特許第6561204号(P6561204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6561204IP層におけるデュアルコネクティビティおよびキャリアアグリゲーション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561204
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】IP層におけるデュアルコネクティビティおよびキャリアアグリゲーション
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/15 20180101AFI20190805BHJP
   H04W 28/08 20090101ALI20190805BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20190805BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20190805BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   H04W76/15
   H04W28/08
   H04W72/04 111
   H04W16/32
   H04M3/00 B
【請求項の数】26
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2018-513614(P2018-513614)
(86)(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公表番号】特表2018-535573(P2018-535573A)
(43)【公表日】2018年11月29日
(86)【国際出願番号】US2016062176
(87)【国際公開番号】WO2017099961
(87)【国際公開日】20170615
【審査請求日】2018年5月28日
(31)【優先権主張番号】62/264,060
(32)【優先日】2015年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/175,730
(32)【優先日】2016年6月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン、アンクル
(72)【発明者】
【氏名】カラパタプ、ダット
(72)【発明者】
【氏名】シプラ、ハッサン
【審査官】 新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/129870(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0362829(US,A1)
【文献】 特開2013−255046(JP,A)
【文献】 特開2003−134550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
H04M 3/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御ハードウェア(900)において、該制御ハードウェア(900)と通信する外部ネットワーク(30)から1つまたは複数のデータパケット(40)を受信するステップと、
前記制御ハードウェア(900)を使用する第1のネットワーク(10)にユーザデバイス(300)が接続したときに、前記制御ハードウェア(900)が第1のデータベアラ(12,12a)を確立するステップと、
前記制御ハードウェア(900)と通信している第2のネットワーク(201)に前記ユーザデバイス(300)が接続したときに、前記制御ハードウェア(900)が第2のデータベアラ(12,12b)を確立するステップであって、前記ユーザデバイス(300)は、前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)とのデュアルコネクティビティ用に構成されている、ステップと、
前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の両方にわたるネットワークトラフィック負荷を同時にバランスするように前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)の少なくとも1つを介して前記1つまたは複数のデータパケット(40)を前記ユーザデバイス(300)にルーティングするステップと
を含む方法(1000)であって、
前記第1のネットワーク(101)はマクロセルネットワーク(101)を含み、かつ前記第2のネットワーク(201)はスモールセルネットワーク(201)を含み、前記方法は、
前記第1のデータベアラ(12,12a)および前記第2のデータベアラ(12,12b)がそれぞれ同じアクセスポイント名を含んでいると前記制御ハードウェア(900)が決定するステップをさらに含み、
前記1つまたは複数のデータパケット(40)のルーティングは、前記第1のデータベアラ(12,12a)および前記第2のデータベアラ(12,12b)を前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の両方を介して前記ユーザデバイス(300)にルーティングすることを含む、方法(1000)
【請求項2】
前記マクロセルネットワーク(01)は、前記外部ネットワーク(30)から前記ユーザデバイス(300)への1つまたは複数のデータパケット(40)の無線通信を1つまたは複数のマクロセル進化型ノードを介してサポートする第1のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含み、
前記スモールセルネットワーク(201)は、前記外部ネットワーク(30)から前記ユーザデバイス(300)への1つまたは複数のデータパケット(40)の無線通信を1つまたは複数のスモールセル進化型ノードを介してサポートする第2のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含む、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項3】
前記マクロセルネットワーク(101)および前記スモールセルネットワーク(201)は、異なるキャリアに関連付けられ、前記ユーザデバイス(300)は、前記マクロセルネットワーク(101)および前記スモールセルネットワーク(201)の両方の加入者である、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項4】
前記マクロセルネットワーク(101)はモバイルネットワークオペレータに関連付けられ、前記スモールセルネットワーク(201)は前記マクロセルネットワーク(101)のためのニュートラルホストネットワークを含み、前記ユーザデバイス(300)はマクロセルネットワーク(101)の加入者である、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項5】
前記制御ハードウェア(900)において、前記ユーザデバイス(300)からのリンク層統計値(304)を受信するステップをさらに含み、
前記リンク層統計値(304)は、ダウンリンク通信中の前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の品質を示し、
前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)の少なくとも1つを介した前記1つまたは複数のデータパケット(40)のルーティングは、ダウンリンク通信中の前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の品質に基づく、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項6】
前記ユーザデバイス(300)は、
前記第1のネットワーク(101)とインタフェースするように構成された複数の第1の制御プレーン層(314)を提供する第1のインタフェースと、
前記第2のネットワーク(201)とインタフェースするように構成された複数の第2の制御プレーン層(324)を提供する第2のインタフェースと、
前記リンク層統計値(304)を収集して前記制御ハードウェア(900)に提供するように構成されたアプリケーション層と
を含む、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項7】
前記1つまたは複数のデータパケット(40)のルーティングは、前記第1のネットワーク(101)を介した前記ユーザデバイス(300)への第1のデータフロー(241)の配信と前記第2のネットワーク(201)を介した前記ユーザデバイス(300)への別の第2のデータフロー(242)の配信とを同時にするフロー認識アグリゲーション手順を実行することを含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項8】
第1のデータフロー(241)と第2のデータフロー(242)が実質的に等しい量のデータを搬送しているとき、前記第1のデータフロー(241)および前記第2のデータフロー(242)は、前記第1のネットワーク(101)と前記第2のネットワーク(201)との間で等しくバランスされる、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項9】
記第1のネットワーク(101)と前記第2のネットワーク(201)との間で前記ユーザデバイス(300)にルーティングするための少なくとも1つのデータフロー(40)を同時に分割するフロー非依存性のアグリゲーション手順を前記制御ハードウェア(900)が実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項10】
前記第2のネットワーク(201)は、前記第1のネットワーク(101)の無線アクセス技術とは異なる無線アクセス技術を有する共有スペクトルのための信頼できる非第3世代パートナーシッププロジェクトアクセスとして前記第2のネットワーク(201)を関連付けるように構成された地上広域ネットワークに関連付けられたサービングゲートウェイを含む、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項11】
第1のベアラ(12,12a)はインターネットデータに関連付けられ、第2のベアラ(12,12b)はインターネットプロトコルマルチメディアサブシステムデータに関連付けられる、請求項に記載の方法(1000)。
【請求項12】
前記制御ハードウェア(900)において、前記ユーザデバイス(300)から前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)のうちの1つを介してアップリンクデータパケット(40)を受信するステップと、
受信されたアップリンクデータパケット(40)を前記外部ネットワーク(30)に送信するステップと
を含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項13】
前記ユーザデバイス(300)は、前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)のそれぞれからモデム測定報告(306,308)を受信し、前記モデム測定報告(306,308)を使用することにより、前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)のうちの1つを介してアップリンクデータパケット(40)をルーティングすることによってアップリンクトラフィックを操作し、各モデム測定報告(306,308)は、前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)の各々におけるトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅を示す、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項14】
無線通信のために構成されたシステムであって、そのシステムは、
外部ネットワーク(30)と通信し、かつパケットネットワークゲートウェイ、第1のサービングゲートウェイ、および第1の通信ノードを含む第1のネットワーク(101)と、
前記外部ネットワーク(30)と通信し、かつ第2のサービングゲートウェイおよび第2の通信ノードを含む第2のネットワーク(201)と、
前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)へのディアルコネクティビティ用に構成されたユーザデバイス(300)であって、前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)の少なくとも1つを介して前記外部ネットワーク(30)と通信するユーザデバイス(300)と
を備え、
前記第1のネットワーク(101)のパケットデータネットワークゲートウェイは、前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の両方によって共有され、パケットデータネットワークは、
外部ネットワーク(30)から1つまたは複数のデータパケット(40)を受信し、
前記ユーザデバイス(300)が前記第1のネットワーク(101)に接続したときに第1のデータベアラ(12,12a)を確立し、
前記ユーザデバイス(300)が前記第2のネットワーク(201)に接続したときに第2のデータベアラ(12,12b)を確立し、
前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の両方にわたるネットワークトラフィック負荷を同時にバランスするように前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)の少なくとも1つを介して前記1つまたは複数のデータパケット(40)を前記ユーザデバイス(300)にルーティングする
ように構成された制御ハードウェア(900)を含み、
前記第1のネットワーク(101)はマクロセルネットワーク(101)を含み、前記第2のネットワーク(201)はスモールセルネットワーク(201)を含み、
前記制御ハードウェア(900)は、
前記第1のデータベアラ(12,12a)および前記第2のデータベアラ(12,12b)がそれぞれ同じアクセスポイント名を含んでいると決定し、
