(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが左右に並べて配置されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rは、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、21個の図柄が周方向に並べて配列されている。
【0013】
前扉3には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rと対向する位置に、表示パネルユニット5が配置されている。
表示パネルユニット5には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの周面の一部を視認可能にするためのリール窓6が形成されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転中は、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、リール窓6内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
【0014】
また、表示パネルユニット5には、遊技に関する基本的な情報を表示するための各種の表示器が備えられている。この表示器には、たとえば、兼用表示器7、配当数表示器8、3個のベット数表示LED9、リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が含まれる。兼用表示器7および配当数表示器8は、リール窓6の下方において、左右に並べて配置されている。兼用表示器7および配当数表示器8は、それぞれドット付きの2桁の7セグメント表示器を横方向に並べて構成されている。3個のベット数表示LED9は、兼用表示器7の左側において、上下に並べて配置されている。リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12は、配当数表示器8の右側において、上下に並べて配置されている。
【0015】
図2は、ドット付きの2桁の7セグメント表示器で構成される兼用表示器7を示している。兼用表示器7の2桁の7セグメント部分は、クレジット数表示器CRと指示モニタNMとで兼用している。また、兼用表示器7のドット部分は、有利区間ランプYLとして利用している。
【0016】
指示モニタNMは、後述する主制御装置31から副制御装置32に対し、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作順を指示するコマンドを送信する際に当該コマンドの種別に応じた識別情報を表示する。
有利区間ランプYLは、後述する非有利状態中には消灯状態とされ、第1有利状態中には点灯状態とされる。
【0017】
図1に戻り、前扉3には、表示パネルユニット5の下方に、操作部13が設けられている。操作部13は、表示パネルユニット5の前面に対して前側に張り出しており、平坦な上面14および前側に緩やかに凸湾曲した前面15を有している。
【0018】
上面14の右端部には、メダル投入口16が設けられている。上面14の左端部には、MAXベットボタン17および1枚ベットボタン18が設けられている。1枚ベットボタン18は、MAXベットボタン17の左側に配置されている。
また、上面14の中央部には、演出表示装置24にて遊技者介入型の演出が実行された場合に、操作が促される演出ボタンPBが配置されている。
【0019】
前面15には、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rおよび精算ボタン21が設けられている。左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rは、前面15の左右方向の中央部において、左からこの順に並べて配置されている。スタートレバー19は、左ストップボタン20Lの左側に配置されている。精算ボタン21は、スタートレバー19のさらに左側に配置されている。
【0020】
メダル受付可否表示LED12の点灯中は、メダル投入口16からメダルが投入されると、その投入が受け付けられる。メダル受付可否表示LED12の消灯中は、メダル投入口16からメダルが投入されても、その投入が受け付けられず、前扉3の最下部に設けられたメダル排出口22からメダルトレイ23にメダルが排出される。
【0021】
ゲームに供するメダルがベットされていない状態において、メダルの投入が受け付けられると、そのメダルがゲームにベットされ、1個のベット数表示LED9が点灯される。つづいて、メダルがメダル投入口16から投入されると、2枚目のメダルがゲームに追加ベットされ、2個のベット数表示LED9が点灯される。さらに、メダルがメダル投入口16から投入されると、3枚目のメダルがゲームに追加ベットされ、3個のベット数表示LED9が点灯される。スロットマシン1では、1ゲーム(1回のゲーム)に対して規定数(スロットマシン1においては常時3枚)のメダルがベットされると、1ゲームが開始可能となり、スタート可否表示LED11が点灯されるとともに、リール窓6内に設定される所定の入賞ラインが有効化される。規定数のメダルがゲームにベットされている状態で、メダル投入口16からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、50枚を上限として、スロットマシン1にクレジットされる。クレジットされているメダルの枚数は、クレジット数表示器CRに表示される。50枚のメダルがクレジットされている状態で、メダル投入口16からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、メダル排出口22からメダルトレイ23に排出される。
【0022】
規定数以上のメダルがスロットマシン1にクレジットされ、ゲームに対してメダルがベットされていない状態において、MAXベットボタン17が操作されると、そのクレジットされているメダルから規定数のメダルがゲームにベットされ、3個のベット数表示LED9およびスタート可否表示LED11が点灯されるとともに、リール窓6内に設定される所定の入賞ラインが有効化される。また、クレジット数が規定数分だけ減り、クレジット数表示器CRの表示が更新される。1枚ベットボタン18が操作された場合には、クレジットされているメダルから1枚のメダルがゲームにベットされ、1個のベット数表示LED9が点灯されるとともに、クレジット数が1だけ減り、クレジット数表示器CRの表示が更新される。
【0023】
