(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のプリフォームには、プリフォームをハンドリングするためにフランジが設けられていれる。細口容器用プリフォームのフランジは、サポートリングとして所定の厚みと突出量とが規格化されている。生産量(流通量)が大規模であるため、利便性の観点から、ネジ部と共にサポートリングの寸法も規格化されている。規格の種類もわずかで、サポートリング部分も突出量が多く肉厚に規定されており、ハンドリングしやすい。一方、広口容器用プリフォームのフランジは規格がなく、突出量が少なく薄いものが望まれる。これは、現在広く流通している、食品充填用のガラス製の広口容器の形状に倣うためである。この種の容器は概して生産量が少ないこともあり、統一的なネジ部の規格といったものがなく、フランジに関しては規格すら存在していない。しかし、合成樹脂製の広口容器の製造においてはハンドリング用のフランジが必須となる。在来の広口容器のネック形状に合わせハンドリング用フランジを付与させるには、ネジ径と同一程度の高さでかつ薄い形状にせざるを得ない。プリフォームをその自重を利用して落下供給するシューターは、プリフォームのフランジを下方から支えて案内している。
【0006】
特に広口容器用プリフォームは、シューターにより一列で連続供給する際に、隣り合うプリフォームのフランジ同士が重なり合う。後続のプリフォームのフランジに乗り上げたフランジを有する先頭のプリフォームは、シューターの案内面に対して傾斜する。
【0007】
一方、シューターにより一列で連続供給されるプリフォームは、回転されるスターホイールの外周縁部に形成された複数の切欠き部の各々に取り込まれて、プリフォーム同士が分離されて搬送される。スターホイールの切欠き部には、プリフォームの被支持部位(凹部)、例えばフランジと多条ネジ山との間の溝に入り込み、プリフォーム上下動を規制する凸条フランジが設けられている。プリフォームが斜めだとスターホイールがプリフォームの凹部に入らない。
【0008】
シューターの案内面に対して傾斜したプリフォームの被支持部位には、スターホイールの凸条フランジが入り込まず、供給不良が生ずる。こうなると、装置の稼働を停止しなければならず、処理のスループットが低下してしまう。スターホイールの切り欠け部のサイズを大きくすると、プリフォームの被支持面と凸条フランジとの間の隙間が大きくなり、フランジの突出量が少ないとフランジが溝から脱落する等、プリフォームの安定した供給動作が妨げられる。特に、広口プリフォームの様な被支持部位が狭くフランジの突出量が小さいものは、安定供給させづらい。
【0009】
本発明は、シューターの案内面に対してフランジが傾斜した状態でプリフォームが供給されても、プリフォームを確実に下方から支えながら押動して回転搬送することができるプリフォーム取扱い装置及びブロー成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一態様は、口部の開口端面から離れた位置にて外方に突出するフランジを有するプリフォームが、前記開口端面を下方に向けた倒立状態にてシューターに沿って一列で連続供給されるプリフォーム取扱い装置において、
回転されるホイールの外周縁部に形成された複数の切欠き部の各々に前記プリフォームが供給され、前記フランジよりも上方の箇所を押動して、前記プリフォームを上流域から下流域に回転搬送するスターホイールと、
前記上流域にて前記プリフォームの搬送経路の下側に設けられ、前記スターホイールに押動される前記プリフォームの前記開口端面を支持して案内する端面案内部材と、
前記下流域にて前記プリフォームの搬送経路の両側に設けられ、前記スターホイールに押動される前記プリフォームの前記フランジの下面を支持して案内する一対のフランジ案内部材と、
を有するプリフォーム取扱い装置に関する。
【0011】
