(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いて送信された受信信号からペイロードデータと緊急情報とを検出および復元するための受信装置であって、
実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報が埋め込まれた1つまたは複数の送信シンボルにより伝送される前記ペイロードデータと、前記ペイロードデータを検出および復元するために用いられ、前記1つまたは複数の送信シンボルにより伝送されるシグナリングデータとを含む前記受信信号を検出するように構成された検出部と、
前記1つまたは複数の送信シンボルから前記緊急情報を検出および復元するように構成された緊急情報検出部と、
前記1つまたは複数の送信シンボルから前記ペイロードデータを復元するために、前記1つまたは複数の送信シンボルから前記シグナリングデータを復元するように構成された復調部と、
前記緊急情報および/または前記緊急情報を検出した場合に出力するために提供される所定の緊急出力情報を出力するように構成された緊急情報出力部と、
前記シグナリングデータから、少なくとも同じフレームおよび/または1つまたは複数の後続のフレームが有する1つまたは複数の送信シンボルに前記緊急情報が埋め込まれることを示す緊急インジケータを検出するように構成された緊急シグナリング検出部とを具備し、
前記緊急情報出力部は、前記緊急インジケータおよび前記緊急情報が検出された場合のみ、前記緊急情報および/または前記所定の緊急出力情報を出力するように構成され、
前記緊急シグナリング検出部は、
前記緊急インジケータを示す差動符号化されたシグネチャーシーケンスに整合されたインパルス応答を有する整合フィルタを含む同期検出部と、
前記1組のシグネチャーシーケンスから前記シグネチャーシーケンスを特定することにより、前記緊急情報を検出および復元するように構成された情報検出部と
を有し、
前記差動符号化されたシグネチャーシーケンスは、前記1組のシグネチャーシーケンスのうちの1つのシグネチャーシーケンスを含み、当該受信装置が前記1つまたは複数の送信シンボルから前記シグナリングデータを検出および復元し、前記1組のシグネチャーシーケンスが当該受信装置に前記緊急インジケータを提供できるように、前記緊急インジケータを伝送する前記送信シンボルと結合され、前記整合フィルタの出力により、前記差動符号化されたシグネチャーシーケンスと差動符号化された受信信号との相関を示す信号が生成される
受信装置。
単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いて送信された受信信号からペイロードデータと緊急情報とを検出および復元するための受信方法であって、
実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報が埋め込まれた1つまたは複数の送信シンボルにより伝送される前記ペイロードデータと、1つまたは複数の送信シンボルにより伝送され、前記ペイロードデータを検出および復元するために用いられるシグナリングデータとを含む前記受信信号を検出し、
前記緊急情報を前記1つまたは複数の送信シンボルから検出および復元し、
前記1つまたは複数の送信シンボルから前記ペイロードデータを復元するために、前記1つまたは複数の送信シンボルから前記シグナリングデータを復元し、
前記シグナリングデータから、少なくとも同じフレームおよび/または1つまたは複数の後続のフレームが有する1つまたは複数の送信シンボルに前記緊急情報が埋め込まれることを示す緊急インジケータを検出し、
前記緊急インジケータおよび前記緊急情報が検出された場合のみ、前記緊急情報および/または所定の緊急出力情報を出力し、
前記1組のシグネチャーシーケンスから前記シグネチャーシーケンスを特定することにより、前記緊急情報を検出および復元し、
前記差動符号化されたシグネチャーシーケンスは、前記1組のシグネチャーシーケンスのうちの1つのシグネチャーシーケンスを含み、当該受信装置が前記1つまたは複数の送信シンボルから前記シグナリングデータを検出および復元し、前記1組のシグネチャーシーケンスが当該受信装置に前記緊急インジケータを提供できるように、前記緊急インジケータを伝送する前記送信シンボルと結合され、前記緊急インジケータを示す差動符号化されたシグネチャーシーケンスに整合されたインパルス応答を有する整合フィルタの出力により、前記差動符号化されたシグネチャーシーケンスと差動符号化された受信信号との相関を示す信号が生成される
受信方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態は、例えば、テレビジョン受像器にテレビジョン信号を送信するための放送ネットワークを構成できるように、ビデオデータおよび音声データを含むデータを表す信号を送信するための送信ネットワークを構成するように変更することができる。いくつかの例では、テレビジョン信号の音声/ビデオを受信する受像機は、移動中にテレビジョン信号を受信するモバイル機器でもよい。他の例では、1つまたは複数のアンテナに接続され、固定された従来のテレビジョン受像器が、当該音声/ビデオデータを受信してもよい。
【0021】
テレビジョン受像器は、テレビ画像のための統合ディスプレイを含んでもよいし、含まなくてもよい。また、テレビジョン受像器は、複数のチューナと復調部とを有する記録機器でもよい。上記1つまたは複数のアンテナは、テレビジョン受像器に内蔵されていてもよい。上記接続されたアンテナまたは内蔵のアンテナを、テレビジョン信号だけでなく他の信号の受信を容易にするために用いてもよい。したがって、本発明の実施形態は、異なる環境において、様々な種類の機器が、テレビ番組を表す音声/ビデオデータを受信することを容易にするように構成される。
【0022】
上記の内容から分かるように、入力が固定アンテナから行われる従来のテレビジョン受像器とは無線受信状況が著しく異なるため、モバイル機器により移動中にテレビジョン信号を受信することは困難である可能性がある。
【0023】
ここで、図面を参照して、テレビ放送システムの一例を
図35に示す。いくつかの図を通して、同一または対応する部分には、同様の参照符号が付されている。
図35には、放送ゲートウェイ1002に接続された放送テレビジョン送信装置1001が示されている。放送ゲートウェイ1002は、放送ネットワークが提供するサービスエリア内で、テレビジョン放送送信装置1001から信号を送信する。
図35に示すテレビジョン放送ネットワークは、いわゆる単一周波数ネットワークとして動作する。当該単一周波数ネットワークにおいて、各テレビジョン放送送信装置1001は、音声データおよびビデオデータを同時に伝送する無線信号を送信する。当該無線信号の送信は、放送ネットワークが提供するサービスエリア内において、当該音声データおよびビデオデータがモバイル機器1006だけでなくテレビジョン受像器1004によって受信されるように行われる。
図35に示す例において、テレビジョン放送送信装置1001によって送信される信号は、直交周波数分割方式(OFDM)により送信される。OFDMでは、これら信号が異なるテレビジョン放送送信装置1001から送信されたとしても、各放送局1002からテレビジョン受像器により結合することができる同一の信号を送信するための構成を提供することができる。テレビジョン放送送信装置1001間の間隔が、異なるテレビジョン放送送信装置1001により送信される信号間の伝播時間が各OFDMシンボルの送信に先行するガードインターバルより短いかまたは実質的に超えないようなものである場合、受信機器1004および1006は、OFDMシンボルを受信することができ、テレビジョン放送送信装置1001から送信される信号と組み合わせる方法により、OFDMシンボルからデータを復元することができる。このようにしてOFDMを採用する放送ネットワークの規格の例として、DVB−T、DVB−T2、およびISDB−Tが挙げられる。
【0024】
以下の開示では、特にATSC3.0の物理層のためのシステムについて説明を行う(本発明はこれに限られず、説明のための例示として用いる)。本例は、部分的にDVB−T2規格(EN 302 755 V1.3.1、第2世代デジタル地上テレビ放送システム(DVB−T2)用のフレーム構造、チャネルコーディング、および変調方式(Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system(DVB-T2))、2012年4月)に基づく。好ましくは、OFDM変調方式だけでなく高度なLDPC・FEC符号化を用いる。さらに、低遅延の緊急警報システムの導入だけでなく地上デジタル放送のスループットおよびロバスト性を改善する追加技術も開示される。これにより、複雑性およびメモリ使用量が減少し、実施が容易になった。
【0025】
以下、提案するシステムの下記側面について詳細に説明する。
・より高いスループット、容量、およびロバスト性を標的とする不均一コンステレーション(NUC)
・より高いスループット、容量、およびロバスト性を標的とするLDPCおよびBCH符号
・電力消費を抑えるために、柔軟性およびシグナリング容量を増加させ、緊急警報システム(EWS)の検出機能を統合するプリアンブル
・EWSシグナリング―送信されたサービスに影響することなく、データストリームに埋め込まれる
・異なる帯域幅をカバーするだけでなく、いくつかのフレームタイプの混合を可能にする柔軟なフレーミング
・複雑性を制限するだけでなく容量損失を低減する新しいパイロットパターン
・OFDMシステムの伝送効率を改善するPAPR低減方法
・ハイブリッドTV受像機の差別化を可能にする、オンデマンド冗長性
【0026】
以下に記載する非限定的実施形態の例において、サポートされている物理層への入力フォーマットは、MPEG2トランスポートストリーム(TS)およびIPストリームである。これらストリームの1つまたはいくつかは、1つの物理層パイプ(PLP)にマッピングされる。各PLPのベースバンドパケットは、スクランブリングされてBICM(ビットインターリーブ符号化変調)エンコーダに供給される。最初のステップにおいて、ベースバンドパケットは、LDPC符号化およびBCH符号化される。以下のビットインターリーバにより、FEC符号化と以下のQAMマッピングの性能との実現し得る最高の組み合わせが保証される。関連のあるSNR範囲をカバーするために、QPSKから1024−QAMまでのQAMコンステレーションサイズが提案されている。不均一コンステレーションにより、従来の均一なコンステレーションと比較して、さらなるシェーピングゲインがもたらされる。
【0027】
QAMマッピング部の後、時間変動チャネルにおける性能を向上させ、インパルス干渉による影響を緩和するために、時間インターリーバが挿入される。提案された時間インターリーバにより、不連続なPLPを途切れなく処理することだけでなく可変ビットレートを可能にしつつ、メモリサイズが減少される。
【0028】
その後、選択的MIMO符号化ステージが挿入される。レート1MIMO方法としてeSFN(高度な単一周波数ネットワーク)を適用することができる。フルレートMIMO方法として、空間多重化も提案されている。空間多重化において、送信アンテナの数は、2個に限定される。空間多重化MIMO方法は、パワーの不均衡だけでなく関連のあるチャネルにおける性能の改善を手助けする追加の方法(DVB-NGH (DVB BlueBook A160, Next Generation broadcasting system to Handheld, physical layer specification (DVB-NGH)、2012年11月)からのeSM、位相ホッピング等)により改善することができる。
【0029】
異なるPLPからのセルは、その後スケジューリングされ、周波数インターリーブされる。パイロット挿入後、フレーミングステージにより、プリアンブルおよび埋め込まれたL1シグナリングに、ペイロードシンボルを結合する。提案されたシステムにより、多様な標準帯域幅(例えばn*6MHz)として、種々の異なるチャネル帯域幅がサポートされる。DVB−T2と同様に、選択されたフレーミングフォーマットは、様々なフレームタイプをサポートする。したがって、1つのRFチャネル内に、「未来拡張フレーム(Future Extension Frames)」だけでなく、固定TVに対して大きなFFTサイズのフレームを、携帯TVに対して小さなFFTサイズのフレームを任意に混合することができる。
【0030】
最後に、入力シンボルはOFDM変調され、A/D変換され、送信RF周波数にアップコンバートされる。
【0031】
「完全OFDM」の概念は、DVB−C2(EN 302 769 V1.2.1、ケーブルシステムに対する第2世代デジタル伝送システムのためのフレーム構造、チャネルコーディング、および変調方式(Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital transmission system for cable systems (DVB-C2)、2011年4月)から採用される。プリアンブルにおけるL1シグナリングブロックおよびポストアンブルシンボルは、0MHzの絶対周波数で始まり、5.71MHzのステップで分割される。異なるRF周波数を横切る信号は、全スペクトルに対して独自の方法で定義される。なお、OFDM信号のパイロットシーケンスは、すべての周波数に対して固有のものである。これは、時間領域においてOFDM信号の不必要な高ピーク値を生じる可能性がある周波数領域における不必要な繰り返しを避けるためである。
【0032】
さらに、当該システムは、100ミリ秒未満で緊急イベント発生のシグナリングを可能にする低遅延の「緊急警報システム(EWS)」を含む。EWSイベントの検出は、スタンバイモードの受信装置により、プリアンブルシンボルのみの非常に簡単で低電力の処理によっても行うことができる。緊急イベントの場合のEWSシグナリングデータは、サービスの連続符号化を可能にする(すなわち、緊急イベントの場合におけるサービス中断がない)方法によりフレームに挿入される。
【0033】
図1は、本発明に係る提案されたシステムの送信装置1を示す一般的なブロック図である。当該システムの様々な技術的側面、特に送信装置および受信装置について、当該技術的側面を実現するパラメータおよび構造要素の非限定的な例を用いて説明する。
【0034】
ここで、入力フォーマットおよびPLP処理について説明する。モード適用/マルチプレクサ10より前に、DVB−T2と同様の機能を果たす前処理ブロック(不図示)が存在する。可能な入力ストリームは、MPEG2トランスポートストリーム(TS)およびIPストリームである。一般的に、すべての種類のストリームは、IPパケットまたはTSパケットにカプセル化することで処理できる。トランスポートストリーム(TS)の処理は、DVB−T2と同様に行われるが、IPストリームをカプセル化するために、改良された簡潔な接着剤層について説明する。前処理により、マルチプログラム・トランスポートストリーム(MPTS)が、その構成要素であるシングルプログラムトランスポートストリーム(SPTS)に分解される。SPTSは、別々に運ばれるSIメタデータを分離する。これらストリームは、その後、カプセル化され、モード適用ブロックに供給される。各入力ストリームについて、モード適用により、 ベースバンドフレーム(BBFRAMES)のストリームが生成される。当該ベースバンドフレームは、その後、単一の物理層パイプ(PLP)で運ばれる。SIメタデータは、十分なカプセル化の後、共通PLPとしてモード適用を終了する。
【0035】
1つのサービスに対する共通PLPとデータPLPとの再結合(複合PLP)は、特に受信装置側のT2実行において、ある程度の複雑性を有することが示されたので、送信装置においてより簡単な方法をサポートしてもよい。関連のあるPLPに対してシグナリングされた結合がいくつかあり、関係の生成もシグナリングされる。
【0036】
当該システムにより、PLPをグループ化し、例えば、必要であればSVC(スケーラブルビデオ符号化)をサポートすることが可能になる。しかしながら、関連するPLPの数は限定される。共通PLPに加え、別のPLPを相互に関連付けることができる。このシステムにおいて、タイプ1のPLPは、好ましくは、システム複雑性を制限するだけでなく、タイムスライシングによる低電力受信を可能にするために使用される。
【0037】
ここで、IP入力処理について説明する。IPパケットのサイズは動的に変化するため、IPパケット入力のためのメカニズムは、TSパケットよりも難しい。GSE(ETSI TS 102 606-1および-2:「デジタルビデオ放送(DVB);汎用ストリームカプセル化(GSE)プロトコル」)等のプロトコルでは、複数のプロトコルの入力のための標準ヘッダおよびメカニズムを有する中間カプセル化プロトコルを提案することにより、この問題を解決しようと試みている。しかしながら、この方法には、いくつかの欠点があり、その最たるものは、すべての起こり得る組み合わせの入力を処理するのに受信装置が必要とするメモリの大きさである。さらに、多数の起こり得る入力が、ハードウェアにおける簡単な実行を不必要に困難にしてしまう。
【0038】
開示されたシステムにおいて、GSEの全体的な入力性能を保持しつつ、IPv2・MTUに対してパケットサイズが1500バイトに制限されるという事実を考慮して、入力パケットサイズを1800バイト未満に制限し、パケットフラグメントの数も制限する。これら制限により、最大メモリおよび処理負荷が大いに低減される。
【0039】
ここで、ビットインターリーブ符号化変調(BICM)について説明する。まず、前方誤り訂正(FEC)について説明する。開示されたシステムにおいて、BCHエンコーダ11およびLDPCエンコーダ12は、連結されたLDPCおよびBCH符号(64kおよび16kコードワードサイズ)を含む改良された符号化を行う。提案された符号は、DVB−T2で用いられるものと同様の構造を有する。当該構造において、情報部分は並列因子を有する準巡回構造を有し、パリティ部分は繰り返し蓄積構造を有し、多数の規格をサポートする装置の実行を容易にする。当該新しい符号により、DVB−T2符号と比較して性能が向上した。
図2は、AWGNチャネルにおける提案された64k符号の性能を示し、
図3は、AWGNチャネルにおける提案された16k符号の性能を示す。一例の符号レートに対する64kのLDPC符号の例は
図48に示され、一例の符号レートに対する16kのBCH符号の例は
図49に示される。当該新しい符号は、等距離ステップで非常に広範囲のSNRに割り当てられ、その結果、様々なチャネル環境に適したパラメータを選択する自由が提供され、大きな効率損失を防ぐことができる。当該SNRの範囲は、以下に概要を示す上位の不均一コンステレーションを含む様々な種類のコンステレーションを組み合わせることにより、さらに拡張することができる。連結BCH符号により、UHDTVまたはSHV等の高スループットサービスのための下位のエラーフロアが保証される。さらに、DVB−NGHからの4kのLDPC符号は、 プリアンブルシンボルのシグナリング保護のために使用される。
【0040】
ここで、ビットインターリーバ13について説明する。本システムにおいて、DVB−T2のために用いられる方法と同様の方法でビットインターリーバを使用することが提案される。このビットインターリーバ13は、好ましくは、
図4のブロック図に示すように、3つの部分を含む。
図4は、FECエンコーダパリティインターリーバ131、カラムツイストインターリーバ132、およびデマルチプレクサ133の3つの構成要素を示す。パリティインターリーブを有する主な目的は、マルチパス環境において生じるディープフェードの影響を低減すること、およびパリティビット部分に受信装置側における並列動作のための準巡回構造を持たせることである。カラムツイストインターリーバは、ディープフェードの影響を分散させることもでき、一方、デマルチプレクサは、一連のLDPC符号ビットと、コンステレーションおよびビットラベリングにより定義されるあるロバスト性のビットレベルとの組み合わせを最適化することができる。
【0041】
ここで、QAMエンコーダ14が使用する不均一コンステレーションについて説明する。特に、不均一コンステレーション(NUC)としても知られる、コンステレーションシェーピングによるQAMコンステレーションの最適化について説明する。
【0042】
本明細書において提案するNUCは、異なるSNR値に対してAWGNおよびレイリーチャネルにおいて可能な限り最高のBICM性能を提供するよう最適化されている。これらNUCは、(QPSKがコンステレーションシェーピングを認めないので)16−QAMから1024−QAMまで、すべてのコンステレーションをカバーする。以下の表は、異なるQAMサイズおよびSNR値に対するコンステレーションを一覧表示する。コンステレーション位置ベクトルu1…vにより所定のコンステレーションが定義される(v=sqrt(M)/2−1)。
【0043】
以下において、いくつかの値のMに対して、上記手法を用いて得られるNUC位置ベクトルの定義が与えられる。信号対雑音比(SNR)は、常に、dBで記載され、フェージングチャネルの場合の平均SNRに対応する。
【0044】
a1)非フェージングチャネルに対して16−QAMまたは4−PAM(1.オプション)
【0048】
a2)フェージングチャネルに対して16−QAMまたは4−PAM(1.オプション)
【0052】
a3)非フェージングチャネルに対して16−QAM/4−PAM(2.オプション)
【0054】
a4)フェージングチャネルに対して16−QAM/4−PAM(2.オプション)
【0056】
b1)非フェージングチャネルに対して64−QAMまたは8−PAM(1.オプション)
【0059】
b2)フェージングチャネルに対して64−QAMまたは8−PAM(1.オプション)
【0062】
b3)非フェージングチャネルに対して64−QAM/8−PAM(2.オプション)
【0064】
b4)フェージングチャネルに対して64−QAM/8−PAM(2.オプション)
【0066】
c1)非フェージングチャネルに対して256−QAMまたは16−PAM(1.オプション)
【0069】
