特許第6561324号(P6561324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6561324法律文章評価方法、法律文章評価プログラム、法律文章評価装置及び法律文章評価システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6561324
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】法律文章評価方法、法律文章評価プログラム、法律文章評価装置及び法律文章評価システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20190808BHJP
【FI】
   G06Q50/18
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-103092(P2018-103092)
(22)【出願日】2018年5月30日
【審査請求日】2019年3月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年12月25日に下記ウェブサイト https://ai−con.lawyer/ にて掲載。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517299951
【氏名又は名称】GVA TECH株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179822
【弁理士】
【氏名又は名称】中畑 稔
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−138746(JP,A)
【文献】 特開2010−231743(JP,A)
【文献】 特開2010−257413(JP,A)
【文献】 特開2014−238629(JP,A)
【文献】 特開2014−115858(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0232630(US,A1)
【文献】 [楽天PointClub]楽天会員最上位ダイヤモンドランク誕生!,[online],2012年 7月14日,[平成31年4月11日 検索],インターネット:<URL:https://point.rakuten.co.jp/doc/diamond/pre.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実装される、法律文章の評価を行う法律文章評価方法であって、
前記法律文章の入力を受け付ける入力ステップと、
前記法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の利用者にとって有利な内容か否かをスコアを用いて判定するためのルールを含む、前記法律文章の評価ルールとを読み出す読出ステップと、
前記法律文章の少なくとも当事者に関する優位性情報を受け付けるステップと、
前記優位性情報に基づいて前記スコアを補正する補正ステップと、
前記法律文章の少なくとも前記評価範囲情報に対応する範囲について前記評価ルールに基づいて評価する評価ステップと、
前記評価を出力する出力ステップと、
を含む、法律文章評価方法。
【請求項2】
請求項1に記載の法律文章評価方法であって、
前記評価範囲情報の登録を受け付ける登録ステップを更に含む、
法律文章評価方法。
【請求項3】
請求項2に記載の法律文章評価方法であって、
前記登録ステップは、前記評価範囲情報を前記法律文章に含まれ得る条項単位で登録させる、
法律文章評価方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の法律文章評価方法であって、
前記評価ステップは、入力された前記法律文章に前記評価範囲情報に対応する範囲が存在しない場合には、その旨の評価を行う、
法律文章評価方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の法律文章評価方法であって、
前記評価に基づいて、修正案を提案する修正ステップを更に含む、
法律文章評価方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の法律文章評価方法であって、
前記出力ステップは、前記評価を色、大きさ、形状のうち少なくとも一の要素を用いた表示コンテンツとともに前記評価範囲情報に対応する範囲と関連付けて表示出力する、
法律文章評価方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の方法を前記コンピュータに実施させるための法律文章評価プログラム。
【請求項8】
法律文章の評価を行う法律文章評価サーバであって、
前記法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の利用者にとって有利な内容か否かをスコアを用いて判定するためのルールを含む、前記法律文章の評価ルールとを保持する記憶部と、