本発明の一態様では、スターホイールの切欠き部には凸条フランジや溝が設けられない。つまり、スターホイールはプリフォームを支える機能はなく、プリフォームに回転推進力を付与するだけである。スターホイールに溝を設ける代わりに、スターホイールによりプリフォームが回転搬送される上流域には、倒立状態のプリフォームの開口端面を支持して案内する端面案内部材が設けられている。上流域では、例え傾斜状態でプリフォームが供給されても、プリフォーム下端の開口端面を端面案内部材により支持しながら、スターホイールの切欠き部によりプリフォームを押動して回転搬送することができる。上流域では、プリフォームの姿勢は端面案内部材により整えられ、傾いて供給されたプリフォームはそのフランジが自動的に自重で水平になるように補正される。下流域でのプリフォームの搬送経路の両側では、プリフォームのフランジの下面を支持して案内する一対のフランジ案内部材が設けられる。下流域では、プリフォームの口部の開口を塞がずに搬送できるので、プリフォームの口部に搬送部材の一部を嵌入させることで、プリフォームをスターホイールから搬送部材に受け渡すことができる。
【0012】
(2)本発明の一態様では、前記端面案内部材の下流側の端部と、前記一対のフランジ案内部材の上流側の端部とを、上方から見た平面視にてオーバーラップさせることができる。
【0013】
端面案内部材と一対のフランジ案内部材とは高さ方向での位置が異なるので、端面案内部材の下流側の端部と、一対のフランジ案内部材の上流側の端部とを、平面視でオーバーラップさせることができる。それにより、端面案内部材から一対のフランジ案内部材へとプリフォームを円滑に受け渡すことかできる。
【0014】
(3)本発明の一態様では、前記スターホイールは、前記フランジの直上の箇所にて前記プリフォームを押動し、前記下流域では、前記スターホイールと前記一対のフランジ案内部材の一方とで、隙間を介して前記フランジを上下で挟み込むことができる。
【0015】
こうすると、下流域の搬送路の内側では、スターホイールと一対のフランジ案内部材の一方とが、従来の溝付きスターホイールの溝と同等の機能を果たすことができる。
【0016】
(4)本発明の一態様では、前記プリフォームの搬送路の外側にて、前記プリフォームの胴部を規制する胴部規制部材をさらに有し、前記下流域では、前記胴部規制部材と前記一対のフランジ案内部材の他方とで、隙間を介して前記フランジを上下で挟み込むことができる。
【0017】
こうすると、下流域の搬送路の外側でも、胴部規制部材と一対のフランジ案内部材の他方とが、従来の溝付きスターホイールの溝と同等の機能を果たすことができる。
【0018】
(5)本発明の一態様では、スプロケットにより駆動されるチェーンに固定された複数の搬送部材と、前記下流域にて、前記複数の搬送部材の一つを押し上げて、前記プリフォームの前記口部に前記複数の搬送部材の一つを嵌入させる押し上げ機構と、をさらに有することができる。
【0019】
下流域にて押し上げ機構により搬送部材の一部を押し上げても、押し上げられた搬送部材の一部が一対のフランジ案内部材とは干渉することはない。こうして、プリフォームは口部に搬送部材の一部が嵌入されて搬送部材により保持される。
【0020】
(6)本発明の他の態様は、
上述した(5)に記載のプリフォーム取扱い装置と、
前記複数の搬送部材の各々により搬送される前記プリフォームを加熱する加熱部と、
加熱された前記プリフォームを容器にブロー成形するブロー成形部と、
を有するブロー成形機に関する。
【0021】
本発明の他の態様によれば、シューターの案内面に対してフランジが傾斜した状態でプリフォームが供給されても、プリフォームを確実に下方から支えながら押動して回転搬送することができ、供給不良とならずにブロー成形装置の稼働を連続させることができる。
【0022】
(7)本発明の他の態様では、前記ブロー成形部は、一対の一次ブローキャビティ割型を有する一次ブロー型内にて一次ブロー成形された一次ブロー成形品を加熱する一次ブロー成形部と、一対の二次ブローキャビティ割型を有する二次ブロー型内にて二次ブロー成品をブロー成形する二次ブロー成形部と、を含むことができる。
【0023】
加熱された一次ブロー成形品を二次ブローすることで成形された最終成形品は耐熱性を確保することができる。
【0024】
(8)本発明の他の態様では、
第1,第2の型締め盤を含み、前記一次ブロー成形部と前記二次ブロー成形部とに共用される型締め機構と、