c2)フェージングチャネルに対して256−QAMまたは16−PAM(1.オプション)
【0072】
c3)非フェージングチャネルに対して256−QAM/16−PAM(2.オプション)
【0074】
c4)フェージングチャネルに対して256−QAM/16−PAM(2.オプション)
【0076】
d1)非フェージングチャネルに対して1024−QAMまたは32−PAM(1.オプション)
【0080】
d2)フェージングチャネルに対して1024−QAMまたは32−PAM(1.オプション)
【0086】
d3)非フェージングチャネルに対して1024−QAM/32−PAM(2.オプション)
【0090】
d4)フェージングチャネルに対して1024−QAM/32−PAM(2.オプション)
【0094】
e1)非フェージングチャネルに対して4096−QAMまたは64−PAM(1.オプション)
【0098】
e2)フェージングチャネルに対して4096−QAMまたは64−PAM(1.オプション)
【0101】
e3)非フェージングチャネルに対して4096−QAM/64−PAM(2.オプション)
【0105】
e4)フェージングチャネルに対して4096−QAM/64−PAM(2.オプション)
【0109】
以上のように、これらNUCテーブルを利用する符号化変調装置は
入力データをセルワードに符号化するエンコーダと、
上記セルワードを不均一コンステレーションのコンステレーション値に変調する変調部と
を有し、
上記変調部は、上記コンステレーションのコンステレーション点の総数M、dB換算の信号対雑音比SNR、およびチャネル特性に基づいて、NUCテーブルに記載のとおり、コンステレーション位置ベクトルu1…vにより定義される1つまたは複数のコンステレーションを含む一群のコンステレーションから不均一コンステレーションを利用するように構成される(v=sqrt(M)/2−1)。
【0110】
図5は、(15…18dBで最適化された)均一コンステレーションと不均一コンステレーションとの間の、1024−QAMおよび符号レート1/2(LDPCブロックサイズ:64kビット)に対するBER性能の比較を示す。本例において、NUCにより、1.5dBのシェーピングゲインを得ることができる。システムシミュレーションにおいてNUCにより得られた64kのLDPCを用いたAWGNチャネルについての1kのNUCのゲインを以下の表にまとめる。
【0112】
図6は、1024−QAMに対するNUCゲインの例を示す。
【0113】
シャノンは、AWGNチャネルにおける最大容量に対する信号アルファベットの分散は同様にガウス分布(
図6の左側の27dBの高SNRシナリオ)でもなければならないことを示した。8dBのSNR(
図6の右側の低SNRシナリオ)を見ると、最適コンステレーションにより、高密度のパケットコンステレーションを有する領域が明らかになる。第一印象で、いくつかのLSBはMSB性能を向上させるため「犠牲になる」ように見える。実際、このような高密度の形状により、低位のビット(特にMSB−1およびMSB−2)を区別することが容易になり、その容量が増加する。いずれにせよ、LSBは、低いSNRではほとんど情報を伝送することができない。
【0114】
なお、提案されたNUCはすべて、通常の1D−デマッピング部によりデマッピングすることができる。これら1D−NUCの代わりに、対称な2次元不均一コンステレーション(2D−NUC、象限対象的なコンステレーションを意味し、象限対象QNUCと呼ばれることもある)により、いくつかのBICM容量ゲインをさらにもたらすこともできる。2D−NUCは、コンステレーションの単一象限に由来する。すなわち、対象であるため、残りの象限から容易に計算することができる。
図7は、7dBのSNR(左)に対して最適化された16−2D−NUCおよび10dBのSNR(中央)および15dBのSNR(右)に対して最適化された64−2D−NUCの一例を示す。最適化はすべてAWGNチャネルで行われる。
【0115】
2D−NUCは、完全SNR範囲において上位の1D−NUCよりも性能がいいが、特に、低SNR領域および関連する下位のコンステレーションにおける性能を改善する。256−NUC等の上位のコンステレーションに対して、2D−NUCの追加ゲインは減少する。しかしながら、2D−NUCの追加シェーピングゲインは、2次元QAMデマッピングを行うことにより、デマッピング部における複雑性を代償に得られる。これは、2D−NUCのすべてのビットは、同相および直角位相の構成要素を考慮してデマッピングしなければならないからである。したがって、2D−NUCは、主に下位のコンステレーションに対して提案される。
【0116】
以上のように、これらQNUC(2D−NUC)を利用する符号化変調装置は、
入力データをセルワードに符号化するエンコーダと、
上記セルワードを不均一コンステレーションのコンステレーション値に変調する変調部と
を有し、
上記変調部は、上記コンステレーションのコンステレーション点の総数MおよびdB換算の信号対雑音比SNRに基づいて、1つまたは複数の以下のコンステレーションを含む一群のコンステレーションから不均一コンステレーションを利用するように構成され、
コンステレーションの異なる象限のコンステレーション点は、コンステレーション位置ベクトルw0…b−1により定義され(b=M/4)、
第1の象限の上記コンステレーション点x0…b−1はx0…b−1=w0…b−1として定義され、第2の象限の上記コンステレーション点xb…2b−1はxb…2b−1=conj(w0…b−1)として定義され、第3の象限の上記コンステレーション点x3b…4b−1はx3b…4b−1=−w0…b−1として定義され、第4の象限の上記コンステレーション点x2b…3b−1はx2b…3b−1=−conj(w0…b−1)として定義され、
conjは複素共役であり、
当該1群のコンステレーションの異なるコンステレーションのコンステレーション位置ベクトルは、QNUCテーブル内で定義される。
【0117】
以下において、上記QQAMコンステレーションを得るための手法を用いて得られるNUC位置ベクトルの定義は、いくつかの値のMに対して与えられる。信号対雑音比(SNR)は、常に、dB換算で表示される。
【0125】
d)256QQAM-AWGNチャネル
【0134】
ここで、シグナリングについて説明する。まず、L1シグナリング部15によって処理されたL1シグナリングについて説明する。提案されたシステムは、DVB−T2と同様のレイヤ1(L1)シグナリングメカニズムを用いる。しかしながら、プリアンブル信号のシグナリング容量は、新しい構造、すなわち、重ね合わされた時間領域シーケンスだけでなくデータとパイロットキャリアとを混合することにより、著しく拡張される。DVB−T2の場合と同様のP2シンボルは、当面の間、予測されない。すなわち、新しいプリアンブルの容量は十分に高いと推定されるが、大量のデータをシグナリングする必要がある稀なケースについては、選択的な専用シグナリングPLPを利用可能である。帯域内シグナリング部16により処理された帯域内シグナリングは、DVB−T2の場合と同様である。
【0135】
次に、緊急警報システム(EWS)について説明する。このようなEWSは、一般的に、以下の要件を有する。
・短いエンドツーエンド遅延:地震:できる限り早く(<100ms);他の自然災害:<1s;
・ロバスト性:低SNR環境における非常に高いロバスト性;
・EWS受信装置の消費電力が低いこと:サービスが「常時オン」であるために、PHY符号化のために消費電力が低い;
・位置認識:緊急警報はすべての受信装置に届くかもしれないが、位置特定機能を有しなければならない;
・多様な緊急事態:同時に発生する多様な緊急事態に対応できなければならない;
・安全性:「乗っ取り」可能であってはならない(偽のメッセージ);
・様々な種類の警報をサポートする:静的または可変のテキストメッセージ;静的な画像;動画へのリンク(例:大統領の演説);
・サービスの中断がないこと、すなわち、データPLPの連続復号化;
・可変のシステム帯域幅:EWSシステムは起こり得るすべての伝送システム帯域幅に対応しなければならない;
・フレーム長が長いこと:DVB−T2のようにサポートされるには、長いフレーム長がHD(例えば、4k、8k)サービスにとって好ましい;しかしながら、長いフレームに基づくシステムは、大きな遅延をもたらす可能性がある。
【0136】
提案されたシステム(例えば、送信装置および)は、緊急警報システム17を含む。緊急警報システム17は、以下のような利点を有する。
・極めてロバスト、すなわち、チャネル状況が悪くても、信頼できる検出および復号化
・緊急事態(例えば、地震)に対して極めて早い応答
・受信装置がスリープモードだとしても、考えられる信号の低電力モニタリング
・緊急事態検出
【0137】
緊急警報システムによる緊急事態の検出は、緊急インジケータにより実現可能である。緊急インジケータは、スクランブリングシーケンスにより保護され、送信信号のプリアンブルシンボルに付加される単純な1ビットフラグであってもよい。すべてのフレームタイプに対して同一のプリアンブルが使用される。当該プリアンブルは、拡張ガードインターバル(部分長57/128)を有する通常の8kシンボルを含む。緊急インジケータは、DVB−T2のP1シンボル等の他の種類のプリアンブルに埋め込むこともできる。しかしながら、これはスタンバイモードにおける受信装置に対する復号化所要電力が高いだけでなく、シグナリング容量が低い(P1シンボルに対してわずか7ビットのシグナリング容量)というデメリットがある。
【0138】
プリアンブルシンボルは、重ね合わされた時間領域パイロット信号(SigSeq)を用いる。これは、正確なフレーム同期およびチャネルインパルス応答(CIR)推定を可能にする良好なACF(自動相関関数)特性を必要とする。これにより、受信装置における全帯域チャネル伝達関数推定は、CIRから算出される。SigSeqは、以下に詳細に説明する電力効率の良好なEWS検出を可能にするために、2つの考えられる一定振幅ゼロ自己相関(CAZAC)シーケンスのうちの1つを含む。CAZACシーケンスは、時間領域および周波数領域における優れた相関特性、ならびに帯域制限スペクトル作用のために選択されている。通常のEWS動作(例えば、緊急事態が発生していない)は、第1のCAZACシーケンスを送信することによりシグナリングされる。緊急事態の発生時には、第2のシーケンスが送信される。EWS受信装置は、その後、EWS復号化を行い、EWSイベントの詳細について調査する。緊急事態のタイプおよびその詳細に関するさらなる情報は、本明細書で提案するように、また、以下に説明するように、L1シグナリング情報またはEWSシグナリングデータに含めてもよい。
【0139】
SigSeqは、極めてロバストであり、緊急事態があるか否か確認するだけのために、低電力状態の受信装置がプリアンブルシンボルを低消費電力でモニタリングできるようにすることもできる。これは、緊急事態がトランスポートストリームに含まれ、受信装置は緊急事態を検出するために信号全体を復号化しなければならない他のシステムと対照的である。
【0140】
本技術の実施形態によれば、シグネチャーシーケンスの選択それ自体が、レイヤー1シグナリングデータまたはペイロード内の警告メッセージの有無等の情報を表すシグナリングメッセージである構成を提供することもできる。本技術に係るシグナリングメッセージを含むプリアンブルシンボルを生成するための送信装置の例を
図8に示す。
【0141】
送信装置は、追加のシグナリングメッセージを伝達するために、送信されたプリアンブルを適用する手段を有する。
図16を参照して、送信装置の様々な一般要素の一般的な配置および機能について以下に説明する。本質的な違いについて主に説明し、
図16に示す送信装置と同様の部分には、同様の参照番号が付されている。
【0142】
図8aの第1実施形態に示すように、シグネチャーシーケンス生成部103はシグナリングシーケンス処理部800の一部を構成する。一実施形態において、シグナリングシーケンス処理部800は、シグネチャーシーケンス生成部103とともに、シグネチャーシーケンスを表すEWSフラグを生成するEWSフラグ生成部801を含む。
【0143】
図8bに示す改良された実施形態の変更例では、シグナリングシーケンス処理部800にシーケンス数コントローラ804が設けられる。シグネチャーシーケンス生成部103への入力部802は、シーケンス数コントローラ804からの出力を受信する。シーケンス数コントローラ入力部806は、送信装置がネットワーク内で受信装置に伝達したいメッセージを表す。シグネチャーシーケンス生成部103は、考えられるN+1個のシーケンスのうちの1つを生成可能に構成される。シグネチャーシーケンス生成部103の入力部802における0≦i≦Nを満たす所与の数字により、シグネチャーシーケンス生成部103は、一連のシグネチャーシーケンスの中から、カージナル数がiであるシーケンスを出力する。シグネチャーシーケンス生成部103からのシグネチャーシーケンスのうちのどれか1つの出力により、所定のメッセージが当該信号を受信するネットワーク内のすべての受信装置に伝達される。一例において、当該メッセージは、初期警告信号(EWS)を表す。本例において、Nは1である。例えば、初期警告信号(EWS)をすべての受信装置に伝送する必要がある場合、シグネチャーシーケンス処理部800へのコントローラ入力部806は、1を伝送する。これにより、シーケンス数コントローラ804は、シグネチャーシーケンス生成部103の入力部802に「1」を出力する。 その効果は、シグネチャーシーケンス生成部103にシグネチャーシーケンス数1を生成させ、これをゲインブロック105に出力することである。伝送すべきEWSがないときは、シグネチャーシーケンス処理部800の入力部806は、「0」を伝送する。これにより、シーケンス数コントローラ804は、シグネチャーシーケンス生成部103の入力部802に「0」を出力する。その効果は、シグネチャーシーケンス生成部103にシグネチャーシーケンス数0を生成させ、これをゲインブロック105に出力することである。本例において、シグネチャーシーケンス「1」を検出するネットワーク内のすべての受信装置は、これはEWSシグナリングデータにおいて伝送されるものについてのさらなるEWS情報を表す、と判定する。当該受信装置は、その後、緊急情報を復号化し解釈する処理を行うことができる。一方、シグネチャーシーケンス数0を検出する受信装置は、現在差し迫った緊急事態はないと判定し、したがって、定期的な復号化とフレームのペイロードにおける視聴覚情報の表示を続ける。他の実施形態では、緊急時に連続サービス符号化を提供することができる。
【0144】
他の例において、シグネチャーシーケンス生成部103によって生成されたシグネチャーシーケンスは、シグネチャーシーケンス生成部103によって生成されたシグネチャーシーケンスと同数のメッセージを表す一連の所定のシーケンスのうちの1つである。これらメッセージの通信を行うため、入力部806のメッセージ数は、シグネチャーシーケンス生成部103が一連の所定のシグネチャーシーケンスからシグネチャーシーケンスのうちの1つを選択するために使用する必要シグネチャーシーケンス数となるように構成される。したがって、シグネチャーシーケンスの選択は、対応する一連の所定のメッセージの異なる1つを代表し、これにより、情報が伝送される。当該情報は、津波警報等の特定の警告メッセージであってもよいし、異なる目的のためのメッセージであってもよい。各メッセージは、異なる情報を提供することができる。例えば、N=4メッセージシステムにおいて、メッセージ1は、ハリケーンや津波の接近等の考えられる緊急事態の初期警告とすることができる。一方、メッセージ2は、特定の動作を必要としないメッセージ0によって表される通常状態に先立つ危険なしの指示とすることができる。一実施形態において、初期警告信号は、受信装置が例えば建物から非難するよう当該機器のユーザに指示するメッセージまたは可聴警報を表示するためのトリガーとすることができる。以上のように、受信装置はメッセージ1を検出し、ユーザへの可聴または視覚出力を生成して、警告を提供することができる。同様に、メッセージ3およびメッセージ4は、公衆への安全アナウンス、ラジオの交通アナウンス、および洪水等の類似した放送情報を提供することができる。これにより、当然のことながら、シーケンスの選択は、メッセージの1つを表し、したがって、情報が伝達される。
【0145】
図8に戻り、例えば「通常動作」および「差し迫った災害」メッセージ等の1つのみのメッセージを用いるシステムを表すN=1のシステムを想定する。
図42に示す表は、必要な2つのシグネチャーシーケンスを生成するためのパラメータの例を示す。各シーケンスを生成するために、シーケンス生成部103は、図示のCAZACシーケンス生成式において対応する一連のパラメータ{u、Na}を使用する。
【0146】
図43は、シグナリングシーケンス処理部800と組み合わせて動作するときの、ガードインターバル挿入部109の動作の概念的な表現を提供する。
図43に示すように、例えばスケーリング部106に供給される8Kモードに対するOFDMシンボルは、OFDMシンボル850の有効部分およびガードインターバルサンプル852を含むサンブルから形成される。第1のシグネチャーシーケンス部854または第2のシグネチャーシーケンス部856は、シーケンス数コントローラ804の制御下で選択される。OFDMシンボルの有効部分からのガードインターバルのマッピングは、メッセージシーケンスおよびシグネチャーシーケンス部854および856に対する例で示される。
【0147】
本技術に従って
図8および
図43に示す送信装置によって送信されたメッセージによって提供されるメッセージを検出および復号化するように適用された受信装置を
図44に示す。
図44は、周波数領域シグネチャーシーケンス除去の例に対する
図17に示す受信装置に対応する。しかしながら、上記の内容から分かるように、
図38および
図39に示すように、時間領域においてシグネチャーシーケンスを除去する受信装置に対して対応する適用を行うことができる。
【0148】
図44に示すように、受信装置はメッセージ検出部858を含む。メッセージ検出部858は、
図9に詳細に示されている。
図9に示すように、受信した信号は、
図37aに示すように受信装置により周波数オフセットが除去された後、メッセージ検出部858に供給される。以上のように、メッセージ検出部858は、第1分岐および第2分岐を含み、2つの整合フィルタリング部は、864および866で表される。第1の整合フィルタリング部864は、
図17および
図38に示す整合フィルタリング部502に対応し、「通常動作」においてプリアンブルシンボルを検出するためにシグネチャーシーケンス「0」のものと整合するインパルス応答を有する。第2の整合フィルタリング部866は、シグネチャーシーケンス「1」に整合される。シグネチャーシーケンス1を送信することにより、例えば、初期警告メッセージを提供することができる。第1および第2の整合フィルタリング部864および866からの出力は、2つのシグネチャーシーケンスのどちらが受信信号に整合するかに関する表示を出力する比較部868の第1および第2の入力に供給される。当該適合度が所与の閾値を超えるか否かに応じて、ユニット872における緊急事態に関するさらなる情報を抽出するために、選択部870は入力データの処理を開始し、または874で終了する。プリアンブルシンボルが「通常動作」を示すシグネチャーシーケンス「0」を伝送している場合、緊急抽出目的の信号の処理は必要ない。しかしながら、EWSシーケンスが検出された場合、一般的に、処理部872により緊急処理が行われる。
【0149】
本技術によれば、シグネチャーシーケンスはペイロードデータよりも低い信号対雑音比でフレームにおけるプリアンブルOFDMシンボルの検出により最初に検出されるよう指定されるので、上述の方法による初期警告シグナリングにより、ペイロードデータよりも広範囲で検出可能な初期警告を提供できることが理解される。さらに、EWSメッセージをペイロードデータとは独立に検出できるので、EWSメッセージを検出するように構成された受信装置の一部に少量の電力を供給するだけで、スタンバイ状態または電源が切れている状態でもEWSメッセージを検出するように(上述の)受信装置を構成することができる。
【0150】
2以上(N>1)の考えられるメッセージを伝達できる例において、
図45に示すように、整合フィルタリング部864.1、864.2、864.3等のバンクを含むようにメッセージシーケンス整合フィルタリング部864を適合することができる。
図25に示す例において、整合フィルタリング部864.1、864.2、864.3は、メッセージ0(通常動作)、メッセージ1、メッセージ2、メッセージ3、メッセージ4、…、メッセージNに対応する考えられるN+1のシグネチャーシーケンス毎に与えられる。なお、これは機能記述であり、整合フィルタリング部が考えられる各シグネチャーシーケンス毎に異なるインパルス応答を有するように適用されるソフトウェア構成を提供できることが理解される。メッセージ処理部872は、比較部868および選択部870を介して各整合フィルタリング部864.1、864.2、864.3からの出力を受信し、どの整合フィルタリング部がその中で最も高い出力を生成したかに従って、受信した信号から適切なメッセージを抽出する。しかしながら、当該出力は閾値と比較され、当該メッセージがノイズの存在による誤った警報を避けるために伝達されたか否かが決定される。したがって、当該メッセージは、一連のシグネチャーシーケンスの考えられるシーケンスのうちの1つを特定することにより検出することができる。このようにして、考えられる一連のシーケンスからメッセージシーケンスを特定することにより、当該メッセージにより伝達される情報が特定される。1つの例において、メッセージシーケンスは、第2のシグナリングデータを表す。第2のシグナリングデータは、レイヤー1シグナリングデータを表すことができ、したがって、ペイロードデータを検出および復元するためにプリアンブル検出・デコーダ430に供給することができる。すべてのNについてN>1が成り立つ場合、256ビットの基本EWSデータのシンタックスが異なる可能性がある
【0151】