前記法律文章の入力を受け付ける入力部と、
前記評価範囲情報と、前記評価ルールとを読み出す読出部と、
前記法律文章の少なくとも当事者に関する優位性情報を受け付ける優位性情報登録部と、
前記優位性情報に基づいて前記スコアを補正する補正部と、
前記法律文章の少なくとも前記評価範囲情報に対応する範囲について前記評価ルールに基づいて評価する評価部と、
前記評価を出力する出力部と、
を備える、法律文章評価装置。
【請求項9】
利用者端末とサーバ端末とを含む、法律文章の評価を行う法律文章評価システムであって、
前記サーバ端末は:
前記法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の利用者にとって有利な内容か否かをスコアを用いて判定するためのルールを含む、前記法律文章の評価ルールとを保持する記憶部を備えており;
前記利用者端末から前記法律文章の入力を受け付け;
前記評価範囲情報と、前記評価ルールとを読み出し;
前記法律文章の少なくとも当事者に関する優位性情報を受け付け;
前記優位性情報に基づいて前記スコアを補正し;
前記評価範囲情報に対応する範囲について前記評価ルールに基づいて評価し;
前記評価を出力する、
法律文章評価システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法律文章評価方法、法律文章評価プログラム、法律文章評価装置及び法律文章評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
契約書や利用規約をはじめとする複数当事者間の法律関係を規定する法律文書は、法律関係の種別はもちろん、当事者間のパワーバランスや契約締結の目的など様々な要素に基づいてその内容が定められる。いっぽう、法律文書は、法律はもちろんのこと、政省令や各種ガイドライン、商慣習など様々なルールの存在を背景に規定されており、それらの専門的な知識を十分に理解したうえでないと、自身にとって内容が有利か不利かを判断することは極めて困難である。
【0003】
そこで、以上のように、高度な専門性を有する法的文書の内容が自身にとって有利かどうかの判断(レビュー)は弁護士をはじめとする専門家による判断のもとで行われることが通常であり、そのような専門家に依頼をしてあらゆる法律文書のレビューを行うことは、時間や金銭的なコストの観点から非常に困難が伴っていた。さらにそれらのレビューは、法律専門家の人的素養や専門性などにも依存することから、均質的なレビュー結果を安定的に得ることも困難だった。
【0004】
そこでそのような課題を解決することを目的として、これまで様々な取り組みが試みられてきた。具体的には、以下で掲げたように、法律文書を電子化したうえでコンピュータで読み取り、その内容を条項別にスコアリングしその結果を出力することで利用者に対し、自身にとって契約書が有するリスクの把握を容易にさせる技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開特許公報2016/0232630号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、ある程度の法律知識を有する者や、法律文書の評価について短時間で行いたい場合等のように、論点を明確に把握及び理解した上で評価対象の優先度を考慮して評価を受けたいニーズも存在している。
【0007】
そこで、本発明は、法律文書の評価に関して、論点を明確にしつつスピーディにかつ正確に行うことのできる技術を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、コンピュータによって実装される、法律文章の評価を行う法律文章評価方法であって、
前記法律文章の入力を受け付ける入力ステップと、
前記法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の評価ルールとを読み出す読出ステップと、
前記法律文章の少なくとも前記評価範囲情報に対応する範囲について前記評価ルールに基づいて評価する評価ステップと、
前記評価を出力する出力ステップと、
を含む、法律文章評価方法が得られる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、あらかじめ評価対象をピックアップして論点や評価すべき条項を明確にすることによって、業務を効率化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態による法律文章評価システムの構成例を示す図である。
図2図1のサーバ端末の構成を示すブロック図である。
図3図1の利用者端末の構成を示すブロック図である。
図4図1のサーバ端末の機能構成示す図である。
図5図1の利用者端末の機能構成を示す図である。
図6図1の法律文章評価システムの処理の大まかな流れを示すフロー図である。
図7】本発明の実施の形態による法律文章評価システムの利用者端末側に表示される画面例である。
