視覚的な評価、2)ネイティブの血管及びグラフト管の間の競合的な流れの存在、3)グラフト管からのICG血液の流出の勢い、4)任意の他の技術的問題(気泡、問題のある流出、吻合での染料の”ハングアップ(hang up)”)、及び5)後続のCAPAプラットフォーム解析を含む。
【0069】
図10は、本発明に係るFPA解析プラットフォームとCAPA解析プラットフォームとの間の重要な接続と、ICG−NIR−FA画像データを収集する手法とを示す。これらの2つの処理は、任意の画像化及び解析技術の場合における、解析及び表示結果の精度及び忠実性を最適化する臨床/実験提供者によって調整されなければならない。
【0070】
図1及び図7に示すように、CAPAプラットフォームは、今までに特定された全てのCAAにわたって拡張する。さらに、FPAの形態の原理がこれまで研究されたICG−NIR−FAの全てのアプリケーション(利用)に特定されているため、血管造影及びかん流が非常に重要な任意のICG−NIR−FA適用領域へ適用することが期待できる。ここでは、FPAの動的で柔軟な性質を本発明の種々の実施形態に反映される。
【0071】
FPA”フィルタ”の強度対時間曲線が臨床適用ウィンドウ(CAW)と、臨床適用ウィンドウターゲット(CAWT)と称する当該ウィンドウのサブセットとの少なくとも一方に適用される画像領域を定義した。
【0072】
図11は、これまでに特定された種々のCAAに適用されたCAW及びCAWTを示す。図11に示すように、CAWTは、自動(解析アルゴリズムによる心臓などで)又は手動で選択されうる。
【0073】
当該CAWは、画像化した臨床対象の領域であり、適用場所(アプリケーション)によって異なるが、図7に示すように、コアCAPAプラットフォームは、当該CAWからFPA”フィルタ”を通した解析パラメータをさらに定義するために、かつ、比較することによって基本生理現象を精度よく反映させるために、当該CAWからの情報を使用する。
【0074】
CAWTは、CAWの個々の画像画素、所定の選択物及び、特定の画素グループの少なくとも1つであり、或いは、臨床適用によって定義されるようなCAWの解剖サブセットでありうる。当該ターゲットは、手動で選択されることができ、或いは、コンピュータによる自動で選択されることができる。異なるCAWTと予測する動脈流とかん流の生理現象は、任意の時点において、強度対時間曲線の特性が異なったものとなる。
【0075】
FPA及びCAPAの特有の利点が生理現象を反映する動的解析であるため、これまでに研究された全てのCAAや解析プラットフォームにおける臨床での重要な発見事項は、画像化した組織に関与する主な血液の供給源が特定されうることである。これは、隣接部(血液供給減に近い部分)や末梢部(隣接部から最も離れた部分)を特定できることである。
【0076】
かん流解析は、画像シーケンスからの単一静脈相よりもむしろリアルタイムで動脈相及び微小血管相の全体を考慮しなければならない。上述したように、CAWTが、CAWの所定の選択物及び特定の画素のグループの少なくとも1つとして定義される場合、単一のICA注入中に、選択物/画素のグループが全相血管造影の動脈相、微小血管相、及び静脈相を画像化する。当該画素CAWT及びCAWの全体に関して、画像特性は、相ごとに非常に異なる。隣接するCAWTが異なる特性を有するため、それらの強度及び時間の差異は、CAWを通じて比較データ及び対照データを導出するために使用されうる。
【0077】
8ビットカメラの制限のために、任意のIDSの蛍光測定の強度は255に制限される。時には、生理状況又は病態生理状況に基づき、同一の投与量及びICG染料の濃度が理論的には、シーケンスの部分的なIDSの飽和状態(強度>255)を作り出す可能性もある。この飽和結果は、特に複数の投与の場合に認められ、かん流比較の精度を危うくするかもしれない。これを解決するために、本発明では、画像ヒストグラムと、255よりも小さい強度の画素の分散を評価することによって上記強度255を超えるおよそのそれらの分散と、からの飽和画素の”リアル(実)”強度を評価するアルゴリズムを作り出した。これらの位置は、飽和フレームの前の非飽和フレームを用いて評価することもできる。