一実施形態によれば、シグナリングデータを用いて、OFDMシンボルをシグナリングする際にレイヤー1シグナリングを伝達するために用いられるコンステレーションのタイプを特定することができる。したがって、メッセージシーケンスによって伝達される第2のシグナリングデータは、BPSK、QPSK、16QAM、または64QAM等の変調方法を表すことができる。これら変調方法は、当該メッセージシーケンスの考えられる異なるシーケンスにより表すことができる。したがって、当該変調方法は、データをシグナリングOFDMシンボルに変調する方法を表す。このようにして、受信信号内における同期シーケンスを検出してシグナリングフレームを特定するので、メッセージ処理部872は当該メッセージシーケンスを検出するのに用いられる。例えば、4つの考えられるシーケンスから検出されたメッセージシーケンスは、それぞれ、異なる変調方法を表し、これにより、データがシグナリングOFDMシンボルに変調される変調方法が提供される。したがって、メッセージ処理部872は、出力信号をプリアンブル検出・デコーダ430に供給する。プリアンブル検出・デコーダ430は、シグナリングOFDMシンボルのサブキャリアからのデータを変調し、これにより、プリアンブルOFDMシンボルのレイヤー1データを表す可能性があるシグナリングデータを復元するように構成される。
【0152】
メッセージシーケンスを使用して公衆安全放送のための初期警告メッセージ等のユーザレベル情報を提供する例において、電源が切れた状態またはスタンバイ状態でもプリアンブル検出・デコーダ430に電力を供給するように受信装置を構成することができる。 その結果、実質的に連続的にシグナリングメッセージをモニタリングするようにプリアンブル検出・デコーダ430を構成することができる。いくつかの例において、受信装置が商用電源に接続されていない場合、バッテリを用いて電力を供給してもよい。いくつかの例において、必要な場合、受信装置が電源オン状態でないときに、メッセージシーケンスを検出できるように、整合フィルタリング部502に電力を供給してもよい。なお、他の例において、メッセージシーケンスを検出するのに必要なすべての機能を提供するようプリアンブル検出・デコーダ430を構成してもよく、したがって、整合フィルタリング部502は、実質的に連続的に電力を供給されるだけでよい。
【0153】
次に、提案された緊急警報システムシグナリングについて詳細に説明する。以下において、EWSシグナリングデータを送信信号に埋め込むための異なる実施形態を説明する。異なるEWSシグナリングオプションの分類は、
図10にまとめられている。
【0154】
まず、ペイロードレベルに対するEWSシグナリングのための様々な実施形態について説明する。第1の実施形態において、OFDMサブキャリアまたはペイロードPLPのQAMシンボルの特定ビットの置換によるシグナリング挿入を利用する。この最初の手法では、EWSシグナリングは、送信側で、緊急時に、OFDMシンボルの既知の場所で予め定義されたペイロードサブキャリアを置換する。同様に、OFDMに基づく送信システムのOFDMサブキャリアを置換する代わりに、単一キャリアシステムの送信シンボルを置換することができる。
【0155】
受信装置は、一般的に、影響するキャリアの数を把握しており(または、例えば送信装置からのシグナリングにより、知らされており)、(例えば、LDPC符号化に先立つ関連するLLR値を0に設定することにより)それらを無視する。したがって、受信装置は、エラーのない符号化のために必要なSNRにおいて少ないペナルティで、ペイロードPLPを復号化することができる。これは、送信フレーム(T2−フレーム)の最初にL1前およびL1後の2つのシグナリングステージおよびFECペイロードPLP変調部902、QAMマッピング部904、プリアンブル生成部906、フレーミング部908、OFDM部910で処理される1つのペイロードPLPを有するDVB−T2規格に従ったシステムからの要素を用いたシステムについて、(例えば、ステージをインターリーブしない、送信装置900の簡易図である)
図11において例示的に示されている。このようなフレームは、
図12に例示的に示されている。
図12は、特に、周波数および時間インターリーブ前のペイロードPLPのサブキャリアを置換するEWSシグナリングブロックを示す(本例において、L1シグナリング後の最初のPLPは、EWSシグナリングブロックにより部分的に置換される)。
【0156】
EWSシグナリングデータを生成し、フレームに埋め込むために、EWSシグナリング受信部912、FEC・EWSシグナリング変調部914、QAMマッピング部916、およびEWS埋め込み部918が設けられる。スイッチ920および922を利用することにより、EWSシグナリングデータがフレームに埋め込まれるように処理連鎖を変更することができる。
【0157】
EWSシグナリングブロックは、ペイロードPLPの最初のOFDMサブキャリアをパンクチャする。一例として、本例は周波数および時間インターリーブ前のOFDMサブキャリアのスケジューリングを示す。すなわち、周波数および時間インターリーブ後、EWSシグナリングブロックは、周波数および時間の多様性を最大にするために、完全なインターリービング深さに拡散する。
【0158】
勿論、パンクチャしたサブキャリアは、フレームの他の場所にあってもよい。プリアンブルにおいて緊急事態を検出したスリープモードの機器は、フル稼働モードになるまで時間を要するので、プリアンブル後のEWSシグナリングを復号化できないかもしれない。したがって、EWSシグナリングブロックは、必要なすべての「目覚め」ステップ(電源を入れる、同期、チャネル推定、バッファリング等)を可能にするため、フレーム内の後ろの位置にスケジューリングされるかもしれない。
【0159】
ペイロードのパンクチャの影響は、時間インターリーバサイズが大きければ無視できる。これは、時間インターリーバフレームの小さなフラクションのみがパンクチャに影響されるからである。パンクチャのペナルティは、以下のようなスケジューリングの最適化により低減することができる。
・サブスライシング(DVB−T2/NGH向けのいわゆるタイプ1PLP)なしのスケジューリングの場合、EWSによる置換のために、まずPLPを最大時間インターリーバフレームでスケジューリングする
・短いサブスライスによるサブスライシング(DVB−T2/NGH向けのいわゆるタイプ2PLP)により、パンクチャのペナルティを多数のPLPに分布させる
・EWSシグナリングブロックの変調次数および符号レートが高いと、パンクチャのペナルティが低減される(すなわち、EWS範囲とペイロードパンクチャのペナルティとのトレードオフである)。しかしながら、信頼できるEWS符号化に対して、画質のコストの面で最も高い優先度を設定する必要がある。
【0160】
パンクチャのペナルティは、EWSシグナリングブロックのみがペイロードPLPの小さなフラクションに影響する場合、低減することができる。EWSを多数の送信フレームに分散させるのも1つのオプションであるが、EWSシステムの符号化遅延を大幅に増加させてしまう。一方、EWSを分散させる代わりに、ペイロードPLPの時間インターリービングサイズを増加させるか、またはEWSシグナリングブロックのサイズを減少させることで、パンクチャしたペイロードの影響を低減することもできる。
図13は、異なる時間インターリーバ深さおよび異なるパンクチャしたサブキャリアの数に対するEWSシグナリングブロックによるペイロード符号化性能の依存性を示す。特に、
図13は、異なるTI深さ(多様な64kFECフレームとして示される)および異なるEWSシグナリングブロック長(セル=OFDMサブキャリア)に対するDVB−T2のペイロードPLP・BER性能を示す。
【0161】
当該パンクチャまたは完全QAMシンボルの置換についてこれまで検討してきた。その主な利点は、周波数インターリーバ前の送信装置による処理連鎖のかなり後ろのステージにおける簡単な挿入である。
【0162】
代替案として、より洗練されたパンクチャ手法を用いて、ペイロードPLPに対するパンクチャのペナルティを低減することができる。1つの可能性は、完全QAMシンボルをパンクチャ/置換する代わりに、QAMシンボルのLSBのみをパンクチャ/置換することである。これにより、最下位ロバストビットがパンクチャされるので、ペイロードPLPのパンクチャのペナルティが低減される。その欠点は、これにより、同じ量のEWSシグナリングデータを伝達するのに必要なQAMシンボルが増えるので、EWS遅延が増加する可能性があることである。
【0163】
また、EWSシグナリングデータの挿入は、既に変調されたQAMセルを変更する必要があるので、より困難である。EWSシグナリングブロックのロバスト性は、ペイロードPLPの変調次数に直接関連する。当該変調次数は、EWSシグナリングブロックのロバスト性の柔軟性を低減させる。最後に、多数のPLPの場合、EWSシグナリングブロックはPLPにおいて異なる変調次数で伝達される可能性があるので、デスケジューリングだけでなくスケジューリングにも大きな影響がある。EWSデータに対して異なるQAMセルビットを選択することの影響は、以下のとおりである。LSBを選択した場合、EWS性能はペイロードと比較して低下してしまう。MSBを選択した場合、その逆となる。
【0164】
他の方法は、ペイロードのランダムビットおよびパリティビットの代わりに、システマティックFECの各FECフレームの最後のパリティビットのみにEWS挿入を適用することである。この方法では、ペイロードに対するゲインを無視できることが期待される。また、対応するパリティビットを伝送するインターリーブされたサブキャリアと見つけるための(デ)スケジューリングに大きな影響がある。また、当該方法は、同じ量のEWSシグナリングデータを伝送するのに必要なサブキャリアが増えるので、EWS遅延の増加を暗示している。
【0165】
他の実施形態において、高優先度ストリームにおけるEWSシグナリングデータの階層変調が提案される。この手法を説明するために、ペイロードに最初から16−QAMを使用させる一例が与えられる。符号化EWSシグナリングブロックを埋め込むために、これらQAMシンボルに対するコンステレーションサイズを64−QAMに増加させ、EWSシグナリングデータは2MSB上で挿入される。挿入されるのは、必要な分の階層変調シンボルだけである。欠点として、1つのFECフレームは、多くの通常QAMシンボルとともにいくつかの階層変調シンボルも含んでしまう。
【0166】
EWS範囲またはロバスト性を調整する他の方法は、階層変調のビット優先度、すなわちMSBまたはLSBを選択することである。これには、受信装置がペイロード復号化の際の変調次数の変化をサポートする必要があるため、ペイロード受信装置の複雑性がわずかに増加する。しかしながら、関連するEWS機器の複雑性(2つのMSBを得るための64−QAMのQPSKデマッピング)の増加はない。他の欠点は、ペイロードが既に考えられる最大変調次数を使用している場合、階層変調は困難であるという事実である。さらに、ペイロードビットインターリーバは、次に高いQAMサイズに対して最適化されない。これにより、典型的には、ペナルティを無視することができる。しかしながら、階層変調によるペイロードPLPのペナルティは、同じ程度に小さい。
【0167】
上述のペイロードに関連したオプションの性能比較を
図14に示す。
図14は、異なるEWS挿入方法に対するペイロードPLP性能を示す。
【0168】
ここで、検出およびシグナリングのための保存トーンの使用について説明する。保存トーンは、PAPR(ピーク対平均電力比)を減少させるためにDVB−T2等のOFDMに基づく送信システムにおいて用いられる。時間領域OFDM信号に良い影響を与えるアルゴリズムにより、約1%のOFDMサブキャリアの複素数値が調整される。すなわち、時間領域信号におけるピークが低減される。基本的に、EWSシグナリングに対して、保存トーンの容量を用いることができる。勿論、これは、緊急事態が発生した場合に限る。その他の場合、保存トーンは、PAPR低減のために用いることができる。したがって、システムは、EWSイベントの際にPAPRが(わずかに、例えば2dB)低くなるものの、毎回動作可能である。保存トーンの容量が単一のOFDMシンボルに対して十分に高くない場合、EWSシグナリングデータは、いくつかのOFDMシンボルに分散させることができる(関連するシグナリングをL1データに埋め込むことができる)。
【0169】
他の側面は、保存トーンに基づくメカニズムにより、例えば、適切な相関パターンを保存トーンキャリアに変調する場合、フレーム内でさえ緊急シグナリングが可能になるかもしれないことである。これには、EWS検出のために受信装置は次のプリアンブルを待つ必要がないという利点がある。すなわち、EWS処理遅延を低減することができる。
【0170】
他の実施形態において、EWSシグナリングデータがさほど重要でないPLPと置換されることが提案されている。このシナリオでは、緊急時に、EWSシグナリングが完全に1つ(または複数)の選択されたPLPを置換することが予想される。当然、元のPLPは、EWSイベントの間は消える。しかしながら、オペレータは、滅多に起こらない緊急事態の際に置換されるさほど重要でないサービスを選択することができる。これは、音声、ビデオテキスト、ショッピングチャネル、ユーザ数が少ないサービス、または他の関連サービスのみを伝達するPLPとすることができる。したがって、多くの顧客はそのサービスを購入しないので、ユーザが嫌な体験をすることは予想されない。置換されるPLPの定義は、L1シグナリングに埋め込むことができる。あらゆるサービスPLPの容量がEWSシグナリングデータに対して必要とされるデータレートをはるかに超えることが予想される。EWSシグナリングのロバスト性を向上させ、最終的なデータレートを調整するために、よりロバストなModCodsおよびデータの繰り返しを適用することができる。
【0171】
さらに別の実施形態において、EWSシグナリングデータは、シグナリングデータの一部である。上述の実施形態はすべてペイロードシンボルまたはペイロードPLPの一部を変化させることを提案するものであったが、以下のオプションは、シグナリング部分自体へのEWSシグナリングを含む。これは、機能的側面から好ましいが、一方、さらなるオーバーヘッドまたは受信装置に対する復号化の複雑性が伴う。
【0172】
さらに、一実施形態において、追加のEWSシグナリングブロックが提供される。このオプションにおいて、EWS情報は、符号化され、独立型の専用EWSシグナリングブロックに変調される。変調および符号化は、L1シグナリングに対して行われるのと同様の方法で行われる。すなわち、固定長と固定符号レートを有するパンクチャされたLDPCが使用される。この方法の利点は、(短いコードワードで高いロバスト性を実現するのは難しいものの、ロバスト性は、一般的に、コードワードサイズを減少させることにより低減するので)EWSシグナリングに対してよりロバストなModCodを使用できることである。
【0173】
勿論、EWSシグナリングブロックは、緊急時にのみ存在する。すなわち、通常は、オーバーヘッドを伴わない。一実施形態において、緊急時におけるEWSシグナリングブロックの存在は、L1動的シグナリングに(例えば、1ビットフラグとして)シグナリングされる。EWSシグナリングブロックの変調は、L1設定部分においてシグナリングされる。これにより、異なるロバスト性レベルおよびペイロードに関する独立したEWS範囲計画が可能になる。
【0174】
複雑性は増加しないがオーバーヘッドが固定された簡単な実施形態では、必要となるEWSシグナリングデータ容量がL1シグナリング(例えば256ビット)において割り当てられる。この利点は、動的処理を必要としないことであり、これにより受信装置の実行が著しく容易になる。
【0175】
上述の独立型EWSシグナリングブロックの代わりに、緊急時のみに、必要とされる量のEWSシグナリングデータによりL1動的シグナリングも拡張することができる。また、緊急でない通常の動作において、オーバーヘッドがない。しかしながら、L1動的ブロック長が可変となるので、この動的処理には、いくつかの欠点もある。主な影響は、スケジューリングに対するものである。これは、さらなる容量を動的に短期間で統合する必要があり、L1動的ブロック長をすべてのフレームに対してシグナリングしなければならないのでL1前が可変となることによる。
【0176】
さらに別の実施形態において、EWSシグナリングデータを送信するために、OFDMキャリア拡張が用いられる。このオプションは、基本的に、(シグナリングシンボルまたはプリアンブルシンボル上ではなく、好ましくは、ペイロードシンボル上で独占的に)制限された数の追加OFDMサブキャリアにEWSシグナリングを挿入することを提案するものである(すなわち、EWS情報はフレーム毎にわずかなペイロードシンボル上でのみ挿入される。あるいは、EWSシグナリングはフレーム毎にすべてのペイロードシンボル上でそれらを有するように繰り返される)。ペイロードシンボル毎のサブキャリアの数が非常に限られているため、スペクトル特性およびマスクは、事実上、影響を受けないか、受けたとしてもわずかである。
【0177】
最も簡単な場合、ペイロードシンボルの正常スペクトルのエッジ上にキャリアが追加される。
図32にその原理を示す。この方法の主な利点は、以前と全く同じ方法で、ペイロードデータを伝達するペイロードシンボルのサブキャリアを復号化できることである。すなわち、パイロットおよびペイロードキャリア割り当てに変化がない。さらに、送信装置IFFTにより、容易に、わずかな追加サブキャリアを埋め込むことができる。それでもなお、わずかな変更を受信装置に加える必要がある。すなわち、元の符号化連鎖はほとんど変更されず、複雑でないEWSデコーダをさらに必要とする。
【0179】
例1:6MHz毎に32kのFFTを用いる。すなわち、キャリア間隔は、約209Hzであり、これにより、シンボル期間は約4.8ミリ秒となる(=1/(キャリア間隔))。本例において、256ビットの基本EWSシグナリングデータは、QPSK符号レート1/2で変調される。すなわち、この基本EWSシグナリング情報を伝達するのに256個のサブキャリアが必要となる。これら必要となる256個のサブキャリアは、8シンボルにわたって分散されてもよく、各スペクトルエッジ上で16個のサブキャリアとなる。したがって、その結果得られるEWSシグナリング期間は、38.2ミリ秒である。帯域幅の拡張はごくわずかであり、6.7kHz、すなわち、現在のチャネル帯域幅の約0.12%にすぎない。
【0180】
例2:例1と同様に6MHzのチャネル毎に32kのTxFFTサイズであるが、ここでは、256個すべてのEWS基本ビットが単一のペイロードシンボルに追加される。必要となる追加帯域幅は53.5kHz、すなわち、チャネル帯域幅の約1%まで増加する。本例において、シグナリング期間は、4.8ミリ秒まで減少する。
【0181】
例3:6MHzのチャネル毎に32kFFTではなく8kのTxFFTサイズとする。8kのシンボルは、32kのシンボルと比較して1/4のシンボル期間しかないので、同様の帯域幅拡張および同様の待ち時間を実現するために、EWS情報を分散させるためのペイロードシンボルの数を増加させることができる。
【0182】
スペクトルエッジにおけるEWSキャリアのためのチャネル推定により、特に、EWSシグナリングデータが確実に変調され符号化されるので(例えば、QPSKのCR1/2)、実行が容易になる。したがって、チャネル推定は正常ペイロードシンボルの従来のパイロットに基づくことができる。スペクトルエッジにおけるEWSキャリアのためのチャネルは、正常ペイロードシンボルおよびそのパイロットからの外挿により推定される。あるいは、EWSシグナリングデータは、異なるQPSK(DQPSK)により変調される。エッジパイロットに基づいて、以前のキャリアから以下のすべてのEWSキャリアを推定することができる。専用のチャネル推定は必要ない。
【0183】
上記方法の欠点は、EWSキャリアの周波数多様性が不足していることである。すなわち、それらは、EWSキャリアがフェージングチャネル内の低SNR領域に入らない場合、復号化できないかもしれない。
【0184】
したがって、他の実施形態において、
図33に示すように、他のサブキャリアにEWSキャリアを分散させることが提案される。上述の実施形態と比較して、OFDMシンボル毎のサブキャリアの総数は一定のままである。当該パイロット構造および位置は、すべてのサブキャリアに対する適切なチャネル推定を確保するために適用される必要があるかもしれない。しかしながら、当該拡張が多数のパイロット間隔で実行される場合、これは容易である。
【0185】
EWSキャリアを周波数領域に分散的に挿入する1つの簡単な可能性は、緊急時に新たに拡張された数のサブキャリアにわたって作用する拡張周波数インターリーバを用いることである。一方、正常周波数インターリーバは、通常動作時に用いられる。
図34は、拡張周波数インターリーバを用いてEWSシグナリングデータを挿入する手段を含む送信装置950の概略図である。
図11に示す送信装置900の実施形態の構成要素に加えて、送信装置950は、「通常の」処理連鎖における時間インターリーバ952および周波数インターリーバ954、ならびにEWSシグナリングデータを追加周波数サブキャリアに埋め込むためのEWSキャリア挿入部956および拡張周波数インターリーバ958を含む。
【0186】
一実施形態において、「基本EWSシグナリングデータ」の内容は以下のとおりである。
・緊急番号―16までの緊急事態を扱うことができる:4ビット
・タイプ―256までの異なる緊急事件のタイプ:8ビット(地震だけではない)
・予め定義されたメッセージ(64個まで):6ビット
・位置(経度および緯度):32ビット
・参照ISDB−T・EWS:23ビット
・放送位置(多数の領域が常に影響を受ける):64ビット
(基本的には、郡情報(ISDB−T・EWS:56ビット)。米国の状況:州毎の郡の平均の数は12である;最も郡の数が大きい州はテキサスである(254);最も少ないのはデラウェアである(3))
・災害(または情報)の時刻:16ビット(参照:ISDB−T・EWSに対して10ビット)
・詳細情報を含む他のPLPへのリンク:32ビット(緊急事態1件につき4リンク?)