ベットされたメダルは、ゲームの開始とともに消費される。スタートレバー19が操作されると、1ゲームが開始となり、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの順方向の回転が開始される。また、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が消灯される。左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rは、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rに対応して設けられている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転開始後、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されると、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転が停止される。
【0024】
左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのすべてが停止した時点で、有効化されている入賞ライン(以下、「有効ライン」という。)上に所定の図柄の組合せが並ぶと、その図柄の組合せに応じた処理が行われる。以上で1ゲームが終了となり、すべてのベット数表示LED9が消灯され、メダル受付可否表示LED12が点灯される。
【0025】
たとえば、有効ライン上に小役に係る図柄の組合せが並ぶと、所定の配当数のメダルが配当として付与され、その配当数が配当数表示器8に表示される。配当は、スロットマシン1に50枚を上限としてクレジットされ、50枚を超える分については、メダル排出口22からメダルトレイ23に排出される。配当がクレジットされると、クレジット数が配当数だけ増え、クレジット数表示器CRの表示が更新される。
【0026】
また、有効ライン上にリプレイ役に係る図柄の組合せが並ぶと、メダルのベットなしで次の1ゲームの実行が許可され、リプレイ表示LED10が点灯される。この場合、メダル受付可否表示LED12が消灯されたまま、点灯中のベット数表示LED9が一旦消灯された後に再び点灯されるとともに、スタート可否表示LED11が点灯される。
【0027】
メダル受付可否表示LED12が点灯され、1枚以上のメダルがクレジットされている状態で、精算ボタン21が操作されると、クレジットされている全メダルがメダル排出口22からメダルトレイ23に排出されて、クレジット数表示器CRの表示が「0」に更新される。
【0028】
また、スロットマシン1には、演出表示装置24、1対のスピーカ25L,25Rおよび1対のスピーカ26L,26Rが搭載されている。演出表示装置24は、表示パネルユニット5の上方に配置されている。スピーカ25L,25Rは、演出表示装置24の左側および右側に分かれて配置されている。スピーカ26L,26Rは、メダル排出口22の左側および右側に分かれて配置されている。遊技(ゲーム)の進行に合わせて、演出表示装置24に演出画像や各種の情報などが表示され、また、スピーカ25L,25R,26L,26Rから効果音などが出力される。
【0029】
図3は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
スロットマシン1は、ゲームの中枢的な制御を実行する主制御装置31と、ゲームに付随する演出のための制御を実行する副制御装置32と、演出表示装置24を制御する演出制御装置33とを備えている。
【0031】
主制御装置31には、CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44およびデータ送出回路45が備えられている。CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44およびデータ送出回路45は、バスにより、データを通信可能に接続されている。また、主制御装置31には、CPU41にクロックパルスを与えるクロック発生回路46と、乱数を生成する乱数生成回路47とが備えられている。
【0032】
CPU41は、ROM42に格納されているプログラムを実行し、入出力ポート44から入力される信号に基づいて、入出力ポート44に接続されている各制御対象を制御する。
【0033】
RAM43は、CPU41によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0034】
入出力ポート(入力ポート)44には、MAXベットボタン17、1枚ベットボタン18、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20R、精算ボタン21、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51C、右リール位置検出センサ51R、メダル投入センサ52およびメダル払出センサ53が接続されている。
【0035】
入出力ポート(出力ポート)44には、クレジット数表示器CR/指示モニタNM、有利区間ランプYL、配当数表示器8、ベット数表示LED9、リプレイ表示LED10、スタート可否表示LED11およびメダル受付可否表示LED12が制御対象として接続されている。また、入出力ポート(出力ポート)44には、左リール4Lを回転駆動する左リール駆動モータ61L、中リール4Cを回転駆動する中リール駆動モータ61C、右リール4Rを回転駆動する右リール駆動モータ61R、メダル投入口16から投入されるメダルの受付/拒否を切り替えるためのメダルブロックソレノイド62および本体2内に設けられたメダル貯留部(図示せず)からメダルを払い出すためのメダル払出駆動モータ63が制御対象として接続されている。
【0036】
MAXベットボタン17、1枚ベットボタン18、スタートレバー19、左ストップボタン20L、中ストップボタン20C、右ストップボタン20Rおよび精算ボタン21が操作されると、それらの個々に設けられたスイッチまたはセンサから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。また、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが1回転する度に、それぞれ左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rから信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル投入口16からメダルが1枚投入される度に、メダル投入センサ52から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。メダル払出駆動モータ63が駆動されて、メダル貯留部からメダルが払い出される度に、メダル払出センサ53から信号が出力され、その信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0037】
