特許第6561263号(P6561263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561263
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
   A63F7/02 315A
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-144269(P2015-144269)
(22)【出願日】2015年7月21日
(65)【公開番号】特開2017-23359(P2017-23359A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(74)【代理人】
【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
(72)【発明者】
【氏名】中谷 竜二
【審査官】 有賀 綾子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−104300(JP,A)
【文献】 特開2011−161067(JP,A)
【文献】 特開2007−054507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
普通図柄始動口と、
該普通図柄始動口への遊技球の入球に起因して普通図柄数値データを抽出する普通図柄数値データ抽出手段と、
前記普通図柄数値データに基づいて当否を判定する普通図柄当否判定手段と、
開閉作動可能に設けられた普通電動役物と、
前記普通図柄の当否判定の結果が当選であることに基づいて、前記普通電動役物を所定の開放態様で開放せしめて普通図柄の当り遊技を実行する普通図柄当り遊技実行手段と、
前記普通電動役物の開放により遊技球の入球が可能又は入球が容易となる特別図柄始動口と、
該特別図柄始動口への遊技球の入球に起因して特別図柄数値データを抽出可能とする特別図柄数値データ抽出手段と、
前記特別図柄数値データに基づいて当否を判定する特別図柄当否判定手段と、
前記当否判定に伴い変動する特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄変動パターン設定手段と、
前記変動パターンに応じて、特別図柄に対応する演出図柄を変動表示した後に確定表示して前記当否判定の結果を報知可能演出図柄表示装置と、
前記特別図柄の当否判定の結果が当選であることに基づいて、大入賞口を所定の開放態様で開放せしめて特別図柄の当り遊技を実行する特別図柄当り遊技実行手段と、
特別図柄の当り遊技の終了後に、特別図柄の当り図柄に応じて、特別図柄の当選確率を高確率とする特別図柄確率変動機能が作動する第1の特典遊技の設定手段と、
特別図柄の当り遊技の終了後に、特別図柄の当り図柄に応じて、少なくとも普通図柄の当選確率を高確率とする普通図柄確率変動機能及び前記普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能が作動する第2の特典遊技の設定手段と、
連続して作動する前記特別図柄確率変動機能の作動回数をカウントし、カウント数が予め設定された回数に至ると前記第1の特典遊技を制限する制限手段と、
該制限手段の作動時に制限特典を付与する制限特典付与手段と、を具備し、
前記特別図柄数値データ抽出手段は、特別図柄の変動時及び確定表示中には前記特別図柄始動口への入球があっても前記特別図柄数値データを抽出しない構成であり、
前記制限特典付与手段は、前記制限特典として、前記制限手段の作動後に実行される特別図柄の第1回目の変動が終了するまでは前記第2の特典遊技を設定し、
前記制限特典中に特別図柄の変動パターンを選択する変動テーブルとして、前記普通電動役物の開放時間よりも長い変動時間からなる第1変動テーブルと、前記開放時間よりも短い変動時間からなる第2変動テーブルとを備え、
前記制限特典中には、特別図柄変動パターン設定手段により、前記制限手段の作動の起因となった特別図柄の当り図柄に応じて前記第1変動テーブル又は前記第2変動テーブルの何れかが選択され、
前記第1変動テーブルが選択されているときは、前記演出図柄表示装置において、特別図柄に対応する演出図柄を変動表示した後に確定表示する演出表示を行う一方、
前記第2変動テーブルが選択されているときは、前記演出表示を行わないことを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾球遊技機、特に普通図柄の当否抽選から特別図柄の当否抽選へ遊技を展開する弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機たるパチンコ機には、普通図柄の始動口への遊技球の入球に起因して普通図柄の当否判定を行い、該判定結果が当りであれば、普通電動役物を開放し、これにより特別図柄の始動口への入球が可能となる。この状態で遊技球が特別図柄の始動口へ入球すると演出図柄表示装置の図柄が変動開始するとともに特別図柄の当否判定を行い、該判定結果を前記演出図柄表示装置に図柄を確定表示して報知し、抽選結果が当りであれば大入賞口を開放する特別図柄の当り遊技を実行するものがある(例えば特許文献1参照)。
この種のパチンコ機は、前記特別図柄の当否判定時に確定された特別図柄の当り図柄に基づいて、前記特別図柄の当選確率を高確率に確率変動(確変)する機能、普通図柄の当選確率を高確率に確変する機能や、普通図柄の当り抽選による前記普通電動役物の開放時間を延長する機能を有する。
更に特許文献2には、前記特別図柄の当り遊技と前記特別図柄の高確率への確変との繰り返し回数を制限するリミッタを内蔵した構成が記載されている。
【0003】
ところで前記の特別図柄の当否判定時に演出図柄表示装置の図柄変動を行なう構成では、図柄の変動頻度が低く、図柄変動が生起しないと遊技の面白みが低下する。そこで図柄の変動頻度を向上するため、前記普通図柄の当否判定に応じて演出図柄表示装置の図柄変動を行なう構成としたパチンコ機がある。
この種のパチンコ機では、普通図柄の始動口への入球に起因して演出図柄表示装置の図柄変動を開始するとともに普通図柄の当否判定を行い、判定結果が当りであれば、普通図柄に対応する演出図柄にて当りを報知するとともに普通電動役物を開放作動し、特別図柄の始動口に遊技球が入球することにより特別図柄の当否判定を展開する。
【0004】
前記パチンコ機では、普通図柄の当選による図柄表示と特別図柄の当否判定との関連性を高めるために、特別図柄の当選確率が極めて高くしてあり、普通図柄が当選であれば特別図柄も当選となって特別図柄の当り遊技に移行する。特別図柄の当り遊技は大入賞口を2ラウンド開放する構成で、かつ特別図柄の当り遊技終了後は普通図柄が高確率に確変するとともに前記開放延長機能が作動して、すぐに特別図柄の当り遊技が連続して生起可能な構成にしている。そして特別図柄の当り遊技及び高確率状態が所定の回数繰り返されると、リミッタにより通常の遊技状態(普通図柄が低確率の状態)に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−84195号公報
【特許文献2】特開平10−15177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記普通図柄の当否判定に応じて演出図柄表示装置の図柄変動を行なう従来のパチンコ機は、一旦、特別図柄の当り遊技が生起すると、リミッタが作動するまで繰り返し特別図柄の当り遊技が実行され賞球の獲得が可能となる。しかしながら、特別図柄の当り遊技が連続すると遊技者は特別図柄の当り遊技の生起に慣れてしまい、獲得する賞球数がほぼ一定であるため、遊技者の緊張感が低下する。更にリミッタが作動して連続する特別図柄の当り遊技が途切れると、当選確率が低確率に戻るため次回の特別図柄の当り遊技に対する遊技者の期待感も低下する。
