特許第6561346号(P6561346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニューデルタ工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6561346-歩行型刈取機 図000002
  • 特許6561346-歩行型刈取機 図000003
  • 特許6561346-歩行型刈取機 図000004
  • 特許6561346-歩行型刈取機 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561346
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】歩行型刈取機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/06 20060101AFI20190808BHJP
   A01D 34/10 20060101ALI20190808BHJP
   A01G 3/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   A01D34/06
   A01D34/10
   A01G3/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-63434(P2015-63434)
(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公開番号】特開2016-182056(P2016-182056A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029621
【氏名又は名称】ニューデルタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】山下 直人
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−091237(JP,U)
【文献】 米国特許第06986238(US,B1)
【文献】 米国特許第05694752(US,A)
【文献】 実開昭58−034407(JP,U)
【文献】 特開2004−267018(JP,A)
【文献】 実開平06−075116(JP,U)
【文献】 特開昭49−084816(JP,A)
【文献】 米国特許第06188372(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D34/02−34/408
A01G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に配置される機体フレームと、前記機体フレームの前部と後部に配置される前輪及び後輪と、前記機体フレームから斜め上後方に延設されるハンドルと、前記機体フレーム上から立設される支柱と、前記支柱に上下調節可能、かつ、左右回動調節可能に取り付けられる取付台と、前記取付台に着脱可能に取り付けられるカッター装置とを備える歩行型刈取機であって、
前記取付台は、前記支柱に取り付けられ左右方向に延設される横フレームと、前記横フレームに左右摺動可能に取り付けられる摺動支持体と、前記摺動支持体に左右傾倒可能に取り付けられ側面視L字状に形成される回転支持体と、前記回転支持体に回動可能に取り付けられ前記カッター装置を取り付ける取付プレートとを備える
ことを特徴とする歩行型刈取機。
【請求項2】
前記前輪または前記後輪の少なくとも一方は、原動機により駆動される
ことを特徴とする請求項1に記載の歩行型刈取機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型刈取機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜等の生育過多や倒伏を防止したり、収穫量を増加させたりするために、摘心機を用いて茎の先端を摘むことが行われている。従来の摘心機は乗用管理機の前部にカッターを左右水平方向に設け、該カッターは昇降装置により上下昇降可能として、刈高さを調節可能としていた。しかし、前記構成の摘心機は大規模農場には向いているが、中小規模農場では、高価であり、小回りができないため扱いつらいものであった(例えば、特許文献1参照)。そこで、中小規模農場では、歩行型の刈取機が用いられる。歩行型の刈取機は、柱状の主フレームの下部に一輪の車輪を設け、主フレームの上部にハンドルを設け、主フレームの上下中途部にバリカン型のカッター装置を上下調節及び傾斜角度調節可能に設けていた(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−191887号公報
