(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561341
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】ポリケトンで製造された燃料タンク及びそれを製造する製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 69/00 20060101AFI20190808BHJP
B29C 65/16 20060101ALI20190808BHJP
B60K 15/03 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
B29C69/00
B29C65/16
B60K15/03 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-527710(P2018-527710)
(86)(22)【出願日】2017年2月14日
(65)【公表番号】特表2018-530464(P2018-530464A)
(43)【公表日】2018年10月18日
(86)【国際出願番号】KR2017001572
(87)【国際公開番号】WO2017142280
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2018年2月8日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0019304
(32)【優先日】2016年2月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518047078
【氏名又は名称】ジェイピーシー オートモーティブ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】ユン,グァン ウォン
【審査官】
越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】
特表平11−504880(JP,A)
【文献】
特開2000−280353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 69/00−69/02
B29C 45/00−45/84
B29C 65/00−65/82
B60K 15/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機を通じて上部カバー及び下部カバーを射出成形するカバー射出成形段階と、
前記カバー射出成形段階を通じて射出成形された上部カバーと下部カバーを上下部にそれぞれ配置して組み立てるカバー組み立て段階と、
前記カバー組み立て段階で組み立てられた上部カバーと下部カバーとが当接する接触面をレーザーで融着させるカバー融着段階とを含み、
前記射出成形機を通じて射出成形される上部カバー及び下部カバーは、ポリケトン(Polyketone)素材を通じて射出成形されて剛性が向上することを特徴とし、
前記カバー組み立て段階と前記カバー融着段階との間には、前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を一つ以上のローラーで加圧するカバー加圧段階を含み、
前記カバー融着段階は、前記カバー加圧段階でローラーが前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を加圧する間に行われることを特徴とし、
前記上部カバーと下部カバーの枠端が互いに対応するように形成され、前記上部カバー及び下部カバーの枠端のうちいずれか一つの枠端には、突出した突出部が形成され、他の一つの枠端には、前記突出部が挿入される挿入溝が形成され、
前記突出部の一側面及び前記挿入溝の一側面には、前記カバー加圧段階で前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を加圧するローラーの加圧力が支持されるように前記上部カバー及び下部カバーの外側面に対して平行な一つ以上の支持面が形成されたことを特徴とし、
前記カバー射出成形段階は、前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の内側面に燃料流動防止用仕切りが形成されるように射出成形することを特徴とし、
前記燃料流動防止用仕切りには、前記上部カバー及び下部カバーの枠端より突出した支持段が射出成形され、
前記支持段は、前記カバー加圧段階で前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を加圧するローラーの加圧力を支持することを特徴とする、ポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法。
【請求項2】
前記上部カバーには、枠の外側面に上部突出段が突出形成され、
前記下部カバーには、枠の外側面に下部突出段が突出形成され、
前記カバー加圧段階は、いずれか一つのローラーが前記上部突出段の上部から下部に加圧し、他のいずれか一つのローラーが前記下部突出段の下部から上部に加圧することを特徴とする、請求項1に記載のポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法。