そこで本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の緊張感や期待感を向上させることができ、興趣溢れる弾球遊技機を実現することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
普通図柄始動口と、
該普通図柄始動口への遊技球の入球に起因して普通図柄数値データを抽出する普通図柄数値データ抽出手段と、
前記普通図柄数値データに基づいて当否を判定する普通図柄当否判定手段と、
開閉作動可能に設けられた普通電動役物と、
前記普通図柄の当否判定の結果が当選であることに基づいて、前記普通電動役物を所定の開放態様で開放せしめて普通図柄の当り遊技を実行する普通図柄当り遊技実行手段と、
前記普通電動役物の開放により遊技球の入球が可能又は入球が容易となる特別図柄始動口と、
該特別図柄始動口への遊技球の入球に起因して特別図柄数値データを抽出可能とする特別図柄数値データ抽出手段と、
前記特別図柄数値データに基づいて当否を判定する特別図柄当否判定手段と、
前記当否判定に伴い変動する特別図柄の変動パターンを決定する特別図柄変動パターン設定手段と、
前記変動パターンに応じて、特別図柄に対応する演出図柄を変動表示した後に確定表示して前記当否判定の結果を報知可能演出図柄表示装置と、
前記特別図柄の当否判定の結果が当選であることに基づいて、大入賞口を所定の開放態様で開放せしめて特別図柄の当り遊技を実行する特別図柄当り遊技実行手段と、
特別図柄の当り遊技の終了後に、特別図柄の当り図柄に応じて、特別図柄の当選確率を高確率とする特別図柄確率変動機能が作動する第1の特典遊技の設定手段と、
特別図柄の当り遊技の終了後に、特別図柄の当り図柄に応じて、少なくとも普通図柄の当選確率を高確率とする普通図柄確率変動機能及び前記普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能が作動する第2の特典遊技の設定手段と、
連続して作動する前記特別図柄確率変動機能の作動回数をカウントし、カウント数が予め設定された回数に至ると前記第1の特典遊技を制限する制限手段と、
該制限手段の作動時に制限特典を付与する制限特典付与手段と、を具備し、
前記特別図柄数値データ抽出手段は、特別図柄の変動時及び確定表示中には前記特別図柄始動口への入球があっても前記特別図柄数値データを抽出しない構成であり、
前記制限特典付与手段は、前記制限特典として、前記制限手段の作動後に実行される特別図柄の第1回目の変動が終了するまでは前記第2の特典遊技を設定し、
前記制限特典中に特別図柄の変動パターンを選択する変動テーブルとして、前記普通電動役物の開放時間よりも長い変動時間からなる第1変動テーブルと、前記開放時間よりも短い変動時間からなる第2変動テーブルとを備え、
前記制限特典中には、特別図柄変動パターン設定手段により、前記制限手段の作動の起因となった特別図柄の当り図柄に応じて前記第1変動テーブル又は前記第2変動テーブルの何れかが選択され、
前記第1変動テーブルが選択されているときは、前記演出図柄表示装置において、特別図柄に対応する演出図柄を変動表示した後に確定表示する演出表示を行う一方、
前記第2変動テーブルが選択されているときは、前記演出表示を行わないことを特徴とする。
尚、前記制限手段は、作動時に特別図柄確率変動機能を作動させることとなる特別図柄の当り図柄で当選しても特別図柄確率変動機能を作動させない。また制限手段は、特別図柄確率変動機能の作動を制限することで、実質的に大当りの連続を制限するものである。
特別図柄数値データ抽出手段は特別図柄の変動時及び確定表示中には特別図柄数値データを抽出しないので、特別図柄の保留記憶はされない構成である。尚、特別図柄数値データを抽出しないとは、特別図柄数値データを特別図柄の当否判定の対象としないことを含む。即ち、特別図柄の変動時及び確定表示中に特別図柄数値データを抽出してもよいが、該特別図柄数値データは特別図柄の当否判定の対象とされない。
【0008】
この発明によれば、制限手段の作動時の特別図柄の当り図柄に応じて、特別図柄の当り遊技後、特別図柄の連続当りの獲得チャンスが、特別図柄の1変動分のチャンスとなるか(第1変動テーブル選択時)、複数変動分のチャンスとなるか(第2変動テーブル選択時)といった遊技を実現することができる。具体的には、特別図柄の当り遊技が終了し、制限特典遊技として第2の特典遊技が付与されると、普通図柄は確率変動機能が作動しているため当選し易く、当選すれば普通電動役物は開放時間が延長された状態で開放動作を行なう。第1変動テーブルが選択されている時は延長された開放時間よりも長く特別図柄が変動し、変動が終了すると第2の特典遊技は終了してしまうため、再度の特別図柄の抽選は困難となる。
一方、第2変動テーブルが選択された場合は、第2の特典遊技状態で普通電動役物が開放すると、特別図柄は短時間で変動を終了するため、普通電動役物が開放している状態で通常遊技状態に戻ってしまうが、普通電動役物は予め決定された延長された開放時間で動作中のため開放状態を維持し、維持している間に遊技球が再び入賞すると再度特別図柄の抽選を行うことが可能となる。
このように、選択された第1又は第2変動テーブルに応じて、制限手段が作動した特別図柄の当り遊技直後の特別図柄変動回数を変化させることができ、特別図柄変動回数を変化させることにより特別図柄の当り発生確率を異ならせることができ、遊技者の緊張感や期待感を向上させることができる。
【0010】
この発明によれば、第1変動テーブルが選択された場合は、1変動しかチャンスが無い分、変動演出で遊技者の期待感を高める。一方、第2変動テーブルが選択された場合は、変動時間を極めて短時間とすることが望ましく、これでは演出図柄で変動演出している時間がないので、特別図柄の判定結果報知のみで遊技者を楽しませる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を適用した弾球遊技機の正面図である。
図2】前記弾球遊技機の遊技盤の正面図である。
図3】前記弾球遊技機の背面図である。
図4】前記弾球遊技機の電気ブロック図である。
図5】前記弾球遊技機の遊技仕様を示す説明図である。
図6】前記弾球遊技機の主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。
図7】前記主制御装置で実行される普図始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
図8】前記主制御装置で実行される普図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図9】前記普図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図10】前記普図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図11】前記普図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図12】前記主制御装置で実行される普図遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図13】前記普図遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図14】前記普図遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図15】前記主制御装置で実行される特図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図16】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図17】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図18】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図19】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第5のフローチャートである。