前記第1のデータベアラ(12,12a)および前記第2のデータベアラ(12,12b)を前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の両方を介して前記ユーザデバイス(300)にルーティングするようにさらに構成されている、システム。
【請求項15】
前記マクロセルネットワーク(101)は、前記外部ネットワーク(30)から前記ユーザデバイス(300)への1つまたは複数のデータパケット(40)の無線通信を1つまたは複数のマクロセル進化型ノードを介してサポートする第1のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含み、
前記スモールセルネットワーク(201)は、前記外部ネットワーク(30)から前記ユーザデバイス(300)への1つまたは複数のデータパケット(40)の無線通信を1つまたは複数のスモールセル進化型ノードを介してサポートする第2のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記マクロセルネットワーク(101)および前記スモールセルネットワーク(201)は異なるキャリアに関連付けられ、前記ユーザデバイス(300)は、前記マクロセルネットワーク(101)および前記スモールセルネットワーク(201)の両方の加入者である、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記マクロセルネットワーク(101)はモバイルネットワークオペレータに関連付けられ、前記スモールセルネットワーク(201)は前記マクロセルネットワーク(101)のためのニュートラルホストネットワークを含み、前記ユーザデバイス(300)はマクロセルネットワーク(101)の加入者である、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御ハードウェア(900)は、前記ユーザデバイス(300)からリンク層統計値(304)を受信するようにさらに構成されており、前記リンク層統計値(304)は、ダウンリンク通信中の前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の品質を示し、
前記制御ハードウェア(900)は、ダウンリンク通信中の前記第1のネットワーク(101)および前記第2のネットワーク(201)の品質に基づいて、前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)の少なくとも1つを介して前記1つまたは複数のデータパケット(40)をルーティングする、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記ユーザデバイス(300)は、
前記第1のネットワーク(101)とインタフェースするように構成された複数の第1の制御プレーン層(314)を提供する第1のインタフェースと、
前記第2のネットワーク(201)とインタフェースするように構成された複数の第2の制御プレーン層(324)を提供する第2のインタフェースと、
前記リンク層統計値(304)を収集して前記制御ハードウェア(900)に提供するように構成されたアプリケーション層と
を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御ハードウェア(900)は、前記第1のネットワーク(101)を介した前記ユーザデバイス(300)への第1のデータフロー(241)の配信と前記第2のネットワーク(201)を介した前記ユーザデバイス(300)への別の第2のデータフロー(242)の配信とを同時にするフロー認識アグリゲーション手順を実行することにより前記1つまたは複数のデータパケット(40)をルーティングするようにさらに構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
第1のデータフロー(241)と第2のデータフロー(242)が実質的に等しい量のデータを搬送しているとき、前記第1のデータフロー(241)および前記第2のデータフロー(242)は、前記第1のネットワーク(101)と前記第2のネットワーク(201)との間で等しくバランスされる、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
記制御ハードウェア(900)は、前記第1のネットワーク(101)と前記第2のネットワーク(201)との間で前記ユーザデバイス(300)にルーティングするための少なくとも1つのデータフロー(241)を同時に分割するフロー非依存性のアグリゲーション手順を実行することにより前記1つまたは複数のデータパケット(40)をルーティングするようにさらに構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2のネットワーク(201)の前記第2のサービングゲートウェイは、前記第1のネットワーク(101)の無線アクセス技術とは異なる無線アクセス技術を有する共有スペクトルのための信頼できる非第3世代パートナーシッププロジェクトアクセスとして前記第2のネットワーク(201)を関連付けるように構成された地上広域ネットワークに関連付けられている、請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
第1のベアラ(12,12a)はインターネットデータに関連付けられ、第2のベアラ(12,12b)はインターネットプロトコルマルチメディアサブシステムデータに関連付けられる、請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記制御ハードウェア(900)は、
前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)のうちの1つを介して前記ユーザデバイス(300)からアップリンクデータパケット(40)を受信し、
受信されたアップリンクデータパケット(40)を前記外部ネットワーク(30)に送信する
ようにさらに構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
前記ユーザデバイス(300)は、前記第1のネットワーク(101)の前記第1の通信ノードから第1のモデム測定報告(306)を受信するように構成され、前記第1のモデム測定報告(306)は、前記第1のネットワーク(101)におけるトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅を示し、
前記ユーザデバイス(300)は、前記第2のネットワーク(201)の前記第2の通信ノードから第2のモデム測定報告(308)を受信するように構成され、前記第2のモデム測定報告(308)は、前記第2のネットワーク(201)におけるトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅を示し、
前記ユーザデバイス(300)は、受信した前記第1および第2のモデム測定報告(306、308)に基づいて、前記第1のネットワーク(101)または前記第2のネットワーク(201)のうちの1つを介してアップリンクデータパケット(40)をルーティングすることによってアップリンクトラフィックを操作するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、IP層におけるデュアルコネクティビティおよびキャリアアグリゲーションに関し、特に、マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークを介したデュアルコネクティビティおよびキャリアアグリゲーションに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークは、音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、およびブロードキャストなどの通信コンテンツを提供する。無線通信ネットワークは、複数のキャリア上の動作をサポートする。各キャリアは、通信に使用される周波数の範囲を含み、かつキャリアの動作を記述するシステム情報に関連付けられる。ロングタームエボリューション(LTE:Long−Term Evolution)ネットワークは、モバイルデバイスおよびデータ端末のための高速データの無線通信を提供する。LTEネットワークは、コアネットワークの改善により異なる無線インタフェースを使用することにより、既存の無線アクセスネットワーク(RAN)技術の容量およびスピードが向上する。無線通信ネットワークは、多数のユーザデバイスのための通信をサポートすることができる多数の基地局を含み得る。ユーザデバイス(例えば、ユーザ機器)は、ダウンリンク及びオプションとしてアップリンクを介して基地局と通信する。
【0003】
無線ネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することによって複数のユーザをサポートすることができる多元接続ネットワークであり得る。例えば、モバイルネットワークオペレータは、地域内の複数の加入者に無線コンテンツを提供するためのマクロセルLTEネットワークを展開することができ、ショッピング会場は、Wi−Fiを顧客に提供するための境界内の1つまたは複数のアクセスポイントによるスモールセルLTEネットワークを展開することができる。ユーザデバイスは、2つの独立したベアラがそれぞれマクロセルネットワークまたはスモールセルネットワークのうちの1つを介してユーザデバイスにルーティングされるように、マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークへのデュアルアクセスが可能である。場合によっては、マクロセルネットワークに関連するスイッチングゲートウェイは、1つの独立したベアラをマクロセルネットワークのノードBにルーティングし、別の独立したベアラをスモールセルネットワークのノードCにルーティングする。既存のデュアルアクセス技術では、一般に、マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークのそれぞれのノードが、同じキャリアによって制御されるか、またはマクロセルネットワークのネットワークオペレータによって制御される必要があり、スモールセルネットワークのオペレータが両方のネットワークにアクセスすることに関してモビリティを制御する性能はほとんどない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つの態様は、IP層におけるデュアルコネクティビティおよびキャリアアグリゲーションのための方法を提供する。方法は、制御ハードウェアにおいて、制御ハードウェアと通信する外部ネットワークからの1つまたは複数のデータパケットを受信するステップと、制御ハードウェアを使用する第1のネットワークにユーザデバイスが接続したときに、制御ハードウェアが第1のデータベアラを確立するステップとを含む。方法はまた、制御ハードウェアと通信している第2のネットワークにユーザデバイスが接続したときに、制御ハードウェアが第2のデータベアラを確立するステップと、第1のネットワークと第2のネットワークの両方にわたるネットワークトラフィック負荷を同時にバランスするように第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも1つを介して1つまたは複数のデータパケットをユーザデバイスにルーティングするステップとを含むことができる。ユーザデバイスは、第1のネットワークおよび第2のネットワークとのデュアルコネクティビティ用に構成されている。
【0005】
本開示の実施形態は、以下の任意の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、マクロセルネットワークは、外部ネットワークからユーザデバイスへの1つまたは複数のデータパケットの無線通信を1つまたは複数のマクロセル進化型ノードを介してサポートする第1のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含む。スモールセルネットワークは、外部ネットワークからユーザデバイスへの1つまたは複数のデータパケットの無線通信を1つまたは複数のスモールセル進化型ノードを介してサポートする第2のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含む。マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークは、異なるキャリアに関連付けられてもよく、ユーザデバイスは、マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークの両方の加入者であってもよい。マクロセルネットワークはモバイルネットワークオペレータと関連付けられてもよく、スモールセルネットワークはマクロセルネットワークのためのニュートラルホストネットワークを含んでもよい。ユーザデバイスはマクロセルネットワークの加入者であってもよい。
【0006】
いくつかの例では、方法は、制御ハードウェアにおいて、ユーザデバイスからのリンク層統計値を受信するステップを含む。リンク層統計値は、ダウンリンク通信中の第1のネットワークおよび第2のネットワークの品質を示し得る。第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも1つを介した1つまたは複数のデータパケットのルーティングは、ダウンリンク通信中の第1のネットワークおよび第2のネットワークの品質に基づき得る。ユーザデバイスは、第1のネットワークとインタフェースするように構成された複数の第1の制御プレーン層を提供する第1のインタフェースと、第2のネットワークとインタフェースするように構成された複数の第2の制御プレーン層を提供する第2のインタフェースと、リンク層統計値を収集して制御ハードウェアに提供するように構成されたアプリケーション層とを含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のデータパケットのルーティングは、第1のネットワークを介したユーザデバイスへの第1のデータフローの配信と第2のネットワークを介したユーザデバイスへの別の第2のデータフローの配信とを同時にするフロー認識アグリゲーション手順(flow aware aggregation procedure)を実行することを含む。第1のデータフローと第2のデータフローが実質的に等しい量のデータを搬送しているとき、第1のデータフローおよび第2のデータフローは、第1のネットワークと第2のネットワークとの間で等しくバランスされている。第1のネットワークがスモールセルネットワークを含み、かつ第2のネットワークがマクロセルネットワークを含む場合、方法は、第1のネットワークと第2のネットワークとの間でユーザデバイスにルーティングするための少なくとも1つのデータフローを同時に分割するフロー非依存性のアグリゲーション手順(flow agnostic aggregation procedure)を制御ハードウェアが実行するステップを含む。