前記第1,第2の型締め盤にそれぞれ固定される第1,第2のブローベース板と、
前記一対の一次ブローキャビティ割型のパーティング面と対向する面にそれぞれ固定されて、前記一対の一次ブローキャビティ割型の各々を加熱する第1,第2の一次ヒーター板と、
前記一対の二次ブローキャビティ割型のパーティング面と対向する面にそれぞれ固定されて、前記一対の二次ブローキャビティ割型の各々を加熱する第1,第2の二次ヒーター板と、
前記第1の一次ヒーター板及び前記第1の二次ヒーター板と前記第1のブローベースとの間に配置される第1の熱絶縁板と、
前記第2の一次ヒーター板及び前記第2の二次ヒーター板と前記第2のブローベースとの間に配置される第2の熱絶縁板と、
をさらに有することができる。
【0025】
こうすると、第1,第2の一次ヒーター板による一次ブロー型の加熱温度と、第1,第2の二次ヒーター板による二次ブロー型の加熱温度とが異なっても、第1,第2の熱絶縁板により絶縁することができる。
【0026】
(9)本発明の他の態様では、前記一次ブロー型と前記二次ブロー型との間の空間に、前記第1,第2の一次ヒーター板及び前記第1,第2の二次ヒーター板に接続されるコネクターを配置することができる。
【0027】
一次ブロー型と二次ブロー型との間の空間は断熱用空間として利用できることに加え、この空間をコネクターの配置空間としても利用することができる。
【0028】
(10)本発明の他の態様では、前記第1,第2のブローベース板は、長手方向を二分する位置に、前記第1,第2の型締め板に向う側に突出する位置出しピンを有することができる。
【0029】
第1,第2のブローベース板は第1,第2の熱絶縁板により常温程度に維持され、しかも長手方向を二分する位置での熱膨張は最も小さいので、この位置に設けられた位置出しピンの位置精度は高い。よって、この位置出しピンにより、第1,第2のブローベース板を第1,第2の型締め板に位置精度よく固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施の形態について、比較例を参照して詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0032】
1.プリフォーム取扱い装置
本実施形態のプリフォーム取扱い装置100は、
図1に示す例えばコールドパリソン方式のブロー成形装置1のプリフォーム受け入れ部として構成される。ブロー成形装置1は、外部より供給される広口プリフォーム10を受け入れ、受け入れられた広口プリフォーム10を加熱し、加熱された広口プリフォーム10を広口容器にブロー成形するものである。
【0033】
広口プリフォーム10は、
図2に示すように、胴部12に対して比較的に大きい口部11を備えることから、広口プリフォーム10は水平面HR上で倒立姿勢にて自立させることができる。口部11の外周面にはねじ山が形成され、口部11の開口端面11Aから離れた位置、例えば口部11と胴部12との境界にて外方に突出するフランジ13が形成される。フランジ13が口部11または胴部12から突出する突出量は1mm前後の寸法、すなわち、ネジ外径とほぼ同一とされる。倒立状態のプリフォーム10の中心軸14は水平面HRに直交する。
【0034】
予め射出成形された広口プリフォーム10は、ブロー成形装置1に取付けられる外部機器であるシューター20を介してブロー成形装置1に供給される。シューター20は、例えば特開2012−71453に示すように、開口端面11Aを下向きとした倒立状態の広口プリフォーム10のフランジ13を下方より支えて、傾斜案内路に沿って広口プリフォーム10自身の自重により落下させるものである。
【0035】
図3は、ブロー成形装置1のプリフォーム受け入れ部(プリフォーム取扱い装置)100を拡大して示す平面図である。
図3において、広口プリフォーム10はシューター20の出口21を介してブロー成形装置1に連続供給される。出口21は水平な案内路であり、よって、広口プリフォーム10の中心軸14は水平面HRに対して垂直となるはずである。しかし、シューター20により一列で連続供給する際に、隣り合う広口プリフォーム10のフランジ13同士が重なり合う。特に、フランジ13が薄い場合は、ほぼ全て重なり合う。本実施形態は、そのような場合でも供給不良とならずに広口プリフォーム10を安定して供給するようにしている。