左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rには、ステッピングモータが採用されている。規定数のメダルがゲームにベットされた後、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rに駆動パルス信号を入力し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転を開始させる。CPU41は、左リール位置検出センサ51L、中リール位置検出センサ51Cおよび右リール位置検出センサ51Rの出力信号ならびに左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力数に基づいて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置を常に把握している。
【0038】
また、スタートレバー19が操作されると、CPU41は、内部抽選を実行する。具体的には、CPU41は、スタートレバー19が操作されたタイミングで、乱数生成回路47から乱数を取得する。そして、CPU41は、ROM42に格納されている抽選テーブルを参照する。抽選テーブルでは、乱数生成回路47が生成する乱数の範囲(たとえば、0〜65535)が複数の抽選区分に分けられ、抽選区分の個々に1以上の役が対応づけられている。CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数が属する抽選区分に対応づけられた役を当選役として決定する。また、CPU41は、乱数生成回路47から取得した乱数がどの抽選区分にも属さない場合には、内部抽選の結果を不当選(純ハズレ)と決定する。
【0039】
その後、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転速度が一定になると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rを有効化する。そして、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されると、CPU41は、左ストップボタン20L、中ストップボタン20Cおよび右ストップボタン20Rが操作されたタイミングと内部抽選の結果とに基づいて、左リール駆動モータ61L、中リール駆動モータ61Cおよび右リール駆動モータ61Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止を制御する。このとき、左ストップボタン20Lが押操作されたタイミングでの左リール4Lの回転位置を基準として、所定コマ数分の図柄が移動する引込範囲内で左リール4Lの回転が停止される(引込制御)。中リール4Cおよび右リール4Rについても同様である。
【0040】
そして、CPU41は、有効ライン上に内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが並んでいるか否かを判定する。有効ライン上に当選役に対応した図柄の組合せが並んでいれば、CPU41は、その当選役に入賞と判定し、当選役に応じた処理を実行する。
【0041】
また、CPU41は、データ送出回路45を介して、副制御装置32に各種データを送出する。各種データには、ゲーム開始の条件が成立したことを表すベット信号、スタートレバー19が操作されたことを表すレバーオン信号、左ストップボタン20Lが操作されたことを表す左停止信号、中ストップボタン20Cが操作されたことを表す中停止信号、右ストップボタン20Rが操作されたことを表す右停止信号、内部抽選やAT抽選の結果に係るデータ、及び左ストップボタン20L、中ストップボタン20C及び右ストップボタン20Rの操作順を指示する指示データなどが含まれる。
【0042】
なお、スロットマシン1では、1〜6までの6段階の設定値から1の設定値を選択することで、スロットマシン1の払出率の高低を設定することが出来るようになっている。なお、設定値が大きいほど、払出率が高くなる。
図示は省略するが、入出力ポート(出力ポート)44には、本体2内に設けられ、設定値の選択(変更)時に操作する設定変更スイッチ及び設定変更ボタンが接続されている。設定変更スイッチは、設定キーを差し込んで時計回りに回転させることでオンとなるキースイッチ、設定変更ボタンはプッシュボタンにより構成している。
【0043】
設定値の選択(変更)時には、まず、前扉3を開放した状態で、設定変更スイッチに設定キーを差し込んで時計回りに回転させ、スロットマシン1の動作モードを設定変更モードに変更する。設定変更モードへ移行すると、兼用表示器7に、現在の設定値が表示される。また、設定変更モードにて、設定変更ボタンを1回押すごとに、兼用表示器7に表示されている設定値が1〜5の場合には1インクリメントされるとともに、6の場合には1に戻るようになっている。このように、兼用表示器7に表示される設定値を確認しつつ、設定変更ボタンを操作することで、所望の設定値の選択が可能となっている。所望の設定値が兼用表示器7に表示された状態で、スタートレバー19を操作することで、設定値の選択(変更)が完了する。そして、設定変更スイッチに差し込んだ設定キーを反時計回りに回転させて、動作モードを通常(ゲーム)モードに復帰させ、設定変更スイッチから、設定キーを抜き取ることで設定値の選択(変更)作業が完了する。
【0044】
副制御装置32には、データ入力回路71が備えられている。データ入力回路71は、主制御装置31のデータ送出回路45とデータを通信可能に接続されている。データ送出回路45とデータ入力回路71との間では、データ送出回路45からデータ入力回路71への一方向に通信が行われ、データ入力回路71からデータ送出回路45への通信は行われない。
【0045】
また、副制御装置32には、CPU72、ROM73、RAM74、サウンドプロセッサ75、入出力ポート76およびデータ入出力回路77が備えられている。データ入力回路71、CPU72、ROM73、RAM74、サウンドプロセッサ75、入出力ポート76およびデータ入出力回路77は、バスにより、データを通信可能に接続されている。さらに、副制御装置32は、CPU72にクロックパルスを与えるクロック発生回路78が備えるとともに、CPU72に操作信号を出力する演出ボタンPBが接続されている。