図8】本発明の実施の形態による法律文章評価システムの利用者端末側に表示される他の画面例である。
図9】本発明の実施の形態による法律文章評価システムの利用者端末側に表示される他の画面例である。
図10】本発明の実施の形態による法律文章評価システムの利用者端末側に表示される他の画面例である。
図11】本発明の実施の形態による法律文章評価システムの利用者端末側に表示される他の画面例である。
図12】本発明の実施の形態による法律文章評価システムの利用者端末側に表示される他の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による法律文章評価方法、法律文章評価プログラム、法律文章評価装置及び法律文章評価システムは、以下のような構成を備える。
[項目1]
コンピュータによって実装される、法律文章の評価を行う法律文章評価方法であって、
前記法律文章の入力を受け付ける入力ステップと、
前記法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の評価ルールとを読み出す読出ステップと、
前記法律文章の少なくとも前記評価範囲情報に対応する範囲について前記評価ルールに基づいて評価する評価ステップと、
前記評価を出力する出力ステップと、
を含む、法律文章評価方法。
[項目2]
項目1に記載の法律文章評価方法であって、
前記評価範囲情報の登録を受け付ける登録ステップを更に含む、
法律文章評価方法。
[項目3]
項目2に記載の法律文章評価方法であって、
前記登録ステップは、前記評価範囲情報を前記法律文章に含まれ得る条項単位で登録させる、
法律文章評価方法。
[項目4]
項目1乃至項目3のいずれかに記載の法律文章評価方法であって、
前記評価ステップは、入力された前記法律文章に前記評価範囲情報に対応する範囲が存在しない場合には、その旨の評価を行う、
法律文章評価方法。
[項目5]
項目1乃至項目4のいずれかに記載の法律文章評価方法であって、
前記評価に基づいて、修正案を提案する修正ステップを更に含む、
法律文章評価方法。
[項目6]
項目1乃至項目5のいずれかに記載の法律文章評価方法であって、
前記評価ルールは、前記法律文章の利用者にとって有利な内容か否かをスコアを用いて判定するためのルールを含む、
法律文章評価方法。
[項目7]
項目6に記載の法律文章評価方法であって、
前記法律文章の少なくとも当事者に関する優位性情報を受け付けるステップと、
前記優位性情報に基づいて前記スコアを補正する補正ステップと、
を含む法律文章評価方法。
[項目8]
項目1乃至項目7のいずれかに記載の法律文章評価方法であって、
前記出力ステップは、前記評価を色、大きさ、形状のうち少なくとも一の要素を用いた表示コンテンツとともに前記評価範囲情報に対応する範囲と関連付けて表示出力する
[項目9]
項目1乃至項目8のいずれかに記載の方法を前記コンピュータに実施させるための法律文章評価プログラム。
[項目10]
法律文章の評価を行う法律文章評価サーバであって、
前記法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の評価ルールとを保持する記憶部と、
前記法律文章の入力を受け付ける入力部と、
前記評価範囲情報と、前記評価ルールとを読み出す読出部と、
前記法律文章の少なくとも前記評価範囲情報に対応する範囲について前記評価ルールに基づいて評価する評価部と、
前記評価を出力する出力部と、
を備える、法律文章評価装置。
[項目11]
利用者端末とサーバ端末とを含む、法律文章の評価を行う法律文章評価システムであって、
前記サーバ端末は:
前記法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の評価ルールとを保持する記憶部を備えており;
前記利用者端末から前記法律文章の入力を受け付け;
前記評価範囲情報と、前記評価ルールとを読み出し;
前記評価範囲情報に対応する範囲について前記評価ルールに基づいて評価し;
前記評価を出力する、
法律文章評価システム。
【0012】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態による法律文章評価方法、法律文章評価プログラム、法律文章評価装置及び法律文章評価システムについて、法律文章評価システム(以下「本システム」という。)を例にして図面を参照しながら説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0013】
<概要>
本システムは、契約書等の法律文章等を含む文書ファイルの評価を行うためのシステムであり、特に、あらかじめレビュー対象となる評価範囲(以下「レビューポイント」と呼ぶことがある。)を設定することにより、契約書等の確認作業に要する時間を短縮することのできる技術に関するものである。例えば、契約書等の評価においては、自社の評価ポリシー(ここの条項は譲歩できる/譲歩できない、等)に基づいて、各担当者や外部の専門家が評価を行ったりしている。この際、会社に応じて評価ポリシーは異なっていることが多い。本実施の形態のように、評価対象をピックアップすることによって、自社の法律文章の評価ポリシーに整合する評価を自動で行うことが可能となる。また、多数の条項を含む契約書等の場合において、より注意深く検討しなければならない条項(論点)を絞り込み明確化することによって、業務の効率化を図ることが可能となる。