【特許文献2】特開平10−229750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の刈取機は、一輪の車輪で走行する構成であったために、左右に揺れて刈高さが不揃いとなってしまう。また、作業者が押しながら走行させて作業を行うため、地面の凹凸や走行負荷によりどうしても前後に傾斜して刈高さが変動する。さらに、ハンドルを持ち上げながら作業を行うため、労力を多く必要としていた。そこで、本発明はかかる課題に鑑み、安価でコンパクトであって安定した走行が可能な歩行型の刈取機を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、前後方向に配置される機体フレームと、前記機体フレームの前部と後部に配置される前輪及び後輪と、前記機体フレームから斜め上後方に延設されるハンドルと、前記機体フレーム上から立設される支柱と、前記支柱に上下調節可能、かつ、左右回動調節可能に取り付けられる取付台と、前記取付台に着脱可能に取り付けられるカッター装置とを備える歩行型刈取機であって、前記取付台は、前記支柱に取り付けられ左右方向に延設される横フレームと、前記横フレームに左右摺動可能に取り付けられる摺動支持体と、前記摺動支持体に左右傾倒可能に取り付けられ側面視L字状に形成される回転支持体と、前記回転支持体に回動可能に取り付けられ前記カッター装置を取り付ける取付プレートとを備えるものである。
【0006】
請求項においては、前記前輪または前記後輪の少なくとも一方は、原動機により駆動されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、歩行型の刈取機は、前後二輪により安定して走行が可能となり、カッター装置が傾倒し難くなり、刈高さを揃えることができる。また、歩行型の刈取機は原動機により走行駆動されるので、押しながら作業を行う必要がなく、走行速度も調節できて、労力を軽減することができる。また、カッター装置は左右水平方向だけでなく、前後上下方向に刈り取ることが可能となり、さらに、刈高さや左右刈取位置も調節の調節でき、摘心だけでなく、脇芽の刈取もできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例に係る歩行型刈取機の全体的な構成を示した側面図。
図2】同じく正面図。
図3】取付台の(a)平面図と(b)側面図と(c)正面図。
図4】他の刈取作業状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、図1及び図2を参照して、本発明に係る歩行型刈取機1の構成について説明する。なお、以下において、矢印F方向を前方と規定して説明する。また、歩行型刈取機1は本実施形態では、大豆の摘心や脇芽の刈取作業を刈取機として説明を行うが、例えば、花の刈取や圃場や道路の草刈や生垣のせん定作業等に対しても適用できる。
【0010】
歩行型刈取機1は、前後二輪の走行輪によりカッター装置8を支持して刈取作業を行うものであり、歩行型刈取機1は、前後方向に配置される機体フレーム2の前部と後部に配置される前輪3及び後輪4と、前輪3または後輪4の何れか一方に動力を伝達する原動機5と、機体フレーム2から斜め上後方に延設されるハンドル6と、前記機体フレーム2上から立設される支柱7と、該支柱7に上下調節可能、かつ、左右回動調節可能に取り付けられる取付台10と、該取付台10に着脱可能に取り付けられるカッター装置8と、前記原動機5を制御する制御部9とを備える。なお、前記原動機5と制御部9は設けない構成として、手押し式として走行させるようにすることもできる。また、機体フレーム2にスタンド30を取り付けて、立状態で保持できるようにすることもできる。
【0011】
前記機体フレーム2は、左右の支持板21・21と、該支持板21・21の前後中途部上に固定される載置板22とからなる。前記支持板21・21の前端に前車軸23が横架されて前輪3が回転自在に支持される。前記支持板21・21の後端に後車軸24が横架されて後輪4が支持される。こうして、歩行型刈取機1は前後二輪により支持される。
【0012】
前記前輪3または後輪4の少なくとも一方は駆動輪とされ、両輪駆動、または、一方は駆動、他方は回転自在とされる。本実施形態では後輪4を駆動輪としている。該後輪4は原動機5により駆動される。前記原動機5はモータとして、該モータは機体フレーム2に配置して動力伝達機構を介して前輪3または後輪4の少なくとも一方に動力が伝達されて駆動され、刈取作業に労力を軽減できるようにしている。本実施形態では、後輪4のタイヤ内周側に電動モータを配置するホイルインモータとしている。ホイルインモータとすることにより、チェーン等の伝動部材を介して駆動する構成に比べてコンパクトな構成としている。但し、原動機5は電動モータまたはエンジンとして、機体フレーム2上に載置し、伝動部材を介して後輪4または前輪3を駆動する構成とすることも可能である。