【0078】
図12は、飽和補正の方法を示す。図12において、青色曲線は飽和中フレームのヒストグラムを示し、赤色曲線は飽和画素の強度分散を評価したものである。
【0079】
図13において、例えば、大腸IDSの左から右へ蛍光が進む様子を示す。同一のIDSとデータが両方のパネルに示される(強度対時間曲線)。当該CAWは大腸の断片であり、CAWTは長軸に沿った緑の線上のポイントのそれぞれである。青線は最も左の赤参照ポイントにおける強度対時間曲線であり、赤線は最も離れたライトグリーンボックスにおける強度対時間曲線である。静的な黒線(上側パネルで33秒、下側パネルで41秒)は、解析プロセスの動的な画像化において、それらの2つのポイントで撮影された”静的スナップショット”を表す。上側パネルでマークした33秒では、蛍光波面が腸の左部分に到達し(青色曲線>>赤色曲線)、腸の右側の強度が左側と比較してより小さくなっている。下側パネルでマークした42秒では、蛍光波面は、腸の左側を通過し、右側に到達し(赤色曲線>>青色曲線)、左側の蛍光強度が右側と比較して比較的小さいものとなっている。
【0080】
同一の画像化した大腸の断片は、当該ポイントを強調して解析される。腸断片は、左側CAWT参照ポイント(赤色ボックス)からより右側のCAWTポイントへかん流するためには12秒を要している。青色曲線は、左側CAWTにおける強度対時間曲線であり、赤色曲線は右側CAWTである。上側パネルで、静的参照ポイントが選択されると(46秒での黒線)、その後、赤色CAWTは青色CAWTよりも高くなり、当該ポイントにおける通常の割合の156%になっている。しかしながら、下側パネルで、32秒のポイントで参照ポイントが選択されると、統一の青色CAWT参照が両方の解析で使用されたにもかかわらず、通常とは完全に異なる結果が得られる。動的画像シーケンスの外観は、蛍光波面が最初にたどり着く組織の部分に従って、生理動脈造影及びかん流の特性に依存する。
【0081】
いくつかのパラメータによるそれらのCAWT曲線を同期化することによってのみ、組織の異なる部分のかん流が定量化され、動的方法によって有効に比較されうる。図14は、CAPAから出力される解析と同じ原理を示す。図14に示すように、左上は、Gl大腸評価へ適用されるような、平均強度対時間曲線を示し、左下パネル(青色円)のCAWCと、右側パネル(赤色円)のCAWCとの間に同期化前において11秒の遅延がある。この場合、右側パネルのCAWCの蛍光強度は、右側パネルの上部に緑色線で示すように、左側パネルのCAWCよりも50%小さい。これはまた、上部中間の相対的なかん流の棒データによって表示され、”グラフト後”の右側パネルの0.42は、左側(グラフト前)の値に対して通常値1と比較される。
【0082】
また、図14に示すように、一見して、左CAWTの1.0の通常値と比較して、右側(赤)CAWTへの”定量化したかん流”が0.42である、大腸断片のそれら2つのCAWT間での実質的な差異が表れている。この解析結果は同期化ステップを含んでいないため、それらの結果は無効である。本実施形態によるFPAの定義は、組織の異なる部分で、異なるタイミングで、かつ、血管造影及びかん流の動脈相、微小血管相、及び静脈相の合成において、必要に応じて、ICG染料蛍光ピークを同期させる仕組みを提供する。
【0083】
したがって、有効なかん流比較において、対応する相は、当該比較が同一のCAW内の異なるIDS間で行われるか、又は、同一のCAW内の単一のIDSから導出した異なるCAWT間で行われるかどうかの、共通のパラメータによって精度良く調整されるべきである(図7)。相の同期化は、FAP形態の複数の相の認識によってのみ可能である。重要なことは、FPA形態の認識及び組み込みもまた解析と同様に視覚表示を大いに改善するものであるということである。