【0008】
いくつかの例では、第1のネットワークがマクロセルネットワークを含み、かつ第2のネットワークがスモールセルネットワークを含む場合、方法は、第1のデータベアラおよび第2のデータベアラのそれぞれが同じアクセスポイント名を含んでいると制御ハードウェアが決定するステップを含み、1つまたは複数のデータパケットのルーティングは、第1のネットワークおよび第2のネットワークの両方を介して第1のデータベアラおよび第2のデータベアラをユーザデバイスにルーティングすることを含む。第2のネットワークは、第1のネットワークの無線アクセス技術とは異なる無線アクセス技術を有する共有スペクトルのための信頼できる非第3世代パートナーシッププロジェクトアクセスとして第2のネットワークを関連付けるように構成された地上広域ネットワークに関連付けられたサービングゲートウェイを含んでもよい。第1のベアラはインターネットデータに関連付けられてもよく、第2のベアラはインターネットプロトコルマルチメディアサブシステムデータに関連付けられてもよい。
【0009】
方法は、制御ハードウェアにおいて、ユーザデバイスから第1のネットワークまたは第2のネットワークのうちの1つを介してアップリンクデータパケットを受信するステップと、受信したアップリンクデータパケットを外部ネットワークに送信するステップとを含み得る。ユーザデバイスは、第1のネットワークおよび第2のネットワークのそれぞれからモデム測定報告を受信し、モデム測定報告を使用することにより、第1のネットワークまたは第2のネットワークのうちの1つを介してアップリンクデータパケットをルーティングすることによってアップリンクトラフィックを操作し得る。各モデム測定報告は、第1のネットワークまたは第2のネットワークの各々におけるトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅を示し得る。
【0010】
本開示の別の態様は、無線通信のために構成されたシステムを提供する。システムは、外部ネットワークと通信するとともに、第1のパケットネットワークゲートウェイ、第1のサービングゲートウェイ、および第1の通信ノードを含む第1のネットワークと、外部ネットワークと通信するとともに、第2のサービングゲートウェイおよび第2の通信ノードを含む第2のネットワークと、第1のネットワークおよび第2のネットワークへのデュアルコネクティビティ用に構成されたユーザデバイスとを含む。ユーザデバイスは、第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも1つを介して外部ネットワークと通信する。第1のネットワークのパケットデータネットワークゲートウェイは、第1のネットワークと第2のネットワークの両方によって共有される。パケットデータネットワークは制御ハードウェアを含み、制御ハードウェアは、外部ネットワークから1つまたは複数のデータパケットを受信し、ユーザデバイスが第1のネットワークに接続したときに第1のデータベアラを確立し、ユーザデバイスが第2のネットワークに接続したときに第2のデータベアラを確立し、第1のネットワークまたは第2のネットワークの両方にわたるネットワークトラフィック負荷を同時にバランスするように第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも1つを介して1つまたは複数のデータパケットをユーザデバイスにルーティングするように構成されている。
【0011】
この態様は、以下の任意の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。第1のネットワークは、スモールセルネットワークまたはマクロセルネットワークのうちの一方を含み、第2のネットワークは、スモールセルネットワークまたはマクロセルネットワークのうちの他方を含み得る。マクロセルネットワークは、1つまたは複数のマクロセル進化型ノードを介して、外部ネットワークからユーザデバイスへの1つまたは複数のデータパケットの無線通信をサポートする第1のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含み得る。スモールセルネットワークは、1つまたは複数のスモールセル進化型ノードを介して、外部ネットワークからユーザデバイスへの1つまたは複数のデータパケットの無線通信をサポートする第2のロングタームエボルーション無線アクセスネットワークを含み得る。マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークは異なるキャリアに関連付けられてもよく、ユーザデバイスは、マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークの両方の加入者であってもよい。マクロセルネットワークはモバイルネットワークオペレータに関連付けられてもよく、スモールセルネットワークはマクロセルネットワークのためのニュートラルホストネットワークを含んでもよく、ユーザデバイスは、マクロセルネットワークの加入者であってもよい。
【0012】
いくつかの例では、制御ハードウェアは、ユーザデバイスからリンク層統計値を受信するようにさらに構成されている。リンク層統計値は、ダウンリンク通信中の第1のネットワークおよび第2のネットワークの品質を示し得る。制御ハードウェアは、ダウンリンク通信中の第1のネットワークおよび第2のネットワークの品質に基づいて、第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも1つを介して1つまたは複数のデータパケットをルーティングし得る。ユーザデバイスは、第1のネットワークとインタフェースするように構成された複数の第1の制御プレーン層を提供する第1のインタフェースと、第2のネットワークとインタフェースするように構成された複数の第2の制御プレーン層を提供する第2のインタフェースと、リンク層統計値を収集して制御ハードウェアに提供するように構成されたアプリケーション層とを含み得る。制御ハードウェアは、第1のネットワークを介したユーザデバイスへの第1のデータフローの配信と第2のネットワークを介したユーザデバイスへの別個の第2のデータフローの配信とを同時にするフロー認識アグリゲーション手順を実行することにより1つまたは複数のデータパケットをルーティングするように構成されている。第1のデータフローおよび第2のデータフローは、第1のデータフローと第2のデータフローが実質的に等しい量のデータを搬送しているとき、第1のネットワークと第2のネットワークとの間で等しくバランスされ得る。
【0013】
いくつかの例では、第1のネットワークはスモールセルネットワークを含み、第2のネットワークはマクロセルネットワークを含む。制御ハードウェアは、第1のネットワークと第2のネットワークとの間でユーザデバイスにルーティングするための少なくとも1つのデータフローを同時に分割するフロー非依存性のアグリゲーション手順を実行することにより1つまたは複数のデータパケットをルーティングするようにさらに構成され得る。第1のネットワークはマクロセルネットワークを含み得るし、第2のネットワークはスモールセルネットワークを含み得る。制御ハードウェアは、第1のデータベアラおよび第2のデータベアラがそれぞれ同じアクセスポイント名を含んでいると決定し、第1のデータベアラおよび第2のデータベアラを第1のネットワークおよび第2のネットワークの両方を介してユーザデバイスにルーティングするようにさらに構成され得る。第2のネットワークの第2のサービングゲートウェイは、第1のネットワークの無線アクセス技術とは異なる無線アクセス技術を有する共有スペクトルのための信頼できる非第3世代パートナーシッププロジェクトアクセスとして第2のネットワークを関連付けるように構成された地上広域ネットワークに関連付けられてもよい。第1のベアラはインターネットデータに関連付けられてもよく、第2のベアラはインターネットプロトコルマルチメディアサブシステムデータに関連付けられてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、制御ハードウェアは、第1のネットワークまたは第2のネットワークのうちの1つを介してユーザデバイスからアップリンクデータパケットを受信し、受信したアップリンクデータパケットを外部ネットワークに送信するようにさらに構成される。ユーザデバイスはまた、第1のネットワークの第1の通信ノードから第1のモデム測定報告を受信し、第2のネットワークの第2の通信ノードから第2のモデム測定報告を受信し、受信された第1および第2のモデム測定報告に基づいて第1のネットワークまたは第2のネットワークのうちの1つを介してアップリンクデータパケットをルーティングすることによってアップリンクトラフィックを操作するように構成され得る。第1のモデム測定報告は、第1のネットワークにおけるトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅を示し得る。第2のモデム測定報告は、第2のネットワークにおけるトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅を示し得る。
【0015】
本開示の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の態様、特徴、および利点は、詳細な説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】マクロセルネットワーク及びスモールセルネットワークに対するユーザデバイスのデュアルアクセスを提供する例示的な無線ネットワークの概略図である。
図2A】スモールセルネットワークおよび/またはマクロセルネットワークを介してユーザデバイスにデータフローを導くためのパケットデータネットワークゲートウェイを提供するスモールセルネットワークの概略図である。
図2B】ユーザデバイスに接続されたマクロセルネットワーク及びスモールセルネットワーク間で可能にされるフロー認識アグリゲーション手順の概略図である。
図2C】ユーザデバイスに接続されたマクロセルネットワーク及びスモールセルネットワーク間で可能にされる例示的なフロー非依存性のアグリゲーション手順の概略図である。
図3A】マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークからダウンリンク通信を受信する例示的なユーザデバイスの概略図である。
図3B】ユーザデバイスからアップリンク通信を受信するマクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークの概略図である。
図4A】マクロセルネットワークおよび/またはスモールセルネットワークを介してユーザデバイスにデータフローを導くためのパケットデータネットワークゲートウェイを提供する例示的なマクロセルネットワークの概略図である。
図4B】2つの独立したベアラをマクロセルネットワークまたはスモールセルネットワークの異なるネットワークにルーティングする例示的なパケットデータネットワークゲートウェイの概略図である。
図4C】マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークのそれぞれへルーティングするための2つの独立したベアラを分割する例示的なパケットデータネットワークゲートウェイの概略図である。
図5】1つまたは複数の市民ブロードバンド無線サービス共有アクセスネットワークを提供するスモールセルコアネットワークと通信する例示的なモバイルネットワークオペレータコアネットワークの概略図である。
図6A】マクロセルネットワークおよび/またはスモールセルネットワークを介してユーザデバイスにデータフローを導くためのパケットデータネットワークゲートウェイを提供する例示的なマクロセルネットワークの概略図である。
図6B】マクロセルネットワークを介してユーザデバイスまたはスモールセルネットワークを介してユーザデバイスにデータフローを導くためのパケットデータネットワークゲートウェイを提供する例示的なマクロセルネットワークの概略図である。
図6C】マクロセルネットワークおよびスモールセルネットワークの両方を介してユーザデバイスにデータフローを導くためのパケットデータネットワークゲートウェイを提供する例示的なマクロセルネットワークの概略図である。
図6D】接続モードハンドオーバー中のデュアルエンタープライズモビリティ管理コンテキストユーザデバイス300の状態図を示す概略図である。
図7A】最適化を伴うマクロセルネットワークからスモールセルネットワークへのハンドオーバー中にマクロセルネットワークのパケットデータネットワークゲートウェイによって実行される例示的な処理を示す分割した図である。
図7B】最適化を伴うマクロセルネットワークからスモールセルネットワークへのハンドオーバー中にマクロセルネットワークのパケットデータネットワークゲートウェイによって実行される例示的な処理を示す分割した図である。
図8A】最適化を行わずにマクロセルネットワークからスモールセルネットワークへのハンドオーバー中にマクロセルネットワークのパケットデータネットワークゲートウェイによって実行される例示的な処理を示す分割した図である。
図8B】最適化を行わずにマクロセルネットワークからスモールセルネットワークへのハンドオーバー中にマクロセルネットワークのパケットデータネットワークゲートウェイによって実行される例示的な処理を示す分割した図である。
図9】例示的なコンピューティングデバイスの概略図である。
図10】第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも1つを介して1つまたは複数のデータパケットをユーザデバイスにルーティングする例示的な方法1000のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な図面における同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