【請求項3】
前記上部突出段の下側面及び前記下部突出段の上側面には、前記カバー加圧段階で前記上部突出段及び下部突出段を加圧するローラーの加圧力が支持されるように前記上部突出段の上側面及び下部突出段の下側面に対して平行な一つ以上の支持面が形成されたことを特徴とする、請求項2に記載のポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法。
【請求項4】
前記カバー射出成形段階は、前記上部カバーの枠下端と前記下部カバーの枠上端がそれぞれ挿入される挿入溝が形成された中間カバーをさらに射出成形し、
前記カバー組み立て段階は、前記上部カバーと下部カバーとの間に前記中間カバーを備えて組立て、
前記カバー融着段階は、前記上部カバーと中間カバー及び前記下部カバーと中間カバーが当接する接触面をそれぞれレーザーで融着させることを特徴とする、請求項1に記載のポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリケトンで製造された燃料タンク及びそれを製造する製造方法に関し、より詳細には、上下部カバーの2個の部品を同時に成形して取り出し、機械を通じて組み立てた後、直ぐ融着を行うことによって、自動化及び大量生産が可能な、ポリケトンで製造された燃料タンク及びそれを製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車の燃料装置は、エンジンに混合気を供給する装置であって、混合気を作ってエンジンに供給する気化器、又は燃料をエンジンの燃焼室に噴射するインジェクターと、この気化器やインジェクターにろ過された燃料を供給する燃料ポンプと、燃料を貯蔵する燃料タンクなどで構成されている。
【0003】
前記のような各部品は、燃料パイプによって互いに連結されており、特に、燃料タンクは、薄い鋼板で作ったタンク本体に燃料注入口を形成するフィラーホースを連通状態で装着して、燃料を前記タンク本体に入れるように構成されている。
【0004】
このような燃料タンクは、大韓民国公開特許公開番号第10−2001−0030223号(以下、「特許文献1」と称する)のように、1次射出成形、2次射出成形、及び融着部分に剛性補強物を追加する方式で製造される。すなわち、1次及び2次射出成形後、別途の後加工として融着を補完する工程からなっている。
【0005】
しかし、特許文献1の場合、1次射出成形後、別途の後工程(固定ロッド及びクランプ、繊維、追加の二重射出、熱硬化性樹脂を用いたダブテール加工)で燃料タンクの剛性及び融着部分を補完したが、製造工法上、大量生産及び原価低減に限界があり、燃料タンクを構成する原材料の物性に限界があるので、融着後、別途の工程(固定ロッド、繊維、二重射出、ダブテールなど)を通じて剛性を補強しなければならないという問題があった。また、このような剛性補強のための別途の補強工程によって重量増加及び原価上昇をもたらすという問題があった。
【0006】
また、大韓民国公開特許公開番号第10−2013−0033818号(以下、「特許文献2」と称する)は、ブロー成形で1次射出、2次剛性補強物の挿入、及び3次射出する方式である。すなわち、1次成形後、別途の切断加工及び挿入加工が追加された後で2次ブロー成形が行われる。
【0007】
しかし、特許文献2の場合、1次成形後、別途の加工で切開を行ってから、再び剛性補強物を挿入した状態で2次射出を行うことによって、後加工及び手作業が必要であり、大量生産及び原価節減に限界があった。
【0008】
また、特許文献2の場合、ブロー成形により、タンクの内部に流動性騒音防止のための仕切りを構成することができず、さらに、これを具現するためには別途の構造物を挿入しなければならないと共に、別途の剛性補強物の挿入によって重量増加をもたらすという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した問題点を解決するために案出された本発明の目的は、上部カバーと下部カバーを同時に成形して取り出し、機械を通じて組み立てた後、上部カバーと下部カバーとを融着させることによって、自動化が可能な構造からなり、大量生産が可能なだけでなく、画期的な原価節減が可能であると同時に、別途の補強物がなくてもポリケトン原材料の剛性のみで必要な剛性を満足させることによって燃料タンクの軽量化が可能な、ポリケトンで製造された燃料タンク及びそれを製造する製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するための本発明のポリケトンで製造する製造方法によると、射出成形機を通じて上部カバー及び下部カバーを射出成形するカバー射出成形段階;前記カバー射出成形段階を通じて射出成形された上部カバーと下部カバーを上下部にそれぞれ配置して組み立てるカバー組み立て段階;及び前記カバー組み立て段階で組み立てられた上部カバーと下部カバーとが当接する接触面をレーザーで融着させるカバー融着段階;を含む。
【0011】
また、前記射出成形機を通じて射出成形される上部カバー及び下部カバーは、ポリケトン(Polyketone)素材を通じて射出成形されて剛性が向上することを特徴とする。