・各リンクに対して、情報のタイプ(2ビット)、PLPのID(4ビット):8ビット
・チェック(パリティチェック符号化/CRC等):32ビット
・合計:最大256ビット(緊急事態の各数字によって順番に繰り返す)
【0187】
以下に詳細に説明する提案されたATSC3.0フレーム構造において、異なる物理層フレーム内のOFDMシンボルは、異なるサブキャリア間隔を有してもよい。したがって、(プリアンブル検出における)周波数領域フレーム同期は、直ちに行うことはできない。したがって、(L1シグナリング部15によって生成される)プリアンブルシンボルを時間領域において検出しなければならない。これは、プリアンブルが復号化され、そのシグナリングペイロードがフレームの周波数領域処理を開始することができると解釈した後でのみ行われる。新しいプリアンブルは、以下のすべての特定要件を満たす。
・同期性能;
・オフセット補正性能;
・シグナリングのロバスト性;
・干渉に対する保護
【0188】
全てのフレームタイプに対して同一のプリアンブルが用いられる。(プリアンブルシンボルの時間領域特性を示す)
図14に示すように、プリアンブルは拡張ガードインターバルGI(部分長57/128)を有する通常の8kシンボルを含む。このGIは、32kのFFTサイズ(すなわち57/512)に対して考えられる最長のガードインターバルにマッピングするために選択される。したがって、すべてのフレームタイプに対するISI回避が保証される。
【0189】
標準帯域幅(すなわち6MHz)に対して、プリアンブルシンボルは、6912個のサブキャリアを割り当て、ペイロードシンボルの連続パイロットと同じ位置に45個の周波数オフセット推定パイロットを含む。他のいかなるパイロットも予測されない。6867個のペイロードキャリアは、L1シグナリングに対してBPSK変調を用いる。
【0190】
プリアンブルシンボルは、重ね合わされた時間領域パイロット信号(SigSeq)を用いる。これは、正確なフレーム同期およびチャネルインパルス応答(CIR)推定を可能にする良好なACF(自動相関関数)特性を必要とする。これにより、受信装置における全帯域チャネル伝達関数推定は、CIRから算出される。
【0191】
SigSeqは、電力効率の良好なEWSを可能にするために、2つの考えられる一定振幅ゼロ自己相関(CAZAC)シーケンスのうちの1つを含む。CAZACシーケンスは、時間領域および周波数領域における優れた相関特性、ならびに帯域制限スペクトル作用のために選択されている。ガードインターバルのサイズが固定されているため、プリアンブルの検索をNgサンプル(すなわち、ガードインターバルのサンプルの数)に限定することができる。
【0192】
図16は、送信側におけるプリアンブルの生成を示す。スクランブリング部101におけるシグナリングビットのスクランブリングにより、同様に変調された多くのOFDMサブキャリアでプリアンブルシンボルのPAPRが過剰にならないことが確保される。スクランブリングされたシグナリングビットは、その後、FEC・BPSK部102において、下位のコンステレーション((D)BPSKまたは(D)QPSK)へのマッピングに先立ち、4KのLDPC符号により低符号レート(1/4または1/5)でFEC符号化される。その後、SigSeq生成部103で生成されたSigSeqシーケンスは、結合部(例えば、加算部)104に追加される。異なる振幅比を適用することができる。結合プリアンブルシンボルの電力が変化しないように、各サンプルは第1のスケーリング部105において項Gによりスケーリングされ、対応する入力サンプルは第2のスケーリング部106において(1−G)によりスケーリングされる。考えられる最高の値として、P=(1−G)/G=8dBが提案される。
【0193】
IFFT部107は、パイロット挿入部108におけるパイロット挿入に続く。このステージにおいて挿入されたパイロットは、チャネル推定のためのものではない。これに続いて、ガードインターバル挿入部109により、プリアンブルOFDMシンボルのサイクリックプレフィックスであるガードインターバルが挿入される。ガードインターバル挿入後、Ns=Nu+Ngの複合サンプルからなるTs=Tu+Tgの通常のOFDM時間領域シンボルが形成される。なお、TuはNuサンプルの有効なシンボル期間であり、TgはNgサンプルのガードインターバル期間である。
【0194】
図16に示すシグネチャーシーケンス生成部103の一例を、
図36に詳細に示す。
図36は、
図16に示す結合部104によりシグナリングOFDMシンボルの複合サンプルに追加された複合シグネチャーシーケンスを生成するための配置を示す。
【0195】
図36において、それぞれの場合において、2つの線形フィードバックシフトレジスタを用いて、同相成分300.1および300.2ならびに直角位相成分302.1および302.2に対して1組の偽ランダムビットシーケンスを生成する。それぞれの場合において、当該1組の偽ランダムビットシーケンスは、排他的OR回路310および312を用いて結合され、そのシグネチャーシーケンスの同相成分300.1および300.2ならびに直角位相成分302.1および302.2に対するゴールドシーケンスが生成される。バイナリ・バイポーラマッピング部(Bin2Bip)314および316は、その後、シグネチャーシーケンスの同相成分318および直角位相(仮想)成分320に対するサンプルをそれぞれ形成する。実際、
図36に示す構成において、2つのm−シーケンスに対してXOR演算することにより、ゴールド符号が形成される。当該m−シーケンスは、線形フィードバックシフトレジスタ300および302により形成される。以下の表は、
図36に示す例に係る線形フィードバックシフトレジスタに対する生成多項式を示す。
【0197】
図16に示すように、スケーリング部15はシグネチャーシーケンスに因数Gを乗算し、スケーリング部106はシグナリングOFDMに因数1−Gを乗算する。シグネチャーシーケンスシグナルがf(n)である一方、時間領域シグナリングOFDMシンボル信号がc(n)で場合、複合送信プリアンブルシンボルs(n)はs(n)=(1−G)c(n)+Gf(n)で与えられる(式中、シグネチャーシーケンスに適用されるGはスケーリングである)。シグネチャー信号により歪みがシグナリングOFDMシンボルに効果的に追加され、これにより、受信装置におけるシグナリングOFDMシンボルのビットエラーレートが増加する。さらに、正規化電力1により、実際、複合シンボルはシグネチャー信号とシグナリングOFDMシンボル信号との間に電力を分配する。Gに対する値が高いほど、シグネチャー信号は電力が大きいため、受信装置におけるフレーム同期(プリアンブルの検出)は低い信号対雑音比で実現されるべきである。しかしながら、(シグネチャー信号の電力を増加させるために)シグナリングOFDMシンボルの電力を減少させることは、シグナリングOFDMシンボルの信号対雑音比が減少するにつれて受信装置におけるシグナリング情報自体のエラーのない符号化がより困難になることも意味する。したがって、Gに対する最適値は、これら相反する目的の間で妥協する必要がある。さらに、当該最適値は、シグナリングOFDMシンボルとシグネチャー信号との間の電力比に比例するP=(1−G)/Gと定義することができる。Gに対する適切な値は、この電力比Pを用いて試してみることにより設定できる。
【0198】
最初の検出において、シグナリングまたはプリアンブルOFDMシンボルは、チューナ52により導入されるチューニング周波数オフセットの存在下で復号化される必要があるかもしれない。これは、周波数オフセットの効果を低減する方法でシグナリングデータがプリアンブルOFDMシンボルに変調されるか、あるいはリソースをプリアンブルシンボルに挿入して周波数オフセットの推定を可能にし、その後、プリアンブル復号化に先立ち当該周波数オフセットの除去を可能にすることを意味する。一例では、送信フレームは、フレーム毎に1つのプリアンブルOFDMシンボルを含む可能性があるので、第1のオプションを実現するのが困難である。第2のオプションにおいて、追加リソースは、周波数オフセットおよび共通位相誤差を推定するために使用されるように、OFDMに挿入される周波数領域パイロットサブキャリアの形式とすることができる。その後、周波数オフセットは、当該シンボルが均一にされて復号化される前に除去される。パイロットのデータペイロード伝送OFDMシンボルへの挿入と同様に、本技術の実施形態は、マルチパスによりプリアンブルOFDMシンボル全体においてパイロットが通常のヌルになるときは、プリアンブルサブキャリアよりも大きい周波数オフセットの推定を可能にする(シグナリングプリアンブル)OFDMシンボルパイロットサブキャリア内に挿入するように変更することができる。これにより、180のパイロットサブキャリアを先験的に定義された位置で8Kシンボルにわたって提供することができる。サブFETビン周波数オフセットは、プリアンブルOFDMシンボル自体の検出を介して推定される。これにより、本技術の実施形態は、パイロットシンボルを伝送するサブキャリアの数が、プリアンブルOFDMを送信するチャネルインパルス応答を推定するのに必要な数より少ないが、送信OFDMシンボルの粗周波数オフセット推定するのには十分なプリアンブルOFDMシンボルを提供することができる。
【0199】
上述のように、プリアンブルは、シグナリングデータを伝達するOFDMシンボルとシグネチャーシーケンスとを組み合わせることにより形成される。当該シグナリングデータを復号化するため、受信装置は、プリアンブルOFDMシンボルを最初に検出し、キャプチャする必要がある。一例において、既知のシグネチャーシーケンスの複合サンプルの複合体に整合されたインパルス応答を有する整合フィルタリング部を用いてシグネチャーシーケンスを検出してもよい。しかしながら、受信信号における周波数オフセットは、整合フィルタリング部の出力を変調し、整合フィルタリング部を用いたシグネチャーシーケンスの正確な検出を妨げる効果を有する。プリアンブルを検出し、周波数オフセットの存在下で当該プリアンブルにより提供されるシグナリング情報を復元するための一例の受信装置を
図37aに示す。
図37aにおいて、アンテナから受信した信号は、従来の構成によりベースバンド信号に変換され、入力部420から複素数乗算部422および周波数同期部424にそれぞれ供給される。周波数同期部424は、受信信号r(x)における周波数オフセットを検出し、多くのサブキャリアに関するオフセットの量をオシレータ426に供給する役目を果たす。オシレータ426は、乗算部422の第2の入力に供給される複素周波数信号を生成する。乗算部422は、オフセットの反転値を受信信号r(x)に導入する役目を果たす。このようにして、乗算部422は、オシレータ426からの出力に受信信号r(x)を乗算し、これにより、プリアンブル検出・デコーダ430がプリアンブルOFDMシンボルを検出し、出力チャネル432で出力されるプリアンブルにより伝達されるシグナリングデータを復元できるように、受信信号における周波数オフセットが補償され、あるいは実質的に反転される。
【0200】
図37bは、
図37aに示す受信装置の一部を構成する周波数同期部424の実行例を提供する。
図37bにおいて、受信信号は入力部420からプリアンブルガードインターバル相関部432に供給される。プリアンブルガードインターバル相関部432は、第1の出力部434で、OFDMシンボルサンプルNuの有効部分の開始を示す信号を生成する。第2の出力部436は、OFDMシンボルのサンプルをフーリエ変換処理部438に供給するが、有効部分Nuにおけるサンプルの数により遅延される。プリアンブルガードインターバル相関部432からの第1の出力部434は、ガードインターバルの位置を検出し、チャネル442を通して閾値検出部440からFFT438にトリガー信号を提供する役目を果たす。当該トリガー信号は、FFT438がOFDMシンボルNuの有効部分の時間領域サンプルを周波数領域に変換するトリガーとなる。フーリエ変換処理部438の出力は、受信したOFDMシンボルにおけるパイロット信号を受信装置におけるレプリカに関連付ける連続パイロット(CP)整合フィルタリング部444に供給される。当該レプリカは、周波数領域におけるCP整合フィルタリング部のインパルス応答を設定するために用いられる。したがって、整合フィルタリング部444は、再生されたパイロットと受信したOFDMシンボルとを相関させ、相関結果を検出閾値部446への入力に供給する。検出閾値部446は、チャネル448におけるFFTビンの数に関して受信信号におけるオフセット検出する。チャネル448は、受信信号におけるオフセットを補正するためにオシレータ426に供給される周波数オフセットを効果的に提供する。
【0201】
図37cは、プリアンブルガードインターバル相関部432の実行例を提供し、ガードインターバルを検出するための従来の構成に相当する。検出は、連続したNgサンプル期間にわたって蓄積された交差相関出力によるNuサンプルの遅延の後、受信したOFDMシンボルのサンプル同士を交差相関させることにより行われる。このようにして、受信信号は、入力部420から乗算部450および遅延部452に供給される。遅延部452は、乗算部450により受信信号と乗算させるために、複素共役部454への出力を供給する。遅延部456は、ガードインターバルにおけるサンプル数Ngによりサンプルを遅延させ、単一遅延部458は、加算部460の出力を遅延させる。加算部460は、受信信号と、有効サンプルNuに相当し、加算部460に供給される遅延されたサンプルの複合体との乗算結果を乗算部450から受信する。加算部460とともに、遅延ブロック456および458は、次数Ngの移動平均フィルタリング部を実行する。その効果は、Ngサンプルにわたって交差相関部の連続出力を蓄積することである。このようにして、第1の出力部434において、ガードインターバル期間を検出することにより、OFDMの有効部分の検出の表示が提供される。出力部436は、第1の出力部434によりガードインターバルが検出された後で、フーリエ変換を行うために、FFTに供給される遅延された受信信号サンプルを提供する。
【0202】
図37dは、周波数同期部424の他の実行例を提供し、シグネチャーシーケンス整合フィルタリング部462によるプリアンブルシンボルの第1の検出に対応する。しかしながら、最初に、差動エンコーダブロック461を用いて、受信信号に存在する周波数オフセットにより出力された整合フィルタリング部の変調を低減するように受信信号を変更する。差動エンコーダ461は、受信信号と時間領域シグネチャーシーケンスの両方に適用される。時間領域シグネチャーシーケンスは、周波数領域シグネチャーシーケンス生成部504の出力の逆フーリエ変換部506により生成される。
図40aを参照して後述するシグネチャーシーケンス整合フィルタリング部462は、タップが時間領域シグネチャーシーケンスの係数に設定される有限インパルス応答フィルタリング部である。
【0203】
したがって、
図37dに示す回路は、周波数同期部424の一例を構成する。本例において、シグネチャーシーケンス生成部504はシグネチャーシーケンスを再生し、逆フーリエ変換部506は当該シグネチャーシーケンスを時間領域に変換し、差動エンコーダ461は無線信号における周波数オフセットの変調効果を低減するために受信信号の連続サンプルを差動的に比較し、それに応じて、当該シグネチャーシーケンスの時間領域の連続サンプルを差動的に比較する。既に説明したように、整合フィルタリング部462は、差動的に符号化されたシグネチャーシーケンスに対応するインパルス応答を有し、差動エンコーダ461から受信信号を受信し、差動的に符号化された受信信号をフィルタリング部リングして粗周波数オフセットの推定を出力において生成する。
【0204】
図37bに示す出力チャネル434に対応して、
図37dに示す出力チャネル463は、閾値ブロック440に供給される信号を生成して、FFT438へのトリガーを形成する。
図37bに示す出力チャネル436は、
図37dに示す出力チャネル464に対応する。このチャネルは、チャネル442を通して閾値ブロック440によりいいタイミングで動作されるFFTブロック438にプリアンブルOFDMシンボルサンプルを伝達する。
図37eは、差動エンコーダブロック461の一例を提供する。受信したサンプルr(n)は、ユニット遅延素子465および共役ブロック466に入る。遅延素子465は、各サンプルを1サンプル期間だけ遅延させる。一方、共役素子466は、その出力において、各入力サンプルをその複合体に変化させる。その効果は、入力[ri(n)+jrq(n)]を出力[ri(n)−jrq(n)]に変換することである。この複合体サンプルは、その後、加算部467により、遅延素子465の出力から減算される。入力信号[ri(n)+jrq(n)]および出力[yi(n)+jyq(n)]n=0,1,2…に対して、差動エンコーダ461は以下の式を実行するように作用する。
【0206】
これにより、プリアンブル検出および復号化がプリアンブル検出・デコーダ430により行われる前に、
図37a、
図37b、
図37c、
図37d、および
図37eに示す構成により、受信シグナルにおける周波数オフセットが推定され補正される。
【0207】
既に説明したように、
図37aに示す受信装置の例について、プリアンブル検出・デコーダ430はプリアンブルシンボルを検出し、当該プリアンブルシンボルからシグナリングデータを復元するように構成される。この目的を達成するために、プリアンブル検出・デコーダ430は、シグネチャーシーケンスを検出することによりプリアンブルを検出し、その後、プリアンブルからシグナリングデータを復元する前に当該シグネチャーシーケンスを除去する。
図17、
図38、および
図39に、プリアンブル検出・デコーダ430の実施例を示す。
【0208】
本技術の実施形態は、シグネチャーシーケンスを検出し、周波数領域または時間領域において当該シグネチャーシーケンスを除去する受信装置を提供することができる。
図17は、周波数領域においてシグネチャーシーケンスを除去する第1の例を提供する。
図17に示す受信装置の例を参照して、受信したベースバンド信号は、受信チャネル428から整合フィルタリング部502および復調部550に供給される。整合フィルタリング部502は、シグネチャーシーケンス生成部504がシグネチャーシーケンスのコピーを再生した後、時間領域においてシグネチャーシーケンスを受信する。シグネチャーシーケンス生成部504は、送信装置において、シグネチャーシーケンス生成部103と同一のものである。整合フィルタリング部502は、時間領域シグネチャーシーケンスに整合されたインパルス応答を有するように構成される。このようにして、整合フィルタリング部502は時間領域シグネチャーシーケンスを受信チャネル428から供給された受信信号と相関させ、その相関出力結果は、相関処理の出力が所定の閾値を超えたときに、プリアンブルOFDMシンボルの存在を検出するために用いることができる。さらに、プリアンブルOFDMシンボルにおいてシグネチャーシーケンスが存在する結果、チャネルインパルス応答推定部508により、受信信号が通過したチャネルのインパルス応答を整合フィルタリング部の相関出力から推定することもできる。したがって、受信装置は、従来のスキャッタードパイロットへのリソースなしにシグネチャーシーケンスを用いてチャネルインパルス応答を推定するための構成を有することができる。
【0209】
シグネチャーシーケンスの存在を検出し、チャネルインパルス応答を推定して、チャネルインパルス応答の影響を復調部550内の受信信号から排除することができる。これにより、第1のフーリエ変換部518は、チャネルインパルス応答推定を周波数領域チャネル伝達関数に変換し、当該チャネル伝達関数を復調部550内のイコライザ516に供給する。
【0210】
図17に示す受信装置において、復調部550は、エラー補正モードで符号化されたベースバンド形式でシグナリングデータを復元するように構成される。したがって、復調部550は、シグナリング(プリアンブル)OFDMシンボルからシグナリングデータを復元する。当該シグナリングデータは、その後、前方誤り訂正デコーダ520により復号化され、デスクランブリング部522によりデスクランブリングされる。デスクランブリング部522は、
図16に示すスクランブリング部101に相当するが、逆スクランブリングを行う。
【0211】
復調部550は、シグナリングOFDMシンボルからガードインターバルを除去するガードインターバル除去部512と、時間領域サンプルを周波数領域に変換するFFT部514とを有する。イコライザ516は、既に説明したように、FFT部518によりチャネル伝達関数を生成するために周波数領域に変換されたチャネルインパルス応答の影響を取り除く。周波数領域において、イコライザ516は、変調シンボルから送信チャネルの影響をできる限り取り除くために、OFDMサブキャリアを伝達する各シグナリングデータを対応するチャネル伝達係数で分割する。
【0212】
シグネチャーシーケンス除去部は、シグネチャーシーケンス生成部504により生成された周波数領域におけるシグネチャーシーケンスを、上述のように、スケーリング部521によりスケーリング因数Gでスケーリングした後で受信する加算部510により構成される。このようにして、シグネチャーシーケンス除去部519は、第1の出力において、均等化されたプリアンブルOFDMシンボルを、第2の出力において、周波数領域においてスケーリングされたシグネチャーシーケンスをそれぞれ受信し、一方を他方から減算して、プリアンブルOFDMシンボルのデータ伝送サブキャリアにより伝達された変調シンボルの推定を出力において生成する。
【0213】