【0046】
CPU72は、ROM73に格納されているプログラムを実行し、データ入力回路71データ入出力回路77、及び演出ボタンPBから入力される信号に基づいて、サウンドプロセッサ75にデータ(コマンド)を送信し、入出力ポート76に接続されている各制御対象を制御する。制御対象には、スロットマシン1の各部の照明のためのLED79およびバックライト80などが含まれる。また、CPU72は、データ入出力回路77を介して、演出制御装置33に演出表示装置24の制御に必要なデータを送出する。
【0047】
RAM74は、CPU41によるプログラムの実行時のワークエリアとして使用される。
【0048】
サウンドプロセッサ75は、CPU72から与えられるデータに基づいて、スピーカ25L,25R,26L,26Rからの効果音や音声の出力を制御する。
【0049】
演出制御装置33には、データ入出力回路81が備えられている。データ入出力回路81は、副制御装置32のデータ入出力回路77とデータを通信可能に接続されている。データ入出力回路77とデータ入出力回路81との間では、双方向に通信が行われる。
【0050】
また、演出制御装置33には、CPU82、ROM83、RAM84および駆動回路85が備えられている。データ入出力回路81、CPU82、ROM83、RAM84および駆動回路85は、バスにより、データを通信可能に接続されている。さらに、演出制御装置33には、CPU82にクロックパルスを与えるクロック発生回路86が備えられている。
【0051】
CPU82は、ROM83に格納されているプログラムを実行し、データ入出力回路81から入力される信号に基づいて、駆動回路85を介して、演出表示装置24を制御する。また、CPU82は、データ入出力回路81を介して、副制御装置32にスピーカ25L,25R,26L,26Rからの効果音や音声の出力制御などに必要なデータを送出する。
【0052】
また、スロットマシン1には、貸出機中継基板91が備えられている。主制御装置31とスロットマシン1に隣接して設けられるメダル貸出機(図示せず)の制御基板とは、貸出機中継基板91を介して通信可能に接続されている。
【0053】
図4は、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの各周面(リール帯)に描かれている図柄の配列を示す図である。
【0054】
左リール4Lの周面には、「スイカA」、「チェリー」、「黒バー」、「リプレイA」、「ベル」、「スイカA」、「赤セブンA」、「赤セブンB」、「リプレイA」、「ベル」、「スイカA」、「リプレイB」、「スイカB」、「リプレイA」、「ベル」、「スイカB」、「リプレイA」、「ベル」、「スイカB」、「リプレイA」および「ベル」の21個の図柄が左リール4Lの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0055】
中リール4Cの周面には、「リプレイB」、「スイカA」、「ベル」、「リプレイA」、「ベル」、「チェリー」、「赤セブンA」、「ベル」、「リプレイA」、「ベル」、「チェリー」、「スイカB」、「ベル」、「リプレイC」、「スイカB」、「ベル」、「リプレイA」、「黒バー」、「チェリー」、「スイカA」および「ベル」の21個の図柄が中リール4Cの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
【0056】
右リール4Rの周面には、「ベル」、「リプレイA」、「チェリー」、「ベル」、「リプレイA」、「赤セブンA」、「赤セブンA」、「赤セブンB」、「ベル」、「リプレイB」、「赤セブンB」、「ベル」、「リプレイA」、「スイカA」、「リプレイC」、「黒バー」、「ベル」、「リプレイA」、「スイカA」、「リプレイC」および「チェリー」の21個の図柄が右リール4Rの回転時にリール窓6内にこの順に現れるように配列されている。
なお、以下、図柄「リプレイA」、「リプレイB」及び「リプレイC」を纏めて「リプレイ」図柄、図柄「赤セブンA」と「赤セブンB」を纏めて「赤7」図柄、図柄「スイカA」と「スイカB」を纏めて「スイカ」図柄という。
【0057】
図5は、図柄停止位置PL1,PL2,PL3,PC1,PC2,PC3,PR1,PR2,PR3および有効ラインについて説明するための図である。
【0058】
左リール4Lが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0059】
中リール4Cが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0060】
右リール4Rが停止すると、リール窓6内で上下に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0061】
スロットマシン1は、図柄停止位置PL1、PC3及びPR2を結ぶラインを有効ラインNLとするいわゆる1ライン機である。
以下、リール窓6内の上段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC1,PR1を結ぶラインを上段ラインL1、中段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL2,PC2,PR2を結ぶラインを中段ラインL2、下段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC3,PR3を結ぶラインを下段ラインL3、右下がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC2,PR3を結ぶラインを右下がりラインL4、右上がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC2,PR1を結ぶラインを右上がりラインL5という。
【0062】
内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが有効ラインNLに並ぶと、その当選役に入賞となる。内部抽選の抽選対象の役には、ボーナス役、小役、及びリプレイ役を含む。ボーナス役は、当選した場合は入賞するまで当選状態が維持される、所謂持越し役である。これに対し、小役及びリプレイ役は、3つのリール4L,4C,4Rが全て停止して1回のゲームが終了すると、当選状態が消滅する役である。小役は、入賞に伴いメダルが払い出される役、リプレイ役は、入賞に伴い、メダルのベット不要で次ゲームを実行することが出来る役である。
【0063】
図6は、スロットマシン1における、遊技状態遷移を示す図である。
スロットマシン1は、初期状態RT0と、ボーナス内部状態RT1と、ボーナスゲーム状態RT2との3つの遊技状態間を遷移するように構成されている。