【0012】
また、前記カバー組み立て段階と前記カバー融着段階との間に、前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を一つ以上のローラーで加圧するカバー加圧段階;をさらに含み、前記カバー融着段階は、前記カバー加圧段階でローラーが前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を加圧する間に行われることを特徴とする。
【0013】
また、前記上部カバーと下部カバーの枠端が互いに対応するように形成され、前記上部カバー及び下部カバーの枠端のうちいずれか一つの枠端には、突出した突出部が形成され、他の一つの枠端には、前記突出部が挿入される挿入溝が形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、前記突出部の一側面及び前記挿入溝の一側面には、前記カバー加圧段階で前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を加圧するローラーの加圧力が支持されるように前記上部カバー及び下部カバーの外側面に対して平行な一つ以上の支持面が形成されたことを特徴とする。
【0015】
また、前記上部カバーには、枠の外側面に上部突出段が突出形成され、前記下部カバーには、枠の外側面に下部突出段が突出形成され、前記カバー加圧段階は、いずれか一つのローラーが前記上部突出段の上部から下部に加圧し、他のいずれか一つのローラーが前記下部突出段の下部から上部に加圧することを特徴とする。
【0016】
また、前記上部突出段の下側面及び前記下部突出段の上側面には、前記カバー加圧段階で前記上部突出段及び下部突出段を加圧するローラーの加圧力が支持されるように前記上部突出段の上側面及び下部突出段の下側面に対して平行な一つ以上の支持面が形成されたことを特徴とする。
【0017】
また、前記カバー射出成形段階は、前記上部カバーの枠下端及び前記下部カバーの枠上端がそれぞれ挿入される挿入溝が形成された中間カバーをさらに射出成形し、前記カバー組み立て段階は、前記上部カバーと下部カバーとの間に前記中間カバーを備えて組み立て、前記カバー融着段階は、前記上部カバーと中間カバー及び前記下部カバーと中間カバーが当接する接触面をそれぞれレーザーで融着させることを特徴とする。
【0018】
また、前記カバー射出成形段階は、前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の内側面に燃料流動防止用仕切りが形成されるように射出成形することを特徴とする。
【0019】
また、前記燃料流動防止用仕切りには、前記上部カバー及び下部カバーの枠端より突出した支持段が射出成形され、前記支持段は、前記カバー加圧段階で前記上部カバー及び下部カバーのうちいずれか一つ以上の外側面を加圧するローラーの加圧力を支持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上で説明したように、本発明によると、上下部カバーの2個の部品を同時に成形して取り出し、機械を通じて組み立てた後、直ぐ融着を行うことによって自動化が可能な構造であり、大量生産が可能なだけでなく、画期的な原価節減が可能であると同時に、別途の補強物がなくてもポリケトン原材料の剛性のみで必要な剛性を満足させることによって燃料タンクの軽量化が可能な、ポリケトンで製造された燃料タンク及びそれを製造する製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係るポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法を示したフローチャートである。
【
図2】本発明の好ましい実施例に係る燃料タンクを示した斜視図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例に係る燃料タンクを示した平面図である。
【
図4】
図3の「A」部分を多様に示した側断面図である。
【
図5】
図3の「A」部分を多様に示した側断面図である。
【
図6】
図3の「A」部分を多様に示した側断面図である。
【
図7】
図3の「A」部分を多様に示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現可能である。但し、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるものに過ぎない。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を称する。
【0023】
以下、本発明の各実施例によってポリケトンで製造された燃料タンク及びそれを製造する製造方法を説明するための各図面を参考にして、本発明について説明する。
【0024】
図1は、本発明の好ましい実施例に係るポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法を示したフローチャートである。
図2は、本発明の好ましい実施例に係る燃料タンクを示した斜視図である。
図3は、本発明の好ましい実施例に係る燃料タンクを示した平面図である。