エラー補正符号化プリアンブルシグナリングデータを表す変調シンボルは、その後、復調・FECデコーダ520により復調およびエラー補正復号化され、出力において、L1シグナリングデータのスクランブリングされたビットを形成する。当該ビットは、その後、デスクランブリング部522によりデスクランブリングされ、出力部524として、L1シグナリングデータビットを形成する。
【0214】
時間領域で動作し、シグネチャーシーケンスを除去するプリアンブル検出・デコーダ430の他の例を
図38および
図39に示す。
図38は、プリアンブル検出・デコーダ430の一例を提供する。これは
図17に示す例に対応するので、
図38に示す例の動作に関する相違点のみ説明する。
図38において、
図17に示す例と同様に、ベースバンド受信信号がシグネチャーシーケンス整合フィルタリング部502および復調部550に供給される。
図17に示す例と同様に、シグネチャーシーケンス整合フィルタリング部は、受信信号をシグネチャーシーケンスに整合されたインパルス応答と交差相関させる。シグネチャーシーケンスは、シグネチャーシーケンス生成部504により周波数領域においてシグネチャーシーケンスを再生し、逆フーリエ変換処理部506により当該シグネチャーシーケンスを時間領域変換することにより、時間領域形式で受信される。
図17に示す例と同様に、チャネルインパルス応答推定部508は、シグネチャーシーケンス整合フィルタリング部502の出力からチャネルインパルス応答を検出し、FFT部518によりこれを周波数領域チャネル伝達関数に形成して、当該周波数領域チャネル推定を復調部550内のイコライザ516に供給する。
【0215】
図38に示す例の動作は、今までのところ、
図17に示すものに対応する。
図38に示すように、復調部550は、ガードインターバル除去部の前方にシグネチャーシーケンス除去部559を有する。逆フーリエ変換部560から供給される時間領域シグネチャーシーケンスは、スケーリング部521により所定の因数Gでスケーリングされる。スケーリングされた時間領域シグネチャーシーケンスは、その後、シグネチャーシーケンス除去部559に供給される。シグネチャーシーケンス除去部559は、時間領域において受信ベースバンド信号からシグネチャーシーケンスを除去する。その後、ガードインターバル除去部512、FFT部514、およびイコライザ516は
図17に示す各構成要素に対応する方法で動作する。
【0216】
図38に示すシグネチャーシーケンス除去部559は、
図39に詳細に示されている。
図39において、シグネチャーシーケンス除去部559は、ガードインターバル挿入部561と、結合部560と、FIRフィルタリング部562とを含む。時間領域ベースバンド受信信号は、入力チャネル428において結合部560の入力で受信される。第2の入力部564は、スケーリングされた時間領域シグネチャーシーケンスを受信する。当該シグネチャーシーケンスは、ガードインターバル挿入部561に供給される。ガードインターバル挿入部561は、送信装置においてほぼ同じ方法で当該シグネチャーシーケンスの先頭にサイクリックプレフィックスを追加する。ガードインターバル挿入部の出力は、チャネルインパルス応答抽出ブロック508で生成されたチャネルインパルス応答の推定を第2の入力部566で受信するFIRフィルタリング部562に供給される。したがって、FIRフィルタリング部562は、チャネルインパルス応答推定を時間領域におけるシグネチャーシーケンスで畳み込む。当該推定は、その後、結合部560により受信ベースバンド信号から減算され、受信信号からシグネチャーシーケンスの影響が取り除かれる。
図40bは、このシグネチャーシーケンスの除去のより詳細な実行例、およびどのようにFIRフィルタリング部562を構成するかを示す。
【0217】
上述の内容から理解されるように、復調・FECデコーダ520およびスクランブリング部522の動作は、
図17を参照して説明したものと同じ機能を果たす。
【0218】
このようにして、受信装置側において、第1のステップでフレーム同期(プリアンブルシンボル検出)が行われる。整合フィルタリング部は、時間領域CAZACシグネチャーシーケンス(T−SigSeq)検出用に構成され、整合フィルタリング部出力からCIRの導出を可能にする。プリアンブルからSigSeqを除去するために、以下の2つの方法がある。
時間領域除去:CIRを用いて、時間領域において除去用チャネルを通過するT−SigSeqの効果を合成する;
周波数領域除去:周波数領域において均等化した後、F−SigSeqを除去する。
【0219】
上述のように、整合フィルタリング部502は、受信信号とシグネチャーシーケンスとの相関を表す出力信号を生成する。
図40aは、シグネチャーシーケンス整合フィルタリング部502の例を示すブロック図である。当該ブロック図は、スケーリング部602に接続されたNs遅延要素600のシーケンスを表す。スケーリング部602は、シグネチャーシーケンスP(n)の対応する成分により遅延記憶部600に記憶された共役データの各サンプルをスケーリングする。各スケーリング部602からの出力は、その後、加算部604に供給される。加算部604は、出力部606における受信信号サンプルr(n)とシグネチャーシーケンスとの相関を表す出力信号を生成する。整合フィルタリング部は、以下の数2で表される式を実行する。
【0221】
フィルタリング部タップP(i)が(±1±j1)の形式のものである場合、同相成分および直角位相成分のそれぞれに対する加算回路および乗算回路により、各タップにおいて、乗算を簡単に行うことができる。シグネチャーシーケンスがCAZACシーケンスである場合、P(i)の直角位相成分は、バイポーラではない。その代りに、スケーリング部602は、形式(±1±j1)を有するように、各直角位相成分の符号を用いることができる。
【0222】
周波数領域におけるプリアンブルを均等化するために、SigSeq整合フィルタリング部から取り込まれたCIRをFFT処理によりチャネル伝送応答(CTF)に変換する。上述のように、
図17は、受信装置による処理、特に、プリアンブルシンボルの生成(周波数領域手法)の実行例を示す。L1ブロックは、ペイロードデータを復号化するために、すべてのレイヤー1シグナリングを含む。これらL1ブロックは、5.71MHz毎に周期的に繰り返される。このようにして、CMのチューナ位置がL1ブロック構造に適合しない場合でも、CMは2つのブロックのデータをソートすることによりデータを得ることができる。
図18は、その原理、すなわち、任意のチューニング位置からの、CM側のL1ブロックの取り込みを示す。
【0223】
結果として、チューナ帯域幅が5.71MHz以上である限り、任意のチューニング位置で、L1ブロック内での完全シグナリングを利用することができる。プリアンブルシンボルは、周期的に繰り返されるL1ブロックによる悪影響を避けるために、周波数方向においてさらにスクランブリングされる。L1ブロックのスクランブリングの結果、全HFC周波数範囲にわたって、独特なプリアンブル到達範囲となる。これは、「完全OFDM」と呼ばれ、任意のATSC3.0信号の周波数特異的認識を可能にする。プリアンブル信号は事実上すべての周波数に対して定義されるものの、プリアンブルとL1ブロックは、一般的に、実際のATSC3.0信号も送信される場合に送信される。
【0224】
重畳されたSigSeqシーケンスは、L1ブロックに対してアラインされる。すなわち、サブキャリアに変調されたCAZACシーケンスは、5.71MHz毎に繰り返される。この特徴により、5.71MHzの最小帯域幅を超えるあらゆる帯域幅をサポートすることが可能になる(
図17も参照)。
【0225】
チャネルインパルス応答の推定を形成し、受信信号におけるシグネチャーシーケンスにより提供されるものに対応する受信信号の成分は、受信信号r(i)にシグネチャーシーケンス除去部559を通過させることにより、生成することができる。シグネチャーシーケンス除去部559は、遅延およびチャネルインパルス応答の振幅プロファイルを反映させるフィルタリング部タップhnにより構成される。これは、適切なスケーリング、シフト、およびプリアンブルシンボルの長さNs=Nu+Ngのシグネチャーシーケンスの追加により実現される。当該フィルタリング部の例を
図40bに示す。
【0226】
図40bに示すように、シグネチャーシーケンス除去部559は、遅延線からなる有限インパルス応答(FIR)フィルタリング部562を含む。当該遅延線は、Ns−1個の遅延要素652.1、652.2、…、652.Ns−1からなる。これら遅延要素の出力は、対応するゲイン項651.1、651.2…、651.Ns−1に接続される。各ゲイン項のゲイン段は、その出力を加算部653に供給する。フィルタリング部の入力部654は、遅延要素652.1の入力およびゲイン項651.0の入力の両方に接続される。FIRフィルタリング部650の出力部656は、加算部560の入力に接続される。加算部560の他の入力部657は、受信プリアンブル信号サンプルr(i)を受信する。動作中において、FIRフィルタリング部のゲイン段は、チャネルインパルス応答推定部506によって導出されたチャネルインパルス応答のサンプルの負の値に設定される。FIR650は、出力部656において、チャネルインパルス応答推定によるシグネチャーシーケンスの畳み込みを表す信号を生成する。当該信号は、シグナリングOFDMシンボルに与えられたシグネチャーシーケンスにおけるチャネルの効果の推定を効果的に提供する。加算部560は、その後、受信信号からシグネチャーシーケンスの影響を取り除くために、入力部657からの受信信号からFIR656の出力信号を減算して、出力部660を形成する。したがって、シグネチャーシーケンス除去部510により、(整合フィルタリング部の出力の)有意なインパルスが最初に発生した点に整合された遅延を伴って、受信信号から(チャネルインパルス応答によって表現されるチャネルを通過するシグネチャーシーケンスの)結果が減算される。この処理は、当該減算、チャネルインパルス応答推定部508により再推定されたチャネルインパルス応答、およびシグネチャーシーケンス除去部559により再度抽出されるシグネチャーシーケンスにおけるその影響の結果により整合フィルタリング部502を再実行することができるため、反復して行うことができる。その結果、受信信号におけるシグネチャーシーケンスの影響をより正確に推定し、受信信号から減算することができる。すべての繰り返しからのチャネルインパルス応答は、その後、合計を計算し、標準化して、プリアンブルシンボル均等化に対してチャネル伝達関数(CTF)を導出するチャネルインパルス応答の推定を改善することができる。
【0227】
図41は、受信したシグナリングOFDMシンボルにおける粗周波数オフセットを検出するために使用されるプリアンブルパイロット整合フィルタリング部444のより詳細な概略図である。プリアンブルパイロット整合フィルタリング部444は、
図37aに示す周波数同期部424の一部を構成してもよい。上述のように、シグナリングOFDMシンボルに導入されたパイロットの数は、チャネルを推定するために必要とされる数よりも少ない。したがって、パイロットシンボルの数は、粗周波数オフセットを推定するために設定される。
図41に示すブロック図は、粗周波数除去部513を表す一例を提供し、3パターンの受信プリアンブル信号701で示されている。
【0228】
図41に示すように、一連の遅延要素700を用いて、信号の個々のサンプルを供給する。各サンプルは、その後、乗算部702により既知のパイロット信号値P(n)で乗算され、加算部704によって合計され、相関出力部706を形成する。パルス検出部またはピーク検出部708は、
図37bに446で示すものと同じであり、チャネル710において、受信信号の相関オフセットと受信装置におけるパイロット信号の集団との間に一致が生じたときにピークを示す出力信号を生成する。各受信信号701において、斜線で示す円は、プリアンブルパイロットを表すサブキャリアセルを示す。一方、斜線のないセルは、非パイロットサブキャリアセルを示す。すべてのサブキャリアセルは、トランスバーサルフィルタリング部に向かって右から左にシフトされる。パラメータMaxOffは、設計者が期待する可能性のあるサブキャリア間隔Ωを単位とする周波数オフセットの最大値を表す設計パラメータである。パルス検出部の出力は、シフト(0.5(Na+Nu)−MaxOff)と(0.5(Na+Nu)+MaxOff)との間でのみ有効である。なお、Naは、(総数Nuのサブキャリアのうち)プリアンブルOFDMシンボルにおいて使用されるサブキャリアの数である。シフトが-MaxOffから+MaxOffに達した場合、パルス検出部の出力は、観測された周波数オフセットに対応するシフトに対して高くなる。
【0229】
一度Ωが検出されると、この粗周波数は、サブキャリアを−Ω、すなわち周波数オフセットと逆方向にシフトすることにより除去される。また、この粗周波数は、
図37aに示すオシレータ426により生成された適切な位相シヌソイドによる変調によりプリアンブル検出整合フィルタリング部またはガードインターバル相関部432から推定された優れた周波数オフセットと同様にFFTに先立って除去される。この2つの周波数オフセットを用いて、フレーム内の残りのOFDMシンボルに対するキャリア補正ループを開始することができる。
【0230】
シグネチャーシーケンスを受信サンプルから除去し、粗周波数オフセットを調整した後、受信したシーケンスのFFTによりOFDM均等化を開始することができる。FFTウィンドウは、チャネルインパルス応答推定における最初のインパルスの関連遅延に対応するFFT部514においてトリガー位置から開始する。チャネルインパルス応答推定期間がプリアンブルGIDより長い場合、Ng(Ngは、プリアンブルシンボルのガードインターバルにおける時間領域サンプルの数である)長ウィンドウの最初で開始することを確保するためにトリガー位置を変更する。Ng長ウィンドウ下では、チャネルインパルス応答推定のエネルギーの最大値が低下する。Nu点FFTにより、チャネルを重畳させる効果を有する、周波数領域におけるプリアンブルOFDMシンボルが生成される。均等化および復号化の前に、
図37a、
図37b,および
図37cを参照して上述したように、あらゆる周波数オフセットを計算し、周波数オフセット除去部により除去しておく必要がある。この推定には、周波数においてシンボル全体がどれだけ左右にシフトされているかを決定するために、既知のプリアンブルパイロットとの相関が利用される。プリアンブルOFDMシンボルの均等化には、チャネル伝達関数(CTF)が必要である。これは、FFT部518により、チャネルインパルス応答推定においてNu点FFTを実行することにより導出される。これにより、サブキャリアワンタップ均等化によりサブキャリアを発生させるプリアンブルOFDMシンボルにおけるすべてのサブキャリアに対してチャネル伝達関数が提供される。最後に、均等化されたデータサブキャリアを抽出し(廃棄されたパイロットサブキャリア)、デマッピングし、前方誤り訂正(FEC)復号化してシグナリングを提供する。
【0231】
ここで、フレーミング部18によって使用される、提案されたフレーミングの概念について説明する。当該提案されたフレーミングの概念により、異なるフレームタイプを時分割の方法で混合することが可能になる。これにより、モバイルTVに対するフレームだけでなく固定TVフレームを単一のRFチャネル内に埋め込むことができる。さらに、コンテナは、DVB−T2と同様にFEF(未来拡張フレーム)と呼ばれる未来のフレームタイプを統合することも予想される。その基本原理を
図19に示す。
図19は、異なるフレームタイプの混合を可能にするフレーミングの概念を示す。
【0232】
固定受信フレームのために必要とされる1つの原理は、スペクトル効率である。当該スペクトル効率は、以下の特徴により確保することができる。
・例えば256QAMの高次数変調;
・関連する安全なチャネル状況による高符号レート(>1/2);
・32K等の高FFTサイズ―これにより、ガードインターバル部分による容量損失が低減する;
・低密度スキャッタードパイロットパターン。
【0233】
例えば、高FFTサイズにより、ドップラー効果による移動通信に適さないフレームが形成される。一方、移動通信のためのフレームの主な必要条件は、高レートのサービス利用性を確保するためにロバスト性とすることができる。これは、以下のような特徴を採用することにより確保される。
・QPSK等の低次数変調;
・低符号レート(<=1/2);
・低FFTサイズ(<=8K);
・高密度スキャッタードパイロットパターン
【0234】
低FFTサイズは、より広いサブキャリア間隔およびドップラー効果に対するより高い耐性を意味する。高密度スキャッタードパイロットパターンにより、早いチャネル多様性の存在下でチャネル推定が容易になる。
【0235】
フレームはすべて、プリアンブルシンボルと、以下の多数のペイロードシンボルとを含む。スペクトル効率を増加させるために、短いフレームは避けるべきである。したがって、フレームの最大長は、時間方向におけるスキャッタードパイロット繰り返し率の4倍(すなわち、4*Dy)を下回るべきではない。一方、フレームサイズは、適度に低いザッピング時間および速いEWS検出を得るのに長過ぎるべきではない。例えば、単一のフレームに対して100ミリ秒を合理的な上限とすることができる。もちろん、単一のフレームタイプ(例えば、固定型または携帯型)を用いることができる。この場合、同じ種類のフレームは、連結される。その例を
図20に示す。
図20は、単一のフレームタイプを含むシステム送信例を示す。
【0236】
提案されたシステムは、さらに、基本となる多様な標準帯域幅(例えば6MHz)として異なるチャネル帯域幅をサポートする。
図21は、6MHzを超える広帯域送信を示す。今までのところ、単一RFチャネルに適合しないであろう4k2kサービス(または、8k2kサービスでも)のような今後の高度なサービスに必要とされるデータレートを実現することができる。さらに、特にサービス毎のビットレートを増加することによる、より広いチャネル帯域幅における統計的多重化の改善も期待されている。(上述のように)各フレームの先頭に配置されたプリアンブルの特別な特徴により、柔軟なチャネル帯域幅が可能になる。
【0237】
各フレームにおいて、プリアンブルシンボルの後には、多くのペイロードシンボルが続く。ペイロードシンボルはすべて、以下に説明するような位置に(拡散し、連続した)複数のペイロードセルとパイロットとを含む。唯一の例外は、以下に説明するフレーム開始シンボルとフレーム終了シンボルである。
【0238】
プリアンブルシンボルから独立した適切なチャネル推定を可能にするために、フレームにおける最初のシンボルと最後のシンボル(フレーム開始シンボルおよびフレーム終了シンボル)は、密度Dxの追加パイロットを含む。
図22は、SISO(単入力単出力)に対する異なる値のDxにおけるパイロット割り当てを示す。
【0239】
ここで、パイロット挿入部19によって挿入されるパイロットパターンについて説明する。まず、スキャッタードパイロットパターンについて説明する。スキャッタードパイロットは、時間方向および周波数方向において、等間隔で、信号に挿入される。以下の表に、SISOに対する提案されたパイロットパターンをまとめる。Dxは、スキャッタードパイロット−伝送キャリア間隔を示し、Dyは、時間方向におけるパターン繰り返しレート(すなわち、OFDMシンボルの数)を示す。さらに、スキャッタードパイロットオーバーヘッド容量損失数も提供される。
【0241】
DVB−T2と比較して、必要となるパイロットパターンの数は、8から4に減少する。このパターンは、6MHzの帯域幅のデフォルトケースを最適化するように設計される。しかしながら、他の帯域幅への拡張も適用できる。小さい値のDyは、メモリサイズの減少および携帯性の向上のために選択される。さらに、この選択により、待ち時間が減少する。異なるガードインターバル長およびFFTサイズに対して異なるスキャッタードパイロットをマッピングするオプションは、以下の表に提示される。この表は、SISOモードにおけるFFTサイズとガードインターバルとの可能な組み合わせに対して使用されるスキャッタードパイロットパターンを示す。
【0243】
次に、連続パイロットパターンについて説明する。このシステムのために、新しい連続パイロットパターンが提案されている。以下の重要な条件が考慮されている。
・チャネル容量損失を最小にしつつ、十分に利用できること
・全帯域を良好かつ均一にカバーしつつ、合理的にランダム化を行うこと
・すべてのFFTサイズにわたって一貫した性能および利用性
・受信装置のオーバーヘッド(必要メモリ)をできる限り低減すること
・CPパイロットパターンは、1組の数字を記憶することだけに必要な方法で設計される。
【0244】
以下の表に、連続パイロットパターンをまとめる。
【0246】
以下の表に、(6MHz毎に)8k、16k、および32kのFFTサイズに対する通常モードおよび拡張モードのCPの位置をまとめる。
【0248】
次に、パイロットブースト値について説明する。パイロットは、完全なチャネル情報に対するチャネル推定によりペイロードの電力損失の低減と効率性能の損失の低減との良好なバランスを確保するためにブーストされる。さらに、キャリア内漏洩の低減も考慮する。以下の表に、提案された連続スキャッタードパイロットのブースト値をまとめる。
【0250】
次に、インターリーバについて説明する。8k、16k、および32kのFFTサイズに対する周波数インターリーバ20を、DVB−T2またはDVB−NGHから再利用する。提案された時間インターリーバ21は、PLPレベルで動作する。時間インターリーブのパラメータは、システム内の様々なPLPに対して異なっていてもよい。
【0251】