【0036】
図3に示すように、シューター20の出口21より矢印A方向に沿って一列で連続供給される広口プリフォーム10は、スターホイール110の回転により一つずつ分離されて搬送路例えば加熱搬送路120に受け渡される。加熱搬送路120は、第1,第2スプロケット121,122(
図3では第1スプロケット121のみ図示)に架け渡されたチェーン123を有する(
図3では省略)。チェーン123には、
図4(A)に示すように、広口プリフォーム10を倒立状態で支持する搬送部材130が第1ピッチP1で固定されている。
【0037】
搬送部材130は、チェーン123に自転可能に支持された自転軸131の上端に、広口プリフォーム10のネック部(口部とも言う)11に形成された下向き開口に嵌入され、広口プリフォーム10を載置する保持部材132を有する。
【0038】
自転軸131の上端は、
図4(A)(B)に示すようにボルト131Aとすることができる。この場合、保持部材132はボルト131Aと締結されるナットを有する。もしくは、自転軸131の上端にボルト締結用のナット孔を設け、保持部材132をボルト131Aにより自転軸131に結合させる方式でもよい。これにより、ネック部11のサイズが異なる広口プリフォーム10を成形する場合には、そのサイズに合った保持部材132に交換して、自転軸131と結合させることができる。
【0039】
本実施形態の搬送部材130は、自転軸131の下端に、自転駆動用の部材、例えば、円盤(摩擦板)133が固定されている。自転動作をより確実にするため、円盤133の代わりに、通常用いられるスプロケットを代用しても良い。
【0040】
1.1.スターホイールと案内部材
本実施形態のプリフォーム取扱い装置100の詳細について、
図3、
図5及び
図6(A)(B)を参照して説明する。プリフォーム取扱い装置100は、スターホイール110と、スターホイール110により広口プリフォーム10が回転搬送される上流域USRにて広口プリフォーム10の開口端面11Aを支持して案内する端面案内部材115と、下流域DSRにて広口プリフォーム10の搬送経路の両側に設けられ、倒立状態の広口プリフォーム10のフランジ13の下面を支持して案内する一対のフランジ案内部材116A,116Bと、を有する。
【0041】
スターホイール110は、回転されるホイールの外周縁部に形成された複数の切欠き部112の各々に広口プリフォーム10が供給され、フランジ13よりも上方の箇所を押動して、プリフォーム10を上流域USRから下流域DSRに回転搬送する。
【0042】
本実施形態では、
図5及び
図6(A)(B)に示すように、2段のスターホイール110A,110Bを用いている。下段のスターホイール110Aは、倒立状態の広口プリフォーム10のフランジ13の直上の位置にてプリフォーム10の胴部12を押動する。上段のスターホイール110Bは、倒立状態の広口プリフォーム10の胴部12の中間位置を押動する。下段のスターホイール110Aは回転軸111に固定され、上段のスターホイール110Bは、下段のスターホイール110Aに対してスペーサ113Aとボルト113Bとにより固定される。
【0043】
スターホイール110により回転搬送される広口プリフォームの搬送経路の外側に、広口プリフォーム10が搬送路から外方に外れることを規制する下段の胴部規制部材114Aと上段の胴部規制部材114Bとを設けることができる。なお、広口プリフォーム10の胴部12の長さが短い場合には、上段のスターホイール110B及び上段の胴部規制部材114Bを省略することができる。
【0044】
本実施形態では、
図3に示す上流域USRと下流域DSRとは、上方から見た平面視でオーバーラップしている。つまり、端面案内部材115の下流側の一部と、一対のフランジ案内部材116A,116Bの上流側の一部とを、上方から見た平面視にてオーバーラップさせている。端面案内部材115と一対のフランジ案内部材116A,116Bとは、