図4乃至
図7は、
図3の「A」部分を多様に示した側断面図である。
【0025】
図1乃至
図7を参照すると、本発明に係るポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法は、カバー射出成形段階(S10)、カバー組み立て段階(S20)、カバー加圧段階(S30)及びカバー融着段階(S40)を含む。
【0026】
まず、カバー射出成形段階(S10)は、射出成形機を通じて上部カバー10及び下部カバー20を射出成形する。
【0027】
このとき、カバー射出成形段階(S10)は、上部カバー10の枠下端及び下部カバー20の枠上端がそれぞれ挿入される挿入溝61が形成された中間カバー60をさらに射出成形することができる。
【0028】
また、射出成形機を通じて射出成形される上部カバー10、下部カバー20及び中間カバー60は、ポリケトン(Polyketone)素材を通じて射出成形されて、剛性が向上し得る。
【0029】
ポリケトンとは、一酸化炭素、エチレン及びプロピレンの三元共重合によって作る新素材である。
【0030】
このようなポリケトンは、熱、摩擦、衝撃、化学物質などに耐える能力に優れるので、金属に取って代わる工業用プラスチック素材として使用される。特に、プラスチックナイロンに比べると、衝撃には2倍、摩擦には最高14倍ほど優れるので、自動車及び電子部品などの産業用素材として使用されると予想される。
【0031】
カバー組み立て段階(S20)は、カバー射出成形段階(S10)を通じて射出成形された上部カバー10及び下部カバー20を上下部にそれぞれ配置して組み立てる。
【0032】
また、カバー組み立て段階(S20)は、上部カバー10と下部カバー20との間に中間カバー60をさらに備えて組み立てることができる。
【0033】
カバー加圧段階(S30)は、上部カバー10及び下部カバー20のうちいずれか一つ以上の外側面を一つ以上のローラー40で加圧する。
【0034】
また、カバー加圧段階(S30)は、中間カバー60の外側面を一つ以上のローラー40で加圧することができる。このとき、カバー加圧段階(S30)は、上部カバー10を下部カバー20の方向にローラー40又は他の機器で加圧することができる。
【0035】
そして、カバー加圧段階(S30)は、一つのローラー40を用いて上部カバー10と下部カバー20の外側面、上部カバー10と中間カバー60の外側面、及び上部カバー10と中間カバー60の外側面のうちいずれか一つの外側面を同時に加圧することができる。
【0036】
カバー融着段階(S40)は、カバー組み立て段階(S20)で組み立てられた上部カバー10と下部カバー20とが当接する接触面をレーザー50で融着させる。このとき、レーザー50の照射のために、レーザー機器を用いることができる。
【0037】
そして、カバー融着段階(S40)は、上部カバー10と中間カバー60及び下部カバー20と中間カバー60が当接する接触面をそれぞれレーザー50で融着させることができる。
【0038】
ここで、カバー融着段階(S40)は、カバー加圧段階(S30)でローラー40が上部カバー10及び下部カバー20のうちいずれか一つ以上の外側面を加圧する間に行われ得る。
【0039】
このように、上述した本発明のポリケトンで製造する燃料タンクの製造方法を用いると、上下部カバー10,20の2個の部品を同時に成形して取り出し、機械を通じて組み立てた後、直ぐ融着を行うことによって自動化が可能な構造であり、大量生産が可能なだけでなく、画期的な原価節減が可能である。なお、別途の補強物がなくてもポリケトン原材料の剛性のみで必要な剛性を満足させることによって、燃料タンクの軽量化が可能である。
【0040】
一方、上述したカバー射出成形段階(S10)を通じて射出成形された上部カバー10、下部カバー20及び中間カバー60について説明する。
【0041】
上部カバー10と下部カバー20の枠端が互いに対応するように形成され、互いに当接しながら組み立てられる。
【0042】
ここで、上部カバー10と下部カバー20の枠端が組み立てられるとき、上部カバー10の内側面又は外側面が下部カバー20の内側面又は外側面と互いに一つの平面に配置されて維持されることによって、外力によっても位置がずれないように形成されることが好ましい。
【0043】
すなわち、
図4に示したように、上部カバー10及び下部カバー20の枠端のうちいずれか一つの枠端には、突出した突出部11,21が形成され、他の一つの枠端には、突出部11,21が挿入される挿入溝12,22が形成され得る。
【0044】
そして、突出部11,21は、上部カバー10及び下部カバー20の枠端のうちいずれか一つの枠端の中央から突出形成され、枠端の内側面又は外側面が延長されるように突出形成され得る。
【0045】
また、突出部11,21の一側面及び挿入溝12,22の一側面には、カバー加圧段階(S30)で上部カバー10及び下部カバー20のうちいずれか一つ以上の外側面を加圧するローラー40の加圧力が支持されるように上部カバー10及び下部カバー20の外側面に対して平行な一つ以上の支持面30が形成される。
【0046】
このとき、支持面30の両端は、カバーの外側又は内側方向に対角線上に又は直角に折り曲げられて延長形成される。