【0014】
なお、本発明の評価対象としては、契約書、利用規約、通知等の他、法令、その他の法的文章を含む文書全般に及び、その他の行政庁等へ提出する届出その他の書面をも含む。更には、当事者の有利・不利/優劣/権利・義務などが含まれ売るあらゆる書面に適用することが可能である。
【0015】
また、本実施の形態においては、評価の直接的な対象は「法律文章」と定義するが、システムへの入力は、当該法律文章を含む法律文書(ドキュメントファイル等)全体をとすることができる。
【0016】
図1は、本システムの全体概要図である。システム1は、サーバ端末100と、利用者端末200とを備える。サーバ端末100は、ネットワーク50を介して利用者端末200に接続される。説明を簡単にするために、図1では利用者端末を1台だけ示しているが、これに限定されず、2台以上としてもよい。
【0017】
本システムにおいては、利用者端末200から法律文章を含む文書ファイル等がサーバ端末100に送信されると、サーバ端末100において法的な評価を行い、評価結果を利用者端末200に送信される。
【0018】
図2および図3を参照して、サーバ端末100および利用者端末200のハードウェア構成の概要について説明する。図2に示されるサーバ端末100は、アプリケーションを通じてサービスを提供するための情報処理装置であり、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。サーバ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信インタフェース(IF)13、および入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0019】
プロセッサ10は、サーバ端末100全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0020】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、サーバ端末100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、および各種設定情報等を格納する。ストレージ12は、アプリケーション・プログラム、および利用者の認証プログラム等の各種プログラムを格納する。アプリケーションの各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
【0021】
通信インタフェース13は、サーバ端末100をネットワーク400に接続し、利用者端末200との通信を行う。入出力部14は、マウスやキーボード等の情報入力機器、およびディスプレイ等の出力機器である。バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号および各種制御信号を伝達する。
【0022】
図3に示される利用者端末200もまた、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信インタフェース(IF)23、および入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。各要素の機能は、上述したサーバ端末100と同様に構成することが可能であることから、各要素の詳細な説明は省略する。
【0023】
図4及び図5を参照してシステム1の機能構成について説明する。
【0024】
図4は、サーバ端末100にそれぞれ実装される機能を中心に示した例示のブロック図である。サーバ端末100は、通信部110、判定部130、登録部150、アプリケーション部170および記憶部190を含み、相互に作用する。判定部130は、更に、入力部132、読出部134、評価部136及び補正部138を含む。登録部150は、更に、評価範囲情報登録部152および優位性情報登録154を含む。記憶部190は、更に、評価範囲情報192、評価ルール194、優位性情報196、及び条項文例情報196を含む。
【0025】
通信部110は、利用者端末200と通信を行う。判定部130は、法律文章の評価を行う。入力部132は、法律文書ファイルから評価対象とすべき法律文章を抽出する。読出部は、法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報や法律文章の評価ルールを読み出す。評価部136は、法律文章の少なくとも評価範囲情報に対応する範囲について評価ルールに基づいて評価する。本実施の形態における評価ルールは、法律文章の利用者にとって有利な内容か否かをスコアを用いて判定するためのルールを含んでいる。補正部138は、法律文章の少なくとも当事者に関する優位性情報に基づいて、条項文例情報198を参照してスコアを補正する。かかる構成によれば、当事者にとって最適な評価を行うことが可能となる。