図6(A)(B)に示すように高さ方向での位置が異なるので、端面案内部材115の下流側の端部と、一対のフランジ案内部材116A,116Bの上流側の端部とを、平面視でオーバーラップさせることができる。それにより、端面案内部材115から一対のフランジ案内部材116A,116Bへと広口プリフォーム10を円滑に受け渡すことかできる。
【0045】
1.2.スターホイールでの回転搬送動作
シューターに20沿って一列の広口プリフォーム10はその自重により落下して供給される。このとき、隣り合う広口プリフォーム10はフランジ同士が密に接触して連続供給される。
図2に示すようにフランジ13が薄く突出量が少ない場合、隣り合う広口プリフォーム10はフランジ同士が上下に重なり合うことがある。広口プリフォーム10に振動を付与しても、フランジ13同士の重なり合いが容易に解除できない。このため、
図3に示す出口21において、後続の広口プリフォーム10のフランジ13に乗り上げたフランジ13を有する先頭の広口プリフォーム10は、シューター20の案内面に対して傾斜する。つまり、
図2に示す中心軸14が水平面HRに対して傾斜して状態で、広口プリフォーム10は出口21から放出されることがある。こうなると、従来のスターホイールの溝または凸条フランジにプリフォーム10を水平状態で挿入することができず、供給不良となる。
【0046】
本実施形態では、スターホイール110の切欠き部112には溝や凸条フランジが形成されていない。スターホイール110(110A,110B)の切欠き部112に入り込んだ先頭の広口プリフォーム10は、スターホイール110(110A,110B)の連続回転により後続の広口プリフォーム10から分離して回転搬送される。同時に、出口21から放出される先頭の広口プリフォーム10は、その下端の開口端面11Aが端面案内部材115上に載置され、端面案内部材115上を滑って回転搬送される。それにより、先頭の広口プリフォーム10と後続の広口プリフォーム10のフランジ13同士の重なり合いは解消され、先頭の広口プリフォーム10は傾斜状態が解消されて、フランジ13が水平となって回転搬送される。スターホイール110により回転搬送される広口プリフォーム10は、遠心力により搬送路の外方に飛び出すことが胴部規制部材114A,114Bにより防止される。以上の動作は、スターホイール110の回転に同期して、個々の切欠き部112に次々と新たな広口プリフォーム10が供給される毎に繰り返される。このように、上流域USRでは、スターホイール110と端面案内部材115とにより、密な状態で連続供給される広口プリフォーム10は分離され、傾斜状態の広口プリフォーム10は水平状態に姿勢が補正され、搬送路に沿って回転搬送される。
【0047】
次に、下流域DSRでは、広口プリフォーム10のフランジ13の下面が、搬送路の両側に設けられた一対のフランジ案内部材116A,116Bにより支持される。このとき、広口プリフォーム10の姿勢はフランジ13が水平になるように補正されているので、フランジ13の下面を一対のフランジ案内部材116A,116Bにより確実に支持することができる。特に、端面案内部材115と一対のフランジ案内部材116A,116Bとが、上方から見た平面視でオーバーラップしていると、端面案内部材115から一対のフランジ案内部材116A,116Bへの受け渡しを円滑に実施することができる。
【0048】
本実施形態では、下段のスターホイール110Aが、フランジ13の直上の胴部12を押動するようにしているので、スターホイール110Aと、搬送路の内側のフランジ案内部材116Bとは、従来のスターホイールと同様に機能する。具体的には、フランジ13下の小さな隙間の被支持部位にスターホイールの凸条フランジを入れ込み、適切に水平な状態で支持ことができる。同様に、胴部規制部材114Aと、搬送路の外側のフランジ案内部材116Aとは、従来のスターホイールと同様に機能する。加えて、下流域DSRでは、広口プリフォーム10の口部11の開口を塞がずに搬送できるので、広口プリフォーム10の口部11に搬送部材130の一部である保持部材132を押し上げて嵌入させることで、広口プリフォーム10をスターホイール110から搬送部材130に受け渡すことができる。