【0013】
前記機体フレーム2の載置板22上には制御部9と電源となるバッテリ25が載置され、左右中央の前部から支柱7が立設されている。制御部9はコントローラを備え、原動機5を制御する。前記ハンドル6上にはキースイッチや走行レバーや作業スイッチ等が配置され、電力を供給するバッテリ25は制御部9を介して原動機5とカッター装置8とに接続される。前記キースイッチにより電源をオン/オフし、走行レバーにより走行速度を調節し、作業スイッチによりカッター装置8をオン/オフできるようにしている。
【0014】
前記ハンドル6は、後面視略Y字状に構成して、機体フレーム2の後端より後斜め上方に延設され、ハンドル6の長手方向中途部に左右方向の支持軸を設けて、支持軸を中心にハンドル6の後部を上下回動可能に構成して、上下高さ調節可能とし、作業者の身長に合わせられるようにしている。但し、ハンドル6の形状は限定するものではなく、後面視略T字状や逆U字状やコ字状等であってもよい。また、ハンドル6の取り付け位置は機体フレーム2の後端に限定するものではない。また、ハンドル6の高さ調節するための構造は、上下回動式に限定するものではなく、上下方向に伸縮したり、摺動させたりする構成であってもよい。
【0015】
前記カッター装置8は、ヘッジトリマとして、電動モータにより駆動する構成とし、原動機5と同じバッテリ25から電力を供給できるようにして、オン/オフ制御も容易にできるようにしている。但し、ヘッジトリマは本実施形態では両刃のバリカン式刈刃(往復刃)として、畝上の作物の往復刈取作業を可能としているが、片刃としてもよい。また、回転刃を複数並べて配置して所定の幅を一度に刈り取れる構成であってもよい。また、エンジンにより駆動する構成であってもよい。前記支柱7は円柱で構成され、取付台10を介してカッター装置8を取り付ける。但しし、支柱7は四角柱や六角柱等の多角形に構成してもよい。また、長さの異なる支柱7と交換可能に構成してもよい。
【0016】
前記取付台10は、図3に示すように、支持ボス11と、横フレーム12と、摺動支持体13と、回転支持体14と、取付プレート15からなる。支持ボス11は筒状に構成して支柱7に上下摺動自在に外嵌される。支持ボス11の側面には固定ノブネジ16が螺装され、取付台10を所望の高さ及び所望の左右回転角度で固定可能としている。但し、支持ボス11の支柱7に対する固定構造は、固定ノブネジ16に限定するものではなく、ピンで固定したり、ボルトで締め付け固定したりすることもできる。
【0017】
前記横フレーム12は、支持ボス11に左右水平方向に固定され、レール状に構成している。なお、横フレーム12は収納時や作業時以外では前後方向に向けた状態で固定して収納状態とすることができる。なお、横フレーム12の左右一側にカッター装置8を取り付けた場合、左右他側にバランスウエイトを取り付け、作業安定性を向上させることも可能である。摺動支持体13は、横フレーム12に対して左右摺動自在に嵌合され、所望の位置で固定できるようにしている。本実施形態では、摺動支持体13は側面視逆L字状に構成して下部にボルト孔を開口し、前記横フレーム12には左右方向に長孔12aが開口されて、ボルト孔と長孔12aにボルト17を挿入して任意位置で固定できるようにしている。ただし、摺動支持体13の構成は限定するものではなく、横フレーム12上を摺動して任意位置で固定できる構成であれば、長孔12aを複数設けたり、長孔12aの代わりにリブを設けたり、ピンで固定したり、レールを挟持固定したりする構成とすることもできる。
【0018】
回転支持体14は、摺動支持体13に対して上下回転可能に支持されて所望の角度位置で固定できるようにしている。本実施形態では、回転支持体14は板体を側面視L字状に折り曲げ形成して、一方の垂直面を支持面14aとし、他方の水平面を取付面14bとし、支持面14a及び取付面14bのそれぞれの中央には支持孔を開口し、支持面14aの支持孔には、前記摺動支持体13の前面中央から突出した支持軸13aを挿入し、回転支持体14を回転自在に支持している。さらに、支持面14aには支持孔を中心とする円弧状のガイド孔14cを開口し、該ガイド孔14cに前記ボルト17を挿通して角度調節した後に摺動支持体13とともに固定する構成としている。但し、支持構成及び角度調整のための構成は限定するものではない。また、取付面14bにも支持面14aと同様に、支持孔を中心とする円弧状のガイド孔14dを開口している。
【0019】