図20】前記主制御装置で実行される変動パターン設定処理の制御内容を示すフローチャートである。
図21】前記主制御装置で実行される特別遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図22】前記特別遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図23】前記特別遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図24】前記特別遊技処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図25】前記弾球遊技機のリミッタ作動時の特別図柄の変動に関する第1のタイムチャートである。
図26】前記リミッタ作動時の特別図柄の変動に関する第2のタイムチャートである。
図27】前記弾球遊技機のリミッタ作動時において演出図柄表示装置に表示される第1の表示態様を示す図である。
図28】前記リミッタ作動時において演出図柄表示装置に表示される第2の表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を適用した弾球遊技機たるパチンコ機1を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
【0013】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0014】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0015】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0016】
図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0017】
遊技領域20のセンターケース200の中央直下位置には、遊技球が通過可能であり、通過を起因に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選を実行する第1作動ゲート22が設けてある。またセンターケース200右横位置には、遊技球が通過可能であり、第1作動ゲート22と同様に、通過を起因に普図の抽選が実行される第2作動ゲート23が設けられている。尚、第1及び第2作動ゲート22,23は特許請求の範囲の普通図柄始動口に相当する。また第1作動ゲート22は入賞口である普図始動口でもよい。
更に第1作動ゲート22の右斜め下方位置には、開閉可能な開閉板からなる普通電動役物24(以下、単に普電役物という)と、普電役物24の開放時に入球が可能で、入球を起因に特別図柄(以下、単に特図という)の抽選を実行する特図始動口25が設けてある。尚、普電役物24は、普図の抽選で当りとなると所定時間開放する構成である。尚、特図始動口25は、必ずしも普電役物24の開放時にのみ入球が可能な構成に限らず、普電役物24の閉鎖時には入球が極めて困難な構成でもよい。
更にまた第1作動ゲート22の直下位置には特別電動役物(特電役物)たる開閉板にて開閉可能に設けられ、特図の抽選で特図の当りとなると開放される大入賞口26が設置されている。
【0018】
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1作動ゲート22及び大入賞口26の左横位置には複数(4つ)の普通入賞口27が配されている。また、大入賞口26の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
【0019】
遊技盤2の右下端部には、レール201の外部に、特図表示装置28、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291が設けられている。
【0020】
図3に示すように本パチンコ機1の裏面側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0021】
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0022】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0023】
図4は本パチンコ機1の電気的構成(電気ブロック)を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払い出し制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0024】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、特図始動口25への入球を検出する特図始動口SW504、第1作動ゲート22への入球を検出する中普通図柄作動SW505と第2作動ゲート23への入球を検出する右普通図柄作動SW506、普通入賞口27への入球を検出する左入賞口SW507、及び大入賞口26への入球を検出するカウントSW508等の検出信号が入力される。
【0025】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して特図表示装置28、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
【0026】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド509、及び普通電役ソレノイド510が接続されている。そして大入賞口ソレノイド509を制御して大入賞口26を開放作動せしめる。更に普通電役ソレノイド510を制御して普電役物24の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0027】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させる。精算表示装置173を介して球貸及び精算SW171,172によりなされる貸出要求、精算要求の操作信号がCRユニット60に入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニット60によって制御される。
【0028】
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0029】
サブ統合制御装置42には、音量調節SWを備え、また遊技ボタン15やジョグダイヤル16の操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の擬似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0030】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0031】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、普図の第1及び第2作動ゲート22,23に遊技球が入球すると、普図の抽選(当否判定)を実行する。このとき普図表示装置29及び演出図柄表示装置21の図柄変動を開始し、その後、普図表示装置29に普図を、演出図柄表示装置21に普図に対応する擬似演出図柄を確定表示して前記抽選結果を報知する。抽選結果が当りであれば普図の当り遊技として普電役物24を開放し、特図始動口25への入球を可能とする。
この状態で特図始動口25に遊技球が入球すると特図の抽選(当否判定)を実行し、特図表示装置28及び演出図柄表示装置21の図柄変動を開始し、その後、特図表示装置28に特図を、演出図柄表示装置21に特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して前記抽選結果を報知する。該抽選結果が当りであれば特図の当り遊技として大入賞口26を開放する。