【0084】
図15に同期化の方法を示す。図15は、適切なIDAPで取得した2つのIDSを同期化する、FPAサイクルの平均強度対時間曲線を用いた例を示す。青色曲線はグラフト前であり、一方赤色曲線はグラフト後を示す。同期化は、CAW又はCAWの各要素におけるピーク蛍光強度に基づくものである。上側パネルは同期化前の前(青)後(赤)の平均強度対時間曲線を示し、下側パネルは同期化後の前(青)後(赤)の平均強度対時間曲線を示す。
【0085】
曲線同期化の効果は、CAPAの解析及び表示コンポーネントの両方に影響を及ぼす。平均強度対時間曲線を用いて、各時間位置で相関係数が計算され、最大相関係数が最適同期化結果を生み出す。IDSの開始部及び終了部の少なくとも一方の余分な部分は、切り取られる。したがって、本発明の基本原理は、強度対時間曲線がFPAの相の同期化に基づくことである。
【0086】
当該静脈残留は、比較解析の任意の種別において残留蛍光を考慮に入れる必要性を生む。コア解析プラットフォームにおいて、図6及び開示により説明したように、基準を定義している。CAPAプラットフォームの運営手法による利点は、連続した注入が比較された場合、及び、複数の注入が手術中に使用された場合の少なくとも一方において、残留蛍光を考慮できることである。さらに、当該手法は、複雑な外科手術中にリアルタイムで画像データを収集する外科医によって重要な時間フレームで実行されるデータ捕捉と解析を可能にする。
【0087】
複数のICG−NIR−FAの染料の注入中において、染料の残留が蓄積し、殆どが細静脈にくっついたことによる、後天的に以前より明るく画像化する。
【0088】
前回の注入からどのように蛍光染料の残留が現在のIDSの強度に影響するかを調査するために、組織の任意の変更やカメラの位置の変更なしで、複数のシーケンス、ペアのIDSを実行した。それら2つのIDSが同一の生理及びCAW条件で記憶されるため、それらの平均強度対時間曲線を研究することによって、最適な基準運営戦略が開発された。
【0089】
図16において、上側パネルは前(青色)後(赤色)の蛍光IDSにおける平均強度対時間曲線を示す。下側パネルは、前後のIDSの平均強度対時間曲線間の基準差異を示す。
【0090】
重要なことは、図16から、2つのCAW/CAWT間の基準差異がIDS取得ウィンドウにわたり不変になっていないことである。FPA平均強度対時間曲線が増加し、ピーク強度に近づくと、基準差異は減少し続ける。それらの認識に基づき、IDS時間上の基準蛍光強度の差異の変化を推定するために数式7を用いる。
BD(x,y,t)=C(x,y)×√(AICpost(0))/√(AICpost(t))・・・数7
ここで、BDは画素座標x,yで時間t前後のIDS間の基準差異であり、C(x,y)はIDSの最初の数秒で推定された前後画像の定数背景差分であり、AICpost(t)は後の画像取得の平均強度曲線であり、√(AICpost(0))/√(AICpost(t))は時間に沿って基準差異を調整するために使用される。図16から、後の画像取得シーケンスから使用可能な信号の損失を引き起こす”過剰な減算”に定数が導く場合には、基準ラインの差異を扱うことが教示される。
【0091】
2つの重要な新規の実施形態の例示について以下で説明する。これには、1)生理条件の下、ネイティブ及びグラフトの血流源の間での動脈相競合流を認識して実証する機能と、2)かん流総指揮の隣接領域及び関連領域の少なくとも一方での二次的な微小血管相の流れを認識する機能とがある。
【0092】
図17では、流れを制限する狭窄を超える、ネイティブの心外膜冠動脈と、当該動脈への周知のバイパスグラフトとの間の競合流の視覚資料が提示される。FPA形態を用いる生理ベースの動的解析は、まず最初に、CACBでの競合と潜在的に重要な競合流の特定との資料化を行う。
【0093】