図1を参照すると、いくつかの実施形態では、無線通信環境100は、マクロセルネットワーク101および/またはスモールセルネットワーク201を介して外部ネットワーク30と通信するユーザデバイス300を含む。いくつかの例では、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201は、異なるキャリアによって管理される。外部ネットワーク30は、インターネットであり得るパケットデータネットワーク(PDN)を含む。マクロセルネットワーク101は、1つまたは複数のマクロセル進化型ノードB(MeNB)140を介した外部ネットワーク30からユーザデバイス300へのデータパケット40および/または他のサービスの無線通信をサポートするロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)無線アクセスネットワー(RAN)を含み得る。いくつかの例では、マクロセルネットワーク101は、ネットワーク101を介して加入者ユーザデバイス300に無線通信サービスを提供するモバイルネットワークオペレータ(MNO:mobile network operator)に関連付けられている。したがって、用語「マクロセルネットワーク101」および「MNOコア」は、本明細書では交換可能に使用され得る。スモールセルネットワーク201は、1つまたは複数のスモールセル進化型ノードB(SeNB)240を介した外部ネットワーク30からユーザデバイス300へのデータパケット40および/または他のサービスの無線通信をサポートするLTE RANを含み得る。例えば、スモールセルネットワーク201に加入しているユーザデバイス300は、SeNB240を使用してユーザデバイス300をスモールセルネットワーク201に接続する現場20または現場20の近くに存在し得る。
【0018】
各eNB140,240は、LTEエアインタフェースのアナログおよびデジタル信号処理機能を使用するユーザデバイス300と通信するデバイスを含む。各eNB140,240は、特定の地理的エリアの通信カバレージを提供するとともに、カバレージエリア内に位置するユーザデバイス300のための無線通信をサポートするための基地局またはアクセスポイントとして呼称され得る。ここで、スモールセルネットワーク201に関連するSeNB240は、MeNB140によってサービスされるマクロセルネットワーク101よりも小さいカバレージエリアを提供する。いくつかの構成では、スモールセルネットワーク201は、両方のネットワーク101,201によって共有される、ネットワーク101,201の両方にわたるネットワークトラフィック負荷を同時にバランスするPDNゲートウェイ(PGW)210(図2A)を使用する。これらの構成において、スモールセルネットワーク201のPGW210は、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201中のネットワークトラフィックをアグリゲーションする。他の構成では、マクロセルネットワーク101は、両方のネットワーク101,201によって共有される、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201間のネットワークトラフィックを能動的に切り替えるPGW110(図4Aおよび図6A)を使用する。これらの構成において、スモールセルネットワーク201のオペレータは、マクロセルネットワーク101のMNOによって動作されるPGW110とインタフェースするコンポーネントを提供する。
【0019】
ユーザデバイス300は、無線通信のための任意の所与の動作において、eNB140,240の一方または両方と通信する。ユーザデバイス300は、固定式であっても移動式であってもよく、ユーザ機器、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、またはステーションと呼称され得る。ユーザデバイス300は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、無線通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、または他のモバイルコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0020】
図2Aを参照すると、いくつかの実施形態では、概略図200,200aは、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201の両方によって共有されるPGW210を使用するスモールセルネットワーク201を含むシステムを示す。マクロセルネットワーク101は、サービングゲートウェイ(SGW)120、モビリティ管理エンティティ(MME)130、およびMeNB140を含む。スモールセルネットワーク201は、PGW210、SGW220、MME230、ホーム加入者サーバ(HSS)250、およびSeNB240を含む。
【0021】
各SGW120,220は、データルーティングおよび転送、ならびにモビリティアンカーリングなどのユーザデバイス300のIPデータ転送に関連する様々な機能を実行する。SGWは、ユーザデバイス300に対するデータパケット40のバッファリング、ルーティング、および転送などの機能を実行することができる。各MME130,230は、これに限定されないが、非アクセス層(NAS:Non Access Stratum)に対するシグナリングおよびセキュリティの制御、ユーザデバイス300の認証およびモビリティ管理、ユーザデバイス300のためのゲートウェイの選択、およびベアラ管理機能などのいくつかの機能を実行する。HSS250は、ユーザデバイス300の加入関連情報(例えば、ユーザプロファイル)および位置情報を格納し、ユーザの認証および認可を実行し、要求されたときにユーザ位置およびルーティング情報に関する情報を提供することができる。
【0022】
PGW210(および図4A図4Cおよび図6A〜6CのPGW110)は、これに限定されないが、ユーザデバイス300に対するデータコネクティビティの維持、インターネットプロトコル(IP)アドレス割り当て、ユーザデバイス300に対するパケットフィルタリング、サービスレベルゲーティング制御およびレート強制、クライアントおよびサーバに対する動的ホスト構成プロトコル(DHCP)機能、およびゲートウェイ汎用パケット無線サービス(GGSN)機能などのいくつかの機能を実行する。PGW210はまた、外部ネットワーク30(例えば、PDN)へのSGiインタフェースの終点である。SGiは、データサービスをプロビジョニングするためのPGW210とPDN30との間の基準点である。PGW110,210は、上述の機能を実行するための制御ハードウェアを含む。
【0023】
図2Aは、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201の両方によって共有され、両方のネットワーク101,201にわたるネットワークトラフィック負荷を同時にバランスするPGW210を動作させるスモールセルネットワーク201を示す。いくつかの例では、ユーザデバイス300は、スモールセルネットワーク201およびマクロセルネットワーク101の両方に対する加入者であり、ネットワーク101,201は異なるキャリアに関連付けられている。ユーザデバイス300は、ネットワーク101,201の各々へのデュアルコネクティビティのために構成されてもよく、マクロセルネットワーク101をアクセスアグリゲーションまたはスモールセルネットワーク201によるカバレージの欠如のために使用してもよい。PGW210は、ネットワーク101,201の各々を介してPDN30から受信されたデータパケット40をデータベアラ12,12a−bによりルーティングするように構成されている。ベアラ12は、例えば容量、遅延、ビット誤り率などの定義された特性の情報伝送経路を指す。データベアラ12は、PGW210とユーザデバイス300との間でデータパケット40を交換するベアラである。データベアラ12a、12bは、それぞれマクロセルおよびマイクロセルLTEネットワーク101,201のための進化型パケットシステムEPS(Evolved Packet System)ベアラを指す。いくつかの例では、スモールセルネットワーク201にアクセスする1つまたは複数のデータベアラ12aは、ユーザデバイス300がSeNB240を介してスモールセルネットワーク201に接続したときに確立し、マクロセルネットワーク101にアクセスする1つまたは複数のデータベアラ12bは、ユーザデバイス300がMeNB140を介してマクロセルネットワーク101に接続したときに確立する。データベアラ12は、関連データベアラ12を介して送信されたデータパケット40をフィルタリングするために使用されるトラフィックフローテンプレート(TFT:traffic flow templates)、ユーザデバイス300とPGW210との間のデータ転送のためのサービス品質(QoS:quality−of−service)パラメータ、スケジューリングポリシーに関連するパケット転送処理、キュー管理ポリシー、レートシェーピングポリシー、無線リンク制御(RLC)構成、および/または他の特性を提供する。いくつかの例では、ユーザデバイス300は、スモールセルネットワーク201を介して1つのデータベアラ12aと共にインターネット30からのダウンロードに関連するデータパケット40を受信し、マクロセルネットワーク101を介して別のデータベアラ12bと共にボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP:Voice−over−IP)通信に関連するデータパケット40を受信するように構成されている。
【0024】
MeNB140およびSeNB240はそれぞれ、MME130,230のそれぞれによって管理される。さらに、MeNB140およびSeNB240は、2つの異なるトラッキングエリアを含み、MeNB140およびSeNB240からのベアラ12a、12bが、SGW120,220のそれぞれにマップするようになる。
【0025】
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、概略図200bは、スモールセルネットワーク201においてPGW210が、ネットワーク101,201のそれぞれにデータパケット40の異なるフローを配信するフロー認識アグリゲーション手順を実行することを示す。即ち、フロー認識アグリゲーション手順の間、PGW210は、データパケット40の単一フローを配信して、ネットワーク101,201のうちの1つを通過するだけにし、一方、別のデータパケット40のフローを配信して、他のネットワーク101,201を通過するだけにする。図2Bは、マクロセルネットワーク101を通過するだけのベアラ12bに沿った第1のデータパケットフロー241と、スモールセルネットワーク201を通過するだけのベアラ12bに沿った第2のデータパケットフロー242とを同時に配信するPGW210を示す。ここで、PGW210によって可能なフロー認識アグリゲーション手順は、フロー241,242の各々が等しい量のトラフィック(例えば、データパケット40)を搬送しているときに、ネットワーク101,201の各々の間のネットワークトラフィックのバランスを取る。ストリーミングビデオに関連するデータパケット40を送るときのように、ベアラ12aまたは12bのうちの1つが他よりも多くのデータ40を搬送するとき、より多くのデータを搬送するネットワーク101,201を介するトラフィックフローは重くなる。
【0026】
図2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、概略図200cは、スモールセルネットワーク201におけるPGW210およびユーザデバイス300が、2つ以上のネットワーク101,201の間でデータパケット40の所与のフローを分割することによってフロー非依存性のアグリゲーション手順を実行することを示す。分割によるデータパケット40の分配(例えば、ダウンリンクおよび/またはアップリンク)は、RAN条件、ネットワーク容量、リンク容量、および他のメトリックに基づくことができる。図2Cは、各ベアラ12a、12bに沿った第1のデータパケットフロー241および第2のデータパケットフロー242を分割するPGW210を示す。ここで、フロー非依存性のアグリゲーション手順は、ベアラ12a、12bの各々に関連する最大リンク容量を利用しつつ、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201を通過するトラフィックの均一な分配を達成する。図2Bおよび図2Cの各データパケットフロー241,242は、5タプル(tuple)によって定義され、かつソースIP、宛先IP、IPプロトコル、ソースポート、および宛先ポートを含むことができる。
【0027】
従って、図2Aのスモールセルネットワーク201におけるPGW210を用いたネットワーク構成は、シームレスなモビリティを提供し、かつ、フロー認識アグリゲーション手順およびフロー非依存性のアグリゲーション手順の両方が、MNOによって管理されるMeNB140への変更を含む、マクロセルネットワーク101への変更を何ら加えることなく、可能となるようにすることができる。しかしながら、ユーザデバイス300は、ネットワーク選択およびネットワーク101,201を通過するトラフィック操作を実行するために構成変更を必要とすることがある。さらに、スモールセルネットワーク201におけるPGW210は、両方のネットワーク101,201を通過するキャリアアグリゲーションモデルを使用できるようにする必要があり得る。いくつかの場合、ユーザデバイス300は、両方のネットワーク101,201を通過するキャリアアグリゲーションモデルを、スモールセルネットワーク201が所有するサブスクリプションに対して使用可能にすることが必要となる。追加的または代替的に、スモールセルネットワーク201がマクロセルネットワーク101に加入するニュートラルホストネットワークに関連している場合、ユーザデバイス300は、両方のネットワーク101,201を通過するキャリアアグリゲーションモデルを有効にする必要があり得る。対照的に、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201へのデュアルコネクティビティのための第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)による概略のオプションは、(1)マクロセルネットワーク101における単一のSGW120がベアラ12のうちの1つをSeNB240にハンドオフする場合に同じキャリアによって両方のネットワーク101,201が制御されること、(2)MeNB140を使用してベアラ12の1つを分割し、分割ベアラ12を直接SeNB240にハンドオフすることのいずれかを必要とする。したがって、第2のオプションでは、マクロセルネットワーク101におけるMeNB140は、スモールセルネットワーク201に対するアクセスを制御する。