尚、演出図柄表示装置21において普図の抽選に伴う図柄変動と特図の抽選に伴う図柄変動とを、通常の遊技状態では普図の図柄変動を表示し、特図の図柄変動が開始されるとこれを優先して表示することが望ましい。これに限らず演出図柄表示装置21の表示画面を2分割して同時変動させてもよい。
【0032】
そして特図の当り遊技終了には、特図の当り図柄に応じて、遊技状態が通常の遊技状態とは異なる特別の遊技状態へ移行可能とされる。この種の遊技状態として、特図の当選確率を高確率とする特図確率変動(確変)機能を付与する確変遊技状態(特許請求の範囲の第1の特典遊技に相当)、及び、普図の変動時間を短縮するとともに前記普通図柄確率変動機能と前記普電役物の開放時間が延長される開放延長機能を付与する時短遊技状態(特許請求の範囲の第2の特典遊技に相当)に移行可能である。
本パチンコ機1は、特図の当り図柄が確変図柄であれば、特図の当り遊技終了後に前記確変及び時短遊技状態に移行する。
特図の当り遊技の終了後には、特図及び普図が確変しやすく、普図の当り遊技が生起しやすい状態となって、特図の当り遊技を連続して実行させることが可能である。また、特図の当り遊技の連続回数はリミッタ(特許請求の範囲の制限手段に相当)により制限される。即ち、リミッタにより特図の確変機能が作動する回数をカウントして、所定の回数に達することで確変機能の作動を規制して特図の当り遊技への移行を規制する。そして、本パチンコ機1は、リミッタが作動した際に、リミッタ特典(特許請求の範囲の制限特典に相当)として、再度、特図の当りを狙えるように遊技状況(特図の当り図柄)に応じて特図の当りの発生確率を変化させる。
即ち、リミッタ作動後、前記リミッタ特典として、リミッタの作動後に実行される特図の第1回目の変動が終了するまでは時短遊技を付与するとともに、この特典中に実施される特図の変動パターンを、普電役物24の開放時間よりも長い変動時間又は普電役物24の開放時間よりも短い変動時間に切り替える可能とした。
【0033】
図5は本パチンコ機1の遊技仕様を示し、普図の当選確率は、開放延長機能非作動時に「56分の1」とし、開放延長機能作動時及び確変機能作動時では「1」としている。特図の当選確率は、開放延長機能の作動時、非作動時に拘わらず確変機能非作動に「5分の1」で、確変機能作動時では「1」である。特図と普図の合成した確率は「280分の1」としてある。尚、便宜上、普図、特図ともに確変機能作動時の当選確率を「1」としているが、「1」に近い値であればよく、必ず当たる確率である必要はない。
普図の変動時間は、開放延長機能非作動時に「14秒」とし、開放延長機能作動時及び確変機能作動時では「0.1秒」としている。
普電役物24の開放時間は、開放延長機能非作動時に「5秒」とし、開放延長機能作動時及び確変機能作動時では「6秒」としている。普電役物24の開放動作は、開放延長機能非作動時では5秒開放1回行い、開放延長機能作動時及び確変機能作動時では6秒開放1回行う。いずれの場合も、普電役物24へ入球する遊技球の規定個数は10個としてある。
特電役物(大入賞口26)の動作は、開放延長機能の作動、非作動、確変の作動、非作動に拘わらず、1回の0.8秒開放を1ラウンドするラウンド遊技を2ラウンド行う。この場合、大入賞口26へ入球する遊技球の規定個数は10個としてある。
【0034】
特図の確変する確率は95%であり、確変への移行は連続10回を限度とするリミッタ機能を備えている(大当り遊技連続11回ワンセット)。リミッタが作動すると、その状態で当った後は強制的に確変から通常確率の状態に移行する。尚、リミッタが作動する前に確変を付与しない5%の当りを獲得した場合もリミッタのカウンタはクリアされる。
賞球数は、第1又は第2作動ゲート22,23の通過時が「3個」、特図始動口25(普電役物)への入球時が「9個」、大入賞口26(特電役物)への入球時が「3個」、普通入賞口27(一般入賞口)への入球時が「10個」としてある。
普図の保留記憶は「4個」である。一方、特図の保留記憶は設けられていない。即ち、特図変動中に特図始動口25への入球があると、賞球は払出されるものの、前記入球に関する数値データ(後述の乱数値)が抽出されず、当否判定は行われない。尚、前記数値データを抽出しても、当否判定の対象としない構成でもよい。
普図の時短遊技は、特図の変動回数が100回に達するまで、又は次回の特図の当り遊技まで継続される。前記リミッタ作動時は特図の変動回数が1回転の間、時短が付与される。
以下、主制御装置40(厳密には、そのCPU)が実行するプログラム処理に基づいて作動の詳細を説明する。
【0035】
先ず図6を参照して前記プログラム処理の「メインルーチン」の概要を説明する。「メインルーチン」は本処理(S100〜S111,S115)と残余処理(S112)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0036】
前記S100の処理において正常割り込みなら(S100:yes)、初期乱数更新処理(S101)、特図の当り決定用乱数の更新処理(S102)、特図の当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数の更新処理(S104)、普図の当り図柄決定用乱数の更新処理(S105)、特図及び普図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S106)、特図及び普図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S107)、入賞確認処理(S108)、当否判定処理(S109)、各出力処理(S110)、不正監視処理(S111)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S112)をループ処理する。
【0037】
次に主制御装置40が実行するプログラム処理で、本発明に関わりの深い当否判定処理(S109)を中心に、入賞確認処理(S108)や各出力処理(S110)の一部のサブルーチンについて説明する。
【0038】
図7に示す「普図始動入賞確認処理」は前記入賞確認処理(S108)のサブルーチンで、普図始動口である第1又は第2作動ゲート22,23への入球があるか否かを確認し(S200)、入球があれば(S200:yes)、S201の処理において普図の保留記憶が満杯でないか否かを確認する(S201)。保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の処理で数値データとして、普図の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数、リーチ図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置40のメモリに記憶される(最大4つ)。そして、普図保留数表示装置291の表示制御、及びサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ普図保留数のコマンドを送信する(S203)。尚、前記S202の処理は特許請求の範囲に記載の普通図柄数値データ抽出手段に相当する。
【0039】
図8に示す「普図当否判定処理」は前記当否判定処理(S109)のサブルーチンで、S300の処理において特図の始動口25を開放させるための普電役物24が作動中か否かを確認し、作動していなければ(S300:no)、普図が変動中か否かを確認し(S301)、変動中でなければ(S301:no)、確定図柄が表示されているか否かを確認する(S302)。尚、普電役物24が作動中(S300:yes)であれば「普図遊技処理」に移行する。
【0040】
前記S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、図9に示すように、S310の処理において普図の保留記憶があるか否かを確認し、普図の保留記憶があれば(S310:yes)、普図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により普図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。普図の保留記憶がなければ(S310:no)、「普図遊技処理」に移行する。
