【実施例】
【0022】
(実施例1)
本発明に係る収納トレーおよび該収納トレーが用いられている引出しキャビネットの実施例1を
図1〜3において、以下、説明する。実施例1の収納トレー1は、
図3に示すようなキッチン2の引出しキャビネット3に設けられ、前壁部6、後壁部(図示せず)および側壁部7を有する引出し8内に取り付けられて使用される。なお、収納トレーを引出し内に「取り付ける」とは、収納トレーを引出し内に単に載置した状態も含む。
【0023】
収納トレー1は、樹脂材などで成形され、
図1(a)〜(c)、
図2(a)に示すように、引出しに取り付けた状態で奥行きとなる方向に縦長であり、平面視で長方形に形成されている。そして、収納トレー1は、周壁部11で囲まれた収納部本体12と、収納部本体12を複数の収納部に分割するための仕切り部13とを有する。
【0024】
周壁部11は、引出しの側壁部7と略同じ高さを有するが、引出しの側壁部7よりも低い高さでもよい。周壁部11の上端には水平なフランジ部16が、周囲に張り出すように形成されている。
【0025】
仕切り部13は、
図1(a)、
図2(a)に示すように、収納部本体12の奧行き方向(前後方向)を仕切るための第1仕切り壁17と、収納部本体12の間口方向(横幅方向)を仕切るための第2仕切り壁18と、によりT字状に形成されている。
【0026】
収納部本体12は、第1仕切り壁17によって、小さな横向き収納部21と大きな縦向き収納部22に仕切られている。第1仕切り壁17は、
図1(b)、(c)に示すように、周壁部11および第2仕切り壁18より低く形成されている。
【0027】
また、第1仕切り壁17の高さは、
図1(b)において、収納部本体12の底19の上面における奥行き方向の後端部近傍と、フランジ部16の奥行き方向の前端部近傍とを結んだ仮想の直線(
図1(b)、(c)の2点鎖線)よりも低いことが望ましい。
【0028】
縦向き収納部22は、
図1(a)〜(c)、
図2(a)に示すように縦方向に延びる第2仕切り壁18によって、第1の縦向き収納部25と第2の縦向き収納部26に仕切られている。
【0029】
第2仕切り壁18の奥行き方向の一端(
図1(a)、(b)、
図2(a)に示す右端)は、収納トレー1の周壁部11の上端に連続し、フランジ部16と同じ高さに形成されている。
【0030】
第2仕切り壁18は、上記一端から第1仕切り壁17に向けて途中まで周壁部11と同じ高さで延びる高い部分29を有するとともに、この高い部分29から、
図1(b)、(c)、
図2(a)に示すように、第1仕切り壁17との交差部30において、第1仕切り壁17と高さが同じとなるように、下り勾配の傾斜壁部31をさらに備えている。
【0031】
なお、本実施例1では、第2仕切り壁18は、下り勾配の傾斜壁部31を介して第1仕切り壁17との交差部30に連続しているが、交差部30において第1仕切り壁17と高さが同じとなるような構成であれば、下り勾配の傾斜壁部31に限らず、例えば、段部(図示せず)などを介して第1仕切り壁17との交差部30に連続する構成であってもよい。
【0032】
引出しキャビネット3は、
図3(a)に示すように、キッチン2において、シンク4およびコンロ5とともに設けられている。
図3(b)に示すキッチン2’は、
図3(a)に示すキッチン2に対して、シンク4およびコンロ5が左右逆に設けられている。要するに、
図3(a)、(b)は、シンク4の左右の勝手が互いに逆仕様のキッチン2、2’を示している。
【0033】
(作用)
上記構成から成る収納トレー1および引出しキャビネット3の作用を、その使用などを通して、以下に説明する。収納トレー1は、
図3(a)、(b)に示すように、キッチン2、2’において引出しキャビネット3の引出し8内に取り付けて使用する。
【0034】
横向き収納部21には、小さなスプーンなどの小さな収納物を横方向に向けて収納することができる。フォーク、ナイフなどの比較的長細い収納物は、第1の縦向き収納部25または第2の縦向き収納部26に収納することができる。