競合流は、微小血管相への拡張が検査されるものの、FPAの動脈相について、現在最も適切に理解されるものである。図17は、CABGにおいてリアルタイムで人間への競合流の資料化を示す。当図は、競合流の兆候である収縮前後期における、ネイティブの冠動脈と、周知のバイパスグラフトとの間の逆流を明確に示す。24秒間隔で区切られたIDSからのそれらのシーケンスフレームにおいて、グラフトからのICGなしで、血液によるネイティブの冠動脈でのICG+血液の流出があり、競合もまたICG+血液をバイパスグラフトの末梢端へ吻合を通って逆流させる。これは、血行再生の手術の場で、リアルタイムで利用可能とするために、新たなかつ非常に重要な情報である。
【0094】
図18に、バイパスグラフトの結果として側副血流の効果と、側副血流を供給する区域へのかん流の増加との、視覚資料及び定量化が提示される。上側パネル(図18A)は、連続したIDSであるグラフト前(左)とグラフト後(右)の2つの比較を示す。下側パネル(図18B)は、定量化表示(表示のフル例示の図21Aを参照)である。なお、このケースでは、前方壁と側方壁に位置するバイパスグラフトの結果として、心臓の下壁での2.5倍増であった。リアルタイムでの側副血流の資料化するそれらの画像を捕捉してその後解析するICG−NIR−FAを使用する能力は、FPAの形態に依存する。
【0095】
側副血流は、FPAの微小血管相について、現在もっとも適切に理解されるものである。再び、心臓適用を例示に用いると、一般的には、部分的に心臓は急性的でなく(慢性的に)側副ができるものであるため、血液の局所的な閉塞が心臓領域へ与えられる。図18は、CABGでリアルタイムで画像化された人間の側副流を示す。上側のパネル(図18A)は、2つの連続したIDSからの同一のCAWを示し、CAWは心臓の前方及び側方壁にバイパスグラフトを形成する前後において、心臓の下壁を画像化している。前方及び側方領壁へグラフトして、それらの各領域へのかん流が発生している状態において、左図は、(グラフトで一時的に閉塞した)下壁へのネイティブの冠動脈かん流を画像化しており、一方、右図は、各領域の下壁を画像化している。視覚的に、バイパスグラフトの結果として、蛍光の実質的な増加、つまり、それらの下壁へのかん流があり、このかん流の増加は、患者の心臓の前方及び側方壁から下領域への側副流に由来する。下側パネル(図18B)は、CAPAプラットフォームによるバイパスグラフト前後でのかん流の差異の解析結果と、定量化を示す。側副かん流の増加の結果として、下壁へのかん流の2.5倍の増加がある。これは血行再生の手術の場で、リアルタイムで利用可能とするために、新たなかつ非常に重要な情報である。
【0096】
CAPAかん流の定量化は、図7及び図8に示すように、比較に基づいた相対的な測定である。解析結果の感度を増大させるために、所定値を超える強度の画素のみが相対的なかん流を推定するために使用される。1つのIDSで平均強度対時間曲線のピークに位置する静止画が以下の数式8による閾値を判定するために使用される。
k=mean(Imax)+m×std(Imax)・・・数式8
ここで、Imaxは、1つのIDSの中で最大平均強度を有する静止画であり、meanは平均関数であり、stdは標準偏差関数、mは当該数式8を調整する0から1の範囲の定数である。閾値kは当該適用に依存して1つ以上のIDSに使用され、当該値を超える強度でのピクセルのみがかん流計算に使用される。
【0097】
IDSの動脈相は、組織へ通じる動脈によって運ばれる血液のプロセスとしてかん流を記憶する。それに応じて、当該プロセスは、平均強度対時間曲線の開始(基準部分)からピーク(最大)へ開始する。視覚的には、当該プロセスは、IDSの動脈相と、微小血管相の一部とを含む。”かん流の強さ”(上記閾値を超える平均強度に対応)だけでなく、かん流レベルの推定に含まれるべき”かん流の領域”(上記閾値を超える強度の画素の数に対応)についても想定している。数式9は、平均強度曲線の最大に到達するまでのIDSにおける全ての静止画像に適用される。