【0049】
1.3.スターホイールから搬送部材への受渡し
倒立状態で搬送される広口プリフォーム10を、スターホイール110の回転により一つずつ搬送部材130に受け渡す構造について、
図3及び
図7を参照して説明する。本実施形態では、
図7に示す搬送部材130の押し上げ機構150を、下流域DSRの中の下流側、例えば
図3に示すスターホイール110の中心O1と第1スプロケット121の中心O2とを結ぶ線上であって、広口プリフォーム10の搬送路の直下に設けている。この押し上げ機構150は、チェーン123により搬送される複数の搬送部材130の一つを押し上げて、倒立状態の広口プリフォーム10のネック部11に搬送部材130の一部(保持部材(132)を嵌入させるものである。
【0050】
押し上げ機構150は、
図7に示すように、例えばエアシリンダー152により進退駆動されるロッド154に固定された押し上げ部156を有する。押し上げ部156は、搬送部材130の下端に設けられた円盤133を押し上げることで、搬送部材130全体を押し上げる。
図7にて鎖線で示す位置から実線で示す位置に円盤133が押し上げられることで、広口プリフォーム10は搬送部材130に保持される。
【0051】
押し上げ部156で押し上げられた円盤133は、搬送部材130の搬送に伴い押し上げ部156上を滑って移動する。押し上げ部156を通過した後の位置には、加熱搬送路120に例えば可動接触部160を配置することもできる。この場合、押し上げ部156で押し上げられた円盤133は、搬送部材130の搬送に伴い押し上げ部156上を滑って移動し、
図7に示す2つの可動接触部160を経由して、固定接触部222(
図8参照)に案内される。
【0052】
ここで、2つの可動接触部160は、バネ等の付勢部材によって支点162の廻りに図示矢印方向に移動付勢されている。仮に、押し上げ部156により円盤133の押し上げ不良が生じると、円盤133と干渉する2つの可動接触部160は移動付勢力に抗して支点162の廻りで回動して、円盤133を正規な位置に案内できる。
【0053】
2.ブロー成形装置
次に、
図1を参照してブロー成形装置1の全体について説明する。ブロー成形装置1には、加熱搬送路120を備えた加熱部200と、間欠搬送部300とブロー成形部400とが設けられている。加熱部200は、広口プリフォーム10の胴部12を、ネック部11を下向きとした倒立状態で、無端状の加熱搬送路120に沿って連続搬送して加熱する。ブロー成形部400は、N(Nは2以上の整数で、本実施形態ではN=2)個の広口プリフォーム10を、ネック部11を上向きとした正立状態で同時にブロー成形して容器に成形する。間欠搬送部300は、N個のプリフォームを、加熱部200からブロー成形部400に間欠搬送する。
【0054】
耐熱容器を成形する場合には、ブロー成形部400は、一次ブロー成形部410と二次ブロー成形部420とを含むことができる。一次ブロー成形部410は、正立状態のN個のプリフォーム10を一次ブロー型411内にて一次ブロー成形してN個の一次ブロー成形品を形成し、かつ、加熱された一次ブロー型411にてN個の一次ブロー成形品が加熱される。一次ブロー型411から取り出されて収縮されたN個の一次ブロー成形品は、二次ブロー成形部420の二次ブロー型421内にて正立状態で二次ブローされ、かつ、加熱された二次ブロー型421にて加熱されて、耐熱性を有するN個の最終成形品(二次ブロー成形品)が成形される。本実施形態では、一次ブロー型411及び二次ブロー型421の型締め機構430を共用している。ブロー成形装置1にはさらに、正立状態のN個の最終成形品を取り出す取出し部500を設けることができる。
【0055】
2.1.加熱部
加熱部200の加熱搬送路120は、上流側の第1直線搬送路120Aと下流側の第2直線搬送路120Bとを有する(
図1)。加熱搬送路120(第1,2直線搬送路120A,120B)には、
図8に示す加熱機構が配置されている。この加熱機構として、