【0035】
そして、第1の縦向き収納部25または第2の縦向き収納部26には、フォーク、ナイフなどが収納されている状態において(収納されていない状態においてでもよい)、菜箸34を、その一端を、
図2(b)に示すように、周壁部11より低く形成された第1仕切り壁17の上に載置し、第1の縦向き収納部25または第2の縦向き収納部26から横向き収納部21にかけて収納できる。
【0036】
従って、第1の縦向き収納部25または第2の縦向き収納部26は、収納のための無駄な空間が少なくなり、菜箸の一端が第1仕切り壁17の上に載置されて浮くので、仮にフォーク、ナイフなどと混ざって収納されていても、それらと分離されるので、取り出し易くなる。
【0037】
しかも、第1仕切り壁17は、周壁部11より低く形成されているので、菜箸34は、何らかの外力で間口方向(横幅方向)に移動しても、収納トレー1から側方にはみ出して転げ落ちたりするようなことが防止される。
【0038】
さらに、菜箸34の浮いた一端は、高くならず上方にあまりはみ出したりしないので、引出しを開閉する際に、引出しキャビネット3における引出し用の開口の上縁と接触してつっかえたりするようなことはない。
【0039】
即ち、第1仕切り壁17の高さは、収納部本体12の底19の上面における奥行き方向の後端部近傍と、フランジ部16の奥行き方向の前端部近傍とを結んだ仮想の直線(
図1(b)、(c)の2点鎖線)よりも低い構成としたので、菜箸34が収納トレー1から上方にはみ出さない。さらに好ましくは、菜箸34の厚み分(10mm程度)だけ仮想の直線よりも第1仕切り壁17が低いことが好ましい。
【0040】
上記のような構成の収納トレー1によれば、箸、菜箸34、大小のスプーン、お玉、しゃもじなど、大きさにばらつきのある各種の収納物を、整理し、しかも上方にあまりはみ出ることなく、整然と収納することが可能となる。
【0041】
図3(a)、(b)に示すように、収納トレー1は、キッチン2、2’の引出しキャビネット3の引出し8に取り付けて使用するが、仮に、キッチンの仕様が、
図3(a)に示すキッチン2ように、シンク4が右勝手(シンク4がコンロ5に対して右側に取り付けられている仕様)であっても、
図3(b)に示すキッチン2’ように、シンク4が左勝手であっても、引出し8内における収納トレー1の取付位置を左右逆にすれば、使用頻度が高い菜箸34などを、常に、使用者の近くに収納することができるので、使い勝手がよい。
【0042】
(実施例2)
本発明に係る収納トレーおよび該収納トレーが用いられている引出しキャビネットの実施例2を
図4(a)、(b)において説明する。この実施例2の収納トレー41は、実施例1の収納トレー1と略同じであるが、その第1仕切り壁42について、後記するとおりの構成において若干異なる。実施例2について、実施例1と同じ構成については、同じ符号を使用する。
【0043】
図4(a)、(b)に示すように、実施例2の収納トレー41の第1仕切り壁42は、第2仕切り壁18との交差部30を頂点として両外側(間口の両側方向)に向かって下り勾配の傾斜状に形成されている。
【0044】
このように、第1仕切り壁42は、第2仕切り壁18との交差部30を頂点として両外側に向かって下り勾配の傾斜状に形成されていると、例えば、菜箸34を、第1の縦向き収納部25または第2の縦向き収納部26に収納し、その一端側を第1仕切り壁42に載置した場合に、上記浮き上がることに加えて、菜箸34が外側に向かって周壁部11側に寄せられる。従って、菜箸34は、それ以外の収納物品と混ぜて収納しても、よりスムーズに取り出すことができる。
【0045】
以上、本発明に係る収納トレーおよび該収納トレーが用いられている引出しキャビネットを実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。