【0041】
前記普図保留記憶シフト処理の次にS312の処理において現在の遊技状態が確変中(高確率)であるか否かを確認する。確変中であれば(S312:yes)、S313の処理において確変の当否判定用テーブルで普図の当否判定を行う。確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルで普図の当否判定を行う(S314)。そしてS315の処理では、前記S313又はS314の処理における普図の判定結果が当りであるか否かを確認する。前記のように普図の当り確率は、通常、56分の1に設定してあり、確変時には100%である。尚、S313及びS314の処理は特許請求の範囲の普通図柄当否判定手段に相当する。
【0042】
前記S315の処理において普図の当否判定の結果が当りであれば(S315:yes)、S316の処理において前記対象となる普図の保留記憶の普図当り図柄決定用乱数に基づいて普図当り図柄を決定し、前記対象となる普図の保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて当りの変動パターンを決定する(S317)。
一方、普図の当否判定の結果が当りでなければ(S315:no)、ハズレの変動パターンを決定する(S319)。
次にS318の処理において普図表示装置29の変動開始、及びサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ普図変動開始コマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
【0043】
前記S301の処理において普図の図柄変動中のときは(S301:yes)、図10に示すように、S320の処理において図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S320:yes)、S321の確定図柄表示設定処理により普図表示装置29の確定図柄表示、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ普図に対応する擬似演出図柄を確定表示させるようにコマンドを送信する。
続いてS322の処理において確定表示された普図が当りになる組合せであるか否か確認し、当りになる組合せであったときは(S322:yes)、S323の普図当り開始演出処理によりサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
【0044】
前記S302の処理で確定図柄表示中であれば(S302:yes)、図11に示すように、S330の処理において確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、S331の確定図柄表示終了処理において普図表示装置29の確定図柄表示の終了、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ擬似演出図柄の表示を終了させるようにコマンドを送信し、「普図遊技処理」へ移行する。
【0045】
図12に示すように「普図遊技処理」は前記「メインルーチン」(図6)の各出力処理(S110)のサブルーチンであり、特許請求の範囲の普通図柄当り遊技実行手段に相当する。先ず、S400の処理において普電役物24が開放作動中かであるか否かを確認する。普電役物24が開放中でなければ(S400:no)、普図当り終了演出中か否かを確認し(S401)、普図当り終了演出中でなければ(S401:no)、普図当り開始演出時間が経過したか否かを確認し(S402)、普図当り開始演出時間が経過していれば(S402:yes)、S403の処理において普電役物24を開放してリターンする。
【0046】
前記S400の処理で普電役物24が開放中であれば(S400:yes)、図13に示すように、普電役物24に10個(規定数)の入賞があったか否かの確認(S410)、又は普電役物24の開放時間が終了したか否かを確認して(S411)、いずれか確認できれば、S412の処理において普電役物24を閉鎖し、普図当り演出終了処理を実行して(S413)、リターンする。
【0047】
前記S401の処理で普図当り終了演出中であれば(S401:yes)、図14に示すように、S420の処理において前記普図当り終了演出時間が経過(終了)したか否かを確認し、経過していれば(S420:yes)、S421の普図当り終了コマンド送信の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に普図当り終了コマンドを送信し、普図当り遊技を終了してリターンする。
【0048】
前記普図当り遊技で普電役物24が開放し、特図始動口25へ入球することにより特図の当否判定が実行される。図15に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、S500の処理において大入賞口26を開放させるための特電役物が作動中か否かを確認し、作動していなければ(S500:no)、特図が変動中か否かを確認し(S501)、変動中でなければ(S501:no)、確定図柄が表示されているか否かを確認する(S502)。尚、特電役物が作動中(S500:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する(図17参照)。
【0049】
前記S502の処理で確定図柄が表示中でなければ(S502:no)、図16に示すように、S510の処理において特図始動口25(普電役物)への入球があるか否かを確認する。特図始動口25への入球があれば(S510:yes)、次にS511の処理で数値データとして、特図の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数、リーチ図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数などの各種乱数を抽出される。これらの乱数が特図の当否判定の対象とされる。尚、前記S511の処理は特許請求の範囲に記載の特別図柄数値データ抽出手段に相当する。
【0050】
続く、S512の処理において現在の遊技状態が、確変フラグを参照して特図の当り確率が高確率の確変中であるか否かを確認する(確変フラグが1であれば確変中)。確変中であれば(S512:yes)、S513の処理において高確率の当否判定用テーブル(確変テーブル)と前記特図当り決定用乱数とを対比して当りか否か当否判定を行う。確変中でなければ(S513:no)、S514の処理において通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記特図当り決定用乱数とを対比して当りか否か当否判定を行う。そしてS515の処理では、前記S513又はS514の処理における特図の判定結果が当りであるか否かを確認する。前記のように特図の当り確率は、通常、5分の1に設定してあり、確変時には100%である。尚、S513及びS514の処理は特許請求の範囲の特別図柄当否判定手段に相当する。
【0051】
前記S515の処理において特図の当りであれば(S515:yes)、図17に示すように、S520の処理において特図の前記当り図柄決定用乱数に基づいて特図の当り図柄を決定し、S521の処理では「変動パターン決定処理」に移行して特図の当りの変動パターンを決定する。尚、この処理は特許請求の範囲の特別図柄変動パターン設定手段に相当する。
ここで図20に基づいて「変動パターン決定処理」を説明する。この処理では、先ずS600の処理において、前記リッミタが作動したときの特典を付与するためのリミッタ特典フラグが「1」であるか否かを確認する。リミッタ特典フラグが「1」であれば(S600:yes)、S601の処理において前記リミッタ作動時の特図の当り図柄が所定の図柄であるか否かを確認する。