初期状態RT0は、設定変更後の初期化状態であって、当該初期状態RT0での内部抽選の結果、ボーナス役に当選したゲームで、ボーナス役が入賞しなかった場合、次ゲームからボーナス内部状態RT1へ移行する。
一方、初期状態RT0での内部抽選の結果、ボーナス役に当選したゲームで、ボーナス役が入賞した場合、次ゲームからボーナスゲーム状態RT2へ移行し、ボーナスゲーム終了後、初期状態RT0へ戻る。
また、スロットマシン1においては、一度ボーナス内部状態RT1へ移行すると、この状態が維持される構成、即ち、ボーナス内部状態RT1ではボーナス役が入賞することはない構成を採用している。換言すれば、スロットマシン1は、初期状態RT0での内部抽選の結果、ボーナス役に当選したゲームに、ボーナス役の入賞機会を限定した構成を採用している。
従って、スロットマシン1においてボーナスゲーム状態へ移行することは極めて稀であるため、ボーナスゲーム状態RT2については詳細な説明を省略する。
【0064】
図7は、スロットマシン1において、内部抽選の対象となる各抽選区分の名称、種類、特徴的なリール出目、入賞時の特典、初期状態RT0及びボーナス内部状態RT1での抽選値(設定値1の場合)を示す。
なお、内部抽選の際に取得する乱数の範囲は、0〜65535であるので、各抽選区分の当選確率は、抽選値を65536で除すことで算出できる。
抽選区分BBはボーナス役、さらに具体的には、遊技関連規則上の第1種特別役物に係る役物連続作動装置(以下、1種BBともいう)が単独で当選する抽選区分である。ボーナス役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リール4Lについては「赤7A」、中リール4C及び右リール4Rについては「バー」がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。ボーナス役が入賞した場合、入賞に対する配当はないが、次ゲームから前述したボーナスゲームが開始される。ボーナスゲームは、ボーナスゲーム中に払い出されたメダル枚数が63枚を超えたゲームで終了する。
初期状態RT0における抽選区分BBの抽選値は8000、その当選確率は約1/8.2に設定している。一方、ボーナス内部状態RT1において、抽選区分BBは抽選対象から除外される。
【0065】
抽選区分RP1〜RP6は、リプレイ役に係る抽選区分で、ストップボタン20L、20C、20Rの操作タイミング及び操作順にかかわらず、入賞図柄組合せが異なる複数種類のリプレイ役の何れかが入賞し、入賞に伴い、メダルのベット不要で次ゲームを実行(再遊技)が可能となる。なお、抽選区分RP2〜RP7については、初期状態RT0において抽選対象として設定していない。
抽選区分RP1は、入賞時に、上段ラインL1上に「リプレイ」図柄が揃う抽選区分で、初期状態RT0における抽選区分BBの抽選値は8978、その当選確率は約1/7.3、ボーナス内部状態RT1における抽選区分BBの抽選値は9060、その当選確率は約1/7.23にそれぞれ設定している。
【0066】
抽選区分RP2は、当選ゲームにて、「赤7」図柄を狙いつつ、ストップボタン20L、20C、20Rを右→中→左の順で操作(以下、逆押し操作という)すると、中段ラインL2、右下がりラインL4、及び右上がりラインL5のうちの何れかの1ライン上に「赤7」図柄が揃う抽選区分である。一方、当選ゲームにて、ストップボタン20L、20C、20Rを逆押し操作以外の操作順で操作した場合や、「赤7」図柄を引き込めないタイミングで逆押し操作した場合は、他の出目(例えば、上段ラインL1上に「リプレイ」図柄が揃う等)が表示される。
抽選区分RP2は、当選ゲームにて、「赤7」図柄を狙いつつ、ストップボタン20L、20C、20Rを右→中→左の順で操作(以下、逆押し操作という)すると、中段ラインL2、右下がりラインL4、及び右上がりラインL5のうちの何れかの1ライン上に「赤7」図柄が揃う抽選区分である。一方、当選ゲームにて、ストップボタン20L、20C、20Rを逆押し操作以外の操作順で操作した場合や、「赤7」図柄を引き込めないタイミングで逆押し操作した場合は、「赤7」図柄が揃うことはない。ボーナス内部状態RT1における抽選区分RP2の抽選値は6040、その当選確率は約1/10.8に設定している。
【0067】
抽選区分RP3は、当選ゲームにて、「赤7」図柄を狙いつつ、ストップボタン20L、20C、20Rを逆押し操作すると、中段ラインL2及び右下がりラインL4、または中段ラインL2及び右上がりラインL5の2ライン上に「赤7」図柄が揃う抽選区分である。一方、当選ゲームにて、ストップボタン20L、20C、20Rを逆押し操作以外の操作順で操作した場合や、「赤7」図柄を引き込めないタイミングで逆押し操作した場合は、「赤7」図柄が揃うことはない。ボーナス内部状態RT1における抽選区分RP3の抽選値は512、その当選確率は約1/128に設定している。
【0068】
抽選区分RP4は、上段ラインL1、右下がりラインL4、または右上がりラインL5上に、左リール4L及び中リール4Cについては「リプレイ」図柄、右リール4Rについては「ベル」が停止する抽選区分である。ボーナス内部状態RT1における抽選区分RP4の抽選値は375、その当選確率は約1/174.8に設定している。
【0069】
抽選区分RP5は、当選ゲームにて「スイカ」図柄を狙いつつ、ストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合に、右下がりラインL4上に「スイカ」図柄がテンパイするものの揃わない抽選区分である。ボーナス内部状態RT1における抽選区分RP5の抽選値は263、その当選確率は約1/249.2に設定している。
【0070】
抽選区分RP6は、当選ゲームにて、「チェリー」図柄を狙って、左ストップボタン20Lを操作した場合に、左リール4L上段または下段に「チェリー」図柄が停止する抽選区分である。ボーナス内部状態RT1における抽選区分RP6の抽選値は656、その当選確率は約1/99.9に設定している。
【0071】
抽選区分RP7は、当選ゲームにて、「チェリー」図柄を狙ってストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合に、右下がりラインL4または右上がりラインL上に「チェリー」図柄が揃う抽選区分である。ボーナス内部状態RT1における抽選区分RP6の抽選値は656、その当選確率は約1/555に設定している。
【0072】
抽選区分ベル1〜ベル6及びスイカは、小役に係る抽選区分である。