AIt)=Num(I(x,y,z)>k)×mean(I(x,y,z)>k)・・・数式9
ここで、AIは時間tでのかん流の強さと領域の組み合わせを示す数値である。I(x,y,z)はIDSのある時間位置の静止画像であり、Numは画素数を計算する関数であり、meanは平均関数である。
【0098】
そして、平均強度対時間曲線の開始(基準部分)からピーク(最大)におけるAI(t)の蓄積効果を以下の数式10によって推定する。
【0099】
【数10】
【0100】
ここで、Tはピーク(最大)での任意時間であり、AI(0)は基準からの残余である。心臓適用において、同一のCAW組織領域の連続したIDSにおいて当該領域強度値を算出する。これまで特定された他のCAAにおいて、1つのIDSで特定される1つのCAWに特定される2つ以上のCAWTにわたって相対的に当該領域強度値を計算する。なお、両方のケースにおける相対値であり、かん流の直接の推定を反映していない。心臓適用において、かん流変化を推定するために、数式11によって1つ前の領域強度値によってその後の領域強度値を正規化する。
AI=(AI(T)post)/(AI(T)pre)・・・数式11
これまでに特定された他のCAAにおいて、かん流変化を推定するために、以下の数式12によって、
AI=(AI(T)CAWT−current)/(AI(T)CAWT−ref)・・・数式12
参照CAWTによる現在CAWTを正規化する。
【0101】
FPA及びCAPAに固有の有利な条件は、画像と、画像解析表示とに拡張することである。スペクトルのNIR部分は、可視カラースペクトルから外れており、従って本質的に白黒、255レベルのグレイスケール画像である。これは、実際には全相画像化における動脈相を画像化するのには非常に十分なものではあるが、微小血管相及び静脈相の画像化にとっては最適化なものでないか、又は最適なものとなる。そこで、修正したRGBフォーマットを用いて、合成した(血管造影及びかん流)表示や微小血管(かん流)の画像表示及び解析における表示を最適化する種々のカラー手法を開発している。これは、順に、多くのCAAにおいて、同一のNIR画像データの表示の合成が、医師の意思決定にとって画像や解析の状況や内容を理解するためには最適であることを意味している。
【0102】
図19に示すように、NIRが血管造影に対してより最適化された様子が示され、RGBの提示は血管造影及びかん流にとってより最適なものであり、Bl−Y−R−G−B−W表示はかん流にとって最適なものである。上側パネルは大腸の断片を示す。下側パネルは、食道適用(図4と同様)における新たな食道を形成するために使用される胃の断片を示す。
【0103】
図19はまたそれら3つの表示の比較を示す。それらの表示の全てが同一の画像メタデータを描画していることを理解することは重要であり、NIRのB&Wが”生の”NIR提示であり、同一の画像データが、合成(血管造影及びかん流)や微小血管相(かん流)の提示及び表示に対して最適化された、異なる0−255スケールに従って単純にカラー化されている。具体的には、かん流表示の範囲は、0−255範囲で変動する蛍光強度の黒、黄、橙、赤、緑、青及び白である。比較対象として、NIRのグレイスケール及び他のRGBベースの範囲は、重要なかん流の変化ではないが僅かな変化を反映するのに十分な視覚的感度ではない低強度と高強度との間の非常に狭いものである。
【0104】
IDS+FPAデータを視覚化する固有の方法として概要表示についても設計した。図20において、2つのIDSの同期化後において、当該概要表示はグラフト前のかん流と、グラフト後のかん流とを比較している。各シーケンスのパネルHは、心臓に使用される画像データ取得プロトコル(血管造影及びかん流の両方に注目した)によって2つのCAWのピーク平均強度を反映し、心臓の前方かん流領域上の同一エリアを画像化している。この場合、内胸動脈が左前方下行冠動脈にグラフトされている(繋がれている)。なお、パネルH、グラフト前(上側のパネルH)と比較したグラフト後(下側のパネルH)における蛍光強度の明らかな増加が見られる。蛍光強度定量化した差異が心筋かん流の差異に正比例している。