図8に示すように、フレーム220の上に、加熱搬送路120の中心線L1を挟んだ両側の一方にはヒーター部230が、他方には反射部240が配置されている。ヒーター部230は、広口プリフォーム10の胴部12を加熱する複数の棒状ヒーター232を高さ方向にて異なる位置に有する。また、フレーム220には、搬送部材130の円盤133の下面と接触する固定接触部222が形成されている。広口プリフォーム10を保持した搬送部材130が、
図8の紙面の垂直方向にチェーン123によって搬送されると、搬送部材130と共に搬送される摩擦板例えば円盤133が固定接触部222と摩擦接触する。それにより、円盤133には接触部222から回転力が付与され、チェーン123に自転可能に支持された自転軸131が自転される。
【0056】
加熱搬送路120に沿って自転しながら搬送される広口プリフォーム10に対して、ヒーター部230からの輻射熱線と、その輻射熱線を反射部240で反射した熱線とが入射され、広口プリフォーム10の胴部12の全体を均一に加熱することができる。
【0057】
2.2.間欠搬送部
間欠搬送部300は、第2直線搬送路120Bと平行に設けられたアーム走行部に沿って移動する各N個の第1〜3搬送アーム301〜303を有する。加熱搬送路120から倒立状態の広口プリフォーム10を受け取る第1搬送アーム301は、反転部310により180度回転されて、広口プリフォーム10の開口端面11Aを上向きとする正立状態に反転する。第1搬送アーム301の駆動機構と、第2,第3搬送アーム302,303の駆動機構とは異なる。各駆動機構は、モーターにより回転される駆動プーリと従動プーリとを含み、それらの間にベルトが架け渡されて構成することができる。第1搬送アーム301は第1ベルトに固定されて、加熱搬送路120と一次ブロー成形部410との間を往復駆動される。第2,第3搬送アーム302,303は第2ベルトに固定されることで、第2搬送アーム302は一次・二次ブロー成形部410,420間を、第3搬送アーム303は二次ブロー成形部420及び取出し部500の間を、それぞれ同一距離だけ往復駆動される。
【0058】
加熱部200から広口プリフォーム10を受け取るN個の第1搬送アーム301は第1ピッチP1(加熱ピッチ=ブロー成形ピッチ)で固定しても良いし、第1ピッチP1よりも大きい第2ピッチP2(ブロー成形ピッチ)にピッチ変換しても良い。第2,第3搬送アーム302,303のピッチは、第1搬送アーム301のピッチに応じて第1ピッチP1または第2ピッチP2に固定される。さほど高い生産量が要求されない広口容器の成形機としては、機械構成が簡略化され低コストにつながるピッチ固定式の方が望ましい。例えば、第1〜第3搬送アーム301〜303は2個固定式とし、容器を2個を製造する場合は2つ同時に、1個を製造する場合は片側のアームのみ利用することにすれば、部品交換点数も少なく便利である。加熱部200の搬送部材130もまた同様に考えられる。2個同時に広口容器を製造する場合は加熱搬送部材130に空きなくプリフォーム10を配置し、1個のみ製造の時は一つ置きにプリフォーム10を配置する。この際、搬送部材130の搬送速度は、プリフォーム10のサイズを考慮して適宜変更するとより好ましい。
【0059】
2.3.ブロー成形部
ブロー成形部400は上述した通り、一次ブロー型411及び二次ブロー型421と、共通の型締め機構430とを有する。
図9及び
図10は、共通の型締め機構430の第1,第2の型締め盤に取付けられるブロー型ユニット440を示している。本実施形態では、一次・二次ブロー成形での同時成形個数が各2個程度と少ない。よって、一次・二次ブロー成形で計4個のキャビティを有する一つのブロー型として取り扱っても、型締め面積を過度に大きくしなくて済むので、型締め機構430を共用している。
【0060】
ブロー型ユニット440は、共通の型締め機構430の第1,第2の型締め盤に固定される第1,第2のブローベース板441A,441Bを有する。第1,第2のブローベース板441A,441Bの各々には、上方から見た平面視で、中央位置と両側に3つの圧受け板442が固定されている。
【0061】