【0028】
図3A及び図3Bは、ネットワーク101,202の両方が共有するPGW210を用いたマクロセルネットワーク101及びスモールセルネットワーク201と通信するユーザデバイス300の一例を示している。スモールセルネットワーク201を用いて共有PGW210を使用することにより、ユーザデバイス300は、フロー認識アグリゲーション手順(図2B)またはフロー非依存性のアグリゲーション手順(図2C)のいずれかを実行するPGW210からネットワーク101,201を介してデータパケット40を受信するように構成されている。
【0029】
ユーザデバイス300は、データ処理ハードウェアを含み、ユーザプレーンおよび制御プレーンを介してネットワーク101,201のそれぞれと通信するための1つまたは複数のアンテナを使用する。ユーザプレーンは、上位層アプリケーションのためのデータを搬送するとともに、ユーザプレーンベアラを使用する。ユーザプレーンベアラは、通常、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル(TCP)、およびインターネットプロトコル(IP)などの標準プロトコルで実施される。したがって、ユーザデバイス300は、ユーザプレーンに関連付けられたアプリケーションIP層(AP層)302を含む。制御プレーンは、データ(例えば、シグナリング)を搬送し、典型的には、ネットワーク特有のプロトコル、インタフェース、およびNASメッセージおよび無線リソース制御(RRC)メッセージなどのシグナリングメッセージで実施される。例えば、ユーザデバイス300と各ネットワーク101,201との間のデータパケット40のトラフィックは、制御プレーンを介して送信されてもよい。ユーザデバイス300は、マクロセルネットワーク101とインタフェースするように構成された複数の制御プレーン層314を提供するマクロセルインタフェース310と、スモールセルネットワーク201とインタフェースするように構成された複数の制御プレーン層324を提供するスモールセルインタフェース320とを提供する。インタフェース310,320の各々は、同じIPアドレスを含むRANインタフェースであってもよい。いくつかの例では、制御プレーン層314,324は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、RLC構成層、および物理(PHY)層を含む。
【0030】
図3Aを参照すると、ユーザデバイス300は、ダウンリンク通信を介してネットワーク101,201と通信する。ダウンリンクは、eNB140,240からユーザデバイス300への通信リンクを指す。スモールセルネットワーク201におけるPGW210は、ネットワーク101,201のリアルタイム状態に基づいてマクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201のそれぞれを介したダウンリンクデータパケットフロー40のバランスを管理する。いくつかの例では、PGW210は、ユーザデバイス300のAP層302によって収集され、ネットワーク101,201の品質を示すリンク層統計値304を周期的に受信することによってネットワーク101,201の品質を決定する。リンク層統計値304は、受信信号強度/受信電力、受信信号品質、経路損失、ジオメトリなどを示すことができる。PGW210がネットワーク101,201の品質を示すために使用するリアルタイム状態は、課金およびポリシーサーバからのデータパケット40のバイト当たりのコストの取得、PGW210を流れるデータパケット40のローカルモニタリング(例えば、パケット間ジッター、パケット損失のTCP分析など)、および/またはアグリゲートアプリケーションパフォーマンスの他の発見的および統計的測定値(例えば、呼の切断、音声レイテンシにおける過度の待ち時間、ビデオ再バッファリングなど)を含み得る。したがって、PGW210は、ユーザデバイス300へのダウンリンク通信のために各ネットワーク101,201上に所与のデータパケット40をルーティングするか否かを動的に決定するために、1つまたは複数のリアルタイム状態でネットワーク品質を決定する。
【0031】
図3Bを参照すると、ユーザデバイス300は、オプションで、アップリンク通信を介してネットワーク101,201と通信する。アップリンクは、ユーザデバイス300からMeNB140および/またはSeNB240への通信リンクを指す。したがって、ユーザデバイス300は、アップリンク通信を実行するために送信TX無線チェーンをサポートしなければならない。AP層302は、アップリンク通信のためにデータパケット40をフィルタリングすることができる。AP層302は、マクロセルインタフェース310またはスモールセルインタフェース320のいずれかを介したデータパケット40のアップリンクルーティングのためのトラフィック操作を実行する。いくつかの例では、AP層302は、マクロセルネットワーク101を介したトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅に関連する情報を示すモデム測定報告306をMeNB140から受信する。追加的または代替的に、AP層302は、スモールセルネットワーク201を介したトラフィックおよび/または利用可能な帯域幅に関連する情報を示すモデム測定報告308をSeNB240から受信する。AP層302は、インテリジェントスイッチングアルゴリズムにおいて受信したモデム測定報告306,308を使用して、マクロセルインタフェース310またはスモールセルインタフェース320のうちの1つを介してデータパケット40をルーティングすることによってアップリンクトラフィックを操作することができる。AP層302がマクロセルインタフェース310を介してデータパケット40をルーティングする場合、関連する制御層314はデータパケット40をMeNB140を介してマクロセルネットワーク101に送信して、データパケット40が関連するベアラ12に沿ってMME130およびSGW120に流れ、データパケット40をスモールセルネットワーク201におけるPGW210にハンドオフする。AP層302がスモールセルインタフェース320を介してデータパケット40をルーティングする場合、関連する制御層324は、データパケット40をSeNB240を介してスモールセルネットワーク201に送信して、データパケット40が関連するベアラ12に沿ってMME230、SGW220、およびPGW210に流れる。
【0032】
いくつかの場合、ユーザデバイス300は、MNOによって操作されるマクロセルネットワーク101の加入者であり、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201に接続することによって、スモールセルネットワーク201は、マクロセルネットワーク101用のニュートラルホストネットワークを含む。しかし、PGW110(図4Aおよび図6A)がマクロセルネットワーク101で使用され、かつマクロセルネットワークおよびスモールセルネットワーク101,201の両方で共有される場合、同一のアクセスポイント名(APN)に関連付けられた2つのベアラ12a、12bを、所与の無線アクセス技術(RAT)に関して2つの異なるSGW120,220に分配することができない。例えば、進化型ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:Evolved Universal Mobile Telecommunication System)地上無線アクセス(EUTRA)RATおよび同じEUTRA RATを提供するマクロセルの共有スペクトル上では、マクロセルネットワーク101におけるPGW110を変更することなく、複数のベアラを異なるSGW120,220上にルーティングすることができない。
【0033】
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態において、概略図400,400aは、マクロセルネットワーク101におけるPGW110を変更することなく、マクロセルネットワーク101におけるPGW110が複数のベアラ12を2つの異なるSWG120,220にルーティングすることができるようにするために、マクロセルネットワーク101とは異なるRATを含む、スモールセルネットワーク201とマクロセルネットワーク101との間の共有スペクトルを示す。いくつかの例では、3.5GHzの共有スペクトルが異なるRATとして使用される。
【0034】
図4Aは、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201の両方によって共有されるPGW110を使用するマクロセルネットワーク101を示す。マクロセルネットワーク101は、PGW110、SWG120、MME130、HSS150、およびユーザデバイス300と通信するMeNB140を含む。スモールセルネットワーク201は、地上広域ネットワーク(TWAN)215に関連するSWG220、MME230、およびユーザデバイス300と通信する1つまたは複数のSeNB240,240a−cを含む。スモールセルネットワーク201によって使用されるSWG220は、MME230に向けてのS11インタフェースを提供し、かつマクロセルネットワーク101におけるPGW110と、S2Aインタフェースを介して一般無線のパケット無線サービストンネリングプロトコル(GTPU)によって通信する。TWAN215は、スモールセルネットワーク201を、マクロセルネットワーク101とは異なるRATの共有スペクトルのための信頼できる非3GPPアクセスとして扱うことを可能にして、それにより、マクロセルネットワーク101におけるPGW110が、同じAPNに対してベアラ12をマクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201の両方にルーティングすることが可能となる。いくつかの例では、PGW110は、ベアラ12a、12bの各々を表す外部ネットワーク30における両方のPDN接続に同じIPアドレスを提供する。
【0035】
図4Bを参照すると、概略図400bは、SGW220およびTWAN215を介してスモールセルネットワーク201を通過するインターネットデータに関連する第1のベアラ12aと、SGW120を介してマクロセルネットワーク101を通過するIPマルチメディアサブシステム(IMS)データに関連する第2のベアラ12bとを同時にルーティングするPGW110を示す。図4Cを参照すると、概略図400cは、マクロセルネットワーク101とスモールセルネットワーク201との間で別個の第1および第2のベアラ12a、12bを分割するPGW110を示す。例えば、PGW110は、インターネットデータおよびIMSデータの個々のデータに関連する第1および第2のベアラ12a、12b間の分割したものをSGW120を介してマクロセルネットワーク101を通過するようにルーティングする。同様に、PGW110は、第1および第2のベアラ12a、12b間の分割したものをSGW220およびTWAN215を介してスモールセルネットワークを通過するようにルーティングする。
【0036】
したがって、図4Aのマクロセルネットワーク101におけるPGW110を用いたネットワーク構成は、シームレスなモビリティを提供するとともに、MNOによって管理されるMeNB140への変更を含む、マクロセルネットワーク101への変更を何ら加えることなく、フロー認識アグリゲーション手順(図2B)を実行することを可能にする。スモールセルネットワーク201においてPGW210を使用する図2Aのネットワーク構成とは逆に、マクロセルネットワーク101においてPGW110を使用する図4Aのネットワーク構成は、フロー非依存性のアグリゲーション手順(図2C)の実行を可能にしない。
【0037】
いくつかの実施形態では、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201が協働して、市民ブロードバンド無線サービス(CBRS:Citizens Broadband Radio Service)スペクトルへのアクセスを提供する。CBRSは、商業的な使用に対する3550〜3700MHz帯域内の150MHzのスペクトルを含む。例えば、民間企業、会場、および固定オペレータは、CBRSスペクトルを使用して、MNOのすべてのモバイルネットワーク加入者がローミングできる高品質のビル内LTEネットワークを導入することができる。このように、MNOは、加入者が特に屋内の場所や企業のキャンパスのような場所で一貫したワイヤレスブロードバンド体験を達成しつつ、CBRSスペクトル内の拡張されたフットプリントおよび容量の利点を得ることができる。図5は、複数の自立CBRS共有アクセスネットワーク(CSAN:CBRS shared access networks)540,540a−nを提供するためにスモールセルネットワーク201と通信するMNOにそれぞれ関連する例示的なマクロセルネットワーク101(例えば、MNOコア)の概略図500である。MNOコア101は、スモールセルネットワーク201と統合されて、CSAN540の加入者ユーザデバイス300のネットワーク性能およびユーザエクスペリエンスに対するオペレータ制御および可視性を可能にする。例えば、CSAN540とMNOコア101との間の直接サービスパリティを可能にし、かつCSAN540へのアクセスおよびCSAN540からの移行をユーザデバイス300に対応するエンドユーザには知覚できないようにするために、MNOコア101およびスモールセルネットワーク201は、3GPPシグナリングおよびデータプレーンインターフェイスならびにアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)と組み合わせた管理ポータルを使用し得る。APIは、CSAN−MNO課金ポリシーをパスし得る。
【0038】
さらに、MNOコア101とCSAN540との間の統合は、CSAN540およびMNOコア101の独立したスケーリングと、CSAN540上のオフロード適格性(offload eligibility)の動的制御を提供する。例えば、CSAN540は、オンボーディング、相互運用性、およびMNOコア101からの統合を切り離すことができるが、MNOコア101は同様に、CSAN540の大きなセットを切り離すことができる。ここで、スモールセルネットワーク201は、複数のCSAN540をアグリゲーションし、MNOに関する均一なサービスドメインに統合するとともに、MNOコア101を相互運用性および認証試験から独立させることによってスモールセルのコモディティ化をもたらす。