抽選区分ベル1〜ベル6は、このうちの何れかの抽選区分に当選したゲームにおいて、当選した抽選区分ごとに設定された正解操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には、操作タイミングにかかわらず、上段ラインL1、中段ラインL2、下段ラインL3、右下がりラインL4、及び右上がりラインL5の5ラインのうち、何れかのライン上に「ベル」図柄が揃い、配当が7枚の小役が入賞する一方、正解操作順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には、何れかのライン上に「ベル」図柄が揃うことも、配当が7枚の小役が入賞することはない、所謂押し順小役である。なお、正解操作順以外の操作順でストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合には、操作タイミングによって、配当が1枚の小役が入賞する場合と、この小役も取り零して配当が得られない場合とがある。
【0073】
抽選区分ベル1に対応する正解操作順は、左ストップボタン20L→中ストップボタン20C→右ストップボタン20Rの順に設定している。
抽選区分ベル2に対応する正解操作順は、左ストップボタン20L→右ストップボタン20R→中ストップボタン20Cの順に設定している。
抽選区分ベル3に対応する正解操作順は、中ストップボタン20C→左ストップボタン20L→右ストップボタン20Rの順に設定している。
抽選区分ベル4に対応する正解操作順は、中ストップボタン20C→右ストップボタン20R→左ストップボタン20Lの順に設定している。
抽選区分ベル5に対応する正解操作順は、右ストップボタン20R→左ストップボタン20L→中ストップボタン20Cの順に設定している。
抽選区分ベル6に対応する正解操作順は、右ストップボタン20R→中ストップボタン20C→左ストップボタン20Lの順に設定している。
【0074】
抽選区分スイカは、当選ゲームにて「スイカ」図柄を狙いつつ、ストップボタン20L、20C、20Rを操作した場合に、右下がりラインL4上に「スイカ」図柄が揃い、配当が12枚の小役が入賞する抽選区分である。
【0075】
次に、
図8を参照して、本スロットマシン1の非有利状態及び有利状態について説明する。
【0076】
本スロットマシン1において、非有利状態では、内部抽選の結果、抽選区分ベル1〜ベル6に当選したゲームで、正解押し順を識別可能な情報(以下、正解押し順識別情報という)を主制御装置31から副制御装置32に送信しない。具体的に、正解押し順識別情報には、直接的にストップボタン20L、20C、20Rの操作順を指示する所謂指示情報のほか、当選した抽選区分種別情報(ベル1〜ベル6の何れか)も含む。従って、非有利状態において、副制御装置32は、内部抽選の結果、抽選区分ベル1〜ベル6に当選したゲームで正解押し順を知り得ないので、この報知も行えない。このため、非有利状態は、持ち球減少区間となるが、本スロットマシン1において、非有利状態は、持ち球減少区間から持ち球増加区間へ移行する際に経由する短期間の遊技状態として機能させている。これについては、後述する。
一方、有利状態では、内部抽選の結果、抽選区分ベル1〜ベル6に当選したゲームで、前記正解押し順識別情報を主制御装置31から副制御装置32に送信する。このため、有利状態において、副制御装置32は、正解押し順の報知が可能である。
但し、本スロットマシン1においては、内部抽選の結果、抽選区分ベル1〜ベル6に当選したゲームで、正解押し順の報知を行う第1有利状態と、同ゲームで正解押し順の報知を行わない第2有利状態とで、有利状態を構成している。第1有利状態は持ち球増加区間である一方、第2有利状態は持ち球減少区間となる。
また、
図8に示す如く、持ち球増加区間である第1有利状態へは、必ず非有利状態から移行し、第2有利状態から第1有利状態へ移行することはない。
なお、
図2に示した有利区間ランプYLは、非有利状態から第1有利状態へ移行した際に点灯状態とされ、その後、有利状態から非有利状態へ移行(転落)した際に消灯状態とされる。
【0077】
また、本スロットマシン1には、有利状態下での実行ゲーム数が1500ゲームを超えたゲーム、及び有利状態下で払出されたメダル枚数から、有利状態下でゲーム実行のために投入したメダル枚数を差し引いた差枚数が2400枚を超えたゲームで、有利状態を強制的に終了するリミッタ機能を搭載している。
【0078】
以下、非有利状態中の有利状態への移行制御、並びに有利状態中の遊技制御について説明する。先ず、非有利状態中の有利状態への移行制御について説明する。
【0079】
<1.非有利状態>
図9は、非有利状態中のゲーム処理の流れを示している。
先ず、ステップS901にて内部抽選処理を実行し、次のステップS902にて、内部抽選処理の結果、有利状態移行抽選契機区分に当選したか否かを判断する。イエスと判断した場合には、ステップS903にて有利状態移行抽選処理を実行する。
【0080】
図10に、有利状態移行抽選処理の内容を示す。
図10に示す通り、本スロットマシン1において、抽選区分BB、RP1〜RP7、ベル1〜6、スイカの全抽選区分を有利状態移行抽選契機区分に設定している。
内部抽選の結果、抽選区分BB、RP2〜RP7及びスイカのうちの何れかの抽選区分に当選したゲームにおける有利状態移行抽選の当選確率は、100%に設定している。
また、内部抽選の結果、抽選区分RP1及びベル1〜ベル6のうちの何れかの抽選区分に当選したゲームにおける有利状態移行抽選の当選確率は、10%に設定している。
これらを合計すると、1ゲームでの有利状態移行抽選の当選確率は約1/4.6となり、非有利状態においては平均5ゲーム程度で有利状態移行抽選に当選し、有利状態へ移行するように設定している。
また、有利状態移行抽選当選時には、現在のRT状態に応じて、初期状態RT0の場合は、有利状態モードに2を設定する一方、ボーナス内部状態RT1の場合は、有利状態モードに1を設定することとしている。この理由及び効果については後述する。
【0081】
図7に示した抽選区分毎の抽選値、及び
図10に示した抽選区分毎の有利状態移行抽選の当選確率から、1ゲームあたりの有利状態移行抽選当選期待度は、約1/4.6となるため、非有利状態には、平均約5ゲーム程度の短い期間しか滞在せず、有利状態へ移行することとなる。
【0082】
図9に戻り、次のステップS904では、ステップS903の有利状態移行抽選処理に当選したか否かを判断し、ノーと判断した場合には、ステップS901に戻る。
一方、ステップS904にてイエスと判断した場合には、次のステップS905にて、現在のRT状態が初期状態RT0であるか否か、及び、ステップS901の内部抽選処理にて抽選区分BBに当選したか否かを判断し、何れもノーと判断した場合には、ステップS906にて有利状態モードに1をセットする一方、何れかをイエスと判断した場合にはステップS907にて有利状態モードに2をセットして、ステップS908へ移行する。