一次ブロー型411はパーティングラインPLで分離され、第1のブローベース板441A側に固定される第1の一次ブローキャビティ割型411Aと、第2のブローベース板441B側に固定される第2の一次ブローキャビティ割型411Bと、を含む。同様に、二次ブロー型421もパーティングラインPLで分離され、第1のブローベース板441A側に固定される第1の二次ブローキャビティ割型421Aと、第2のブローベース板441B側に固定される第2の二次ブローキャビティ割型421Bと、を含む。
【0062】
一対の一次ブローキャビティ割型411A,411Bのパーティング面(PLを有する面)と対向する面には、一対の一次ブローキャビティ割型411A,411Bの各々を加熱する第1,第2の一次ヒーター板445A,445Bが設けられている。同様に、一対の二次ブローキャビティ割型421A,421Bのパーティング面と対向する面には、一対の二次ブローキャビティ割型421A,421Bの各々を加熱する第1,第2の二次ヒーター板446A,446Bが設けられている。
【0063】
第1の一次ヒーター板445A及び第1の二次ヒーター板446Aと第1のブローベース板441Aとの間には、第1の熱絶縁板443A,444Aが配置されている。同様に、第2の一次ヒーター板445B及び第2の二次ヒーター板446Bと第2のブローベース板441Bとの間には、第2の熱絶縁板443B,444Bが配置されている。
【0064】
こうすると、第1,第2の一次ヒーター板445A,445Bによる一次ブロー型411の加熱温度と、第1,第2の二次ヒーター板446A,446Bによる二次ブロー型421の加熱温度とが異なっても、第1,第2の熱絶縁板443A,443B,444A,444Bにより絶縁することができる。本実施形態では、一次ブロー型411での熱処理温度を180℃付近とし、二次ブロー型421での熱処理温度を90−100℃に設定しても、第1,第2のブローベース板441A,441Bは常温に維持でき、一次ブロー型411と二次ブロー型421との間での第1,第2のブローベース板441A,441Bを介して熱交換されることを防止できる。
【0065】
一次・二次ヒーター板445A,445B,446A,446Bの各々は例えば鋳物で形成され、鋳込みヒーター447Aが内蔵ヒーターとして配置されている(
図10参照)。一次・二次ヒーター板445A,445B,446A,446Bらは、内蔵ヒーターである鋳込みヒーター447Aに接続された外部接続部447Bが、一次・二次ブロー型411,421間の熱絶縁用空間部に露出している。
【0066】
この熱絶縁用空間をコネクター448の配置空間としても利用することができる。コネクター448は、雄・雌コネクターとして着脱可能であり、その一方に外部接続部447Bが連結され、その他方に引き出し配線449が接続される(
図10参照)。
【0067】
図9に示すように、第1,第2のブローベース板441A,441Bは、長手方向を二分する位置に、第1,第2の型締め板(図示せず)に向う側に突出する位置出しピン450A,450Bを有することができる。
【0068】
第1,第2のブローベース板441A,441Bは第1,第2の熱絶縁板443A,443B,444A,444Bにより常温程度に維持され、しかも長手方向を二分する位置での熱膨張は最も小さいので、この位置に設けられた位置出しピン450A,450Bの位置精度は高い。よって、この位置出しピン450A,450Bにより、第1,第2のブローベース板441A,441Bを第1,第2の型締め板に位置精度よく固定することができる。また、第1,第2のブローベース板441A,441Bの外側から、一次ブロー型411及び二次ブロー型421をそのキャビティ型中心の延長線上にて固定させるとより好ましい。この場合、各キャビティ型が熱膨張してもその中心位置は不変であるため、機械側の延伸機構、例えば、ブローノズルや延伸ロッドといった部材の位置合わせを行う必要がないからである。
【0069】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0070】
例えば、本発明は広口プリフォーム以外のプリフォームを用いたブロー成形装置や、耐熱容器でない容器を成形するブロー成形装置や、プリフォームの口部を結晶化する口部結晶化装置等にも適用可能である。