【0026】
評価範囲情報は、例えば、法律文章に含まれ得る条項である。即ち、評価の範囲は、指定した内容を規定する一又は複数の条項の有無や条項内の特定の範囲として設定することが可能である。評価範囲情報は、評価範囲情報登録152によって、利用者からあらかじめ登録を受け付けることができる。これにより、利用者は、重要な条項に関する漏れがないか確認したり、指定した条項に関するフィードバックのみを受け取ったりすることが可能となる。同様に、優位性情報は、優位性情報登録部154によって、利用者からあらかじめ登録を受け付けることができる。
【0027】
上述した条項単位で設定可能な評価範囲は、複数の評価要素を有していてもよい。即ち、ある条項(例えば、「損害賠償条項」)を登録した場合、当該条項を構成する要素(主観的要件、客観的要件、費目等、これに限られない)が含まれているか否か、その内容が有利なのか不利なのか等も評価対象として設定される。これにより、更に細かい内容の評価を行うことが可能となる。
【0028】
本実施の形態においては、評価部は、条項文例情報198を参照して、条項の修正案を提案することも可能である。修正案は、例えば、優位性情報に基づいて当事者の優位性の段階に応じた複数のパターンを提案することも可能である。
【0029】
上述した評価及び評価ルールの一例として、例えば、次のような方法を採用可能である。評価ルールは、当該法律文章の法的性質に応じて定められている。評価ルールの内容の一例として、例えば、評価部に利用されるスコアリングに用いるためのテーブルが採用されることが考えられる。
【0030】
具体的には、法律文章に含まれる文字の当該法律文章における重要度や、タイトル、必須となる単語の有無、表現の強弱、数値の大小、期間の長短その他の要素を判定のための項目として定め、当該項目を満たしているか否かでスコアリングを行うようなテーブルを用いる事が考えられる。当該構成を採用することにより、様々な表現で作成される文字コンテンツを多角的に評価し、スコアリングすることが可能になる。
【0031】
図5は、利用者端末200にそれぞれ実装される機能を中心に示した例示のブロック図である。利用者端末200は、通信部210、記憶部220、入力部240、出力部250、およびアプリケーション部270を含み、相互に作用する。記憶部220には、評価対象となる法律文書のファイルが格納されており、通信部210を介してサーバ端末100の通信部110およびアプリケーション部170と連携する。
【0032】
図2および図3に示した上記のサーバ端末100および利用者端末200の各ハードウェア構成における各要素、図4に示した各機能ブロック、並びに図5に示した各情報は一例に過ぎず、これらに限定されない。特に、図4に示した各機能ブロックは、ハードウェアの一部として実装されても、および/またはソフトウェアの一部として実装されてもよい。
【0033】
また、図4に示したサーバ端末100の各機能ブロックの少なくとも一部は、利用者端末200が有するように構成してもよい。利用者端末200の各機能の少なくとも一部も、サーバ端末100が有するように構成してもよい。
【0034】
つまり、一実施形態による方法は、サーバ端末100および利用者端末200から任意に選択される情報処理装置が実行できるものである。加えて、図4に示す記憶部190の保持する情報は、図示される構成、データ種別、およびデータ項目に限定されない。
【0035】
図6乃至図12を参照して、利用者端末200とサーバ端末100との処理について、利用者端末に表示される画面例を利用して説明する。
【0036】
図7に示されるように、利用者は、評価範囲(レビューポイント)を設定・登録するための画面にアクセスする。図8に示されるように、利用者は、例えば契約類型毎にレビューポイントを設定することが可能である。図示された画面例には、秘密保持契約(NDA)、人材紹介、SaaS利用規約、販売店・代理店・取次店、広告運用委託・広告代理店、投資契約が例示されているが、契約形態はこれに限られない。以下、秘密保持契約(NDA)を例に説明する。
【0037】
図9及び図10に示されるように、本実施の形態によるレビューポイントは、条項単位で評価範囲を設定することが可能である。図示される画面例においては、一部として「秘密情報の定義(情報の内容)に関する条項」、「秘密情報の定義(開示の方法)に関する条項」、「第三者への開示禁止の例外(開示範囲)に関する条項」、「第三者に開示する場合に負う義務(責任範囲)に関する条項」、「監査に関する条項」、「成果物等に関する権利の取扱いに関する条項」が例示されているが、これに限られない。
【0038】