【0039】
図6Aを参照すると、いくつかの実施形態において、概略図600,600aは、標準的なローミング適合インタフェースを使用して、対応するMNOコアネットワーク101(例えば、MNO1)とインタフェースするスモールセルコアネットワーク(SCONE:small−cell core network)201を示す。MNOコア101は、加入者ユーザデバイス300に1つまたは複数のMeNB140を介してマクロセル無線アクセスネットワーク640を提供することができ、SCONE201は、1つまたは複数のSeNB240を介して加入者ユーザデバイス300に1つまたは複数のCSAN540を提供することができる。いくつかの例において、CSAN560は、標準LTE RATを含み、マクロセル無線アクセスネットワーク640およびCSAN540上の独立したモビリティ管理によってRAN統合は提供されない。いくつかの例では、ユーザデバイス300は、マクロセル無線アクセスネットワーク640とCSAN540との間でハンドオーバーを可能にするデュアルコンテキストユーザデバイスである。
【0040】
いくつかの実施形態では、SCONE201は、SCONE201と、MNOコア101および1つまたは複数のCSAN540の対応するものとの間に管理プレーンインタフェースを提供する通信端末270を含む。例えば、SCONE 201は、マネージメントプレーンインタフェースAPIを介してMNOコア101においてオペレーションサポートシステム/ビジネスサポートシステム(OSS/BSS)モジュール156と通信するMNOポータルを含むことができる。同様に、SCONE201は、加入者ユーザデバイス300のためのCSAN540を提供する1つまたは複数のSeNB240と通信するCSANオペレーション、管理、および保守(OAM)インタフェースモジュールを含むことができる。
【0041】
MNOコア101におけるPGW110は、MNOコア101におけるPGWを変更することなく、複数のベアラを2つの異なるSWG120,220にルーティングする。PGW110は、音声トラフィックおよびインターネットトラフィックをSCONE201におけるSGW220(SC−SGW)にルーティングして、1つまたは複数のCSN540を介して加入者ユーザデバイス300に音声トラフィックおよびインターネットトラフィックを提供するためにSC−SGW220が音声トラフィックおよびインターネットトラフィックを1つまたは複数のSeNB240にルーティングすることができる。同様に、PGW 110は、音声トラフィックおよびインターネットトラフィックをMNOコア101におけるSGW120にルーティングして、マクロセルRAN640を介して加入者ユーザデバイス300に音声トラフィックおよびインターネットトラフィックを提供するためにSGW120が音声トラフィックおよびインターネットトラフィックを1つまたは複数のMeNB140にルーティングすることができる。MNOコア101は、MNOコア101におけるPGW110が使用するオフライン課金システム(OFCS)およびオンライン課金システム(OCS)モジュール154と、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)とを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、SCONE201は、マクロセルRAN640およびCSAN540ドメイン内のユーザデバイス300上のデュアルエンタープライズモビリティ管理(EMM)コンテキスト、標準E−UTRAN認証、およびモビリティおよびセッション管理手順を使用してモビリティ管理を提供する。MNOコア101とSCONE201との間のインタフェースは、MNOコア101への変更がないと仮定する1秒未満のマクロセルRAN640とCSAN540のうちの1つとの間のハンドオーバーレイテンシ、およびNMOコア101におけるPGW110に対する小規模の変更のみを必要とする500ミリ秒未満のハンドオーバーレイテンシを提供し得る。変更されていないユーザデバイス300は、オプションで、CSAN540とマクロセルRAN5650との間のアイドルモードモビリティを可能にすることによってCSAN540ですべてのサービスにアクセスすることができるが、接続モードのハンドオーバーは混乱する可能性がある。いくつかの例では、ユーザプレーンは、CSAN540上のマクロセルRAN640パリティおよび/またはローカルブレークアウト用のAPNごとのオプションによるホームルーティングを提供するオペレータ制御のGiローカルエリアネットワーク(LAN)サービスを含む。SCONE201はまた、CSAN540におけるオンボーディングおよびフェデレーティングを担当し、かつユーザプレーンの可視性のためにオペレータに統一されたオペレーティングシステムダッシュボードおよびAPIを提供することを担当することもできる。ユーザプレーンはまた、ユーザレベルの細分性を有する各CSAN540配置におけるマクロオフロード適格性を管理するためのオペレータ制御を提供してもよい。
【0043】
追加的または代替的に、MNOコア101は、制御プレーンおよび/またはMeNB140を介してOSS/BSSモジュール156と通信してマクロセルRAN640を提供するように構成されたMNOセルフオペレーティングネットワーク(SON)/エレメント管理システム(EMS)モジュール132を含むことができる。CSAN540とマクロセルRAN640との間のモビリティは、標準的なS1ハンドオーバーを使用して、またはオプションとして、MNOコア101およびSCONE201の対応するものにおけるMME130,230との間の追加のS10統合インタフェースを介して行われてもよい。いくつかの例では、マクロセルRAN640およびCSAN540は、互いに通信して公称管理プレーンシグナリングを使用してハンドオーバー状態を可能にする。例えば、ネットワーク540,640は、近隣関係、ハンドオーバー閾値構成、またはアイドルモードセル選択ヒントのうちの1つまたは複数を通信することができる。
【0044】
図6Bを参照すると、概略図600,600bは、デュアルコンテキストユーザデバイス300がマクロセルeNB140またはSeNB240の対応するものを介してマクロセルRAN640に同時にEMM登録を維持している間、MNOコア101およびSCONE201におけるMME130,230が共有スペクトル上で独立した登録およびコンテキストを維持することを示している。上側部分601は、マクロセルRAN640を介したサービスにアクセスするためにMeNB140に接続されたユーザデバイス300を示し、下側部分602は、1つまたは複数のCSAN540を介したサービスにアクセスするためにSeNB240へのハンドオーバーを完了するユーザデバイス300を示す。いくつかの例では、ハンドオーバーは、ターゲットネットワーク101または201上にあり、かつソースネットワーク101または201上でアイドリングしているユーザデバイス300によるサービス要求に応答して実行する。いくつかの例では、MNOコア101におけるPGW110およびHSS150は、500ミリ秒未満のハンドオーバーレイテンシで完了するように強化される。
【0045】
MNOコア101におけるPGW110は、複数のベアラ12を2つの異なるSWG120,220にルーティングすることができる。上部601において、MNOコア101におけるMME130は、EMMが登録され、かつEPSモビリティ管理および接続管理(ECM)状態とRRC状態が両方ともデュアルコンテキストユーザデバイス300に接続されるアクティブなコンテキストにある。逆に、SCONE201におけるMME230は、EMMが登録され、かつECM状態およびRRC状態が両方ともアイドルであるアイドルコンテキストにある。下側部分602において、ユーザデバイス300が、CSAN540上のサービスにアクセスするためにスモールセルeNB240へのハンドオーバーを完了すると、MNOコア101におけるMME130は、ECM状態およびRRC状態が現在アイドルであるアイドルコンテキストにあり、接続されたECM状態およびRRC状態を提供するためにSCONE101におけるMME230がアクティブなコンテキストにある。図6Dは、接続モードのハンドオーバー中のデュアルEMMコンテキストユーザデバイス300の状態図を示す概略図600,600dを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、図6Cを参照すると、概略図600,600cは、MME130,230の両方に対してアクティブなコンテキストおよび登録されたEMMを提供するためにマクロセルRAN640とCSAN540との両方に同時に接続されたデュアルコンテキストユーザデバイス300を示す。例えば、メイクビフォアブレーク(例えば、ゼロパケット損失)ハンドオーバーを可能にするためにECM状態およびRRC状態は両方のMME130,230で接続される。ユーザデバイス300によるネットワーク540,640へのデュアル接続は、デュアルEMM登録に加えて、ユーザデバイスに対するマルチ無線サポートを必要とする。いくつかの例では、MNOコア110におけるPGW110は、ダウンリンクトラフィックフローテンプレートを使用することによって、PDNセッションのための複数のベアラコンテキストを提供する。例えば、フロー操作は、ダウンリンク送信のためにPGW110上で、アップリンク送信のためにユーザデバイス300上で発生し得る。いくつかの例では、マクロセルRAN630とCSAN540との間のモビリティは、ターゲットネットワークへのフロー操作更新として成立する。
【0047】
図7Aおよび図7Bは、コンテキストスイッチ型PDNセッションを使用することによる最適化を伴うMNOコア101からSCONE201へのハンドオーバー中にMNOコア101のPGW110が実行する例示的な処理を示す分割した図700である。図700は、マクロセルRAN640から1つまたは複数のCSAN540へのユーザデバイス300のハンドオーバーを通して図6A〜6Dを参照して説明される。図700の処理は、図7Aおよび7Bに分割されている。垂直y軸は、上から下に向かって時間が増加していることを示す。UE300がEMM登録されており、かつSCONE201を伴うRRC状態がアイドルであることを示すユーザデバイス(UE)300からの信号を受信することに応答して、時間(1)において、MNOコア101におけるPGW110は、MNOマクロE−UTRANアタッチ手順を提供し、その後、UE300にMNOコア101のダウンリンクデータを提供する。時間(2)において、UE300は、スモールセルネットワークアタッチの初期化をトリガするためにPGW110にアップリンクデータを提供し、その後、時間(3)において、送信機および/または受信機(Rx)をスモールセルネットワーク201に対してチューンアウェイ(tune away)して、アップリンクを停止する。時間(3a)において、PGW110は、マクロセルダウンリンクデータを破棄するようにUE300に通知し、その後、MeNB140は、時間(3b)でUE300にRLC再送信を提供する。
【0048】
時間(3c)において、MeNB140は、MNOコア101におけるMME130に信号を送り、最大再送信閾値を超えたことをMNOコア101に通知した後、時間(3d)において、MME130にUE300とのアクティブコンテキストの解放を要求する。時間(3e)において、MNOコア101におけるMME130がアイドルコンテキストにあり、ECM状態およびRRC状態が現在アイドルであることを示す指示をMME130から受信したことに応答して、時間(3f)において、MNOコア101におけるSGW120は、MNOコア101を介するアクセスベアラを解放する。
【0049】
時間(4)において、UE300は、1つまたは複数のCSANS540を介してサービスにアクセスするためにSCONE201におけるSeNB240にRRC接続要求を送信し、時間(5)において、RRC接続設定をSeNB240から受信し、時間(6)において、UE300がSeNB240とのRRC接続を完了できるようにする。時間(7)において、SCONE201におけるSeNB240は、非アクセス層(NAS)を要求する初期UEメッセージをSCONE201におけるMME230に送信し、時間(8)において、MME230は、UE300のNASメディアアクセス制御(MAC)層のNASセキュリティコンテキストを検証する。いくつかの例では、時間(9)および(10)において、UE300およびMNOコア101におけるHSS150は、オプションとして、認証/セキュリティ情報を互いに通信する。
【0050】
時間(10)において、SCONE201におけるMME230は、MeNB240に初期コンテキスト設定要求を提供する。その後、時間(11a)において、MeNB240は、RRC再構成要求をUE300に送信し、時間(11b)において、UE300からRRC再構成応答を受信する。UE300は、MNOコア101からページを受信するためにRxを定期的に再チューニングし、SCONE201用のアップリンクデータをMNOコア101におけるPGW110に供給する。時間(13)において、MeNB240は、MME230に初期コンテキスト設定要求を提供し、その後、時間(14)において、MME230は、SCONE201におけるSGW220とのベアラ要求を変更して、時間(15)において、SGW220にMNWコア101におけるPGW110とのベアラ要求を変更させる。SCONE110におけるSGW220から変更されたベアラ要求を受信したことに応答して、時間(16)において、PGW110はSCONEダウンリンク送信のためのダウンリンクTFTを更新し、変更されたベアラ応答をSGW220に提供する。時間(17)において、SGW220は、変更されたベアラ応答をMME230に提供し、PGW110がSCONE201に対するダウンリンクデータをUE300に提供できるようにする。
【0051】