【0052】
所定の図柄であれば(S601:yes)、S602の処理において、変動パターンが開放延長された普電役物24の開放時間よりも長くなるように第1変動テーブルが選択され、該第1変動テーブルから前記変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンが決定される。尚、第1変動テーブルは、普電役物24の開放時間よりも長くなる単一の変動パターンを備える構成でもよいし、普電役物24の開放時間よりも長くなる複数種類の変動パターンを備え、これらの中から選択するようにしてもよい。
【0053】
前記S601の処理で前記リミッタ作動時の特図の当り図柄が所定の図柄でなければ(S601:no)、S603の処理において、変動パターンが開放延長された普電役物24の開放時間よりも短くなるように第2変動テーブルが選択され、該第2変動テーブルから前記変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンが決定される。尚、第2変動テーブルは、普電役物24の開放時間よりも短くなる単一の変動パターンを備える構成でもよいし、普電役物24の開放時間よりも短くなる複数種類の変動パターンを備え、これらから選択するようにしてもよい。
【0054】
前記S602又はS603の処理の後、S604の処理において前記リミッタ特典フラグを「0」にリセットする。
【0055】
前記S600の処理においてリミッタ特典フラグが「1」でなければ(S600:no)、S606の処理において、通常の第3変動テーブルが選択され、該第3変動テーブルから前記変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンが決定される。
尚、第3変動テーブルは、複数種類の変動パターンを備える構成、例えば、普電役物24の開放時間よりも短くなる変動パターンや、前記開放時間よりも長くなる変動パターンが混在する構成が望ましい。
前記S604の処理で否定判定(S604:no)の場合、前記S605の処理後、前記S606の処理後、リターンする。
【0056】
図17に戻って、S522〜S533の処理において、決定された前記特図の当り図柄に基づいて特図の当り遊技終了後に移行する遊技状態が設定される。
先ずS522の処理において、決定された特図の当り図柄は前記確変遊技状態に移行させる確変図柄であるか否か確認し、確変図柄であれば(S522:yes)、S523の処理において特図の確率変動機能が連続して作動する回数を制限する前記リミッタのカウンタを確認し、リミッタが作動していないか確認する。例えばリミッタの規制回数は10回に設定し、カウンタが10に達するとリミッタが作動する。
リミッタが作動していなければ(S523:yes)、リミッタのカウンタを加算し(S524)、S525の処理において確変遊技状態に移行させるための確変設定フラグに「1」をセットする。更にS526の処理において時短遊技状態に移行させるための時短設定フラグに「1」をセットする。特図の当り遊技終了後の遊技状態は、確変及び時短が組み合わされた遊技状態に移行することとなる。
続くS527の特図変動開始コマンド送信処理では特図表示装置28の特図の変動開始、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0057】
前記S523の処理において、前記カウンタが「10」に達し、リミッタの作動が確認できれば(S523:no)、前記カウンタをクリアし(S528)、リミッタの作動を示すリミッタ作動フラグに「1」をセットし(S529)、確変設定フラグを「0」にリセットし(S530)、更に時短設定フラグを「0」にリセットする(S531)。確変遊技及び時短遊技は付与されない。尚、一時的に時短を非作動とするが、後述するように、リミッタ特典として特図の当り遊技終了直後の第1回目の特図の変動が終わるまで再び時短を付与する。
前記S531の処理の後、前記S527の特図変動開始コマンド送信処理で、特図表示装置28の特図の変動開始、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0058】
前記S522の処理において特図が確変図柄でなければ(S522:no)、カウンタをクリアし(S532)、確変設定フラグを「0」にリセットする(S533)。特図の当り遊技終了後の遊技状態は、確変遊技は付与されないが、特図当り時の遊技状態が時短であれば時短遊技は継続される。
その後、前記S527の特図変動開始コマンド送信処理を実行して「特別遊技処理」に移行する。
尚、リミッタが非作動の状態において、遊技状態が確変及び時短遊技状態の移行する割合は95%で、時短のみの遊技状態の割合は5%に設定してある。
【0059】
図16の前記S515の処理に戻って、特図当りでなければ(S515:no)、S516の処理において前記521の処理と同様に変動パターン決定用乱数に基づいてハズレの変動パターンを決定する。次のS517の処理において、時短フラグを確認して時短が作動しているか確認する(時短中は時短フラグが「1」)。時短が作動中であれば(S517:yes)、時短の付与を制限するための時短カウンタを減算し(S518)、図17の前記S527の処理で、特図表示装置28のハズレ時の特図の変動開始、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へハズレ時の特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0060】
図15の前記S501の処理で、特図が変動中であれば(S501:yes)、図18に示すように、S540の処理において図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S540:yes)、S541の確定図柄表示設定処理により特図表示装置28の確定図柄表示、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ特図確定図柄に対応するコマンドを送信する。
【0061】
続いてS542の処理において確定表示させた特図が当りになる組合せであるか否か確認し、当りになる組合せであったときは(S542:yes)、確変フラグが「1」(確変中)であれば(S543:yes)、確変フラグを「0」にリセットし(S544)、時短フラグが「1」(時短中)であれば(S545:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S426)。これらの処理により特図当り遊技中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0062】
続いて条件装置の作動を開始させ(S547)、役物連続作動装置の作動を開始させる(S548)。条件装置は特図当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特電役物を連続して作動させる装置である。
そして特図当り開始演出処理(S549)によりサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ特図当り開始演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0063】
前記S542の処理で、特図当りになる組合せでなければ(S542:no)、S550の処理において時短フラグが「1」か否かを確認し、時短フラグが「1」であり(S550:yes)、前記時短カウンタの時短回数が「0」であれば(S551:yes)、特図の変動回数が時短遊技の制限に達したので、時短フラグを「0」にリセットして(S552)、「特別遊技処理」に移行する。
【0064】