取付プレート15は、回転支持体14に対して任意角度で固定可能とするとともに、カッター装置8を固定するための板体である。本実施形態では、取付プレート15の下面中央から下方に支持軸15aが突出され、前記取付面14b中央に開口した支持孔に挿入され回転自在に支持され、取付プレート15の下面から前記ガイド孔14dにボルト18を挿入して、角度調節して固定可能に構成している。但し、支持構成及び角度調整のための構成は限定するものではない。さらに、取付プレート15上からカッター装置8を取り付けるためのボルト19が上方に突設されている。但し、取付構成は限定しない。
【0020】
このような構成において、図1図2に示すように、歩行型刈取機1を用いて摘心作業を行うには、カッター装置8の刃8aを水平として側方(左方または右方)に突出するように取付台10を回転支持体14に固定する。そして、支持ボス11を固定する固定ノブネジ16を緩めてカッター装置8を上下移動して、刈高さを調節し、所望の高さで固定ノブネジ16を締め付けて固定する。つぎに、ボルト17を緩めて摺動支持体13を横フレーム12に対して左右摺動させて、カッター装置8の刃8aの左右中央が畝上の大豆の左右中央に一致するように左右位置調整し、ボルト17を締め付けて固定する。この状態でカッター装置8を作動させながら後輪4を駆動して走行することにより、大豆の上部を刈取る摘心を行うことができる。なお、カッター装置8を低い位置の根元部位置させることで刈取収穫作業や草刈作業を行うことができる。
【0021】
また、作物が側方に延びすぎたり、側方への延びを止めたい場合等では、図4に示すように、カッター装置8の刃8aを垂直方向に向けて作業を行う。この場合、前記摘心作業姿勢から、ボルト17を緩めてカッター装置8の刃8aが上下方向を向くように回転支持体14を90度回動して、ボルト17を締め付けて固定する。次に、支持ボス11を固定する固定ノブネジ16を緩めてカッター装置8を上方に移動して所望の高さ位置で固定する。刃の下端が畝に当接する場合や、前輪3に作物の葉が巻き込んだり踏みつけたりするような場合、ボルト18を緩めて取付プレート15を回動してカッター装置8の刃8aが前輪3よりも前方に突出するように上下角度を調節し、ボルト18を締め付けて固定する。次に、摺動支持体13を横フレーム12に対して摺動させて、カッター装置8の刃が切断位置となるように摺動させて左右位置調整し、ボルト17により固定する。この状態でカッター装置8を作動させながら後輪4を駆動して走行することにより、大豆の側部を刈取ることができる。また、刃8aを上方へ向けることで、生垣等高い位置のせん定作業もできる。また、カッター装置8の先端を前輪3の中心よりも前方に出すことにより、作物を前輪3が踏む前に刈取でき、作物を傷めることがない。
【0022】
以上のように、前後方向に配置される機体フレーム2の前部と後部に配置される前輪3及び後輪4と、前輪3または後輪4の何れか一方に動力を伝達する原動機5と、前記機体フレーム2から斜め上後方に延設されるハンドル6と、前記機体フレーム2上から立設される支柱7と、該支柱7に上下調節可能、かつ、左右回動調節可能に取り付けられる取付台10と、該取付台10に着脱可能に取り付けられるカッター装置8と、前記原動機5を制御する制御部9とを備える歩行型刈取機1とするので、二輪で前後安定した状態で走行しながら刈取作業を行うことができるようになり、一定の高さで刈り取りができる。また、原動機により走行駆動されるので、押しながら作業を行う必要がなく、走行速度も調節できて、労力を軽減することができる。
【0023】
また、前記取付台10は、前記支柱7に取り付けられ左右方向に延設される横フレーム12と、該横フレーム12に左右摺動可能に取り付けられる摺動支持体13と、該摺動支持体13に左右傾倒可能に取り付けられ側面視L字状に形成される回転支持体14と、該回転支持体14に回動可能に取り付けられ前記カッター装置8を取り付ける取付プレート15とを備えるので、上下高さ調節だけでなく、カッター装置8は左右方向の位置、及び、カッター装置8の刃の水平方向と上下方向の刈取方向の切り替え、及び、上下の刈取角度を任意に調整できるようになり、作業の種類を増加でき汎用性を高めることができるようになった。
【0024】
また、前記原動機5は、前輪3または後輪4のタイヤ内周側に配置するホイルインモータとしたので、横フレーム12上に載置する原動機及び伝動部材をなくすことができ、左右の張り出しをなくしてコンパクトな構成とすることができる。また、重い原動機5を低い位置に配置することができて、低重心化を図れて走行安定性を高めることができるようになる。
【符号の説明】
【0025】
1 歩行型刈取機
2 機体フレーム
3 前輪
4 後輪
5 原動機
6 ハンドル
7 支柱
8 カッター装置
9 制御部
10 取付台
図1
図2
図3
図4