【0105】
しかしながら、以前からはっきりしていたように、FPA及びCAPA構成の推定を視覚的に捕捉するために、2つのポイントが正確に比較される必要がある。しかしながら、図13及び図14(大腸)で示したように、当該比較を行うために時間に沿って使用することができない。したがって、当該概要表示は、直感的な視覚比較を正確に提供する上述した同一のIDS同期化を使用する。赤色ボックスのフレーム(ラベルH)は、微小血管相に対応する平均強度対時間曲線上のピーク強度を表示する。その前のフレーム(ラベルAからG)は、基準、及び動脈相であり、その後のフレームは静脈相及び蛍光染料の残留であり、前後両方向への各フレームはピークから1.5秒刻みで区分される。この表示は、生理的に構造化されており、視覚的な比較をCAPAプラットフォーム解析に伴って確実に行わせる同期化技術が可能となる。これと同じ原理が解析表示で使用される。
【0106】
図21A乃至図21Dは、心臓CAAに適用した際の表示形式を示す。解析の提示には4つのコンポーネントがある。まず最初の図21Aは、上述した画用表示である。図21Bは、定量化結果表示である。
【0107】
図21Aでは、標準カラー表示での同期化IDSの概要表示(血管造影及びかん流の両方)である。上側に前画像を示し、下側に後画像を示す(詳細は同期化の説明を参照)。パネルHの蛍光強度を上側と下側のパネルで比較する。心臓の前壁のグラフトされた血管によって供給されるかん流領域へのグラフト前の蛍光強度よりも、グラフト後の蛍光強度の方が強いことが視覚的にわかる。
【0108】
図21Bは、全ての解析結果を含む。左上は、ピークを示す時間ラインで平均強度対時間曲線を同期化したものを表示する。左右下側のパネルは、左上部の時間ラベルにおける曲線のピークでの前後画像をカラー化したものに対応する。なお、これらの時間ラベルは、同一であり、ピーク強度に基づく前後画像間の時間同期化であることを示す。上側パネルの2つの棒は、蓄積領域対強度曲線から計算したものである。グラフト前かん流の状況が、赤色棒で表わされるグラフト後かん流の状況との比較に対して正規化された、青色の棒で表わされる。時間に沿ってかん流の変化の定量化をより良く示すために、かつ、バイパスグラフトの寄与を示すために、時間に沿ったかん流の変化は、右上の図に一般化され、青曲線、赤曲線、緑曲線がそれぞれネイティブ、ネイティブ+グラフト、バイパスグラフトによる時間に沿った累積かん流変化を表す。また、図21Bには、ピーク蛍光の時間ポイントである13.4秒での毛最終定量化結果が示される。最終的に、棒グラフには、グラフト前かん流レベルを1に正規化し、これと比較したグラフト後かん流(この場合では1.28)を示す。
【0109】
図21Cは、データ及び解析における品質レポートである。これは、CAPA結果をさらにサポートし有効にするために各IDSに従った全ての品質基準を含む。IDSの品質に問題があれば、結果の誤解を避けるために、当該ページと同様にページB上にエラー警告メッセージを表示する。
【0110】
図21Dは、データ品質チェックのエラー警告フィードバックを含む、説明データを提供する。
【0111】
本発明におけるFPA及びCAPAの追加的な固有の特徴は、選択した静止画像がそれらの生理プロセスを正確に表すことを想定するよりもむしろ、動的プロセスとして血管造影及びかん流を解析することである。いくつかのCAAにおいて、複数のCAW(例えば、心臓の前方、側方、下方領域へのバイパスグラフト)は、以下のように、個別に捕捉し、解析することができる。CAPA解析メタデータが2−D及び3−D再構成で合成され、より正確に、かん流増加若しくは減少、再かん流、及び脈管切除の少なくとも1つの生理的効果を表示することができる。