図8Aおよび図8Bは、コンテキスト再配置を使用して最適化することなくMNOコア101からSCONE201へのハンドオーバー中にMNOコア101のPGW110が実行する例示的な処理を示す分割した図800である。図800は、マクロセルRAN640から1つまたは複数のCSAN540へのユーザデバイス300のハンドオーバーを通して図6A〜6Dを参照して説明される。図8の処理は、図8Aおよび図8Bに分割されている。垂直y軸は、上から下に向かって時間が増加していることを示す。時間(1)において、MNOコア101におけるPGW110は、MNOマクロE−UTRANアタッチ手順を提供し、その後、MNOコア101のダウンリンクデータをUE300に提供する。時間(2)において、UE300は、PGW110へのアップリンクデータを提供して、スモールセルネットワークアタッチの初期化をトリガし、その後、時間(3)において、送信機(Tx)および/または受信機(Rx)をスモールセルネットワークに対してチューンアウェイして、アップリンクを停止する。時間(3a)において、PGW110は、マクロセルダウンリンクデータを破棄するようにUE300に通知し、その後、時間(3b)において、MeNB140は、UE300にRLC再送信を提供する。
【0052】
時間(4)において、UE300は、MeNB240に初期アタッチ要求(例えば、ハンドオーバー要求)を送信し、時間(5)において、SCONE201におけるMeNB240は、SCONE201におけるMME230に初期アタッチ要求を送信する。時間(5a)において、MME230は、UE300の識別を要求し、時間(5b)において、UE300から識別応答を受信する。その後、MME230は、MNOコア101におけるHSS150からの認証情報を要求し、HSS150はその要求に応答してMME230に認証情報応答を返す。時間(6a)において、MME230は、UE300に認証要求を提供し、時間(6b)において、UE300から認証応答を受信する。時間(7a)において、SCONE201におけるMME230は、HSS150からの更新位置を要求する。時間(7b)において、HSS150は、MNOコア101におけるMME130との位置をキャンセルするように要求し、時間(7c)において、MME130は、HSS150とのキャンセルされた位置を受け入れる。時間(7d)において、HSS150は、SCONE201におけるMME230に更新された位置応答を提供する。
【0053】
時間(8a)において、HSS150は、MME130との削除セッションを要求し、時間(8b)において、MME130は、HSS150との削除セッションを受け入れる。時間(9)において、SCONE201におけるMME230は、CSW220にCS要求を提供し、時間(10)において、SGW220は、MNOコア101におけるPGW110にCS要求を中継する。その後、時間(11)において、PGW110は、PCRF152と共にIP−CANセッション変更手順(E−UTEAN)を実行し、時間(12)において、PGW110は、SCONE201におけるSGW220にCS応答を返す。時間(13)において、SGW220は、CS応答をMME230に中継し、時間(14)において、MME230は、SCONE201におけるeNB240との初期コンテキスト設定を要求する。その後、時間(15a)において、MeNB240は、UE300にRRC再構成要求を送信し、時間(15b)において、UE300からRRC再構成応答を受信する。eNB240は、初期コンテキスト設定応答をMME230に提供する。
【0054】
UE300は、時間(17)において、eNB240にダイレクト転送を送信し、時間(18)において、MeNB240は、UE300によるSCONE201へのアタッチが完了したことを示すMME230へのダイレクト転送を中継する。したがって、UE300は、SCONE201のためのアップリンクデータをMNOコア101におけるPGW110に直ちに提供することができる。時間(19)において、MME230は、SGW220とのベアラ要求を変更して、時間(20)において、SGW220にMNOコア101におけるPGW110とベアラ要求を変更させる。SCONE201におけるSGW220から変更されたベアラ要求を受信したことに応答して、時間(21)において、PGW110は、SGW220に変更されたベアラ応答を提供する。時間(22)において、SGW220は、MME230に変更されたベアラ応答を提供し、PGW110がSCONE201に対するダウンリンクデータをUE300に提供できるようにする。
【0055】
図9は、本明細書で説明されるシステムおよび方法を実施するために使用され得る例示的なコンピューティングデバイス900(例えば、制御ハードウェア)の概略図である。コンピューティングデバイス500は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを代表することが意図されている。本明細書に示された構成要素、それらの接続および関係、およびそれらの機能は、例示的なものに過ぎず、本明細書に記載および/または特許請求の範囲に記載される本発明の実施形態を限定するものではない。
【0056】
コンピューティングデバイス900は、プロセッサ910、メモリ920、ストレージデバイス930、メモリ920および高速拡張ポート950に接続する高速インタフェース/コントローラ940、および低速バス970およびストレージデバイス930に接続する低速インタフェース/コントローラ960を含む。構成要素910,920,930,940,950,および960の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、かつ共通のマザーボード上にまたは適切な他の方法で搭載され得る。プロセッサ910は、メモリ920またはストレージデバイス930に格納された命令を含むコンピューティングデバイス900内での実行のための命令を処理して、高速インタフェース940に接続されたディスプレイ980などの外部入力/出力デバイス上にグラフィカルユーザインタフェース(GUI)用のグラフィカル情報を表示する。他の実施形態では、複数のメモリおよび複数のタイプのメモリと共に、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが適宜使用されてもよい。また、複数のコンピューティングデバイス900が接続され、各デバイスが(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ、またはマルチプロセッサシステムとして)必要な処理の一部を提供してもよい。
【0057】
メモリ920は、コンピューティングデバイス900内に非一時的に情報を記憶する。メモリ920は、コンピュータ可読媒体、揮発性メモリユニット、または不揮発性メモリユニットであってもよい。非一時的なメモリ920は、コンピューティングデバイス500による使用のための一時的または永久的な基準でプログラム(例えば、命令シーケンス)またはデータ(例えば、プログラム状態情報)を格納するために使用される物理的デバイスであってもよい。不揮発性メモリの例には、これらに限定されないが、フラッシュメモリおよび読み出し専用メモリ(ROM)/プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)/消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)/電子消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)(例えば、通常、ブートプログラムなどのファームウェアに使用される)が含まれる。揮発性メモリの例には、これらに限定されないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、相変化メモリ(PCM)ならびにディスクまたはテープが含まれる。
【0058】
ストレージデバイス930は、コンピューティングデバイス900の大容量ストレージを提供することができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス930は、コンピュータ可読媒体である。種々の異なる実施形態では、ストレージデバイス930は、フロッピーディスク(登録商標)デバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリまたは他の同様のソリッドステートメモリデバイス、またはストレージエリアネットワークまたは他の構成におけるデバイスを含むデバイスのアレイであり得る。追加の実施形態では、コンピュータプログラム製品は情報媒体に有形的に具体化される。コンピュータプログラム製品は、実行時に、上述したような1つまたは複数の方法を実行する命令を含む。情報担体は、メモリ920、ストレージデバイス930、またはプロセッサ910上のメモリのようなコンピュータ可読媒体または機械可読媒体である。
【0059】
高速コントローラ940は、コンピューティングデバイス900の帯域幅を大量に使用する処理を管理し、低速コントローラ960は、より低い帯域幅を集中的に使用する処理を管理する。そのような役割の配分は、例示的なものに過ぎない。いくつかの実施形態では、高速コントローラ940は、メモリ920、ディスプレイ980(例えば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを介する)、および各種拡張カード(図示せず)を受け入れる高速拡張ポート950に接続される。いくつかの実施形態では、低速コントローラ960は、ストレージデバイス930および低速拡張ポート970に接続される。様々な通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、無線イーサネット(登録商標))を含む低速拡張ポート970は、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、または例えばネットワークアダプタを介するスイッチまたはルータなどのネットワーキングデバイスなどの1つまたは複数の入力/出力デバイスに接続され得る。
【0060】
コンピューティングデバイス900は、図面に示すように、いくつかの異なる形態で実施することができる。例えば、標準サーバ900aとして、またはそのようなサーバ900aのグループ内で複数回、ラップトップコンピュータ900bとして、またはラックサーバシステム900cの一部として実施することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、マクロセルネットワーク101またはスモールセルネットワーク201の対応する1つにおけるPGW110,220の制御ハードウェア900は、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201の両方にわたるネットワークトラフィック負荷を同時にバランスする。例えば、制御ハードウェア900を実装するPGW110,220は、外部ネットワーク30から1つまたは複数のデータパケット40を受信し、マクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク102の品質を決定し、マクロセルネットワーク101またはスモールセルネットワーク201の少なくとも1つを介して、1つまたは複数のデータパケット40を、ネットワーク101,201の両方とのデュアルコネクティビティのために構成されたユーザデバイス300にルーティングすることができる。制御ハードウェア900は、ダウンリンク通信中にマクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201の品質を示すリンク層統計値304をユーザデバイス300から受信することができる。いくつかの例では、制御ハードウェア900は、スモールセルネットワーク201を介する第1のデータフロー241およびマクロセルネットワーク101を介する別個の第2のデータフロー242を同時に配信するフロー認識アグリゲーション手順を実行することによって、1つまたは複数のデータパケット40をルーティングする。他の例では、制御ハードウェア900がスモールセルネットワーク201におけるPGW110に関連付けられている場合、制御ハードウェア900は、スモールセルネットワーク201およびマクロセルネットワーク101の両方の間の第1のデータフロー241または第2のデータフロー242の少なくとも1つ同時に分割するフロー非依存性のアグリゲーション手順を実行することによって、1つまたは複数のデータパケット40をルーティングする。
【0062】
図10は、1つまたは複数のデータパケット40をユーザデバイス300にルーティングするために共有PGW110,210に具体化される図5のコンピューティングデバイス900(例えば、制御ハードウェア)によって実行される例示的な方法1000のフローチャートである。フローチャートは、動作1002で開始し、共有PGW110,210は、共有PGW110,210と通信している外部ネットワーク30から1つまたは複数のデータパケット40を受信する。動作1004において、ユーザデバイス300が制御ハードウェア900を使用する第1のネットワーク101に接続すると、共有PGW110,210における制御ハードウェア900は、第1のデータベアラ12aを確立する。動作1006において、制御ハードウェア900は、ユーザデバイス300が第2のネットワーク201に接続すると、第2のデータベアラ12bを確立する。ユーザデバイスは、第1のネットワーク101および第2のネットワーク201とのデュアルコネクティビティ用に構成されている。動作1008において、共有PGW110,210における制御ハードウェア900は、第1のネットワークおよび第2のネットワークの両方にわたるネットワークトラフィック負荷を同時バランスするように第1のネットワーク101または第2のネットワーク201の少なくとも一方を介する1つまたは複数のデータパケット40をルーティングする。いくつかの例では、第1のネットワークはスモールセルネットワークを含み、第2のネットワーク201はマクロセルネットワークを含む。他の例では、第1のネットワーク101はマクロセルネットワークを含み、第2のネットワーク201はスモールセルネットワークを含む。
【0063】
ユーザデバイス300は、マクロセルネットワーク101またはスモールセルネットワーク201とのデュアルコネクティビティ用に構成されている。いくつかの実施形態では、共有PGW110,210は、マクロセルネットワーク101を介する個々のベアラ12bに沿った第1のデータフロー241と、スモールセルネットワーク201を介する個々のベアラ12aに沿った別個の第2のデータフロー242とを同時に配信するフロー認識アグリゲーション手順を実行することによってデータパケット40をルーティングする。これらの実施形態では、フロー認識アグリゲーション手順を可能にするためにスモールセルネットワーク201が共有PGW210を使用してもよく、またはフロー認識アグリゲーション手順を可能にするためにマクロセルネットワーク101が共有PGW110を使用してもよい。いくつかの例では、第1のデータフロー241および第2のデータフロー242は、第1のデータフロー241および第2のデータフロー242が実質的に等しい量のデータを搬送するとき、ネットワーク101,201の間で等しくバランスが取られる。