図10に示されるように、このようにレビューポイントを条項単位で表示することによって、利用者は、自社にとって重要な条項や、本契約の論点となりえる条項をピックアップして評価させることが可能となる。設定したレビューポイントは、評価範囲情報登録部152により記憶部190の評価範囲情報192に登録される。このように一旦設定したレビューポイントを評価範囲情報に登録することにより、次回以降も特段の選択を要せずに効率的な評価出力が可能になることから、同種同内容の契約書などの法律文書を大量に確認したい場合などの評価の効率化を実現することができる。
【0039】
図6に戻り、予めレビューポイントを設定した上で、利用者は法律文書を送信する(SQ101)。この際、利用者から優位性情報を受け付ける。サーバ端末100は、記憶部190及び登録部150内の情報を読み出して(SQ102)、法律文書内の法律文章を評価範囲情報と、評価ルールとに基づき評価する(SQ104)。同時に、評価の低い(すなわち、自己に不利な)条項については、修正案を生成し、利用者端末200に出力する(SQ110)
【0040】
評価の結果は、サマリーとして、図11に示されるような形式で表示することができる。例えば、「本契約書には14件の改善点があります」という表示によって、改善・修正すべき全体の件数を把握することができる。14件の内訳としては、例えば、「10件の不利な条項があります」、「3件のやや不利な条項があります」、「1件の通常含む項目が不足しています」のように、条項の有利不利の他、条項の有無(欠落等)に関しても評価することができる。
【0041】
図12に示されるように、評価結果は、条文の「条」、「項」、「条文内容」、「リスク評価」項目ごとに表示することができる。図示されるように、有利不利の評価は、「不利」「やや不利」、「適切」「やや有利」、「有利」の5段階で表示され直感的にわかりやすい表示となっている。
【0042】
また、リスク評価の内容としては、例えば、「秘密情報の開示目的を定めるもので、目的外使用の禁止義務の範囲を画する意義があります。」という条項の説明と共に、「目的が限定的に定められており、開示者にやや有利な規定といえます。」というアドバイス内容が併記され表示される。
【0043】
本実施の形態における評価結果の表示方法(UI)としては、例えば、評価結果が利用者にとって有利か否かを色、大きさ、形状のうち少なくとも一の要素を用いた表示コンテンツとともに表示出力するようにしてもよい。色については、当該評価結果ごとにRGBやLabなどの表色系を用いて表現されることがあり、「red」「blue」「green」など特定の色を表す名称として表現されても良い。色情報は一の色のみから構成されてもよいし、複数の色のみから構成されてもよい。評価の変化に伴い色の明度等がグラデーションをもって変化するように出力する構成も考えられ、そのような構成を採用すると、評価の高低がより一層視認性をもって把握することが可能になる。
【0044】
大きさについては、評価の高低に応じて所定の表示コンテンツを表示させることが考えられる。具体的には、自身にとって有利な評価である場合には表示を小さく、不利な評価であれば表示を大きくすることが考えられる。当該構成を採用することにより、利用者にとり、文字コンテンツの有利不利の判断を直感的に把握させることが可能になる。
【0045】
形状については、円形や四角形、矩形、球形その他幾何学図形形状である場合のほか、キャラクターをはじめとするピクトグラムを用いる場合や、「〇」「×」「△」などのような記号状形状を用いる場合が考えられる。
【0046】
なおUI出力手段において出力される表示コンテンツは、ここまで説明した構成の表示コンテンツを組み合わせて生成されてもよい。すなわち、評価結果に応じて色と大きさを組み合わせたり、色と形状とを組み合わせたりして表示コンテンツを生成することが可能である。当該構成を採用することにより、様々な評価結果に対する表示コンテンツを柔軟に出力することができるため、広範な評価結果の視認可能性を向上させることができる。
【0047】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0048】
1 法律文章評価システム
10、20 プロセッサ
50 ネットワーク
100 サーバ端末
200 利用者端末
【要約】      (修正有)
【課題】法律文書の評価に関して、論点を明確にしつつスピーディにかつ正確に行うことのできる技術を提供すること。
【解決手段】本発明による法律文章評価方法は、コンピュータによって実装されるものである。法律文章評価方法は、法律文章の入力を受け付ける入力ステップと、法律文章の評価範囲に関する評価範囲情報と、前記法律文章の評価ルールとを読み出す読出ステップと、法律文章の少なくとも評価範囲情報に対応する範囲について評価ルールに基づいて評価する評価ステップと、評価を出力する出力ステップと、を含んでいる。
【選択図】図6
図1
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図5
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図12