各PLPに対するFECブロックは、インターリーブフレームのグループに分けられる。各インターリーブフレームは、FECブロックの動的可変整数+以下に説明するパディングを含む。最初は、インターリーブフレーム長が未知であってもよい。インターリーブフレームが終了することが決定したとき、この事実は以下に説明するL1シグナリングによりシグナリングされる。PLPのビットレートおよびMODCODが長時間にわたって一定である場合、非常に長いインターリーブフレームを用いる。PLPのビットレートが頻繁に変化する場合、動的可変の短いインターリーブフレームを用いる。しかしながら、これら2つの場合において、基本的な違いはない。違いは、単にインターリーブフレーム長である。
【0252】
各インターリーブフレームは、開始される能力により畳み込みインターリーバを通過して、個々のインターリーブフレームをインターリーブできるように停止する。
図23は、畳み込みインターリーバを示す。各セルがインターリーバに入力されると、選択部が1つの行を下方に前進させ、最終行の後は、最初の行に巻き戻る。図中の各正方形は、1つのセルを記憶できるメモリ位置を示す。
【0253】
インターリーブフレームの初めと終わりに、インターリーバのいくつかの行はセルを含むが他の行はセルを含まないという事実を打開する方法が必要となる。この場合、選択部は、有効なセルを含まない行をスキップする。選択部が有効なセルを含まない行をスキップする必要がある場合、インターリーバは計算を行う。インターリーブフレームの最初にインターリーバがスキップするポイントがスタートアップパンクチャとして参照される。最後にインターリーバがスキップするポイントがシャットダウンパンクチャとして参照される。
【0254】
図23に示す構成では、行にはN行=0、1、2…N行−1の番号が付与されている。なお、N行は、行の数であり、選択部の繰り返しには、0から番号が付与されている。N繰り返し=0、1、2…∞である。インターリーブフレームに残るセルの数をNフレームとする。スタートアップ処理が始まった時間に関するインターリーバから各出力の序数を計算することができる。N序数=(N繰り返し−N行+1)N行+(N行+1)N行である。
【0255】
序数は、インターリーブされていないインターリーブフレームにおけるセルの位置である。この序数が0より小さい場合、スタートアップパンクチャが検出され、選択部は次の列N通常<0に移動されるべきである。この序数がNフレーム(Nフレームはインターリーブフレームにおけるセルの数である)以上の場合、シャットダウンパンクチャが検出され、再度、選択部が次の行N通常≧Nフレームに移動されるべきである。このようにして、各位置におけるセルが有効である無効であるかを示す各位置に対するフラグを記憶する必要なく、スタートアップパンクチャおよびシャットダウンパンクチャを検出することができる。
【0256】
インターリーバが動作している間、インターリーバから出力されるセルの総数を維持することができる。一度この総数がNフレームに等しくなると、インターリーブフレーム内のセルはすべてインターリーバから出力される。インターリーバがシャットダウンされる時間が知られる前に開始される場合、スタートアップパンクチャを検出するためにインターリーブフレームNフレーム長を知る必要がないため、スタートアップパンクチャを検出するために上述の方法を依然として用いることができる。しかしながら、インターリーブフレームNフレーム長が未知の場合、この状態で検出されるシャットダウンパンクチャを有効にするために、上述の方法を適用する必要がある。この状態で、シャットダウン処理が開始される前に、任意の時間を定義し、その時点で、選択部は、行0(N行=0)である。このとき、N繰り返しを0に定義し、Nフレームをインターリーブフレームに残っているセルの数に定義する。その後、上述の方法を用いて、シャットダウンパンクチャを検出することができる。
【0257】
インターリーバ(および受信装置における対応するデインターリーバ)において、選択部を同期する必要がある。受信装置のスイッチがオンになる前にインターリーバが開始された場合、当該受信装置は、選択部の正確な位置を知る必要がある。これは、各フレームの開始時において動的L1シグナリングにより選択部の位置をシグナリングする送信装置により行われる。その後、取得プロセスの間、受信装置は、選択部を正確な位置に設定するために当該シグナリングを復号化することができる。一度デインターリーバがインターリーバに同期されると、このシグナリングを復号化する必要はない。
【0258】
また、受信装置は、デインターリーバの出力で、FECブロックの開始の位置を決定できる必要がある。これは、FECブロックの開始がデインターリーバから出力される前に、当該フレームの間にデインターリーバが出力するセルの数をシグナリングする送信装置により行われる。
【0259】
このシステムにおいて待ち時間は一定であるのが望ましい。インターリーバ選択部が行をスキップした場合、このシステムにおける待ち時間が変化する。例えば、シャットダウンパンクチャが決定された場合、現在の行はスキップされるので、現在のセルは現在の行に入力されない。しかしながら、それでもなお現在の行から出力される必要のあるデータがある。したがって、当該入力データは、何とかしてバッファに記憶する必要がある。同様に、デインターリーバにおいて、シャットダウンパンクチャが決定された場合、現在のシンボルは現在の行に入力されないので、この入力データも何とかしてバッファに記憶する必要がある。
【0260】
インターリーバ(および対応するデインターリーバ)の設計には、インターリーバおよびデインターリーバのメモリをバッファとして再利用し、必要メモリ量を最小にしつつ待ち時間を一定にする方法が含まれる。これは、送信装置の数より受信装置の数が多いので、特にデインターリーバにおいて重要である。これら方法の結果、インターリーブフレーム長は、行数N行の倍数の整数でなければならない。すなわち、NフレームmodN行=0である。これを実現するために、パディングデータをインターリーブフレームの終わりに追加する。さらに、提案されたインターリーバ法を可能にするために、フレーム毎にL1シグナリングにおける少しのシグナリング領域が必要となる。
【0261】
ここで、OFDM生成部22によるOFDM生成について説明する。
【0262】
例えばATSC3.0等の提案されたシステムにたいして3つのFFT(NFFT)サイズを提案する。以下に示すすべての数字は、8kのFFT、16kのFFT、および32kのFFTについての6MHzのデフォルト帯域幅に関する。6MHzに対する基本的な期間は、T=7/48マイクロ秒として定義される。以下の表に、主なOFDMパラメータをまとめる。値は、通常キャリアモードおよび拡張キャリアモードに対して与えられる(以下参照)。
【0264】
6MHzのデフォルト帯域幅の倍数の整数として、より広いチャネル帯域幅を実現することができる。これは、キャリアアグリゲーション、すなわち、キャリア間隔を一定に保ちつつサブキャリア数を増加させることにより行われる。以下の表は、より高いチャネル帯域幅(通常モード)に対するサブキャリア数の一覧である。
【0266】
以下の表に、ガードインターバル長に対するFFTサイズ特異的なオプションをまとめる。
【0268】
スペクトルの矩形部分は、FFTサイズが大きいほど早くロールオフするので、提案されたFFTモードに対して、OFDM信号のスペクトルの外端を拡張することができる。すなわち、データ送信のために、シンボル毎により多くのサブキャリアを用いることができる。得られる容量ゲインは、1.4%(8K)から2.1%(32K)である。
【0269】
スペクトルノッチは、本システムにおいて、地上伝送のために考えられる最大ペイロードを維持しつつ他の送信システムと共存するためにサポートされる。ノッチにより、OFDM信号から選択されたキャリアを除去することで、地上伝送のためのスペクトル効率が低減する。L1シグナリング(プリアンブル内)において利用可能なノッチパラメータは、開始位置およびスペクトルノッチの幅を正確に定義することにより、このスペクトル効率の減少を最小に保つことができることを意味する。狭帯域および広帯域の2種類のノッチが提案される。以下の表に、考えられる構成をまとめる。
【0271】
ある状況では、いくつかの(少なくとも2つの)送信装置から送信された信号は破壊的に干渉し、完全な信号は(ほぼすべてのサブキャリアにわたって)無効にされる。この作用は、横方向にディープフェードのままのスポットが存在していた様々な実地試験において測定された。様々な送信装置がわずかにことなる周波数を有している場合、これらスポットは時間の経過とともに移動し、様々な場所において、受信環境を悪化させてしまう。
【0272】
このような問題を避けるために、送信信号を送信装置特異的にし、ほぼランダムに予歪することが提案される。受信装置はこれら重畳信号を通常のSFN信号として処理する。これら予歪信号により、完全信号喪失の可能性は最小となる。受信装置が送信チャネルの一部として解釈する予歪によりチャネルインパルス応答の延長を招かないように特別に配慮する。
【0273】
したがって、簡略化されたTx図である
図24に示すようないわゆるeSFN(拡張SFN)処理は、SFN構成において多様な送信装置から送信される信号間の相関を失わせるために適用される。送信装置200は、変調部202、フレーミング・パイロット挿入部204、n個の並列直線予歪部206および208、n個のIFFT部210および212、ならびにn個のアンテナ214および216を含むeSFNを含む。
【0274】
キャリアkに対するeSFN予歪項は、以下の数3により算出される。
【0276】
二乗余弦関数自体は、以下の数4で定義される。
【0278】
位相項は、再帰的に各二乗余弦関数の位相を定義し、以下の数5により得られる。
【0280】
OFDMには多くの利点がある一方、特に地上伝送の場合、チャネルのエッジにおいてスペクトルショルダが高くなるというデメリットがある。すなわち、チャネルエッジにおけるスペクトル勾配は、すべての場合において隣接信号に対して十分にチャネルを分離するために十分なほど急勾配ではない。スペクトル勾配の傾きを増加させるために、最大遅延拡散の限界損失を有し、システム性能に影響がない短いFIRフィルタリング部を導入する。
【0281】
図25は、フレーミング部252およびOFDM処理部254を含む通常のOFDMエンコーダ250(
図25A)および変更したOFDMエンコーダ260(
図25B)を示すブロック図である。変更したOFDM符号化の場合、通常のOFDMエンコーダ250の構成要素に加えて、生成されたOFDM信号のショルダ(帯域外発射)を低減するために、IFFTの前に予歪部262が適用され、IFFT(OFDM処理部254)の後にフィルタリング部264が適用される。フィルタリング部264は必ずしも通過帯域内に平坦特性を有する必要はなく、フィルタリング部の必要とされるインパルス応答のフィルタリング部係数につながるだけである。その例を
図26に示す。曲線C1は、フィルタリング部リングしていない元のOFDM信号である。C2は、フィルタリング部リングされた信号である。この曲線は、もはや信号帯域幅内に平坦特性を有しない。これは、フィルタリング部のフィルタリング部係数が低いことによる。しかしながら、当該曲線は、良好な帯域外発射の減衰を示す。
【0282】
信号帯域幅における平坦特性を得るために、直線予歪を用いる。予歪により、フィルタリング部の選択性が補償される。これは、(周波数領域における)各個別のOFDMサブキャリアと、特定のサブキャリアでのフィルタリング部の伝達関数の逆数との乗算により達成される。
図26における曲線C3は、曲線C2に適用したものと同じであるが、上記の予歪を受けたフィルタリング部のパワースペクトル密度を示す。当該曲線は、理想的には、フィルタリング部リングされていない曲線C1と信号帯域幅内で重なるが、スペクトルの他の部分においては、未だ高い減衰を示す。シミュレーションにおいては、BER性能およびPAPR特性に対する負の効果は示されなかった。
【0283】
最も極端な例では、単一0dBエコーによるフィルタリング部リング(ここでは、2タップFIRフィルタリング部を例とする)を実現することができる。
図27は、2サンプル遅延のみを有する単一dBエコーのプロットの例を示す。曲線C4は、フィルタリング部リングされていない元のOFDM信号を示す。曲線C5は、帯域外発射がさらに減衰されているが、その結果、Tx信号におけるリップルを有するフィルタリング部リングされた信号を示す。曲線C6は、予歪を示す。最後に、曲線C7は、予歪を伴うフィルタリング部リングされた信号を示す。
【0284】
次に、PAPR低減について説明する。DVB−T2トーン保存(TR)アルゴリズムが採用される。保存キャリア数は、(表(21)に示すように)DVB−T2と同じままである。ATSC3.0物理層に対して、新たなスキャッタード連続パイロットパターンが提案されている。このパターンでは、3つのFFTサイズおよび考えられるすべてのスキャッタード連続パイロットパターンに対する最適参照カーネルを確保する新しい1組の保存キャリア指数を推奨している。以下の表に、このトーン保存法に対する保存キャリアの数と位置を示す。
【0287】
MIMOは、特に、15dBを超える高いSNR値に対して、スループットレートを増加させる重要な技術であると考えられる。DVB−NGHは、地上放送のためのレート2MIMOスキームを提供する最初のシステムである。一般的に、単純な2xN空間多重化MIMOに由来する同様のMIMO符号を再利用することが提案され、これにより、相関処理、多様性、および処理電力の不均衡の改善についてのいくつかの特徴が追加される。
【0288】
MIMOの1つの欠点は、導入するのに苦労することである。特に、固定された屋根に対して、家庭側にかかる設置労力や設置コストは最小限に減らす必要がある。いずれにせよ、今のところ1つの偏波アンテナを交換する必要がある。他に障害となるのが、同じ周波数で両方のMIMO信号成分を受信装置のチューナに伝送するのを防ぐ典型的な家庭への1つのケーブルの導入である。しかしながら、両方のMIMORx経路(例えば信号分極)が異なる周波数にマッピングされる場合、従来のケーブルを再利用してそれらを伝送することができる。例えば、1つのMIMO信号成分がケーブルに直接供給される一方、他の分極信号は、未使用の周波数にシフトされる。
【0289】
図28に、両方のMIMORx経路信号(例えば、分極)が単一ケーブルを通過する原理を示す。第1の信号はそのまま使用され、第2の信号はフィルタリング部リングされて未使用の周波数にシフトされる。MIMO符号化RF信号は、(単一ケーブルの後ろにある)受信装置が第2のMIMO成分のRF周波数を決定/検出することを可能にするシグナリングを含む必要がある。例えば、当該シグナリングは、利用できる(すなわち、現在の地理的位置に割り当てられていない)周波数の一覧を含む。他の例では、シグナリングには、受信装置が同調しなければならないオペレータによって選択される第2のMIMO成分に対する特異的周波数が含まれる。当該シグナリングに基づいて、受信装置は、(DiSEqC等の)適切な制御プロトコルを用いて、対応する混合周波数をMIMORx混合部に送信する。
【0290】
以上のように、提案されたMIMO受信装置は、
入力信号経路上で、MIMO前処理装置から、MIMO送信信号の1つまたは複数のMIMO送信チャネルを含む多重信号を受信する入力インターフェースと、
上記多重信号に多重化された2つのMIMO受信信号成分を含む1つまたは複数のサービスを伝送するMIMO送信チャネルのうち、少なくとも、上記MIMO受信装置によって使用されるべき所望のサービスを伝送するMIMO送信チャネルの上記2つのMIMO受信信号成分の各周波数チャネルへの割り当てを示すチャネル割り当て情報を、上記MIMO送信チャネルの上記2つのMIMO受信信号成分が異なる周波数チャネルに割り当てられるように、上記MIMO前処理装置にシグナリングするシグナリング部と、
サービスデータストリームを取得するための、上記チャネル割り当て情報に基づく上記各MIMO受信信号成分の上記周波数チャネルへのチューニングを含み、上記所望のサービスを伝送する上記MIMO送信チャネルの上記2つのMIMO受信信号成分を処理する処理部と、
上記サービスデータストリームを出力する出力インターフェースと
を含む。
【0291】
さらに、提案された対応するMIMO前処理装置は、
異なる入力信号経路を介して受信された少なくとも2つのMIMO送信信号ストリームと、同じ周波数チャネルをカバーし、異なる送信信号ストリームに含まれる2つのMIMO受信信号成分を含み、1つまたは複数のサービスを伝送する1つまたは複数のMIMO送信チャネルとを含むMIMO送信信号を受信する入力インターフェースと、
上記MIMO送信信号に由来し、またはMIMO受信装置から受信したチャネル割り当て情報に基づいて異なる周波数チャネルに割り当てられた上記1つまたは複数のMIMO送信チャネルの上記2つのMIMO受信信号成分を多重信号に多重化するMIMOマルチプレクサと、
上記多重信号を出力信号経路に出力する出力インターフェースと
を含む。
【0292】
さらに、提案された対応するMIMO送信装置は、
送信される入力データを受信する入力処理部と、
上記受信された入力データと、MIMO受信装置によって使用されるべき所望のサービスを少なくとも伝送するMIMO送信チャネルの2つのMIMO受信信号成分の各周波数チャネルへの割り当てを示すチャネル割り当て情報を含むシグナリング情報とを、上記MIMO送信チャネルの上記2つのMIMO受信信号成分が異なる周波数チャネルに割り当てられるように、符号化および変調するビットインターリーブ符号化変調部と、
上記ビットインターリーブ符号化変調部の出力信号をMIMO符号化して2つのMIMO符号化信号ストリームを取得するMIMOエンコーダと、
同じ周波数チャネルをカバーし、異なるMIMO符号化ストリームに含まれる2つのMIMO受信信号成分を含み、1つまたは複数のサービスを伝送する1つまたは複数のMIMO送信チャネルを含むMIMO送信信号として、上記MIMO符号化信号ストリームを送信する2つのMIMO送信アンテナと、
を含む。
【0293】
放送ネットワークのサービスエリアのエッジに位置する端末は、受信レベルの低さに悩まされる。受信レベルの低いと、エラーのない復号化が阻害される。これは、屋内における受信、または大きな物体が送信信号を減衰させる場合にも当てはまる。この問題を解決するために提案されるのは、
図29に示すように、エラーのない受信を可能と冗長性を伝達するための有線または無線の広帯域ネットワークをさらに利用することである。
図29は、提案された「オンデマンド冗長性」の原理を利用する放送システムを示す。多くの場合、放送データを正確に復号化するための受信信号レベルが数Db不足し、その結果、数百kbit/sの追加冗長性データストリームとなる。
【0294】
提案されたスキームにおいて、地上ネットワークにおける信号送信は全く変化しないが、受信が不十分である場合、端末装置は広帯域ネットワークを介して追加データをフェッチすることができる。これにより、エラー補正性能が改善される。端末装置は、地上ネットワークから受信したデータを評価し、信号の質にしたがって、擬似エラーフリー(QEF)の受信を確保するために一定量の追加データを必要とする。より厳しい条件下では、さらに追加データが必要となる。このようにして、純粋な地上放送と広帯域ネットワークを介した完全な配信との間のスムーズな移行を実現することができる。これにより、放送ネットワーク管理に対する新たな自由度が与えられ、全配信コストおよびエネルギー消費の低減に役立つ。
【0295】
両方のネットワークが受信したデータは、端末内における復号化のために結合される。広帯域ネットワークを介してどの種類の追加データが送信されるかは、地上放送ネットワークが使用する技術に依存する。
図30は、提案されたシステムに対する提案されたオンデマンド冗長性(RoD)の概念を示す。RoD可能端末(
図30の端末2)は、エラーのない復号化が可能でない受信状態の場合、RoDサーバにリクエストを送信するRoDクライアントを備える。RoDサーバは、最初に送信したデータストリームから生成される必要量の冗長性をクライアントに送信する。RoDデータを生成するための収束レベルは異なっていてもよい。すなわち、送信された冗長性は、マルチプレクサ(MUX)の出力から生成されてもよいし、チャネルエンコーダまたは変調ブロックの出力から生成されてもよい。受信を改善するための広帯域接続を行うことができない端末(例えば、
図30の端末1)は変化しないので、RoDは後方互換性がある。
【0296】
RoDシステムの不可欠な仕事は、端末内においてFEC復号化を成功させるためのRoDデータの必要量を正確に決めることである。RoDサーバから端末に送信されるRoDデータが少なすぎると、符号化処理は失敗し、第2のステップで追加RoDデータをリクエストする必要がある。これにより、複数のRoDリクエストにより符号化が成功するまでに、ネットワークオーバーヘッドが生じ、システム遅延が増加する。一方、端末に送信されるRoDデータが多すぎると、広帯域接続を介して送信されるデータが無駄になるので、システム効率が低減する。
【0297】
提案されたシステムは、個々の受信装置におけるRoDの必要量を推定するための計量として、相互情報量(MI)を使用する。一般的に、相互情報量は、チャネル特性およびQAMコンステレーションの変調次数と無関係なので、特に、RoDデータの必要量の決定に適しているが、FEC符号にのみ依存する。FECの符号レートが例えば0.5の場合、相互情報量が0.5の値を超えれば、復号化は成功する。
【0298】
勿論、実際のFEC符号を用いて、最大チャネル容量(シャノン容量)で動作することは可能ではない。例えば、符号レート1/2のDVB−T2の64KのLDPC符号は、復号化を成功させるために0.55の相互情報量を必要とする。したがって、符号特異的なマージンをわずかに追加する必要がある。幸運なことに、このマージンは、変調次数およびチャネル特性にほぼ依存しない。利用されるFEC符号のために必要とされる相互情報量は、RoDを介して送信する必要がある必要とされる相互情報量を端末またはRoDサーバ内で計算できるように、RoDサーバまたは端末内のテーブルに記憶することができる。