【0064】
いくつかの実施形態では、スモールセルネットワーク201が共有PGW210を使用する場合、PGW210は、スモールセルネットワーク201およびマクロセルネットワーク101の両方の間の少なくとも1つのデータフロー40を同時に分割するフロー非依存性のアグリゲーション手順(図2C)を実行することによって1つまたは複数のデータパケット40をルーティングする。他の実施形態では、マクロセルネットワーク101が共有PGW110を使用する場合、PGW110は、スモールセルネットワーク201およびマクロセルネットワーク101の両方に対して同じアクセスポイント名を有する複数のベアラ(図4C)をルーティングすることによって1つまたは複数のデータパケット40をルーティングする。例えば、PGW110は、SGW120によるマクロセルネットワーク101と、SGW220およびTWAN215によるスモールセルネットワーク201との両方を通過するようにIMSデータに関連付けられた第1のベアラ12aとインターネットに関連付けされた第2のベアラ12bとを分割する。ここで、スモールセルネットワーク201におけるSGW220に関連するTWAN215は、スモールセルネットワーク201が、マクロセルネットワーク101とは異なるRATの共有スペクトルのための信頼できる非3GPPアクセスとして取り扱われることを可能にし、これによりマクロセルネットワーク101におけるPGW110がマクロセルネットワーク101およびスモールセルネットワーク201の両方に対する同じアクセスポイント名に関して複数のベアラ12をルーティングすることができる。本明細書に記載のシステムおよび技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路および/または光回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な実施形態は、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、それらにデータおよび命令を送信するように接続された、特別または一般的な目的であってもよい、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムにおける実施形態を含むことができる。
【0065】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても知られている)は、プログラム可能なプロセッサ用の機械命令を含み、高水準の手続き型言語および/またはオブジェクト指向のプログラミング言語および/またはアセンブリ言語/機械語で実施することができる。本明細書で使用する場合、「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、任意のコンピュータプログラム製品、非一時的なコンピュータ可読媒体、機械読み取り可能な信号として機械命令を受け取る機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される装置および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0066】
本明細書に記載された主題および機能的動作の実施形態は、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア(本明細書およびその構造的均等物に開示される構造を含む)、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせにおいて実施することができる。さらに、本明細書に記載される主題は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわちデータ処理装置によって実行されるか、またはデータ処理装置の動作を制御するためのコンピュータ可読媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実施することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもたらす物質の組成、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせであってもよい。用語「データ処理装置」、「コンピューティングデバイス」および「コンピューティングプロセッサ」は、例えばプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサまたはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイスおよびマシンを包含する。装置は、ハードウェアに加えて、当該のコンピュータプログラムの実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝搬される信号は、人工的に生成された信号、例えば、適切な受信装置への送信用に情報を符号化するために生成された機械生成の電気的、光学的、または電磁的信号である。
【0067】
コンピュータプログラム(アプリケーション、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られている)は、コンパイルされたまたは解釈された言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境で使用するのに適したモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはその他のユニットとして展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、当該のプログラム専用の単一ファイル、または複数のコーディネートされたファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)で格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるか、または1つのサイトに位置するか、または複数のサイトに分散され、かつ通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配置することができる。
【0068】
本明細書で説明するプロセスおよび論理フローは、入力データ処理作して出力を生成することによって機能を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって実行することができる。プロセスおよび論理フローはまた、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの特定用途論理回路によっても実行することができ、かつ特定用途論理回路として実施することもできる。
【0069】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、一例として、汎用マイクロプロセッサおよび専用マイクロプロセッサ、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを格納するための1つまたは複数の大容量ストレージデバイス(例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスク)からのデータを受信するか、またはデータを転送するか、またはその両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータはそのようなデバイスを有する必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス(例えば、ほんの数例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機)に埋め込むことができる。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ可読媒体には、一例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、およびCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含むすべての形態の不揮発性メモリ、メディアおよびメモリデバイスが含まれる。プロセッサおよびメモリは、特定用途論理回路によって補充または特定用途論理回路に組み込むことができる。
【0070】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本開示の1つまたは複数の態様は、例えばCRT(陰極線管)、LCD(液晶ディスプレイ)モニタ、またはタッチスクリーンなどのユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイスと、任意選択でユーザがコンピュータに入力を提供するキーボードおよびマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスとを有するコンピュータ上で実施することができる。他の種類の装置を使用して、例えば、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であり得るユーザに提供されるフィードバックとともにユーザとのインタラクションを提供することもでき、ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む任意の形態で受信することができる。さらに、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスとの間でドキュメントを送受信することによって(例えば、ウェブブラウザから受信した要求に応答してユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送信することによって)、ユーザとインタラクションすることができる。
【0071】
本開示の1つまたは複数の態様は、例えば、データサーバとしてのバックエンドコンポーネントを含むか、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含むか、またはフロントエンドコンポーネント(ユーザが本明細書に記載された主題の実施形態とインタラクションすることができるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含むか、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの1つまたは複数の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実施することができる。システムのコンポーネントは、任意の形式またはデジタルデータ通信の媒体(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、およびピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)が含まれる。
【0072】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に、互いに遠隔であり、典型的には、通信ネットワークを介してインタラクションする。クライアントとサーバとの関係は、個々のコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。いくつかの実施形態では、(例えば、クライアントデバイスとインタラクションするユーザにデータを表示し、ユーザからユーザ入力を受信する目的で)サーバは、データ(例えば、HTMLページ)をクライアントデバイスに送信する。クライアントデバイスで生成されたデータ(例えば、ユーザーインタラクションの結果)は、サーバにおいてクライアントデバイスから受信することができる。
【0073】
本明細書は多くの詳細を含むが、これらは本開示の範囲または特許請求される可能性のあるものの限定ではなく、むしろ本開示の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の観点において本明細書で説明される特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて実施することもできる。逆に、単一実施形態の観点で説明されている様々な特徴は、複数の実施形態で別々にまたは任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述されており、当初はそのように特許請求されているものであっても、ある場合には、特許請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴が、組み合わせから切り出すことができ、特許請求された組み合わせが、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションに導かれ得る。
【0074】
同様に、動作は、特定の順序で図面に示されているが、これは、そのような動作が示された特定の順序で、または順番に実行されるか、または、望ましい結果を達成するために、図示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上述の実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記述されたプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品内に一体化されるか、複数のソフトウェア製品にパッケージ化することができる。
【0075】
いくつかの実施形態が説明されている。それにもかかわらず、本開示の技術思想および範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることが理解されるであろう。従って、他の実施形態も以下の特許請求の範囲内にある。例えば、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行されても、望ましい結果を達成することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10