ステップS908では、有利状態開始処理を実行してリターンする。
【0083】
<2.有利状態/有利状態開始処理>
図11は、有利状態開始処理の流れを示している。
先ず、ステップS1101にて、有利状態ゲーム数、IN枚数、及びOUT枚数にそれぞれゼロをセットする。有利状態ゲーム数は、有利状態下での実行ゲーム数カウンタ、IN枚数は、有利状態下でのゲーム実行のために投入したメダル枚数カウンタ、OUT枚数は、有利状態下で払出されたメダル枚数カウンタである。
次のステップS1102では、有利状態モードが1か否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1103にて、ATゲーム数に50をセットするとともに、有利状態ランプYLを点灯状態とし、次のステップS1104にて、第1有利状態中処理を実行してリターンする。
一方、ステップS1102にてノーと判断した場合、即ち有利状態モードが2の場合は、ステップS1105にて第2有利状態中処理を実行してリターンする。
【0084】
以上説明した通り、本スロットマシン1では、
【0085】
<3.有利状態/第1有利状態中処理>
図12は、第1有利状態中処理の流れを示している。
先ず、ステップS1201にて、内部抽選処理を実行し、次のステップS1202にて、ATゲーム数を1減算、有利状態ゲーム数を1加算、及びIN枚数にベット枚数を加算する。
次のステップS1203では、ステップS1201の内部抽選処理の結果、押し順小役、即ち抽選区分ベル1〜ベル6に当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合は、ステップS1204にて正解押し順を報知してステップS1205へ移行する一方、ノーと判断した場合には、ステップS1204をスキップしてステップS1205へ移行する。
ステップS1205では、ステップS1201の内部抽選処理の結果、上乗せ抽選契機区分に当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1206にて上乗せ抽選処理を実行する。
次のステップS1207では、ステップS1206の上乗せ抽選処理にて当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1208にてATゲーム数に上乗せゲーム数を加算して、ステップS1209へ移行する。
一方、ステップS1205及びS1207にてノーと判断した場合も、ステップS1209へ移行する。
【0086】
図13に、上乗せ抽選処理の内容を示す。
図13に示す通り、本スロットマシン1において、上乗せ抽選契機区分は、抽選区分RP2〜RP7及びスイカに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP2に当選したゲームにおける上乗せ抽選の当選確率は1.6%、当選時の上乗せゲーム数の期待値は50ゲームに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP3に当選したゲームにおける上乗せ抽選の当選確率は3.2%、当選時の上乗せゲーム数の期待値は100ゲームに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP4に当選したゲームにおける上乗せ抽選の当選確率は35%、当選時の上乗せゲーム数の期待値は15ゲームに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP5に当選したゲームにおける上乗せ抽選の当選確率は50%、当選時の上乗せゲーム数の期待値は25ゲームに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP6に当選したゲームにおける上乗せ抽選の当選確率は25%、当選時の上乗せゲーム数の期待値は10ゲームに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP7に当選したゲームにおける上乗せ抽選の当選確率は100%、当選時の上乗せゲーム数の期待値は30ゲームに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分スイカに当選したゲームにおける上乗せ抽選の当選確率は10%、当選時の上乗せゲーム数の期待値は40ゲームに設定している。
【0087】
図12に戻り、ステップS1209では、小役またはリプレイが入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1210にて、OUT枚数に払出枚数を加算してステップS1211へ移行する一方、ノーと判断した場合には、ステップS1210をスキップしてステップS1211へ移行する。ステップS1210の処理に関し、厳密に言えば、リプレイ入賞時にメダル払出はないが、リプレイ入賞時にはベット枚数が払出されたものとしてベット枚数を加算する。
次のステップS1211では、リミッタ作動条件を満たしたか否かを判断する。具体的には、有利状態ゲーム数が1500ゲームに至ったか否か、及びOUT枚数からIN枚数を差し引いた差枚数が2400枚を超えたか否かを判断し、何れかをイエスと判断した場合に、リミッタ作動条件を満たしたと判断する。
ステップS1211にてノーと判断した場合には、ステップS1212にてATゲーム数がゼロか否か、即ち第1有利状態の終了条件満たしたか否かを判断し、ノーと判断した場合にはステップS1201へ戻る一方、イエスと判断した場合には、ステップS1213にて第2有利状態中処理を開始してリターンする。
一方、ステップS1211にてイエスと判断した場合には、ステップS1214にて有利状態終了処理を実行し、次のステップS1215にて非有利状態中処理を開始してリターンする。
具体的に、有利状態終了処理では、有利状態ランプYLを消灯状態に設定するとともに、主制御装置31のRAM43に記憶された有利状態関連の情報(例えば、有利状態ゲーム数、ATゲーム数、IN枚数及びOUT枚数等)をクリアする。
【0088】
<4.有利状態/第2有利状態中処理>
図14は、第2有利状態中処理の流れを示している。
先ず、ステップS1401にて、内部抽選処理を実行し、次のステップS1402にて、有利状態ゲーム数を1加算、及びIN枚数にベット枚数を加算する。
次のステップS1403では、ステップS1401の内部抽選処理の結果、有利状態終了抽選契機区分に当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合は、ステップS1404にて有利状態終了抽選処理を実行してステップS1404へ移行する一方、ノーと判断した場合には、ステップS1404をスキップしてステップS1405へ移行する。