【0299】
相互情報量は、QAMデマッピング部の出力において対数尤度比(LLR)に基づいて決定され、以下のFECがFECコードワードを復号化できる場合、良好な基準となる。LLR値に基づく単一ビットの相互情報量は、以下の数6および数7のように定義される。
【0302】
相互情報量は、典型的には、復号化を成功させることができるか否かを決定するために、1つのFRCブロックにおいて平均化される。しかしながら、計算のためには、受信装置では利用できない送信ビットを知る必要がある。相互情報量の計算のために必要な参照データの必要性を避けるために、1または0を送信する線形確率により、式の重み付けが行われる。1を送信する線形確率は、そのLLR値から以下の数8により計算される
【0304】
確立pおよび1−pで最初のMI式の重み付けを行った後、以下の数9および数10が得られる。
【0307】
参照なしに推定された相互情報量は、以下の数11に示すように、それらの合計から得られる。
【0309】
相互情報量の推定は、異なるチャネルモデルおよび変調サイズに対して、その理想値と比較して非常に正確であることが証明されている。推定された相互情報量は、理想的な相互情報量に正確に対応することが認められる。
【0310】
RoDデータのフォーマットは、異なる可能性がある。1つの可能性は、双方向性システムから知られるARQに類似した完全なパケットの再送信である。起こり得る収束レベルは、例えば、IPパケット、FECフレーム、またはDVBシステムのための一般的ストリームカプセル化(GSE)パケットである。この可能性は最も単純であるが、最もビット効率的であるわけではない。この手法は、独自のパケット特定部を必要とする。
【0311】
他の可能性は、ビット値に基づく。例えば、FECコードワードにわたって拡散したランダムビットや、QAMコンステレーションの最下位ビット(LSB)を、冗長性データとして利用することができる。受信装置は、QAMコンステレーションを復調するが、地上放送ネットワークからのLSBの代わりに広帯域ネットワークからのLSBを利用する。これは、LSBが、典型的には、QAMシンボル内に最小量の情報を伝達するためである。
【0312】
さらに別の可能性は、増分冗長性(IR)である。IRは、従来のFEC生成マトリックスを、そのマトリックスの元の部分を変更せずに拡張させる。これにより、追加パリティブロックを用いて、当該コードワードの残りの部分を変更せずに、元のFECコードワードを拡張することが可能になる。IRに基づくRoD送信システムのブロック図を
図31に示す。
図31では、LDPC符号がFEC符号として用いられている。LDPCエンコーダ出力の基本FEC経路は、通常通り、デジタル地上放送ネットワークにより送信される。一方、地上受信をサポートするパリティを有するIR部分は、広帯域においてオンデマンド送信される。送信パリティビットの量の柔軟な調整を可能にするために、IR部分のパンクチャを行う。
【0313】
まとめると、本発明の一側面において、
図46に概略的に示すように、単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおけるデータシンボルを用いてペイロードデータおよび緊急情報を送信するための送信装置2000が提供される。送信装置2000は、受信装置においてペイロードデータを検出および復元するのに使用されるシグナリングデータにより1つまたは複数の送信シンボルを変調し、当該1または複数の送信シンボルをペイロードデータで変調するように構成された変調部2010を有する。緊急情報受信部2020は、実際の緊急事態の情報を有する緊急情報を受信する。緊急情報埋め込み部2030は、緊急情報を1つまたは複数のシンボルに埋め込む。当該緊急情報は、受信後所定期間内に、送信すべき緊急情報がない場合においてシグナリングデータおよび/またはペイロードデータを伝送するために用いられるリソースを用いて埋め込まれる。送信部2040は、送信シンボルを送信する。
【0314】
本発明の他の側面において、送信装置2000は、マルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いてペイロードデータおよび緊急情報を送信するように構成され、受信装置においてペイロードデータを検出および復元するために使用されるシグナリングデータにより1つまたは複数の送信シンボルを変調する変調部2010を有し、当該ペイロードデータにより1つまたは複数の送信シンボルを変調するように構成される。緊急情報受信部2020は、実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報を受信するように構成される。緊急情報埋め込み部2030は、ペイロードデータにより変調された1つまたは複数の送信シンボルに当該緊急情報を埋め込むように構成される。当該緊急情報は、受信後所定期間内に、当該緊急情報を伝送する多くの追加サブキャリアを提供することにより、埋め込まれる。当該サブキャリアは、ペイロードデータを伝送するサブキャリアにおける送信および/または拡散のために用いられるスペクトルのエッジにおいて提供される。送信部2040は、最終的に、当該送信シンボルを送信する。
【0315】
本発明のさらに別の側面において、
図47に概略的に示すように、単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおいてデータシンボルを用いて送信された受信信号からペイロードデータおよび緊急情報を検出および復元するための受信装置3000が提供される。受信装置3000は、ペイロードデータおよび当該ペイロードデータを検出および復元するために用いられるシグナリングデータを含む受信信号を検出する検出部3010を有する。上記シグナリングデータは、1つまたは複数の送信シンボルにより伝送され、ペイロードデータは、1つまたは複数の送信シンボルにより伝送される。実際の緊急事態の情報を有する緊急情報は、1つまたは複数の送信シンボルに埋め込まれる。緊急情報検出部3020は、当該1つまたは複数の送信シンボルから緊急情報を検出および復元する。復調部3030は、1つまたは複数の送信シンボルからペイロードデータを復元するために、当該1つまたは複数の送信シンボルからシグナリングデータを復元する。緊急情報出力部3040は、緊急情報および/または緊急情報を検出した場合に出力するために提供される所定の緊急出力情報を出力する。
【0316】
好ましい実施形態によれば、本発明は、直交周波数分割多重(OFDM)を基にした放送システムまたは他のマルチキャリア放送システムに適用される。しかしながら、変更例において、本発明は単一キャリア送信システムおよび/またはフレーミング構造を利用しない送信システムに適用される。
【0317】
さらに、一実施形態では、緊急事態の非常に速いシグナリングを可能にする提案されたEWSシグナリングの概念を用いることができ、また、より詳細な緊急情報を少しの待ち時間で提供する従来の基本的なEWSシグナリングシステムへのリンクを含めることができる。例えば、素早く送信され、復号化され、出力されたEWSシグナリングデータは、(例えば、既に存在するEWSシグナリングの概念により)受信装置がそのような詳細緊急情報を発見できる時間と場所の位置情報を含んでもよい。
【0318】
以上のように、先の議論により、本発明の例にすぎない実施形態が開示される。当業者に理解されるように、本発明は、その精神または基本的な特徴から逸脱することなく、他の特異的な形態において実施することができる。これにより、本発明の開示は、例として提示したものであり、発明の範囲や特許請求の範囲を限定することは意図していない。本発明の開示は、本明細において容易に認められる教示の変形を含み、発明の主題が公衆のものとされないように、特許請求の範囲の用語を部分的に定義する。
【0319】
特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という用語は、他の構成要素またはステップを排除せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数であることを排除しない。単一の構成要素または他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されたいくつかのアイテムの機能を発揮することができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない.
【0320】
本発明の実施形態は、ソフトウェア制御型データ処理装置によって、少なくとも部分的に実施されるものとして記載する限りにおいて、そのようなソフトウェアを有する光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ等の非一時的な機械可読媒体も本発明の一実施形態を表すと考えられることが理解される。さらに、このようなソフトウェアを、他の形態で配信することができる。例えば、インターネットを介して、または他の優先もしくは無線の電気通信システム等により、このようなソフトウェアを配信することができる。
【0321】
開示された機器、装置、およびシステムの構成要素は、対応するハードウェアおよび/または適切な回路等のソフトウェア要素により実施することができる。回路は電子部品の構造的な組み合わせであり、従来の回路要素、特定用途向け集積回路等の集積回路、標準の集積回路、特定用途用標準品、およびフィールドプログラマブルゲートアレイを含む。さらに、回路は、中央処理装置、グラフィックスプロセッシングユニット、およびプログラム化されたマイクロプロセッサまたはソフトウェア符号に従って構成されたマイクロプロセッサを含む。回路は、上述のハードウェア実行ソフトウェアを含むが、純粋なソフトウェアを含まない。
【0322】
以下の番号付けされた項により、本発明の第1の例の側面および特徴が提供される。
1.直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを用いてペイロードデータを送信するための送信装置であって、
送信されるペイロードデータを受信し、受信装置において上記ペイロードデータを検出および復元するために使用される第1のシグナリングデータを受信し、上記ペイロードデータと上記第1のシグナリングデータとを送信用フレームに形成するように構成されたフレームビルダーと、
上記第1のシグナリングデータにより第1のOFDMシンボルを変調し、上記ペイロードデータにより1つまたは複数の第2のOFDMシンボルを変調するように構成された変調部と、
シグネチャーシーケンスを生成するためのシグネチャーシーケンス処理部と、
上記生成されたシグネチャーシーケンスを上記第1のOFDMシンボルに結合するための結合部と、
上記第1のOFDMシンボルと上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルとを送信するための送信部と
を備え、
上記シグネチャーシーケンス処理部により提供される上記シグネチャーシーケンスは、1組のシグネチャーシーケンスから選択され、上記受信装置が上記第1のシグナリングデータを上記第1のOFDMシンボルから検出および復元し、上記1組のシグネチャーシーケンスが上記受信装置にメッセージ情報を提供できるように、上記結合部により上記第1のOFDMシンボルと結合される
送信装置。
2.上記1に記載の送信装置であって、
上記シグネチャーシーケンス処理部は、上記1組のシグネチャーシーケンスから上記選択されたシグネチャーシーケンスを生成するためのシグネチャーシーケンス生成部と、生成される上記シグネチャーシーケンスを選択するためのシーケンス制御部とを含み、
上記1組のシグネチャーシーケンスのうちの第1のシグネチャーシーケンスは、上記第1のOFDMシンボルを検出し、上記第1のシグナリングデータを上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルの前に復元できるように選択され、上記1組のシグネチャーシーケンスのうちの1つまたは複数の他のシグネチャーシーケンスは、異なるメッセージを表すために選択される
送信装置。
3.上記1または2に記載の送信装置であって、
上記第1のOFDMシンボルは、第1のタイプのOFDMシンボルであり、上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルは、第2のタイプのOFDMシンボルであり、上記第1のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数は、上記第2のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数と異なる
送信装置。
4.上記2または3に記載の送信装置であって、
上記シグネチャーシーケンス処理部は、受信装置が上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルの前に上記第1のOFDMシンボルを検出するために使用される第1の同期シーケンスを提供し、あるいは、上記第1のOFDMシンボルを検出し、上記受信装置にメッセージを示すために、それぞれ異なるメッセージを表す複数のシグネチャーシーケンスのうちの1つのシグネチャーシーケンスとして、上記1組のシグネチャーシーケンスから、上記1つまたは複数の他のシグネチャーシーケンスのうちの1つのシグネチャーシーケンスを提供するように構成される
送信装置。
5.上記4に記載の送信装置であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数の他のシグネチャーシーケンスは、それぞれ1組の複素係数を含み、時間領域における上記第1のOFDMシンボルの対応サンプルに上記1組の複素係数をそれぞれ追加することにより、上記第1のOFDMシンボルと結合される
送信装置。
6.上記1−5のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記1組の複素係数は、少なくとも上記複素係数の実成分を生成するように構成された第1の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部と、少なくとも上記複素係数の虚数成分を生成するように構成された第2の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部とを用いて生成されたシーケンスに基づく
送信装置。
7.上記6に記載の送信装置であって、
各擬似ランダムバイナリシーケンス生成部は、M−シーケンス生成部またはゴールド符号シーケンス生成部から形成される。
送信装置。
8.上記5に記載の送信装置であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数のシグネチャーシーケンスの上記1組の複素係数は、一定振幅ゼロ自己相関シーケンス生成部を用いて生成される。
送信装置。
9.上記1−8のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記メッセージ情報は、公衆に放送された初期警告等のユーザレベル情報を含む
送信装置。
10.直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを用いてペイロードデータを送信する方法であって、
送信されるペイロードデータを受信し、
受信装置において上記ペイロードデータを検出および復元するために使用される第1のシグナリングデータを受信し、
上記ペイロードデータと上記第1のシグナリングデータとを送信用フレームに形成し、
上記第1のシグナリングデータにより第1のOFDMシンボルを変調し、
上記ペイロードデータにより1つまたは複数の第2のOFDMシンボルを変調し、
シグネチャーシーケンスを提供し、
上記シグネチャーシーケンスを上記第1のOFDMシンボルに結合し、
上記第1のOFDMシンボルと上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルとを送信し、
上記シグネチャーシーケンスの提供は、1組のシグネチャーシーケンスから上記シグネチャーシーケンスを選択することを含み、上記選択されたシグネチャーシーケンスは、上記受信装置が上記第1のシグナリングデータを上記第1のOFDMシンボルから検出および復元し、上記1組のシグネチャーシーケンスから選択された上記シグネチャーシーケンスが上記受信装置にメッセージ情報を提供できるように、上記第1のOFDMシンボルと結合される
送信方法。
11.上記10に記載の送信方法であって、
上記シグネチャーシーケンスの提供は、
生成される上記1組のシグネチャーシーケンスから上記シグネチャーシーケンスを選択することと、
上記1組のシグネチャーシーケンスから上記選択されたシグネチャーシーケンスを生成することと
を含み、
第1のシグネチャーシーケンスは、上記第1のOFDMシンボルを検出し、上記第1のシグナリングデータを上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルの前に復元できるように選択され、
異なるメッセージ情報を表すために、上記1組のシグネチャーシーケンスのうちの1つまたは複数の他のシグネチャーシーケンスが選択される
送信方法。
12.上記10または11に記載の送信方法であって、
上記第1のOFDMシンボルは、上記第1のOFDMシンボルは、第1のタイプのOFDMシンボルであり、上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルは、第2のタイプのOFDMシンボルであり、上記第1のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数は、上記第2のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数と異なる
送信方法。
13.上記11または12に記載の送信方法であって、
上記シグネチャーシーケンスの提供は、
受信装置が上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルの前に上記第1のOFDMシンボルを検出するために使用される第1の同期シーケンスを提供すること、または、
上記第1のOFDMシンボルを検出し、上記受信装置にメッセージを示すために、それぞれ異なるメッセージを表す複数のシグネチャーシーケンスのうちの1つのシグネチャーシーケンスとして、上記1組のシグネチャーシーケンスから、上記1つまたは複数の他のシグネチャーシーケンスのうちの1つのシグネチャーシーケンスを提供すること
を含む
送信方法。
14.上記10−13のいずれか1つに記載の送信方法であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数の他のシグネチャーシーケンスは、それぞれ、1組の複素係数を含み、
上記シグネチャーシーケンスは、時間領域における上記第1のOFDMシンボルの対応サンプルに上記1組の複素係数をそれぞれ追加することにより、上記第1のOFDMシンボルと結合される
送信方法。
15.上記10−14のいずれか1つに記載の送信方法であって、
上記1組の複素係数は、少なくとも上記複素係数の実成分を生成するように構成された第1の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部と、少なくとも上記複素係数の虚数成分を生成するように構成された第2の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部とを用いて生成されたシーケンスに基づく
送信方法。
16.上記16に記載の送信方法であって、
各擬似ランダムバイナリシーケンス生成部は、M−シーケンス生成部またはゴールド符号シーケンス生成部から形成される。
送信方法。
17.上記15に記載の送信方法であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数のシグネチャーシーケンスの上記1組の複素係数は、一定振幅ゼロ自己相関シーケンス生成部を用いて生成される。
送信方法。
18.上記10−17のいずれか1つに記載の送信方法であって、
上記メッセージ情報は、公衆に放送された初期警告等のユーザレベル情報を含む
送信方法。
19.受信信号からペイロードデータを検出および復元するための受信装置であって、
上記ペイロードデータを検出および復元するために使用され、シグネチャーシーケンスと結合された第1の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにより伝送される第1のシグナリングデータと、1つまたは複数の第2のOFDMシンボルにより搬送される上記ペイロードデータとを含む上記受信信号を検出するための検出部と、
上記シグネチャーシーケンスに整合されたインパルス応答を有する整合フィルタリング部を含み、上記整合フィルタリング部の出力により、上記シグネチャーシーケンスと上記受信信号との相関を示す信号が生成される効果をもたらす同期検出部と、
上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルから上記ペイロードデータを復元するため、および上記第1のOFDMシンボルから上記第1のシグナリングデータを復元するための復調部とを備え、