【0112】
本発明の当該コンポーネントの重要性は、手術室で外科医によるリアルタイムでの意思決定を最適化するために必要である重要な情報表示を詳細に表すCAPA解析表示能力を修正する能力にある。この表示結果は、全体的に正確で、直感的に提示され、かつ、手術室の端から認識され理解される画像表示の形式でなければならない。
【0113】
当該表示能力の例として、心筋かん流の血行再生による変化に対する3−Dモデルの心臓適用を使用することができる(図22)。典型的に、3血管CABG手術後の心臓の前方、側方、及び下方の領域におけるかん流変化を測定する。対応グラフトとともに、3D心臓モデルの各特定領域へのかん流の変化をマップすることができる。これは、CABG後の示されるグラフトの結果として心筋かん流の大域的な変化を示す、完全な生理画像(CABGの結果として解剖的な変化と機能的な変化を合成した)を作成する。グラフトを通して得られた個別のかん流解析から導出した、各種領域のかん流解析の結果におけるカラーでの表示を使用する。本方法では、同時刻での生体(心臓及びグラフトの3D構造)と、生理現象(カラー表示での心臓の各種領域におけるかん流変化)とを可視化できる。
【0114】
画像解析プラットフォームとして、後続の解析に対してIDSの品質を評価することが必要である。これは、解析プラットフォームの一部であり、IDS画像品質テスト(図8)から成る。上述したように、かん流解析の有効性は、IDAP基準が一致するかどうかに依存する。実際には、臨床の場での失敗において、IDAPの標準化が、注目されないかもしれないし、その後の無効な解析結果が混乱や誤解を招く結果になるかもしれない。これを防ぐために、IDSの品質は最終的なレポートが作成される前に審査される。画像データ品質の以下の項目が自動的にテストされる。
【0115】
<ベースラインテスト>
a.ベースラインが十分に滑らかであるかのチェック
b.心臓適用の場合、グラフト後画像のベースラインがグラフト前画像の1つよりも大きいべきである。
【0116】
<タイミングテスト>
c.画像取得の開始が遅れすぎた場合には、動脈相が途切れる
d.画像取得の終了が早すぎた場合には、静脈相が途切れる。
【0117】
<輝度テスト>
e.画像が暗すぎるかをチェック
f.画像が飽和しているかどうかをチェック。
【0118】
<IDS全体品質テスト>
g.時間曲線上の平均強度の形状及び平滑度をチェック。曲線の品質は、lungからの蛍光又はヘッドライトからの写り込みなどの外部要因によって低下する可能性がある。
【0119】
本発明について説明してきたが、それらの説明に限定されて解釈されるべきではない。本発明のいくつかの例示の実勢形態について説明したが、当業者は、例示の実施形態において、本発明の新規の教示及び利点から実質的に離れることなく多くの変更が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、全てのそのような変更は、特許請求の範囲に定義された本発明の範囲内に含まれることを意図している。当該特許請求の範囲において、使用されるミーンズプラスファンクション節は、記載した機能を実行するように、ここで説明した構造に加えて、構造的に同一のものだけでなく、同等の構造もカバーする意図である。このように、本発明の例示が理解され、開示した特定の実施形態に限定されるものと解釈されず、開示の実施形態への変更が他の実施形態と同様に添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。本発明は、特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される。
【0120】
本発明は、2012年6月21日出願の米国仮出願第61/662,885号の利益を有し、参照により本明細書に組み込まれた開示となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図22