【0089】
図15に、有利状態終了抽選処理の内容を示す。
図15に示す通り、本スロットマシン1において、有利状態終了抽選契機区分は、抽選区分RP4〜RP7及びスイカに設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP4に当選したゲームにおける有利状態終了抽選の当選確率は8%に設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP5に当選したゲームにおける有利状態終了抽選の当選確率は30%に設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP6に当選したゲームにおける有利状態終了抽選の当選確率は8%に設定している。
内部抽選の結果、抽選区分RP7に当選したゲームにおける有利状態終了抽選の当選確率は60%に設定している。
内部抽選の結果、抽選区分スイカに当選したゲームにおける有利状態終了抽選の当選確率は15%に設定している。
これらを合計すると、1ゲームでの有利状態終了抽選の当選確率は約1/212となり、第2有利状態には、平均212ゲーム程度、即ち非有利状態に比べて長期間に亘って滞在するように設定している。
【0090】
図14に戻り、ステップS1405では、小役またはリプレイが入賞したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1406にて、OUT枚数に払出枚数を加算してステップS1211へ移行する一方、ノーと判断した場合には、ステップS1406をスキップしてステップS1407へ移行する。
次のステップS1407では、有利状態終了抽選に当選したか否かを判断し、ノーと判断した場合には、ステップS1408にてリミッタ作動条件を満たしたか否かを判断し、ノーと判断した場合には、ステップS1401へ戻る。
ステップS1407にてイエスと判断した場合、及びステップS1408にてイエスと判断した場合には、ステップS1409にて有利状態終了処理を実行し、次のステップS1410にて非有利状態中処理を開始してリターンする。
【0091】
以上説明した通り、本スロットマシン1においては、非有利状態から有利状態への移行確率を1/4.2という高い確率に設定しているので、非有利状態に滞在する期間は平均5ゲームと短く、遊技中の殆どは、有利状態に滞在することになる。
また、上述の通り、本スロットマシン1では、抽選区分BBに当選したゲームで、ボーナス役の入賞を取り零すと、以降はボーナス内部状態に滞在し続けるように設定しているため、遊技中の殆どボーナス内部状態に滞在することになる。具体的に、初期状態に滞在するのは、初期化後、即ち、ホール店員が設定値を変更した後、抽選区分BBに当選するまでの期間に限られる。
【0092】
ここで、本スロットマシン1においては、上述の如く、非有利状態且つ初期状態中、有利状態移行抽選に当選した場合に限り、持ち球が減少する第2有利状態へ移行させることとしている。その理由は、仮に、第1有利状態へ移行させるとした場合には、設定変更後が遊技者にとって極端に有利となる、所謂モーニング機能を搭載することになってしまうためである。
一方、本スロットマシン1において、遊技者が遊技を止めるタイミングは、第2有利状態滞在中であり、空き台のまま閉店を迎え、設定値を変更されることなく翌営業日の開店を迎えた場合にも、第2有利状態滞在中となる。従って、設定変更後に限り、第2有利状態へ移行させたとしても、遊技者が不利益を被ることはない。
【0093】
また、本スロットマシン1において、非有利状態から第1有利状態へ移行した場合、第1有利状態は、第1に残りゲーム数がゼロに至った場合、第2にリミッタが作動した場合に終了することになるが、後者の場合は、2400枚の差球を得たか、また1500ゲーム数を消化したことに他ならず、仕様上可能な最大の期間に亘って、第1有利状態が継続したことに他ならない。
さらに、第1有利状態がリミッタ作動まで継続した場合は、5ゲーム程度の短期間の非有利状態を経て、再度第1有利状態が開始される、所謂連チャンが確定することになる。
【0094】
一方、前者の場合は、第1有利状態終了後、第2有利状態へ移行する。該第2有利状態は、第1に有利状態終了抽選に当選した場合、第2にリミッタが作動した場合に終了し、終了後は、非有利状態を経由して、第1有利状態が開始されることになる。
従って、第1有利状態は、遊技者の運次第で、最長でリミッタ作動まで継続し、第2有利状態の長短によって、影響を受けることもない。
【0095】
また、第1有利状態の終了によって、第2有利状態へ移行した場合、リミッタ作動までのゲーム数は、1500ゲームから第1有利状態が継続したゲーム数を引いたものになるため、第1有利状態が長く継続すればするほど、非有利状態を経由して、第1有利状態が確実に開始されるまでの期間、即ち、所謂天井ゲーム数が短くなるという、従来にはない新たな遊技性も奏する。
【0096】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、上記の実施形態では、第1有利状態中に、残りゲーム数の上乗せを行うとともに、該残りゲーム数がゼロになったときに第1有利状態を終了する、所謂ゲーム数管理型のAT機としたが、所謂セットタイプのAT機としてもよい。
この場合には、第1有利状態中に、ゲーム数上乗せに加えて、セット数上乗せも実行するとともに、セット数がゼロとなったときに第1有利状態を終了するように構成すればよい。また、セット数がゼロとなった場合に継続抽選を行い、当該継続抽選に当選した場合には、次セットに継続してもよい。
【課題】有利区間に係るリミッタ機能を搭載し、該有利区間を持ち球増加区間と持ち球減少区間とで構成した場合であっても、持ち球減少区間の長さが持ち球増加区間の長さに影響を与えることがないスロットマシンの提供。
【解決手段】非有利状態且つボーナス内部状態中から、持ち球が増加する第1有利状態へは、平均5ゲームで移行する。第1有利状態にて残りゲーム数がなくなると、持ち球が減少する第2有利状態へ移行し、第2有利状態中の有利状態終了抽選に当選した場合、またはリミッタ作動により、非有利状態に転落する。第2有利状態中の有利状態終了抽選の当選確率は、約1/212に設定しており、第2有利状態に滞在する期間のほうが、非有利状態に滞在する期間よりも極めて長くなるように設定している。また、第2有利状態からは、非有利状態を経て第1有利状態へ移行するため、第2有利状態の長さが第1有利状態の長さに影響を与えることはない。