図15の前記S502の処理で確定図柄表示中のときは(S502:yes)、図19に示すように、確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると(S560:yes)、確定図柄表示終了処理(S561)において特図表示装置28の確定図柄表示の終了、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ確定図柄表示の終了に関するコマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0065】
図21に示す「特別遊技処理」は、特許請求の範囲の特別図柄当り遊技実行手段に相当するもので、先ず、S700の処理において前記役物連続作動装置が作動中か否かを確認し、作動中であれば(S700:yes)、S701の処理で大入賞口26が開放中か否かを確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S700:no)リターンする。
前記S701の処理で大入賞口26が開放中でなければ(S701:no)、特図当り遊技のインターバル中か否かを確認し(S702)、インターバル中でなければ(S702:no)、特図当り終了演出中か否かを確認し(S703)、特図当り終了演出中でなければ(S703:no)、特図当り開始演出時間が経過したか否かを確認し(S704)、特図当り開始演出時間の経過を確認すれば(S704:yes)、S705の大入賞口の開放処理で第1ラウンド目の大入賞口26を開放してリターンする。
【0066】
前記S701の処理で大入賞口開放中であれば(S701:yes)、図22に示すように、大入賞口26に10個の入賞があったか否かの確認(S710)、又は大入賞口26の開放時間が終了したか否かを確認して(S71)、いずれか確認できれば大入賞口26を閉鎖し(S712)、特図当りインターバル処理を実行して(S713)、リターンする。
【0067】
前記S702の処理で特図当りのインターバル中であれば(S702:yes)、図23に示すように、S720の処理において特図当りインターバル時間が経過したか否かを確認し、経過していれば(S720:yes)、最終ラウンド(第2ラウンド目)であるか否かを確認し(S721)、最終ラウンドであれば、(S721:yes)、特図当り終了演出の処理(S722)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に特図当り終了コマンドを送信し、特図当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S721:no)、大入賞口26の開放処理(S723)により第2ラウンド目の大入賞口26の開放を実行してリターンする。
【0068】
図21の前記S703の処理で特図当り終了演出中であれば(S703:yes)、図24に示すように、特図当り終了演出時間が経過したか否かを確認し(S730)、該時間の経過を確認すれば(S730:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理(S731)を実行し、条件装置の作動を停止する処理(S732)を実行する。
【0069】
続く、S733の処理では前記リミッタが作動したか否かをリミッタ作動フラグの状態で確認する(リミッタ作動フラグが「1」であればリミッタが作動)。リミッタの作動が確認できなければ(S733:no)、S734の処理において前記時短設定フラグが「1」か否かを確認し、時短設定フラグが「1」であれば(S734:yes)、時短遊技の繰り返し回数(100回)を設定し(S735)、時短フラグに「1」をセットする(S736)。これにより特図当り遊技終了後に時短遊技が付与される。尚、S735及びS736の処理は特許請求の範囲の第2の特典遊技設定手段に相当する。
次にS737の処理では確変設定フラグが「1」か否かを確認し、確変設定フラグが「1」であれば(S737:yes)、確変フラグに「1」をセットする(S738)。これにより特図当り遊技終了後に確変遊技が付与される。尚、S738の処理は特許請求の範囲の第1の特典遊技設定手段に相当する。その後、特図当り終了コマンド送信の処理(S739)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に特図当り終了コマンドを送信し、特図当り遊技を終了してリターンする。
【0070】
前記S733の処理で前記リミッタの作動が確認できれば(S733:yes)、S740の処理においてリミッタ作動時の特典を付与するためのリミッタ特典フラグに「1」をセットする。続いて時短遊技の実施回数として1回を設定し(S741)、時短フラグに「1」をセットする(S742)。これによりリミッタが作動した特図当り遊技終了後にリミッタ特典として特図の1回の図柄変動が終了するまで時短遊技が付与される。尚、S741及びS742の処理は特許請求の範囲の制限特典付与手段に相当する。
そして、前記リミッタ作動フラグを「0」にリセットし、前記特図当り終了コマンド送信の処理(S739)を実行し、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に特図当り終了コマンドを送信し、特図当り遊技を終了してリターンする。
【0071】
本パチンコ機1は、普図の当否判定が当選し、普図の当り遊技において特図始動口25への入球があり、特図の当否判定が開始されると高い割合で当選して特図の当り遊技が実行される。特図の当り遊技の終了後、遊技状態は、高い割合で普図及び特図の当り確率が高確率となる確変遊技状態、且つ時短遊技状態に移行される。これにより続けて特図の当り遊技を生起させることが容易となる。
この場合、連続11回までを限度としており、10回目の確変でリミッタを作動させる。リミッタの作動後、特図の確変は非作動となるものの、リミッタ特典として、リミッタ作動後の特図の1回目の変動が終了するまで時短を付与して普図の確変を機能させるとともに、前記リミッタ作動後の特図の1回目の変動パターンを、リミッタ作動時の特図の当り図柄に応じて、普電役物24の開放時間より長い時間のパターン、又は短い時間のパターンに設定するものである。
【0072】
図25及び図26はリミッタ特典に関するタイミングチャートを示し、図25に特図の変動が普電役物の開放時間(6秒)より長い時間のパターン(前記第1変動テーブルから選択。例えば変動時間10秒、図柄確定表示時間0.5秒)を、図26に特図の変動が普電役物の開放時間より短い時間のパターン(前記第2変動テーブルから選択。例えば変動時間0.1秒、図柄確定表示時間0.5秒)を示す。
図25に示すように、リミッタ特典によりリミッタ作動後の特図の1回目の変動が終了するまで時短が付与されるので、普図の当選確率が高確率となって特図当り遊技の後に直ぐに普図の当りとなって普電役物24が開放する(ア)。本実施形態では時短中の普図の当選確率は「1/1.0」であるので、普図が変動すれば必ず普電役物24が開放するように設定されている。
そして、普電役物24の開放中に、例えば特図始動口25への4つの入球(a)〜(d)があった場合、最初の入球(a)に応じて特図の変動が開始される(1)。この場合、特図の変動時間が普電役物24の開放時間よりも長いので(本実施形態の場合、普電役物24の開放時間は6秒であるので、特図の変動時間は6秒よりも長い変動時間となる)、他の入球(b)〜(d)が変動(1)と重なり、特図には保留記憶が無いので他の入球(b)〜(d)は無効となる。また変動(1)終了後には時短が非作動となり、普図の当選確率が下がるので、続けて確変遊技の獲得できるチャンスは、最初の入球(a)に応じた特図の変動の1度のみとなる。尚、本実施形態では普電役物24の開放時間は通常遊技状態が5秒、時短状態が6秒であり、あまり変わらない構成だが、通常遊技状態の方が開放時間が短くなっているため普電役物24への入賞率も低下する。
【0073】
一方、図26に示すように短い変動パターンのでは、最初の入球(a)に応じて特図の変動(2)が開始され、変動終了により時短が非作動となるものの普電役物24の開放が継続されるので、その後の入球(b)〜(d)が有効で、これらの入球(b)〜(d)に応じた変動(3)〜(5)が可能となる。従って続けて確変遊技の獲得できる複数のチャンスが獲得できる。