上記シグネチャーシーケンスは、第1の同期シーケンスを含む1組の所定の同期シーケンスのうちの1つの同期シーケンスと、1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスとを含み、選択されて上記第1のOFDMシンボルと結合され、上記第1の同期シーケンスは、上記受信装置が上記第1のOFDMシンボルから上記第1のシグナリングデータを検出および復元するために提供され、上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスは、上記受信機へのメッセージ情報を示し、
上記受信装置は、さらに、上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスから1つの第2のメッセージシーケンスを特定することにより上記メッセージ情報を検出および復元するためのメッセージ検出部を備える
受信装置。
20.上記19に記載の受信装置であって、
上記メッセージ検出部は、上記特定され差動的に符号化されたメッセージシーケンスに整合されたインパルス応答を有する第2の整合フィルタリング部を含み、上記第2の整合フィルタリング部の出力の処理から上記第2のメッセージシーケンスの存在を検出し、これにより上記メッセージ情報を復号化するように構成される
受信装置。
21.上記19または20に記載の受信装置であって、
上記第1のOFDMシンボルは、第1のタイプのOFDMシンボルであり、上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルは、第2のタイプのOFDMシンボルであり、上記第1のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数は、上記第2のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数と異なる
受信装置。
22.上記19−21のいずれか1つに記載の受信装置であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスは、それぞれ1組の複素係数を含み、時間領域における上記第1のOFDMシンボルの対応サンプルに上記1組の複素係数をそれぞれ追加することにより、上記第1のOFDMシンボルと結合される
受信装置。
23.上記19−22のいずれか1つに記載の受信装置であって、
上記1組の複素係数は、少なくとも上記複素係数の実成分を生成するように構成された第1の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部と、少なくとも上記複素係数の虚数成分を生成するように構成された第2の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部とを用いて生成されたシーケンスに基づく
受信装置。
24.上記23に記載の受信装置であって、
各擬似ランダムバイナリシーケンス生成部は、M−シーケンス生成部またはゴールド符号シーケンス生成部から形成される。
受信装置。
25.上記23に記載の受信装置であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスの上記1組の複素係数は、一定振幅ゼロ自己相関シーケンス生成部を用いて生成される。
受信装置。
26.上記19−25に記載の受信装置であって、
電源と制御部とをさらに備え、
上記制御部は、上記受信装置が上記受信装置の他の部分のいくつかまたはすべてに電力が供給されない電源オフの状態またはスタンバイ状態であるときに、上記電源と共同してシグナリングデコーダに電力を供給するように構成される
受信装置。
27.受信信号からペイロードデータを検出および復元する方法であって、
上記ペイロードデータを検出および復元するために使用され、第1の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにより伝送される第1のシグナリングデータと、1つまたは複数の第2のOFDMシンボルにより搬送され、上記受信装置が上記第1のOFDMシンボルから上記第1のシグナリングデータを検出および復元するために提供される第1の同期シーケンスを含む1組の所定の同期シーケンスのうちの1つの同期シーケンスおよび上記受信機へのメッセージ情報を示す1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスを含み、選択されて上記第1のOFDMシンボルと結合されるシグネチャーシーケンスと結合される上記ペイロードデータとを含む時分割されたフレーム含む上記受信信号を検出し、
上記シグネチャーシーケンスに整合されたインパルス応答を有する整合フィルタリング部により上記受信信号をフィルタリングし、上記整合フィルタリング部の出力により、上記シグネチャーシーケンスと上記受信信号との相関を示す信号を生成し、
上記整合フィルタリング部の上記出力信号から上記第1のOFDMシンボルを検出し、
上記第1のOFDMシンボルから上記第1のシグナリングデータを復元するため、および上記第2のODMシンボルから上記ペイロードを復元するために上記第1のOFDMシンボルを変調し、
上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスから1つの第2のメッセージシーケンスを特定することにより上記メッセージ情報を検出および復元する
検出・復元方法。
28.上記28に記載の検出・復元方法であって、
上差動的に処理された上記1組の第2のメッセージシーケンスに整合されたインパルス応答を有する追加の整合フィルタリング部を用いて上記メッセージ情報を検出し、これにより上記1組の第2のメッセージシーケンスのそれぞれを上記受信した第1のOFDMシンボルに相関させ、
上記1組の所定の同期シーケンスうちのシーケンスに対応して、上記整合フィルタリング部からの出力のうち最も相関が高いものから、上記メッセージ情報を検出する
検出・復元方法。
29.上記27または28に記載の検出・復元方法であって、
上記第1のOFDMシンボルは、第1のタイプのOFDMシンボルであり、上記1つまたは複数の第2のOFDMシンボルは、第2のタイプのOFDMシンボルであり、上記第1のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数は、上記第2のタイプのOFDMシンボルが有するサブキャリアの数と異なる
検出・復元方法。
30.上記27−29のいずれか1つに記載の検出・復元方法であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスは、それぞれ1組の複素係数を含み、時間領域における上記第1のOFDMシンボルの対応サンプルに上記1組の複素係数をそれぞれ追加することにより、上記第1のOFDMシンボルと結合される
検出・復元方法。
31.上記27−30のいずれか1つに記載の検出・復元方法であって、
上記第1の同期シーケンスおよび上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスは、それぞれ1組の複素係数を含み、周波数領域における上記第1のOFDMシンボルの対応サンプルに上記1組の複素係数をそれぞれ追加することにより、上記第1のOFDMシンボルと結合される
検出・復元方法。
32.上記30または31に記載の検出・復元方法であって、
上記第1の同期シーケンスは、少なくとも上記複素係数の実成分を生成するように構成された第1の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部と、少なくとも上記複素係数の虚数成分を生成するように構成された第2の擬似ランダムバイナリシーケンス生成部とを用いて生成された上記シグネチャーシーケンスシーケンスの上記1組の複素係数を含む
検出・復元方法。
33.上記32に記載の検出・復元方法であって、
各擬似ランダムバイナリシーケンス生成部は、M−シーケンス生成部またはゴールド符号シーケンス生成部から形成される。
検出・復元方法。
34.上記32に記載の検出・復元方法であって、
上記シグネチャーシーケンスまたは上記1つまたは複数の第2のメッセージシーケンスの上記1組の複素係数は、一定振幅ゼロ自己相関シーケンス生成部を用いて生成される
検出・復元方法。
35.上記27−34のいずれか1つに記載の検出・復元方法であって、
上記受信装置が上記受信装置の他の部分のいくつかまたはすべてに電力が供給されない電源オフの状態またはスタンバイ状態であるときに、シグナリングデコーダに電力を供給する
検出・復元方法。
【0323】
以下に、本発明の別の実施形態の一覧を示す。
1.単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いてペイロードデータと緊急情報とを送信するための送信装置であって、
受信装置において上記ペイロードデータを検出および復元するために用いられるシグナリングデータにより、1つまたは複数の送信シンボルを変調し、上記ペイロードデータにより上記1つまたは複数の送信シンボルを変調するように構成された変調部と、
実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報を受信するように構成された緊急情報受信部と、
上記緊急情報の受信後所定期間内に、送信すべき緊急情報がない場合において上記シグナリングデータおよび/または上記ペイロードデータを伝送するために用いられるリソースにより、上記緊急情報を上記1つまたは複数の送信シンボルに埋め込むように構成された緊急情報埋め込み部と、
上記1つまたは複数の送信シンボルを送信するように構成された送信部と
を具備する送信装置。
2.上記1に記載の送信装置であって、
上記緊急情報埋め込み部は、上記緊急情報の受信後、1秒未満、具体的には500ミリ秒未満、さらに具体的には100ミリ秒未満の上記所定期間内に、上記緊急情報を上記1つまたは複数の送信シンボルに埋め込むように構成される
送信装置。
3.上記1または2に記載の送信装置であって、
上記緊急情報埋め込み部は、シグナリングデータまたはペイロードデータを伝送する1つまたは複数の送信シンボルの1つまたは複数のサブキャリアを、緊急情報を伝送する1つまたは複数のサブキャリアで置換するように構成される
送信装置。
4.上記1−3のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記緊急情報埋め込み部は、上記シグナリングデータまたは上記ペイロードデータを伝送する変調シンボル、特にQAMシンボルの1つまたは複数の変調ビット、特に1つまたは複数の最下位ビットまたは最上位ビットを、上記緊急情報を伝送する変調ビットで置換するように構成される
送信装置。
5.上記1−4のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記緊急情報埋め込み部は、上記シグナリングデータおよび上記ペイロードデータから分離された上記緊急情報を、特に、上記緊急情報を変調符号化するための高い変調次数を用いて変調符号化し、あるいは、上記シグナリングデータまたは上記ペイロードデータを伝送する変調シンボル、特にQAMシンボルの変調次数を増加させるように構成された変調エンコーダを有し、上記変調次数を増加させることによって取得した変調シンボルの追加ビットに上記緊急情報を挿入する
送信装置。
6.上記1−5のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記緊急情報埋め込み部は、所定の目的のために保存された1つまたは複数の保存サブキャリア、特に、上記緊急情報を伝送するためのピーク対平均電力比およびPAPRを低減させるために保存されたサブキャリアを使用するように構成される
送信装置。
7.上記1−6のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記緊急情報埋め込み部は、所定のサービスまたは選択されたサービス、特にビデオテキスト、音声チャネル、ショッピングチャネル、またはユーザ数が少ないチャネル等のさほど重要でないサービスのペイロードデータを上記緊急情報で置換するように構成される
送信装置。
8.上記1−7のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記緊急情報埋め込み部は、上記シグナリングデータの割り当て容量を動的に拡張し、上記割り当て容量を動的に拡張されたシグナリングデータに上記緊急情報を挿入するように構成される
送信装置。
9.上記1−8のいずれか1つに記載の送信装置であって、さらに
送信される上記ペイロードデータと上記シグナリングデータとを受信し、上記ペイロードデータと上記シグナリングデータとを送信用フレームに形成し、上記緊急情報を1つまたは複数のフレームに埋め込む方法および/または上記緊急情報が埋め込まれた位置を示す埋め込み情報を、特に、上記埋め込まれた緊急情報を伝送する1つまたは複数のフレームに含まれる上記シグナリングデータの一部として追加するように構成されたフレームビルダーを具備する
送信装置。
10.上記1−9のいずれか1つに記載の送信装置であって、
上記緊急情報を1つまたは複数の送信シンボルに埋め込む方法および/または上記緊急情報が埋め込まれた位置は、予め決定され、
上記緊急情報埋め込み部は、上記緊急情報を埋め込むための上記予め決定された方法および/または位置を示す埋め込み情報を使用するように構成される
送信装置。
11.上記1−10のいずれか1つに記載の送信装置であって、さらに
上記緊急情報が上記1つまたは複数の送信シンボルに埋め込まれることを示す緊急インジケータを提供し、上記緊急インジケータを上記シグナリングデータに埋め込むように構成された緊急シグナリング処理部を具備する
12.上記11に記載の送信装置であって、
上記緊急シグナリング処理部は、
上記緊急インジケータを示すシグネチャーシーケンスを提供するように構成されたシグネチャーシーケンス処理部と、
上記シグネチャーシーケンスに、上記シグナリングデータを伝送する送信シンボルを結合させるように構成された結合部と
を有し、
上記シグネチャーシーケンス処理部により提供された上記シグネチャーシーケンスは、1組のシグネチャーシーケンスから選択され、受信装置が上記送信シンボルから上記シグナリングデータを検出および復元し、上記1組のシグネチャーシーケンスが上記緊急インジケータを上記受信装置に提供できるように、上記シグネチャーシーケンスは、上記結合部により上記送信シンボル、特に上記シグナリングデータを有する送信シンボルと結合される
送信装置。
13.マルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いてペイロードデータと緊急情報とを送信するための送信装置であって、
受信装置においてペイロードデータを検出および復元するために用いられるシグナリングデータにより、1つまたは複数の送信シンボルを変調し、上記ペイロードデータにより上記1つまたは複数の送信シンボルを変調するように構成された変調部と、
実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報を受信するように構成された緊急情報受信部と、
上記緊急情報の受信後所定期間内に、上記ペイロードデータを伝送するサブキャリアにおける送信および/または拡散に利用されるスペクトルのエッジにおいて提供され、上記緊急情報を伝送する多くの追加サブキャリアを提供することにより、上記緊急情報を上記ペイロードデータにより変調された上記1つまたは複数の送信シンボルに埋め込むように構成された緊急情報埋め込み部と、
上記送信シンボルを送信するように構成された送信部と
を具備する送信装置。
14.単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いてペイロードデータと緊急情報とを送信するための送信方法であって、
受信装置において上記ペイロードデータを検出および復元するために用いられるシグナリングデータにより、1つまたは複数の送信シンボルを変調し、
上記ペイロードデータにより上記1つまたは複数の送信シンボルを変調し、
実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報を受信し、
上記緊急情報の受信後所定期間内に、送信すべき緊急情報がない場合において上記シグナリングデータおよび/または上記ペイロードデータを伝送するために用いられるリソースにより、上記緊急情報を上記1つまたは複数の送信シンボルに埋め込み、
上記1つまたは複数の送信シンボルを送信する
送信方法。
15.単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いて送信された受信信号からペイロードデータと緊急情報とを検出および復元するための受信装置であって、
実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報が埋め込まれた1つまたは複数の送信シンボルにより伝送される上記ペイロードデータと、上記ペイロードデータを検出および復元するために用いられ、上記1つまたは複数の送信シンボルにより伝送されるシグナリングデータとを含む上記受信信号を検出するように構成された検出部と、
上記1つまたは複数の送信シンボルから上記緊急情報を検出および復元するように構成された緊急情報検出部と、
上記1つまたは複数の送信シンボルから上記ペイロードデータを復元するために、上記1つまたは複数の送信シンボルから上記シグナリングデータを復元するように構成された復調部と、
上記緊急情報および/または上記緊急情報を検出した場合に出力するために提供される所定の緊急出力情報を出力するように構成された緊急情報出力部と
を具備する受信装置。
16.上記15に記載の受信装置であって、さらに
上記実際の緊急事態が上記受信装置のユーザに関連するものである場合に、上記検出された緊急情報を評価するように構成された緊急情報評価部を具備し、
上記緊急情報出力部は、上記実際の緊急事態が上記ユーザに関連することが分かった場合にのみ、上記緊急情報および/または上記所定の緊急出力情報を出力するように構成される
受信装置。
17.上記15または16に記載の受信装置であって、さらに
上記シグナリングデータから、少なくとも同じフレームおよび/または1つまたは複数の後続のフレームが有する1つまたは複数の送信シンボルに上記緊急情報が埋め込まれることを示す緊急インジケータを検出するように構成された緊急シグナリング検出部を具備し、
上記緊急情報出力部は、上記緊急インジケータおよび上記緊急情報が検出された場合のみ、上記緊急情報および/または上記所定の緊急出力情報を出力するように構成される
受信装置。
18.上記17に記載の受信装置であって、
上記緊急シグナリング検出部は、
上記受信装置が上記1つまたは複数の送信シンボルから上記シグナリングデータを検出および復元し、1組のシグネチャーシーケンスが上記緊急インジケータを上記受信装置に提供できるように、上記1組のシグネチャーシーケンスのうちの1つのシグネチャーシーケンスを含み、上記緊急インジケータを伝送する上記送信シンボルと結合され、上記緊急インジケータを示す差動的に符号化された上記シグネチャーシーケンスに整合されたインパルス応答を有する整合フィルタリング部を含む同期検出部と
上記1組のシグネチャーシーケンスから上記シグネチャーシーケンスを特定することにより、上記緊急情報を検出および復元するように構成された情報検出部と
を有し、
上記整合フィルタリング部の出力により、上記差動的に符号化されたシグネチャーシーケンスと差動的に符号化された受信信号との相関を示す信号が生成されるようになる
受信装置。
19.単一キャリア放送システムまたはマルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いて送信された受信信号からペイロードデータと緊急情報とを検出および復元するための受信方法であって、
実際の緊急事態の情報を伝送する緊急情報が埋め込まれた1つまたは複数の送信シンボルにより伝送される上記ペイロードデータと、1つまたは複数の送信シンボルにより伝送され、上記ペイロードデータを検出および復元するために用いられるシグナリングデータとを含む上記受信信号を検出し、
上記緊急情報を上記1つまたは複数の送信シンボルから検出および復元し、
上記1つまたは複数の送信シンボルから上記ペイロードデータを復元するために、上記1つまたは複数の送信シンボルから上記シグナリングデータを復元し、
上記緊急情報および/または上記緊急情報が検出された場合に出力するために提供される所定の緊急出力情報を出力する
受信方法。
20.マルチキャリア放送システムにおいて、データシンボルを用いてペイロードデータおよび緊急情報を送信するための送信装置であって、
受信装置において上記ペイロードデータを検出および復元するために使用されるシグナリングデータにより1つまたは複数の送信シンボルを変調し、上記ペイロードデータにより上記1つまたは複数の送信シンボルを変調するように構成された変調部と、
実際の緊急事態の緊急情報伝送情報を受信するように構成された緊急情報受信部と、
上記緊急情報の受信後所定期間内に、上記緊急情報を伝送する多くの追加サブキャリアを提供することにより、上記ペイロードデータにより変調された上記1つまたは複数の送信シンボルに上記緊急情報を埋め込むように構成された緊急情報埋め込み部と、
上記1つまたは複数の送信シンボルを送信するように構成された送信部と
を備え、
上記サブキャリアは、上記ペイロードデータを搬送する上記サブキャリアへの送信および/または拡散のために使用されるスペクトルのエッジにおいて提供される
送信装置。
21.プロセッサにより実行されたときに、上記14、19、または20に記載の方法を実行させるコンピュータプログラムを記憶した非一時的コンピュータ可読記録媒体。
22.コンピュータ上で実行されたときに、上記コンピュータに上記14,19、または20に記載の方法を実行させるプログラム符号手段を備えるコンピュータプログラム。