【0047】
また、突出部11,21及び挿入溝12,22の他側面は対角線上に形成され得る。
【0048】
そして、カバー融着段階(S40)は、カバー組み立て段階(S20)で組み立てられた上部カバー10と下部カバー20とが当接する接触面、すなわち、支持面30をレーザー50で融着させる。
【0049】
図5を参照すると、上部カバー10は、枠の外側面に上部突出段13が突出形成される。このとき、上部突出段13の下側面と上部カバー10の枠端の下側面とが延長形成され、突出部11,21及び挿入溝12,22が形成され得る。
【0050】
そして、下部カバー20は、枠の外側面に下部突出段23が突出形成される。このとき、下部突出段23の上側面と下部カバー20の枠端の下側面とが延長形成され、突出部11,21及び挿入溝12,22が形成され得る。
【0051】
このとき、カバー加圧段階(S30)は、いずれか一つのローラー40が上部突出段13の上部から下部に加圧し、他のいずれか一つのローラー40が下部突出段23の下部から上部に加圧する。
【0052】
ここで、上部突出段13の下側面及び下部突出段23の上側面には、カバー加圧段階(S30)で上部突出段13及び下部突出段23を加圧するローラー40の加圧力が支持されるように上部突出段13の上側面及び下部突出段23の下側面に対して平行な一つ以上の支持面30が形成される。
【0053】
そして、カバー融着段階(S40)は、カバー組み立て段階(S20)で組み立てられた上部突出段13と下部突出段23とが当接する接触面、すなわち、支持面30に延長形成された斜線方向の接触面をレーザー50で融着させる。
【0054】
図6を参照すると、カバー射出成形段階(S10)を通じて射出成形された中間カバー60が上部カバー10と下部カバー20の枠端間に備えられる。
【0055】
このとき、中間カバー60は、上下側面がそれぞれ対応するように形成され、上下側面の中間部分が上部カバー10の枠下端に形成された突出部11,21と、下部カバー20の枠上端に形成された突出部11,21とがそれぞれ挿入される一対の挿入溝61を備えている。
【0056】
そして、中間カバー60の内側方向である挿入溝61の一側面には、ローラー40の加圧に支持されるように上部カバー10及び下部カバー20の外側面に対して平行な支持面30が垂直方向に形成される。
【0057】
また、中間カバー60の一対の挿入溝61は、中間カバー60の外側に行くほど上下幅が広くなるように形成される。すなわち、中間カバー60の外側方向である挿入溝61の他側面は、中間カバー60の外側面に向かって対角線上に延長形成される。
【0058】
そして、カバー融着段階(S40)は、カバー組み立て段階(S20)で組み立てられた上部突出段13及び下部突出段23が中間カバー60と当接する接触面のうち、中間カバー60の挿入溝61の他側面と当接する接触面をレーザー50で融着させる。
【0059】
図7を参照すると、カバー射出成形段階(S10)は、上部カバー10及び下部カバー20のうちいずれか一つ以上の内側面に燃料流動防止用仕切り70が形成されるように射出成形する。
【0060】
このとき、上部カバー10に形成された燃料流動防止用仕切り70には、上部カバー10の枠端より下側に突出した支持段71が射出成形される。
【0061】
また、下部カバー20に形成された燃料流動防止用仕切り70には、下部カバー20の枠端より上側に突出した支持段71が射出成形される。
【0062】
また、燃料流動防止用仕切り70は、上部カバー10及び下部カバー20の内側面の両方に形成され、支持段71は交互に形成され得る。
【0063】
そして、支持段71は、カバー加圧段階(S30)で上部カバー10及び下部カバー20のうちいずれか一つ以上の外側面を加圧するローラー40の加圧力を支持することができる。
【0064】
特に、支持段71が形成されると、上述した支持面30が上部カバー10及び下部カバー20の枠端に形成されなくてもよい。
【0065】
そして、カバー融着段階(S40)は、カバー組み立て段階(S20)で組み立てられた上部突出段13及び下部突出段23が中間カバー60と当接する接触面のうち、中間カバー60の挿入溝61の他側面と当接する接触面をレーザー50で融着させる。
【0066】
上述したように、本発明の製造方法を通じて製造されるポリケトンで製造された燃料タンクの構造については既に詳細に説明したので、これについての説明は省略する。
【0067】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施可能であることを理解できるだろう。そのため、以上で記述した各実施例は、全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならない。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その均等概念から導出される全ての変更又は変形した形態が本発明の範囲に含まれると解釈しなければならない。なお、上述する過程で記述した構成の作動は、必ずしも時系列的な順序で行われる必要はなく、各構成及び段階の実行順序が変わるとしても、本発明の要旨を充足する限り、このような過程が本発明の権利範囲に属し得ることは当然である。