尚、本パチンコ機1の通常の特図の当選確率は5分の1であり、普電役物24の開放中に4回程度の変動が可能となるように、普電役物の開放時間、特図の変動時間及び特図の確定表示時間を設定することが望ましい。
【0074】
次に図27及び図28に基づき、前記リミッタ特典に関して演出図柄表示装置21で行う演出表示の一例を説明する。尚、前記長い変動パターン(第1変動テーブル)が選択されているときは、演出図柄表示装置21において、特図に対応する擬似演出図柄を変動表示した後に確定表示する演出表示を行う一方、前記短い変動パターン(第2変動テーブル)が選択されているときは、特図に対応する擬似演出図柄の変動表示を行わない。
【0075】
図27(a)は確変遊技での特図の変動表示の一例を示し、演出図柄表示装置21の表示画面には、その上部右側に本パチンコ機1のメインキャラクタである「熊の達吉」のキャラクタ表示700が表示されるとともに、表示画面の上部左側に確変遊技状態であることを示す「達吉RUSH!」と、11回を上限とする大当り遊技継続回数を示す第1のコメント表示702が表示される。
また表示画面のほぼ中央には特図に対応して、3桁の数値からなる擬似演出図柄701が変動表示される。
【0076】
図27(b)はリミッタが作動した後のリミッタ特典中の第1回目の特図の変動表示を示し、且つ変動パターンが前記第1の変動テーブルから普電役物26の開放時間よりも長い変動パターンのときの一例を示すもので、表示画面の上部左側に、確変遊技状態であることを示す「達吉RUSH!」と、リミッタ特典中で次の確変遊技の獲得に有利なチャンス(特図変動)であることを示す「復活チャンス」、及びリミッタ特典中のチャンスが当該変動の1回しかないことを、「この変動で当てろ!」とを示す第2のコメント表示703が表示される。
【0077】
図27(c)はリミッタが作動した後のリミッタ特典中を示し、且つ変動パターンが前記第2の変動テーブルから普電役物26の開放時間よりも短い変動パターンが決定されたときの一例を示す。この場合、表示画面の上半部に、確変遊技状態であることを示す「達吉RUSH!」と、複数回の特図変動が可能で次の確変遊技の獲得に有利な大きなチャンス(特図変動)であることを示す「復活大チャンス」、及び特図変動に対する擬似演出図柄の表示が行われないため、「達吉が笑顔になったら復活」として達吉の表情によって当選か否かを示唆することを示す第3のコメント表示704が表示される。尚、表示画面の下半部中央に深刻な表情の達吉700を表示し、表示画面の下部右側には普電役物の開放の残り時間705を示すことが望ましい。
【0078】
図28(a)は、図27(b)に対応して特図の長い変動パターンの1回の変動チャンスで当選したときの表示態様の一例を示し、表示画面の上部左側に「達吉RUSH!復活成功!!11回セット」として新たに確変遊技状態に移行したことを示す第4のコメント表示706が表示される。また表示画面の下半部中央に特図の当り図柄に対応する3桁の同一数値からなる当り擬似演出図柄701が確定表示される。勿論、5%で通常当りがあるため、その場合はリミッタがセットされた表示はされない。ただし、時短100回が付与されるためその100回以内で当選確率「1/5」の特図で当選させればよく、実質次回の大当りが確約された状態であるため、「復活成功!!」の表現はそのまま用いられる。
【0079】
図28(b)は、図27(c)に対応して特図の短い変動パターンのチャンスで当選したときの表示態様の一例を示し、表示画面の上部左側に「達吉RUSH!復活成功!!11回セット」として新たに確変遊技状態に移行したことを示す第5のコメント表示707が表示される。また表示画面の下半部中央に特図の当選を示す笑顔の達吉700と、前記当り図柄に対応する3桁の同一数値からなる当り擬似演出図柄701が変動表示され、下部右側に普電役物の開放の残り時間705が示される。
【0080】
図28(c)は、図28(a)に対応して特図の長い変動パターンの1回の変動チャンスで外れのときの表示態様の一例を示し、表示画面の上部左側に「達吉RUSH!・・・次回も頑張ろう」として確変遊技状態の終了を示す第6のコメント表示708が表示される。また表示画面の下半部中央に特図の外れを示す失望顔の達吉700と、特図の外れ図柄に対応する3桁の数値からなる外れ擬似演出図柄701が確定表示される。
尚、図は省略するが、図27(c)に対応して特図の短い変動パターンのチャンスで外れのときの表示態様としては、図28(c)の表示態様とほぼ同じとして、外れ擬似演出図柄が表示されない表示態様とすることが望ましい。
【0081】
本実施形態のパチンコ機1によれば、リミッタの作動後、特図の確変は非作動となるものの、リミッタ特典として、リミッタ作動後の特図の1回目の変動が終了するまで時短を付与して普図の確変を機能させるとともに、前記リミッタ作動後の特図の1回目の変動パターンを、リミッタ作動時の特図の当り図柄に応じて、普電役物24の開放時間より長い時間のパターン、又は短い時間のパターンに設定するので、制限手段の作動時の特別図柄の当り図柄に応じて、特別図柄の当り遊技後、特別図柄の連続当りの獲得チャンスが、特別図柄の1変動分のチャンスとなるか(第1変動テーブル選択時)、複数変動分のチャンスとなるか(第2変動テーブル選択時)といった遊技を実現することができる。従って、選択された第1又は第2変動テーブルに応じて、リミッタが作動した特図の当り遊技直後の特図変動回数を変化させることができ、特図変動回数を変化させることにより特図の当り発生確率を異ならせることができ、遊技者の緊張感や期待感を向上させることができる。
【0082】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、前記実施形態において、確変となる確率は95%としており、リミッタが作動する前に通常確率に戻る可能性があるが、この場合にもリミッタ特典と同様に、後の特図の1回目の変動が終了するまで時短を付与して普図の確変を機能させるとともに、前記1回目の変動パターンを、前回の特図の当り図柄に応じて、普電役物24の開放時間より長い時間のパターン、又は短い時間のパターンに設定可能としてもよい。このようにすれば、通常図柄で大当りする度に、一度の普電役物24の開放中に当りを引くことができるか否か、緊張度の高い遊技性とすることができる。
また前記実施形態ではリミッタの制限回数を10回と一定の回数に設定したがこれに限らず、制限回数を増減してもよい。また特図の確定図柄によって前記制限回数を変更するようにしてもよい。更にまた、確変の割合を100%として、必ず10回まで高確率とするワンセットタイプで実施してもよい。その場合は、11回目の大当り遊技が終了した時だけリミッタ特典が付与される構成となり、そこで再度大当りを取得できれば更に11回大当りが上乗せされる遊技性とすることができる。
また、確変を、実質次回の当りまで継続させる構成で説明したが、継続回数に制限を持たせた構成(いわゆるST機、確変回数切りタイプ)で実施してもよい。その場合、回数制限内で当て続けないとリミッタまで到達しないため、リミッタ特典をより有利な設定とすることが考えられる。
【0083】
更に、本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0084】
2 遊技盤
20 遊技領域
21 演出図柄表示装置
22 第1作動ゲート(普通図柄始動口)
23 第2作動ゲート(普通図柄始動口)
24 普通電動役物
25 特別図柄始動口
26 大入賞口
40 主制御装置(普通図柄数値データ抽出手段、普通図柄当否判定手段、普通図柄当り遊技実行手段、特別図柄数値データ抽出手段、特別図柄当否判定手段、特別図柄変動パターン設定手段、特別図柄当り遊技実行手段、第1の特典遊技の設定手段、第2の特典遊技の設定手段、制限手段、制限特典付与手段)
図1
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